(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963623
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】アーク炉電極昇降装置
(51)【国際特許分類】
H05B 7/11 20060101AFI20160721BHJP
H05B 7/148 20060101ALI20160721BHJP
H05B 7/109 20060101ALI20160721BHJP
F27D 11/08 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
H05B7/11
H05B7/148 B
H05B7/109
F27D11/08 A
F27D11/08 G
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-205784(P2012-205784)
(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-60112(P2014-60112A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅香 貴俊
【審査官】
宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−202867(JP,A)
【文献】
特開昭60−208084(JP,A)
【文献】
特開2001−250673(JP,A)
【文献】
特開平07−161473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 7/11
F27D 11/08
H05B 7/109
H05B 7/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転中における基準となるアーク電流値Isを設定するアーク電流設定部と、
運転開始から所定時間経過後における電極の移動距離Lsを設定する電極移動距離設定部と、
運転中における電極の実移動距離Lを演算する電極移動距離演算部と、
前記アーク電流設定値Isを基準値として、炉用変圧器の2次側に接続された電極とスクラップ間のインピーダンスが一定になるように電極の昇降駆動を制御するインピーダンス一定制御部と、
運転中の実アーク電流Iが前記アーク電流設定値Isになるように電極の昇降駆動を制御する電流一定制御部と、
前記インピーダンス一定制御部と前記電流一定制御部を選択的に切換える制御切換部と、
前記インピーダンス一定制御部あるいは前記電流一定制御部からの制御信号を受けて、電極昇降用の電動機を駆動するための電力を制御する電極昇降電動機駆動部と、
前記実移動距離Lと前記設定移動距離Lsとを対比する電極移動距離チェック部とを具備し、
アーク炉への通電を開始後は、インピーダンス一定制御で運転し、前記実移動距離Lが前記設定移動距離Lsよりも大きい場合には、前記インピーダンス一定制御部による運転を継続し、
前記実移動距離Lが前記設定移動距離Lsよりも小さいかあるいは等しい場合には、前記制御切換部によりインピーダンス一定制御による運転から電流一定制御による運転に切り換えるように、
前記電極移動距離チェック部の結果に応じて前記制御切換部を作動させるようにしたことを特徴とするアーク炉電極昇降装置。
【請求項2】
前記電極移動距離演算部は、電動機の速度あるいは回転数に基づいて、電極の前記実移動距離Lを演算することを特徴とする請求項1に記載のアーク炉電極昇降装置。
【請求項3】
前記電極移動距離演算部は、電動機に速度検出器を取り付け、前記速度検出器から得られるパルス信号を使用して電極の前記実移動距離Lを演算することを特徴とする請求項2に記載のアーク炉電極昇降装置。
【請求項4】
運転中における基準となるアーク電流値Isを設定するアーク電流設定部と、
運転開始から所定時間経過後における電極の移動距離Lsを設定する電極移動距離設定部と、
運転中における電極の実移動距離Lを演算する電極移動距離演算部と、
前記アーク電流設定値Isを基準値として、炉用変圧器の2次側に接続された電極とスクラップ間のインピーダンスが一定になるように電極の昇降駆動を制御するインピーダンス一定制御部と、
運転中の実アーク電流Iが前記アーク電流設定値Isになるように電極の昇降駆動を制御する電流一定制御部と、
前記インピーダンス一定制御部と前記電流一定制御部を選択的に切換える制御切換部と、
前記インピーダンス一定制御部あるいは前記電流一定制御部からの制御信号を受けて、電極昇降用の電動機を駆動するための電力を制御する電極昇降電動機駆動部と、
前記実移動距離Lと前記設定移動距離Lsとを対比する電極移動距離チェック部と、
前記電極移動距離チェック部からの信号を受けて計時を開始するタイマーと、
を具備し、
アーク炉への通電を開始後は、インピーダンス一定制御で運転し、前記実移動距離Lが前記設定移動距離Lsよりも大きい場合には、前記インピーダンス一定制御部による運転を継続し、
前記実移動距離Lが前記設定移動距離Lsよりも小さいかあるいは等しい場合には、前記制御切換部によりインピーダンス一定制御による運転から電流一定制御による運転に切り換えるように、
前記タイマーでの計時後、前記電極移動距離チェック部の結果に応じて前記制御切換部を作動させるようにしたことを特徴とするアーク炉電極昇降装置。
【請求項5】
前記電極移動距離演算部は、電動機の速度あるいは回転数に基づいて、電極の前記実移動距離Lを演算することを特徴とする請求項4に記載のアーク炉電極昇降装置。
【請求項6】
前記電極移動距離演算部は、電動機に速度検出器を取り付け、前記速度検出器から得られるパルス信号を使用して電極の前記実移動距離Lを演算することを特徴とする請求項5に記載のアーク炉電極昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極とスクラップの間でアーク放電を発生させることによりスクラップを溶解させるアーク炉における電極昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄スクラップをアーク放電により溶解させるアーク炉においては、効率よく溶解が行われるように投入電力を一定に保つことが望まれる。このため、アーク電圧とアーク電流の比が一定となるように電極昇降装置を制御して、電極を昇降させるインピーダンス一定制御が行われている。
【0003】
アーク炉電極昇降装置は、上記インピーダンスが一定となるように電極の昇降制御を行う。その昇降速度は、炉用変圧器の二次側の電流及び電圧値と、タップ電圧及び設定電流等の条件により、例えば、偏差が大きい場合には高速で昇降制御し、偏差が小さい場合には、低速で昇降制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−85936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電極昇降装置は以上のように構成されているので、インピーダンス一定制御のみで電極を制御しており、演算時に系統や変圧器のインピーダンスに起因するアーク電圧実測値の電圧降下に合せてアーク電流値も減少してしまっていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、操業時間の短縮や電力コストの削減を図ることのできるアーク炉電極昇降装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、運転中における基準となるアーク電流値Isを設定するアーク電流設定部と、運転開始から所定時間経過後における電極の移動距離Lsを設定する電極移動距離設定部と、運転中における電極の実移動距離Lを演算する電極移動距離演算部と、前記アーク電流設定値Isを基準値として、炉用変圧器の2次側に接続された電極とスクラップ間のインピーダンスが一定になるように電極の昇降駆動を制御するインピーダンス一定制御部と、運転中の実アーク電流Iが前記アーク電流設定値Isになるように電極の昇降駆動を制御する電流一定制御部と、前記インピーダンス一定制御部と前記電流一定制御部を選択的に切換える制御切換部と、前記インピーダンス一定制御部あるいは前記電流一定制御部からの制御信号を受けて、電極昇降用の電動機を駆動するための電力を制御する電極昇降電動機駆動部と、前記実移動距離Lと前記設定移動距離Lsとを対比する電極移動距離チェック部とを具備し、
アーク炉への通電を開始後は、インピーダンス一定制御で運転し、前記実移動距離Lが前記設定移動距離Lsよりも大きい場合には、前記インピーダンス一定制御部による運転を継続し、前記実移動距離Lが前記設定移動距離Lsよりも小さいかあるいは等しい場合には、前記制御切換部によりインピーダンス一定制御による運転から電流一定制御による運転に切り換えるように、前記電極移動距離チェック部の結果に応じて前記制御切換部を作動させるようにしたことを特徴とするアーク炉電極昇降装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、炉内の状況によって定電流制御ができるため、インピーダンス一定制御と組み合わせることができ、定電流制御時には、炉用TR能力の電流を最大限出力する事ができるため、操業時間の短縮や電力コストの削減を図ることができる。また、タイマーを設けたことにより、精度の高い判定が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るアーク炉電極昇降装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】アーク炉電極昇降装置の運転制御の流れを示すフローチャートである。
【
図3】第2の実施形態に係るアーク炉電極昇降装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】第2の実施形態に係るアーク炉電極昇降装置の運転制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るアーク炉電極昇降装置の構成を示すブロック図である。3相交流電源が炉用変圧器1に接続し、炉用変圧器1の電圧タップによりアーク炉操業に必要な電圧に降圧される。炉用変圧器1の2次側には電極4が接続され、電極4に交流電圧が供給されている。炉体6内には、スクラップ5が装入されている。電極4とスクラップ5との間にスクラップ5を溶解するのに必要なアークエネルギーを発生させ、製鋼用アーク炉の運転を行う。
【0012】
電極4は、電動機7により炉体6の内部を昇降するように駆動され、電動機7はアーク炉電極昇降装置9によって駆動制御されている。
【0013】
炉用変圧器1の2次巻線には内蔵変流器2が設けられ、アーク電流Iを検出してアーク炉電極昇降装置9に与えている。また、炉用変圧器1の2次側には補助変圧器3が設けられ、アーク電圧Vを検出してアーク炉電極昇降装置9に与えている。
【0014】
炉用変圧器1の電圧タップにより一次側の交流電源から供給される電圧を設定し、炉用変圧器1の2次側に接続した電極4と炉体6内に装入されたスクラップ5との間にアークを発生させる。電動機7の近傍には、電動機7の回転数を検出する回転数検出部8が配設されている。
【0015】
電極4は、アーク電流設定値Isと炉用変圧器1に内蔵された変流器2から出力されるアーク電流実測値Iから決定されるアーク電流と炉用変圧器1の2次側に設けられた補助変圧器3より出力されるアーク電圧実測値Vを比較演算するインピーダンス一定制御部94により、負荷の垂下特性に合わせた電流電圧比が一定となるように制御される。
【0016】
さらに、本実施形態では、所定の条件下では、電極4は、アーク電流Iが設定されたアーク電流値Isになるように電流一定制御される。電流一定制御については後述する。
【0017】
以下、アーク炉電極昇降装置9の内部構成及びその動作について説明する。
図1に示すように、アーク炉電極昇降装置9は、電極移動距離設定部90と、電極移動距離演算部91と、電極移動距離チェック部92と、アーク電流設定部93と、インピーダンス一定制御部94と、電流一定制御部95と、制御切換部96と、電極昇降電動機駆動部97を備えている。
【0018】
電極移動距離設定部90は、アーク溶解に際して電極の移動距離として所定の値Lsを設定するものである。電極の移動距離の設定値Lsは、例えば通電開始からt分経過後における移動距離(mm)である。操業開始後、電極を下降させると、スクラップ(溶湯面)からアーク長さに相当する高さに達する位置でアークが飛ぶ。予めアーク電圧とアーク長さとの関係が判明しているので、アークが飛んだ時点の電極の高さを測定することにより、スクラップ(溶湯面)の高さが測定できる。その後、通電してからの電極高さは、アーク電圧が一定であれば、アーク制御特性からアーク電圧は一定に保持され、アーク長さも一定に制御される。スクラップの溶解に伴い炉内の状況が変化すると、電極は炉内状況に同期して昇降する。これらのことから、通電を開始してからの電極の移動距離を予め設定することができる。尚、アークが飛ぶと電極先端は損耗するので、設定する電極の移動距離Lsは溶湯面の上昇量から電極損耗量を反映させたものとする。
【0019】
電極移動距離演算部91は、電動機7の速度や回転数に基づいて、電極の移動距離を演算するものである。例えば、電動機7に速度検出器(図示しない)を取り付け、速度検出器から得られるパルス信号を使用して電極位置の移動距離Lを演算することができる。
【0020】
電極移動距離チェック部92は、電極移動距離演算部91から電極の移動距離情報を受け取り、電極の移動距離をチェックするものである。アーク溶解に際して電極の移動距離として設定した設定値Lsと、電極移動距離演算部91で得られた実測値Lを対比する。
【0021】
アーク電流設定部93は、アーク溶解の際に必要な所定のアーク電流値Isを設定するものである。
【0022】
インピーダンス一定制御部94は、設定されたアーク電流値Isを基準値として、炉用変圧器1の2次側に接続された電極4とスクラップ5間のインピーダンスが一定になるように電極4の昇降駆動を制御する。すなわち、アーク電流設定部93で設定されるアーク電流設定値Isと炉用変圧器1の2次側に設けられる炉用変流器2から出力されるアーク電流実測値Iから決定されるアーク電流と、炉用変圧器1の2次側に設けられる補助変圧器3から出力されるアーク電圧実測値Vとを対比し、偏差がゼロとなるように電極昇降電動機駆動部97からの出力電流を制御する。
【0023】
電流一定制御部95は、アーク電流が設定されたアーク電流値になるように制御するものである。すなわち、アーク電流設定部93で設定されるアーク電流設定値Isと、炉用変圧器1のアーク電流Iを対比し、偏差がゼロとなるように電極昇降電動機駆動部97からの出力電流を制御する。
【0024】
制御切換部96は、アーク炉の運転制御についてインピーダンス一定制御部94と電流一定制御部95を選択的に切り換えるものである。
【0025】
電極昇降電動機駆動部97は、図示しない交流電源を入力とし、インピーダンス一定制御部94あるいは電流一定制御部95からの制御信号を受けて、電動機7を駆動するための電力を制御するものである。
【0026】
次に、以上のように構成されたアーク炉電極昇降装置9の運転制御について説明する。
【0027】
図2は、アーク炉電極昇降装置9の運転制御の流れを示すフローチャートである。
【0028】
まず、電極の設定移動距離Lsを設定する(ステップS21)。Lsの設定後、アーク炉への通電を開始し、インピーダンス一定制御部94により電動機7を制御し、電極4を昇降させるインピーダンス一定制御で運転する(ステップS22)。次いで、運転中の電極の実移動距離Lを演算する(ステップS23)。
【0029】
次に、電極移動距離チェック部92において、設定移動距離Lsと電極移動距離演算部91で演算して得られた実移動距離Lを対比する(ステップS24)。実移動距離Lが設定移動距離Lsよりも大きい場合(ステップS24でNo)には、ステップS22に戻り、インピーダンス一定制御による運転を継続する。
【0030】
一方、実移動距離Lが設定移動距離Lsよりも小さいかあるいは等しい場合(ステップS24でYes)には、制御切換部96によりインピーダンス一定制御による運転から電流一定制御部95による電流一定制御運転に切り換えて、実アーク電流値と設定アーク電流値との偏差がゼロとなるように電極昇降電動機駆動部97からの出力電流を制御する電流一定制御による運転を行う(ステップS25)。電流一定制御による運転時には、電流を最大限に出力することができるので、インピーダンス一定制御による運転を開始から終了まで継続する場合よりも、効率的な操業ができる。
【0031】
本実施形態によれば、炉内の状況によって電流一定制御による運転を行うので、操業時間の短縮や電力コストの削減を図ることができる。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態に係るアーク炉電極昇降装置の構成を示すブロック図である。第2の実施形態は、第1の実施形態における基本的な構成に加えて、時間を計時するタイマー98を備えるものである。タイマー98は、電極移動距離チェック部92において設定移動距離Lsと実移動距離Lを対比する場合に、実移動距離Lが設定移動距離Lsよりも小さいかあるいは等しいと判定された場合に計時を開始し、設定時間経過後、設定時間到達信号を出力する。
【0033】
炉体に投入されるスクラップの形態は様々であり、アーク溶解中、溶湯面も言わば沸騰している状態である。そのため、演算して得られる実移動距離Lも瞬時に大きく変動する可能性がある。そこで、瞬間的な異常値の出現によって直ちに運転を切り換えることのないように、タイマー98で計時するものである。設定時間としては、例えば、3秒間に設定する。設定時間到達信号は、電流一定制御部95に出力される。
【0034】
次に、以上のように構成されたアーク炉電極昇降装置の運転制御について説明する。
【0035】
図4は、アーク炉電極昇降装置の運転制御の流れを示すフローチャートである。
【0036】
まず、電極の設定移動距離Lsを設定する(ステップS41)。Lsの設定後、アーク炉への通電を開始し、インピーダンス一定制御部94により電動機7を制御し、電極4を昇降させるインピーダンス一定制御で運転する(ステップS42)。次いで、運転中の電極の実移動距離Lを演算する(ステップS43)。
【0037】
次に、電極移動距離チェック部92において、設定移動距離Lsと電極移動距離演算部91で演算して得られた実移動距離Lを対比する(ステップS44)。実移動距離Lが設定移動距離Lsよりも大きい場合(ステップS44でNo)には、ステップS42に戻り、インピーダンス一定制御による運転を継続する。
【0038】
一方、実移動距離Lが設定移動距離Lsよりも小さいかあるいは等しい場合(ステップS44でYes)には、タイマー98によって一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS45)。一定時間経過後(ステップS45でYes)は、制御切換部96によりインピーダンス一定制御による運転から電流一定制御による運転に切り換えて、実アーク電流値と設定アーク電流値との偏差がゼロとなるように電極昇降電動機駆動部97からの出力電流を制御する電流一定制御による運転を行う(ステップS46)。
【0039】
第2の実施形態によれば、瞬間的な異常値の出現の影響を受けることなく、炉内の状況によって電流一定制御による運転を精度よく行うので、操業時間の短縮や電力コストの削減を図ることができる。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1・・・炉用変圧器
2・・・内蔵型変流器
3・・・補助変圧器
4・・・電極
5・・・スクラップ
6・・・炉体
7・・・電動機
8・・・回転数検出部
9・・・電極昇降装置
90・・・電極移動距離設定部
91・・・電極移動距離演算部
92・・・電極移動距離チェック部
93・・・アーク電流設定部
94・・・インピーダンス一定制御部
95・・・電流一定制御部
96・・・制御切換部
97・・・電極昇降電動機駆動部
98・・・タイマー