(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御回路部は、前記第2タッチセンサ1個あたりの基準検知感度に、前記第2タッチセンサの接続数と前記第2タッチセンサの最大接続数との比を乗じた値が、前記検知感度閾値として予め設定され、前記入力情報と当該検知感度閾値との閾値判定により、前記入力操作の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0015】
[キーボード装置の構造]
図1を参照し、本発明の実施形態に係るキーボード装置(入力装置)1の構造について説明する。
キーボード装置1は、
図1(a)に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器90(
図2)に用いられる静電容量方式のキーボードである。このキーボード装置1は、
図1(b)、(c)に示すように、入力操作部1aとケース部1bとから構成されており、当該ケース部1b内に入力制御部1cが格納されている。
【0016】
入力操作部1aは、操作者の入力操作が行われる操作面である。入力操作部1aは、
図1(b)、(c)に示すように、1枚の板状部材で構成されている。従って、入力操作部1aは、一般的なキーボードと異なりキースイッチ毎の凹凸がなく、平坦に形成されている。また、入力操作部1aの上面は、
図1(a)に示すように、キーがQWERTY配列で並べられた一般的なメカニカルなキーボードのキーキャップに対応して、複数の領域Ar(一部のみ図示)に区画されている。そして、当該複数の領域Arには、それぞれを識別するための文字記号Lsが印刷等の手段によって設けられている。操作者は、当該文字記号Lsをタップ操作することで、PC等の電子機器90に文字を入力して操作することができる。
【0017】
なお、
図1(a)では、説明の便宜上、入力操作部1aの領域Arを破線で囲って示しているが、実際には各領域Arの境界は明示されておらず、操作者には視認できない。但し、入力操作部1aにおける各領域Arの境界は、例えば印刷等の手段で明示することで、操作者が視認できるように構成しても構わない。
【0018】
[入力制御部の構成]
図2,
図3を参照し、入力制御部1cの構成について説明する(適宜
図1参照)。
入力制御部1cは、入力操作部1aに操作者の一部(例えば、指)が接触したことを検知する検知部10と、入力操作部1aへの接触が入力操作であるか否かを判定する制御回路部20とを備える。
【0019】
検知部10は、センサアレイ11と、入力情報検知回路13とを備える。
センサアレイ11は、複数のタッチセンサ対12(以下、タッチセンサ対を単に「タッチセンサ」と呼ぶ)が、マトリクス状で配列されたものである。
図3のセンサアレイ11は、縦横に5個ずつマトリクス状に配置された、合計25個のタッチセンサ12を備える。
【0020】
タッチセンサ12は、入力操作部1aの入力操作に伴う静電容量の変化を検知するものである。すなわち、タッチセンサ12は、入力操作部1aに操作者の指等の体の一部が接触することで生じる静電容量の変化を検知する。ここで、タッチセンサ12は、検知用動作信号が入力される第1タッチセンサD(D1〜D25)と、静電容量の変化量を示す検知信号を出力する第2タッチセンサS(S1〜S25)とを1対1で組み合わせて形成される。また、1個のタッチセンサ12が、入力操作部1aにおける1個のキースイッチSWに対応する。
【0021】
図3のセンサアレイ11は、配列方向を縦とした第1タッチセンサ群DD(DD1〜DD5)が5個形成される。
1個目の第1タッチセンサ群DD1は、縦方向に並んだ5個の第1タッチセンサD1,D6,D11,D16,D21で構成される。また、第1タッチセンサ群DD1は、後記するドライブポート14
1に接続される。
2個目の第1タッチセンサ群DD2は、第1タッチセンサD2,D7,D12,D17,D22で構成され、ドライブポート14
2に接続される。
3個目の第1タッチセンサ群DD3は、第1タッチセンサD3,D8,D13,D18,D23で構成され、ドライブポート14
3に接続される。
4個目の第1タッチセンサ群DD4は、第1タッチセンサD4,D9,D14,D19,D24で構成され、ドライブポート14
4に接続される。
5個目の第1タッチセンサ群DD5は、第1タッチセンサD5,D10,D15,D20,D25で構成され、ドライブポート14
5に接続される。
【0022】
また、
図3のセンサアレイ11は、配列方向を横とした第2タッチセンサ群SS(SS1〜SS5)が5個形成される。
1個目の第2タッチセンサ群SS1は、横方向に並んだ5個の第2タッチセンサS1〜S5で構成される。また、第2タッチセンサ群SS1は、後記するセンサポート15
1に接続される。
2個目の第2タッチセンサ群SS2は、第2タッチセンサS6〜S10で構成され、センサポート15
2に接続される。
3個目の第2タッチセンサ群SS3は、第2タッチセンサS11〜S15で構成され、センサポート15
3に接続される。
4個目の第2タッチセンサ群SS4は、第2タッチセンサS16〜S20で構成され、センサポート15
4に接続される。
5個目の第2タッチセンサ群SS5は、第2タッチセンサS21〜S25で構成され、センサポート15
5に接続される。
【0023】
なお、
図3では、タッチセンサ12が縦一直線上に配列されているが、実際には、キースイッチSWの配置に合わせてタッチセンサ12を配列してもよい。
【0024】
入力情報検知回路13は、第1タッチセンサ群DD毎に検知用動作信号を出力するドライブポート14(14
1〜14
5)と、第2タッチセンサ群SSから検知信号が入力されるセンサポート15(15
1〜15
5)とを備える。
ドライブポート14は、後記するドライブポート制御部22からの指令に従って、検知用動作信号を第1タッチセンサ群DDに出力するものである。
センサポート15は、後記するセンサポート制御部23からの指令に従って、第2タッチセンサ群SSから検知信号が入力されるものである。そして、センサポート15は、入力された検知信号をA/D変換し、入力情報として記憶部26に書き込む。
【0025】
図2に示すように、制御回路部20は、入力制御部1cでの各種データ処理を行うデータ処理部21と、データ処理部21で必要な各種データを記憶する記憶部26とを備える。
データ処理部21は、ドライブポート制御部22と、センサポート制御部23と、入力操作判定部24と、機能情報出力部25とを備える。
【0026】
ドライブポート制御部(検知用動作信号出力制御部)22は、第1タッチセンサ群DD毎に検知用動作信号を順次出力するように、ドライブポート14に指令するものである。
センサポート制御部(検知信号入力制御部)23は、第2タッチセンサ群SS毎の検知信号が順次入力されるように、センサポート15に指令するものである。
【0027】
<検知用動作信号の出力制御及び検知信号の入力制御>
図4を参照し、ドライブポート制御部22による検知用動作信号の出力制御と、センサポート制御部23による検知信号の入力制御とを詳細に説明する(適宜
図2,
図3参照)。
【0028】
まず、ドライブポート制御部22は、ドライブポート14
1に対し、予め設定された指令期間だけ検知用動作信号の出力を指令する。すると、ドライブポート14
1は、
図4に示すように、第1タッチセンサ群DD1に検知用動作信号を出力する(ドライブポート14
1:ON)。この間、ドライブポート14
2〜14
5は、第1タッチセンサ群DD2〜DD5に検知用動作信号を出力しない(ドライブポート14
2〜14
5:OFF)。
なお、この指令期間は、任意の値で設定することができる。
【0029】
ここで、センサポート制御部23は、ドライブポート14
1に検知用動作信号が出力されている間、第2タッチセンサ群SS1〜SS5の順番でスキャンするように、センサポート15
1〜15
5を制御する。
最初に、センサポート制御部23は、第2タッチセンサ群SS1の検知信号が入力されるように、センサポート15
1に指令を出力する。この指令に応じて、センサポート15
1は、第2タッチセンサ群SS1の検知信号が入力され、この検知信号をA/D変換し、入力情報として記憶部26に書き込む。また、センサポート制御部23は、センサポート15
1と同様、センサポート15
2〜15
5に対して指令を出力する。すると、センサポート15
2〜15
5は、検知信号に応じた入力情報を記憶部26に書き込む。
【0030】
指令期間の経過後、ドライブポート制御部22は、ドライブポート14
1に対し、検知用動作信号の出力の停止を指令する。すると、ドライブポート14
1は、第1タッチセンサ群DD1に検知用動作信号の出力を停止する(ドライブポート14
1:OFF)。また、ドライブポート制御部22は、ドライブポート14
2に対し、指令期間だけ検知用動作信号の出力を指令する。すると、ドライブポート14
2は、第1タッチセンサ群DD2に検知用動作信号を出力する(ドライブポート14
2:ON)。この間、ドライブポート14
3〜14
5は、第1タッチセンサ群DD3〜DD5に検知用動作信号を出力しない(ドライブポート14
3〜14
5:OFF)。
【0031】
ここで、センサポート制御部23は、ドライブポート14
2に検知用動作信号が出力されている間、センサポート15
1〜15
5に対して指令を出力する。すると、センサポート15
1〜15
5は、第2タッチセンサ群SS1〜SS5の検知信号に応じた入力情報を記憶部26に書き込む。
【0032】
以後、ドライブポート制御部22及びセンサポート制御部23が前記した手順を繰り返す。従って、第1タッチセンサ群DD1〜DD5に接続されたドライブポート14
1〜14
5は、検知用動作信号を順次出力する。また、第2タッチセンサ群SS1〜SS5に接続されたセンサポート15
1〜15
5は、検知信号に応じた入力情報を順次、記憶部26に書き込む。
【0033】
図2に戻り、入力制御部1cの構成について、説明を続ける。
入力操作判定部24は、記憶部26に記憶された入力情報に基づいて、入力操作の有無を判定するものである。具体的には、入力操作判定部24は、検知信号(つまり、静電容量の変化)に応じた入力情報と、記憶部26に記憶された検知感度(閾値)との閾値判定により、入力操作の有無を判定する。ここで、入力情報が検知感度を超える場合、入力操作判定部24は、入力操作が有ったと判定する。一方、入力情報が検知感度を超えない場合、入力操作判定部24は、入力操作が無かったと判定する。
【0034】
操作者が入力操作部1aのキースイッチSW1に対して入力操作を行った場合を考える。この場合、操作者の指がキースイッチSW1に対応するタッチセンサ12に近接すると、タッチセンサ12を構成する第1タッチセンサD1と、第2タッチセンサS1との間で、静電結合における静電容量が変化する。すなわち、この第1タッチセンサD1が属する第1タッチセンサ群DD1に検知用動作信号が出力されている間、この第2タッチセンサS1が属する第2タッチセンサ群SS1に発生する検知信号が変化する。従って、入力操作判定部24は、この検知信号に応じた入力情報に基づいて、キースイッチSW1に対する入力操作の有無を判定できる。
【0035】
機能情報出力部25は、入力操作判定部24で入力操作が有ったと判定されたとき、入力操作が有ったタッチセンサ16の位置を判定し、その位置を示す機能情報を出力するものである。
例えば、タッチセンサ12の個数及び配置(位置)と、機能情報(キースイッチSWの種類)とを予め対応付けた対応情報を記憶部26に記憶させておく。そして、機能情報出力部25は、記憶部26に記憶された対応情報を参照して、入力操作が有ったタッチセンサ12の位置を判定し、判定されたタッチセンサ12の位置に対応した機能情報を電子機器90に出力する。
【0036】
記憶部26は、入力情報と、検知感度と、対応情報と、初回使用情報とを記憶するものである。この記憶部26は、データを記憶することができるメモリ、ハードディスク等で具現される。なお、記憶部26は、
図2に示すように、入力制御部1cの内部に設けられているが、外部に設けても構わない。
【0037】
<検知感度の設定>
図5,
図6を参照して、検知感度の設定について説明する(適宜
図2参照)。
前記した
図3では、センサポート15
1に第2タッチセンサS1〜S5が接続され、センサポート15
2に第2タッチセンサS6〜S10が接続されるというように、全てのセンサポート15に同数(例えば、5個)の第2タッチセンサSが接続されている。
【0038】
しかし、現実的には、キーボード装置1は、PC等の仕様に応じて、キースイッチSWの数や配置が多様になる。従って、入力制御部1cは、
図5に示すように、全てのセンサポート15に同数の第2タッチセンサSが必ずしも接続されるわけでない。
なお、
図5のセンサアレイ11は、一点鎖線で図示したキースイッチSW2〜SW5,SW8〜SW10,SW14,SW15,SW20に対応するタッチセンサ12を備えていないこととする。
【0039】
図5の例では、1個目の第1タッチセンサ群DD1は、5個の第1タッチセンサD1,D6,D11,D16,D21で構成され、ドライブポート14
1に接続される。
2個目の第1タッチセンサ群DD2は、4個の第1タッチセンサD7,D12,D17,D22で構成され、ドライブポート14
2に接続される。
3個目の第1タッチセンサ群DD3は、3個の第1タッチセンサD13,D18,D23で構成され、ドライブポート14
3に接続される。
4個目の第1タッチセンサ群DD4は、2個の第1タッチセンサD19,D24で構成され、ドライブポート14
4に接続される。
5個目の第1タッチセンサ群DD5は、1個の第1タッチセンサD25で構成され、ドライブポート14
5に接続される。
【0040】
また、
図5の例では、1個目の第2タッチセンサ群SS1は、1個の第2タッチセンサS1で構成され、センサポート15
1に接続される。
2個目の第2タッチセンサ群SS2は、2個の第2タッチセンサS6,S7で構成され、センサポート15
2に接続される。
3個目の第2タッチセンサ群SS3は、3個の第2タッチセンサS11〜S13で構成され、センサポート15
3に接続される。
4個目の第2タッチセンサ群SS4は、4個の第2タッチセンサS16〜S19で構成され、センサポート15
4に接続される。
5個目の第2タッチセンサ群SS5は、5個の第2タッチセンサS21〜S25で構成され、センサポート15
5に接続される。
【0041】
このように、第2タッチセンサ群SS1〜SS5は、それぞれに接続された第2タッチセンサSの数が異なるので、それぞれの静電容量が異なる。さらに、操作者の指がタッチセンサ12に近接したとき、センサポート15
1〜15
5の間で静電容量の変化量が異なる。
【0042】
一般的に、静電容量は、以下の式(1)で表わされる。この式(1)では、静電容量がCであり、誘電率がεであり、第1タッチセンサD及び第2タッチセンサSの面積がSmであり、第1タッチセンサDと第2タッチセンサSとの距離がdである。
C∝ε*Sm/d ・・・式(1)
【0043】
すなわち、静電容量は、センサポート15に接続される第2タッチセンサSの数に比例して大きくなる。また、静電容量は、操作者の指がキースイッチSWに対応するタッチセンサ12に近接することで、変化する。このとき、センサポート15に接続された第2タッチセンサSの数が多くなると、第1タッチセンサDと第2タッチセンサSとの間での静電容量の変化量が、第1タッチセンサDと第2タッチセンサSとの間の静電結合で保持される静電容量に対して、相対的に小さくなる。以上より、センサポート15に接続する第2タッチセンサSの数が多くなるほど、入力操作の検知が困難になる。
【0044】
そこで、入力制御部1cは、第2タッチセンサの接続数nと、第2タッチセンサの最大接続数Nとの比に基づいた検知感度Tnを、記憶部26に予め記憶(設定)することとした。具体的には、検知感度Tnは、以下の式(2)のように、基準検知感度Tに第2タッチセンサの接続数nと第2タッチセンサの最大接続数Nとの比を乗じた値で、記憶部26に予め記憶する。
Tn=T*n/N ・・・式(2)
【0045】
なお、式(2)において、基準検知感度Tは、1個の第2タッチセンサSあたり検知感度であり、予め任意の値で設定されている。また、第2タッチセンサの接続数nは、第2タッチセンサ群SSのそれぞれに接続された第2タッチセンサSの数である。
また、第2タッチセンサの最大接続数Nは、全ての第2タッチセンサ群SSのうち、接続された第2タッチセンサSが最大となる数である。
また、本実施形態では、全ての第1タッチセンサD及び第2タッチセンサSが同一面積であることとする。
【0046】
図6に示すように、検知感度Tnは、センサポート15
1のように1個の第2タッチセンサSが接続されている場合、基準検知感度Tに1/5を乗じた値が設定される。
また、検知感度Tnは、センサポート15
2のように2個の第2タッチセンサSが接続されている場合、基準検知感度Tに2/5を乗じた値が設定される。
また、検知感度Tnは、センサポート15
3のように3個の第2タッチセンサSが接続されている場合、基準検知感度Tに3/5を乗じた値が設定される。
また、検知感度Tnは、センサポート15
4のように4個の第2タッチセンサSが接続されている場合、基準検知感度Tに4/5を乗じた値が設定される。
また、検知感度Tnは、センサポート15
5のように5個の第2タッチセンサSが接続されている場合、基準検知感度Tがそのまま設定される。
【0047】
[入力制御部の動作]
図7を参照し、
図2の入力制御部1cの動作について、説明する(適宜
図2,
図3参照)。
入力制御部1cは、キーボード装置1の初回使用(初回通電時又は初回入力操作時)であるか否かを判定する。例えば、入力制御部1cは、初回使用情報が記憶部26に記憶されていない場合、初回使用であると判定する。一方、入力制御部1cは、この初回使用情報が記憶部26に記憶されている場合、初回使用でないと判定する(ステップS11)。
なお、初回使用情報は、キーボード装置1が初回使用であるか否かを示す情報(フラグ)である。
【0048】
初回使用と判定された場合(ステップS11でYes)、入力制御部1cは、第2タッチセンサの接続数nと第2タッチセンサの最大接続数Nとの比に基づいた検知感度Tnを、記憶部26に記憶する。このとき、入力制御部1cは、初回使用情報を記憶部26に書き込む(ステップS12:検知感度設定ステップ)。
【0049】
初回使用でないと判定された場合(ステップS11でNo)、又は、ステップS12の処理後、ドライブポート制御部22は、第1タッチセンサ群DD毎に検知用動作信号を順次出力するように、ドライブポート14に指令する。すると、ドライブポート14は、第1タッチセンサ群DDに検知用動作信号を出力する(ステップS13:検知用動作信号出力ステップ)。
【0050】
センサポート制御部23は、第2タッチセンサ群SS毎の検知信号が順次入力されるように、センサポート15に指令する。すると、センサポート15は、この検知信号に応じた入力情報を記憶部26に書き込む(ステップS14:入力情報入力ステップ)。
【0051】
入力操作判定部24は、記憶部26に記憶された入力情報に基づいて、入力操作の有無を判定する。具体的には、入力操作判定部24は、入力情報と、記憶部26に記憶された検知感度との閾値判定により、入力操作の有無を判定する(ステップS15:入力操作判定ステップ)。
【0052】
入力操作が有ったと判定された場合(ステップS15でYes)、機能情報出力部25は、入力操作が有ったタッチセンサ16の位置を判定し、その位置を示す機能情報を出力する(ステップS16:機能情報出力ステップ)。
【0053】
入力操作が無いと判定された場合(ステップS15でNo)、又は、ステップS16の処理後、入力制御部1cは、ステップS13の処理に戻る。
【0054】
以上のように、本発明の実施形態に係るキーボード装置1は、前記した式(2)で検知感度Tnが予め設定される。このため、キーボード装置1は、
図6のように、センサポート15に異なる数の第2タッチセンサSが接続された場合でも、検知感度Tnが均一となる。従って、キーボード装置1は、操作者が何れのキースイッチSWをタッチしても、同じ検知感度で入力操作の有無が判定され、入力操作の快適性を高くすることができる。
【0055】
さらに、キーボード装置1は、センサアレイ11及び入力情報検知回路13において、従来のセンサアレイとは異なり、理論的にゴーストが発生しない。このため、キーボード装置1は、多数のキースイッチSWを備え、同時多点入力を前提としたPC用のキーボードに適している。
【0056】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。実施形態の変形例を以下に示す。
【0057】
例えば、キーボード装置1は、基準検知感度Tと、第2タッチセンサの接続数nと、第2タッチセンサの最大接続数Nとを、記憶部26に予め記憶させてもよい。そして、キーボード装置1は、図示を省略した検知感度設定手段によって、記憶部26に記憶された基準検知感度Tと、第2タッチセンサの接続数nと、第2タッチセンサの最大接続数Nとを用いて、検知感度Tnを算出してもよい。
【0058】
また、本発明に係る入力装置として、
図1(a)に示すように、PCに文字を入力するためのキーボード装置1を想定していたが、入力装置の種類はこれに限定されるものではない。例えば、入力装置は、タブレット型電子計算機、多機能携帯電話機、遠隔操作用電子機器(リモートコントローラ)、電子式卓上計算機、入場券・乗車券等の販売機、現金自動預払機(ATM:Automated Teller Machine)等の電子機器90にも応用することができる。
【0059】
例えば、入力操作部1aは、
図1に示すように、平坦な面で構成されているが、この形状に限定されず、湾曲していてもよい。
また、キーボード装置1は、入力キーの個数に応じて、検知部10を複数備えることとしてもよい。
また、タッチセンサ12の数及び配置は、
図5の例に限定されないことは言うまでもない。