特許第5963464号(P5963464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5963464-インクジェット記録装置 図000002
  • 特許5963464-インクジェット記録装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963464
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   B41J2/01 129
   B41J2/01 305
   B41J2/01 107
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-21460(P2012-21460)
(22)【出願日】2012年2月3日
(65)【公開番号】特開2013-158981(P2013-158981A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000107907
【氏名又は名称】セーレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃
【審査官】 加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−200948(JP,A)
【文献】 特開2008−247491(JP,A)
【文献】 特開2006−272873(JP,A)
【文献】 特開2007−276414(JP,A)
【文献】 特開2009−214328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に向かって紫外線硬化型インクを吐出するインクジェット記録ヘッドと、
前記記録媒体に付着した紫外線硬化型インクに紫外線を照射する紫外線ランプと、
前記記録ヘッド及び前記紫外線ランプをそれぞれ搭載し、主走査方向に移動可能なキャリッジと、
前記記録媒体を粘着する粘着部を前記記録媒体を設置する設置面に設け、粘着された状態の前記記録媒体を副走査方向に搬送する無端ベルトとを備えたインクジェット記録装置において、
前記粘着部と前記紫外線ランプの間に遮光部が設けられており、
前記遮光部の副走査方向の長さは、前記紫外線ランプの副走査方向の長さよりも長くなっており、前記遮光部の主走査方向の端部は、前記記録媒体の両端より1〜10mmオーバーラップするように配置されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関する。特に、本発明は、紫外線照射により硬化する紫外線硬化型インクを記録媒体に付着することにより画像形成をおこなうインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することにより硬化するという性質上、インクジェット記録ヘッドから吐出され記録媒体表面に付着したインクに紫外線を照射することで、記録媒体内部への浸透又は記録媒体上での滲みが発生する前に速やかにインクを硬化させることが可能である。従って、インク受容層を形成することなく紙、布帛、木材等のインク吸収性のある記録媒体はもとより、皮革、ガラス、金属、セラミックス、フィルム等のインク吸収性の無い記録媒体上にも高品質の画像を形成することができるようになる。
【0003】
インクジェット記録ヘッドから吐出されたインクを紫外線照射により硬化させる場合、記録媒体上に付着したインクに対し満遍なく十分な紫外線照射をおこなって全体を均一に硬化させる必要がある。そのため、例えば、特許文献1では、記録媒体の幅方向に移動させて記録動作をおこなうシリアルヘッドに紫外線照射ランプを搭載して記録動作を行ないながら紫外線照射を行なうことが提案されている。また、特許文献2では、記録ヘッドにより主走査方向に移動して記録媒体に記録しながら副走査方向に記録媒体を搬送し、記録された記録媒体に紫外線光源を主走査方向に移動させながら紫外線照射する点が記載されている。
【0004】
ところで、記録媒体が紙、フィルム、布帛、合成皮革などの長尺なモノである場合には、特許文献3のように、記録媒体を一時固定する目的で、搬送ベルト上に粘着テープなどを使用した粘着部が設けられることがあるが、この場合、紫外線を照射された部分の粘着部が乾燥し、粘着力が低下してしまうということがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−132767号公報
【特許文献2】特開2004−167793号広報
【特許文献3】特開2011−031418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、紫外線が繰返し照射されたとしても、搬送ベルト上に設けられた粘着部の粘着力が低下せず、記録媒体を安定して搬送することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来の課題に鑑みなされた本発明の一側面は、記録媒体に向かって紫外線硬化型インクを吐出するインクジェット記録ヘッドと、前記記録媒体に付着した紫外線硬化型インクに紫外線を照射する紫外線ランプと、前記記録ヘッド及び前記紫外線ランプをそれぞれ搭載し、主走査方向に移動可能なキャリッジと、前記記録媒体を粘着する粘着部を前記記録媒体を設置する設置面に設け、粘着された状態の前記記録媒体を副走査方向に搬送する無端ベルトとを備えたインクジェット記録装置において、前記粘着部と前記紫外線ランプの間に遮光部が設けられており、前記遮光部の副走査方向の長さは、前記紫外線ランプの副走査方向の長さよりも長くなっており、前記遮光部の主走査方向の端部は、前記記録媒体の両端より1〜10mmオーバーラップするように配置されているインクジェット記録装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、紫外線が繰返し照射されたとしても、搬送ベルト上に設けられた粘着部の粘着力が低下せず、記録媒体を安定して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る実施形態に関する概略斜視図である。
図2】本発明に係る実施形態に関する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。また、他の構成を含むようにしてもよい。
【0011】
図1は、本発明に係る実施形態に関する概略斜視図である。記録媒体1は、無端ベルト2により支持されており、無端ベルト2は、一対の搬送ロール3により回転駆動される。搬送ロール3が回転することで、記録媒体1は、副走査方向Yf又はその逆方向Ybに搬送される。無端ベルト2に支持された記録媒体1上には、複数のインクジェット記録ヘッドを備えたヘッド部4がキャリッジ5に支持されて配置されており、各インクジェット記録ヘッドからは異なる色の紫外線硬化型インクが選択的に吐出される。キャリッジ5は、平行に配設された4本のガイドレール6に移動自在に取り付けられており、主走査方向Xf又はXbに移動可能に設定されている。また、キャリッジ5にはタイミングベルト7が固定されており、タイミングベルト7は、キャリッジモータ8の駆動プーリ・従動プーリ9との間に張架されている。そして、キャリッジモータ8が回転駆動することで、キャリッジ5は主走査方向に記録媒体1の幅よりも広い範囲を移動することができる。キャリッジ5には、紫外線照射手段として紫外線ランプ10a及び10bが固定されており、紫外線ランプ10a及び10bは、ヘッド部4を主走査方向から挟むように配設されている。ヘッド部4は、4つのインクジェット記録ヘッド4Y、4M、4C、4Kが副走査方向Yfに順に配列されている。記録ヘッド4Y、4M、4C、4Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色を吐出するようになっている。各インクジェット記録ヘッドには、図示しないフラットケーブルが接続されており、フラットケーブルを介して駆動信号が入力されると、選択的にインクを吐出するようになっている。ヘッド部4の主走査方向の両側には紫外線ランプ10a及び10bが配設されており、紫外線ランプ10a及び10bの副走査方向Yfの長さは、ヘッド部4の長さよりも長くなるように設定されている。なお、インクジェット記録ヘッドの配列は、副走査方向に配列されていればよく、例えば、副走査方向にずらして階段状に配列されていてもよい。
【0012】
ヘッド部4を主走査方向Xf又はXbに移動させながら、ヘッド部4からインクを吐出して記録媒体1に記録を行うと、紫外線ランプ10a及び10bがヘッド部4と一体となって移動するため、記録媒体1に記録されたインクには紫外線ランプ10a及び10bから紫外線が照射されるようになり、記録されたインクが速やかに硬化するようになる。そして、主走査方向にヘッド部4が往復移動する場合でもヘッド部4の両側に紫外線ランプ10a及び10bが設けられているので、往路及び復路のいずれも記録されたインクに紫外線が照射されるようになる。
【0013】
記録動作は、ヘッド部4が主走査方向に移動しながら走査ラインに沿って駆動信号に応答して記録をおこない、走査ラインの記録が終了すると、搬送ロール3が回転して記録媒体1を副走査方向Yfに所定の走査ライン分搬送し、ヘッド部4により主走査方向に記録をおこなう。以上の動作を繰り返すことで、記録媒体1上に画像が記録される。
【0014】
無端ベルト2の外周面には、設置面に設置される記録媒体1を粘着する粘着部11が設けられており、記録媒体1は粘着部11を介して無端ベルト2に固定されている。粘着部11は、設置面に貼られた粘着テープによって形成される。粘着部11を形成する粘着テープには、例えば、0.5〜2.0N/cm程度の接着力(粘着力)を有するテープが用いられる。
【0015】
ヘッド部4が主走査方向Xf又はXbに移動する領域の無端ベルト2の両端には、薄い板状の遮光部12が設けられている。遮光部12の副走査方向Yfの長さは、紫外線ランプ10a及び10bの副走査方向Yfの長さよりも長くなるように設定されている。図2は、記録媒体1、無端ベルト2、粘着部11及び遮光部12の位置関係を模した概略断面図であるが、これによれば、粘着部11の記録媒体1が粘着されていない部分は遮光部12によって隠されて(保護されて)おり、紫外線ランプ10a及び10bから照射される紫外線が当たらないようになっている。また、左右それぞれの遮光部12の端部と記録媒体1の両端がほぼ一致またはオーバーラップするように配置されており、記録媒体1には紫外線ランプ10a及び10bから照射される紫外線が当たるようになっている。無端ベルト2の走行位置や記録媒体1の固定位置がプリント中に逐次変化する場合には、遮光部12の端部と記録媒体1の両端が、1〜10mm程度オーバーラップできるように遮光部は主走査方向に移動可能な構造としてもよい。また、厚みが異なる記録媒体1にプリントする場合には、記録媒体1の厚みに合わせて遮光部12が上下に移動可能な構造としてもよい。
【0016】
遮光部12の形状は薄い板状のものがよく、特に、薄くて剛性があり、また耐熱性も良好であることから、厚みが1〜2mm程度のアルミやステンレスなどの金属が好ましい。遮光部12の設置場所については、無端ベルト2に沿って設置されている搬送フレーム(図示せず)に取付けてもよく、または、インクジェット記録装置とは別体で、遮光部12を支持する個別のフレームに取付けてもよく、固定できるものであれば特に限定されない。また、プリント条件や紫外線照射条件にもよるが、遮光部12の温度上昇が著しい条件で使用する場合には、遮光部材12の熱膨張を吸収または開放できるよう固定箇所にあそびを設けてもよい。
【符号の説明】
【0017】
1 記録媒体
2 無端ベルト
4 ヘッド部
10a、10b 紫外線ランプ
11 粘着部
12 遮光部
図1
図2