(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
鉄道関連施設を表す3次元VR(Virtual Reality)モデルと、当該3次元VRモデルを構成する少なくとも2点以上の構成ポイントについて前記鉄道関連施設が設置された際に当該構成ポイントが位置すべき点を示す3次元絶対座標を特定可能な位置情報を記憶する記憶手段と、
前記鉄道関連施設が設置される現場を撮影した撮影画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された撮影画像において何れかの前記構成ポイントについて記憶された前記位置情報により特定される3次元絶対座標に対応する点を特定する特定手段と、
前記特定された点と当該特定された点に対応する3次元絶対座標に対応する前記構成ポイントが一致するように、前記取得された撮影画像に前記3次元VRモデルを重畳させた重畳画像を形成する形成手段と、
を備え、
前記記憶手段は、前記撮影画像を撮影するカメラの位置を示す3次元絶対座標を特定可能なカメラ位置情報と、前記カメラの撮影範囲を特定するための撮影範囲特定情報を更に記憶し、
前記特定手段は、前記カメラ位置情報及び前記撮影範囲特定情報に基づいて、前記取得された撮影画像において何れかの前記構成ポイントについて記憶された前記位置情報により特定される3次元絶対座標に対応する点を特定することを特徴とする画像形成装置。
鉄道関連施設を表す3次元VR(Virtual Reality)モデルと、当該3次元VRモデルを構成する少なくとも2点以上の構成ポイントについて前記鉄道関連施設が設置された際に当該構成ポイントが位置すべき点を示す3次元絶対座標を特定可能な位置情報を記憶する記憶手段を備える画像形成装置に含まれるコンピュータを、
前記鉄道関連施設が設置される現場を撮影した撮影画像を取得する画像取得手段、
前記取得された撮影画像において何れかの前記構成ポイントについて記憶された前記位置情報により特定される3次元絶対座標に対応する点を特定する特定手段、
前記特定された点と当該特定された点に対応する3次元絶対座標に対応する前記構成ポイントが一致するように、前記取得された撮影画像に前記3次元VRモデルを重畳させた重畳画像を形成する形成手段、
として機能させる画像形成プログラムであって、
前記特定手段は、前記記憶手段が更に記憶する、前記撮影画像を撮影するカメラの位置を示す3次元絶対座標を特定可能なカメラ位置情報と、前記カメラの撮影範囲を特定するための撮影範囲特定情報とに基づいて、前記取得された撮影画像において何れかの前記構成ポイントについて記憶された前記位置情報により特定される3次元絶対座標に対応する点を特定することを特徴とする画像形成プログラム。
【背景技術】
【0002】
従来、土木・建設分野では、作業者が予め用意された設計図面通りに作業を行うことができるように様々な工夫がなされている。古くから用いられている丁張はその一例である。ところが、丁張を正確に設置するためには高度な技術が要求される。また、作業の途中段階では図面通りに作業が進められているかを大まかにしか把握することができない。
【0003】
そのため、
図1に示すように、2本の柱51、52の上部に上部工53を架設する場合において、
図1(A)に示す柱51、52の施工途中段階では柱51と柱52が互いに平行に立設されて施工が正しく行われていると判断され易く、次いで
図1(B)に示す柱51、52の完成時にも施工が正しく行われていると判断され易い。そして、
図1(C)に示す上部工53を架設する施工段階において柱51、52が垂直に立設されていないことが判明し施工ミスに気付くといった事態が起こりえる。この場合、柱51、52を立設する施工段階に立ち戻って、作業をやり直さなければならない。
【0004】
一方で、鉄道に関連する施設に関する施工を行う鉄道建設分野においては、活線近傍箇所ではき電停止後や線路閉鎖後でなければ作業確認をできないなどの問題があり、いつでも作業確認を容易にできる技術が求められている。
【0005】
ところで、近年ではCGを土木・建設分野に用いる技術が数多く提案されている。例えば、特許文献1には、水中バックホーを用いて視界の悪い濁った海中での作業を行う場合に、作業対象物及びバックホーのクラブバケット(土砂を掘削し、揚土する部分)を表すCGを海上の表示装置に表示させる技術が開示されている。この技術では、作業対象物に接触した際の負荷(反力)を検出する接触センサと、接触センサの位置を算出するための変位情報を検出する変位検出センサをバックホーに設け、これらのセンサから入力される情報を基にCGを形成し、表示させている。この技術によれば、作業現場の視界が悪い場合であってもCGに基づいて作業を進めることができるという利点がある。
【0006】
そこで、鉄道建設分野においてもCGを導入することが提案される。具体的には、鉄道関連施設が設置される現場を撮影した撮影画像に、設計図面通りに鉄道関連施設を表すCGを重畳させることが提案される。例えば、
図2に示すように、柱51、52が立設される現場を撮影した撮影画像60に、設計図面に従って柱52を表すCG59を重畳させることができれば、早期段階(
図1の例では(A)に示す段階)にて施工ミスに気付くことができ、作業のやり直しを最小限にとどめることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば鉄道関連施設等の作業対象物に工作機械が直接接触する必要があり、上記提案のように、鉄道関連施設が設置される現場を離れた位置から撮影した画像にCGを正確な位置に重畳させることができないという問題があっ
た。このように、CGが撮影画像の正確な位置に重畳されなければ、施工ミスに気付きにくく、また、作業確認を正確に行うことができない。
【0009】
本発明は、このような問題等に鑑みて為されたもので、鉄道関連施設が設置される現場を撮影した撮影画像における正確な位置に鉄道関連施設を表すCGが重畳された重畳画像を形成することのできる画像形成装置等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、鉄道関連施設を表す3次元VR(Virtual Reality)モデルと、当該3次元VRモデルを構成する少なくとも2点以上の構成ポイントについて前記鉄道関連施設が設置された際に当該構成ポイントが位置すべき点を示す3次元絶対座標を特定可能な位置情報を記憶する記憶手段と、前記鉄道関連施設が設置される現場を撮影した撮影画像を取得する画像取得手段と、前記取得された撮影画像において何れかの前記構成ポイントについて記憶された前記位置情報により特定される3次元絶対座標に対応する点を特定する特定手段と、前記特定された点と当該特定された点に対応する3次元絶対座標に対応する前記構成ポイントが一致するように、前記取得された撮影画像に前記3次元VRモデルを重畳させた重畳画像を形成する形成手段と、を備え
、前記記憶手段は、前記撮影画像を撮影するカメラの位置を示す3次元絶対座標を特定可能なカメラ位置情報と、前記カメラの撮影範囲を特定するための撮影範囲特定情報を更に記憶し、前記特定手段は、前記カメラ位置情報及び前記撮影範囲特定情報に基づいて、前記取得された撮影画像において何れかの前記構成ポイントについて記憶された前記位置情報により特定される3次元絶対座標に対応する点を特定することを特徴とする。
【0011】
鉄道関連施設とは、例えば、駅(駅舎、プラットホーム、駅ビル等)、こ線橋(自由通路含む)、エレベータ、エスカレータといった昇降設備、鉄道線路(軌道の他に架線や信号設備を含む)、トンネルや高架橋といった鉄道構造物、線路に近接する施設・建物などが挙げられる。
【0012】
また、3次元絶対座標を特定可能な位置情報は、3次元絶対座標(例えば、(緯度、経度、東京湾中等潮位からの高さ))そのものであってもよいし、例えば、予め定められた3次元絶対座標を基準とする相対座標であってもよい。
【0013】
さらに、撮影画像は、動画像又は静止画像の何れの画像であってもよい。同様に、形成される重畳画像は、動画像に3次元VRモデルを重畳させた画像であってもよいし、静止画像に3次元VRモデルを重畳させた画像であってもよい。なお、動画像に3次元VRモデルを重畳させる場合には、監視カメラ等により撮影された動画像を撮影画像として採用することができる。監視カメラは鉄道関連施設が設置される現場近傍に設置されていることが多いので、新たに重畳画像を形成するためのカメラを設けずに済むといったメリットがある。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記形成手段により形成された重畳画像を表示部に表示させる表示制御手段を、更に備えることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、前記記憶手段は、前記鉄道関連施設の各施工段階に応じた前記3次元VRモデルを記憶し、前記形成手段は、ユーザにより選択された施工段階に応じた前記3次元VRモデルを重畳させた前記重畳画像を形成することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置であって、前記画像取得手段により取得された撮影画像又は前記形成手段により形成された重畳画像において、ユーザにより指定された2点の3次元絶対座標を特定し、当該2点間の距離を算出する算出手段と、前記算出された2点間の距離を表示部に表示させる距離表示制御手段、を更に備えることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置であって、前記重畳画像における実物の前記鉄道関連施設又は施工途中の当該鉄道関連施設の像を認識する認識手段と、前記認識された像と、前記重畳画像に重畳されている前記3次元VRモデルとを比較する比較手段と、前記比較結果を表示部に表示させる比較結果表示制御手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装置と、前記撮影画像を撮影するカメラとを含む画像形成システムである。
【0019】
請求項7に記載の発明は、鉄道関連施設を表す3次元VR(Virtual Reality)モデルと、当該3次元VRモデルを構成する少なくとも2点以上の構成ポイントについて前記鉄道関連施設が設置された際に当該構成ポイントが位置すべき点を示す3次元絶対座標を特定可能な位置情報を記憶する記憶手段を備える画像形成装置に含まれるコンピュータを、前記鉄道関連施設が設置される現場を撮影した撮影画像を取得する画像取得手段、前記取得された撮影画像において何れかの前記構成ポイントについて記憶された前記位置情報により特定される3次元絶対座標に対応する点を特定する特定手段、前記特定された点と当該特定された点に対応する3次元絶対座標に対応する前記構成ポイントが一致するように、前記取得された撮影画像に前記3次元VRモデルを重畳させた重畳画像を形成する形成手段、として機能させ
る画像形成プログラム
であって、前記特定手段は、前記記憶手段が更に記憶する、前記撮影画像を撮影するカメラの位置を示す3次元絶対座標を特定可能なカメラ位置情報と、前記カメラの撮影範囲を特定するための撮影範囲特定情報とに基づいて、前記取得された撮影画像において何れかの前記構成ポイントについて記憶された前記位置情報により特定される3次元絶対座標に対応する点を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、3次元絶対座標に基づいて、鉄道関連施設が設置される現場を撮影した撮影画像内の正確な位置に鉄道関連施設を表すCGが重畳された重畳画像を形成することができる。したがって、早期段階で施工ミスに気付くことができ、作業のやり直しも減り、また、作業確認を正確に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、画像形成システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0023】
[1.画像形成システムの構成及び機能概要]
先ず、本発明の一実施形態に係る画像形成システムSの構成及び概要機能について、
図3を用いて説明する。
【0024】
図3は、本実施形態に係る画像形成システムSの概要構成の一例を示す図である。
図3に示すように、画像形成システムSは、エスカレータ(「鉄道関連施設」の一例)が設置される現場を撮影するカメラ2と、画像形成装置1と、を含んで構成されている。カメラ
2としては、エスカレータが設置される現場を撮影する監視カメラを用いることができる。カメラ2と画像形成装置1は、ネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0025】
画像形成装置1は、エスカレータを表す3次元VR(Virtual Reality)モデル(以下、
「VRモデル」という。)を記憶しており、カメラ2により撮影された撮影画像にVRモデルを重畳させた重畳画像を形成する機能を有している。特に、画像形成装置1は、重畳画像を形成する際、設計図面に基づく絶対座標に従い、実際にエスカレータが設置される位置にVRモデルを重畳させる。
【0026】
[2.画像形成装置1の構成]
図4は、本実施形態に係る画像形成装置1の概要構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、画像形成装置1は、制御部11、記憶部12、インターフェース部13、表示部14及び操作部15を備えている。
【0027】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard disk drive)等により構成されており、オペレ
ーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。特に、本実施形態の記憶部12には、重畳画像を形成するためのアプリケーションプログラム(以下、「画像形成アプリ」という。)が記憶されている。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【0028】
また、記憶部12(「記憶手段」の一例)は、エスカレータのVRモデルを記憶する。VRモデルは実際のエスカレータの設計図面に基づいて作成されている。記憶部12は、VRモデルを構成する構成ポイント(点群)について、次の(i)、(ii)の情報を記憶している。
(i)絶対座標(例えば緯度・経度)又は絶対座標に変換可能な位置情報
(ii)絶対的な高さを示す数値(例えば、地球楕円体からの高さ、東京湾中等潮位(TP(Tokyo Peil))からの高さ)又は絶対的な高さを示す数値に変換可能な高さ情報
つまり、記憶部12は、構成ポイント毎に3次元絶対座標、すなわち地球上の一点を特定可能な情報が記憶されている。
【0029】
記憶部12には、エスカレータの部材毎にVRモデルが記憶されている。また、各部材について、施工段階情報、表示種別情報、施工段階開始日・終了日情報、順序情報が関連付けられている。施工段階情報は、その部材が何れの施工段階で用いられる部材であるかを示す情報である。表示種別情報は、その部材のVRモデルを表示するか否かを示す情報であり、ユーザが適宜変更可能な情報である。施工段階開始日・終了日情報は、その部材が用いられる施工段階の開始日・終了日を示す情報である。順序情報は、その部材が用いられる施工段階において施工される順序を示す情報である。これらの情報に基づいて、エスカレータが設置される前の状態の撮影画像(
図5(A)参照)に、施工途中のVRモデルを重畳表示させたり(
図5(B)参照)、エスカレータの施工完了時のVRモデルを重畳表示させたり(
図5(C)参照)することができる。なお、本実施形態では説明の簡略化のために、エスカレータが土台部分31と本体部分32の2つの部材で構成されており、施工段階は土台部分を施工する第1施工段階と、本体部分を施工する第2施工段階(最終施工段階)の2段階からなることとする。
【0030】
さらに、記憶部12は、カメラ2の重心点について次の(a)、(b)のカメラ位置情報を記憶している。
(a)絶対座標(例えば緯度・経度)又は絶対座標に変換可能な位置情報
(b)絶対的な高さを示す数値(例えば、地球楕円体からの高さ、東京湾中等潮位からの
高さ)又は絶対的な高さを示す数値に変換可能な高さ情報
つまり、記憶部12は、カメラ2の重心点について3次元絶対座標、すなわちカメラ2の重心点を特定可能な情報が記憶されている。
また、記憶部12は、カメラ2の姿勢についてカメラ2の水平角度及び垂直角度と、カメラ2のズーム倍率を記憶する。カメラ2の水平角度及び垂直角度と、カメラ2のズーム倍率はカメラ2の撮影範囲(撮影画像に写る範囲)を特定するための情報であることから撮影範囲特定情報と呼ぶ。なお、撮影範囲特定情報は、カメラ2の水平角度、垂直角度又はズーム倍率が変更される都度、修正される。この修正作業は、ユーザが適宜行うこととしてもよいし、画像形成装置1がカメラ2からこれらの情報を取得して、制御部11が修正することとしてもよい。
【0031】
インターフェース部13は、ネットワークNWを介して接続されたカメラ2から、カメラ2が撮影した撮影画像を受信するための窓口の役割を果たす。
【0032】
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成されており、ユーザが画像形成システムS或いは画像形成装置1を操作する際の操作画面や、カメラ2から受信した撮影画像や、撮影画像にVRモデルを重畳させた重畳画像等を表示する。
【0033】
操作部15は、例えば、キーボードやマウス等により構成されており、ユーザの操作を受け付け、操作内容を示す操作信号を制御部11に送信する。
【0034】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、
RAM(Random Access Memory)等により構成されている。そして、コンピュータとしての制御部11は、記憶部12に記憶された画像形成アプリを読み出して実行することにより、重畳画像を形成するための処理を行う。このとき、制御部11は、画像取得手段、特定手段、形成手段、表示制御手段、算出手段、距離表示制御手段、認識手段、比較手段、比較結果表示制御手段として機能する。
【0035】
[3.重畳画像形成処理]
次に、画像形成装置1の制御部11による重畳画像形成処理について
図6を用いて説明する。
図6は、画像形成装置1の制御部11よる重畳画像形成処理を示すフローチャートである。なお、重畳画像形成処理は、ユーザが重畳画像の形成を開始させるための操作を行ったことを受けて開始する。この際、ユーザは何れの施設の何れの施工段階について重畳画像を表示させるかを選択するものとする。制御部11は、ユーザに選択された施工段階に応じて上述した表示種別情報を切り替える。
【0036】
まず、制御部11は、ユーザにより選択された施設(例えば、エスカレータ)が設置される現場を撮影した撮影画像を取得する(ステップS1)。このとき、制御部11は、当該現場の近傍に設置されたカメラ2から撮影画像を取得することとしてもよいし、予めカメラ2から取得して記憶部12に記録されている撮影画像を取得することとしてもよい。
【0037】
次に、制御部11は、ユーザにより選択された施工段階に応じたVRモデルを記憶部12から取得する(ステップS2)。例えば、上述したエスカレータの施工について第1施工段階がユーザにより選択された場合であれば、制御部11はエスカレータの土台部分31を表すVRモデルを取得する。また、第2施工段階がユーザにより選択された場合であれば、制御部11はエスカレータの土台部分31と本体部分32を表すVRモデルを取得する。
【0038】
次に、制御部11は、ステップS2の処理で取得したVRモデルを構成する2点の構成ポ
イントにおける3次元絶対座標を取得する(ステップS3)。このとき、制御部11は、任意の2点の構成ポイントを選択することができる。
【0039】
次に、制御部11は、ステップS3の処理で取得した2点分の3次元絶対座標が示す点を、ステップS1の処理で取得した撮影画像内で特定する(ステップS4)。具体的には、制御部11は、記憶部12に記憶されているカメラ位置情報及び撮影範囲特定情報に基づいて、撮影画像を構成する点(ピクセル)の絶対座標を算出し、ステップS3の処理で取得した2点分の3次元絶対座標が示す点を特定する。
【0040】
次に、制御部11は、3次元絶対座標に基づいて撮影画像にVRモデルを重畳させることにより重畳画像を形成する(ステップS5)。具体的には、制御部11は、ステップS4の処理で特定した撮影画像内の2点と、ステップS3の処理で取得した3次元絶対座標に対応するVRモデルの2点の構成ポイントがそれぞれ一致するようにVRモデルを重畳させる。
【0041】
次に、制御部11は、ステップS5の処理で形成した重畳画像を表示部14に表示させ(ステップS6)、当該フローチャートに示す処理を終了する。
【0042】
以上説明したように、画像形成装置1は、記憶部12(「記憶手段」の一例)が、エスカレータ(「鉄道関連施設」の一例)を表す3次元VR(Virtual Reality)モデルを記憶
するとともに、当該3次元VRモデルを構成する少なくとも2点以上の構成ポイントについて3次元絶対座標(「鉄道関連施設が設置された際に構成ポイントが位置すべき点を示す3次元絶対座標を特定可能な位置情報」の一例)を記憶し、また、制御部11(「画像取得手段」、「特定手段」、「形成手段」の一例)が、ユーザにより選択された施設(例えば、エスカレータ)が設置される現場を撮影した撮影画像を取得し、取得した撮影画像において何れかの構成ポイントについて記憶された3次元絶対座標に対応する点を特定し、特定した点と当該特定した点に対応する3次元絶対座標に対応する構成ポイントが一致するように、撮影画像に3次元VRモデルを重畳させた重畳画像を形成する。また、制御部11(「表示制御手段」の一例)は、形成した重畳画像を表示部14に表示させる。
【0043】
したがって、画像形成装置1によれば、エスカレータが設置される現場を撮影した撮影画像にて正確な位置にエスカレータを表す3次元VRモデル(「CG」の一例)を重畳させた重畳画像を形成し、表示部14に表示させることができる。
【0044】
また、施工途中の段階で、実構造物と3次元VRモデルにズレが生じていないかを重畳画像より直感的に確認することができ、早い段階で施工ミスに気付くことができ、作業効率が向上する。
【0045】
さらに、3次元VRモデルを重畳するため、既設構造物との取り合いが明確になり、現状の現場あわせによる設計変更の減少が期待できる。
【0046】
さらにまた、施工着手前から施工段階毎の現場の状況を視覚的に把握できることから、工事概要説明、施工計画策定に活用することができる。
【0047】
さらにまた、カメラ2として遠隔操作可能な監視カメラを用いることにより、施工現場に赴くことなく現場確認を行うことができることから、監督員などの移動コスト等を縮減することができる。
【0048】
さらにまた、本実施形態の重畳画像は3次元絶対座標を用いて形成していることから、従来の重畳画像を形成する技術(例えば、現場に設置されたマーカーに基づいてCGを重畳
させるAR技術や、CGを重畳させる際の位置合わせにGPS情報を用いる技術)と比較して、
正確な位置に3次元VRモデルを重畳させることができる。また、AR技術と比較すれば、現場にマーカーを設置せずに済むと行ったメリットがある。
【0049】
さらにまた、施工監督員は、わざわざ施工現場に出向かなくとも画像形成装置1により形成された重畳画像を表示部14又は他の端末装置の表示部に表示させることにより、任意の場所で現場の状況確認をすることができる。また、施工監督員の保持する端末装置に重畳画像を表示させるとともに、現場作業員の端末装置に重畳画像を表示させることで、別々の場所にいる両者が重畳画像を参照しながら電話等で作業内容について議論することができる。なお、画像形成装置1により形成した重畳画像を他の端末装置に表示させる場合には、画像形成装置1から他の端末装置にネットワークNWを介して重畳画像データを転送したり、又は、重畳画像データをUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録して、これを読み込ませたりすることにより表示させることができる。
【0050】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。
【0051】
[4.変形例]
[4.1.施工段階の切替]
図6に示すステップS1からステップS6の処理が実行されて表示部14に重複画像が表示されている状態において、ユーザにより別の施工段階が選択された場合には、制御部11が再度、当該選択された施工段階に応じたVRモデルを取得し(ステップS2)、後続のステップS3からステップS6の処理を実行することとしてもよい。この場合、画像形成装置1は、適宜ユーザにより選択された施工段階に応じたVRモデルを重畳した重畳画像を表示させることとなる。これにより、ユーザは任意の施工段階における重畳画像を随時確認することができる。なお、施工段階の指定を施工日から指定できるようにしてもよい。制御部11は、ユーザにより施工日が指定された場合には、記憶部12に記憶された施工段階開始日・終了日情報に基づいてその施工日が何れの施工段階に該当するかを特定し、ステップS2の処理において当該特定した施工段階に応じた部材のVRモデルを取得することとする。
【0052】
[4.2.2点間の距離表示]
また、制御部11(「算出手段」、「距離表示制御手段」の一例)が、撮影画像又は重複画像においてユーザにより2点が指定された場合に、当該指定された2点の3次元絶対座標を特定し、当該2点間の距離を算出し、表示部14に表示させることとしてもよい。従来、一般的に多用されているCGは寸法及び位置情報が正確ではないため、仮想空間内の相対的な位置関係を計測することができなかったが、上記実施形態によれば、3次元絶対座標に基づいて2点間の距離が測定することが可能であるため、より精密な距離の測定ができる。例えば、建築限界定規をVRモデルで作成しておけば、活線状況でも限界支障の判定を行うことができるようになり、現実空間では実施できない検証も可能となる。また、施工途中の構造物の寸法や間隔を重畳画像内の座標系を用いて容易に計測することができ、たとえ列車近接エリアであっても列車運行の有無に関わらず画面上で計測が可能となる。
【0053】
[4.3.ズレ検知機能]
さらに、制御部11(「認識手段」、「比較手段」、「比較結果表示制御手段」の一例)は、重畳画像における実物のエスカレータ(「鉄道関連施設」の一例)の像又は施工途中のエスカレータの像を認識し、当該認識した像と、重畳画像に重畳されているVRモデルとを比較し、比較結果を表示部14に表示させることとしてもよい。比較結果としては、「設計図よりθ度ズレが生じています」といったメッセージを表示することとしてもよいし、単にズレを示す数値を表示することとしてもよい。また、制御部11は、認識した像とVRモデルとを比較した結果、ズレが予め定められた閾値より大きい場合にのみ比較結果を表示することとしてもよい。本変形例によれば、実構造物と3次元VRモデルにズレが生
じていないか、或いはズレが生じている場合のズレの度合いを客観的に把握することができる。
【0054】
[4.4.侵害禁止エリアのVRモデル作成]
さらにまた、作業現場において作業員や構造物が入り込んではいけない侵害禁止エリアについてVRモデルを作成して記憶部12に記憶させておき、制御部11が撮影画像に当該VRモデルを重畳させた重畳画像を形成することとしてもよい。これにより、作業員や構造物が侵害禁止エリアに入り込んだ場合であっても即座にその事実を視覚的に把握することができる。
【0055】
[4.5.3次元絶対座標の最少化]
上記実施形態では、記憶部12がVRモデルを構成する全ての構成ポイントについて3次元絶対座標を記憶しておくこととしたが、少なくとも2点について3次元絶対座標が記憶されていれば、撮影画像の正確な位置にVRモデルを重畳させることができることから、構成ポイントの2点についてのみ3次元絶対座標を記憶しておくこととしてもよい。勿論、3点以上の構成ポイントについて3次元絶対座標を記憶しておくこととしてもよい。