(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
車載用電子機器などの電子機器に使用される操作装置では、指で操作される操作体に照光表示部が設けられ、後方から与えられる照明光で照光表示部が照光させられる。
【0003】
この種の操作装置に設けられた操作体は、例えば白色に着色された合成樹脂で形成され、その表面に光の透過を遮断する被覆層が形成され、被覆層の一部がレーザ光などで除去されて文字や記号または図形を表す照光表示部が形成されている。
【0004】
操作体の複数個所に照光表示部が設けられている場合には、後方から与えられる照明光によって複数の照光表示部が同じ明るさ(照度・輝度)で照光されることが必要である。
【0005】
しかし、同じ光量の照明光を与えたときに複数の照光表示部のそれぞれが異なる照度で照光されることがある。例えば一方の照光表示部が白色や灰色で、他方の照光表示部が緑色や赤色などの濃い色相の場合に、白色や灰色の照光表示部の方が明るく表示されやすい。また、照光表示部を形成する文字や記号または図形の大きさや線の太さが相違しているときも、同じ光が与えられたときの照度の差が生じることがある。
【0006】
以下の特許文献1に記載された釦照光装置では、操作体の照光面の肉厚を部分的に変えることで、照光面の抜き文字を照光する光をほぼ均一な輝度としている。
【0007】
また、以下の特許文献2に記載された電子機器の照明装置では、第1の部材とそれよりも光透過性の低い第2の部材とが組み合わされ、粘着剤を介して固定されている。第1の部材のみを透過した光によって照明される被照明部の照度と、第1の部材と第2の部材を透過した光によって照明される被照明部の照度とを均一化できるように設定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
照光表示部の照度の差を解消するための手法として、特許文献1に記載された構造を採用すると、操作体を厚肉にした部分で成型時のヒケなどに起因する歪みが発生しやすく、操作体の形状を精度よく形成するのが困難になる。
【0010】
また、特許文献2に記載されているように、第1の部材よりも小さい形状の第2の部材を第1の部材に接合する構造では、第2の部材の位置決め作業が煩雑になる。また、第1の部材と第2の部材とが粘着剤を介して接合されているため、2つの部材の境界部での通過光の損失が大きくなる。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、第1の照光表示部と第2の照光表示部の照度を均一化しやすく、しかも操作体の歪みが発生しにくく、さらに組立性にも優れた照光表示部を有する操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、操作体と、前記操作体によって動作させられる動作部とを有し、後方から前記操作体に照明光が与えられる操作装置において、
前記操作体は、前方に向けられる表側部材と、後方に向けられる裏側部材とを有しており、前記表側部材に第1の照光表示部と第2の照光表示部とが設けられ、後方から同じ光量の照明光が与えられたときの照度は、前記第1の照光表示部が前記第2の照光表示部よりも高く、
前記裏側部材には、前記第1の照光表示部に対向する第1の光通過部と前記第2の照光表示部に対向する第2の光通過部とが設けられており、後方から与えられる光の透過率は、第2の光通過部の方が第1の光通過部よりも高いことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の操作装置では、表側部材と裏側部材が二色成型で一体化され、または互いに位置決めされるなどして組み合わされて一体の操作体として使用されている。そのため、表側部材の第1の照光表示部と裏側部材の第1の光通過部との相互の位置決めと、第2の照光表示部と第2の光透過部との相互の位置決めを高精度に設定できる。後方から与えられる照明光は、第1の光通過部と第2の光通過部とで光の通過量に差が設けられ、その後に第1の照光表示部と第2の照光量表示部とに与えられるため、第1の照光表示部と第2の照光量表示部の照光時の照度の差を少なくすることが可能である。
【0015】
なお、本発明では、同じ操作体に第1の照光表示部と第2の照光表示部のみならず、第3の照光表示部や第4の照光表示部が設けられて、同じ光量の光を与えたときのそれぞれの照光表示部の照度が相違し、またそれぞれの照光表示部に対向する光通過部の光通過量をそれぞれ相違させてもよい。
また、本明細書における「照度」は「輝度」と言い換えることが可能である。
【0016】
本発明は、前記裏側部材は、着色された合成樹脂材料で形成されており、前記第2の光通過部は前記裏側部材を貫通する開口部である。または、前記裏側部材は、着色された合成樹脂材料で形成されており、前記第2の光通過部は前記第1の光通過部よりも薄く形成されている。
【0017】
本発明は、前記裏側部材では、前記第1の光通過部の後方に向く面に光拡散部が設けられているものとすることができる。
【0018】
あるいは、前記表側部材と前記裏側部材の間に空気層が設けられており、前記裏側部材は、前記第1の光通過部が凸レンズとなるか、または第2の光通過部が凹レンズとなっているものとして構成できる。あるいは、前記凸レンズと前記凹レンズの双方を備えてもよい。
【0019】
本発明は、例えば、前記表側部材の前記第1の照光表示部は、非透明で無彩色の光通過部を有し、前記第2の照光表示部は、有彩色の光通過部を有している。
【発明の効果】
【0020】
本発明の操作装置は、第1の照光表示部と第2の照光表示部の照度を均一化しやすく、しかも操作体の歪みが発生しにくく、さらに組立性にも優れたものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
各図では、X1方向が前方であり、X2方向が後方である。
図1に示す操作装置1は、車載用機器の化粧パネル2に埋設されて搭載される。化粧パネル2の奥側に支持基板3が設けられている。支持基板3は硬質のプリント配線基板である。
【0023】
支持基板3の前方に内側ケース4と外側ケース5とが設けられている。内側ケース4と外側ケース5は、合成樹脂材料で円筒形状に形成されており、両ケース4,5は接着手段や凹凸嵌合構造によって互いに固定されている。また、内側ケース4が支持基板3の前面に固定されている。
【0024】
内側ケース4の内側には、進退部材6と進退保持部材7が収納されている。進退部材6は、透明な合成樹脂材料によって円筒形状に形成されている。透明な合成樹脂材料はポリカーボネートであり、全光線透過率は85〜93%程度である。進退保持部材7は円筒形状であり、進退部材6の外周に配置され、進退部材6と進退保持部材7は、接着手段や凹凸嵌合構造によって互いに固定されている。
【0025】
進退部材6と進退保持部材7は、互いに固定され一体化されて、前記内側ケース4の内部において前後方向(X1−X2方向)へ進退自在に支持されている。
【0026】
内側ケース4の内周面には、ストッパ突起4aが一体に形成され、進退保持部材7の外周面にはリング状に突出する摺動突起7aが一体に形成されている。摺動突起7aが内側ケース4の摺動内面4bを摺動することで、進退保持部材7が進退部材6と共に前後方向(X1−X2方向)へ摺動できる。
図1に示すように、摺動突起7aとストッパ突起4aとが当たる位置が、進退部材6と進退保持部材7の前方(X1方向)への突出限界位置であり、進退部材6と進退保持部材7は、それ以上前方へ移動できない。
【0027】
進退部材6の後端部6aと支持基板3の前面3aとの間に動作部10が設けられている。動作部10には、反発弾性部材11が設けられている。反発弾性部材11は、可動部12と固定部14ならびに可動部12と固定部14をつなぐ弾性変形部13を有している。固定部14が、支持基板3の前面3aと挟持部材16との間に挟まれて固定されている。可動部12は進退部材6の後端部6aに当接しており、弾性変形部13の反発弾性力によって、進退部材6が前方(X1方向)へ付勢されている。
【0028】
反発弾性部材11には、可動部12から後方へ突出する可動接点部15が設けられている。反発弾性部材11は、少なくとも可動接点部15が導電性であり、支持基板3の前面3aには、前記可動接点部15に対向する対を成す固定接点部が設けられている。進退部材6が、
図1の突出姿勢から後方(X2方向)へ向けて押されると、可動接点部15が支持基板3の前面3aに設けられた固定接点部に接触し、対を成す固定接点部どうしが導通して、動作部10によって電気信号が切り換えられる。
【0029】
なお、動作部10は、
図1に示す構造以外の接点開閉構造であってもよいし、または動作部10が接点開閉構造ではなく、進退部材6によって機構が切り換えられる切り換え機構であってもよい。
【0030】
進退部材6の前端部6bに、操作体20が固定されている。操作体20は、表側部材21と裏側部材22とを有している。
図2には、表側部材21と裏側部材22とが拡大断面図で示されている。
【0031】
表側部材21と裏側部材22はいわゆる二色成型法によって一体化されている。すなわち、例えば裏側部材22が合成樹脂材料によって射出成型される。成型された裏側部材22が金型の内部に設置されて、裏側部材22の前面22aの前方にキャビティが形成され、このキャビティの内部に新たに溶融された合成樹脂材料が射出されて、裏側部材22の前面22aに固着された表側部材21が成型される。
【0032】
表側部材21と裏側部材22は、共に半透明な合成樹脂材料で形成されている。半透明の合成樹脂材料は、完全な透明ではないが光を透過できるものであり、着色された合成樹脂材料で実現される。半透明の合成樹脂材料の全光線透過率は、例えば30〜60%程度である。半透明の着色された合成樹脂材料は、透明な合成樹脂材料に顔料や塗料または無機酸化物のフィラーなどが混入されたものである。この実施の形態では、表側部材21と裏側部材22の双方が、白色の顔料を含んだ白色に着色された合成樹脂材料で形成されている。
【0033】
図2と
図3に示すように、裏側部材22は円板形状であり、その後面の2か所から後方に一対のロック片22cが一体に形成されている。それぞれのロック片22cにロック穴22dが開口している。さらに、裏側部材22には、位置決め突起22eが後方に向けて一体に形成されている。
【0034】
裏側部材22は、第1の光通過部25と第2の光通過部26を有している。
図2と
図3に示すように、第2の光通過部26は裏側部材22を前後に貫通して形成された開口部である。開口部は、
図3に示すような穴であってもよいし、穴の一部が欠損したものであってもよい。これに対し、第1の光通過部25は、裏側部材22を形成する合成樹脂材料でほぼ一定の肉厚で形成されている。
【0035】
裏側部材22に対して後方から光が与えられたとき、光の透過率は、第2の光通過部26の方が第1の光通過部25よりも高くなっている。
【0036】
図1と
図2に示すように、表側部材21は裏側部材22の前面22aならびに周側面22bを覆っている。裏側部材22の前面22aに密着している部分において、表側部材21の肉厚はほぼ一定である。
【0037】
図2と
図3(A)に示すように、表側部材21の前面21aの一部分に、着色領域23が設けられている。
図2の断面図では、着色領域23の厚みが誇張されて図示されている。この着色領域23は、表側部材21の前面21aの一部に有彩色の印刷を施すことで形成されている。この有彩色は赤、青、緑、黄色などであるが、この実施の形態では、着色領域23が緑色のインクで形成されている。着色領域23のインク層は、後方から与えられる光を通過できる厚さに形成されている。
【0038】
図2に厚さを誇張して図示しているように、表側部材21の前面21aと周側面21bが被覆層24で覆われている。前記着色領域23も被覆層24で覆われている。被覆層24は、全光線透過率が、表側部材21と裏側部材22を形成している半透明で着色された合成樹脂材料よりも低く、さらに着色領域23よりも低い層であり、全光線透過率は、例えば0〜25%程度である。
【0039】
被覆層24は、黒色や濃緑色などの塗装層であり、例えば黒色の塗装層で形成されている。
【0040】
図2と
図3(A)に示すように、表側部材21の最表面に第1の照光表示部27と第2の照光表示部28が設けられている。第1の照光表示部27は、着色領域23から外れた場所で、被覆層24を一部除去して、表側部材21を形成している着色された樹脂層を露出させることで構成されている。第2の照光表示部28は、着色領域23の前方に位置する被覆層24を一部除去し、着色領域23の色相を露出させることで構成されている。
【0041】
第1の照光表示部27では、被覆層24にレーザ光が与えられて、「VOL」の文字の部分で被覆層24が除去されている。第2の照光表示部28では、被覆層24にレーザ光が与えられて、記号を表す線の部分で被覆層24が除去されている。
【0042】
第1の照光表示部27は、表側部材21を形成している非透明で無彩色の白色の光通過部を有し、第2の照光表示部28は、着色領域23を形成する有彩色である緑色の光通過部を有している。そのため、第1の照光表示部27と第2の照光表示部28に対して後方から同じ光量の照明光が与えられたときの照度は、第1の照光表示部27が第2の照光表示部28よりも高い。
【0043】
第1の照光表示部27は、裏側部材22に形成された第1の光通過部25の前方に対向して位置しており、第2の照光表示部28は、裏側部材22に形成された第2の光通過部26の前方に対向して位置している。
【0044】
操作体20は、二色成型工程を経ることで、表側部材21と裏側部材22とに区分されて成型されて、裏側部材22に、第2の光通過部26を形成する開口部が形成されているが、表側部材21には極端な肉厚寸法の差が生じていない。よって、表側部材21の前面21aにいわゆる成型時のヒケによる歪みが発生することがない。また、ロック片22cと位置決め突起22eが裏側部材22と一体に形成されているため、ロック片22cと位置決め突起22eの前方において、表側部材21に成型時のヒケによる歪みが発生することがない。
【0045】
したがって、表側部材21の前面21aは、滑らかな突曲面となり、前面21aに凹凸面が形成されず、外観が良好になる。
【0046】
図1に示すように、操作体20は、表側部材21と裏側部材22を保持する保持リング29を有している。保持リング29は、表側部材21の周側部21bよりも外周に位置し、表側部材21と裏側部材22の双方に固定されている。保持リング29の前方に向く表面は着色されて、化粧面29aとなっている。保持リング29の後方部分は円筒部29bであり、この円筒部29bは、裏側部材22に形成されたロック片22cに対向している。
【0047】
操作体20が、進退部材6と組み合わされるときは、進退部材6の前端部6bが、ロック片22cと保持リング29との隙間内に挿入され、前記前端部6bの内周面から一体に突出する係止突起6c,6cが、ロック片22c,22cのロック穴22d,22dに嵌合する。これによって、進退部材6と操作体20とが一体化される。
【0048】
図1に示す操作装置1では、操作体20の外周と、外側ケース5との間に回動操作体31が設けられている。この回動操作体31を回動させると、図示しないロータリエンコーダが動作し、回転操作信号を入力することができる。
【0049】
次に、前記操作装置1の照光動作について説明する。
図1に示すように、支持基板3の前面3aに発光部材32が設けられている。発光部材32は発光ダイオードなどで形成されている。発光部材32からは白色光が発せられる。この光は、反発弾性部材11の可動部12に形成された穴12aの内部を通過し、透明な合成樹脂材料で形成されている進退部材6の中間壁6dを透過して、後方から操作体20に与えられる。
【0050】
発光部材32から発せられる一部の光束L1は、操作体20の裏側部材22の第1の光通過部25に与えられる。第1の光通過部25には、裏側部材22を構成する半透明の着色された合成樹脂材料が存在しているため、光束L1は、第1の光通過部25を透過することで光量が減衰させられ、さらに表側部材21を構成する半透明の着色された合成樹脂層を透過して、第1の照光表示部27に与えられる。第1の照光表示部27では、前記光束L1によって、
図3(A)に示す「VOL」の文字が白色で表示される。
【0051】
発光部材32から発せられる他の一部の光束L2は、裏側部材22の第2の光通過部26を通過し、表側部材21の第2の照光表示部28に与えられる。第2の光通過部26は開口部であるため、光束L2は直接に表側部材21に与えられてこれを透過し、第2の照光表示部28を照光する。第2の照光表示部28では、
図3に示す記号が着色領域23の色相で照光される。この実施の形態では、第2の照光表示部28が緑色に照光される。
【0052】
第1の照光表示部27と第2の照光表示部28に対して後方から同じ光量の照明光が与えられたときの照度は、第1の照光表示部27が第2の照光表示部28よりも高い。しかしながら、裏側部材22の光の透過率は、第2の光通過部26の方が第1の光通過部25よりも高いため、第1の照光表示部27に与えられる光量よりも、第2の照光表示部28に与えられる光量が多くなる。その結果、第1の照光表示部27における白色の表示と、第2の照光表示部28における緑色の表示を目視したときの、照度の差または輝度の差を小さくすることが可能になる。
【0053】
しかも、表側部材21がほぼ均一な肉厚で形成されているため、第1の照光表示部27と第2の照光表示部28を有する前面21aに成型時のヒケなどによる歪みが発生することがなく、外観が良好になる。
【0054】
以下、本発明の他の実施の形態を説明する。それぞれの実施の形態と、
図1ないし
図3に示す第1の実施の形態とでは、同じ構造の部分に同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0055】
図4に示す第2の実施の形態の操作体120では、裏側部材122の構造が
図2に示す裏側部材22と相違している。
【0056】
図4に示す操作体120は、表側部材21と裏側部材122とが二色成型法によって一体化されている。裏側部材122は、半透明となるように着色された合成樹脂材料で形成されている。
【0057】
裏側部材122の第1の光通過部125では、後方(X2方向)に向く面に光拡散部125aが形成されている。光拡散部125aは、裏側部材122の後面に細かな凹凸を形成することで構成されている。後方からの光束L1の一部が光拡散部125aで拡散されて、裏側部材122への光の入射が抑制されるため、光束L1のうちの第1の光通過部125を通過する光量を制限することができる。
【0058】
裏側部材122の第2の光通過部126は、前後に貫通しておらず、第1の光通過部125よりも薄肉に形成されている。第2の光通過部126の肉厚を変化させることで、第2の照光表示部28に与えられる光量を調整することが可能になる。
【0059】
図5に本発明の第3の実施の形態の操作装置201が示されている。
この操作装置201は、透明な合成樹脂材料で形成された進退部材206を有している。この進退部材206では、発光部材32と、裏側部材22の第1の光通過部25とを結ぶ線上に部分中間壁207が形成されており、この部分中間壁207の後方(X2方向)に向く面に光拡散部207aが形成されている。また発光部材32と、第2の光通過部26とを結ぶ線上では、部分中間壁207が存在しておらず開口部208が存在している。
【0060】
図5に示す操作装置201では、発光部材32から発せられた光束L1が、部分中間壁207の光拡散部207aに拡散されて光量が低下してから第1の光通過部25に与えられる。一方、発光部材32から発せられた光束L2は、開口部208を通過して、何ら遮蔽されることなく第2の光通過部26に与えられる。
【0061】
裏側部材22の後方に、光拡散部207aと開口部208を形成することで、表側部材21の第1の照光表示部27に与えられる光量をさらに抑制することができ、第1の照光表示部27での照度と第2の照光表示部28での照度の差を小さくすることが可能になる。
【0062】
図6に、本発明の第4の実施の形態の操作装置に設けられる操作体320が示されている。
【0063】
この操作体320は、表側部材21の後方に裏側部材322が設けられている。表側部材21と裏側部材322は二色成型法で形成されておらず、それぞれが個別の部材として成型されている。表側部材21は、半透明となるように白色などに着色された合成樹脂材料で成型されている。一方、裏側部材322は、進退部材6と同様に透明な合成樹脂材料で形成されている。
【0064】
表側部材21と裏側部材322は、凹凸嵌合により互いに位置決めされて固定されており、表側部材21と裏側部材322との間に空間部323が形成されている。
【0065】
裏側部材322には、第1の光通過部325と第2の光通過部326が形成されている。第1の光通過部325では、空間部323に向く面に凹レンズ325aが形成され、後方(X2方向)に向く面に光拡散部325bが形成されている。一方、第2の光通過部326では、空間部323に向く面に凸レンズ326aが形成されている。
【0066】
第1の光通過部325に向かう光束L1は、光拡散部325bで拡散されて光量が低下するとともに、凹レンズ325aで拡散される。よって、表側部材21の第1の照光表示部27に与えられる照明光の光量が低下する。一方、第2の光通過部326に向かう光束は、凸レンズ326aで集光させられて第2の照光表示部28に与えられる。
【0067】
その結果、白色の第1の照光表示部27と緑色の第2の照光表示部28とで、照光表示のための照度の差を小さくすることができる。
【0068】
図7に、第5の実施の形態の操作装置に設けられる操作体420が示されている。
この操作体420は、表側部材21と裏側部材22とが二色成型により一体に形成されている。表側部材21と裏側部材22の構造は、
図1と
図2に示す第1の実施の形態の操作体20と同じである。
【0069】
操作体420では、裏側部材22の後方に、空間を空けて、
図6に示した裏側部材322とほぼ同じ構造の第2の裏側部材422が配置されている。第2の裏側部材422には、第1の光通過部325と第2の光通過部326が設けられ、第1の光通過部325に、凹レンズ325aと光拡散部325bが形成され、第2の光通過部326に凸レンズ326aが形成されている。
【0070】
図7に示す操作体420では、後方から与えられた照明光が、第2の裏側部材422に設けられた第1の光通過部325と第2の光通過部326、ならびに裏側部材22の第1の光通過部25と第2の光通過部26によって、光量が調整されて、表側部材21の第1の照光表示部27と第2の照光表示部28に与えられる。
【0071】
なお、
図1に示す実施の形態では、支持基板3に発光部材32が設けられ、発光部材32から発せられた照明光が操作体20に与えられているが、操作体20の後方に、透明な合成樹脂材料で形成された導光部材が設けられ、側方に設けられた発光部材から発せられた光が、導光部材の内部に導かれ、導光部材に設けられた光反射部やレンズによって操作体20に向けられる構造であってもよい。
【0072】
また、表側部材21が透明な合成樹脂材料で形成され、その前面21aに白色などの第1の着色層が形成され、第1の着色層の表面に有彩色のインク層が積層されて着色領域23が形成され、さらに前面の全域が被覆層24で覆われる構造であってもよい。この場合、第1の照光表示部27では、被覆層24が一部除去されて第1の着色層が現れ、第2の照光表示部28では、被覆層24の一部が除去されて有彩色のインク層が現れる。