(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定片が前記容器内に延びているとき、前記固定片の前記上縁は、前記本体部の前記側面板の上縁と略同一の高さにおいて当該上縁と略平行に延びることができる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、固定片の下縁が上述のように巻回体の外周面に適合した形状を有する場合、固定片の上縁と下縁の形状が非対称なものとなる。このため、折目線に沿って容器の内側へ固定片を折り曲げる際、折目線に作用する力やトルク(以下、単に力とも称する)が不均一になってしまう。例えば、固定片を折り曲げるために固定片の先端部に所定の力を印加したとき、固定片を介して折目線に伝わる力が、固定片の上縁側と下縁側とで異なることが考えられる。この場合、固定片の上縁側または下縁側のいずれかにおいて、固定片が補強板に対して折目線以外の箇所に沿って折り曲げられ、この結果、固定片の配置や向きが意図しないものとなってしまうことがある。
【0007】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る容器および巻回体入り容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、薄膜状の長尺物が巻かれた巻回体を収容することができる容器において、
底面板、前面板、後面板および一対の側面板を含み、上面が開口された本体部であって、前記巻回体を収容することができる本体部と、
前記本体部の前記後面板の上縁に回動可能に連結され、前記本体部の開口を塞ぐことができる蓋部と、を備え、
前記前面板の上縁には、当該上縁を罫線として前記前面板の内面に沿うように折り込まれた補強板が連結されており、
前記補強板には、前記補強板に形成された折目線を介して固定片が連結されており、
前記固定片は、前記補強板の折目線を基部として前記容器内に延びることができるよう構成されており、当該固定片は、前記基部から前記容器内に延びる上縁と、前記上縁よりも下方において前記基部から前記容器内に延びる下縁と、前記上縁および前記下縁の間に位置し、前記基部に対向する先端部と、を含み、
前記固定片が前記容器内に延びているとき、前記固定片の幅方向は、上下方向を向くことができ、前記固定片の前記下縁は、前記本体部に収容されている前記巻回体の外周面に
適合した形状で当接することができ、
前記固定片の前記先端部から前記基部に対して垂線を引いた場合、当該垂線は、前記基部の中央部よりも前記上縁側において前記基部に交わり、
前記補強板と前記固定片との間の前記折目線は、前記固定片の前記上縁側よりも前記下縁側において高い折り曲げ性を有するよう構成されて
おり、
前記補強板と前記固定片との間の前記折目線は、順に並べられた複数の接合部および破断部を含むミシン目として構成されており、
前記固定片の前記下縁側の前記折目線における、前記接合部の長さの合計に対する前記破断部の長さの合計の比率が、前記固定片の前記上縁側の前記折目線における、前記接合部の長さの合計に対する前記破断部の長さの合計の比率よりも大きくなっている、容器である。
【0010】
本発明による容器において、好ましくは、前記固定片の前記下縁側の前記折目線における接合部の長さが、1.6mm以下となっており、前記固定片の前記上縁側の前記折目線における接合部の長さが、1.6mmよりも大きくなっている。より好ましくは、前記固定片の前記下縁側の前記折目線における接合部の長さが、1.3mm以下となっている。
【0011】
本発明による容器において、前記固定片が前記容器内に延びているとき、前記固定片の前記上縁は、前記本体部の前記側面板の上縁と略同一の高さにおいて当該上縁と略平行に延びることができるよう構成されていてもよい。
【0012】
本発明による容器において、前記蓋部は、前記蓋部が前記本体部の前記開口を塞いでいるときに前記本体部の前記前面板と少なくとも部分的に重なる蓋前面板を有し、前記本体部の前記前面板には、前記前面板から前方へ突出することができ、かつ、前記開口が塞がれているときに前記巻回体から引き出された前記長尺物を前記蓋前面板との間で挟むことができるよう構成されたフラップが設けられていてもよい。この場合、前記フラップは、前記本体部の開口が塞がれているときに前記長尺物の幅の中央に対応する前記蓋前面板の部分を前記本体部の前記前面板に向けて押したときに前記蓋前面板と前記前面板とが接する範囲を中央領域とする場合、前記一対の側面板のうちの一方である第1側面板と前記中央領域との間に設けられた第1フラップと、前記第1側面板に対向する第2側面板と前記中央領域との間に設けられた第2フラップと、を含み、前記固定片は、前記第1側面板に接することができるよう前記補強板に連結された第1固定片と、前記第2側面板に接することができるよう前記補強板に連結された第2固定片と、を含んでいてもよい。
【0013】
本発明による容器において、前記第1フラップは、前記第1固定片の近傍にまで延びており、前記第2フラップは、前記第2固定片の近傍にまで延びていてもよい。
【0014】
本発明による容器において、前記第1フラップおよび前記第2フラップは、前記本体部の前記前面板の一部分を切り起こすことにより形成されていてもよい。
【0015】
本発明による容器において、前記本体部は、1枚の板紙を折り曲げることによって形成されており、前記板紙のうち前記固定片の前記下縁を構成する部分は、少なくとも部分的に、前記板紙のうち前記補強板を構成する部分に切目線を介して隣接していてもよい。
【0016】
本発明は、上記記載の容器と、前記容器に収容された巻回体と、を備える巻回体入り容器である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、補強板に形成された折目線に沿ってより確実に固定片を容器の内側へ折り曲げることができる。このため、所望の配置や向きで設けられた固定片をより確実に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、
図1A乃至
図8を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず
図1Aにより、本実施の形態における容器1全体について説明する。なお、各図において互いに同一又は類似の部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0020】
容器
図1Aは、ラップロール(巻回体)入り容器100を示す斜視図である。ラップロール91rは、薄膜状の長尺物、例えばラップフィルム91fが円筒状の巻芯にその軸線91aまわりで巻かれることにより得られるロール状のものである。以下の説明において、ラップロール91rとラップフィルム91fとの外観形状の区別をしない場合は、「ラップ91」と総称する。ラップフィルム91fは、例えば、ポリ塩化ビニリデンを原料として形成された、5〜20μmの厚みを有するフィルムである。容器1は、ラップロール91rを収容することができる本体部10と、本体部10に回動自在に連結された蓋部20と、を備えている。
【0021】
(本体部)
本体部10は、未使用のラップロール91rを収容できる程度の大きさを有する直方体形状の箱であって、その細長い面の1つが開口されて開口面10hとなっている箱である。本体部10の大きさは、収容した未使用のラップロール91rを軸線91a回りに回転させるのを妨げない程度の隙間が形成される一方で、できるだけ小さく形成されている。例えば本体部10は、幅44mm、高さ44mm、長さ310mmの大きさで形成されている。本体部10は、開口面10hとともに直方体の長手方向に延びる側面を構成する前面板12、底面板13、後面板14と、直方体の端面を構成する一対の側面板15と、を有している。底面板13は、開口面10hに対向している。前面板12及び後面板14は、開口面10h及び底面板13に直交している。側面板15は、典型的には正方形に形成されているが、縦横の長さが異なる矩形であってもよい。以下の説明においては、水平な面に底面板13が載置された状態を基準として、底面板13側を下、開口面10h側を上として説明する場合もある。
【0022】
側面板15の上縁の中央部分には、3mm程度上方に延びた小片が外側に折り返されて形成された突起部15pが設けられている。また、前面板12の上縁19には、当該上縁19を罫線(折目線)31rとして前面板12の内面に沿うように折り込まれた補強板31が連結されている(
図4、
図8参照)。補強板31は、前面板12と略同じ大きさであるが底面板13とは接していない。補強板31の下縁は、補強板31の長手方向に沿って前面板12の内面に接着されている。
【0023】
補強板31には、補強板31の側縁31b近傍において補強板31に形成された折目線17rを介して、固定片17が連結されている。この固定片17は、ラップロール91rに上方から接することによって、ラップロール91rが外に飛び出すことを防止するための部材である。ここで「補強板31の側縁31b近傍」とは、ラップロール91rから引き出されるラップフィルム91fの進路が固定片17によって多大に阻害されることがないよう、折目線17rの位置が決定されることを意味している。固定片17の詳細な構成については後述する。
【0024】
(蓋部)
蓋部20は、本体部10の後面板14の上縁18に連結され、本体部10の開口面10hを塞ぐことができる部材である。蓋部20は、蓋上面板21と、蓋前面板22と、切断刃23と、蓋側面板25とを有している。蓋部20は、本体部10の後面板14の上縁18を回転軸として本体部10に対して回動することができるように構成されている。
【0025】
蓋前面板22は、折目線22rを介して蓋上面板21と直交し、蓋部20を閉じたときに底面板13に向かって延びるように設けられている。このため蓋前面板22は、蓋部20が本体部10の開口面10hを塞いでいるときに本体部10の前面板12と少なくとも部分的に重なることができる。蓋前面板22は、ラップロール91rの軸線91aが延びる方向(以下「軸線方向D」という。)の両端における高さ(長方形の前面板12の短辺方向における蓋前面板22の長さ)が、前面板12の短辺方向の長さの約1/2で、軸線方向Dの中央部における高さが、前面板12の短辺方向の長さの約3/4になるよう構成されている。折目線22rに対向する先端部22tは、軸線方向Dにおいて中央部から端部に向かうにつれて、折目線22rと先端部22tとの間の距離が短くなるように構成されている。このため、折目線22rに対向する先端部22tは、V字状の形状を有している。蓋前面板22は、蓋部20が閉じられたときに、前面板12に沿って前面板12の外面に重なり、前面板12の上部を五角形状に覆うこととなる。蓋前面板22は、本体部10に収容されているラップロール91rから引き出されたラップフィルム91fを、その幅全体にわたって、前面板12との間に挟むことができるように構成されている。蓋前面板22の先端部22tには、ラップフィルム91fを切断するための切断刃23が取り付けられている。切断刃23は、刃先が先端部22tから突出するよう、先端部22tに沿ってV字状に設けられている。
【0026】
蓋側面板25は、蓋上面板21及び蓋前面板22の双方に直交するよう設けられている。蓋側面板25は、蓋上面板21の両端にそれぞれ連結されている。また蓋前面板22の両端には接合片22jが連結されており、この接合片22jが蓋側面板25の内面に対して接着剤などによって固定されている。なお接合片22jは、蓋側面板25よりも小さい面積を有するよう構成されており、このため蓋側面板25の内側には、接合片22jの厚みに起因する段部25dが形成されている。段部25dは、蓋部20を閉じたときに、側面板15の上縁に設けられた突起部15pが嵌るよう構成されている。
【0027】
本体部10及び蓋部20は、例えば、約0.45mm〜0.7mm厚のコートボール紙を加工することにより形成されている。このため、容器1は、所定の弾性を有している。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、本体部10と蓋部20とを機能の観点から区別している。しかしながら、本体部10及び蓋部20は一般に、はじめに1枚の原紙を切り出して板紙を形成し、次に折り曲げなどによって板紙50を成形することによって作製される。すなわち本体部10及び蓋部20は、一体的に形成されている。
【0028】
(フラップ)
図1Aに示すように、本体部10の前面板12には、前面板12から前方へ突出することができ、かつ、開口面10hが塞がれているときにラップロール91rから引き出されたラップフィルム91fを蓋部20の蓋前面板22との間で挟むことができるよう構成されたフラップ12fが設けられている。以下、フラップ12fについて、
図1B〜
図3を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1Bおよび
図1Cは、容器1のフラップ12f近傍を拡大して示す断面図および斜視図である。また
図2は、蓋部20が開いている状態の容器1を示す正面図である。フラップ12fは、本実施の形態では、前面板12の上部の中央に位置する中央領域12tを挟むように、前面板12の上縁19に沿って中央領域12tの両側に設けられている。ここで「中央領域12t」とは、蓋部20を閉じた状態で蓋前面板22の図心(先端部22tのV字の頂点付近における蓋前面板22の一部分)を前面板12に向けて押したときに、蓋前面板22が接する前面板12の一部分である。なお容器1は弾性を有するため、蓋前面板22を前面板12に向けて押す力の大きさに応じて、蓋前面板22と前面板12とが接する範囲が変化しうる。従って、中央領域12tを画定するに際しては、未使用のラップロール91rが本体部10に収容された状態で蓋前面板22の図心を前面板12に向けて押したときに、前面板12が本体部10内のラップロール91rに止められて後面板14側に移動しなくなったときの、蓋前面板22が接する前面板12の部分を中央領域12tとする。
【0030】
中央領域12tを挟んで2つ設けられたフラップ12fについて、説明の便宜上、正面視(
図2参照)において、中央領域12tの左側のフラップ12fを左フラップ12fA(第1フラップ)と称し、中央領域12tの右側のフラップ12fを右フラップ12fB(第2フラップ)と称する。以下、左フラップ12fA及び右フラップ12fBに共通の構成について説明するときは、単に「フラップ12f」と総称することもある。また、左フラップ12fAに近い側面板15を左側面板15A(第1側面板)と称し、右フラップ12fBに近い側面板15を右側面板15B(第2側面板)と称することもある。側面板15は左側面板15Aおよび右側面板15Bの総称である。
【0031】
左フラップ12fAの輪郭は、前面板12の面内に形成された切目線12cAと、前面板12の上縁19とによって構成されている。切目線12cAは、前面板12の一部を切断する線である。切目線12cAは、中央領域12tよりも左側面板15A寄りの中央領域12tに近接した上縁19上の点12cANから、前面板12の面内を通り、左側面板15Aに近い上縁19上の点12cASに至るように、前面板12の面内が切断されることで形成されている。点12cANは、引き出されたラップフィルム91fの切断時に、ラップフィルム91fの切り口が許容できない程度に乱れるようなラップフィルム91fの滑りが生じない程度、中央領域12tの近傍に位置している。
図2に示す例において、点12cASは、引き出されたラップフィルム91fの左端よりもやや中央領域12t寄りに位置している。しかしながら、これに限られることはなく、点12cASは、ラップフィルム91fの左端と左側面板15Aとの間に位置していてもよい。「ラップフィルム91fの左端よりもやや中央領域12t寄り」とは、ラップフィルム91fの切断時にラップフィルム91fがたるまずに切断可能な程度にラップフィルム91fを左フラップ12fAと蓋前面板22とで挟むことができるよう点12cASの位置が決定されている状態のことを意味している。
【0032】
左フラップ12fAの左端がラップフィルム91fの左端よりも中央領域12t寄りに形成されていると、軸線方向Dにおける前面板12の側縁まわりでの本体部10の強度の低下を抑制することができる。本実施の形態では、軸線方向Dにおいて、左フラップ12fAの左端が前面板12の左側の側縁よりも15mmだけ中央領域12t寄りに形成されているが、これに限られることはなく、10mmあるいは5mmだけ中央領域12t寄りに形成されていてもよい。左フラップ12fAの突出長さの最大値は、上下方向における前面板12の長さの約1/2に設定されている。左フラップ12fAの下側(先端側)の辺は、本実施の形態では、軸線方向Dの中央領域12t側から左側面板15A側に向かうときに、一旦上縁19側に少し近づいた後に再び上縁19から離れるような、滑らかな曲線に形成されている。換言すると、左フラップ12fAは、その中央部分が両端部分よりも上縁19側に凹んでいる。左フラップ12fAは、蓋部20を閉じたときに蓋前面板22に覆われて外面に表れない程度の大きさに形成されている。
【0033】
一般に、左フラップ12fAの輪郭を構成する切目線12cAの両端12cAN、12cASと前面板12の上縁19との間の距離が短いほど、左フラップ12fAが補強板31から離間する程度、すなわち浮く程度が大きくなる。また、両端12cAN、12cASが上縁19に到達している場合、左フラップ12fAが浮く程度がさらに大きくなる。本実施の形態において、左フラップ12fAの輪郭を構成する切目線12cAの両端12cAN、12cASは、前面板12の上縁19に到達していてもよい。
【0034】
左フラップ12fAの表面には、ラップフィルム91fを係止するためのストッパー12sが形成されていてもよい。ストッパー12sは、例えば左フラップ12fA上に塗布されたUVニスによって形成されている。
図1Cに示すように、同様のストッパー12sおよび19sが、左フラップ12fAと左側面板15Aとの間において前面板12上や前面板12の上縁19上に形成されていてもよい。
【0035】
右フラップ12fBは、前面板12を左右に二等分する仮想直線12vを軸として、左フラップ12fAと線対称に形成されている。右フラップ12fBの点12cBN及び点12cBSは、それぞれ左フラップ12fAの点12cAN及び点12cASに相当する。
【0036】
ところで上述のように、フラップ12fは、前面板12の面内に形成された切目線に沿って前面板12の一部分を切り起こすことによって形成されている。この場合、本体部10の開口面10hが蓋部20によって塞がれる際、フラップ12fが前面板12に嵌まり込むという現象が生じ得る。このような現象が生じることを防ぐため、
図1Bに示すように、補強板31の外面には、蓋部20が閉じられている際にフラップ12fの内面に接することができる凸部32が設けられていてもよい。これによって、フラップ12fが前面板12に嵌まり込むことを防ぐことができ、このことにより、安定にフラップ12fを機能させることができる。
【0037】
凸部32を形成する方法は特に限られることはなく、様々な方法が採用され得る。例えば、補強板31の内面に対してエンボス加工を施すことにより、補強板31の外面に凸部32を形成することができる。この場合、
図1Bに示すように、補強板31の内面には凹部が形成されることになる。以下の説明および図において、これら凸部および凹部を同一の符号32で表すこともある。
【0038】
フラップ12fが前面板12に嵌まり込むことを防ぐことができる限りにおいて、凸部32の形状や配置が特に限られることはない。
図3は、
図2に示す容器1から、便宜上、フラップ12fを取り除いた状態を示す図である。
図3に示すように、軸線方向Dにおけるフラップ12fのほぼ全域にわたってフラップ12fに断続的に当接することができるよう、複数の凸部32が設けられていてもよい。
【0039】
(固定片)
次に、上述の本体部10の固定片17について詳細に説明する。
図1Aに示すように、2つの固定片17は、左側面板15Aまたは右側面板15Bに接することができるよう、左側面板15A側または右側面板15B側の補強板31の側縁31bの近傍においてそれぞれ補強板31に連結されている。
図1Aにおいて左側の固定片17を左固定片17A(第1固定片)と称し、右側の固定片17を右固定片17B(第2固定片)と称する。以下、左固定片17Aおよび右固定片17Bに共通の構成について説明するときは、単に「固定片17」と総称することもある。
【0040】
はじめに
図4乃至
図6を参照して、固定片17の構造について説明する。
図4は、ラップロール91rが収容されていない際の容器1の固定片17を拡大して示す斜視図であり、
図5は、容器1にラップロール91rが収容されている状態を示す斜視図である。
図6は、固定片17を拡大して示す平面図である。なお左固定片17Aおよび右固定片17Bの構造は、本体部10の長手方向の中心を基準として対称的なものである。従って、以下の説明においては、固定片17の様々な構造について、左固定片17Aまたは右固定片17Bのいずれか一方のみを参照して説明する。
【0041】
図4および
図5に示すように、左固定片17Aは、補強板31の折目線17rを基部として容器1に延びることができるよう構成されている。また左固定片17Aは、基部17fから容器1内に延びる上縁17cと、上縁17cよりも下方において基部17fから容器1内に延びる下縁17dと、上縁17cおよび下縁17dの間に位置し、基部17fに対向する先端部17eと、を有している。すなわち左固定片17Aの輪郭は、上縁17c,下縁17d,先端部17eおよび基部17fによって形成されている。
【0042】
左固定片17Aは、左固定片17Aが容器1に延びているときに左固定片17Aの幅方向が上下方向を向くことができるよう構成されている。ここで幅方向とは、板状の左固定片17Aの平面方向(左固定片17Aの厚み方向に直交する方向)のことである。なお「上下方向を向く」とは、左固定片17Aの平面方向が少なくとも部分的に上下方向の成分を有することを意味している。例えば、左固定片17Aの平面方向の成分を上下方向および水平方向の成分に分類した場合、上下方向の成分と水平方向の成分とが同等になっている。すなわち、左固定片17Aの平面方向は、水平方向に対して約45度をなしている。
【0043】
この場合、ラップロール91rが本体部10から飛び出そうとする際に発生する上下方向の力が、左固定片17Aに対して、左固定片17Aの平面方向と平行、又は概ね平行に作用する。一般に、左固定片17Aのような板状部材は、その厚み方向に加わる力よりも平面方向に加わる力に対して大きな断面係数を有している。このため本実施の形態によれば、左固定片17Aによって、ラップロール91rが上方へ浮き上がることを止めることができる。また、左固定片17Aの下縁17dとラップロール91rの外周面とが面的ではなく線的に接するので、左固定片17Aとラップロール91rとの間の接触面積を小さくすることができる。このことにより、ラップフィルム91fを引き出す際のラップロール91rの回転が左固定片17Aによって阻害されることを抑制することができる。
【0044】
図4および
図5に示すように、左固定片17Aの下縁17dは、ラップロール91rの外周面に適合した形状、例えば弧状の形状を有している。これによって、左固定片17Aに対してラップロール91rが滑らかに摺動することができるようになる。この結果、ラップフィルム91fが引き出される際のラップフィルム91fの回転を良好にし、かつ、ラップフィルム91fが本体部10内で前後方向に移動することを抑制することができる。
【0045】
一方、
図4および
図5に示すように、左固定片17Aの上縁17cは、左側面板15Aの上縁と略同一の高さにおいて当該上縁と略平行に延びることができるよう構成されている。このため、左固定片17Aが左側面板15Aの上縁よりも上方に大きく突出してしまうことを防ぎながら、幅方向における左固定片17Aの寸法を可能な限り大きく確保することができる。このことにより、蓋部20を閉じることが左固定片17Aによって阻害されるという現象が生じることを抑制しながら、左固定片17Aがラップロール91rに及ぼす抵抗力を可能な限り大きくすることができる。なお「上縁と略平行に延びる」とは、左側面板15Aの上縁と、左固定片17Aの上縁17cとの間における、上下方向の距離の最大値が、0.2mm以下になっていることを意味している。
【0046】
ところで上述のように左固定片17Aの上縁17cおよび下縁17dを構成する場合、上縁17cと下縁17dの形状が非対称なものとなる。例えば、左固定片17Aの先端部17eから基部17fに対して垂線を引いた場合、当該垂線が、基部17fの中央部よりも上縁17cにおいて基部17fに交わるようになる。具体的には、
図6に示すように、先端部17eの中心点17ecから基部17fに対して垂線17enを引いた場合に、垂線17enと基部17fとの交点17rmが、基部17fの中心点17fcよりも上縁17c側に位置している。この場合、折目線17rに沿って左固定片17Aを折り曲げるために左固定片17Aの先端部17eに所定の力を印加したとき、左固定片17Aを介して折目線17rに伝わる力が、左固定片17Aの上縁17c側と下縁17d側とで異なると考えられる。例えば、左固定片17Aの下縁17d側の折目線17r(以下、下縁側折目線17rbとも称する)に伝わる力が、左固定片17Aの上縁17c側の折目線17r(以下、上縁側折目線17raとも称する)に伝わる力よりも小さくなってしまうことが考えられる。また
図6に示すように、下縁17dは左固定片17Aの内側に向かって凹むような形状を有しており、このため、先端部17eに印加される力は、下縁側折目線17rbには適切に伝わりにくくなっていると考えられる。このような場合、下縁17d側において、左固定片17Aが、補強板31に対して折目線17r以外の箇所で折り曲げられてしまう可能性が生じる。
【0047】
このような意図しない折り曲げが生じてしまうことを防ぐため、本実施の形態において、折目線17rは、上縁側折目線17raよりも下縁側折目線17rbにおいて高い折り曲げ性を有するよう構成されている。すなわち、上縁側折目線17raよりも下縁側折目線17rbの方が折れ曲がり易くなっている。このため、先端部17eから下縁側折目線17rbへ適切に力が伝わりにくい場合であっても、左固定片17Aを補強板31に対して下縁側折目線17rbに沿って適切に折り曲げることができる。このことにより、所望の配置や向きで設けられた左固定片17Aをより確実に得ることができる。例えば、左固定片17Aの上縁17cが左側面板15Aの上縁と略同一の高さにおいて当該上縁と略平行に延びることをより確実にすることができる。
【0048】
なお、上縁側折目線17raおよび下縁側折目線17rbの折り曲げ性を評価する方法が特に限られることはなく、様々な方法が用いられ得る。例えば、はじめに、上縁側折目線17raと同等の構造の折目線を有する第1サンプルと、下縁側折目線17rbと同等の構造の折目線を有する第2サンプルと、を準備する。次に、第1サンプルおよび第2サンプルを折り曲げ、その際に要した力を測定する。この測定値に基づいて、上縁側折目線17raおよび下縁側折目線17rbの折り曲げ性を評価することができる。
【0049】
上述のような上縁側折目線17raおよび下縁側折目線17rbを含む折目線17rの具体的な構造が特に限られることはない。例えば折目線17rは、順に並べられた複数の接合部および破断部を含むミシン目として構成されていてもよい。
図6に示す例において、折目線17rは、左から順に並べられた、第1接合部CPa,第1破断部BPa,第2接合部CPb,第2破断部BPb,第3接合部CPcおよび第3破断部BPcを含んでいる。このうち第1接合部CPa,第1破断部BPaおよび第2接合部CPbによって上縁側折目線17raが構成されており、第2破断部BPb,第3接合部CPcおよび第3破断部BPcによって下縁側折目線17rbが構成されている。
【0050】
図6に示す例において、折目線17rは、下縁側折目線17rbにおける、接合部の長さの合計に対する破断部の長さの合計の比率(以下、下縁側折目線17rbの破断部比率とも称する)が、上縁側折目線17raにおける、接合部の長さの合計に対する破断部の長さの合計の比率(以下、上縁側折目線17raの破断部比率とも称する)よりも大きくなるよう、構成されている。例えば、第1接合部CPa,第1破断部BPa,第2接合部CPb,第2破断部BPb,第3接合部CPcおよび第3破断部BPcの長さは、それぞれ2.5mm,3.5mm,2.0mm,3.5mm,1.0mmおよび3.5mmとなっている。この場合、上縁側折目線17raの破断部比率は、3.5mm/(2.5mm+2.0mm)=0.78となっており、一方、下縁側折目線17rbの破断部比率は、(3.5mm+3.5mm)/1.0mm=7.0となっている。このように上縁側折目線17raおよび下縁側折目線17rbを構成することにより、下縁側折目線17rbを上縁側折目線17raよりも折れ曲がり易くすることができる。
【0051】
各接合部および各破断部の長さの絶対値が特に限られることはないが、好ましくは、下縁側折目線17rbにおける接合部の長さは、1.6mm以下となっており、上縁側折目線17raにおける接合部の長さは、1.6mmよりも大きくなっている。なお「1.6mm以下」とは、接合部が0.0mmである場合を含む概念である。ここで「接合部が0.0mmである」とは、下縁側折目線17rbが破断部のみによって構成されていることを意味している。後に説明する実施例において支持されているように、このように接合部の長さを設定することによって、左固定片17Aを下縁側折目線17rbに沿ってより確実に折り曲げることができる。なお、左固定片17Aが破損してしまう危険性を低減するため、下縁側折目線17rbにおける接合部の長さは、0.0mmよりも大きい所定の値、例えば0.5mm以上に設定されてもよい。
【0052】
さらに好ましくは、下縁側折目線17rbにおける接合部の長さは、1.3mm以下となっている。後に説明する実施例において支持されているように、このように各接合部の長さを設定することによって、左固定片17Aを下縁側折目線17rbに沿ってさらに確実に折り曲げることができる。
【0053】
上述のように折目線17rを構成することによって得られる効果について、
図7を参照してさらに説明する。
図7において、本体部10の右側面板15Bの上縁と下縁側折目線17rbの上縁17cとの間の上下方向におけるずれが、符号Δhが付された矢印によって表されている。本実施の形態によれば、上述のように折目線17rを構成することによって、右固定片17Bを折目線17rに沿って適切に折り曲げることができ、この結果、ずれΔhを−0.2mm〜+0.2mmの範囲内にすることができる。ここでΔhがプラスの符号であることは、右固定片17Bの上縁17cが右側面板15Bの上縁よりも上方に位置していることを意味している。一方、Δhがマイナスの符号であることは、右固定片17Bの上縁17cが右側面板15Bの上縁よりも下方に位置していることを意味している。本実施の形態によれば、ずれΔhを−0.2mm〜+0.2mmの範囲内にすることにより、右固定片17Bが右側面板15Bの上縁よりも上方に大きく突出してしまうことを防ぎながら、幅方向における右固定片17Bの寸法を可能な限り大きく確保することができる。当然ながら、左固定片17Aについても、右固定片17Bの場合と同様の効果を得ることができる。
【0054】
(押さえ板)
なお、固定片17の他にも、ラップロール91rが外に飛び出すことを防止するための部材が容器1に設けられていてもよい。例えば
図1Bおよび
図3乃至
図5に示すように、軸線方向Dに沿って延び、ラップロール91rに向かって突出する押さえ板33が容器1に設けられていてもよい。この押さえ板33は、例えば
図1Bおよび
図3に示すように、補強板31の面内に形成された切目線33cに沿って補強板31の一部分を切り起こすことによって形成されている。
【0055】
押さえ板33は、フラップ12fと同様に、中央領域12tの両側にそれぞれ設けられていてもよい。以下、中央領域12tの左側の押さえ板33を右押さえ板33A(第1押さえ板)と称し、中央領域12tの右側の押さえ板33を左押さえ板33B(第2押さえ板)と称することもある。各押さえ板33A,33Bは、
図3に示すように、水平方向から見た場合に各フラップ12fA,12fBと重なるよう設けられていてもよい。
【0056】
容器の製造方法
次に、容器1を製造する方法について説明する。上述のように、容器1は、はじめに1枚の原紙を切り出して板紙を形成し、次に折り曲げなどによって板紙を成形することによって得られる。
図8は、容器1を作製するための板紙50の一例を示す平面図である。
【0057】
図8に示す板紙50において、容器1の様々な板や片を構成するための領域が、
図1A乃至
図7の場合と同一の符号で示されている。また、様々な板や片を折り曲げるために板と板の間または板と片の間に位置する罫線や折目線が、符号12r,13r,15r,15pr,17r,21r,22jr,25r,31r,36r,37rなどで示されている。さらに、様々な部材を切り起こすための切目線が、符号12cA,12cB,33c,17rcなどで示されている。
【0058】
また前面板12には、底面板13に対する前面板12の角度を固定するために側面板15(または後述する接合片37)に接着される接合片36(第1接合片36Aおよび第2接合片36B)が、罫線36rを介して連結されている。同様に、後面板14には、底面板13に対する後面板14の角度を固定するために側面板15(または上述の接合片36)に接着される接合片37(第1接合片37Aおよび第2接合片37B)が、罫線37rを介して連結されている。
【0059】
図8に示すように、板紙50のうち補強板31を構成する部分は、その側縁31bが固定片17の折目線17rを超えるまで側方に延びている。このように補強板31を構成することにより、板紙50から得られる容器1において、補強板31を前面板12の側縁の近傍にまで至らせることができ、これによって、前面板12の側縁のまわりでの本体部10の強度を高めることができる。一方、この場合、板紙50のうち固定片17の下縁17dを構成する部分が、少なくとも部分的に、板紙50のうち補強板31を構成する部分に切目線17rcを介して隣接することになる。
【0060】
図8に示す板紙50を作製する方法は特に限られることはなく、様々な方法が用いられ得る。例えば、はじめに、1枚の原紙を切り出して、板紙50の輪郭を整える。次に、または原紙からの切り出しと同時に、各切目線を板紙50に形成する。その後、板紙50に対してエンボス加工などを施すことにより、各罫線や凸部32(または凹部32)などを板紙50に形成する。
【0061】
板紙50を成形して容器1を作製する方法は特に限られることはなく、様々な方法が用いられ得る。ところで、板や片を折り曲げたり切り起こしたりする工程は、互いに干渉する可能性がある。例えば本実施の形態においては、フラップ12fが中央領域12tの両側に設けられており、この結果、
図8に示すように、左フラップ12fAが左固定片17Aの近傍にまで延び、右フラップ12fBが右固定片17Bの近傍にまで延びるようになる。このため、固定片17を折り曲げる工程が、フラップ12fを切り起こす工程と干渉したり、切り起こされたフラップ12fの存在によって阻害されたりする可能性がある。フラップ12fを切り起こす方向と固定片17を折り曲げる方向とが逆であることからも、そのような干渉や阻害が生じる可能性が高いと考えられる。ここで本実施の形態によれば、上述のように、折目線17rは、上縁側折目線17raよりも下縁側折目線17rbにおいて高い折り曲げ性を有するよう構成されている。このため、固定片17を折り曲げる工程が、フラップ12fに起因する干渉や阻害を受ける場合であっても、固定片17を折目線17rに沿って適切に折り曲げることができる。
【0062】
ところで上述のように、板紙50のうち固定片17の下縁17dを構成する部分は、少なくとも部分的に、板紙50のうち補強板31を構成する部分に切目線17rcを介して隣接している。この場合、補強板31の存在のため、折目線17rの近傍で固定片17に力を印加することが困難である。従って、固定片17を折り曲げる工程においては、固定片17のうち折目線17rから離れた部分に力を印加することによって固定片17を折り曲げることになる。すなわち、折目線17rに均一に力を伝えることが困難になると考えられる。このような制約が生じている場合であっても、本実施の形態によれば、折目線17rは、上縁側折目線17raよりも下縁側折目線17rbにおいて高い折り曲げ性を有するよう構成されている。このため、固定片17を折り曲げる工程が、補強板31の存在に起因する干渉や阻害を受ける場合であっても、固定片17を折目線17rに沿って適切に折り曲げることができる。
【0063】
なお
図8において、板紙50のうち固定片17の下縁17dを構成する部分が、板紙50のうち補強板31を構成する部分に切目線17rcを介して隣接している例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、
図9に示すように、板紙50において、固定片17を構成する部分が、補強板31の側縁31bを構成する部分よりも外側に延びていてもよい。なお、前面板12の側縁のまわりでの本体部10の強度を高くするという観点から考えると、
図8に示す板紙50の方が好ましい。
【0064】
次に、上述のようにして製造される容器1の作用について説明する。
【0065】
ラップフィルム91fを使用する際は、ラップロール91rからラップフィルム91fを必要な長さ分だけ引き出して切断刃23で切断する。このとき、ラップフィルム91fを必要な長さ分だけ引き出した状態で蓋部20を閉じ、ラップフィルム91fを前面板12と蓋前面板22とで挟み、蓋前面板22の図心を親指で押さえ、切断刃23の中央を引き出されたラップフィルム91fに食い込ませるように巻回体入り容器100を軸線91aまわりにひねると、ラッピングする食器等にラップフィルム91fを付けた状態でも切断しやすく、好適である。
【0066】
ラップフィルム91fは、切断される際、引出方向に張力が掛けられた状態で切断刃23が入れられる。このため、仮にフラップ12fが軸線方向Dにおける前面板12全体の長さの1/3程度で前面板12の中央に設けられている場合、蓋部20を閉じて蓋前面板22の図心を押したときに、フラップ12fよりも外側の部分において前面板12と蓋前面板22との間に隙間ができてしまうことが考えられる。この場合、フラップ12fよりも外側の部分に対応するラップフィルム91fは、引出方向の張力に応じて容器1に対して滑りながら(引き出されながら)切断されることが生じ得る。この結果、ラップフィルム91fの切断線が切断刃23に対応した切り口にならなくなることが生じ得る。あるいは、仮にフラップ12fが軸線方向Dにおける前面板12全体の長さと略同じ長さで連続して形成されている場合であっても、蓋部20を閉じて蓋前面板22の図心を押したときに、フラップ12fの中央部分が押されるのに伴ってフラップ12fの両外側部分も補強板31に近づくように沈み込んでしまい、ひいては外側部分において前面板12と蓋前面板22との間に隙間ができてしまうことが考えられる。この場合、隙間が形成された部分に対応するラップフィルム91fは、引出方向の張力に応じて容器1に対して滑りながら切断されることが生じる。この結果、ラップフィルム91fの切断線が切断刃23に対応した切り口にならなくなることが生じ得る。
【0067】
一方、本実施の形態に係る容器1では、フラップ12fが、左フラップ12fAと右フラップ12fBとに分かれて中央領域12tの両側にそれぞれ独立して設けられている。このため、蓋部20を閉じて蓋前面板22の図心を押したときに、フラップ12fがつられて補強板31に近づくように沈み込むことを抑制することができる。これによって、引き出されたラップフィルム91fをフラップ12fと蓋前面板22とで挟むことができ、ラップフィルム91fの切断時の滑りを抑制することができる。さらに、容器1では、フラップ12fの軸線方向Dの長さ全体にわたってストッパー12sが形成されているので、フラップ12fと蓋前面板22とで挟まれたラップフィルム91fの引出方向への移動(滑り)を止めることができる。このことにより、より適切にラップフィルム91fを切断することができる。
【0068】
切断された後にフラップ12fと蓋前面板22との間に挟まれているラップフィルム91fは、ストッパー12sに付着しているため、ラップロール91rへの巻き戻りが防止される。また、次回ラップフィルム91fを使用する際に、蓋部20を開けると、フラップ12fが本体部10の外側に浮いている。このため、フラップ12fに形成されたストッパー12sに付着しているラップフィルム91fの先端もフラップ12fの外側の前面板12から浮いており、摘みやすい。特に本実施の形態の容器1においては、中央領域12tにフラップ12fが形成されていないので、中央領域12tとラップフィルム91fとの間に隙間が形成されており、このため、この隙間に指を入れることで容易にラップフィルム91fを摘むことができる。
【0069】
上述のように、巻回体入り容器100によれば、ラップフィルム91fを切断する際に、フラップ12fと蓋前面板22とでラップフィルム91fを挟むことができる。このため、中央領域12tの外側においてもラップフィルム91fの引出方向への移動(滑り)を止めることができ、これによって、ラップフィルム91fを適切に切断することができる。
【0070】
また本実施の形態によれば、容器1には、ラップロール91rが外に飛び出すことを防止するための固定片17が設けられている。固定片17は、補強板31に形成された折目線17rを回転軸として補強板31に対して折り曲げられている。固定片17の折目線17rは、上述のように、固定片17が折目線17rに沿って適切に折り曲げられるよう、その折り曲げ性が最適に設定されている。このため、上述のようにフラップ12fが左フラップ12fAと右フラップ12fBとに分かれて中央領域12tの両側にそれぞれ独立して設けられている場合であっても、所望の配置や向きを有する固定片17を得ることができる。
【0071】
なお上述の形態において、容器1に収容される巻回体が、ラップフィルム91fが巻かれたラップロール91rである例を示した。しかしながら、容器1に収容される巻回体の例がラップロール91rに限られることはない。例えば容器1は、アルミシートやクッキングシートからなる巻回体を収容するために用いられてもよい。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0073】
固定片17の折目線17rの下縁側折目線17rbにおける接合部の長さを変えて、その際の、側面板15の上縁と固定片17の上縁17cとの間のずれΔhの値を評価した。具体的には、はじめに、
図6に示すような固定片17を準備した。次に、下縁側折目線17rbの第3接合部CPcの長さを0.0mm,0.5mm,0.7mm,1.0mm,1.3mm,1.6mmまたは2.0mmとした際の上述のΔhの値をそれぞれ評価した。この際、第3接合部CPcの長さを上述のように変えるのに応じて、第3破断部BPcの長さを4.5mm,4.0mm,3.8mm,3.5mm,3.2mm,2.9mmまたは2.5mmに変えた。一方、第1接合部CPa,第1破断部BPa,第2接合部CPbおよび第2破断部BPbの長さは、それぞれ2.5mm,3.5mm,2.0mmおよび3.5mmという一定値にした。第1接合部CPa,第1破断部BPaおよび第2接合部CPbによって構成される上縁側折目線17raの長さと、第2破断部BPb,第3接合部CPcおよび第3破断部BPcによって構成される下縁側折目線17rbの長さは常に8.0mmであった。
【0074】
第3接合部CPcの長さを上述のように変えてΔhを測定する評価を、それぞれ10のn数で実施した。結果を表として
図10に示し、グラフとして
図11に示す。
図10および
図11Bに示すように、下縁側折目線17rbの第3接合部CPcの長さが1.6mm以下となっている場合、ずれΔhを−0.2mm〜+0.2mmの範囲内(矢印R
1で示される範囲内)にすることができた。一方、下縁側折目線17rbの第3接合部CPcの長さが2.0mmとなっている場合、ずれΔhが−0.2mm〜+0.2mmの範囲の外側になっていた。第3接合部CPcの長さが2.0mmの場合、下縁側折目線17rbの折り曲げ性を十分に高くすることができず、この結果、意図しない箇所で左固定片17Aが折り曲げられてしまったと考えられる。
【0075】
図11において、第3接合部CPcの長さが0.0mm〜1.3mmの場合の測定結果の点に対して生成された近似直線が符号L
1で示されており、第3接合部CPcの長さが1.3mm〜2.0mmの場合の測定結果の点に対して生成された近似直線が符号L
2で示されている。
図11から明らかなように、直線L
1の勾配は、直線L
2の勾配よりも著しく小さくなっている。この結果、第3接合部CPcの長さが0.0mm〜1.3mmの場合、ずれΔhが0.0mm〜+0.2mmの範囲内(矢印R
2で示される範囲内)に安定に収まっている。このことから、下縁側折目線17rbの第3接合部CPcの長さを1.3mm以下とすることにより、第3接合部CPcの長さが多少設計からずれた場合であっても、安定してずれΔhの絶対値を小さくすることができると言える。