特許第5963475号(P5963475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963475
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】試料分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   G01N35/00 Z
【請求項の数】24
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-48517(P2012-48517)
(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公開番号】特開2013-185829(P2013-185829A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(72)【発明者】
【氏名】柴田 文江
(72)【発明者】
【氏名】金子 周平
【審査官】 土岐 和雅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−153960(JP,A)
【文献】 意匠登録第1217452(JP,S)
【文献】 特開2003−210687(JP,A)
【文献】 実開平03−005181(JP,U)
【文献】 実開平06−028884(JP,U)
【文献】 特開平06−317858(JP,A)
【文献】 特開平09−021801(JP,A)
【文献】 特開2002−080028(JP,A)
【文献】 実開平05−007639(JP,U)
【文献】 特開2008−089616(JP,A)
【文献】 特開2010−133979(JP,A)
【文献】 意匠登録第1175362(JP,S)
【文献】 特開2010−185885(JP,A)
【文献】 特開平08−015271(JP,A)
【文献】 特開2005−037173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N15/00〜15/14、33/48〜33/98、35/00〜37/00、G09F9/00〜9/46
日本国意匠公報
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置前面部の左右方向の一方側に表示部を備え、他方側に試料を吸引するための吸引管を備え、使用者が手に持った状態の試料容器から前記吸引管により前記試料を吸引可能な試料分析装置であって、
前記装置前面部の前記一方側に凹部を設け、前記表示部を前記凹部の奥に配置し、
前記凹部は、奥から前方に向かって次第に左右方向の幅が広がっており、前記凹部の奥に配置された前記表示部が、装置前方から見て、前記凹部内の前記一方側寄りに位置しており、
前記吸引管は、前記凹部よりも前記他方側に配置されている、
試料分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の試料分析装置において、
前記凹部は、前記表示部より前記他方側に内壁面を有し、当該内壁面は、装置後方に凹むように湾曲している、
試料分析装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の試料分析装置において、
前記凹部は、前記表示部より前記一方側に内壁面を有し、当該内壁面は、装置前面に対して略垂直に設けられている、
試料分析装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記凹部は、前記表示部より前記一方側に第1内壁面を有し、前記表示部より前記他方側に第2内壁面を有し、前記第2内壁面は前記第1内壁面よりもなだらかな傾斜面となっている、
試料分析装置。
【請求項5】
請求項1ないしの何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記凹部は、奥から前方に向かって次第に上下方向の幅が広がっており、前記凹部の奥に配置された前記表示部が、装置前方から見て、前記凹部内の下側寄りに位置している、
試料分析装置。
【請求項6】
請求項に記載の試料分析装置において、
前記凹部は、前記表示部の上側に内壁面を有し、当該内壁面は、装置後方に凹むように湾曲している、
試料分析装置。
【請求項7】
請求項またはに記載の試料分析装置において、
前記凹部は、前記表示部の下側に内壁面を有し、当該内壁面は、前記表示部側から装置前面側に向かって次第に低くなるように傾斜している、試料分析装置。
【請求項8】
請求項に記載の試料分析装置において、
前記凹部の前記下側の内壁面は、装置後方に凹むように湾曲している、
試料分析装置。
【請求項9】
請求項1ないしの何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記表示部は、当該表示部の表示面が上方を向くように傾斜して配置されている、
試料分析装置。
【請求項10】
請求項1ないしの何れか一項に記載の試料分析装置において、
装置前方から見て、前記表示部は前記装置前面部の右側に配置されている、
試料分析装置。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記凹部の内壁面の明度が前記装置前面部の他の部分の明度よりも低くなっている、
試料分析装置。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記凹部の内壁面に、光の反射を抑えるための加工が施されている、
試料分析装置。
【請求項13】
請求項12に記載の試料分析装置において、
前記凹部の内壁面が粗面化されている、
試料分析装置。
【請求項14】
請求項1ないし13の何れか一項に記載の試料分析装置において、
印字された用紙を排出するための用紙排出部が、前記表示部の下側に配置されている、
試料分析装置。
【請求項15】
請求項14に記載の試料分析装置において、
前記装置前面部は、所定の色の第1領域と、前記所定の色と異なる色の第2領域とを含み、
前記表示部および前記用紙排出部は、前記第1領域に配置されている、
試料分析装置。
【請求項16】
請求項14または15に記載の試料分析装置において、
装置の前後方向においてそれぞれ厚みの異なる第1部分、第2部分および第3部分を含み、
前記表示部は、前記第1部分に配置され、
前記用紙排出部は、前記第2部分に配置され、
試料吸引の開始スイッチが、前記第3部分に配置されている、
試料分析装置。
【請求項17】
請求項16に記載の試料分析装置において、
前記第1、第2および第3部分のうち、前記第1部分の厚みが最も大きく、前記第3部分の厚みが最も小さく、
前記第1部分は、前記第3部分の前方上方まで延びており、前記第3部分の前方上方まで延びた前記第1部分と前記第3部分との段差によって前記第3部分の前側に形成される空間に、前記第1部分の内部から前記吸引管が下方向に突出している、
試料分析装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の試料分析装置において、
前記第2部分と前記第3部分とは段差状に連接しており、
試料と混合される試薬を収容するための試薬収容部が、前記第2部分と前記第3部分との連接部に収容されており、
前記試薬収容部に収容された試薬の残量を視認するための窓部が、前記第2部分の前面に設けられている、
試料分析装置。
【請求項19】
請求項1ないし18の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記吸引管により吸引された試料を測定するための測定部と、
前記測定部により取得された測定データを処理するためのデータ処理部と、が当該装置の本体内に配置されている、
試料分析装置。
【請求項20】
請求項19に記載の試料分析装置において、
前記試料は粒子を含み、
前記測定部は、前記試料中の粒子の特徴情報を測定するように構成され、
前記データ処理部は、前記測定部で得られた特徴情報を処理して前記試料中の粒子数を生成するように構成されている、
試料分析装置。
【請求項21】
請求項20に記載の試料分析装置において、
前記試料は血液試料であり、
前記測定部は、前記血液試料中の血球の特徴情報を測定するように構成され、
前記データ処理部は、前記測定部で得られた特徴情報を処理して前記血液試料中の血球数を生成するように構成されている、
試料分析装置。
【請求項22】
請求項1ないし21の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記表示部は、タッチパネル式の表示部である、
試料分析装置。
【請求項23】
請求項1ないし22の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記表示部および前記吸引管がその前方側に設けられた装置本体部と、
前記装置本体部の前方側を覆うように前記装置本体部に取り付けられるカバー部と、を備える、
試料分析装置。
【請求項24】
請求項23に記載の試料分析装置において、
前記カバー部は、前記凹部が形成された前面部と、当該前面部の端部に接続した側面部とを有し、
前記凹部の奥行きは、前記側面部の25%以上の長さを有する、
試料分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液などの試料を吸引して分析する試料分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
疾患の診断等のため患者から採取した血液を分析する血液分析装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のような血液分析装置を使用する際には、ユーザは、自らが採血管を手に持ち転倒攪拌し、キャップを開け、血液分析装置の吸引管を採血管内の血液に浸し、スタートボタンを押す操作を行う必要がある。また、それ以外にも、ユーザが表示部の表示内容を見ながら操作キーを操作し、検体番号の設定作業や分析結果の出力作業なども行う必要がある。
【0004】
特許文献1に記載された装置には、装置前面部に血液を吸引するプローブと表示部とが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−21801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の血液分析装置では、表示部が装置前面に配置されているので、装置外部からの光が表示部に到来して表示部の表面で反射したり、装置外部の光源の像が表示部に写ったりすることにより、表示内容が見にくくなる場合がある。そのような場合には、ユーザは表示内容が見やすい位置に体を移動させる必要がある。しかしながら、血液吸引動作のための作業をユーザが吸引管の近くで行っている場合に、わざわざ表示内容が見やすい位置に体を移動させて表示内容を確認する必要があるとなれば、ユーザの動作に煩雑さが生じ、装置の操作性が低下するおそれがある。特に、採血管内の血液に吸引管を浸して血液を吸引させている間は、吸引管が血液から抜けないように採血管を静止させておく必要があるため、表示内容が見えやすい位置に体を動かすことは非常に煩雑である。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するために為されたものであり、表示部の表示内容が見やすく操作性のよい試料分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主たる態様は、試料分析装置に関する。この態様に係る試料分析装置は、装置前面部の左右方向の一方側に表示部を備え、他方側に試料を吸引するための吸引管を備え、使用者が手に持った状態の試料容器から前記吸引管により前記試料を吸引可能な構成である。また、前記装置前面部の前記一方側に凹部が設けられ、この凹部の奥に前記表示部が配置される。前記凹部は、奥から前方に向かって次第に左右方向の幅が広がっており、前記凹部の奥に配置された表示部が、装置前方から見て、前記凹部内の前記一方側寄りに位置しており、前記吸引管は、前記凹部よりも前記他方側に配置されている。
【0009】
本態様に係る試料分析装置によれば、表示部が凹部の奥に配置されているので、外来光が表示部に届きにくく、表示部を見やすくすることができる。また、表示部が、装置前方から見て、凹部内の一方側寄りに位置しているため、他方側から表示部を見る場合に、前
記凹部の他方側の内壁面に続く装置前面部によってユーザの視線が遮られることを抑制でき、他方側から表示面を見やすくすることができる。したがって、ユーザは、表示部の表示内容が見やすい位置に体を動かすことなく、吸引管の近くで作業を行いながら表示部の表示内容を障害なく円滑に視認することができ、操作性の向上を図ることができる。そのため、例えば、試料容器内の試料に吸引管を浸して試料を吸引させている間であっても、ユーザは表示部の表示内容を円滑に視認することができる。
【0010】
また、表示部がタッチパネル式の表示部である場合、表示部と吸引管が互いに左右方向に離れて配置されるので、ユーザは、たとえば、試料吸引作業と表示部での操作を異なる手で行うことができ、吸引管と表示部とに対する操作を容易に行うことができる。また、ユーザが吸引管側に位置した状態で表示部での操作を行えるため、表示部での操作を終えた後に試料吸引動作のためにわざわざ吸引管側に移動する必要がなく、ユーザの動線を簡略化させることができる。
【0011】
本態様に係る試料分析装置において、前記凹部は、前記表示部より前記他方側に内壁面を有し、当該内壁面は、装置後方に凹むように湾曲しているのが望ましい。この構成によれば、内壁面の湾曲によって光が分散されるため、蛍光灯等の像が表示部に映り込みにくくなる。よって、表示部の表示内容の視認性をさらに向上させることができる。
【0012】
また、前記凹部は、前記表示部より前記一方側に内壁面を有し、当該内壁面は、装置前面に対して略垂直に設けられているのが望ましい。こうすると、凹部を設けるためのスペースを極力少なくすることができるため、装置の小型化を図ることができる。
前記凹部は、前記表示部より前記一方側に第1内壁面を有し、前記表示部より前記他方側に第2内壁面を有し、前記第2内壁面は前記第1内壁面よりもなだらかな傾斜面となっていることが望ましい。こうすると、吸引管の前方の位置から表示部を見たときに、ユーザの視線が、装置前面部によって遮られにくくなり、ユーザは、表示部の確認を良好に行うことができる。
【0013】
本態様に係る試料分析装置において、前記凹部は、奥から前方に向かって次第に上下方向の幅が広がっており、前記凹部の奥に配置された表示部が、装置前方から見て、前記凹部内の下側寄りに位置していてもよい。この構成によれば、表示部を上方から見た場合であっても、装置前面部によってユーザの視線が遮られることを抑制でき、表示部の表示内容を円滑に視認することができる。そのため、例えばユーザが立った状態であっても容易に表示内容を確認できる。
【0014】
この場合、前記凹部は、前記表示部の上側に内壁面を有し、当該内壁面は、装置後方に凹むように湾曲しているのが望ましい。こうすると、上側内壁面の湾曲によって光が分散されるため、蛍光灯等の像が表示部に映り込みにくく、表示内容の視認性が向上する。また、表示部がタッチパネル式の表示部である場合、上側内壁面が湾曲しているため、表示部の上部を操作する際に、ユーザの指が上側内壁面と干渉することを抑制でき、操作がスムーズになる。
【0015】
本態様に係る試料分析装置において、前記凹部は、前記表示部の下側に内壁面を有し、当該内壁面は、表示部側から装置前面側に向かって次第に低くなるように傾斜していてもよい。この構成によれば、表示部を下方から見た場合であっても表示部の表示内容を視認することができるため、たとえば、机の上に設置されている装置をユーザが椅子に座って操作する場合であっても容易に表示内容を確認することができる。また、表示部がタッチパネル式の表示部である場合、下側内壁面が傾斜しているため、表示部の下部を操作する際にユーザの指が下側内壁面と干渉することを抑制でき、操作がスムーズになる。
【0016】
この場合、前記凹部の前記下側の内壁面は、装置後方に凹むように湾曲しているのが望ましい。こうすると、表示部の下部を操作する際に、ユーザの指が下側内壁面と干渉することをさらに抑制でき、操作がスムーズになる。
【0017】
本態様に係る試料分析装置において、前記表示部は、当該表示部の表示面が上方を向く
ように傾斜して配置され得る。この構成によれば、ユーザが立って当該試料分析装置を操作する場合のように、装置の上方から表示部を見るような場合であっても、表示部の画面をより容易に視認することができる。また、表示部がタッチパネル式の表示部である場合には、画面が上を向くため、画面を押しやすくなり、画面に対する操作性が向上する。
【0018】
本態様に係る試料分析装置において、前記表示部は、装置前方から見て、前記装置前面部の右側に配置され得る。この構成によれば、右利きのユーザであれば吸引管の正面に位置した状態のまま、右手で容易に表示部を操作して各種設定を行うことができる。世界的に左利きより右利きの人の方が多いことが知られているため、このように表示部を配置することにより、多くのユーザにとって操作性が向上する。
【0019】
本態様に係る試料分析装置において、前記凹部の内壁面の明度が、前記装置前面部の他の部分の明度よりも低くなっているのが望ましい。こうすると、内壁面による反射が抑制されるため、内壁面で反射して表示部に入射する光が減少し、表示内容が見やすくなる。
【0020】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記凹部の内壁面に、光の反射を抑えるための加工が施されていると良い。たとえば、前記凹部の内壁面に、たとえば梨地加工等、微細な凹凸が形成され、内壁面が粗面化されても良い。こうすると、内壁面による光の反射が抑制されるため、内壁面で反射して表示部に入射する光が減少し、表示内容が見やすくなる。
【0021】
本態様に係る試料分析装置において、印字された用紙を排出するための用紙排出部が、前記表示部の下側に配置されるのが望ましい。本態様に係る試料分析装置では、吸引管が装置前面部の他方側に配置されているため、このように表示部の下側に用紙排出部を配置することができる。このように用紙排出部を配置すると、排出された用紙が、表示部と吸引管の両方に掛からないため、吸引管に対する操作、表示部の確認および用紙排出部から排出された用紙の切り取りや印字内容の確認等を支障なく行うことができる。
【0022】
この構成に係る試料分析装置では、前記装置前面部を、所定の色の第1領域と、前記所定の色と異なる色の第2領域とを含むよう構成し、前記表示部および前記用紙排出部を、前記第1領域に配置するよう構成され得る。この構成によれば、作業および操作の際に位置確認が必要となる表示部および用紙排出部が、視覚的に、他の部分から明瞭に区別されるため、作業性および操作性を高めることができる。
【0023】
また、この構成に係る試料分析装置は、装置の前後方向においてそれぞれ厚みの異なる第1部分、第2部分および第3部分を含み、前記表示部は、前記第1部分に配置され、前記用紙排出部は、前記第2部分に配置され、試料吸引の開始スイッチが、前記第3部分に配置されるよう構成され得る。この構成によれば、機能の異なる複数の構成要素が明確に区別して配置されているので、ユーザの誤操作を抑制することができる。
【0024】
この場合、前記第1、第2および第3部分のうち、前記第1部分の厚みが最も大きく、前記第3部分の厚みが最も小さく、前記第1部分は、前記第3部分の前方上方まで延びており、前記第3部分の前方上方まで延びた前記第1部分と前記第3部分との段差によって前記第3部分の前側に形成される空間に、前記第1部分の内部から、前記吸引管が下方向に突出するよう構成され得る。この構成によれば、表示部を前側に位置付けることができるため、文字や記号が小さくても表示内容が見やすくなる。また、前記第3部分の前方上方まで延びた前記第1部分の下側に吸引管を突出させる空間を確保することができる。さらに、第3部分に試料吸引の開始スイッチが配置されているため、試料を収容した容器に吸引管を差し込んだまま、容易に、開始スイッチを押すことができ、操作性を高めることができる。
【0025】
また、この構成においては、さらに、前記第2部分と前記第3部分とは段差状に連接しており、試料と混合される試薬を収容するための試薬収容部が、前記第2部分と前記第3部分との連接部に収容されており、前記試薬収容部に収容された試薬の残量を視認するための窓部が、前記第2部分の前面に設けられるよう構成され得る。この構成によれば、第2部分と第3部分の段差を利用して試薬収容部が設けられ、試薬残量を視認するための窓部が第2部分の前面に配置されているので、省スペース化を図りながら、簡易な構成で、ユーザに試薬残量の確認を行わせることができる。
【0026】
本態様に係る試料分析装置においては、前記吸引管により吸引された試料を測定するための測定部と、前記測定部により取得された測定データを処理するためのデータ処理部と、が当該装置の本体内に配置されているのが望ましい。こうすると、別途、データ処理部を設ける必要が無くなるため、装置を小型化することができる。
【0027】
この場合、前記試料は粒子を含み、前記測定部は、前記試料中の粒子の特徴情報を測定するように構成され、前記データ処理部は、前記測定部で得られた特徴情報を処理して前記試料中の粒子数を生成するように構成されていてもよい。試料中の粒子を測定する装置においては、試料を収容した試料容器をユーザが手に持って転倒攪拌し、キャップを開けて吸引管を試料容器内に挿入させ、試料吸引中は試料容器を静止させるといった作業を行う必要がある。本態様に係る試料分析装置においては、ユーザは試料吸引動作のための作業を吸引管の近くで行いながら表示部の表示内容を視認できるとともに、表示部がタッチパネル式である場合には、上記作業を吸引管の近くで行いながら表示部の操作を行うことができる。そのため、粒子を測定する装置において特に本願発明の構成は効果的である。
【0028】
この場合、たとえば、前記試料は血液試料であり、前記測定部は、前記血液試料中の血球の特徴情報を測定するように構成され、前記データ処理部は、前記測定部で得られた特徴情報を処理して前記血液試料中の血球数を生成するように構成される。
【0029】
本態様に係る試料分析装置において、前記表示部は、タッチパネル式の表示部で構成され得る。この構成によれば、キーボード等の入力部を表示部と別途設ける必要がないため、装置の小型化を図れる。
【0030】
本態様に係る試料分析装置において、前記表示部および前記吸引管がその前方側に設けられた装置本体部と、前記装置本体部の前方側を覆うように前記装置本体部に取り付けられるカバー部と、を備えてもよい。
【0031】
本態様に係る試料分析装置において、前記カバー部は、前記凹部が形成された前面部と、当該前面部の端部に接続した側面部とを有し、前記凹部の奥行きは、前記側面部の25%以上の長さを有することが好ましい。これにより、外来光が表示部に届くことをより効果的に抑制することができ、表示部をさらに見やすくすることができる。
【発明の効果】
【0032】
以上のとおり、本発明によれば、表示部の表示内容が見やすく操作性のよい試料分析装置を提供することができる。
【0033】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】実施の形態に係る試料分析装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る試料分析装置の本体部の構成を示す図である。
図3】実施の形態に係る試料分析装置のカバー部の構成を示す図である。
図4】実施の形態に係る試料分析装置の構成を示す図である。
図5】実施の形態に係る試料分析装置の構成の概要を示す図である。
図6】実施の形態に係る試料分析装置の流体回路の構成の概要を示す図である。
図7】実施の形態に係る試料分析装置の操作手順の流れを示す図である。
図8】実施の形態に係る試料分析装置の操作の状況を示す図である。
図9】実施の形態に係る試料分析装置の光の入射状況を示す図である。
図10】実施の形態に係る試料分析装置の視認性を説明する図である。
図11】実施の形態に係る試料分析装置の表示/操作部を操作する際の指の進み方を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本実施の形態は、血液試料に関する分析を行うための試料分析装置に本発明を適用したものである。
【0036】
以下、本実施の形態に係る試料分析装置について、図面を参照して説明する。
【0037】
図1(a)は、左前方から見た試料分析装置1の外観を示す斜視図であり、図1(b)は、右前方から見た試料分析装置1の外観を示す斜視図である。
【0038】
本実施の形態に係る試料分析装置1は、本体部2と、カバー部3から構成されている。本体部2とカバー部3は、蝶番によって、開閉可能なように取り付けられている。
【0039】
図2(a)は、右前方から見た本体部2の構成を示す斜視図である。図2(b)は、左側から見た本体部2の構成を示す平面図である。なお、図2(a)、図2(b)には、本体部2の内部における構成部の位置関係を説明するため、各構成部の概略位置が破線で示されている。また、図2(b)は、便宜上、本体部2にカバー部3が取り付けられた状態で示されている。
【0040】
図2(a)を参照して、本体部2は、吸引部21と、空圧調整部22(図2(b)参照)と、試料調製部23と、検出部24と、廃液部25と、表示/操作部26と、プリンタ27と、制御部28と、開始スイッチ29を備えている。
【0041】
吸引部21は、本体部2の前面の左側上部に配されている。吸引部21は、吸引ピペット211と、サンプリングバルブ212、洗浄機構213等を含んでいる。これらは、本体部2の前面に突出している。吸引ピペット211は、試料容器から試料を吸引し、その試料をサンプリングバルブ212へと送出する。サンプリングバルブ212は、導入された試料を所定量に定量し、複数の流路に分割して後段の流体回路に流出する。洗浄機構213は、試料を測定後に吸引ピペット211の汚れを洗浄する。
【0042】
空圧調整部22は、図2(b)に示すように本体部2の左側下部に配されている。空圧調整部22は、空圧源を備え、吸引部21、試料調製部23、廃液部25等に対して流体移送用の圧力を供給する。また、本体部2の左側面には、凹部が形成されており、この凹部には、陽圧調整器221と、陰圧調整器222が配されている。陽圧調整器221と、陰圧調整器222は、それぞれ、空圧源の陽圧、陰圧を調整する。
【0043】
試料調製部23は、主に本体部2の内部の左側後方に配されている。試料調製部23は、吸引ピペット211から流入された血液試料の赤血球、白血球および血小板を測定する
ための測定試料を調製するためのチャンバ、バルブ等からなる流体回路を含んでいる。試料調製部23は、本体部2の前面の試薬収容部231に取り付けられた溶血剤容器R1にチューブ(図示せず)を介して接続されている。試薬収容部231は、本体部2の前面の中央下部に配されており、試薬容器を載置可能なように、前方向に延びる板状の腕部からなっている。また、試料調製部23は、図2(b)に示すように、本体部2の背面からチューブを介して、試料分析装置1の外部に配されている希釈液容器R2に接続されている。さらに、図2(b)に示すように、本体部2の左側面の凹部には、上部から、逆流防止用チャンバBCが配されている。逆流防止用チャンバBCは、試料分析装置1に異常が発生した場合に、空圧源に試薬等が流れ込むのを防止する。
【0044】
検出部24は、本体部2の前面の中央上部に配されている。検出部24は、その内部に、試料調製部23によって調製された測定試料中の赤血球、白血球および血小板を測定するための電気抵抗式検出器を備えている。検出部24の外観は、直方体の一辺が切り欠かれた形状を有しており、本体部2の前面に突出している。
【0045】
廃液部25は、試料調製部23と同様に、主に本体部2の内部の左側後方に配されている。廃液部25は、検出部24によって、検出後の廃液を収容する廃液チャンバ、廃液を外部に流出する流路等の流体回路を含んでいる。
【0046】
表示/操作部26は、本体部2の前面の右側上部に配されている。表示/操作部26は、タッチパネル式のディスプレイである。表示/操作部26は、本体部2の前面に突出しており、取り付け具によって、スクリーン面が上下方向から後ろ方向に所定の角度(本実施形態では約15度)で傾くように、本体部2の前面に装着されている。表示/操作部26は、制御部28からの信号に基づいて、測定メニュー、測定結果等を表示する。また、表示/操作部26は、ユーザによって、検体番号の入力、測定メニューの選択等が入力されると、制御部28に入力内容を送信する。
【0047】
プリンタ27は、本体部2の前面の右側下部に配されている。プリンタ27は、制御部28からの信号に基づいて、測定結果等のリストを用紙に印字して、用紙排出口271から用紙を外部に排出する。プリンタ27は、正面視において、略方形形状を有しており、本体部2の前面に突出している。
【0048】
制御部28は、主に本体部2の内部の右側後方に配されている。制御部28は、CPU、メモリ等を含んでおり、本体部2の各部の装置を制御する。開始スイッチ29は、本体部2の前面の左側中央に配されている。開始スイッチ29は、正面視において、略方形形状の平板であり、後ろ方向に押下可能なように、本体部2の前面の左側上部のスイッチ機構に接続されている。開始スイッチ29は、水色で彩色されており、カバー部3の白色と比較して強調される配色となっている。
【0049】
図3は、試料分析装置1の構成の概要を示す図である。
【0050】
上述のように、試料分析装置1は、吸引部21と、空圧調整部22と、試料調製部23と、検出部24と、廃液部25と、表示/操作部26と、プリンタ27と、制御部28とを備えている。制御部28は、これらと通信可能なように接続されている。
【0051】
図4は、試料分析装置1の流体回路の概要を示す図である。
【0052】
試料容器Tには、希釈された血液試料または全血検体が収容されている。吸引部21は、上述のように、吸引ピペット211と、サンプリングバルブ212を含んでいる。試料調製部23は、赤血球および血小板を測定するための測定試料を調製する1次反応チャン
バMC1および2次反応チャンバMC2と、白血球を測定するための測定試料を調製する反応チャンバMC3を備えている。検出部24は、赤血球、血小板および白血球を測定するための電気抵抗式検出器DCを備えている。また、廃液部25は、廃液を収容する廃液チャンバWCを備えている。
【0053】
試料容器Tに収容された全血検体の赤血球および血小板を測定する場合、吸引部21は、空圧調整部22(図3参照)によって吸引ピペット211に陰圧を与えることにより、吸引ピペット211を介して試料を吸引する。そして、吸引部21は、サンプリングバルブ212によって所定量に定量した試料を1次反応チャンバMC1に吐出する。また、試料調製部23は、所定量の希釈液を1次反応チャンバMC1に吐出する。試料調製部23は、1次反応チャンバMC1内で、血液試料と希釈液とを混合攪拌し、血液試料を希釈する。そして、試料調製部23は、1次反応チャンバMC1で希釈された試料を、流路を介して、サンプリングバルブ212に再度流入する。
【0054】
サンプリングバルブ212は、希釈された血液試料を再度定量し、2次反応チャンバMC2に吐出する。その後、試料調製部23は、所定量の希釈液を2次反応チャンバMC2に吐出する。試料調製部23は、2次反応チャンバMC2内で、血液試料と希釈液とを混合攪拌し、さらに血液試料を希釈して赤血球および血小板測定用の試料を調製する。2次反応チャンバMC2で調製された測定試料は、流路を介して電気抵抗式検出器DCに送られる。
【0055】
検出部24は、電気抵抗式検出器DCによって測定試料中の赤血球、血小板から電気情報を検体のデータとして検出する。検出部24を通過した測定試料は、流路を介して廃液チャンバWCに送られる。なお、予め希釈された血液試料を測定する場合は、1次反応チャンバMC1での1段目の希釈が省略される。
【0056】
試料容器Tに収容された全血検体または血液試料の白血球を測定する場合、吸引部21は、空圧調整部22(図3参照)によって吸引ピペット211に陰圧を与えることにより、吸引ピペット211を介して試料を吸引する。そして、吸引部21は、サンプリングバルブ212によって所定量に定量した試料を反応チャンバMC3に吐出する。また、試料調製部23は、所定量の希釈液と、所定量の溶血剤を反応チャンバMC3に吐出する。試料調製部23は、反応チャンバMC3内で、血液試料と試薬とを混合攪拌し、白血球測定用の測定試料を調製する。
【0057】
反応チャンバMC3で調製された測定試料は、流路を介して電気抵抗式検出器DCに送られる。検出部24は、この電気抵抗式検出器DCによって測定試料中の白血球等から電気情報を検体のデータとして検出する。検出部24を通過した測定試料は、流路を介して廃液チャンバWCに送られる。
【0058】
図3に戻り、検出部24により検体のデータが検出されると、制御部28は、検体のデータに基づいて、血液試料中の血球数を生成する。そして、制御部28は、生成した血球数のデータ等を整形し、プリンタ27により用紙に印刷して外部に排出する。以上のようにして、血液試料の測定が行われる。
【0059】
図5(a)は、左前方から見たカバー部3の構成を示す斜視図である。図5(b)は、右後方から見たカバー部3の構成を示す斜視図である。また、図6(a)は、本体部2にカバー部3が取り付けられた状態の試料分析装置1の前面を示す平面図である。図6(b)は、試料分析装置1の上面を示す平面図、図6(c)は、試料分析装置1の左側面を示す平面図である。
【0060】
図5(a)を参照して、カバー部3は、後側が空間となっている白色の枠部材である。カバー部3は、正面視において、角が丸みを帯びた略方形形状である。カバー部3は、装置の前後方向の厚みの異なる、肉厚部31と、中肉部32と、肉薄部33を有している。カバー部3の前面右方には、肉厚部31と中肉部32を跨ぐようにして、上下方向に延びる彩色部34が配されている。彩色部34は、艶のある黒色の塗料で塗装されている。
【0061】
肉厚部31は、中肉部32および肉薄部33と段差状に連接している。図5(b)に示すように、肉厚部31は、前後方向の厚みD1が最も大きく、後方に最も大きいスペースを有する。肉厚部31は、このスペースに図2(a)に示した本体部2の吸引部21の上部と、検出部24と、表示/操作部26等を収容する。
【0062】
図5(a)に戻り、肉厚部31の右方には、後方向に凹む凹部311が形成されており、凹部311の奥には、正面視において略方形形状の開口312が形成されている。すなわち、凹部311の内壁面の奥側の端縁により囲まれる領域が開口312となっている。凹部311は、開口312から肉厚部31の前面に向かって左右方向の幅および上下方向の幅が大きくなるように形成されている。図6(a)に示すように、表示/操作部26は開口312に嵌め込まれており、凹部311および開口312により、表示/操作部26が視認可能なように外部に露出される。なお、凹部311の前側の端縁により囲まれる領域の全ては、吸引ピペット211よりも右側に配置されている。
【0063】
開口312は、凹部311の前側の縁の大きさよりも小さくなっている。開口312は、凹部311の右下側に偏っている。すなわち、開口312(表示/操作部26)の中央は、装置前方から見て、凹部311の前側の端縁により囲まれる領域の中央よりも右下側に位置している。開口312は、図6(c)に示すように、表示/操作部26の角度と同様の角度(約15度)で上下方向から、後ろ方向に向かって傾いている。
【0064】
凹部311の左内壁面311aは、図6(b)に示すように、肉厚部31の前面に垂直な方向(前後方向)から開口312側に向かって傾いており、且つ、斜面は、後方に凹むように湾曲している。他方、凹部311の右内壁面311bは、肉厚部31の前面に対して略垂直となっている。したがって、左内壁面311aは、右内壁面311bよりもなだらかな傾斜面となっている。
【0065】
また、凹部311の上内壁面311cは、図6(c)に示すように、肉厚部31の前面に垂直な方向(前後方向)から開口312側に向かって傾いており、且つ、斜面は、後方に凹むように湾曲している。他方、凹部311の下内壁面311dも同様に、肉厚部31の前面に垂直な方向(前後方向)から開口312側に向かって傾いており、且つ、斜面は、後方に凹むように湾曲している。表示/操作部26および開口312は、所定の角度で傾いており、上内壁面311cの広さは、下内壁面311dの広さよりも大きくなっている。
【0066】
凹部311の奥行きの長さL1は、カバー部3の前後方向の厚みL2の約31%である。すなわち、カバー部3の側方から見て、肉厚部31の前面から上内壁面311cの下端までの同一水平面上における長さL1が、カバー部3の側壁面の幅L2の約31%を占めている。なお、外来光が表示/操作部26に届くことを効果的に防止するためには、長さL1が長さL2の25%以上であることが好ましい。また、外来光を抑制するとともに、表示/操作部26の視認性およびユーザの指による表示/操作部26の操作性を確保するためには、長さL1が長さL2の25%以上かつ35%以下であることが好ましい。
【0067】
図5(a)に戻り、凹部311は、彩色部34の領域内に配置されている。したがって、図6(a)に示すように、表示/操作部26は、正面視において、彩色部34の領域内
に配置される。凹部311の各内壁面311a〜311dは、彩色部34と同様に黒色で塗装されており、カバー部3の他の領域の白色よりも明度が低くなっている。また、凹部311の各内壁面311a〜311dは、艶のある塗装によって大量の光が反射して表示/操作部26(図6(a)参照)に入射することを防ぐために、表面が粗面化されており(表面に微細な凹凸が形成されており(いわゆるシボ加工、梨地加工))、その上に塗装が施されている。
【0068】
中肉部32は、肉薄部33と段差状に連接している。図5(b)に示すように、中肉部32は、前後方向の厚みD2が肉厚部31の厚みD1の次に大きく、後方にやや大きいスペースを有する。中肉部32は、このスペースに図2(a)に示したプリンタ27および試薬収容部231等を収容する。
【0069】
中肉部32の中央には、正面視において左右方向に延びる略方形形状の開口321が形成されている。開口321は、彩色部34の領域内に配置されている。図6(a)に示すように、開口321により、プリンタ27の用紙排出口271が外部に露出する。したがって、用紙排出口271は、正面視において、彩色部34の領域内に配置される。
【0070】
また、中肉部32と肉薄部33の連接部の近傍には、正面視において上下方向に延びる略方形形状の開口322が形成されている。図6(a)に示すように、開口322により、試薬収容部231に収容された溶血剤容器R1が外部に露出され、開口322を介して容器を見ることにより、溶血剤容器R1内の溶血剤の残量が視認可能となっている。なお、溶血剤容器R1は透明または半透明となっており、内部に収容された溶血剤の界面が外側から視認可能となっている。
【0071】
肉薄部33は、図5(b)に示すように、前後方向の厚みD3が最も小さくなっている。このため、肉薄部33の前方には、大きなスペースが設けられる。このスペースに、図2(a)に示した吸引部21の下部の吸引ピペット211が突出し、その奥に、開始スイッチ29が配置される(図1(a)、(b)参照)。
【0072】
肉薄部33には、中央から肉厚部31との段差部分まで延びた開口331が形成されている。開口331の上部は、肉厚部31との段差部分に沿うように上下方向に開口しており、開口331の下部は、肉薄部33の前面に沿うように前後方向に開口している。図6(a)に示すように、上下に開口した開口331の上部において、肉厚部31の内部から吸引部21の吸引ピペット211の下部が突出する。また、前後に開口した開口331の下部から、開始スイッチ29が、押下可能なように外部に露出する。
【0073】
図7は、血液試料の測定作業におけるユーザによる試料分析装置1の操作の流れを示す図である。図8は、血液試料の測定時におけるユーザによる試料分析装置1の操作の手順を示す図である。図8には、図7の対応する工程のステップ番号が矢印とともに示されている。
【0074】
図8では、机上の右側寄りに試料分析装置1が設置されており、試料容器Tを収容するラックMが試料分析装置1の左側に設置されている。机上の試料分析装置1に対して、ユーザは、椅子に座った状態あるいは立った状態で装置を操作することが想定されている。なお、図7図8は、右利きのユーザが試料分析装置1を利用する場合における一般的な動作の流れの一例を示したものであり、作業の際に利用する手、手順は、これに限られるものではない。
【0075】
図7および図8を参照して、ユーザは、まず、表示/操作部26のタッチパネルに対して測定したい血液試料の測定設定項目(全血モード、希釈モード等)を右手Rで入力する
(S1)。このとき、ユーザは、カバー部3を開閉せずとも、カバー部3の開口322を介して、適宜、血液試料の測定に用いられる溶血剤の残量を知ることができる。溶血剤の残量が十分であれば、ユーザは、後段の測定作業を行う。
【0076】
次に、ユーザは、試料容器TをラックMから左手Lで取り出す(S2)。そして、試料容器Tを右手Rもしくは左手Lで血液試料を混合攪拌させる(S3)。次に、ユーザは、試料容器Tを左手Lに持ったまま、表示/操作部26のタッチパネルに対して測定したい血液試料の検体番号を右手Rで入力する(S4)。そして、ユーザは、左手Lに持った試料容器TのキャップCを右手Rで取り外す(S5)。ユーザは、取り外したキャップCを、図8に示すように机上に置くか、もしくは右手Rに持ったまま、次の動作に移る。
【0077】
ユーザは、キャップCを取り外した試料容器Tを吸引ピペット211に左手Lでセットする(S6)。ここで、開始スイッチ29が吸引ピペット211の後方に配されているため、ユーザは、左手Lで試料容器Tを持ったまま、左手Lの指で開始スイッチ29を押圧することができる。なお、開始スイッチ29は、上述のように水色で彩色されており、カバー部3の白色の配色に比べて、強調されているため、初めて装置を利用するユーザであっても、測定開始のためのスイッチがあることを容易に認識することができる。
【0078】
ユーザが、左手Lで試料容器Tを持ったまま、開始スイッチ29を押圧すると(S7)、試料分析装置1は、吸引ピペット211により試料容器Tに収容された血液試料の吸引を開始する。ユーザは、試料分析装置1によって、試料容器Tに収容された血液試料の吸引が完了するまで試料容器Tの位置を維持する(S8:NO)。このとき、ユーザは、試料容器Tを吸引ピペット211にセットした状態で、表示/操作部26を見て、吸引完了のメッセージを確認する。ここで、表示/操作部26は、ユーザ側に突出した肉厚部31に位置付けられているため、画面がユーザに近い位置に位置付けられ、ユーザは、画面に表示された文字や記号が小さくても、良好に表示内容を確認することができる。
【0079】
表示/操作部26に、吸引完了のメッセージが出力されたことを確認すると(S8:YES)、ユーザは、試料容器Tを左手Lで吸引ピペット211から取り外す(S9)。その後、ユーザは、試料容器Tを左手Lに持ったまま、右手Rでキャップを取り付けて(S10)、試料容器TをラックMに左手Lで戻す(S11)。そして、ユーザは、表示/操作部26を見て、血液試料の測定完了のメッセージが表示されるまで待機する(S12:NO)。ユーザは、表示/操作部26に、血液試料の測定完了のメッセージを確認すると(S12:YES)、プリンタ27の用紙排出口271から排出された測定結果用紙Pを右手Rで取り出して、血液試料の測定結果を確認する(S13)。なお、排出された測定結果用紙Pは、表示/操作部26と吸引ピペット211の両方に掛からないため、必ずしも、作業の都度、用紙排出口271から排出された測定結果用紙Pを取り出す必要はなく、所定回数の測定を連続で行った後にまとめて測定結果用紙Pを取り出してもよい。
【0080】
このように、ユーザは、測定動作の際に、左手で吸引ピペット211に試料容器Tをセットしつつ、表示/操作部26を確認する必要があり、また、吸引が完了した試料容器TをラックMに戻しつつ、用紙排出口271から排出された測定結果用紙Pを確認する必要がある。本実施の形態では、上述のように、表示/操作部26と用紙排出口271が他の領域から明瞭に区別されるよう黒色の彩色部34に配されているため、不慣れなユーザであっても、確認が必要な表示/操作部26および用紙排出口271に視線を集めることができる。よって、作業効率を高めることができる。
【0081】
また、表示/操作部26と、プリンタ27の用紙排出口271と、開始スイッチ29は、それぞれ、厚みの異なる肉厚部31、中肉部32、肉薄部33に分かれて配されている。このように、機能の異なる複数の操作対象要素が明確に区別して配置されているので、
各操作対象要素に対する操作を簡便かつ容易に行うことができ、ユーザによる誤操作を抑制することができる。
【0082】
なお、上記動作時に、表示/操作部26に蛍光灯等の発光源から大量の光が映り込むと、表示内容が視認しにくくなる。このような場合、ユーザは、表示内容が見やすくなる位置に移動する等、表示/操作部26に対する視線の角度を変える必要があり、その結果、円滑に作業を進めることができなくなってしまう。特に、S7の開始スイッチ29を左手Lで押した後、吸引が完了するまでは、試料容器Tを吸引ピペット211にセットしたままの状態に維持する必要があり、ユーザは、口径の小さい試料容器Tに吸引ピペット211を挿入し続けなければならず、かなり繊細な作業が要求される。このような状況下において、視認性の悪い表示/操作部26を確認しなければならないとなると、作業性の低下は、一層、顕著なものとなる。
【0083】
これに対し、本実施の形態の試料分析装置1では、以下のとおり、表示/操作部26に対して入射する光量が抑制され、且つ、表示/操作部26が見やすくなるように、凹部311が構成されているため、表示/操作部26の視認性を向上させることができ、作業性の向上が図られている。 図9(a)は、本実施の形態における表示/操作部26に対する上下方向の光の入射状況の例を示す模式図である。図9(b)は、カバー部3に凹部311が形成されない場合の比較例を示す模式図である。
【0084】
図9(b)の比較例に示すように凹部311が設けられていない場合には、表示/操作部26に対して大きな傾きを有する光であっても表示/操作部26に入射することとなり、大量の光が表示/操作部26に入射することとなる。他方、図9(a)に示すように、表示/操作部26が凹部311の奥側に配されている場合には、表示/操作部26に対して大きな傾きを有する光はカバー部3の前面によって反射され、表示/操作部26に入射しない。そのため、表示/操作部26に入射する光の光量を抑制することができる。
【0085】
図9(c)は、本実施の形態における表示/操作部26に対する左右方向の光の入射状況の例を示す模式図である。図9(c)では、凹部311の左内壁面311aが後方側に湾曲している。図9(d)は、凹部311の左内壁面311aが後方側に湾曲せずに、平坦な斜面な左内壁面311eとなっている場合の比較例を示す模式図である。
【0086】
図9(c)に示すように、凹部311の左内壁面311aは後方向に凹むように湾曲しているため、左内壁面311aに入射した発光源から光は湾曲面によって不規則な方向に反射し、表示/操作部26の表示面上に発光源の像が結ばれにくくなる。したがって、表示/操作部26に発光源の像が映り込みにくくなり、表示/操作部26の表示内容が見にくくなることが抑制される。他方、図9(d)に示す比較例の場合、左内壁面311eは湾曲せずに平坦となっているため、左内壁面311eに入射した光はそのまま反射され、表示/操作部26に発光源の像Iが映り込み易くなる。そのため、表示内容が見にくくなる惧れがある。
【0087】
また、図9(c)に示すように、本実施の形態の左内壁面311aには梨地加工等の微細な凹凸が形成されているため、左内壁面311aに入射した光はかかる凹凸によって散乱される。さらに、凹部311の左内壁面311aは黒色で彩色されているため、光の反射が低く抑えられる。そのため、表示/操作部26に入射する光の光量をさらに抑制することができる。
【0088】
なお、凹部311の右内壁面311b、上内壁面311cおよび下内壁面311dについても、同様に黒色で彩色されており、且つ、表面に微細な凹凸が形成されているため、表示/操作部26に入射する光量を抑制することができる。また、凹部311の上内壁面
311cおよび下内壁面311dも、左内壁面311aと同様に後方向に湾曲しているため、画面に発光源の像が映り込みにくく、また、表示/操作部26に入射する光の光量を抑制することができる。
【0089】
図10(a)は、上から見た試料分析装置1とユーザの左右方向の視点位置の例を示す模式図である。図10(b)は、左から見た試料分析装置1とユーザの上下方向の視点位置の例を示す模式図である。
【0090】
図10(a)を参照して、上述のように、ユーザは、通常、試料分析装置1の左側に配された吸引ピペット211の前方の位置を中心に作業を行うものと想定される。この場合、たとえば、左内壁面311aが右内壁面311bと同様に傾いておらず、カバー部3の前面に対して略垂直になっていると、ユーザの視線は、左内壁面311aに続くカバー部3の前面部分によって遮られ、表示/操作部26の画面の左側部分に届かない。このため、ユーザは、表示/操作部26の内容を確認するために、右側に移動する必要がある。こうなると、ユーザは、表示/操作部26に対する作業の際に、右側に移動する必要があり、また、吸引ピペット211を用いて血液試料吸引の作業を行う際には、左側に移動する必要があるため、ユーザの動線が複雑となる。また、図7に示したように、左側で吸引ピペット211に対して試料容器Tをセットしている際にも、表示/操作部26に対する表示内容の確認を適宜行う必要があるため、非常に視認性の悪いまま表示/操作部26の確認を行う必要がある。
【0091】
これに対し、本実施の形態では、表示/操作部26が凹部311内の右側に偏った位置に配置され、凹部311の左内壁面311aが後側から前側にかけてなだらかに傾斜しているため、吸引ピペット211の前方の位置から表示/操作部26を見たときにおいても、ユーザの視線は、カバー部3の前面部分によって遮られない。したがって、ユーザは、表示/操作部26の正面に移動しなくても、吸引ピペット211の前方に位置したまま、表示/操作部26の操作および確認を良好に行うことができ、ユーザの動線を簡略化することができる。
【0092】
また、表示/操作部26は、右側に位置付けられているため、右利きのユーザであれば、左側に位置した状態のまま、右手で容易に表示/操作部26を操作することができる。世界的に左利きより右利きの人の方が多いことが知られているため、このように表示/操作部26を右側に配置することにより、多くのユーザにとって操作性が向上する。
【0093】
なお、右内壁面311bは、カバー部3の前面に対して略垂直になっている。これにより、右内壁面311bの左右方向の寸法を小さくすることができ、試料分析装置1の小型化を図ることができる。
【0094】
また、図10(b)に示すように、ユーザの身長、試料分析装置1が設置される机の高さ、ユーザが立っているか座っているか等の違いによって、表示/操作部26に対するユーザの上下方向の視点の高さは異なる。特に、試料分析装置1が机に設置され、ユーザが立っている場合、ユーザの視点の位置は、表示/操作部26よりもかなり高い位置に位置付けられる。
【0095】
本実施の形態では、表示/操作部26が凹部311内の下側に偏った位置に配置され、凹部311の上内壁面311cが、後側から前側にかけてなだらかに傾斜しているため、ユーザの視点が高い位置に位置付けられたとしても、凹部311上側のカバー部3前面によって表示/操作部26に対するユーザの視線が遮られることを抑制できる。また、下内壁面311dも前後方向に傾いているため、ユーザの視点が低い位置に位置付けられたとしても、凹部311下側のカバー部3前面によりユーザの視線が遮られることを抑制でき
る。したがって、ユーザの視点位置が表示/操作部26よりも高い位置または低い位置のどちらに位置付けられたとしても、表示/操作部26の操作および確認を良好に行うことができる。
【0096】
また、表示/操作部26は、画面が正面からやや上を向くように、上下方向から後方向に所定の角度だけ傾いているため、表示内容を上側の広い範囲で良好に視認することができる。したがって、ユーザは、立った状態であっても良好に表示/操作部26の表示内容を確認することができる。
【0097】
さらに、本実施の形態では、下内壁面311dが傾いているため、以下のとおり、ユーザが表示/操作部26の下部を操作する際の指の移動がスムーズになるとの効果が奏され得る。
【0098】
図11(a)〜図11(c)は、表示/操作部26の下部を操作する際の指の進み方を示す一部拡大図である。なお、図11(b)は、下内壁面311dが傾いていない下内壁面311fとなっている場合の比較例である。
【0099】
表示/操作部26の下部を操作する場合、ユーザは、主に、指Fを下から斜め上に移動させて画面に接近させた後、指Fを斜め下に移動させて画面に触れる。図11(b)に示す比較例では、下内壁面311fがカバー部3の前面に対して略垂直となっているため、指Fを表示/操作部26の下部に向けて下から斜め上に移動させようとすると、カバー部3前面に当たり、指Fを画面の近くに移動させることが困難である。これに対し、本実施の形態では、図11(a)に示すように、下内壁面311dが下方向に傾いているため、表示/操作部26の下部に対して指Fを下から斜め上に円滑に移動させることができる。そのため、表示/操作部26の下部を円滑に操作することができる。
【0100】
さらに、図11(a)に示すように、下内壁面311dは後方に凹むように湾曲しているため、表示/操作部26の下端と下内壁面311dの下端を結ぶ直線と湾曲面の間に所定の隙間S2が生じ、この隙間S2によって、指の移動がさらに妨げられにくくなる。したがって、表示/操作部26の下端を操作する際の指の移動がさらにスムーズになる。特に、図11(c)に示すように、表示/操作部26の最下端を操作する際にも、指Fの移動を円滑に進めることができる。
【0101】
なお、上内壁面311cは上方向に傾くとともに後方に凹むように湾曲しているため、同様に、表示/操作部26の上端を操作する際にも指の移動がスムーズになるとの効果が奏される。
【0102】
また、左内壁面311aについても、同様に、表示/操作部26の左端を操作する際の指の移動がスムーズになるとの効果が奏される。
【0103】
以上、本実施の形態によれば、装置前面に設けられた凹部311は、奥から前方に向かって次第に左右方向の幅が広がるように形成され、表示/操作部26が凹部311の奥の右側寄りに配置されているため、ユーザが吸引ピペット211の正面の位置で作業しながら、表示/操作部26の操作および確認を良好に行うことができる。したがって、ユーザの動線を簡略化させることができ、装置の操作性を向上させることができる。
【0104】
特に、血球計数装置においては、ユーザは、血液を収容した試料容器Tを転倒攪拌し、キャップを開けて吸引ピペット211を試料容器T内に挿入させ、吸引中は試料容器Tを同じ位置で把持し続けるといった作業を、吸引ピペット211の正面位置で行う場合があるが、本実施の形態によれば、ユーザはこれらの作業を吸引ピペット211の正面位置で
行いながら表示/操作部26の操作および確認を行うことができる。例えば、吸引ピペット211による血液の吸引中であっても、ユーザは試料容器Tを同じ位置で把持したまま表示内容を見ることができる。そのため、本実施の形態は、血球や尿中有形成分(円柱、上皮細胞、細菌等)などの粒子を測定する粒子測定装置において、ユーザによる試料容器の転倒攪拌等の作業が必要な場合に特に効果的である。
【0105】
また、本実施の形態によれば、凹部311の左内壁面311a、上内壁面311cおよび下内壁面311dが、後方に凹むように湾曲しているため、発光源の像が表示/操作部26の画面に映り込みにくくなり、良好に表示/操作部26の内容を確認することができる。また、表示/操作部26の左端、上端、下端に対して、スムーズに指を移動させることができる。
【0106】
また、本実施の形態によれば、凹部311の各内壁面311a〜311dは、黒色で塗装され、且つ、表面に微細な凹凸(梨地加工、シボ加工等)が形成されている。そのため、さらに、表示/操作部26に対する入射光量を抑えることができ、良好に表示/操作部26の内容を確認することができる。
【0107】
また、本実施の形態によれば、凹部311の右内壁面311bは、カバー部3の前面に対して略垂直に設けられているため、凹部311の左右方向の寸法を抑制することができる。その結果、試料分析装置1を左右方向にコンパクトにすることができる。
【0108】
また、本実施の形態によれば、表示/操作部26が、肉厚部31の右側に配され、且つ、表示/操作部26の上端が後側に傾くように配されている。そのため、装置の左側に立った右利きのユーザが、表示/操作部26の内容を確認しながら良好に、表示/操作部26を操作することができる。
【0109】
また、本実施の形態によれば、プリンタ27の用紙排出口271が、表示/操作部26下側の中肉部32に配されているため、排出された測定結果用紙Pが表示/操作部26と吸引ピペット211の両方に掛かることがない。よって、ユーザは、測定ごとに逐一、測定結果用紙Pを取り出さなくても良く、連続測定を円滑に行うことができる。
【0110】
また、本実施の形態によれば、作業および操作の際に位置確認が必要となる表示/操作部26と用紙排出口271が、黒色に彩色された彩色部34に配置されているため、表示/操作部26と用紙排出口271を視覚的に他の部分から明瞭に区別することができる。よって、表示/操作部26と用紙排出口271に対する作業性および操作性を高めることができる。
【0111】
また、本実施の形態によれば、開始スイッチ29は、肉薄部33の吸引ピペット211の後方の近い位置に配されているため、ユーザは、吸引ピペット211に試料容器Tをセットしたまま、開始スイッチ29を容易に押圧することができる。
【0112】
さらに、本実施の形態によれば、中肉部32の左下の位置に試薬収容部231、および開口322が設けられているため、省スペース化を図りつつ、カバー部3を開閉せずとも、試薬収容部231に収容された溶血剤の残量を確認することができる。
【0113】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0114】
たとえば、上記実施の形態では、試料分析装置として血球計数装置を例示したが、本発明に係る試料分析装置は、生体試料を吸引して分析する装置であれば良く、たとえば、尿
分析装置、血液凝固分析装置、免疫分析装置、生化学分析装置等であっても良い。特に、血球や尿中有形成分(円柱、上皮細胞、細菌等)などの粒子を測定する粒子測定装置に本発明を適用することが好ましい。
【0115】
また、上記実施の形態では、表示/操作部26に対する入射光量を抑制するために、凹部311の各内壁面311a〜311dに微細な凹凸(梨地加工やシボ加工等)が形成されたが、これとは別に、あるいは、これとともに、各内壁面311a〜311dに艶消し用の塗料が塗布されても良い。
【0116】
また、上記実施の形態では、表示/操作部26はタッチパネル式のディスプレイであるが、タッチパネルの機能を有さず、表示機能のみを有するディスプレイであっても良い。この場合、操作入力を行うための操作部が、表示部とプリンタ27の間等、装置前面の空きスペースに配置されてもよい。なお、上記実施の形態のように、表示/操作部26としてタッチパネル式のディスプレイを用いた方が、部品点数を削減でき、試料分析装置1を小型化することができるため、望ましい。
【0117】
また、上記実施の形態では、左内壁面311a、上内壁面311cおよび下内壁面311dは、後方に凹む湾曲面で構成されたが、湾曲面に代えて平面で構成されても良い。
【0118】
また、上記実施の形態では、試料分析装置1には、外部の情報処理装置と接続可能なインターフェースが設けられなかったが、外部の情報処理装置と接続可能なインターフェースを設け、このインターフェースを介して外部の情報処理装置と接続する構成としても良い。この場合、試料分析装置1で測定したデータを外部の情報処理装置に送信可能となり、測定データの一括管理等、より効果的に測定データを活用することができる。
【0119】
また、上記実施の形態では、右利きのユーザが操作し易いように、表示/操作部26を右側に配置させたが、左利きのユーザが操作し易いように、表示/操作部26を左側に配置させ、吸引部21を右側に配置させてもよい。
【0120】
さらに、上記実施の形態では、彩色部34は黒色で配色され、その他の部分は白色で配色されたが、彩色部34が強調されれば、その他の色の組み合わせで配色されても良い。
【0121】
また、上記実施の形態では、吸引ピペット211は、カバー部3に設けられた開口から下方に突出した位置で固定されているが、本発明はこれに限られない。例えば、ユーザが所定のスイッチを押すまでは吸引ピペット211がカバー部3の内部に収容され、ユーザが上記スイッチを押すと吸引ピペット211がカバー部3の開口を介して下方に移動されてもよい。
【0122】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 … 試料分析装置
21 … 吸引部
211 … 吸引ピペット
23 … 試料調製部
231 … 試薬収容部
24 … 検出部
26 … 表示/操作部
27 … プリンタ
271 … 用紙排出口
28 … 制御部
29 … 開始スイッチ
3 … カバー部
31 … 肉厚部
311 … 凹部
311a … 左内壁面
311b … 右内壁面
311c … 上内壁面
311d … 下内壁面
312 … 開口
32 … 中肉部
321 … 開口
322 … 開口
33 … 肉薄部
34 … 彩色部
T … 試料容器
図1
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図11