(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記近接物体が、該近接物体に加わる圧力に応じて前記中央電極先端部との間の距離が変化するダイヤフラムであって、当該静電容量センサが、該ダイヤフラムに加わる圧力を測定する静電容量型の圧力センサであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電容量センサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上掲の特許文献1,2の圧力センサの場合、検出回路を圧力センサから離れた場所に配置することができる点では、有利であるが、温度補償を行なうには、圧力センサとは別に温度センサを備えるなどの設備を必要とし、しかも圧力センサとは異なる場所の温度を測定することになり、温度補償精度に限界がある。また、温度センサから延びるケーブルを圧力センサから延びるケーブルとは別に設置することになり、複雑になる。
【0007】
また、上掲の特許文献3,4の圧力センサの場合、温度補償用の構造が圧力センサに組み込まれているため温度補償自体は高精度に行なうことが可能である。しかしながら温度補償用の検出部分が圧力検出部分の隣りに設けられているため、圧力センサから離れた場所に測定回路を配置しようとすると、その配線による寄生容量が無視できないレベルに大きくなるおそれがあり、高精度な圧力測定を行なうには、圧力センサの近傍に検出回路を配置して圧力センサとの間の配線をできるだけ短くする必要がある。特に高温環境下での圧力測定では測定回路は圧力センサから離れた常温環境の場所に配置することが好ましいが、特許文献3,4に開示された構造はそれには向かない構造となっている。
【0008】
ここでは、圧力センサを取り上げて説明したが、上記の事情は圧力センサに限られず、静電容量型のセンサ一般に当てはまることである。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、温度補償機能が組み込まれ、しかも測定回路を離れた場所に配置することができる静電容量センサ、その静電容量センサを備えた測定装置、および、その静電容量センサを用いて物理量を測定する測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の静電容量センサは、
近接物体との間の静電容量を検出する静電容量センサであって、
近接物体に向かって延びその近接物体に先端部が対面した中央電極と、
中央電極を取り巻いて近接物体に向かって延びた第1ガード電極と、
第1ガード電極を取り巻いて近接物体に向かって延び、先端部が、中央電極の先端部に、第1ガード電極を間に介在させることなく近接した第2ガード電極と、
第2ガード電極を取り巻き近接物体と同電位に保たれる導電体と
、
第2ガード電極の、中央電極あるいは第1ガード電極との接続と導電体との接続とを切り替えるスイッチとを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の静電容量センサは、中央電極を第1ガード電極と第2ガード電極とで2重に取り巻くとともに、中央電極の先端部と第2ガード電極の先端部を第1ガード電極を間に介在させずに近接させている。このため、本発明の静電容量センサによれば、温度補償機能が組み込まれるとともに離れた場所に測定回路を配置することができる。
【0012】
また、近接物体との間の静電容量を検出する静電容量センサであって、
近接物体に向かって延びその近接物体に先端部が対面した中央電極と、
中央電極を取り巻いて近接物体に向かって延びた第1ガード電極と、
第1ガード電極を取り巻いて近接物体に向かって延び、先端部が、中央電極の先端部に、第1ガード電極を間に介在させることなく近接した第2ガード電極と、
第2ガード電極を取り巻き近接物体と同電位に保たれる導電体と、
上記近接物体に対面して広がる面を有する絶縁体
とを備え、
中央電極および第2ガード電極がその絶縁体を貫通し、中央電極および第2ガード電極双方の先端部が、その絶縁体の近接物体に対面した面に印刷された導電膜からなる
静電容量センサも、本発明の静電容量センサの好ましい形態である。
【0013】
また、本発明の静電容量センサにおいて、上記近接物体が、その近接物体に加わる圧力に応じて中央電極との間の距離が変化するダイヤフラムであって、この静電容量センサが、そのダイヤフラムに加わる圧力を測定する静電容量型の圧力センサであることも好ましい態様の1つである。
【0014】
また、本発明の測定装置は、
近接物体との間の静電容量を検出する、
近接物体に向かって延びその近接物体に先端部が対面した中央電極と、
中央電極を取り巻いて近接物体に向かって延びた第1ガード電極と、
第1ガード電極を取り巻いて近接物体に向かって延び、先端部が、中央電極の先端部に、第1ガード電極を間に介在させることなく近接した第2ガード電極と、
第2ガード電極を取り巻き近接物体と同電位に保たれる導電体とを備えた静電容量センサ、並びに
中央電極、第1ガード電極、および第2ガード電極に、上記導電体に対し同一の電圧を印加して中央電極と上記導電体との間の静電容量を検出する第1モードと、
中央電極および第1ガード電極に上記導電体に対し同一の電圧を印加するとともに第2ガード電極を上記導電体に接続して中央電極と上記導電体との間の静電容量を検出する第2モードとを有し、
第1モードおよび第2モードのそれぞれにおいて検出された双方の静電容量に基づいて近接物体と中央電極先端部との間の間隔に影響を与える物理量を測定する測定回路を備えたことを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の測定方法は、
近接物体との間の静電容量を検出する、
近接物体に向かって延びその近接物体に先端部が対面した中央電極と、
中央電極を取り巻いて近接物体に向かって延びた第1ガード電極と、
第1ガード電極を取り巻いて近接物体に向かって延び、先端部が、中央電極の先端部に、第1ガード電極を間に介在させることなく近接した第2ガード電極と、
第2ガード電極を取り巻き近接物体と同電位に保たれる導電体とを備えた静電容量センサを用いて、上記近接物体と中央電極先端部との間の間隔に影響を与える物理量を測定する測定方法であって、
中央電極、第1ガード電極、および第2ガード電極に、上記導電体に対し同一の電圧を印加して中央電極と上記導電体との間の静電容量を検出する第1モードと、中央電極および第1ガード電極に上記導電体に対し同一の電圧を印加するとともに第2ガード電極を上記導電体に接続して中央電極と上記導電体との間の静電容量を検出する第2モードとの双方のモードにより静電容量を検出し、
第1モードおよび第2モードのそれぞれにおいて検出された双方の静電容量に基づいて上記物理量を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上の本発明によれば、温度補償機能が組み込まれ、しかも離れた場所に測定回路を配置して高精度な測定を行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の静電容量センサの第1実施形態としての圧力センサの構造を示した図である。
【0020】
この圧力センサ10Aは、円周方向どの角度においてもこの
図1に示す断面構造を持つ、回転対称に形成されている。
【0021】
この圧力センサ10Aは、第1胴体11と第2胴体12とを有し、第1胴体11と第2胴体12との間に金属隔膜(ダイヤフラム)13が挟まれた構造である。この金属隔膜13は、その周縁部131が第1胴体11と第2胴体12で挟まれ、その周縁部131を除く中央部分132は第1胴体11と第2胴体12の双方から離れている。第1胴体11および第2胴体12は金属製であり、金属隔膜13は、第1胴体11と第2胴体12に挟まれて、第1胴体および第2胴体とともに接地電位に保たれている。
【0022】
第1胴体11には、その金属隔膜13にまで通じる気体導入路111が形成されており、その気体導入路111に導入された気体の圧力に応じて金属隔膜13が撓む。また、第2胴体12にも、その金属隔膜13の中央部分132との間に隙間121が形成され、以下に説明する構造の電極がその隙間121を挟んで金属隔膜13と対面している。
【0023】
第2胴体12は内側が刳り貫かれた形状を有し、その刳り貫かれた内側中央に中央電極14が配置されている。この中央電極14は、金属隔膜13に向かって延び、その先端部141が金属隔膜13に対面している。
【0024】
また、この中央電極14の周囲には、その中央電極14を取り巻いて金属隔膜13に向かって延びる第1ガード電極15が配置されている。ただし、この第1ガード電極15の、金属隔膜13側の先端部151は金属隔膜13には直接には対面しておらす、その先端部15は絶縁体17で取り囲まれている。この絶縁体17により、中央電極14と第1ガード15との間が絶縁されている。
【0025】
さらに、その第1ガード電極15の周囲には、その第1ガード電極15を取り巻いて金属隔膜13に向かって延びる第2ガード電極16が配置されている。この第2ガード電極16は、絶縁体17により第1ガード電極15との間が絶縁され、もう1つの絶縁体18により第2胴体12との間が絶縁されている。絶縁体18と第2ガード電極16との間には、空隙121を気密に保つシール部材19が配置されている。このシール部材19は、絶縁体18の熱膨張定数と第2胴体12の熱膨張定数との中間的な熱膨張定数を持つ材料で形成されており、絶縁体18と第2胴体12との間の熱膨張による歪みが緩和されている。
【0026】
中央電極14の先端部141と第2ガード電極16の先端部161は、第1ガード電極15を間に介在させることなく、絶縁体17を挟んで互いに近接している。
【0027】
ここで、第2胴体12は、本発明にいう導電体の一例に相当し、金属隔膜13には、本発明にいう近接物体の一例に相当する。
【0028】
本実施形態の、圧力センサ10Aは、高温環境下での気体の圧力計測用として構成されたものである。
【0029】
以下に、この圧力センサ10Aを構成する各部の材料や寸法について例示する。
【0030】
第1胴体11は圧力導入口としての役割りを担っており、ここには、ステンレスがNi系耐熱金属(Inconel(インコネル;登録商標))が採用される。また、金属隔膜13は、圧力を受けて変形し、中央電極14の、金属隔膜13と対面した検出電極面141aとの間の距離を変化させるものであり、この金属隔膜13の材料としては高強度かつ低撓み率のバネ材料が望ましく、例えば、SUS630、インコネル750,718などが採用される。
【0031】
また、この金属隔膜13の厚みとしては圧力測定範囲に応じて、例えば50μm〜2000μm程度のものが採用される。
【0032】
中央電極14の金属隔膜13側の検出電極面141aと金属隔膜13との隙間121の間隔は、金属隔膜13と中央電極14との間の容量値が検出回路(図示せず)の入力許容範囲内(例えば0.2pF〜20pF)となるように、例えば50μm〜500μm程度に設定される。
【0033】
第1胴体11と金属隔膜13と第2胴体12はレーザあるいは電子ビームによる溶接接合により作製することができ、隙間121は、第1胴体11と第2胴体12とによる金属隔膜13の挟み込み構造により形成される。
【0034】
第2胴体12は電極の支持体であり、第1胴体と同じ材料で構成される。
【0035】
さらに、中央電極14、第1ガード電極15、および第2ガード電極16は、耐熱性および導電性に優れた金属材料、例えばコバール、ステンレス、インコネルなどが採用される。また、電極どうしの間には、絶縁体17,18が配置されるが、250℃以上の高温環境に耐え得るためには、電極材料としてコバールを採用して絶縁体17,18としては高純度アルミナを用い、その高純度アルミナをコバールに、Ag,Pd,Pt,Auなどで蝋付けすることで作製され、これにより耐熱性と気密性が確保される。
【0036】
250℃以下の環境下で使用する圧力センサの場合は、絶縁体17,18の材料としてガラスを採用してもよい。さらには120℃以下の環境下で使用する圧力センサの場合は、絶縁体17,18の材料としてエポキシ等のポリマを採用してもよい。
【0037】
さらに、例えば第2胴体12をインコネルで作製し、絶縁体17として高純度アルミナを採用し、シール部材19として、それらインコネルと高純度アルミナとの中間的な熱膨張定数を持つコバールを採用して、隙間121を密封する構造としてもよい。
【0038】
中央電極14の先端部141は直径1mm〜30mm、その先端部141の厚みは0.1mm〜5mm程度が好ましい。中央電極14の先端部141と第2ガード電極16の先端部161との間の間隔は1mm〜2mm程度であり、そこには高温絶縁性がよいアルミナなどのセラミックスの絶縁体17が配置される。
【0039】
この構成によれば、中央電極14と第2電極16の先端部141,161間の静電容量は0.5pF〜8pF以内に収まる。この中央電極14の先端部141と第2ガード電極16の先端部161との間の静電容量は、圧力変化による金属隔膜13の変化には反応せずに、温度の影響による各部の寸法の変化等にのみ反応する。
【0040】
図2は
図1に示す圧力センサを用いた圧力測定方法の原理説明図である。
【0041】
この圧力センサ10Aは、3重同軸ケーブル50を介して、この圧力センサ10Aから離れた場所に置かれる検出回路(
図3を参照して後述する)に接続される。この3重同軸ケーブル50は、中央電極14に接続される芯線51と、その芯線51の回りを絶縁層を介して取り巻き、第1ガード電極15に接続される第1同軸線52と、その第1同軸線52の回りを絶縁層を介して取り巻き、第2ガード電極16に接続される第2同軸線53と、その第2同軸線53の回りを絶縁層を介して取り巻き、第2胴体12に接続される第3同軸線54とからなる。
【0042】
この3重同軸ケーブル50の絶縁層としては、高温環境に耐えるために、MgO、SiO
2、ガラス繊維などが使用されている。また、芯線51や第1〜第3同軸線52〜54は、インコネル、Ni、NiめっきCu線などが使用される。さらには、最表面を保護用ガラスチューブで覆うことが望ましい。圧力センサ10Aを常温付近で使用する場合には、絶縁層はポリマーであってもよい。また、寄生容量低減のために、導線間に生じる容量を100pF/m以下に押えることが望ましい。
【0043】
ここでは、第1のモードと第2のモードによる2つのモードによる静電容量の測定が行なわれる。
【0044】
第1のモードでは、
図2に示すように接地ライン(第3同軸線54、第2胴体12、および金属隔膜13)に対し、芯線51(中央電極14)と、第1同軸線52(第1ガード電極15)と、第2同軸線53(第2ガード電極16)の全てに同一の電圧Vを印加して、静電容量を検出する。これにより中央電極14と金属隔膜13との間の静電容量が検出される。第2のモードでは、スイッチ57を切り替え、芯線51(中央電極14)と第1同軸線52(第1ガード電極15)に同一の電圧Vを印加し、第2同軸線53(第2ガード電極16)は接地ラインに接続して、静電容量を検出する。こうすると、中央電極14と金属隔膜13との間の静電容量に、さらに双方の先端部141,161が互いに対向している中央電極14と第2ガード電極16との間の静電容量が加算された静電容量が検出される。
【0045】
上記の第1のモードおよび第2のモードの双方において、芯線51(中央電極14)とその芯線51(中央電極14)を取り巻く第1同軸線52(第1ガード電極15)には常に同一の電圧Vが印加されているため、それらの間での寄生容量は原理上は発生せず、極めて低い値に押えられる。したがって、検出回路を圧力センサ10から離れた場所に置き、その間をケーブルで接続する構成が可能となる。また、ここでは、芯線51などに印加される電圧Vは直流ではなく、波形60で示すように、例えば100ms周期で2値に変化する交流電圧である。このように電圧Vを変化させることにより、電磁ノイズを受けにくく、一層高精度な測定が可能である。
【0046】
第1モードでは、圧力を受けた金属隔膜13と中央電極14との間の距離の変化により変化する静電容量が検出されるが、この検出された静電容量には、環境温度変化に伴う各部材の伸縮に起因する静電容量変化分も含まれている。
【0047】
また、第2モードでは、金属隔膜13と中央電極14との間の静電容量については第1モードの場合と同一であるが、中央電極14と第2ガード電極16との間の静電容量は、圧力変化による金属隔膜13の変化の影響はほとんど受けずに、温度変化に起因する分について静電容量が変化する。したがって、第1モードで検出される静電容量と第2モードで検出される静電容量との双方の静電容量を用いた演算により、温度変化に起因する分をキャンセルし、真に圧力変化に起因する静電容量変化分を抽出することができ、高精度な圧力測定が行なわれる。
【0048】
図3は、圧力測定装置の概要を示すブロック図である。
【0049】
この圧力測定装置70は、
図1,
図2に示す圧力センサ10Aとの間が、3重同軸ケーブル50で接続され、圧力センサ10Aからは離れた常温環境下に置かれる。
【0050】
この圧力測定装置70は、検出回路71、開閉回路72、および演算回路73を備えている。
【0051】
検出回路71は、
図2に示す波形60のように変化する印加電圧を生成し、圧力センサ10Aに接続された3重同軸ケーブル50(
図2参照)にその印加電圧を与える。この検出回路71ではさらに、その印加電圧を与えたときの静電容量に応じて流れる信号電流が検出され、その印加電圧と信号電流に基いて静電容量Cが求められる。この検出回路71からは、その求められた静電容量Cを表わす電圧Vcが演算回路73に送られる。
【0052】
図4は、
図3に示す圧力測定装置70の各部の電圧波形を示した図である。
【0053】
横軸の1,2の数字は、それぞれ第1モード、第2モードを表わしており、ここでは第1モードと第2モードが周期Tで交互に繰り返されている。この周期Tは、この圧力測定装置70で取り扱うことのできるサンプリング周期22ms〜400msの範囲内(例えば100ms)である。
【0054】
図4(A)は、検出回路71から演算回路73に向けた出力信号を表わしている。第1モードで検出された静電容量を表わす電圧Vc1と第2モードで検出された静電容量を表わす電圧Vc2が交互に繰り返されている。
【0055】
図4(B)は、演算回路73から開閉回路72に伝達される制御信号Sを表わしている。開閉回路72では、この制御信号Sに従って、3重同軸ケーブル50の第2同軸線53の接続が、第1モードと第2モードとで交互に切り換えられる。
【0056】
図4(C)は、第2同軸線53(第2ガード電極16)に印加される電圧を示している。この第2同軸線53(第2ガード電極16)には、第1モードでは3重同軸ケーブル50の芯線51(中央電極14)および第1同軸線52(第1ガード電極15)と同じ電位の電圧が印加され、第2モードでは接地される。
【0057】
図4(D)は、3重同軸ケーブル50の第1同軸線52(第1ガード電極15)の電圧、
図4(E)は3重同軸ケーブル50の芯線51(中央電極14)の電圧を表わしている。
【0058】
このように、第1モードにおける芯線51(中央電極14)と第1同軸線52(第1ガード電極15)、第2モードではそれらに加えてさらに第2同軸線53(第2ガード電極16)に同一の電圧を供給しているため、それらの間の寄生容量が十分に小さい値に抑えられる。また、直流電圧ではなく、この図に示すように交流電圧とすることにより、電磁ノイズによる誤検出が抑えられる。
【0059】
図3に戻って圧力測定装置70の説明を続ける。
【0060】
開閉回路72は、
図2に示すスイッチ57に相当するものであり、演算回路73からの制御を受けて3重同軸ケーブル50を構成する第2同軸線53を、前述した第1モードと第2モードとの間で交互に切り換える役割りを担っている。
【0061】
演算回路73は、バッファ731と、演算器732と、記憶部733とを備えている。バッファ731には、検出回路71から送られてきた、静電容量Cを表わす電圧Vcがディジタル信号に変換されて一時的に蓄えられる。ここでは、第1モードで検出された静電容量を表わす電圧値をVc1、第2モードで検出された静電容量を表わす電圧値をVc2で表している。バッファ731に一時的に蓄えられた、第1モードでの電圧値Vc1と第2モードでの電圧値Vc2は、演算器732に入力される。
【0062】
一方、記憶部733には、あらかじめ求められた、2つの電圧値Vc1、Vc2を変数としたときの温度による影響をキャンセルした圧力値を求めるための校正データが記憶されている。演算器732は、バッファ731から2つの電圧値Vc1、Vc2を受け取ると、記憶部733を参照して、それらの電圧値Vc1、Vc2に応じた校正データを受け取り、温度の影響をキャンセルした高精度な圧力値を表わす電圧信号Voutを出力する。
【0063】
このような温度補償型の圧力センサ10Aと圧力測定装置70を用いると、この圧力測定装置70を圧力センサ10から離れた場所に設置して、温度の影響が低減された高精度な圧力を測定することができる。
【0064】
表1は、
図1に示す圧力センサの各部の熱膨張率や寸法を示した表である。
【0066】
ここでは、中央電極14は、線膨張定数(1/℃)が1.2E−5のコバールで作製したとし、その先端部141は、温度0℃において直径4.1mmとする。中央電極14と金属隔膜13との隙間は0.2mmである。この隙間内の空気の比誘電率e0は8.85E−12である。第1および第2胴体11,12はインコネル600であって、その線膨張定数(1/℃)は1.4E−5である。以上の条件下で静電容量Cを、
C=e0×S/d
但し、e0:空気の比誘電率
S:電極面積
d:隙間
により算出すると、C=0.5839pFとなる。
【0067】
環境温度が500℃に変化したとき、中央電極14の先端部141の直径は4.1246mmとなり、隙間は、0.2014mmに広がる。このときの静電容量Cを算出するとC=0.5868となり、0℃のときと比べ0.5%の変化率となる。
【0068】
この0.5%という値は圧力を高精度に測定することからするとかなり大きな値であり、温度補償を行なわないときは、この0.5%がそのまま測定誤差となる。これに対し、本実施形態の場合は、この0℃−500℃の温度変化であっても、0.1%以内の誤差に抑えることが十分に可能である。しかも、圧力センサ10から離れた位置に圧力測定装置70を配置した状態で十分な高精度を得ることができる。
【0069】
図5は、本発明の静電容量センサの第2実施形態としての圧力センサの内部構成を示す断面図である。また、
図6は、この第2実施形態の圧力センサを構成するセラミックス板を金属隔膜13側から見た正面図である。
【0070】
図5において、
図1に示す圧力センサ10Aの各要素に対する要素には
図1において付した符号と同じ符号を付して示し、
図1の圧力センサ10Aとの相違点について説明する。
【0071】
この
図5に示す圧力センサ10Bには、金属隔膜13との間に隙間121を空けてセラミックス板81が配置されている。中央電極14は、そのセラミックス板81に設けられたビアホール142を通り、セラミックス板81の、金属隔膜13側の表面に形成された、中央電極14の先端部を成す先端電極143(
図6参照)に接続される。第1ガード電極15はそのセラミックス板81の裏面までしか延びておらず、そのセラミックス板81に遮られてその表面側には繋がっていない。第2ガード電極16は、中央電極14と同様、セラミックス板81に設けられたビアホール162を経由して、そのセラミックス板81の表面に形成された、その第2ガード電極15の先端部を成す先端電極163(
図6参照)に接続されている。
【0072】
中央電極14の先端電極143と第2ガード電極16の先端電極163との間には、
図6に示すように、セラミックス板が広がる向きに間隔811が置かれている。この間隔811は蛇行しながら一周する形状を有している。これらの先端電極143,163は、厚膜印刷技術により、セラミックス板81の表面に印刷された導体膜からなる。これらの先端電極143,163は、間隔811を挟んで互いに対面する部分の厚みが例えば100μm以下と薄いため、
図6に示すように蛇行させて互いに対面する部分の長さを確保することで、互いの間の静電容量を確保している。
【0073】
ここでは、セラミックス板81の表面に導体膜を印刷しているため、間隔811を、例えば50μm程度にまで狭めてしかも高精度な寸法に形成することができる。したがって、
図5に示す圧力センサ10B全体の直径Dを、例えばD=10mmφ程度にまで小径とすることができ、狭いスペースに配置することのできる小径の圧力センサとすることができる。
【0074】
図7は、本発明の静電容量センサを変位センサに適した実施形態を示した図である。
【0075】
この変位センサ10Cは、基本的には、
図1に示す圧力センサ10Aの第2胴体12の部分のみであって、金属隔膜13や第1胴体11が存在しない構造を有する。この変位センサ10Cと近接物体13Cとの間の距離dが変化すると近接物体13Cと中央電極14の検出電極面141aとの間の静電容量が変化し、この静電容量を検出することで近接物体13Cの変位が測定される。
【0076】
このように、本発明の静電容量センサは、圧力センサだけでなく変位センサにも適用可能であり、さらには、近接物体と中央電極の検出電極面との間の間隔に影響を与える物理量を測定するセンサとして広く適用可能である。