(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963484
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】搬送装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20160721BHJP
B25J 15/06 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
B25J15/08 C
B25J15/06 C
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-54896(P2012-54896)
(22)【出願日】2012年3月12日
(65)【公開番号】特開2013-188805(P2013-188805A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】オートモーティブエナジーサプライ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510169310
【氏名又は名称】ヨコキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】北川 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】中澤 浩之
【審査官】
谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】
実開平07−021611(JP,U)
【文献】
特開2009−161218(JP,A)
【文献】
特開平09−022916(JP,A)
【文献】
特開平05−058453(JP,A)
【文献】
特開2007−172893(JP,A)
【文献】
米国特許第06345818(US,B1)
【文献】
特開平06−171772(JP,A)
【文献】
特開2000−351443(JP,A)
【文献】
特開平06−255772(JP,A)
【文献】
特開平05−254667(JP,A)
【文献】
特開平05−221527(JP,A)
【文献】
特開平10−015870(JP,A)
【文献】
実開平02−066520(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/08
B25J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が嵌め合って積層された複数のワーク間に挿入して、前記ワークを離間する爪部と、
前記爪部によって離間された前記ワークを把持する把持部と、を有し、
前記ワークは、電池を積層する際に、当該電池の位置を保持するために使用される樹脂製のスペーサであり、前記スペーサの端部における角部分が斜めまたは円弧状にカットされており、当該カット部分に当接するように前記爪部が挿入されることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記把持部は、前記ワークを吸着する吸着パッドであることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記ワークは、貫通孔を有し、前記貫通孔が嵌め合うと共に共通のピン部材が貫通された状態で積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記爪部は前記ワークの前記貫通孔に近い位置に挿入されることを特徴とする請求項3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記爪部はくさび形状をしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の搬送装置。
【請求項6】
前記爪部は前記把持部と一緒に移動することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の搬送装置。
【請求項7】
一部が嵌め合って積層された複数のワーク間に爪部を挿入して、前記ワークを離間させて、当該離間させた前記ワークのみを把持部によって把持して取り出し、搬送する搬送方法であって、
前記ワークは、ラミネート封止された複数の電池を積層する際に、当該電池の位置を保持するために使用される樹脂製のスペーサであり、前記スペーサの端部における角部分が斜めまたは円弧状にカットされており、当該カット部分に当接するように前記爪部を挿入することを特徴とする搬送方法。
【請求項8】
前記把持部は、前記ワークを吸着する吸着パッドであることを特徴とする請求項7記載の搬送方法。
【請求項9】
前記ワークは、貫通孔を有し、前記貫通孔が嵌め合うと共に共通のピン部材が貫通された状態で積層されていることを特徴とする請求項7または8記載の搬送方法。
【請求項10】
前記爪部は前記ワークの前記貫通孔に近い位置に挿入されることを特徴とする請求項9記載の搬送方法。
【請求項11】
前記爪部はくさび形状をしていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の搬送方法。
【請求項12】
前記爪部は前記把持部と一緒に移動させることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一つに記載の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送装置およびその方法に関し、詳しくは、一部が嵌合して積層された複数のワークから搬送対象となっているワークを取り出して搬送する搬送装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池パック(電池モジュールと称されることもある)は、ケースのなかにラミネートシートによって封止された電池を複数積層してパッケージングしたものである。このような電池パックでは、ケース内で個々の電池を所定の位置に保つために、個々の電池にスペーサを取り付けて積層し、ケース内に封入している。このようなスペーサは樹脂製である(たとえば特許文献1)。
【0003】
一方、ワークの搬送は、吸着パッドを用いて、ワークを吸着することで搬送することが多く行われている(たとえば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−172893号公報
【特許文献2】特開2000−351443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したスペーサは、複数のスペーサを重ね合わせた状態で保持されていて、そこから吸着パッドにより一本いっぽん取り出される。しかもスペーサは、スペーサの一部が嵌合した状態で積層されている。このため取り出しのときに、スペーサ同士がかみ合ってしまい、一本だけ吸着パッドにより吸着しているにもかかわらずその下のスペーサがくっついて取り出されて搬送されてしまうという問題があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、その一部が嵌合して積層されたワークの中から、搬送対象となっているワークのみを取り出すことのできる搬送装置およびその方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の搬送装置は、一部が嵌め合って積層された複数のワークの間に挿入してワークを離間する爪部と、この爪部によって離間されたワークを把持する把持部と、を有
し、前記ワークは、電池を積層する際に、当該電池の位置を保持するために使用される樹脂製のスペーサであり、前記スペーサの端部における角部分が斜めまたは円弧状にカットされており、当該カット部分に当接するように前記爪部が挿入されることを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明の搬送方法は、一部が嵌め合って積層された複数のワーク間に爪部を挿入することでワークを離間させて、当該離間させたワークのみを把持部によって把持して取り出し、搬送する
搬送方法であって、前記ワークは、ラミネート封止された複数の電池を積層する際に、当該電池の位置を保持するために使用される樹脂製のスペーサであり、前記スペーサの端部における角部分が斜めまたは円弧状にカットされており、当該カット部分に当接するように前記爪部を挿入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一部が嵌合した状態となって積層されているワークとワークの間に爪部を挿入することで引き離し、引き離したワークを把持することとしたので、取り出す対象となるワークのみを取り出して、搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明を適用した搬送装置の構成を説明するための概略図である。
【
図3】積層されているスペーサを説明するための説明図である。
【
図4】曲がったスペーサとその下のスペーサを説明する説明図である。
【
図5】本実施形態の搬送装置の動作を説明する説明図である。
【
図6】爪部がスペーサとスペーサの間に挿入された部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面における各部材の大きさや比率は説明の都合上誇張されており、実際の大きさや比率とは異なる。
【0012】
図1は本発明を適用した搬送装置の構成を説明するための概略図である。
【0013】
搬送装置1は、支持部11と、支持部11に取り付けられていて電池用のスペーサ100を把持する吸着パッド12(把持部)と、同様に支持部11に取り付けられていてスペーサ100を引き離すための爪部13とを有する。支持部11は、支持部11を上下動させるための上下用アーム15に支持されている。そして、支持部11は上下用アーム15に沿って図示上下に移動する。上下用アーム15は搬送レール16に取り付けられた移動部17に取り付けられている。移動部17は上下用アーム15によって支持部11を支持すると共に、上下動させている。また移動部17はレール16に沿って上下用アーム15ごと支持部11とそれに取り付けられている吸着パッド12および爪部13全体を移動させる。
【0014】
したがって、吸着パッド12および爪部13は一つの支持部11に連結されているため、支持部11を移動(上下移動および横移動)させることで、全てが一体的に動くものとなっている。
【0015】
吸着パッド12は、支持部11から延びた弾性部25の先端に取り付けられている。吸着パッド12の側方には吸着パッド面まで延びている位置決め部26が取り付けられている。この位置決め部26の先端位置に対して吸着パッド12のパッド面はわずかにスペーサ100方向に出っ張っている。弾性部25は、スペーサ100に吸着パッド12の吸着面が当接したときに、自由に上下することができるようになっている。弾性部25は、例えばコイルスプリング、エアダンパ、オイルダンパなどである。
【0016】
また、位置決め部材26は、スペーサに当たることでスペーサ100を押さえつけるため、スペーサが曲がっているような場合(後述)にその曲がりがを矯正する働きもある。
【0017】
爪部13は、その先端がくさび形状をしていて、その先端(細くなっている部分)が重ね合わされたスペーサ100とスペーサ100の間に入り込みやすくなっている。ただし、くさび形状の最先端は鋭角なものではなく、丸みを帯びさせたり、先端に平面部を有するようにしている。これにより、スペーサ100の端部の面にくさび先端が当たっても、爪部13のくさび先端が樹脂部材であるスペーサそのものに食い込んでしまうのを防止している。
【0018】
この爪部13は、支持部11から延びた爪部用アーム31に取り付けられている。爪部用アーム31は、支持部11との取り付け部分にエアシリンダ32が設けられていて、このエアシリンダ32によって爪部用アーム31が図示横方向に移動する。これにより、爪部13が積層されているスペーサ同士の間に挿入される。位置決め部26と爪部13の位置関係は、スペーサ100の積層方向(後述)でスペーサ1個の厚みと同じだけ離れている。この位置決め部26は、吸着パッド12と爪部13との間隔をスペーサ100の厚さ分を確保するために設けている。これにより、爪部13の位置をスペーサ100を取り出すたびに調整しなくてもよく、位置決め部材がスペーサ100に当接することでそのまま爪部13はスペーサ1本の厚さ分だけ下の位置に挿入できるようになっている。
【0019】
そして爪部13は横方向の動きにより、爪部13の先端が積層されているスペーサ100の中の一番上のスペーサ100とその下のスペーサ100との間に入って、一番上のスペーサ100をその下のスペーサ100から引き離す(詳細後述)。
【0020】
移動部17は、上下用アーム15に沿って支持部11を上下させ、また、レール16に沿って支持部11を移動させる。上下用アーム15は、伸び縮みする多重管構造などであり、その内部に昇降機構が内蔵されている。昇降機構はたとえばサーボモータによって動作せることで、支持部11を下降または上昇させている。なお、このような昇降機構は既存のものでよく、たとえば、ボールネジ機構、滑車とベルト(ギアとチェーン)など、そのほかさまざまなアクチュエータを利用できる。そして支持部11が下方に送り出されたとき、位置決め部26の先端がスペーサ100に当たると、移動部17内の昇降機構におけるサーボモータがその抵抗を検出して停止する。これはたとえば昇降機構におけるサーボモータの回転停止(回転抵抗の増大)によって停止位置を検出するものである。これにより積層されているスペーサ100が、上から一本ずつ取り出されていってスペーサ100の積層高さが変化しても、自動的に一番上のスペーサ100に吸着パッド12が当接した時点で停止する。スペーサ100を取り出すときには、移動部17内の昇降機構によって支持部11が上昇する。
【0021】
なお、下降停止の判断は、このほかにたとえば、位置決め部26先端にタッチセンサを取り付けておいて、タッチセンサがスペーサ100に当たったことを検出して、停止するなどであってもよく、さまざまな機構を使用できる。
【0022】
レール16は、取り出したスペーサ100の搬送先まで続いている。搬送装置1は、スペーサ100を把持した状態で、移動部17がレール16に沿って移動し、所定の位置(他の工程の位置)で停止して吸着を開放することでスペーサ100を離す。なお、このような搬送装置1の一連の動きは、図示しない制御装置によって制御されている。
【0023】
このように構成された搬送装置の作用を説明する。
【0024】
まず、スペーサ100について説明する。
図2はスペーサの一例を示す斜視図である。
【0025】
スペーサ100はラミネート封止されている電池を複数積層して、ケースにパッケージングする際に、個々の電池を所定の位置に保つために用いられる。
【0026】
このようなスペーサ100は、図示するように、その長手方向の端部110の近傍にボルト孔101(貫通孔)が穿たれている。スペーサ100の第1面側(図示上面)のボルト孔101の周囲には、環状突起102が設けられている。一方、スペーサ100の第2面側(図示下面)において、ボルト孔101の直径は、環状突起102に嵌合するように、環状突起102の外径とほぼ同じ大きさ(わずかに大きい)で形成されている。また、スペーサ100の端部110における角部分が斜めカットされている。斜めのカットに代えて端部を円弧状に形成してもよい。この端部のカットは、積層されたスペーサ100の間に爪部13を挿入しやすくするためである。
【0027】
なお、図示したスペーサ100においては環状突起102を含むボルト孔101に切り欠きがある。これは、電池パックの大きさを少しでも小さくしかつ軽量化するためのものである。したがって、このような切り欠きは、電池パックの形状や構成などにより設けられていない場合もある。
【0028】
図3は、積層されているスペーサを説明するための説明図である。
【0029】
図示するように、スペーサ100は、複数のスペーサ100のボルト孔101にピン部材200が通されて積層された状態として搬入される。この状態で複数のスペーサ100は、ボルト孔部分で互いに嵌合している。この状態で一番上のスペーサ100を取り出すことになる。しかし、スペーサ同士が強く嵌合して、一番上のスペーサ100aを取り出そうとしたときにその下のスペーサ100bまでくっついてきてしまうことがある。これは、スペーサ100自体の曲がりに起因している。
【0030】
図4は、曲がったスペーサ100aとその下のスペーサ100bを説明する説明図である。曲がったスペーサ100aは曲がっているために、その下のスペーサ100bよりも長さが短くなった状態となる。このため、上のスペーサ100aのボルト孔101部分で嵌合している下のスペーサ100bが突っ張った状態となる。このため、上のスペーサ100aを取り出そうとすると嵌合部分が抜けずにスペーサ100bがくっついてきてしまうのである。
【0031】
図5は、本実施形態の搬送装置1の動作を説明する説明図である。
【0032】
まず、
図5(a)に示すように、積層されている複数のスペーサ100(
図3参照)に対して、上から支持部11が下降して、一番上のスペーサ100に位置決め部26が当たると、そこで下降が停止する。
【0033】
下降停止後、
図5(b)に示すように、吸着パッド12による吸着動作が開始されるとともに、爪部13が横からスペーサ100方向に移動する。これにより爪部13はスペーサ100aとスペーサ100bの間に入り込んで、これらを引き離す。その後は、支持部11が上昇し、レール16に沿って移動することですることで、吸着パッド12に把持された搬送対象である1番上のスペーサ100aだけが搬送されてゆくことになる。
【0034】
図6は爪部13がスペーサとスペーサの間に挿入された部分の拡大図である。図示するようにくさび状の爪部13の先端がスペーサ100aとスペーサ100bの間に入る。これにより、1番上のスペーサ100aとその下のスペーサ100bがかみ込んでしまっていても、これらを引き離すことができる。
【0035】
なお、搬送中(すなわち支持部11が上昇を開始してから目的地に着くまで)は、爪部13はそのままスペーサ100の下に入っていて、スペーサ100の把持を補助するようにしておくとよい。これにより万一、吸着パッド12による吸着力が不十分な場合でも、搬送中にスペーサ100が落下するのを防止することができる。
【0036】
なお、吸着パッド12によるスペーサの吸着動作と爪部13の挿入とは順序が逆であってもよい。つまり、位置決め部26がスペーサ100aの上面に当たって下降が停止した後、爪部13を挿入し、スペーサ100aが下のスペーサ100bから離間された後、吸着パッド12による吸着動作を河合視するようにしてもよい。
【0037】
以上説明した本実施形態によれば下記の効果を奏する。
【0038】
爪部13が取り出すスペーサ100とその下のスペーサ100を離すため、搬送対象であるスペーサ100を確実に一つだけ取り出すことができる。
【0039】
また、スペーサ100を上から吸着パッド12により吸着するので、爪部により引き離されたスペーサ100のみを確実に一つだけ取り出すことができる。
【0040】
また、積層されているスペーサ100は、ボルト孔(貫通孔)にピン部材200をとして保持されているため、積層状態を崩すことなくそのまま上から順に取り出すことができる。
【0041】
また、ボルト孔同士が嵌め合っていて強くくっついていても、このボルト孔101近くの端部110に爪部13を挿入することとした。このためスペーサ100にできるだけよけいな力を加えることなく確実に引き離すことができる(たとえばスペーサ100の中央部分を持ち上げて引き離す場合、端にあるボルト孔101に対して中央部を持ち上げることになるため、スペーサ100が変形するおそれがある)。
【0042】
また、爪部13をくさび形状としたので、爪部13をスペーサ100間に挿入しやすくなり、かつ、くさび形状の斜めに徐々に太くなる形状によりスペーサ同士を離すことになる。
【0043】
また、爪部13と吸着パッド12は一つの支持部11に取り付けられているため、常に一緒に移動することでスペーサ100を確実に支持して搬送することができる。
【0044】
さらに、スペーサ100の端部の角を斜めまたは円弧にカットしたことで、積層されているスペーサ同士の間に爪部13を挿入しやすくなる。
【0045】
以上、本発明の実施形態を説明したが本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
【0046】
たとえば、爪部13は横方向(スペーサ方向)に水平にスライド移動することとしたが、これに代えて、スペーサ端部上方に支点を有して、円弧状に開閉移動する形態としてもよい。これにより開いた状態ではスペーサ100から外れていて、閉じることで、スペーサ100とスペータの間に爪部13が入るようにする。
【0047】
また、スペーサ100端部を斜めまたは円弧状にカットした形態を説明したが、このようなカット部分がなくとも、爪部13はスペーサ100の間に挿入することができる。スペーサ100は樹脂部材であるため、爪部13により端部から押されると異変して、その部分に隙間が空くため、その隙間から爪部13が入ってスペーサ同士を引き離すことができる。
【0048】
また、吸着パッド12の横に位置決め部26を設けて、これがスペーサ100上部に当接するようにしているが、この位置決め部26はなくてもよい。位置決め部26を設けない場合は、吸着パッド12のパッド面と爪部13との間隔がスペーサ1本の厚さ分だけ離れるようにしておく。
【0049】
また、装置全体の動作(上下動および搬送)は、移動部17により行うこととしたが、これに代えて、支持部11をロボットアームに取り付けて、ロボットアームにより上下動および搬送を行うようにしてもよい。または、移動部17として昇降機構のみ有して上下動のみ行う昇降機構部とし、この昇降機構部をロボットアームに取り付けて、昇降は昇降機構部、搬送のための移動はロボットにより行うようにしてもよい。
【0050】
また、積層されたスペーサ100は、ボルト孔101周囲に設けた環状突起102により嵌合したものを例示したが、嵌合部分の形状はこのような形状に限定されない。例えば平面部分に、スペーサ同士を嵌合するための凸部と、それに嵌め合わされる凹部(または孔)が設けられたものであってもよく、スペーサ100の形状はどのようなものであってもよい。
【0051】
さらに、本実施形態では、ワークとして電池用のスペーサ100を対象に説明したが、本発明はワークとしてスペーサ100に限定されず、その一部が嵌合するように積層された樹脂部品(製品)などのワークに適用可能である。
【0052】
そのほか、本発明は特許請求の範囲に既定した構成を有するものであれば、ここに説明した以外の構成が付加されまたは一部が存在しない構成などであってもよく、さまざまな形態が本発明に含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0053】
1 搬送装置、
11 支持部、
12 吸着パッド、
13 爪部、
15 上下用アーム、
16 レール、
17 移動部、
25 弾性部、
26 位置決め部、
31 爪部用アーム、
32 エアシリンダ、
100、100a、100b スペーサ、
101 ボルト孔、
102 環状突起、
200 ピン部材。