(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の第1開口部及び前記複数の第2開口部の各々は、前記凹部において前記第1方向に沿った略中央に向かって前記幅が連続的に減少する、請求項1に記載の液晶表示装置。
前記複数の第1開口部及び前記複数の第2開口部の各々は、短手方向の長さが相対的に大きい部位と相対的に小さい部位を有し、当該相対的に大きい部位と相対的に小さい部位の少なくとも一方は前記第1方向に略平行なエッジを有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態の液晶表示装置の基本構造を示す断面図である。
【
図2】
図2は、構造例1の第1開口部および第2開口部の平面図である。
【
図3】
図3(A)は、構造例1の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図3(B)は、構造例1の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図3(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
【
図4】
図4は、構造例2の第1開口部および第2開口部の平面図である。
【
図5】
図5(A)は、構造例2の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図5(B)は、構造例2の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図5(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
【
図6】
図6(A)は、構造例2の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件(条件2)を説明するための図である。
図6(B)は、構造例2の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件(条件2)を説明するための図である。
図6(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
【
図7】
図7は、構造例3の第1開口部および第2開口部の平面図である。
【
図8】
図8(A)は、構造例3の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図8(B)は、構造例3の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図8(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
【
図9】
図9は、構造例4の第1開口部および第2開口部の平面図である。
【
図10】
図10(A)は、構造例4の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図10(B)は、構造例4の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図10(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
【
図11】
図11は、構造例5の第1開口部および第2開口部の平面図である。
【
図12】
図12(A)は、構造例5の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図12(B)は、構造例5の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図12(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
【
図13】
図13は、構造例6の第1開口部および第2開口部の平面図である。
【
図14】
図14(A)は、構造例6の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図14(B)は、構造例6の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図14(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
【
図15】
図15は、構造例7の第1開口部および第2開口部の平面図である。
【
図16】
図16(A)は、構造例7の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図16(B)は、構造例7の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図16(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
【
図17】
図17(A)〜
図17(D)は、各第1開口部および各第2開口部の他の構造例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、一実施形態の液晶表示装置の基本構造を示す断面図である。この液晶表示装置は、対向配置された第1基板11および第2基板12と、第1基板11に設けられた第1電極13と、第2基板12に設けられた第2電極14と、第1基板11と第2基板12の間に配置された液晶層17、を基本構成として備える。例えば、本実施形態の液晶表示装置は、電極同士の重なり合う領域が表示したい文字や図案を直接的に形作るように構成され、基本的に予め定めた文字等のみを表示可能であり、概ね、有効表示領域内における面積比で50%以下程度の領域が文字等の表示に寄与するものであるセグメント表示型の液晶表示装置である。なお、液晶表示装置は、複数の画素がマトリクス状に配列されたドットマトリクス表示型であってもよいし、セグメント表示型とドットマトリクス型が混合したものであってもよい。
【0014】
第1基板11および第2基板12は、それぞれ例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。図示のように、第1基板11と第2基板12は、所定の間隙(例えば4μm程度)を設けて貼り合わされている。
【0015】
第1電極13は、第1基板11の一面側に設けられている。同様に、第2電極14は、第2基板12の一面側に設けられている。第1電極13および第2電極14は、それぞれ例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。第1電極13には複数の第1開口部(第1スリット)18が設けられており、第2電極14には複数の第2開口部(第2スリット)19が設けられている。各第1開口部18と各第2開口部19は、各々が一方向に長い形状であり、互いが平面視において重ならずに互い違いとなるようにして規則的に配置されている。
【0016】
第1配向膜15は、第1基板11の一面側に第1電極13を覆うようにして設けられている。第2配向膜16は、第2基板12の一面側に第2電極14を覆うようにして設けられている。これらの第1配向膜15、第2配向膜16としては、液晶層17の配向状態を垂直配向に規制する垂直配向膜が用いられている。各配向膜にはラビング処理等の一軸配向処理は施されていない。
【0017】
液晶層17は、第1基板11と第2基板12の間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが負の液晶材料を用いて液晶層17が構成される。液晶材料の屈折率異方性Δnは、例えば0.09程度である。液晶層17に図示された太線は、液晶層17における液晶分子の配向方向を模式的に示したものである。本実施形態の液晶層17は、電圧無印加時における液晶分子の配向方向が第1基板11および第2基板12の各基板面に対して垂直となる垂直配向に設定されている。
【0018】
第1偏光板21は、第1基板11の外側に配置されている。同様に、第2偏光板22は、第2基板12の外側に配置されている。第1偏光板21と第2偏光板22は、各々の吸収軸が互いに略直交するように配置されている。また、各偏光板と各基板との間には適宜Cプレート等の光学補償板が配置されてもよい。例えば本実施形態では、第1基板11と第1偏光板21の間、第2基板12と第2偏光板22の間のそれぞれに光学補償板23、24が配置されている。
【0019】
以下に、第1開口部18および第2開口部19のいくつかの構造例と、それを採用した液晶表示装置の電圧印加後の定常状態における配向組織を3次元シミュレーション解析した結果について説明する。なお、シミュレーション解析の条件は以下の通りである。80μm四方の領域を想定し、これを平面視において20×20のメッシュに分割し、液晶層の層厚方向は20分割した。液晶層については、電圧無印加時のプレティルト角が90°の完全垂直配向とし、その層厚は4μmに設定した。液晶材料については、誘電率異方性を負、屈折率異方性(Δn)を略0.09に設定した。印加電圧については、第1電極(セグメント電極)に4V、第2電極(コモン電極)に0Vの電圧を印加する設定とした。偏光板については、第1偏光板の吸収軸方向を第1開口部および第2開口部の各長手方向に対して時計回りに45°回転した方向に設定し、第2偏光板の吸収軸方向を第1開口部および第2開口部の各長手方向に対して反時計回りに45°回転した方向に設定した。
【0020】
(構造例1)
図2は、構造例1の第1開口部および第2開口部の平面図である。各第1開口部18と各第2開口部19は、それぞれの長手方向が図示のx方向(第1方向)に沿っており、短手方向が図示のy方向(第2方向)に沿って配置されている。各第1開口部18、各第2開口部19は、それぞれx方向において列をなし、y方向において行をなして規則的に配列されている。また、各第1開口部18と各第2開口部19は、y方向に沿って交互に(互い違いに)配置されている。
【0021】
各第1開口部18は、長手方向に沿って一端側と他端側のそれぞれにスリット幅(短手方向の長さ)が相対的に大きい部位18aを有するとともに、これら2つの部位18aの間にスリット幅が相対的に小さい部位18bを有する。これらの部位18a、18bは、いずれも略矩形状に形成されており、x方向に略平行なエッジを有している。別言すると、各第1開口部18は、長手方向における中央付近の外縁部に、平面視において略矩形状の凹み(凹部)を有する。そして、スリット幅が相対的に大きい部位18aの幅L1は、長手方向において
離隔して隣り合う第1開口部18同士の相互間の長さL2よりも大きく設定される(すなわち、L1>L2に設定される)。なお、各第2開口部19についても各第1開口部18と同様の部位19a、19bを備えている。
【0022】
図3(A)は、構造例1の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図3(B)は、構造例1の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図3(A)および
図3(B)に示すように、各第1開口部および各第2開口部は、スリット幅が相対的に大きい部位の幅が略20μm、このスリット幅が相対的に大きい部位のx方向の長さが略15μm、スリット幅が相対的に小さい部位のx方向の長さが略40μm、このスリット幅が相対的に小さい部位の幅が略10μmに設定されている。また、平面視において短手方向に隣り合う第1開口部と第2開口部の相互間の長さは、スリット幅が相対的に大きい部位同士の間隔が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位同士の間隔が略30μmに設定されている。
【0023】
図3(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。図示の「A」、「P」の各矢印は第1偏光板および第2偏光板の各吸収軸の方向を示す(以下においても同様)。第1開口部と第2開口部の各々におけるスリット幅が相対的に小さい部位に挟まれた領域においては、配向状態は狙い通りに良好なマルチドメイン配向が得られ、配向均一性が良好である。しかし、スリット幅が相対的に小さい部位から大きい部位へ変化する段差部(スリット幅が20μmから10μmに変化する箇所)の近傍では暗領域が発生しており、若干、実効開口率を低下させる懸念がある。なお、図示しないが、過渡的応答を観察したところ、第1開口部と第2開口部の各々におけるスリット幅が相対的に大きい部位に挟まれた領域のほうが応答速度が速くなる傾向が観察され、全体的な立ち上がり応答速度の改善に効果があることが見出された。これは、第1開口部と第2開口部の各短手方向の相互間隔がより短くなるためと考えられる。
【0024】
(構造例2)
図4は、構造例2の第1開口部および第2開口部の平面図である。各第1開口部18と各第2開口部19は、それぞれの長手方向が図示のx方向に沿っており、短手方向が図示のy方向に沿って配置されている。各第1開口部18、各第2開口部19は、それぞれx方向において列をなし、y方向において行をなして規則的に配列されている。また、各第1開口部18と各第2開口部19は、y方向に沿って交互に(互い違いに)配置されている。
【0025】
各第1開口部18は、長手方向に沿って一端側と他端側のそれぞれにスリット幅が相対的に大きい部位18aを有し、これら2つの部位18aの間にスリット幅が相対的に小さい部位18bを有し、さらに、部位18aと部位18bとの間に配置されて両者をつなぐスロープ状の部位18cを有する。スロープ状の部位18cは、部位18aから部位18bへ向かってスリット幅が連続的に減少している。別言すると、各第1開口部18は、長手方向における中央付近の外縁部に、平面視において略台形状の凹み(凹部)を有する。そして、スリット幅が相対的に大きい部位18aの幅L1は、長手方向において
離隔して隣り合う第1開口部18同士の相互間の長さL2よりも大きく設定される(すなわち、L1>L2に設定される)。なお、各第2開口部19についても各第1開口部18と同様の部位19a、19b、19cを備えている。
【0026】
図5(A)は、構造例2の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図5(B)は、構造例2の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図5(A)および
図5(B)に示すように、各第1開口部および各第2開口部は、スリット幅が相対的に大きい部位の幅が略20μm、このスリット幅が相対的に大きい部位の長手方向の長さが略15μm、スリット幅が相対的に小さい部位の幅が略10μm、このスリット幅が相対的に小さい部位の長手方向の長さが略30μm、スロープ状の部位の長手方向の長さがそれぞれ略5μmに設定されている。また、平面視において短手方向に隣り合う第1開口部と第2開口部の相互間の長さは、スリット幅が相対的に大きい部位同士の間隔が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位同士の間隔が略30μmに設定されている。また、スロープ状の部位のエッジ方向と各第1開口部および第2開口部の長手方向とのなす角度は略45°である。
【0027】
図5(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。第1開口部と第2開口部の各々におけるスリット幅が相対的に小さい部位に挟まれた領域においては、配向状態は狙い通りに良好なマルチドメイン配向が得られ、配向均一性が良好である。しかし、スリット幅が相対的に小さい部位から大きい部位へ変化する途中のスロープ状の部位ではそのエッジ方向を各偏光板の吸収軸に対して略平行または略直交に定義したことから、この近傍に発生する暗領域が構造例1の場合よりも大きい面積で観察されたため、実効開口率の低下が懸念される。そこで、構造例2においてスロープ状の部位のエッジの傾斜角度を変えた場合についてさらに検討した。
【0028】
図6(A)は、構造例2の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件(条件2)を説明するための図である。
図6(B)は、構造例2の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件(条件2)を説明するための図である。
図6(A)および
図6(B)に示すように、各第1開口部および各第2開口部は、スリット幅が相対的に大きい部位の幅が略20μm、このスリット幅が相対的に大きい部位の長手方向の長さが略15μm、スリット幅が相対的に小さい部位の幅が略10μm、このスリット幅が相対的に小さい部位の長手方向の長さが略30μm、スロープ状の部位の長手方向の長さがそれぞれ略10μmに設定されている。また、平面視において短手方向に隣り合う第1開口部と第2開口部の相互間隔は、スリット幅が相対的に大きい部位同士の間隔が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位同士の間隔が略30μmに設定されている。また、スロープ状の部位は、スリット幅が相対的に小さい部位と大きい部位を直線状に接続しており、エッジの傾斜角度(長手方向との角度)は略18°である。
図6(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。
図5(C)に示した配向組織に比べて、スロープ状の部位の近傍に発生する暗領域の濃度が薄くなっていることが分かる。
【0029】
(構造例3)
図7は、構造例3の第1開口部および第2開口部の平面図である。各第1開口部18と各第2開口部19は、それぞれの長手方向が図示のx方向に沿っており、短手方向が図示のy方向に沿って配置されている。各第1開口部18、各第2開口部19は、それぞれx方向において列をなし、y方向において行をなして規則的に配列されている。また、各第1開口部18と各第2開口部19は、y方向に沿って交互に(互い違いに)配置されている。
【0030】
各第1開口部18は、長手方向に沿って一端側と他端側のそれぞれに、スリット幅が相対的に大きい部位18aを有し、これら2つの部位18aの間にスリット幅が相対的に小さい部位18bを有し、さらに、部位18aと部位18bとの間に配置されて両者をつなぐスロープ状の部位18cを有する。構造例3では、スリット幅が相対的に小さい部位18bはその長手方向の長さが0であり、スロープ状の部位18cは、部位18aから部位18bへ向かってスリット幅が連続的に減少している。別言すると、各第1開口部18は、長手方向における中央付近の外縁部に、平面視において略V字状の凹み(凹部)を有する。構造例3では、スリット幅が相対的に小さい部位18bの長手方向の長さを0としていることから、凹部には第1開口部18の長手方向に対して略平行になる部分が存在しない点で構造例2とは異なる。そして、スリット幅が相対的に大きい部位18aの幅L1は、長手方向において
離隔して隣り合う第1開口部18同士の相互間の長さL2よりも大きく設定される(すなわち、L1>L2に設定される)。なお、各第2開口部19についても各第1開口部18と同様の部位19a、19b、19cを備えている。
【0031】
図8(A)は、構造例3の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図8(B)は、構造例3の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図8(A)および
図8(B)に示すように、各第1開口部および各第2開口部は、スリット幅が相対的に大きい部位の幅が略20μm、このスリット幅が相対的に大きい部位の長手方向の長さが略15μm、スリット幅が相対的に小さい部位の幅が略10μm、スロープ状の部位の長手方向の長さが略40μmに設定されている。また、平面視において短手方向に隣り合う第1開口部と第2開口部の相互間隔は、スリット幅が相対的に大きい部位同士の間隔が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位同士の間隔が略30μmに設定されている。また、スロープ状の部位のエッジ方向と各第1開口部および第2開口部の長手方向とのなす角度は略14°である。
図8(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。スロープ状の部位の近傍でわずかに暗領域が観察されるが構造例2の場合よりも暗領域が薄くなっている。
【0032】
(構造例4)
図9は、構造例4の第1開口部および第2開口部の平面図である。各第1開口部18と各第2開口部19は、それぞれの長手方向が図示のx方向に沿っており、短手方向が図示のy方向に沿って配置されている。各第1開口部18、各第2開口部19は、それぞれx方向において列をなし、y方向において行をなして規則的に配列されている。また、各第1開口部18と各第2開口部19は、y方向に沿って交互に(互い違いに)配置されている。
【0033】
各第1開口部18は、長手方向に沿って一端側と他端側のそれぞれにスリット幅が相対的に大きい部位18aを有し、これら2つの部位18aの間にスリット幅が相対的に小さい部位18bを有し、さらに、各部位18aと部位18bとの間をつなぐスロープ状の部位18cを有する。構造例4では、スリット幅が相対的に大きい部位18aと小さい部位18bは、それぞれ、その長手方向の長さが0であり、スロープ状の部位18cは、部位18aから部位18bへ向かってスリット幅が連続的に減少している。別言すると、各第1開口部18は、長手方向における中央付近の外縁部に、平面視において略V字状の凹み(凹部)を有する。構造例4では、スリット幅が相対的に大きい部位18aと小さい部位18bの長手方向の長さをともに0としていることから、凹部には第1開口部18の長手方向に対して略平行になる部分が存在しない点で構造例3とは異なる。そして、スリット幅が相対的に大きい部位18aの幅L1は、長手方向において
離隔して隣り合う第1開口部18同士の相互間の長さL2よりも大きく設定される(すなわち、L1>L2に設定される)。なお、各第2開口部19についても各第1開口部18と同様の部位19a、19b、19cを備えている。
【0034】
図10(A)は、構造例4の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図10(B)は、構造例4の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図10(A)および
図10(B)に示すように、各第1開口部および各第2開口部は、スリット幅が相対的に大きい部位の幅(短辺エッジの長さ)が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位の幅が略10μm、スロープ状の部位の長手方向の長さが略70μmに設定されている。また、平面視において短手方向に隣り合う第1開口部と第2開口部の相互間隔は、スリット幅が相対的に大きい部位同士の間隔が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位同士の間隔が略30μmに設定されている。また、スロープ状の部位のエッジ方向と各第1開口部および第2開口部の長手方向とのなす角度は略8°である。
図10(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。スロープ状の部位の近傍ではほぼ暗領域が観察されない状態であり、第1開口部と第2開口部に挟まれた領域における配向状態は非常に均一で実効開口率が高い状態が得られる。
【0035】
以上の解析結果をベースにより詳細に解析した結果、各開口部がその長手方向における略中央にスロープ状の部位を有する構造例においては、このスロープ状の部位のエッジ方向と各開口部の長手方向とのなす角度を14°未満とすることが好ましく、8°以下とすることがより好ましいことが分かった。この条件を充足するのであれば構造例2〜4のいずれを用いた場合にも、実効開口率の高く、かつ良好な配向組織が得られ、外観上も均一な表示状態が得られる。
【0036】
(構造例5)
図11は、構造例5の第1開口部および第2開口部の平面図である。各第1開口部18と各第2開口部19は、それぞれの長手方向が図示のx方向に沿っており、短手方向が図示のy方向に沿って配置されている。各第1開口部18、各第2開口部19は、それぞれx方向において列をなし、y方向において行をなして規則的に配列されている。また、各第1開口部18と各第2開口部19は、y方向に沿って交互に(互い違いに)配置されている。また、各第1開口部18と各第2開口部19は、x方向における位置が互いに半ピッチずれて配置されている。なお、各第1開口部18と各第2開口部19の詳細構造は上記した構造例4と同様であるのでここでは説明を省略する。この構造例5の場合には、y方向において隣り合う第1開口部18と第2開口部19の各々のエッジ同士の相互間隔がどの位置でもほぼ等しくなる。
【0037】
図12(A)は、構造例5の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図12(B)は、構造例5の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図12(A)および
図12(B)に示すように、各第1開口部および各第2開口部は、スリット幅が相対的に大きい部位の幅(短辺エッジの長さ)が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位の幅が略10μm、スロープ状の部位の長手方向の長さが略70μmに設定されている。また、平面視において短手方向に隣り合う第1開口部と第2開口部の相互間隔は、すべての位置で略30μmに設定されている。また、スロープ状の部位のエッジ方向と各第1開口部および第2開口部の長手方向とのなす角度は略8°である。また、長手方向において
離隔して隣り合う第1開口部18同士の相互間隔と同じく第2開口部19同士の相互間隔は、それぞれ略10μmに設定される。
図12(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。スロープ状の部位の近傍ではほぼ暗領域が観察されない状態であり、第1開口部と第2開口部に挟まれた領域における配向状態は非常に均一であり、かつ構造例4に比べてもさらに高い実効開口率が得られる。
【0038】
(構造例6)
上記した構造例1〜5においては、各第1開口部18と各第2開口部19は、それぞれ平面視において長手方向の両側の外縁部に凹部を有していたが、片側のみに凹部が存在してもよい。以下では、構造例4の各第1開口部18と各第2開口部19を、片側のみに凹部が存在するように変更した例を示すが、他の構造例でも同様である。
【0039】
図13は、構造例6の第1開口部および第2開口部の平面図である。各第1開口部18と各第2開口部19は、それぞれの長手方向が図示のx方向に沿っており、短手方向が図示のy方向に沿って配置されている。各第1開口部18、各第2開口部19は、それぞれx方向において列をなし、y方向において行をなして規則的に配列されている。また、各第1開口部18と各第2開口部19は、y方向に沿って交互に(互い違いに)配置されている。
【0040】
各第1開口部18は、長手方向に沿って一端側と他端側のそれぞれに、スリット幅が相対的に大きい部位18aを有し、これら2つの部位18aの間にスリット幅が相対的に小さい部位18bを有し、さらに、部位18aと部位18bとの間に配置されて両者をつなぐ片側スロープ状の部位18cを有する。構造例6では、スリット幅が相対的に大きい部位18aと小さい部位18bは、それぞれ、その長手方向の長さが0であり、スロープ状の部位18cは、部位18aから部位18bへ向かってスリット幅が連続的に減少している。各第1開口部18は、長手方向における中央付近の一方の外縁部に、平面視において略V字状の凹み(凹部)を有する。各第1開口部18の他方の外縁部は第1方向に略平行な直線状に形成されている。構造例6では、凹部には第1開口部18の長手方向に対して略平行になる部分が存在しない。なお、各第2開口部19についても各第1開口部18と同様の部位19a、19b、19cを備えている。
【0041】
図14(A)は、構造例6の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図14(B)は、構造例6の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図14(A)および
図14(B)に示すように、各第1開口部および各第2開口部は、スリット幅が相対的に大きい部位の幅(短辺エッジの長さ)が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位の幅が略10μm、スロープ状の部位の長手方向の長さが略70μmに設定されている。また、平面視において短手方向に隣り合う第1開口部と第2開口部の相互間隔は、最も短くなる短辺エッジ付近で略20μm、スリット幅が最も小さくなる位置で略30μmに設定されている。また、スロープ状の部位のエッジ方向と各第1開口部および第2開口部の長手方向とのなす角度は略16°である。また、長手方向において
離隔して隣り合う第1開口部18同士の相互間隔と同じく第2開口部19同士の相互間隔は、それぞれ略10μmに設定される。
図14(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。スロープ状の部位の近傍で薄い暗領域がわずかに観察されるが、短手方向に隣り合う向かい合う開口部の外縁部のエッジ同士が略平行であるので、暗領域が周囲へ伝播する様子はなく、均一な表示状態が得られる。
【0042】
(構造例7)
上記した構造例6のように各第1開口部18と各第2開口部19がそれぞれ平面視において長手方向の片側のみに凹部を有する場合において、各第1開口部18と各第2開口部19は、x方向における位置が互いに半ピッチずれて配置されていてもよい。また、各第1開口部18と各第2開口部19で互いに凹部の設けられる位置が異なっていてもよい。
【0043】
図15は、構造例7の第1開口部および第2開口部の平面図である。各第1開口部18と各第2開口部19は、それぞれの長手方向が図示のx方向に沿っており、短手方向が図示のy方向に沿って配置されている。各第1開口部18、各第2開口部19は、それぞれx方向において列をなし、y方向において行をなして規則的に配列されている。また、各第1開口部18と各第2開口部19は、y方向に沿って交互に(互い違いに)配置されており、かつx方向における位置が互いに半ピッチずれて配置されている。各第1開口部18と各第2開口部19の詳細構造は構造例6の場合と同様であり、各第1開口部18と各第2開口部とは、互いに凹部を有する側同士が向かい合い、かつ凹部を有しない側同士が向かい合うように配置されている。この構造例7の場合には、y方向において隣り合う第1開口部18と第2開口部19の各々のエッジ同士の相互間隔がどの位置でもほぼ等しくなる。
【0044】
図16(A)は、構造例7の第1開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図16(B)は、構造例7の第2開口部を有する電極のシミュレーション条件を説明するための図である。
図16(A)および
図16(B)に示すように、各第1開口部および各第2開口部は、スリット幅が相対的に大きい部位の幅(短辺エッジの長さ)が略20μm、スリット幅が相対的に小さい部位の幅が略10μm、スロープ状の部位の長手方向の長さが略70μmに設定されている。また、平面視において短手方向に隣り合う第1開口部と第2開口部の相互間隔は、すべての位置で略30μmに設定されている。また、スロープ状の部位のエッジ方向と各第1開口部および第2開口部の長手方向とのなす角度は略16°である。また、長手方向において
離隔して隣り合う第1開口部18同士の相互間隔と同じく第2開口部19同士の相互間隔は、それぞれ略10μmに設定される。
図16(C)は、配向組織のシミュレーション解析結果を示す図である。スロープ状の部位の近傍で薄い暗領域がわずかに観察されるが、各開口部の長手方向に対して平行なエッジの付近では良好な均一配向が得られている。
【0045】
上記した構造例6、7のそれぞれにおいては、スロープ状の部位のエッジ方向と各第1開口部および第2開口部の長手方向とのなす角度を14°未満、より好ましくは8°以下に設定すれば、暗領域の発生が抑制され、実効開口率をさらに改善することができる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した構造例2〜7においては、各第1開口部および各第2開口部のスロープ状の部位のエッジは直線状であったが、必ずしも直線状である必要はなく、
図17(A)〜
図17(D)に例示するような曲線状であってもよいし、複数の線分を連結した屈曲線であってもよい。
【0047】
また、上記した実施形態では垂直配向した液晶層を用いる液晶表示装置を説明したがその限りではない。基板面において液晶分子が水平配向し、液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向が各開口部の長手方向に対して略直交しており、液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の電圧無印加時におけるプレティルト角が略0°である液晶層を用いる液晶表示装置に対しても本発明を適用可能である。