【実施例】
【0111】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0112】
二量化反応は以下の機器を用いた。
【0113】
装置:USHIO Optcal Modulex SX−UI 501HQ型
水銀ランプ:超高圧水銀ランプ500W(BA−H501)
LEDランプ:365nmLEDランプ(1200mW、日亜化学工業社製)
フィルターA:L−39(50%光遮断波長390nm、旭テクノグラス社製)
フィルターB:Y−42(50%光遮断波長420nm、旭テクノグラス社製)
【0114】
数平均分子量(Mn)及び分子量分布(PDI)は、GPC[Shodex GPC−104(カラム:Shodex LF−604x2)、Shodex GPC−101(カラム:Shodex LF804・K−805F・K−800RL)]を用いて、ポリスチレン標準サンプル(東ソーTSK Standard)又はポリメチルメタクリレート標準サンプル(Shodex PMMS Standard)の分子量を基準に求めた。
【0115】
二量化反応のカップリング反応効率(x
c)は、GPC分析におけるピーク分割法により求めた。なお、実施例1〜3、8、12、16、比較例1〜3においては、式x
c=2*(1−Mn(マクロリビング開始剤)/Mn(生成物))より算出した。
【0116】
GPC分析におけるピーク分割法とは、反応前後のGPCチャートの比較において、ポリマーの濃度を一定にして測定を行うことで反応後の曲線中に反応前の曲線の成分がどれほどあるかを見積もることにより、反応前のポリマー(すなわち、反応しなかったポリマー)が生成物中にどれだけ含まれているかを算出する方法である。
【0117】
具体的には、以下の手順で行うことができる。
【0118】
1.反応前の反応溶液を一定量(Amg)取り、これにBgの溶媒を加えてGPC測定を行う。
【0119】
2.反応後の溶液を一定量(Cmg)取り、これにDgの溶媒を加えてGPC測定を行う。
【0120】
3.それぞれのGPC測定についてRI強度をA/BまたはC/Dで割り算する。
【0121】
図3は、ピーク分割法を説明するためのGPCチャートであり、上記RI強度を換算したピークを示している。(1)が反応前の曲線であり、(2)が反応後の曲線である。
【0122】
4.反応前の曲線(1)に係数Xをかけてピークを縮小し、反応後の曲線(2)に含まれる量を推定する。
図3に示す例では、X=0.08(すなわち、残っている量は8%、カップリング効率は92%)である。(3)は反応前の曲線(1)を上記のように係数Xをかけて縮小した曲線である。(4)は反応後の曲線(2)から、曲線(3)の成分を差し引いたものである。(3)の成分を差し引くことにより、曲線(4)はガウス分布の曲線に近い形状になる。
【0123】
<有機テルル化合物の製造>
合成例1(CTA1)
金属テルル〔Aldrich社製、商品名:Tellurium(−40mesh)〕6.38g(50mmol)をTHF 50mLに懸濁させ、これにメチルリチウム 52.9mL(1.04Mジエチルエーテル溶液、55mmol)を、室温でゆっくり滴下した(10分間)。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで撹拌した(20分間)。この反応溶液に、エチル−2−ブロモ−イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物(6.53g、収率51%)を得た。
【0124】
1H−NMR、
13C−NMR、HRMS、IRより、エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネートであることを確認した。
【0125】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.27(t,J=6.9Hz,3H),1.74(s,6H),2.15(s,3H,TeCH
3),4.16(q,J=7.2Hz,2H);
13C−NMR(75MHz,CDCl
3):δ−17.38,13.89,23.42,27.93,60.80,176.75; HRMS(EI)m/z:found 260.0053,calcd for C
7H
14O
2Te[M]
+260.0056; IR(neat,cm
−1):1700,1466,1385,1296,1146,1111,1028
【0126】
合成例2(CTA2)
金属テルル〔Aldrich社製、商品名:Tellurium(−200mesh)〕2.57g(20mmol)をTHF 15mLに懸濁させ、これにメチルリチウム 15.4mL(1.15Mジエチルエーテル溶液、21.3mmol)を、室温でゆっくり滴下した(10分間)。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで撹拌した(30分間)。この反応溶液を氷浴で冷却し、(2−トリメチルシロキシエチル)−2−ブロモ−イソブチレート6.0g(21.3mmol)を加えた後、40℃で4.5時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を塩化アンモニア水溶液および塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物(3.48g、収率50%)を得た。
【0127】
1H−NMR、
13C−NMR、HRMS、IRより、(2−トリメチルシロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネートであることを確認した。
【0128】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ0.14(s,9H),1.75 (s,6H),2.17(s,3H),3.79(t,J=5.2Hz,2H),4.17(t,J=5.2Hz,2H);
13C−NMR(400MHz,CDCl
3): δ−17.13,−0.53,23.18,27.97,60.31,66.05,176.92; HRMS(FAB)m/z:found 348.0399,calcd for C
10H
22O
3SiTe[M]
+348.0401; IR(neat,cm
−1):2957,1717,1466,1252,1152,1105
【0129】
合成例3(CTA3)
CTA2(1.28g、3.7mmol)のメタノール(18mL)溶液に酢酸1.3mL(22.7 mmol)をゆっくりと加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物(0.71g、収率70%)を得た。
【0130】
1H−NMR、
13C−NMR、HRMS、IRより、(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネートであることを確認した。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ1.76(s,6H),2.16(s,3H),3.84(br,2H),4.26(t,J=4.6Hz,2H);
13C−NMR(CDCl
3):δ−16.89,23.63,27.67,61.12,66.42,177.01; HRMS(FAB)m/z:found 276.0005,calcd for C
7H
14O
3Te[M]
+276.0005; IR(neat,cm
−1):3437 (br),2957,1710,1466,1387,1260,1150,1113,1080,1026
【0131】
合成例4(CTA4)
金属テルル〔Aldrich社製、商品名:Tellurium(−200mesh)〕1.23g(9.5mmol)をTHF 7.5mLに懸濁させ、これにメチルリチウム 7.25mL(1.38Mジエチルエーテル溶液、10mmol)を、室温でゆっくり滴下した(10分間)。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで撹拌した(40分間)。この反応溶液を氷浴で冷却し、(3−トリメチルシリルプロパルギル)−2−ブロモ−イソブチレート 2.76g(10mmol)を加えた後、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を塩化アンモニア水溶液および塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物(1.74g、収率54%)を得た。
【0132】
1H−NMRより、(3−トリメチルシリルプロパルギル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネートであることを確認した。
【0133】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ0.18(s,9H),1.76(s,6H),2.18(s,3H),4.70(s,2H)
CTA1〜CTA4の構造式は、以下に示す通りである。
【0134】
【化5】
【0135】
【化6】
【0136】
【化7】
【0137】
【化8】
【0138】
<有機ジテルル化合物の製造>
合成例5(ジメチルジテルリド)
金属テルル(上記と同じ)3.19g(25mmol)をTHF 25mLに懸濁させ、メチルリチウム(上記と同じ)25mL(28.5mmol)を0℃でゆっくり加えた(10分間)。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで撹拌した(10分間)。この反応溶液に、塩化アンモニウム溶液 20mLを室温で加え、1時間撹拌した。有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで3回抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、黒紫色油状物(2.69g、収率75%)を得た。
【0139】
1H−NMR、MS(HRMS)より、ジメチルジテルリドであることを確認した。
【0140】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ2.67(s,6H); HRMS(EI)m/z:found289.8593,calcd for C
2H
6Te
2(M)
+ 289.8594
【0141】
<マクロリビング開始剤の調製>
合成例6(PIp1)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、イソプレン3.0mL(30mmol)、CTA1 38.7mg(0.15mmol)とジメチルジテルリド42.8mg(0.15mmol)を仕込んだ。この反応溶液を120℃で10時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して重合を停止して、PIp1溶液を得た。
【0142】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=1770、PDI=1.15であった。
【0143】
合成例7(PIp2)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、イソプレン3.0mL(30mmol)、CTA1 8.3mg(0.03mmol)とジメチルジテルリド8.6mg(0.03mmol)を仕込んだ。この反応溶液を120℃で12時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して重合を停止して、PIp2溶液を得た。
【0144】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=9680、PDI=1.09であった。
【0145】
合成例8(PIp3)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、イソプレン2.0mL(20 mmol)、CTA2 18μL(0.067mmol)とジメチルジテルリド6μL(0.067mmol)を仕込んだ。この反応溶液を120℃で8時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して重合を停止して、PIp3溶液を得た。
【0146】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=2300、PDI=1.11であった。
【0147】
合成例9(PIp4)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、イソプレン2.3mL(23 mmol)、CTA3 20μL(0.11mmol)とジメチルジテルリド12μL(0.11mmol)を仕込んだ。この反応溶液を120℃で12時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して重合を停止して、PIp4溶液を得た。
【0148】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=3200、PDI=1.09であった。
【0149】
合成例10(PMMA−b−PIp1)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、メチルメタクリレート3.0 mL(28mmol)、CTA1 32μL(0.19mmol)とジメチルジテルリド20μL(0.19mmol)、AIBN 6mg(0.037mmol)を仕込んだ。この反応溶液を55℃で9時間撹拌した。反応後、クロロホルム10mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているヘキサン500mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりマクロリビング開始剤2.4g(収率86%)を得た。
【0150】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=13700、PDI=1.16であった。
【0151】
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、得られたマクロリビング開始剤200mg(0.015mmol)、イソプレン0.6mL(6.0 mmol)とベンゼン0.6mLを仕込んだ。この反応溶液を120℃で8時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して重合を停止して、PMMA−b−PIp1溶液を得た。
【0152】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=16600、PDI=1.18であった。
【0153】
合成例11(PSt−b−PIp1)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、スチレン7.5mL(65mmol)とCTA1 228μL(1.3mmol)を仕込んだ。この反応溶液を110℃で19.5時間撹拌した。反応後、α,α,α−トリフルオロメチルトルエン20mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているメタノール700mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりマクロリビング開始剤6.2g(収率92%)を得た。
【0154】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=5900、PDI=1.15であった。
【0155】
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、得られたマクロリビング開始剤354mg(0.06mmol)、イソプレン3.0mL(30 mmol)とジメチルジテルリド6.5μL(0.06mmol)を仕込んだ。この反応溶液を120℃で10時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して重合を停止して、PSt−b−PIp1溶液を得た。
【0156】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=9700、PDI=1.12であった。
【0157】
合成例12(PSt1)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、スチレン2.0mL(17.5mmol)、CTA1 96.3mg(0.35mmol)とAIBN 29.0mg(0.175mmol)を仕込んだ。この反応溶液を60℃で13.5時間撹拌した。反応終了後、DMF 4mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているメタノール400mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPSt1(1.57g、収率85%)を得た。
【0158】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、Mn=4700、PDI=1.15であった。
【0159】
合成例13(PSt2)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、スチレン2.13mL(19 mmol)、CTA1 100μL(0.53mmol)、ジメチルジテルリド18μL(0.53 mmol)とACHN 39mg(0.16mmol)を仕込んだ。この反応溶液を80℃で7時間撹拌した。反応後、クロロホルム10mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているメタノール400mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPSt2(1.52g、収率79%)を得た。
【0160】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=3500、PDI=1.08であった。
【0161】
合成例14(PAN1)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、アクリロニトリル1.23mL(19mmol)、CTA1 100μL(0.53mmol)、ACHN 39mg(0.16mmol)とDMF 4mLを仕込んだ。この反応溶液を60℃で6時間撹拌した。反応後、DMF 4mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているメタノール300mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPAN1(870mg、収率82%)を得た。
【0162】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=4700、PDI=1.20であった。
【0163】
合成例15(PNVP1)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、N-ビニルピロリドン1.5mL(14.1mmol)、CTA1 120.5mg(0.47mmol)とAIBN 38.0mg(0.23mmol)を仕込んだ。この反応溶液を50℃で3時間撹拌した。反応終了後、クロロホルム5mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているヘキサン300mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPNVP1(1.21g、収率80%)を得た。
【0164】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=2250、PDI=1.10であった。
【0165】
合成例16(PNVP2)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、N-ビニルピロリドン2.1mL(20.0mmol)、CTA1 102.9mg(0.40mmol)とAIBN 32.8mg(0.20mmol)を仕込んだ。この反応溶液を50℃で3時間撹拌した。反応終了後、クロロホルム5mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているヘキサン300mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPNVP2(2.06g、収率89%)を得た。
【0166】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)により、Mn=4440、PDI=1.11であった。
【0167】
合成例17(PMMA1)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、メチルメタクレート2.25g(22.4mmol)、CTA1 103mg(0.37mmol)、ジメチルジテルリド106mg(0.37mmol)とAIBN 17.2mg(0.075mmol)を仕込んだ。この反応溶液を60℃で3.5時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを8mL加えた。得られた溶液を撹拌しているヘキサン350mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPMMA1(1.88g、収率82%)を得た。
【0168】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=5700、PDI=1.19であった。
【0169】
合成例18(PMMA2)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、メチルメタクリレート1.98 mL(19mmol)、CTA1 100μL(0.53mmol)とジメチルジテルリド56μL(0.53mmol)とAIBN 24mg(0.11mmol)を仕込んだ。この反応溶液を60℃で8.5時間撹拌した。反応後、クロロホルム8mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているヘキサン500mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPMMA2(1.72g、収率90%)を得た。
【0170】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=4300、PDI=1.16であった。
【0171】
合成例19(PMMA3)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、メチルメタクリレート1.07 mL(10mmol)、CTA2 27μL(0.10mmol)とジメチルジテルリド11μL(0.1mmol)を仕込んだ。この反応溶液を80℃で34時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して重合を停止して、PMMA3溶液を得た。
【0172】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=9500、PD=1.14であった。
【0173】
合成例20(PMMA4)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、メチルメタクリレート0.59 ml(5.5mmol)、CTA4 29μL(0.11mmol)とジメチルジテルリド5.8μL(0.055mmol)を仕込んだ。この反応溶液を80℃で32時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して重合を停止して、PMMA4溶液を得た。
【0174】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=5100、PDI=1.20であった。
【0175】
合成例21(PMMA5)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、メチルメタクリレート0.79 ml(7.4mmol)、CTA1 43μL(0.25mmol)とジメチルジテルリド26μL(0.25mmol)とAIBN 21mg(0.13mmol)を仕込んだ。この反応溶液を60℃で6時間撹拌した。反応後、クロロホルム3mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているヘキサン300mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPMMA5(671mg、収率88%)を得た。
【0176】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=3300、PD=1.21であった。
【0177】
合成例22(PMMA6)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、メチルメタクリレート2.2 mL(20.5mmol)、CTA1 120μL(0.68 mmol)とジメチルジテルリド65μL(0.68mmol)とAIBN 23 mg(0.141mmol)を仕込んだ。この反応溶液を60℃で5.2時間撹拌した。反応後、クロロホルム10mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているヘキサン500mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPMMA6(2.1g、収率98%)を得た。
【0178】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=3800、PDI=1.17であった。
【0179】
合成例23(PMMA7)
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、メチルメタクリレート1.98 ml(19mmol)、CTA1 70μL(0.37mmol)、ジメチルジテルリド39μL(0.37mmol)とAIBN 17mg(0.074mmol)を仕込んだ。この反応溶液を60℃で4.5時間撹拌した。反応後、クロロホルム8mLを加えた。得られた溶液を撹拌しているヘキサン500mL中に注ぎ、沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりPMMA7(1.96g、収率89%)を得た。
【0180】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=5100、PDI=1.19であった。
【0181】
<二量化反応>
実施例1
PIp1溶液を調製した容器から取り出すことなく、フィルターAを通して20℃で1時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0182】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=3500、PDI=1.13、x
c=0.99であった。
【0183】
実施例2
PIp1溶液を調製した容器から取り出すことなく、20℃で3時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0184】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)よりMn=3100、PDI=1.20、x
c=0.85であった。また、反応管内部表面に金属テルルが析出していた。
【0185】
実施例3
PIp2溶液を調製した容器から取り出すことなく、フィルターAを通して20℃で3時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0186】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)より、Mn=17200、PDI=1.11、x
c=0.87であった。
【0187】
実施例4
PIp3溶液を調整した容器から取り出すことなく、フィルターAを通して室温で2時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0188】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)よりMn=4450、PDI=1.11、x
c=0.93であった。
【0189】
実施例5
PIp4溶液を調整した容器から取り出すことなく、フィルターAを通して室温で2時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0190】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)よりMn=6400、PDI=1.10、x
c=0.96であった
【0191】
実施例6
PMMA−b−PIp1溶液を調整した容器から取り出すことなく、フィルターAを通して室温で2時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0192】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=28900、PDI=1.15、x
c=0.88であった。
【0193】
実施例7
PSt−b−PIp1溶液を調整した容器から取り出すことなく、フィルターAを通して室温で2時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0194】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)よりMn=17000、PDI=1.18、x
c=0.86であった。
【0195】
実施例8
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PSt1 380mgとベンゼン1mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で11時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0196】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、Mn=7200、PDI=1.27、x
c=0.72であった。
【0197】
実施例9
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PSt2 80mg、イソプレン90μL(0.90mmol)とベンゼン0.4mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で1.5時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0198】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)よりMn=7100、PDI=1.13、x
c=0.91であった。
【0199】
実施例10
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PAN1 80mg、イソプレン92μL(0.92mmol)とDMF 1.0mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターB通して20℃で1.5時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。光源は水銀ランプを用いた。
【0200】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=9700、PDI=1.17、x
c=0.89であった。
【0201】
実施例11
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PNVP1 100mg、イソプレン0.22mL(2.2mmol)とDMF0.22mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で30分、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0202】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=5050、PDI=1.12、x
c=0.94であった。
【0203】
実施例12
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA1 100mg、イソプレン82μL(0.82mmol)とDMF0.4mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で1.5時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0204】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)よりMn=10100、PDI=1.22、x
c=0.87であった。
【0205】
実施例13
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA2 74mg、イソプレン90μL(0.90mmol)とベンゼン0.7mLを仕込んだ。この反応溶液に、20℃で4時間、光照射を行った。光源はLEDランプを用いた。
【0206】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=7200、PDI=1.19、x
c=0.80であった。
【0207】
実施例14
PMMA3溶液を調整した反応容器に、イソプレン0.5mL(5.0 mmol)と1,4−ジオキサン1mLを加えた。この反応溶液に、フィルターAを通して室温で2時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0208】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=15200、PD=1.21、x
c=0.86であった。
【0209】
実施例15
PMMA4溶液を調整した反応容器に、にイソプレン0.09mL(0.9mmol)と1,4−ジオキサン0.2mLを加えた。この反応溶液に、フィルターAを通して室温で2時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0210】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=8700、PDI=1.21、x
c=0.86であった。
【0211】
実施例16
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA1 100mg、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン93μL(0.82mmol)とDMF0.4mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で30分、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0212】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=10700、PDI=1.20、x
c=0.93であった。
【0213】
実施例17
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA5 58mg、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン102μL(0.10mmol)とベンゼン0.4mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で1.5時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0214】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=6500、PDI=1.15、x
c=0.95であった。
【0215】
実施例18
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA5 58mg、1,3−シクロヘキサジエン34μL(0.36mmol)とベンゼン0.4mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で2時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0216】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=5300、PDI=1.26、x
c=0.77であった。
【0217】
実施例19
有窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA5 58mg、トランス−2,4−ヘキサジエン−1−オール88mg(0.90mmol)とベンゼン0.4 mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で1.5時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0218】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=5000、PDI=1.24、x
c=0.63であった。
【0219】
実施例20
有窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA6 60mg、ソルビン酸エチル134μL(0.90mmol)とベンゼン0.4mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で30分、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0220】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=5200、PDI=1.28、x
c=0.62であった。
【0221】
実施例21
有窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA7 80mg、スチレン186μL(1.62mmol)と1,4−ジオキサン0.5mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で3時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0222】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=10200、PDI=1.24、x
c=0.90であった。
【0223】
実施例22
有窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA2 60mg、4−ビニルピリジン74μL(0.70mmol)とベンゼン0.4mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で4時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0224】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=6400、PD=1.27、x
c=0.70であった。
【0225】
比較例1
PIp2溶液を調製した容器から取り出すことなく、この反応溶液を遮光条件下140℃で24時間撹拌し、反応溶液を室温まで放冷して反応を停止した。
【0226】
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)よりMn=11800、PDI=1.19、x
c=0.37であり、分子量が変化していない重合体が主生成物であった。
【0227】
比較例2
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PNVP2 100mgとDMF0.22mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で30分、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0228】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)から、マクロリビング開始剤と同じ分子量を持ち(Mn=4400、PDI=1.12)、x
c=0.00であり、二量化反応が進行していなかった。
【0229】
比較例3
窒素置換したパイレックス(登録商標)ガラス管内で、PMMA1 100mgとDMF0.4mLを仕込んだ。この反応溶液に、フィルターAを通して20℃で1.5時間、光照射を行った。光源は水銀ランプを用いた。
【0230】
GPC分析(ポリメチルメタクリレート標準サンプルの分子量を基準)よりMn=6400、PDI=1.27、x
c=0.22であり、分子量が変化していない重合体が主生成物であった。
【0231】
【表1】
【0232】
<GPCチャート>
図1〜2は、実施例1〜3、実施例8、実施例11〜12、実施例16及び比較例1〜比較例3における二量化反応前のマクロリビング開始剤及び二量化反応後のポリマーのGPCチャートを示す図である。
【0233】
図1〜2において、実線は反応後のチャートを示し、破線は反応前のチャートを示している。また、
図1〜2において図面左側に近づくにつれて分子量が高くなり、図面右側に近づくにつれて分子量が低くなっている。すなわち、時間の短い方が高分子量であり、時間の長い方が低分子量である。
【0234】
実施例においては、二量化反応後に、ピークがほぼ完全にシフトしており、高効率的かつ選択的に反応が起こっていることがわかる。
【0235】
これに対し、比較例1及び比較例3では、二量化反応後のGPGチャートにおいて、ショルダーのピークが形成されており、かつ二量化反応前のピークと同じ位置に最も大きなピークが存在している。従って、反応効率が低いため、反応前の分子量のものが多く残存していることがわかる。また、比較例2では、二量化反応後においてもピークが変化していなことから、反応が起こっていないことがわかる。