(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に取り付けられる固定部と、該固定部の外側を同軸上に回動する回動部と、該回動部に貫通してスライド可能に外嵌するロッドと、該回動部と嵌合してロッドを固定部より離間する方向に案内するロッドガイドと、前記回動部を回動方向に付勢する回動付勢部材と、パーキングブレーキを制御するための制御スイッチと、前記回動部と連結して前記制御スイッチを押圧する押圧突起と、を備えたパーキングブレーキ操作装置であって、
前記固定部には前記ロッドの先端部と係合する係合部を有し、
前記ロッドが前記係合部と係合している状態においては前記押圧突起による前記スイッチの押圧が解除され、
前記ロッドと前記係合部との係合を解除することにより、前記回動付勢部材は、前記回動部が回動方向に付勢されるとともに、前記押圧突起が前記制御スイッチを押圧する方向に付勢すること
を特徴とするパーキングブレーキ装置。
前記ロッドが前記係合部と係合しているときに露出され、前記操作部材を前記固定部から離間させて前記係合部との係合が解除された際に前記操作部材に隠蔽される標識が前記ロッドに設けられた請求項2に記載のパーキングブレーキ装置。
前記ロッドガイドと前記ロッドとに係合し、前記ロッドを固定部方向に付勢するロッド付勢部材を備え、前記操作部材が前記固定部材から離間されて前記固定部材の外周に前記ロッドの先端が係合すると前記ロッド付勢部材が圧縮され、前記固定部材の外周と前記ロッドの先端との係合が解除されると前記ロッド付勢部材により前記ロッドが付勢されて前記係合部と前記ロッドとが係合する請求項2または請求項3に記載のパーキングブレーキ装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明にかかるパーキングブレーキ装置の一例を示す図である。
図1はトラック、バス、重機等の移動を抑制するパーキングブレーキ装置の操作部分を示している。パーキングブレーキ装置は、車軸の回転を抑制するためのパーキングブレーキ(不図示)を備えおり、
図1に示すパーキングブレーキ装置Aは、パーキングブレーキが解除された状態である。また、パーキングブレーキ装置Aは、運転者が運転席に着席した状態で無理なく操作できる位置及び高さに取り付けられる。
【0015】
パーキングブレーキ装置Aは、車両のフロア(不図示)に固定されたブラケットBrに取り付けられており、側方に突出したレバーRvを回動操作することで、パーキングブレーキの動作/解除を操作している。また、パーキングブレーキ装置Aは、通常、不図示のカバーに覆われており、レバーRv及びその近傍部分のみがカバーに形成された開口より外部に突出(露出)している。なお、以下の説明では、パーキングブレーキ装置Aは、パーキングブレーキが解除されているとき、レバーRvが倒伏した状態(水平に近い状態)となるものとする。
【0016】
次に本発明にかかるパーキングブレーキ装置Aの詳細について新たな図面を参照して説明する。
図2は
図1のパーキングブレーキ装置のパーキングブレーキ解除時の断面図であり、
図3は
図1のパーキングブレーキ装置のパーキングブレーキ動作時の断面図である。なお、パーキングブレーキ装置Aは、
図2に示すように、レバーRvが押し下げられた位置(倒伏位置:第1位置P1)のときパーキングブレーキが解除されているものとし、
図3に示すように、レバーRvを引き上げた位置(起立位置:第2位置P2)のときパーキングブレーキが作動しているものとする。
【0017】
図2、
図3に示すように、パーキングブレーキ装置Aは、ブラケットBrに固定される固定部1と、固定部1に回動可能に外嵌する回動部2と、回動部2に取り付けられ回動部2の回動を規制するストッパ3と、回動部2に取り付けられ固定部1の径方向に伸びるロッドガイド4と、ロッドガイド4の内部の空間に摺動可能に配置されたロッド5と、回動部2に回転力を付勢する回動付勢部材6と、パーキングブレーキの動作を制御する制御スイッチ7と、操作部8とを備えている。なお、パーキングブレーキ装置Aにおいて、レバーRvは、回動部2の後述する突出部21、ロッドガイド4及び操作部8を含む構成である。
【0018】
固定部1は、円柱状の部材であり、中心を挟んで対称となるように配された2個のねじ孔10と、外周の曲面部に形成され周方向に伸びるガイド溝11と、ガイド溝11の底面に形成され、固定部1の径方向に伸びる係合部12とを備えている。
【0019】
固定部1は、ねじ孔10にねじScを貫通させ、貫通した先端部をブラケットBrに直接螺合する或いは貫通した先端部にナット(不図示)を螺合させることで、ブラケットBrに固定されている(
図1参照)。
【0020】
ガイド溝11の底面部は、固定部1の外周面と同心の断面円弧形状の曲面で形成されている。詳しくは後述するが、ストッパ3の後述する規制部31がガイド溝11内に配置され、規制部31の端部ガイド溝11の底面部に摺動可能に接触している。ガイド溝11は、周方向の両端にストッパ3が接触し、ストッパ3の摺動を規制する内壁111、112が形成されている。また、固定部1は、レバーRvが第1位置P1にあるときストッパ3の規制部31が内壁111と接触し、第2位置P2にあるとき規制部31が内壁112と接触するようにブラケットBrに取り付け固定されている。
【0021】
係合部12は、円柱状のロッド5の外径と略同じ内径の断面円形の凹穴である。なお、
図2、
図3に示すパーキングブレーキ装置Aにおいて、係合部12の内径はロッド5の外径と同じである。また、係合部12の内径は、部材の製造誤差或いは組み立て時の誤差が発生してもロッド5が挿入でき、且つ、ロッド5が挿入されたときのがたつきを一定以下に抑えることができる程度にロッド5の外径よりも大きく設定されていてもよい。また、係合部12は必ずしも断面円形状である必要はなく、上述のように、ロッド5を挿入することができ、しかも、がたつきを一定以下に抑えることができる形状(例えば、正方形、正六角形等の多角形)及び大きさのものを広く採用することができる。また、図示は省略しているが、固定部1の中心部の近傍には、回動付勢部材6を掛け止めする掛止部を備えている。
【0022】
図2に示すように、回動部2は、固定部1を中心に回動可能となるように固定部1に取り付けられた部材である。回動部2は、円筒形状の本体部20と、本体部20の外周面から本体部20の径方向外側に伸びる突出部21と、本体部20の外周面より外側に突出し、制御スイッチ7を押圧する押圧突起22とを備えている。
【0023】
図2に示しているように、円筒形状の本体部20は、内周面が固定部1の外周面と接触するように、固定部1に取り付けられている。回動部2は、固定部1を中心に回動するとき、本体部20の内周面と固定部1の外面とが摺動する。固定部1の外周面が円柱状の曲面であることから、本体部20、すなわち、回動部2は、固定部1の外側を同軸上に回動することが可能となっている。なお、本体部20の内周面は、固定部1の外周面と密接しているが、これに限定されるものではなく、回動部2が安定して回動することが可能であれば部分的に接触する構成であってもよい。
【0024】
突出部21は円筒形状を有しており、中心軸が本体部20の中心軸と直交している。突出部21の内部には、本体部20に近い部分にストッパ3が取り付けられており、本体部20から遠い先端部にロッドガイド4が取り付けられている。また、ストッパ3及びロッドガイド4は、突出部21にしっかり固定される部材であり、ここでは、突出部21の貫通孔に圧入によって固定されている。また、圧入以外にも、ねじによる固定、溶接等の接着手法による固定等、ぐらつき、がたつきが発生しにくい固定方法を広く採用することが可能である。なお、ストッパ3及びロッドガイド4は、ともに円筒形状の部材であり、ストッパ3とロッドガイド4とは中心軸が重なるように回動部2に取り付けられている。そして、ストッパ3及びロッドガイド4は回動部2に取り付けられた状態で、ロッド5が摺動可能に貫通している。
【0025】
押圧突起22は、本体部20の突出部21とは周方向に離れて配置されている。詳しく説明すると、制御スイッチ7は、上述したカバーの奥で開口から離れた位置に配置されており(
図2等参照)、回動部2と連結した押圧突起22は、レバーRvが第1位置P1にあるとき、制御スイッチ7を押圧する位置に配置されている。そのため、カバーの開口から内部に異物が混入したとしても制御スイッチ7と押圧突起22との間に挟まりにくくなっており、誤作動の抑制することが可能である。また、レバーRvを下げて第1位置P1に到達させることで制御スイッチ7が押圧されるように、制御スイッチ7を配置しておくことにより、レバーRvを引き上げて制御スイッチが操作される場合よりも容易にスイッチを操作することができる。
【0026】
押圧突起22は、レバーRvが第1位置P1(
図2参照)にあるとき、制御スイッチ7を押圧するように、本体部20に配置されている。押圧突起22は、パーキングブレーキ装置Aが第1位置にあるとき、制御スイッチ7を押圧する部材であり、制御スイッチ7を確実に押圧するための押圧面221を備えている。また、押圧突起22は弾性的にたわむように構成されている。これにより、押圧突起22が制御スイッチ7を押圧するとき、押圧突起22がたわみ押圧力を逃がすので、制御スイッチ7に必要以上の力が作用するのを抑制する。これにより、制御スイッチ7の破損や経年劣化を抑制することが可能である。
【0027】
また、逆にレバーRvが第1位置P1に到達したのち、さらに運転者が押し下げる力をレバーRvに付勢した場合でも、制御スイッチ7と接触した押圧突起22がたわみ、力を逃がすので、ロッドガイド4やロッド5がたわむのを抑制することができる。なお、押圧突起22として、本体部20と一体的に形成されているものとしているが、これに限定されるものではなく、別の部材を取り付け固定する構成であってもよい。
【0028】
ストッパ3は、パーキングブレーキ装置Aが第1位置又は第2位置で止まるように回動範囲を規制する部材である。
図2、
図3に示すように、ストッパ3は、ロッド5が摺動可能に貫通する貫通孔30を備えた円筒形状の部材であり、一方の端部が固定部1のガイド溝11に、固定部1の周方向に摺動可能な状態で嵌る規制部31を備えている。ガイド溝11に規制部31が嵌っているとき、ストッパ3を貫通するロッド5が固定部1の径方向に摺動可能となる。
【0029】
図2、
図3に示すように規制部31は、他の部分より大きく形成されており、規制部31の端部は、ガイド溝11の底面部に沿うように、底面部と同じ曲率の凹曲面で形成されている。規制部31がガイド溝11に嵌っているとき、ロッド5は、固定部1の径方向に摺動可能となっている。
【0030】
規制部31がガイド溝11の内部を摺動するとき、内壁111又は内壁112と接触することで摺動が規制される。そして、ストッパ3は回動部2に固定されており、回動部2を固定部1に取り付けたとき、規制部31の凹曲面がガイド溝11の底面部と摺動可能に接触する。このことから、ストッパ3の規制部31がガイド溝11の内壁111又は内壁112と接触することで、回動部2の回動動作位置(回動角度)が規制される。なお、レバーRvが第1位置P1又は第2位置P2に移動したとき、ガイド溝11の内壁111又は112と接触し、回動部2の回動を確実に規制することができれば、他の部分と同じ形状を有する構成であってもよい。
【0031】
ロッドガイド4は、固定部1より離間する方向に延在し、ロッド5の軸方向の摺動をガイドするとともに、ロッド5がレバーRvから抜けるのを抑制するための部材である。
図2、
図3に示すようにロッドガイド4は、内部をロッド5が軸方向に摺動可能な凹穴(後述の摺動凹穴43)を有し、一方の端部が閉じた円筒形状の部材であるが、ロッドを固定部1から離間する方向に案内する形状であれば用いることができる。
【0032】
ロッドガイド4は、一方の端部に配され、回動部2の突出部21に嵌入され固定される嵌め込み部41と、嵌め込み部41と反対側の端部に形成され、操作部8の後述するハンドル82を取り付けるためのハンドル取付部42と、内周面がロッド5の外周面と接している。ロッド5と突出部21とがロッドガイド4を介して嵌合するために、ロッド5は回動部2と嵌合することとなる。ロッドガイド4は、ロッド5の軸方向の移動(摺動)をガイドする摺動凹穴43と、摺動凹穴43の奥面に接触し、弾性反発力でロッド5を軸方向に付勢するロッド付勢部材44とをさらに備えている。
【0033】
図2、
図3に示すように、嵌め込み部41は中心軸が突出部21の中心軸と重なった状態で、突出部21に固定されている。なお、
図2、
図3に示すロッドガイド4において、嵌め込み部41は他の部分よりも大きな外径となっているがこれに限定されるものではなく、他の部分と同じ外径であってもよい。また、嵌め込み部41にはフランジ状の部材が備えられており、フランジ状の部材でロッドガイド4が突出部21の奥側に移動するのを抑制している。なお、嵌め込み部41は突出部21の凹穴に圧入することで固定されているが、これに限定されるものではなく、しっかり固定できる方法であればねじ、接着等、従来よく知られた固定方法で固定してもよい。
【0034】
ハンドル取付部42は、ロッドガイド4の嵌め込み部41と反対側の端部に形成されている。ハンドル取付部42は、円柱形状を有しており、ハンドル82の凹穴に圧入することで、ハンドル82をロッドガイド4に固定する。なお、圧入に限定されるものではなく、ねじ止め、接着等従来よく知られた方法で固定されてもよい。
【0035】
摺動凹穴43は嵌め込み部41側の端部が開口し、ハンドル取付部42側に底面431を有する断面円形状の穴である。摺動凹穴43の内径は、ロッド5の外径と同じか、ロッド5が安定して摺動できる程度にロッド5の外径よりも大きく形成されている。なお、回動部2に取り付けられたロッドガイド4の摺動凹穴43の中心軸は、同じく回動部2に取り付けられたストッパ3の貫通孔30の中心軸と一致する。
【0036】
そして、ロッドガイド4の摺動凹穴43には、底面431と接触するようにロッド付勢部材44が配置されている。
図2、
図3に示すように、ロッド付勢部材44は、金属線(鋼線)をらせん状に巻いたコイルバネであり、コイルバネの中心軸がロッドガイド4の中心軸と重なるように配置されている。なお、ロッド付勢部材44はコイルバネに限定されるものではなく、ロッド5をロッドガイド4の軸に沿う方向に付勢でき、ロッド5の位置によって付勢力が調整されるもの(例えば、空気バネ等)であってもよい。パーキングブレーキ装置Aにおいて、ロッド5が係合部12との係合が解除された状態である
図2の状態において、ロッド付勢部材44は、ロッドガイドとロッドとに係合し、圧縮された状態で配置されており、ロッド付勢部材44は常にロッド5を付勢するようになっている。
【0037】
また、ロッドガイド4には、外周面から内周面に貫通し、中心軸に沿う方向に長く伸びた長円形状の摺動規制長孔45を備えている。ロッドガイド4では、摺動規制長孔45は、中心軸を挟んで対称となる位置に配置されている。そして、摺動規制孔45には、後述するピン53が貫通している。ピン53はロッド5に保持されており、ロッド5が摺動するとき、ピン53は摺動規制用長孔45の内部を長手方向に移動する。
【0038】
ロッド5は、棒状の部材であり、パーキングブレーキ装置Aでは円柱状の部材である。ロッド5は回動部2に取り付けられたストッパ3の貫通孔30と、同じく回動部2に取り付けられたロッドガイド4の摺動凹穴43との両方に摺動可能に配置される。つまり、ロッド5は、貫通孔30及び摺動凹穴43の両方に摺動ガイドされる。
図2、
図3に示すように、ロッド5は、固定部1と反対側の端部に形成されたバネ受け51と、側面に形成され中心軸と直交する貫通孔52と、貫通孔52に挿入されたピン53とを備えている。
【0039】
バネ受け51はロッド5の他の部分よりも小さい外径の円柱部材であり、コイルバネであるロッド付勢部材44が外嵌される。このとき、ロッド5に付勢される弾性力がロッド5の軸に沿うように、ロッド付勢部材44がバネ受け51に外嵌している。なお、ロッド5は、ロッドガイド4の摺動凹穴43の内部を軸方向に摺動するものであり、ロッド5の摺動凹穴43内の位置によって、ロッド付勢部材44の軸方向の長さは変化する。
【0040】
ロッド5が固定部1に最も近付いている状態のとき(
図3に示すような、係合部12と係合している状態のとき)でも、ロッド付勢部材44はロッド5に付勢力を付勢できるように、摺動凹穴43に取り付けられる。これにより、ロッド5が係合部12と係合しているときでも、ロッド5を付勢するので、ロッド5が軸方向にがたつくのを抑制する。
【0041】
貫通孔52には、両端が貫通孔52の両端部より突出するようにピン53が挿入されている。そして、ピン53の両端の貫通孔52より突出した部分は、それぞれ、ロッドガイド4に配置された摺動規制孔45を貫通している。そして、ピン53の両端は、ロッドガイド4の外側を覆うように配置された操作部材81に固定されている。すなわち、ピン53によってロッド5と操作部材81とが連結されており、これにより、ロッド5と操作部材81とが連動するようになっている。つまり、ロッド5の軸方向の移動に伴って操作部材81が移動するし、逆に操作部材81を移動させることで、ロッド5を移動させることも可能である。
【0042】
そして、ピン53が摺動規制孔45の長手方向のいずれかの端部と接触することで、ロッド5及び操作部材81の軸方向の移動が規制される。また、摺動規制孔45のロッドガイド4の周方向の幅が狭いことから、ピン53のロッドガイド4の周方向の回動、すなわち、ロッド5及び操作部材81のロッドガイド4の周方向の回動が抑制される。
【0043】
そして、レバーRvが第2位置P2にあるとき(
図3参照)、ストッパ3の貫通孔30と係合部12とは、固定部1の径方向に重なる。そして、ロッド5がロッド付勢部材44によって固定部1に向けて付勢されていることから、ロッド5の固定部1側の先端部が係合部12に挿入され、ロッド5と係合部12とが係合する。
【0044】
また、上述した通り、ロッド5はロッド付勢部44の付勢力で固定部1に向かって付勢されている。レバーRvが、第2位置以外の位置にあるとき、ロッド5の固定部1側の先端部は、ガイド溝11と接触している(押し当てられている)。そして、レバーRv及び回動部2が固定部1を中心として回動するとき、ロッド5の固定部1側の先端部とガイド溝11の底面とが摺動する。摺動時のロッド5の端部とガイド溝11の底面との摩擦(及び摩耗)を低減するため、ロッド5の固定部1側の端部は曲面となっている。
【0045】
回動付勢部6は固定部1と回動部2とに係合するねじりばねであり、固定部1の軸の周囲に形成された取付部に巻き回されている。回動付勢部6は、レバーRv及び回動部2が第2位置P2から第1位置P1に向けて回動するように(
図2、
図3では、時計回り)、回動部2を付勢している。なお、回動付勢部6としてねじりばねとしているが、これに限定されるものではなく、回動部2を回動させる弾性力を付勢することができる構成のものを広く採用することができる。このような構成とすることで、操作者が、制御スイッチ7を操作するためにレバーRvを下げて第1位置P1に到達させようとしたときに、レバーRvの下げ操作が十分ではなく、十分に制御スイッチ7を押圧できない場合であっても、回動付勢部材6によって制御スイッチ7を操作することができる。
【0046】
制御スイッチ7は
図1に示すように、ブラケットBrに取り付けられた押しボタンスイッチである。不図示の制御回路は、制御スイッチ7がONのときパーキングブレーキを解除し、OFFのときパーキングブレーキを作動させるスイッチである。制御スイッチ7は、レバーRvが第1位置P1のとき、回動部2の押圧突起22に押されるように配置されている。なお、パーキングブレーキ装置Aでは、制御スイッチ7として、押圧突起22に機械的に押圧されるメカニカルスイッチを採用しているが、光学的又は静電的にON/OFFを切り替えるスイッチが用いられていてもよい。また、これら以外にも、回動部2の回動によってON/OFFが切り替わるスイッチを広く採用することが可能である。
【0047】
操作部8は、操作部材81と、ハンドル82とを備えている。操作部材81は、ロッドガイド4に摺動可能に外嵌しており円筒形状を有している。そして、操作部材81の一端には、フランジ状のつば部811が形成されている。操作部材81は、後述するとおり、ロッド5の先端部を係合部12から抜くとき、ロッド付勢部材44の付勢力に反して、固定部1の反対側に移動される。使用者が操作部材81を固定部1の反対側に操作しやすいように、フランジ状のつば部811が形成されている。
【0048】
また、操作部材81には、中心軸を挟んで対称位置に形成された一対のピン孔812(
図1参照)が形成されている。ピン孔812には、ピン53が係合しており、操作部材81とロッド5とが一体的に連結されている。なお、一対のピン孔812の一方はピン53の先端部を圧入することができる内径で形成されている。これにより、ピン53を取り付けるとき、操作部材81のピン孔812の他方の孔から挿入し一方の孔に圧入することで、ピン53の抜け止めがなされる。また、これに限定されるものではなく、ピン53が抜けないようにする方法を広く採用することが可能である。
【0049】
ハンドル82は、レバーRvを第1位置P1と第2位置P2との間で操作するとき、使用者が握る部分であり、使用者が握りやすいように曲面で構成されている。ハンドル82には、凹穴が形成されており、ロッドガイド4のハンドル取付部42が圧入固定されている。なお、ロッドガイド4とハンドル82の取付けは圧入に限定されるものではなく、しっかり固定できる方法を広く採用することができる。
【0050】
次に、本発明にかかるパーキングブレーキ装置Aの操作について図面を参照して説明する。パーキングブレーキ装置Aは、パーキングブレーキが解除されているとき、レバーRvは第1位置P1に位置している。
【0051】
パーキングブレーキ装置Aでは、レバーRvが第1位置P1にあるとき、ストッパ3の規制部31が内壁111に接触しつつ、押圧突起22が制御スイッチ7を押圧している。また、回動部2は回動付勢部材6に第2位置P2から第1位置P1に回動するように付勢されていることから、回動付勢部材6の付勢力によって第1位置P1で維持される。レバーRvが第1位置P1のとき、制御スイッチ7が押されONであることから、パーキングブレーキは解除状態になっている。
【0052】
また、レバーRvが第1位置P1にあるとき、ロッド5の固定部1側の先端部はガイド溝11の底面と接触している。このとき、ロッド5は、ロッド付勢部材44の弾性力で押されており、ロッド5の固定部1側の端部がガイド溝11の底面に押し当てられている。また、
図2に示しているように、操作部材81はハンドル82に接近した状態となっている。
【0053】
使用者が、ハンドル82を、引き上げると、回動部2及びレバーRvは、レバーRvが第2位置P2に向かう方向に回動する(
図2、
図3で反時計回りに回動する)。このとき、回動部2に備えられている押圧突起22も反時計回り方向に回動する。これにより、押圧突起22が制御スイッチ7から離間し、制御スイッチ7がONからOFFになり、パーキングブレーキが作動状態となる。
【0054】
そして、ハンドル82が引かれることで、ストッパ3の規制部31がガイド溝11の内壁112と接触する。このとき、ストッパ3の貫通孔30と固定部1の係合部12とが、固定部1の径方向に重なる。このとき、ロッド5は固定部1の外周を摺動していたが、ロッド5の先端と固定部1の外周とのが解除され、ロッド5はロッド付勢部材44によって、固定部1に向けて付勢されているので、ロッド5の先端部が係合部12に挿入され、ロッド5と係合部12とが係合する。これにより、回動部2及びレバーRvの回動が規制され、制御スイッチ7が押されていない状態(OFFの状態)が維持される。これにより、パーキングブレーキは作動状態で維持される。
【0055】
また、レバーRvが第2位置P2にあるとき、ロッド5は先端部が係合部12に挿入されているので、ハンドル82から遠ざかる方向に移動している。ロッド5と操作部材81とは、連動するため、操作部材81もハンドル82から離れた位置に移動している。なお、
図3に示す、パーキングブレーキ装置Aでは、ロッド5が係合部12の最奥部と接触しているが、ピン53で摺動を規制することで、ロッド5が係合部12と係合するとともに、最奥部と接触しないようにすることも可能である。
【0056】
次に、パーキングブレーキを解除するときのパーキングブレーキ装置の操作について図面を参照して説明する。
図3に示しているように、パーキングブレーキが作動している状態、つまり、レバーRvが第2位置P2にあるとき、ロッド5が係合部12と係合し、回動部2及びレバーRvの回動が規制されている。また、操作部材81は固定部1側に最も接近している。
【0057】
パーキングブレーキを解除するとき、操作部材81が使用者によって固定部1から離れる方向に移動される。これにより、操作部材81と一体的に連結しているロッド5がストッパ3の貫通孔30及びロッドガイド4の摺動凹穴43の内面に沿って固定部1から離れる方向に移動する。なお、ロッド5は、ロッド付勢部材44によって固定部1側に向かって付勢されており、使用者はロッド付勢部材44の付勢力に抗して操作部材81を操作する必要がある。操作部材81につば部811を形成することで、使用者はつば部811及びハンドル82を同時に握ること操作部材81の移動を簡単に行うことができる。
【0058】
操作部材81が移動し、ロッド5の先端部が係合部12から抜かれることで、ロッド5と係合部12との係合がはずれる。回動部2が回動付勢部材6によって付勢されているので、回動部2及びレバーRvは第1位置P1に向かう方向に移動する。そして、ロッド5の先端部が、ガイド溝11の底面と接触する位置まで回動した後、使用者が操作部材81を引くのをやめても(操作部材81が引かれる力が開放されても)、回動付勢部材6の付勢力によって、回動部2は回動される。そして、回動部2及びレバーRvは、ストッパ3の規制部31がガイド溝11の内壁111と接触する位置(第1位置P1)まで回動する。
【0059】
図2に示すように、レバーRvが第1位置P1に回動されることで、回動部2及び押圧突起22も同時に回動し、押圧突起22によって制御スイッチ7が押圧され、制御スイッチ7はONになる。これにより、パーキングブレーキが解除される。なお、押圧突起22が制御スイッチ7を押圧するとき、ストッパ3の規制部31がガイド溝11の内壁111と接触することで、回動付勢部材6の付勢力を分散している。これにより、押圧突起22が制御スイッチ7を押圧する力を減らし、制御スイッチ7の故障や破損を抑制することができる。
【0060】
また、レバーRvが直接制御スイッチ7を押す構成とはなっていないため、制御スイッチ7が押圧された状態のとき、レバーRvの内部を摺動するロッド5には、ロッド5がスイッチに押圧力をかけるような作用がない。このことから、本発明のパーキングブレーキ装置Aでは、レバーRvが第1位置P1と第2位置P2との間を移動するように操作を繰り返しても、ロッド5が湾曲するのを抑制することができる。これにより、レバーRvを繰り返し操作しても、制御スイッチ7の押圧/解除を確実に行うことが可能である。
【0061】
以上のように、本発明にかかるパーキングブレーキ装置Aでは、操作部8の簡単な操作で、レバーRvを第1位置P1と、第2位置P2とに移動させることができる。これにより、使用者は、簡単な操作で、パーキングブレーキの作動/解除を行うことが可能である。そして、上述しているように、パーキングブレーキ装置Aでは、水平に対する角度が大きく異なる第1位置P1又は第2位置P2のいずれかを維持する構成となっているので、使用者は、パーキングブレーキの作動/解除を容易に認識することが可能である。
【0062】
さらに、パーキングブレーキ装置Aでは、起立した第2位置P2のときパーキングブレーキが作動、倒伏した第1位置P1のときパーキングブレーキが解除としている。これにより使用者は、運転席から離れた位置からのパーキングブレーキ装置Aの視認によって、パーキングブレーキの作動/解除の状態を容易に認識することができる。さらに、このパーキングブレーキの作動時又は解除時のレバーRvの位置は、従来のパーキングブレーキ装置でのレバーの位置と同じであるので、使用者が直感的にパーキングブレーキの作動/解除を認識することが可能である。
【0063】
図1〜
図3に示すように、レバーRvを引き上げるパーキングブレーキ装置Aの場合、レバーRvを側方から或いは俯瞰による視認は容易である。一方、レバーRvを上部から確認する場合もあり、その場合、確実にレバーRvの位置を認識するのが困難な場合がある。そこで、パーキングブレーキ装置A、すなわち、レバーRvを見る角度にかかわらず、使用者による視認性を高めるため、パーキングブレーキ装置Aの位置を示すための標識を取り付けてもよい。
【0064】
以下に標識を取り付けたパーキングブレーキ装置について、図面を参照して説明する。
図4は本発明にかかるパーキングブレーキ装置の他の例の標識が隠蔽された状態のレバーを示す図であり、
図5は本発明にかかるパーキングブレーキ装置の他の例の標識が露出している状態のレバーを示す図である。
図4、
図5において、レバーRvは、ロッドガイド4に取り付けられる標識46を備えている。また、それ以外は、
図2、
図3等に示すレバーRvと同じ構成を有しており、実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する
【0065】
図4に示す状態において、操作部材81がハンドル82側に移動している。つまり、
図4に示すレバーRvは、
図2に示すパーキングブレーキ装置Aと同様、第1位置P1にあるときを示している。
図5に示す状態において、操作部材81が突出部21側に移動している。つまり、
図5に示すレバーRvは、
図3に示すパーキングブレーキ装置Aと同様、第2位置P2にあるときを示している。
【0066】
図4及び
図5に示すように、ロッドガイド4は、ハンドル82に近接した位置に配置された標識46を備えている。なお、ロッドガイド4の操作部材81が摺動する領域で、嵌め込み部41に近接する部分には、他の部分に比べて外径が小さく形成されている部分がある。標識46はその外径の小さい部分に外嵌されており、外面はロッドガイド4の操作部材81の外周面が摺動する領域の他の部分の面と同じかほぼ同じ高さとなるように配置される。
【0067】
図4に示すように、レバーRvが、ロッド5と係合部12との係合が解除された状態である第1位置P1にあるとき、操作部材81がハンドル82側に移動している。操作部材81はハンドル82に近接しているので標識46と重なり、ハンドル82に近接する標識46は、隠蔽されている(外部から視認不可能となっている)。一方、
図5に示すように、レバーRvが、ロッド5と係合部12との係合した状態である第2位置P2にあるとき、操作部材81がハンドル82から離れた位置に移動しているので、操作部材81によって標識46が外部に露出している(外部から視認可能となっている)。
【0068】
つまり、
図4に示すように、レバーRvが第1位置P1にあるとき
、標識46は隠蔽されており、標識46を視認できなかった使用者は、レバーRvが第
1位置P
1にあることを認識できる。また、レバーRvが第2位置P2にあるとき、標識46を視認した使用者は、レバーRvが第
2位置P
2にあることを認識できる。
すなわち、使用者は、標識46が見えるか(視認できるか)否かで、パーキングブレーキが動作しているか、解除されているかを確実に認識することができる。
【0069】
パーキングブレーキ装置Aに標識46を備えることで、使用者がレバーRvの位置を簡単且つ確実に認識することが可能であり、使用者によるパーキングブレーキの作動/解除の認識が確実になされる。なお、標識として、黄色、赤等の一般的に視認性が高いとされている色が塗られたものや周囲の色とは異なる色調の色が塗られたもの或いは視認性の高い模様が形成された外面を備えているようにすることで、視認性をより高めることが可能である。さらに、光を反射するような構成(反射コーティング等)としても、視認性をより高めることが可能である。
【0070】
なお、
図4、
図5に示すロッドガイド4では、ハンドル82と近接する部分に、操作部材81の内径よりも小さい部分が形成されており、その部分に標識46を配置するものを例に説明しているが、これに限定されるものではなく、操作部材81の摺動を妨げない構成のものを広く採用することが可能である。例えば、ロッドガイド4に、
図4、5に示すような小径部分が形成されていない場合、ロッドガイド4の操作部材81が移動したときに露出する部分に、塗装による標識を形成してもよいし、例えば、蛇腹状や弾性を有する薄膜等、操作部材81の移動に合わせて変形し、操作部材81に隠蔽されるような構成のもの等、操作部材81の移動によって、露出/隠蔽される構成のものを広く採用することが可能である。
【0071】
さらに、
図4、
図5に示す標識46は、ハンドル82の近傍に配置されるものとしているが、これに限られるものではなく、嵌め込み部41に備えられるものであってもよい。嵌め込み部41側に標識を取り付けることで、パーキングブレーキが作動されているとき(パーキングブレーキ装置Aが第2位置P2にあるとき)に標識が露出する。また、嵌め込み部41の近傍及びハンドル取付部42の近傍の両方に、見た目が異なる標識(例えば、色或いは模様)が形成されていてもよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。