(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、動作状態となった前記一次電池の端子間電圧を計測し、端子間電圧の計測結果に基づいて、動作状態となった前記一次電池の動作状態の良否を判定する請求項1または2に記載の電源装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
図1に、実施例1による電源装置のブロック図を示す。入力端子10に商用電源12から交流電力が供給される。出力端子11に電気負荷13が接続されている。電気負荷13は、例えば移動体通信網の無線基地局の送受信機である。AC−DCコンバータ20が、入力端子10に入力された交流電力を直流電力に変換する。この直流電力は、電力輸送回路21を経由して出力端子11に出力されるとともに、電力輸送回路21及びスイッチング素子26を経由して蓄電装置25に供給される。これにより、蓄電装置25が、常時、満充電の状態に維持される。蓄電装置25には、例えば鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等が用いられる。
【0010】
電力輸送回路21に、複数の一次電池30が、それぞれスイッチング素子31を介して接続されている。一次電池30には、金属空気電池、例えば亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、マグネシウム空気電池等が用いられる。
【0011】
一次電池30の各々は、正極集電体32、負極集電体33、負極活物質34、及び電解液35を含む。待機中は、電解液35が負極活物質34から分離されている。電解液35が負極活物質34から分離された状態を「待機状態」という。電解液35を負極活物質34に接触させると、起電力が発生する。電解液35が負極活物質34に接触して起電力が発生している状態を「動作状態」という。
【0012】
入力端子10に印加されている電圧、蓄電装置25の端子間電圧、複数の一次電池30の各々の端子間電圧の測定値が、制御装置40に入力される。制御装置40は、入力された電圧の測定値に基づいて、スイッチング素子26、31のオンオフ制御、及び一次電池30の待機状態から動作状態への切換制御を行う。
【0013】
図2に、実施例1による電源装置に用いられている一次電池30(
図1)の断面図を示す。袋状のセパレータ36内に負極集電体33及び負極活物質34が充填されている。負極活物質34には、例えば金属亜鉛、金属アルミニウム、金属マグネシウム等の金属粒子
が用いられる。負極集電体33には、例えばニッケル等の金属板が用いられる。セパレータ36には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜、または樹脂不織布、ガラス繊維不織布等が用いられる。
【0014】
セパレータ36の外側の表面に正極集電体32が貼りつけられている。正極集電体32は、カーボンクロス、カーボンペーパー等のベースにカーボンブラック等の導電材を塗布した構造を有する。導電材には、触媒及び結着剤が含まれる。触媒には、例えば二酸化マンガンが用いられる。結着剤には、例えばポリフッ化ビニリデン等が用いられる。正極集電体32は、酸素を透過させる多数の微細な孔を有する。大気中の酸素が正極活物質として作用する。負極集電体33と正極集電体32とが、一次電池30の出力端子37に接続される。
【0015】
リザーバタンク51内に、溶媒が蓄えられている。リザーバタンク51が、開閉バルブ52を介して電解質収容室53に接続されている。電解質収容室53内に、電解質の結晶が収容されている。開閉バルブ52は、制御装置40により制御される。開閉バルブ52を開けると、リザーバタンク51内の溶媒が電解質収容室53内に注入される。電解質収容室53内の電解質の結晶が溶媒に溶解し、電解液が生成される。生成された電解液が、セパレータ36に設けられた電解液注入口50から、セパレータ36内の空間に注入される。一例として、溶媒には水が用いられ、電解質には水酸化カリウム(KOH)が用いられる。このとき、セパレータ36内に、電解液として水酸化カリウム水溶液が注入される。なお、リザーバタンク51に電解液を収容しておき、電解質収容室53を省略してもよい。
【0016】
セパレータ36内に電解液が注入されると、負極活物質34の亜鉛(Zn)と電解液中の水酸化物イオン(OH
−)とが反応し、テトラヒドロキソ亜鉛酸塩(Zn(OH)
42−)と電子とが生成される。テトラヒドロキソ亜鉛酸塩が分解して、酸化亜鉛(ZnO)、水酸化物イオン、及び水が生成される。生成された電子は、負極集電体33に集められる。出力端子37に電気負荷を接続すると、負極集電体33に集められた電子が、電気負荷を通って正極集電体32に供給される。
【0017】
正極活物質である酸素と、正極集電体32に供給された電子と、水とが反応して、水酸化物イオンが生成される。水酸化物イオンは、セパレータ36内を輸送されて、負極活物質34に達する。上述のように、金属空気電池が放電すると、負極活物質34が酸化されて酸化金属、例えば酸化亜鉛が蓄積される。
【0018】
図3に、実施例1による電源装置の等価回路図を示す。入力端子10に印加されている商用電源12(
図1)の電圧を、電圧計24が測定する。電圧計24の測定結果が制御装置40に入力される。制御装置40は電圧計24の測定値(入力端子10に印加されている商用電源12の電圧)を監視している。制御装置40は、電圧計24の測定値と規定電圧値とを比較し、電圧計24の測定値が規定電圧値以下になると、商用電源12(
図1)からの正常な電力供給が停止したと判定する。
【0019】
電力輸送回路21が、バスライン22及びダイオード23を含む。蓄電装置25の入出力端子が、スイッチング素子26を介してバスライン22に接続されている。電圧計27が、蓄電装置25の入出力端子間の電圧を測定する。電圧計27の測定結果が制御装置40に入力される。特段の事情がない限り、スイッチング素子26は常時オンにされている。このため、電圧計27で測定される電圧は、バスライン22に現れている電圧と等しい。
【0020】
複数の一次電池30が、それぞれスイッチング素子31を介して相互に並列に、かつ蓄
電装置25と並列にバスライン22に接続されている。ダイオード23は、一次電池30ごとに配置され、一次電池30と直列に接続されている。ダイオード23は、一次電池30からの放電電流の向きが順方向になるように接続されている。このため、一次電池30への充電電流の流入が禁止される。なお、一次電池30の正極の電位がバスライン22の電位より低くなったときに、スイッチング素子31をオフにして、充電電流の流入を防止する制御を行ってもよい。この制御を行う場合には、ダイオード23を省略してもよい。
【0021】
複数の電圧計38が、それぞれ一次電池30の出力端子間の電圧を測定する。測定結果が制御装置40に入力される。一次電池30を示す破線内に記載したスイッチ30Aは、一次電池30が待機状態と動作状態との2つの状態を有することを意味する。スイッチ30Aのオフ状態及びオン状態が、それぞれ待機状態及び動作状態に対応する。
【0022】
蓄電装置25は、電気負荷13で必要とされる電圧に応じた個数の鉛蓄電池を直列接続することにより、必要な電圧を出力する。一次電池30は、その開路電圧が蓄電装置25の開路電圧よりもやや高くなるように、複数の亜鉛空気電池が直列接続された構成を有する。
【0023】
出力端子11から、複数の一次電池30の各々が接続されたバスライン22上の位置までの距離は、出力端子11から、蓄電装置25が接続されたバスライン22上の位置までの距離よりも短い。一次電池30から出力端子11までの距離を短くすることにより、一次電池30から電気負荷13(
図1)に電力を供給しているときに、バスライン22が持つ抵抗の影響を軽減することができる。
【0024】
図4〜
図8を参照して、実施例1による電源回路の動作について説明する。
図4に、バスライン22(
図3)の電圧、及び一次電池30(
図1)の端子間電圧の時間変化の一例を示す。
図4において上段の実線v1がバスライン22(
図3)の電圧を示し、中段の実線v2が、最初に動作する一次電池30(
図1)の端子間電圧を示し、下段の実線v3が、2番目に動作する一次電池30(
図1)の端子間電圧を示す。スイッチング素子26(
図3)が常時オン状態であるため、バスライン22の電圧v1は、電圧計27(
図3)で測定することができる。
【0025】
時刻t0において、商用電源12(
図1)からの電力の供給が停止したとする。電圧計24(
図3)の測定値が規定電圧値以下になることにより、制御装置40が、商用電源12からの電力供給の停止を検知する。時刻t0の時点で、
図5に示すように、蓄電装置25からの放電が開始され、電力輸送回路21を経由して電気負荷13に電力が供給される。蓄電装置25が放電することにより、
図4に示すように、蓄電装置25の端子間電圧v1が時間の経過とともに低下する。
【0026】
図4に示した時刻t1において、バスライン22(
図3)の電圧v1が電圧閾値Vaまで低下する。電圧v1が電圧閾値Vaまで低下したことが、制御装置40(
図1)により検出されると、制御装置40は、最初に動作させる一次電池30の開閉バルブ52(
図2)を開く。一次電池30に電解液が注入されることにより、一次電池30の端子間電圧v2が上昇し始める。蓄電装置25の放電電流が定格値の範囲内のとき、蓄電装置25の端子間電圧は、蓄電装置25の充電状態(SOC)に対応するため、バスライン22(
図3)の電圧v1を監視することは、実質的に、蓄電装置25のSOCを監視することと等価である。
【0027】
時刻t2において、電解液が注入された一次電池30の端子間電圧v2が定格開路電圧Vbに達する。端子間電圧v2が定格開路電圧Vbに達したことを制御装置40(
図1)が検出すると、電解液が注入された一次電池30に接続されているスイッチング素子31
(
図1)をオンにする。これにより、一次電池30が待機状態から動作状態になる。一次電池30から放電電流が流れ始め、バスライン22(
図3)の電圧v1が上昇する。一次電池30の内部抵抗に起因する電圧降下ΔVbが生じるため、バスライン22(
図3)の電圧v1が、Vb−ΔVbまで上昇する。
【0028】
図6に示すように、動作状態の一次電池30から電気負荷13に電力が供給される。バスライン22(
図3)の電圧v1が蓄電装置25の端子間の開路電圧よりも高い場合、すなわち、バスライン22(
図3)の電位が、蓄電装置25の正極の電位より高い場合には、動作状態の一次電池30からの放電電力により、蓄電装置25が充電される。電気負荷13の消費電力が大きくなると、一次電池30の放電電流が大きくなる。これにより、一次電池30の内部抵抗に起因する電圧降下が大きくなり、バスライン22の電圧v1が低下する。バスライン22(
図3)の電圧v1が蓄電装置25の端子間の開路電圧より低くなると、
図7に示すように、蓄電装置25が放電する。このため、一次電池30及び蓄電装置25の両方から電気負荷13に電力が供給される。電気負荷13の消費電力に応じて蓄電装置25の充放電が行われ、全体として、バスライン22の電圧v1が時間の経過とともに低下する。電気負荷13による消費電力の瞬間的な変動によっても、蓄電装置25の充電と放電とが切り替わる。
【0029】
図4の時刻t3において、バスライン22の電圧v1が電圧閾値Vaまで低下すると、制御装置40(
図1)が、2番目に動作させる一次電池30に、電解液の注入を開始する。これにより、2番目に動作する一次電池30の端子間電圧v3が上昇する。端子間電圧v3が定格開路電圧Vbに達すると、制御装置40(
図1)は、2番目に動作させる一次電池30に接続されたスイッチング素子31(
図1)をONにするとともに、最初に動作させた一次電池30に接続されているスイッチング素子31(
図1)をオフにする。最初に動作させた一次電池30からの放電電流が流れなくなるため、一次電池30の端子間電圧v2は、ほぼ一定の値を維持する。
【0030】
図8に示すように、時刻t4以降は、2番目に動作状態になった一次電池30が放電する。電気負荷13の消費電力に応じて、蓄電装置25の充放電が行われる。時刻t4以降も、バスライン22(
図3)の電圧v1が電圧閾値Vaまで低下するごとに、次に動作させる一次電池30への電解液の注入を開始する。これにより、電気負荷13に、継続して電力を供給することができる。
【0031】
上記実施例1においては、一次電池30(
図1)が待機状態の期間は、負極活物質34(
図2)と電解液とが接触していない。このため、自己放電や、電池の劣化を防止することができる。一次電池30に電解液が注入されて定格電圧を発生するまでの期間(
図4の時刻t0〜t2)は、蓄電装置25により電気負荷13に電力が供給される。このため、電力供給の継続性が保証される。
【0032】
上述のように、制御装置40は、入力端子10に印加されている商用電源の電圧、及び蓄電装置25のSOCを監視し、監視結果に基づいて、複数の一次電池30の少なくとも1つの一次電池の出力を出力端子11に供給する。より具体的には、制御装置40は、入力端子10に印加されている商用電源の電圧が、規定電圧値以下になったこと、及び蓄電装置25のSOCが、予め設定されている規定値以下になったことの、少なくとも一方の事象の検出を契機として、複数の一次電池30の少なくとも1つの一次電池の出力を出力端子11に供給する。
【0033】
蓄電装置25の容量は、一次電池30が動作し始めるまでの期間、電気負荷13に電力を供給できる程度に設定しておけばよい。このため、蓄電装置25のみでバックアップを行う場合に比べて、その容量を小さくすることができる。このため、蓄電装置25の自己
放電に起因する電力損失を低減することができる。
【0034】
上記実施例1では、一次電池30(
図1)を動作させる契機として、蓄電装置25(
図1)のSOCの監視結果(
図4の電圧v1)を採用した。一次電池30を最初に動作させる契機として、入力端子10に印加されている商用電源の電圧の監視結果を採用してもよい。例えば、入力端子10に印加されている商用電源の電圧が規定電圧値以下になったことを、制御装置40が検出すると、予め設定された待機時間経過後に、最初に動作させる一次電池30の開閉バルブ52(
図2)を開いてもよい。この待機時間は、蓄電装置25が電気負荷13(
図1)に十分な電力を供給することができる時間に基づいて決定される。
【0035】
さらに、一次電池30(
図1)を動作させる契機として、蓄電装置25(
図1)のSOCの監視結果、及び入力端子10に印加されている商用電源の電圧の監視結果の両方を採用してもよい。
【0036】
図9に、一次電池30を動作させる契機として、蓄電装置25のSOCの監視結果、及び入力端子10に印加されている商用電源の電圧の監視結果の両方を採用した場合に、制御装置40が実行する処理のフローチャートの一例を示す。制御装置40が、商用電源の電圧が規定電圧値以下になったことを検出した時点から、このフローチャートの処理が開始される。
【0037】
商用電源の電圧が規定電圧値以下になったことが検出されると、ステップST1において、待機時間判定カウンタを初期設定する。初期設定されたカウンタは、時間の経過とともに減算され、待機時間が経過した時点で0になる。ステップST2において、所定の待機時間が経過したか否かを判定する。具体的には、待機時間判定カウンタが0まで減算されたか否かを判定する。所定の待機時間が経過していない場合は、ステップST3において、蓄電装置25(
図1)のSOCが規定値以下か否かを判定する。規定値以下ではない場合、ステップST4において、商用電源の電圧が規定電圧値まで回復したか否かを判定する。商用電源の電圧が回復した場合には、処理を終了する。商用電源の電圧が規定電圧値まで回復していない場合、ステップST2に戻る。
【0038】
ステップST2で、所定の待機時間が経過したと判定された場合、またはステップST3で、蓄電装置25のSOCが規定値以下まで低下したと判定された場合(
図4の時刻t1、t3に相当)、ステップST5において、待機中の一次電池30が残っているか否かを判定する。待機中の一次電池30が残っていない場合、処理を終了する。待機中の一次電池30が残っている場合は、ステップST6において、待機中の一次電池30を動作させる。
【0039】
ステップST6の処理は、
図4の時刻t1からt2までの処理と同一である。すなわち、動作させるべき一次電池30の開閉バルブ52(
図2)を開く。一次電池30の開路電圧が定格値まで上昇したら、スイッチング素子31をオンにする。
【0040】
その後、ステップST7において、待機時間判定カウンタを初期設定して、カウンタの減算処理を再開する。待機時間判定カウンタの初期設定後、ステップST2に戻る。ステップST1で設定された待機時間の初期値と、ステップST7で設定された待機時間の初期値とは、同一であるとは限らない。ステップST1で設定される初期値は、満充電された蓄電装置25によって電気負荷13(
図1)に十分な電力を供給できる時間とすればよい。ステップST7で設定される初期値は、一次電池30によって電気負荷13(
図1)に十分な電力を供給できる時間とすればよい。
【0041】
図10を参照して、動作状態になった一次電池30の動作が不良である場合の制御について説明する。
【0042】
図10に、バスライン22(
図3)の電圧、及び一次電池30(
図1)の端子間電圧の時間変化の一例を示す。以下、
図4に示した時間変化との相違点について説明する。時刻t1において、最初に動作させるべき一次電池の開閉バルブ52(
図2)を開くことにより、一次電池30を動作状態にする。
図10の2段目に示すように、これにより、最初に動作させる一次電池30の端子間電圧v2が上昇し始める。ところが、一次電池30に何らかの異常が発生しているため、
図4の場合に比べて、端子間電圧v2の上昇速度が緩やかである。開閉バルブ52(
図2)が開かれた一次電池30は、電力を出力可能な動作状態になる。なお、何らかの異常により、負極活物質34が収容された空間に電解液が注入されず、起電力が発生しない場合にも、開閉バルブ52を開いた一次電池30の状態を「動作状態」という。
【0043】
時刻t1から監視時間trが経過しても、動作状態の一次電池30の端子間電圧v2が、定格開路電圧Vbに到達しない。動作状態になった一次電池30の動作の良否を監視する。制御装置40は、時刻t1から監視時間trが経過した時刻t5において、端子間電圧v2が定格開路電圧Vbに達していないことを検出すると、一次電池30が動作不良であると判定する。動作状態になった一次電池30が動作不良と判定されると、次に動作させる一次電池30の開閉バルブ52(
図2)を開く。
【0044】
図10の3段目に示すように、次に動作させる一次電池30の端子間電圧v3が上昇し始める。時刻t6において、端子間電圧v3が定格開路電圧Vbに達する。制御装置40は、端子間電圧v3が定格開路電圧Vbに達したことを検出すると、定格開路電圧Vbに達した一次電池30に接続されているスイッチング素子31(
図1)をオンにする。一次電池30の端子間電圧v3が、内部抵抗に起因する電圧降下ΔVb分だけ低下する。バスライン22(
図3)の電圧v1は、時刻t6までの間に、閾値電圧Vaよりも低い電圧Vcまで低下している。動作状態の一次電池30のスイッチング素子31をオンにすると、バスライン22の電圧v1がVb−ΔVbまで回復する。
【0045】
時刻t6以降は、2番目に動作状態になった一次電池30から電気負荷13(
図1)に電力が供給される。バスライン22の電圧v1が電圧閾値Vaまで低下すると、制御装置40は、次に動作させる一次電池30の開閉バルブ52(
図2)を開く。
【0046】
1つの一次電池30の動作が不良であるとき、他の一次電池30を動作状態にすることにより、バスライン22(
図3)の電圧v1の過度の低下を抑制することができる。
【0047】
図11に、実施例1の変形例による電源装置のバックアップ動作時のブロック図を示す。
図1〜
図9の実施例1では、
図6に示したように、商用電源12からの電力供給が停止したとき、一次電池30を1つずつ順番に動作状態にした。
図11に示した変形例では、複数の一次電池30を同時に動作状態にする。
図11では、2個の一次電池30が同時に動作状態になっている例を示している。
【0048】
同時動作させる一次電池30の個数は、電気負荷13に要求される電力に応じて決定される。複数の一次電池30を同時に動作させることにより、電力負荷13に十分な電力を供給することができる。同時に動作させる一次電池30の個数は、制御装置40内の記憶装置41に記憶されている。電気負荷13に要求される電力は、例えば無線基地局ごとに異なる。変形例による電源装置は、記憶装置41に記憶させる値を無線基地局ごとに設定することが可能であるため、種々の規模の無線基地局に適用することが可能である。
【0049】
複数の一次電池30を同時に動作させる場合、制御装置40は、動作状態の一次電池30の各々の端子間電圧を、独立に監視する。動作状態になった一次電池30のうち少なくとも1つの一次電池30が動作不良を判定された場合には、動作不良と判定された一次電池30の個数と同一の個数の他の一次電池30を動作状態にする。これにより、バスライン22(
図3)の電圧v1の過度の低下を抑制することができる。
【0050】
[実施例2]
図12に、実施例2による一次電池の概略図を示す。以下、
図2に示した実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。重量計55が、正極集電体32、負極集電体33、負極活物質34、及びセパレータ36の重量を計測する。リザーバタンク51、開閉バルブ52、及び電解質収容室53は、基台等に固定されているため、これらの重量は重量計55で計測されない。計測結果が制御装置40に入力される。セパレータ36内に電解液が注入されると、重量計55で計測される重量が増加する。重量の増加により、電解液の注入量を推定することができる。電解液がセパレータ36内に正常に注入されているときの重量の増加傾向が、制御装置40に記憶されている。重量計55で計測された重量の増加傾向と、あらかじめ記憶されている正常時の重量の増加傾向とを比較することにより、電解液の注入が正常に行われているか否かを検出することができる。
【0051】
制御装置40は、
図10に示した時刻t1以降の重量計55による計測結果を監視する。重量計55によって計測された重量の増加傾向が正常な範囲を逸脱しているとき、電解液がセパレータ36内に正常に注入されていないと判断される。
【0052】
図13に示すように、重量計55で重量を計測する代わりに、電解液の注入経路に流量計56を挿入してもよい。流量計56の計測結果が制御装置40に入力される。流量計56で電解液の流量を計測することにより、電解液がセパレータ36内に正常に注入されているか否かを判定することができる。
【0053】
上述のように、重量計55、流量計56等で電解液の注入の状態を監視することにより、動作状態にされた一次電池30の動作の良否を判定することができる。実施例1で採用した一次電池30の端子間電圧に基づく動作の良否の判定と、実施例2で採用した電解液の注入状態に基づく動作の良否の判定とを併用してもよい。
【0054】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。