(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記部材側のコネクタと前記電装制御部側のコネクタとの結合が解除されたとき、前記部材は前記部材側のコネクタが前記部材に付随した状態で取り外し可能であることを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0013】
本実施の形態に係るクライオポンプでは、バルブや圧力計などのハウジングに取り付けられる電装部材をモジュール化することにより、そのような電装部材の着脱をより容易とする。このようなモジュール化により、特に故障等による電装部材の交換がより容易となる。
【0014】
図1は、本実施の形態に係るクライオポンプ100の正面図である。
図2は、クライオポンプ100の側面図である。
図3は、クライオポンプ100の背面図である。
図2および
図3では配線の図示を省略する。クライオポンプ100は、真空環境で物体に処理をする真空処理装置の真空チャンバ(不図示)の真空排気をするために使用される。真空処理装置は例えば、イオン注入装置やスパッタリング装置等の半導体製造工程で用いられる装置である。
【0015】
クライオポンプ100は、真空チャンバに取り付けられて、真空チャンバ内部の真空度を所望のプロセスに要求されるレベルまで高めるために使用される。例えば10
−5Pa乃至10
−8Pa程度の高い真空度が真空チャンバに実現される。クライオポンプ100は、クライオパネル(不図示)を収容するクライオポンプ100のハウジング102と、クライオパネルを冷却するための冷凍機122と、外部のパージ用ガス源(不図示)とハウジング102の内部との間の流路上に設けられたパージバルブ104と、外部のラフポンプ(不図示)とハウジング102の内部との間の流路上に設けられたラフバルブ106と、ハウジング102の内部と外部との間の流路上に設けられたベントバルブ108と、ハウジング102の内部の圧力を測定するための圧力計すなわちピラニゲージ110と、パージバルブ104およびラフバルブ106およびベントバルブ108およびピラニゲージ110のそれぞれと配線114、116、117、118で接続された電装制御部112と、を備える。
なお、クライオパネルを含むハウジング102内部の構成はよく知られたものが採用されてもよく、例えば特許文献1にその一例が記載されているので、ここでは詳述しない。
【0016】
電装制御部112は、クライオポンプ100を制御する。特に電装制御部112はパージバルブ104、ラフバルブ106、ベントバルブ108の開閉を制御し、ピラニゲージ110からハウジング102内部の圧力の測定値を取得する。電装制御部112は、金属製の筐体と、筐体内に取り付けられた複数枚の回路基板と、を含む。
【0017】
電装制御部112は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース、メモリ等を備える。また、電装制御部112は、真空処理装置を制御するためのホストコントローラ(不図示)とも通信可能に構成されている。電装制御部112は冷凍機122のバルブ駆動モータ122aに取り付けられている。
【0018】
冷凍機122は、例えばギフォード・マクマホン式冷凍機(いわゆるGM冷凍機)などの冷凍機である。冷凍機122は冷媒管120を介して圧縮機(不図示)に接続される。圧縮機は、例えばヘリウム等の冷媒ガス、すなわち作動気体を圧縮して、冷媒管120を介して冷凍機122に供給する。
【0019】
圧縮機から冷凍機122へ、また冷凍機122から圧縮機への作動気体の流れは、冷凍機122内のロータリバルブ(不図示)により切り替えられる。バルブ駆動モータ122aは、外部電源から電力の供給を受けて、ロータリバルブを回転させる。
【0020】
電装制御部112は、クライオパネルの温度に基づき冷凍機122を制御する。そのために、クライオパネルに温度センサ(不図示)が設けられる。温度センサは、ハウジング102に設けられた気密型の温度センサコネクタ126を介して電装制御部112と接続される。電装制御部112は、バルブ駆動モータ122aの運転周波数を制御することにより冷却温度を制御してもよい。
【0021】
ハウジング102は、一端に開口を有し他端が閉塞されている円筒状の形状に形成された部位(以下、「胴部」と呼ぶ)102aを有する。この開口は、クライオポンプ100が接続されるスパッタ装置等の真空チャンバから排気されるべき気体を受け入れるためのポンプ口102bとして設けられている。ポンプ口102bは胴部102aの一端部内面により画定される。また胴部102aにはポンプ口102bとしての開口とは別に、冷凍機122を挿通するための開口(不図示)が形成されている。その開口には円筒状の冷凍機収容部102cの一端が取り付けられ、冷凍機収容部102cの他端は冷凍機122の筐体に取り付けられている。冷凍機収容部102cはハウジング102の一部であり、冷凍機122のシリンダ(不図示)を収容する。
【0022】
ポンプ口102bから半径方向外向きに取り付けフランジ102dが延びている。クライオポンプ100は、取り付けフランジ102dを用いて真空チャンバに取り付けられる。
【0023】
ポンプ口102bには、真空チャンバ等からの輻射熱の流入を抑えるために、バッフル128が設けられている。バッフル128は、例えば、ルーバ構造やシェブロン構造に形成される。バッフル128は同心円状に形成されていてもよいし、あるいは格子状等他の形状に形成されていてもよい。バッフル128は冷凍機122によって冷却される。
【0024】
パージバルブ104は、クライオポンプ100とパージ用ガス源とを接続または遮断するソレノイドバルブである。パージバルブ104のソレノイド部はパージバルブ用配線114を介して電装制御部112と接続される。パージ用ガス源は、窒素ガスなどのパージガスを供給する装置であってもよい。パージバルブ104は、パージ用ガス源側の配管124およびハウジング102の胴部102aのそれぞれにVCR(登録商標)やSwagelok(登録商標)などの継手を介して取り付けられる。
【0025】
パージバルブ104は、パージバルブ用配線114を通じて通電される場合は開状態となり、そうでない場合は閉状態となる。すなわち、電装制御部112はパージバルブ用配線114に電力を供給する/しないことによってパージバルブ104の開閉を制御する。
【0026】
クライオポンプ100の通常動作中すなわち真空排気運転中はパージバルブ104は閉状態とされる。クライオポンプ100の再生中にハウジング102の内部にパージガスを導入する必要が生じた場合、パージバルブ104は開状態とされる。パージバルブ104を所定の期間開状態とすることにより、所定の量のパージガスをハウジング102の内部に導入することができる。
【0027】
パージバルブ用配線114の途中には一対のコネクタが設けられる。パージバルブ用配線114は、パージバルブ側配線114aと、パージバルブ側コネクタ114bと、第1電装側コネクタ114cと、第1電装側配線114dと、を有する。パージバルブ側配線114aの一端はパージバルブ104のソレノイド部と直接にすなわちコネクタを介さずに接続され、他端はパージバルブ側コネクタ114bと接続される。第1電装側配線114dの一端は第1電装側コネクタ114cと接続され、他端は電装制御部112の内部に存在する。特に第1電装側配線114dは電装制御部112の筐体に設けられた開口を通じて電装制御部112の内部に導かれる。
【0028】
パージバルブ側コネクタ114bは第1電装側コネクタ114cと着脱可能に構成される。特にパージバルブ側コネクタ114bおよび第1電装側コネクタ114cは対応する一対のコネクタとして構成され、例えばATXコネクタのオス型とメス型が採用されてもよい。
【0029】
ラフバルブ106は、クライオポンプ100とラフポンプとを接続または遮断するソレノイドバルブである。ラフバルブ106のソレノイド部はラフバルブ用配線116を介して電装制御部112と接続される。ラフバルブ106は、ラフポンプ側の配管およびハウジング102の冷凍機収容部102cのそれぞれにクイックカップリング(NW型、KF型とも称され、ISO2861−1に準拠するカップリング)を介して取り付けられる。なお、カップリングとして他の着脱容易なエラストマーシール仕様の真空カップリング、例えばISO1609に準拠するカップリングやVF/VGフランジを採用してもよい。
【0030】
ラフバルブ106は、ラフバルブ用配線116を通じて通電される場合は開状態となり、そうでない場合は閉状態となる。すなわち、電装制御部112はラフバルブ用配線116に電力を供給する/しないことによってラフバルブ106の開閉を制御する。
【0031】
クライオポンプ100の真空排気運転中はラフバルブ106は閉状態とされる。クライオポンプ100の初動時や再生中はラフバルブ106は開状態とされる。ラフバルブ106を開状態としかつラフポンプを動作させることにより、ハウジング102の内部を、クライオポンプ100の動作圧力範囲の低真空領域、言い替えればクライオポンプ100の動作開始圧力であるベース圧レベルに向けて減圧することができる。ベース圧レベルは、ラフポンプの高真空領域にあたり、ラフポンプとクライオポンプ100の動作圧力範囲の重なり部分に含まれる。ベース圧レベルは、例えば1Pa以上10Pa以下の範囲である。
【0032】
ラフバルブ用配線116は、ラフバルブ側配線116aと、ラフバルブ側コネクタ116bと、第2電装側コネクタ116cと、第2電装側配線116dと、を有する。ラフバルブ用配線116はパージバルブ用配線114と同様に構成される。
【0033】
ベントバルブ108は、クライオポンプ100と外部環境とを接続または遮断するソレノイドバルブである。ベントバルブ108のソレノイド部はベントバルブ用配線117を介して電装制御部112と接続される。ベントバルブ108は、ハウジング102の冷凍機収容部102cにクイックカップリングを介して取り付けられる。
【0034】
ベントバルブ108は、ベントバルブ用配線117を通じて通電される場合は開状態となり、そうでない場合は閉状態となる。すなわち、電装制御部112はベントバルブ用配線117に電力を供給する/しないことによってベントバルブ108の開閉を制御する。
【0035】
ベントバルブ108は、いわゆる安全弁としても機能するよう構成されている。ベントバルブ108は、所定の差圧が作用したときに機械的に開弁されるよう閉弁力が予め設定されている。この設定差圧は例えば、ハウジング102に作用し得る内圧やハウジング102の構造的な耐久性等を考慮して適宜設定することができる。クライオポンプ100の外部環境は通常大気圧であるから、設定差圧は大気圧を基準として所定の値に設定される。
【0036】
クライオポンプ100の真空排気運転中はベントバルブ108は閉状態とされる。ベントバルブ108は、クライオポンプ100の再生中などのようにクライオポンプ100から流体を放出するときに開状態とされる。一方、ベントバルブ108は、ハウジング102の内部側を高圧とする設定差圧が作用したときに機械的に開弁される。このため、ハウジング102の内部が何らかの理由で高圧となったときに制御を要することなくベントバルブ108は機械的に開弁される。それによりハウジング102の内部の高圧を逃がすことができる。こうしてベントバルブ108は安全弁として機能する。
【0037】
ベントバルブ用配線117は、ベントバルブ側配線117aと、ベントバルブ側コネクタ117bと、第3電装側コネクタ117cと、第3電装側配線117dと、を有する。ベントバルブ用配線117はパージバルブ用配線114と同様に構成される。
【0038】
ピラニゲージ110は、冷凍機収容部102cの内部の圧力すなわちハウジング102の内部の圧力を周期的に測定し、測定された圧力を示す電気的な信号をゲージ用配線118を介して電装制御部112に出力する。ピラニゲージ110は、ハウジング102の冷凍機収容部102cにクイックカップリングを介して取り付けられる。なお、ピラニゲージ110は胴部102aに取り付けられてもよい。
【0039】
ゲージ用配線118は、第4電装側コネクタ118aと、第4電装側配線118bと、ゲージ側コネクタ118cと、を有する。第4電装側配線118bの一端は第4電装側コネクタ118aと接続され、他端は電装制御部112の内部に存在する。第4電装側コネクタ118aはゲージ側コネクタ118cと着脱可能に構成され、ゲージ側コネクタ118cはピラニゲージ110の筐体に設けられる。第4電装側コネクタ118aおよびゲージ側コネクタ118cとして例えばD−subコネクタのオス型とメス型が採用されてもよい。
【0040】
図4は、クライオポンプ100から取り外された状態のパージバルブ104を示す外観図である。パージバルブ側コネクタ114bと第1電装側コネクタ114cとの結合が解除されたとき、パージバルブ104はパージバルブ側コネクタ114bがパージバルブ104に付随した状態で取り外し可能である。すなわち、パージバルブ104をクライオポンプ100から取り外す際はパージバルブ側コネクタ114bを第1電装側コネクタ114cから切り離し、配管の継手を緩める。切り離されたパージバルブ側コネクタ114bは、取り外されたパージバルブ104に付随する。
【0041】
図5は、クライオポンプ100から取り外された状態のラフバルブ106を示す外観図である。第2電装側コネクタ116cと切り離されたラフバルブ側コネクタ116bがラフバルブ106に付随する点は
図4に示されるパージバルブ104と同様である。
【0042】
以上の構成によるクライオポンプ100の動作を説明する。
クライオポンプ100の作動に際しては、まずその作動前にラフバルブ106を通じてラフポンプでハウジング102の内部を動作開始圧力程度まで粗引きする。圧力はピラニゲージ110により測定される。その後クライオポンプ100を作動させる。電装制御部112による制御のもとで、冷凍機122の駆動により冷却ステージ(不図示)が冷却され、これらに熱的に接続されているバッフル128やクライオパネルも冷却される。
【0043】
冷却されたバッフル128は、真空チャンバからクライオポンプ100内部へ向かって飛来する気体分子を冷却し、その冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体(例えば水分など)を表面に凝縮させて排気する。バッフル128の冷却温度では蒸気圧が充分に低くならない気体はバッフル128を通過して胴部102aの内部へと進入する。進入した気体分子のうちクライオパネルの冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体は、クライオパネルの表面に凝縮されて排気される。その冷却温度でも蒸気圧が充分に低くならない気体(例えば水素など)は、クライオパネルの表面に接着され冷却されている吸着剤(不図示)により吸着されて排気される。このようにしてクライオポンプ100は取付先の真空チャンバの真空度を所望のレベルに到達させることができる。
【0044】
排気運転が継続されることによりクライオポンプ100には気体が蓄積されていく。蓄積した気体を外部に排出するために、排気運転が開始されてから所定時間が経過したときまたは所定の再生開始条件が満たされたときに、クライオポンプ100の再生が行われる。
【0045】
再生処理は、昇温工程、排出工程、及び冷却工程を含む。昇温工程では、バッフル128およびクライオパネルの温度を不図示のヒータなどにより上昇させる。クライオパネルは真空排気運転のための冷却温度から例えば常温付近の再生温度(例えば約300K)まで加熱される。
【0046】
排出工程では、クライオパネル表面から再気化した気体がクライオポンプ100の外部へ排出される。再気化した気体は例えばラフバルブ106やベントバルブ108を通じて外部に排出される。再気化した気体は、必要に応じてパージバルブ104を通じて導入されるパージガスとともにクライオポンプ100から排出される。
【0047】
冷却工程では、真空排気運転を再開するためにクライオパネルが再冷却される。冷凍機122の冷却運転が開始される。冷却工程の少なくとも一部においてラフバルブ106を通じた粗引きが行われてもよい。こうして再生処理は完了する。
【0048】
本実施の形態に係るクライオポンプ100によると、パージバルブ104、ラフバルブ106、ベントバルブ108およびピラニゲージ110のそれぞれと電装制御部112とをつなぐ配線はコネクタ化されているので、それらの部材の着脱はより容易となる。それらの部材と電装制御部とがコネクタを介さずに直接配線で接続されている場合と比較して、本実施の形態ではそれらの部材を交換する際の配線の取り扱いがより簡素化される。
【0049】
バルブや圧力計がモジュール化されていない従来のクライオポンプでは、バルブや圧力計が故障しても、それをユーザが自分で取り替えることは困難であった。そのようなバルブや圧力計を取り替えるためには、典型的には電装制御部の筐体を開けて配線を外す処置が必要となり、電装制御部の内部についての十分な知識と電装制御部を壊さないように分解して再度組み立てるための十分な技術とが要求されるからである。そこで、従来ではユーザは、たとえ故障箇所が分かっていても、クライオポンプ全体を修理に出すかサービスエンジニアを招聘することが多かった。これではコスト的に不利であり、復旧までにかかる時間が長くなるおそれがある。
【0050】
そこで本実施の形態に係るモジュール化されたクライオポンプ100を採用すると、ユーザは故障した部材に対応する新たな部材をクライオポンプ100の製造元から入手して交換することで、より容易かつ迅速にクライオポンプ100の修理を行うことができる。したがって、メンテナンスの容易さも含めたクライオポンプ100の商品価値が向上し、クライオポンプの市場でより優位に立つことができる。
【0051】
図6は、パージバルブ104が故障した場合のクライオポンプ100の修理方法における一連の手順を示すフローチャートである。ユーザは到達真空度の悪化や異音などによりクライオポンプ100の故障が疑われる場合、クライオポンプ100の取扱説明書に記載される所定の手順によりクライオポンプ100の故障を診断する(S202)。診断の結果、パージバルブ104に故障が発見されたとする。ユーザは、クライオポンプ100の製造元に問い合わせることにより、故障したパージバルブ104に対応する新たなパージバルブを入手する(S204)。ユーザは、パージバルブ側コネクタ114bと第1電装側コネクタ114cとを切り離す(S206)。ユーザは、切り離されたパージバルブ側コネクタ114bが付随する故障したパージバルブ104をクライオポンプ100から取り外す(S208)。ユーザはステップS204で入手した新たなパージバルブをクライオポンプ100に取り付ける(S210)。ユーザは、新たなパージバルブのパージバルブ側コネクタと第1電装側コネクタ114cとを接続する(S212)。基本的には以上のステップによりクライオポンプ100のパージバルブ104の交換が完了する。このようにユーザはより迅速かつ低コストでクライオポンプ100を復旧させることができる。
なお、クライオポンプ100の製造元のフィールドエンジニアがユーザサイトにおいて上記修理方法を実行してもよい。
【0052】
本実施の形態に係るクライオポンプ100では、圧力計としてピラニゲージ110が採用されている。従来では圧力計として熱電対真空計(TCゲージとも称される)が採用される場合が多い。ピラニゲージ110は原理上、熱電対真空計よりも異物に対する耐性が高いので、クライオポンプにおける使用により適している。
【0053】
また、真空チャンバ内の気体分子を凝集し、再生時に外部に放出するというクライオポンプ100の性質上、ハウジング102内の圧力を測定するための圧力計には異物が混入しやすく、圧力計の交換は比較的頻繁に生じうる。そこで本実施の形態では圧力計はハウジング102にクイックカップリングなどの着脱容易な手段により取り付けられる。これにより、圧力計の交換をよりスムーズに行うことができる。
【0054】
以上、実施の形態に係るクライオポンプ100の構成および動作について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0055】
実施の形態では、ハウジング102にパージバルブ104が取り付けられている場合について説明したが、これに限られず、パージバルブ104はハウジング102の内部とパージ用ガス源との間の流路上に設けられていればよく、例えば所定の長さの配管を介してハウジング102とパージバルブ104とが接続されていてもよい。ラフバルブ106、ベントバルブ108、ピラニゲージ110についても同様である。
【0056】
実施の形態では、電装制御部112は冷凍機122に取り付けられている場合について説明したが、これに限られず、それらは別々に存在してもよい。