(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電圧波形の包絡線の波形(以下包絡線波形という。)が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有し、隣り合うレベル変化タイミングの間の期間が一定のレベルを保持するインターバル期間となっているステップ波形を呈するように変調された高周波電力を出力する高周波電源装置を制御する方法であって、
前記包絡線波形のレベルを検出するレベル検出部を設けておき、
前記高周波電源装置から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形がその1周期の間に有する各インターバル期間でとるべきレベルの設定値を各インターバル期間の設定目標レベルとして設定目標レベル記憶部に記憶させておき、
前記包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分け、
電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを前記設定目標レベルとした高周波電力を前記高周波電源装置から最初に出力させる際の前記包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期として、前記包絡線波形の前記第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間で前記レベル検出部が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、前記包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算して、演算した各インターバル期間の平均検出レベルを、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の対応するインターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部に記憶しておき、
前記包絡線波形の前記第1番目の周期の各インターバル期間では、前記過渡期間が経過するまでの間、前記レベル検出部が検出するレベルを前記設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、前記安定期間の間、前記レベル検出部が検出するレベルを前記設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行ない、
前記包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間では、前記過渡期間が経過するまでの間前記レベル検出部が検出するレベルを前記次周期目標レベル記憶部に記憶された対応する目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、前記安定期間の間、前記レベル検出部が検出するレベルを前記次周期目標レベル記憶部に記憶された対応する目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行なうこと、
を特徴とする高周波電源装置の制御方法。
電圧波形の包絡線の波形(以下包絡線波形という。)が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、隣り合うレベル変化タイミングの間の期間が一定レベルを保持するインターバル期間となっているステップ波形を呈するように変調された高周波電力を、高周波信号発生器と該高周波信号発生器が発生する高周波信号を増幅する増幅器とを備えた高周波信号発生・増幅部から出力する高周波電源装置であって、
前記包絡線波形のレベルを検出するレベル検出部と、
前記高周波電源装置から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形がその1周期の間に有する各インターバル期間でとるべきレベルを各インターバル期間の設定目標レベルとして記憶した設定目標レベル記憶部と、
電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを前記設定目標レベルとした高周波電力を前記高周波電源装置から最初に出力させる際の前記包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期とし、前記包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、前記包絡線波形の前記第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間で前記レベル検出部が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、前記包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算する平均検出レベル演算部と、
前記包絡線波形の各周期で前記平均検出レベル演算部により演算された各インターバル期間の平均検出レベルを、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の各インターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして記憶する次周期目標レベル記憶部と、
前記レベル検出部が検出するレベルを目標レベルとするように前記高周波信号発生・増幅部を制御する高周波電力制御部と、
を具備し、
前記高周波電力制御部は、前記包絡線波形の前記第1番目の周期の各インターバル期間において前記過渡期間が経過するまでの間、前記レベル検出部が検出するレベルを前記設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、前記安定期間の間前記レベル検出部が検出するレベルを前記設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行ない、前記第1番目の周期に続く第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間においては、前記過渡期間が経過するまでの間前記レベル検出部が検出するレベルを前記次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、各インターバル期間の安定期間の間、前記レベル検出部が検出するレベルを前記次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応する目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行なうように構成されていることを特徴とする高周波電源装置。
電圧波形の包絡線の波形(以下包絡線波形という。)が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、隣り合うレベル変化タイミングの間の期間が一定レベルを保持するインターバル期間となっているステップ波形を呈するように変調された高周波電力を、高周波信号発生器と該高周波信号発生器が発生する高周波信号を増幅する増幅器とを備えた高周波信号発生・増幅部から出力する高周波電源装置であって、
前記包絡線波形のレベルを検出するレベル検出部と、
前記高周波電源装置から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形がその1周期の間に有する各インターバル期間でとるべきレベルを各インターバル期間の設定目標レベルとして記憶した設定目標レベル記憶部と、
電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを前記設定目標レベルとした高周波電力を前記高周波電源装置から最初に出力させる際の前記包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期とし、前記包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、前記包絡線波形の前記第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間で前記レベル検出部が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、前記包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算する平均検出レベル演算部と、
前記包絡線波形の各周期で前記平均検出レベル演算部により演算された各インターバル期間の平均検出レベルを該平均検出レベルの演算を行った周期の次の周期の各インターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして記憶する次周期目標レベル記憶部と、
前記レベル検出部が検出するレベルを目標レベルとするように前記高周波信号発生・増幅部を制御する高周波電力制御部と、
を具備し、
前記高周波信号発生・増幅部は、前記増幅器から出力する高周波電力の電圧レベルを与えられたレベルデータに応じて調整する機能を有するように構成され、
前記高周波電力制御部は、前記包絡線波形の前記第1番目の周期の各インターバル期間において前記過渡期間が経過するまでの間、前記レベル検出部が検出するレベルを前記設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに等しくした高周波電力を前記高周波信号発生・増幅部から出力させるために必要なレベルデータを前記高周波信号発生・増幅部に与えることにより、前記包絡線波形のレベルを前記設定目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、前記安定期間の間、前記レベル検出部が検出するレベルと対応するインターバル期間の設定目標レベルとの偏差を零にするように前記高周波信号発生・増幅部にレベルデータを与えて前記包絡線波形のレベルを設定目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行ない、前記第1番目の周期に続く第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間においては、前記過渡期間が経過するまでの間、前記包絡線波形のレベルを前記次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応する目標レベルに等しくするために必要なレベルデータを前記高周波信号発生・増幅部に与えることにより、前記包絡線波形のレベルを目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、前記安定期間の間、前記レベル検出部が検出するレベルと前記次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応する目標レベルとの偏差を零にするように前記高周波信号発生・増幅部にレベルデータを与えて前記包絡線波形のレベルを目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行なうように構成されていること、
を特徴とする高周波電源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に示された高周波電源装置においては、高周波電力を変調するパルス信号の立ち上がり時及び立ち下がり時に、高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを示す検波電圧のサンプリング値を基準値に保つようにフィードバック制御が行なわれる。パルス信号の各立ち上がり及び立ち下がりの過渡時には高周波電圧のレベルが急峻に変動するため、制御の追従性を良くしておかないと、パルス信号の各立ち上がり及び立ち下がりでリンギングや波形鈍りが生じることになる。高周波電力を変調するパルス信号の時間軸が長い場合(パルス幅が広い場合)には、パルス信号の立ち上がり時及び立ち下がり時にリンギングや波形鈍りが生じても目立たないため、負荷に大きな影響は与えないが、パルス信号の繰り返し周期が短くなり、パルス信号のオン期間が短くなった場合や、パルス信号の振幅が大きい場合には、パルス信号の立ち上がり及び立ち下がりで高周波電圧に生じるリンギングや波形鈍りが目立つ存在になり、これらの過渡波形が負荷に与える影響が問題になる。
【0011】
特に、高周波電力を変調する波形が単純なパルス波形ではなく、各周期の間に短い時間間隔で上下にステップ状のレベル変化を示すステップ波形であるような場合には、ステップ波形の各立ち上がりで高周波電圧に生じるリンギングまたは波形鈍りと、各立ち下がりで高周波電圧に生じるリンギングまたは波形鈍りとが短い時間間隔で現れるため、リンギングまたは波形鈍りを無視することができなくなる。従って、高周波電力を変調する波形が、高い周波数を有するパルス波形やステップ波形である場合には、変調波形の各立ち上がり及び立ち下がりでの制御の追従性を良くすることが課題になる。
【0012】
従来技術のように、高周波信号を増幅する増幅器から出力される高周波電圧を検出する検出器から得た検出データを基にして高周波電圧のレベルをフィードバック制御する制御ループを構成した場合には、変調波形のレベル変化が高速である場合に、追従性が悪くなるのを避けられず、無理矢理制御を行なおうとすると、変調波形のレベルの立ち上がり時及び立ち下がり時にリンギングや波形鈍りが生じて、これらが負荷に悪影響を及ぼすことになる。
【0013】
例えば、
図9(A)に示したように、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数(図示の例では3個のレベル変化タイミングta,tb,tc)有して、1周期の間にレベルが複数(図示の例では3個)の値をとる多値ステップ波形(図示の例では3値ステップ波形)により変調された電圧波形を有する高周波電力を得る場合に、ステップ波形の各立ち上がり及び立ち下がりで高周波電圧のレベルの検出値を基にしてフィードバック制御を行なうと、制御ゲインが大きすぎる場合等に、同図(B)に示すようにステップ波形の各レベル変化タイミングで、オーバシュートとダウンシュートとが繰り返されてリンギングLが発生する。また制御ゲインが不足する場合等には、同図(C)に示すように、ステップ波形の各レベル変化タイミングで制御が間に合わなくなって波形鈍りDが生じる。
【0014】
図9(B)の状態と、
図9(C)の状態との間に、リンギングも波形鈍りも生じない状態が存在することになるが、変調波形がレベル変化を示すタイミングの時間間隔が短い場合には、リンギングも波形鈍りも生じないように制御系を構成することは困難である。
【0015】
図10(A)に示されているように、
図9(A)に示した場合よりも、レベル変化の繰り返し周期を短くした高速のステップ波形により変調された電圧波形を有する高周波電力を得る場合、フィードバック制御系がリンギングを生じる特性を有していると、
図10(B)に示すように、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各立ち上がり及び立ち下がりで発生するリンギングLが、レベル変化タイミング相互間のレベル保持期間の長さに対して無視し得ない波形になる。また
図10(A)に示したように、レベル変化の繰り返し周期が短い高速のステップ波形により変調された電圧波形を有する高周波電力を得る場合に、フィードバック制御系が波形鈍りを生じる特性を有していると、
図10(C)のように、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各立ち上がり及び立ち下がりで発生する波形鈍りDが、レベル変化タイミング相互間のレベル保持期間の長さに対して無視し得ない波形になる。
【0016】
上記のように、パルス波形またはステップ波形により変調された高周波電力を負荷に供給することが必要とされる場合に、高周波電圧の包絡線がレベル変化を示すタイミングでも、包絡線のレベルの検出値と目標値との偏差(誤差)に基づいて出力レベルのフィードバック制御を行なう従来の高周波電源装置を用いた場合には、得られる高周波電力の電圧波形が、リンギングまたは波形鈍りが目立つ波形となり、希望する波形と似ても似つかない波形になるため、要求にかなった電圧波形を有する高周波電力を負荷に供給することができないという問題があった。レベルがステップ状に変化した際にリンギングや波形鈍りが生じて負荷に悪影響が及ぶという問題が生じるのは、高周波電力を変調する波形がパルス波形や、ステップ波形である場合に限られるものではなく、高周波電力を変調する波形がステップ状のレベル変化を伴う他の波形である場合にも同様の問題が生じる。
【0017】
本発明の目的は、電圧波形の包絡線が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、各レベル変化タイミングと次のレベル変化タイミングとの間の期間が一定のレベルを保持するインターバル期間となっている波形を呈するように変調された高周波電力を得る際に、変調する波形のレベル変化の速度が如何なる場合であっても、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形がステップ状のレベル変化を示す過渡時にリンギングや波形鈍りが生じるのを防いで、安定な電圧波形を有する高周波電力を得ることを可能にした高周波電源装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願に開示された第1の発明は、電圧波形の包絡線の波形(以下包絡線波形という。)が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有し、隣り合うレベル変化タイミングの間の期間が一定のレベルを保持するインターバル期間となっているステップ波形を呈するように変調された高周波電力を出力する高周波電源装置を制御する方法を対象とする。
【0019】
本発明においては、包絡線波形のレベルを検出するレベル検出部を設けて、このレベル検出部が検出するレベルを目標レベルに保つ制御を行う。この制御においては、包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、各インターバル期間の過渡期間では包絡線波形のレベルを目標レベルに一致させる制御をオープンループ制御により行い、安定期間では、包絡線波形のレベルを目標レベルに一致させる制御をフィードバック制御により行う。
【0020】
本発明では、上記の制御を行わせるため、高周波電源装置から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形がその1周期の間に有する各インターバル期間でとるべきレベルの設定値を各インターバル期間の設定目標レベルとして設定目標レベル記憶部に記憶させておく。
【0021】
また電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを設定目標レベルとした高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期として、包絡線波形の第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算して、演算した各インターバル期間の平均検出レベルを、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の対応するインターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部に記憶しておく。
【0022】
そして、包絡線波形の第1番目の周期の各インターバル期間では、過渡期間が経過するまでの間、レベル検出部が検出するレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行ない、包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間では、過渡期間が経過するまでの間レベル検出部が検出するレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶された対応する目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶された対応する目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行なう。
【0023】
上記の過渡期間は、各レベル変化タイミングで高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行った後、フィードバック制御系がフィードバック制御を安定に行なうことができる状態になるまでに要する時間(レベル検出部により検出される電圧レベルの検出値が安定になるまでに要する時間)に等しく設定する。
【0024】
上記のように、ステップ状のレベル変化を示す波形により変調された電圧波形を有する高周波電力を得る際に、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の開始直後の過渡期間の間のレベル制御を、フィードバック制御によるのではなく、オープンループ制御により行ない、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の過渡期間が経過した後の安定期間の間、レベル検出部が検出したレベルを目標レベルに保つ制御をフィードバック制御で行なうようにすると、各レベル変化タイミングにおけるレベル変化の速度が如何なる場合でも、またレベル変化の周期が如何なる場合でも、各レベル変化タイミングでリンギングや波形鈍りが生じることがなく、かつ各インターバル期間の安定期間において包絡線のレベルが正確に目標レベルに保たれた電圧波形を有する高周波電力を得ることができる。
【0025】
また上記のように、電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間で包絡線の波形がとるべき目標レベルを、直近の複数の周期の対応するインターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したレベルを平均したレベルとすると、各インターバル期間における目標レベルを、直近の1以上の周期の対応するインターバル期間において実際にフィードバック制御された安定なレベルの平均値に等しくすることができるため、各インターバル期間において過渡期間の間オープンループ制御を行って増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルと、フィードバック制御に切替えた瞬間に出力される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルとの間に殆ど差が生じないようにすることができる。従って、本発明によれば、各レベル変化タイミングでリンギングや波形鈍りが生じるのを防ぐことができるだけでなく、制御がオープンループ制御からフィードバック制御に切り替る際に電圧変動が生じるのを防いで、きれいな波形の高周波電力を得ることができる。
【0026】
また上記の方法によると、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各レベル変化タイミングで、リンギングや波形鈍りが発生しないので、過度期間を短くすることができ、高周波電圧の包絡線の検出速度を高めることができる。そのため、高周波電力を変調する波形のレベル変化が高速である場合にも、各レベル変化タイミングから過渡期間の間のレベル制御と、各インターバル期間におけるレベル制御とを正確に行なわせることができ、高速のパルス波形またはステップ波形により高周波電力を変調する場合にも対応することができる。
【0027】
本願に開示された第2の発明は、第1の発明に係わる制御方法を実施する高周波電源装置に係るもので、電圧波形の包絡線波形が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、隣り合うレベル変化タイミングの間の期間が一定レベルを保持するインターバル期間となっているステップ波形を呈するように変調された高周波電力を、高周波信号発生器と該高周波信号発生器が発生する高周波信号を増幅する増幅器とを備えた高周波信号発生・増幅部から出力する高周波電源装置を対象とする。
【0028】
本発明においては、包絡線波形のレベルを検出するレベル検出部と、高周波電源装置から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形がその1周期の間に有する各インターバル期間でとるべきレベルを各インターバル期間の設定目標レベルとして記憶した設定目標レベル記憶部と、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを設定目標レベルとした高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期とし、包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、包絡線波形の第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算する平均検出レベル演算部と、包絡線波形の各周期で平均検出レベル演算部により演算された各インターバル期間の平均検出レベルを、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の各インターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして記憶する次周期目標レベル記憶部と、レベル検出部が検出するレベルを目標レベルとするように高周波信号発生・増幅部を制御する高周波電力制御部とが設けられる。
【0029】
そして、上記高周波信号発生・増幅部は、包絡線波形の第1番目の周期の各インターバル期間において過渡期間が経過するまでの間、レベル検出部が検出するレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、安定期間の間レベル検出部が検出するレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行ない、第1番目の周期に続く第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間においては、過渡期間が経過するまでの間レベル検出部が検出するレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、各インターバル期間の安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応する目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行なうように構成される。
【0030】
本願に開示された第3の発明も、電圧波形の包絡線の波形(以下包絡線波形という。)が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、隣り合うレベル変化タイミングの間の期間が一定レベルを保持するインターバル期間となっているステップ波形を呈するように変調された高周波電力を、高周波信号発生器と該高周波信号発生器が発生する高周波信号を増幅する増幅器とを備えた高周波信号発生・増幅部から出力する高周波電源装置を対象とする。
【0031】
本発明に係る高周波電源装置においては、包絡線波形のレベルを検出するレベル検出部と、高周波電源装置から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形がその1周期の間に有する各インターバル期間でとるべきレベルを各インターバル期間の設定目標レベルとして記憶した設定目標レベル記憶部と、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを設定目標レベルとした高周波電力を前記高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期とし、包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、包絡線波形の第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算する平均検出レベル演算部と、包絡線波形の各周期で前記平均検出レベル演算部により演算された各インターバル期間の平均検出レベルを該平均検出レベルの演算を行った周期の次の周期の各インターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして記憶する次周期目標レベル記憶部と、レベル検出部が検出するレベルを目標レベルとするように高周波信号発生・増幅部を制御する高周波電力制御部とが設けられる。
【0032】
上記高周波信号発生・増幅部は、増幅器から出力する高周波電力の電圧レベルを与えられたレベルデータに応じて調整する機能を有するように構成される。
【0033】
また高周波電力制御部は、包絡線波形の第1番目の周期の各インターバル期間において過渡期間が経過するまでの間、レベル検出部が検出するレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに等しくした高周波電力を高周波信号発生・増幅部から出力させるために必要なレベルデータを高周波信号発生・増幅部に与えることにより、包絡線波形のレベルを設定目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルと対応するインターバル期間の設定目標レベルとの偏差を零にするように高周波信号発生・増幅部にレベルデータを与えて包絡線波形のレベルを設定目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行ない、第1番目の周期に続く第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間においては、過渡期間が経過するまでの間、包絡線波形のレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応する目標レベルに等しくするために必要なレベルデータを高周波信号発生・増幅部に与えることにより、包絡線波形のレベルを目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルと次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応する目標レベルとの偏差を零にするように高周波信号発生・増幅部にレベルデータを与えて包絡線波形のレベルを目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行なうように構成される。
【0034】
本願に開示された第4の発明は、第3の発明に適用されるもので、本発明においては、高周波信号発生・増幅部が、高周波信号発生器から増幅器に与えられる高周波信号のレベルをレベルデータに応じて調節するレベル調節部を備え、高周波信号発生器は、外部から与えられたレベルデータが示すレベルを有する高周波信号を出力するダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)により構成される。
【0035】
そして、高周波電力制御部は、第1番目の周期の各インターバル期間の過渡期間が経過するまでの間、増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに等しくするようにDDSにレベルデータを与えることにより第1番目の周期におけるオープンループ制御を行い、第1番目の周期の各インターバル期間の安定期間の間、レベル検出部により検出されるレベルと対応するインターバル期間の設定目標レベルとの偏差を零にするようにレベル調節部にレベルデータを与えることにより第1番目の周期の各インターバル期間でのフィードバック制御を行い、第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間の過渡期間が経過するまでの間、増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを前記次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルに等しくするようにDDSにレベルデータを与えることにより第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間でのオープンループ制御を行い、第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間の安定期間の間レベル検出部が検出するレベルと次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルとの偏差を零にするようにレベル調節部にレベルデータを与えることにより第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間におけるフィードバック制御を行なうように構成される。
【0036】
本願に開示された第5の発明も、第3の発明に適用される。本発明においては、高周波信号発生・増幅部が、高周波信号発生器から増幅器に与えられる高周波信号のレベルをレベルデータに応じて調節するレベル調節部を備えている。この場合、高周波電力制御部は、第1番目の周期の各インターバル期間の過渡期間が経過するまでの間、増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応するインターバル期間の設定目標レベルに等しくするようにレベル調節部にレベルデータを与えることにより第1番目の周期の各インターバル期間におけるオープンループ制御を行い、第1番目の周期の各インターバル期間の安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルと対応する設定目標レベルとの偏差を零にするようにレベル調節部にレベルデータを与えることにより第1番目の周期の各インターバル期間におけるフィードバック制御を行い、第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間の過渡期間が経過するまでの間、前記増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを前記次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルに等しくするように前記レベル調節部にレベルデータを与えることにより第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間におけるオープンループ制御を行い、第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間の安定期間の間レベル検出部が検出するレベルと次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルとの偏差を零にするようにレベル調節部にレベルデータを与えることにより第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間におけるフィードバック制御を行なうように構成される。
【0037】
本願に開示された第6の発明も第3の発明に適用される。本発明においては、高周波信号発生・増幅部に設けられた高周波信号発生器が、外部から与えられたレベルデータが示すレベルを有する高周波信号を出力するダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)により構成される。
【0038】
この場合高周波電力制御部は、第1番目の周期の各インターバル期間の過渡期間が経過するまでの間増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応するインターバル期間の設定目標レベルに等しくするようにDDSにレベルデータを与えることにより第1番目の周期における各インターバル期間のオープンループ制御を行い、第1番目の周期の各インターバル期間の安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルと対応するインターバル期間の設定目標レベルとの偏差を零にするようにDDSにレベルデータを与えることにより第1番目の周期の各インターバル期間におけるフィードバック制御を行い、第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間の過渡期間が経過するまでの間、増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを前記次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルに等しくするように前記DDSにレベルデータを与えることにより第2番目の周期以降の各周期におけるオープンループ制御を行い、第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間の安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルと次周期目標レベル記憶部に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルとの偏差を零にするようにDDSにレベルデータを与えることにより第2番目の周期以降の各周期におけるフィードバック制御を行なうように構成される。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ステップ状のレベル変化を示す波形により変調された電圧波形を有する高周波電力を得る際に、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の開始直後の過渡期間の間のレベル制御を、フィードバック制御によるのではなく、オープンループ制御により行ない、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の過渡期間が経過した後の安定期間の間レベル検出部が検出したレベルを目標レベルに保つ制御をフィードバック制御で行なうようにしたので、レベル変化の周期が如何なる場合でも、各レベル変化タイミングでリンギングや波形鈍りが生じることがなく、かつ各インターバル期間の安定期間における包絡線のレベルが正確に目標レベルに保たれた電圧波形を有する高周波電力を得ることができる。
【0040】
また本発明によれば、包絡線波形の各周期の各インターバル期間における目標レベルを、直近の1以上の周期の対応するインターバル期間において実際にフィードバック制御された安定なレベルの平均値に等しくしたことにより、各インターバル期間の過渡期間で増幅器から出力される高周波電力の電圧波形の包絡線波形のレベルと、安定期間で増幅器から出力される高周波電力の包絡線波形のレベルとの間に殆ど差が生じないようにすることができるので、レベル変化の周期が如何なる場合でも、各レベル変化タイミングでリンギングや波形鈍りが生じるのを防ぐことができるだけでなく、制御がオープンループ制御からフィードバック制御に切り替る際に電圧変動が生じるのを防いで、きれいな波形の高周波電力を得ることができる。
【0041】
また本発明によれば、高周波電力の電圧波形の包絡線波形の各レベル変化タイミングで、リンギングや波形鈍りが発生するのを防ぐことができるため、過度期間を短くして、包絡線波形のレベルの検出速度を高めることができる。そのため、高周波電力を変調するステップ波形のレベル変化が高速である場合にも、各インターバル期間の過渡期間におけるレベル制御と、安定期間におけるレベル制御とを正確に行なわせることができ、高速のパルス波形またはステップ波形により高周波電力を変調する場合にも対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本発明が対象とする高周波電源装置は、電圧波形の包絡線の波形(包絡線波形)が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、隣り合うレベル変化タイミングの間の期間が一定のレベルを保持し続けるインターバル期間となっている波形を周期的に繰り返すステップ波形で変調された高周波電力を出力する。
【0044】
本実施形態では、
図4に示すように、1周期の間に3つのレベル変化タイミングを有する3値の(1周期の間に3つのレベルをとる)ステップ波形により高周波電力を変調するものとする。従って、本実施形態の高周波電源装置から出力される高周波電力は、その電圧波形の包絡線の波形(包絡線波形という。)が、
図4に示すように、1周期が3つのインターバル期間により構成されたステップ波形(階段状波形)を呈する。
【0045】
図4において、Tn (n=1,2,3,…)はn番目の周期、tan,tbn,tcnは、n番目の周期に存在するレベル変化タイミング、t1n,t2n,t3nはn番目の周期に存在する第1ないし第3インターバル期間である。またP1n,P2n,P3n(図示の例ではP1n>P2n>P3n)はそれぞれ、n番目の周期の第1ないし第3インターバル期間t1n,t2n,t3nにおける高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルである。n番目の周期におけるインターバル期間t1n,t2n,t3nの長さは等しくなくてもよいが、
図4に示した例では、これらのインターバル期間がすべて等しく設定されている。即ちt1n=t2n=t3nとなっている。本実施形態では、n番目の周期のインターバル期間t1n,t2n,t3nにおける高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルP1n,P2n,P3nがそれぞれ、他の周期のインターバル期間における対応するレベルに等しく設定されている。
【0046】
本実施形態の制御方法では、上記のように、電圧波形の包絡線の波形(包絡線波形)が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有し、各レベル変化タイミングと次のレベル変化タイミングとの間の期間が一定のレベルを保持し続けるインターバル期間となっているステップ波形を呈するように変調された(ステップ波形で変調された)高周波電力を、高周波信号発生器と該高周波信号発生器が発生する高周波信号を増幅する増幅器とを備えた高周波信号発生・増幅部から出力させるに当たり、包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを目標レベルに保つように制御する。
【0047】
そのため、本実施形態では、高周波電源装置が出力する高周波電力の電圧波形の包絡線波形のレベルを検出するレベル検出部を設けておき、高周波電源装置から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形がその1周期の間に有する各インターバル期間でとるべきレベルの設定値を各インターバル期間の設定目標レベルとして設定目標レベル記憶部に記憶させておく。この設定目標レベルは負荷に高周波電力を供給する際に1回だけ設定されてもよく、負荷に高周波電力を供給している途中で適宜更新されてもよい。
【0048】
本実施形態では、包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを目標レベルに保つ制御を行うに当たり、包絡線波形の各周期の各インターバル期間を、その開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分け、過渡期間と安定期間とで異なる制御を行う。
【0049】
本実施形態ではまた、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを設定目標レベルとした高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期として、包絡線波形の第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算して、演算した各インターバル期間の平均検出レベルを、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の対応するインターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部に記憶しておく。
【0050】
上記「第1番目の周期」は、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを所定の設定目標レベルとした高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期であり、設定目標レベルを更新した場合には、包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルが更新された設定目標レベルに等しい高周波電力を初めて出力させる際の最初の周期である。
【0051】
そして、本実施形態の制御方法では、包絡線波形の第1番目の周期の各インターバル期間では、設定された過渡期間が経過するまでの間、レベル検出部が検出するレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルを設定目標レベル記憶部に記憶された対応する設定目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行ない、包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間では、過渡期間が経過するまでの間レベル検出部が検出するレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶された対応する目標レベルに等しくする制御をオープンループ制御により行なった後、安定期間の間、レベル検出部が検出するレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶された対応する目標レベルに保つ制御をフィードバック制御により行なう。
【0052】
図1は上記の制御方法を実施する本発明に係わる高周波電源装置の第1の実施形態の構成を示したものである。
図1において、1は高周波信号を増幅して高周波電力を出力する高周波信号発生・増幅部、2は高周波信号発生・増幅部1が出力する高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルをレベルとして検出するレベル検出部、3は設定目標レベル記憶部、4は平均検出レベル演算部、5は次周期目標レベル記憶部、6はレベル検出部2により検出される包絡線波形のレベルを目標レベルとするように高周波信号発生・増幅部を制御する高周波電力制御部である。
【0053】
各部を更に詳細に説明すると、高周波信号発生・増幅部1は、外部から与えられた周波数データ(デジタル値)が示す周波数と、外部から与えられたレベルデータ(デジタル値)が示す電圧レベルとを有する高周波信号を発生する高周波信号発生器101と、高周波信号発生器101が発生する高周波信号を増幅する増幅器102と、高周波信号発生器101と増幅器102との間に挿入されて、外部から与えられるレベルデータ(アナログ信号)に応じて、高周波信号発生器101から増幅器102に入力される高周波信号の電圧レベルを調整するレベル調節部103と、外部から与えられるレベルデータ(デジタル値)をアナログ信号に変換してレベル調節部103に与えるD/A変換器104とからなっている。
【0054】
本実施形態では、高周波信号発生器101として、周波数データ(デジタル値)が示す通りの周波数と、外部から与えられたレベルデータ(デジタル値)が示す通りの電圧レベルとを有する高周波信号を発生するダイレクト・デジタル・シンセサイザー(DDS)が用いられている。
【0055】
レベル調節部103は例えば電子ボリュームからなっていて、A/D変換器104から与えられた制御信号(電圧信号)に応じて増幅器102に入力する高周波信号のレベルを調節する。本実施形態では、レベル調節部103によるレベル調節と、DDS用レベルデータによるDDS101の出力レベルの調節との双方により、高周波信号発生・増幅部1の出力を調節することができるようにしている。
【0056】
レベル調節部103によるレベル調節及びDDS用レベルデータによるDDS101の出力レベルの調節のいずれによっても、増幅器102から出力させる高周波電力の出力を調整できるが、本実施形態では、高周波電力を変調する波形がステップ状のレベル変化を示す各レベル変化タイミングから設定された過渡期間が経過するまでの期間においては、DDS101に与えるレベルデータの大きさにより増幅器102から出力させる高周波電力の出力を調整し、各レベル変化タイミングから過渡期間が経過した後のインターバル期間においては、レベル調節部103に与えるレベルデータの大きさにより増幅器102から出力させる高周波電力の出力を調整する。
【0057】
本実施形態では、D/A変換器104として、デジタルデータがパラレル入力されるように構成されていて、高速でD/A変換を行なうことができるものを用いている。これに対し、DDS101としては、デジタル値からなるレベルデータがシリアル入力されるものを用いている。
【0058】
レベル検出部2は、増幅器102の出力端と負荷につながるケーブルとの間に挿入されて増幅器102が出力する高周波電圧の一部を分岐する分波器201と、分波器201の出力から高調波成分などの不要成分を除去して高周波電圧の基本周波数成分を取り出すフィルタ202と、フィルタ202から出力される高周波電圧を包絡線検波してその包絡線を検出する検波器203と、検波器203の出力のレベルを検出するレベル検出器204と、レベル検出器204の出力をデジタル値に変換するA/D変換器205とからなっていて、高周波信号発生・増幅部1が出力する高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを検出する。
【0059】
設定目標レベル記憶部3は、高周波電源装置から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形がその1周期の間に有する各インターバル期間でとるべきレベルの設定値を各インターバル期間の設定目標レベルとして記憶する。本実施形態では、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを設定目標レベルとした高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期として、この第1番目の周期の各インターバル期間で包絡線波形のレベルを制御する際に、設定目標レベル記憶部3に記憶された各インターバル期間の設定目標レベルを、包絡線波形が各インターバル期間でとるべき目標レベルとする。
図5に示した例ではインターバル期間t11,t21,t31において高周波電力の電圧波形の包絡線波形がとるべき目標レベル(
図5に示した例ではP11,P21,P31)を設定目標レベルとして設定目標レベル記憶部3に記憶しておく。設定目標レベル記憶部3は、高周波電力制御部6の主要部を構成するマイクロプロセッサに設けられたメモリと、該メモリへのデータの書き込みと該メモリからのデータの読み出しとを行うプログラムとにより構成される。
【0060】
本実施形態では、変調された高周波電力を最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を「第1番目の周期」としているが、包絡線波形の各周期のインターバル期間で包絡線波形がとるべき設定目標レベルを負荷に高周波電力を供給している途中で変更する場合には、各周期の各インターバル期間で包絡線波形がとるべき設定目標レベルが変更された(更新された)高周波電力を最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期が「第1番目の周期」となる。
【0061】
設定目標レベル記憶部3に記憶させる設定目標レベルは、キーボードやデジタルスイッチなどにより外部から書き込むことができるようになっている。
【0062】
平均検出レベル演算部4は、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルが設定目標レベルである高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期とし、包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、包絡線波形の第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算する。
【0063】
即ち、平均検出レベル演算部4は、第1番目の周期から現在の周期までに設定数m個の周期が存在しないときには、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応するインターバル期間の安定期間でレベル検出部2が検出したレベルを平均して平均検出レベルを演算し、第1番目の周期から現在の周期までに設定数m個以上の周期が存在するようになった後は、直近のm個の周期の対応するインターバル期間の安定期間でレベル検出部により検出されたレベルの単純移動平均値を平均検出レベルとして演算する。
【0064】
次周期目標レベル記憶部5は、平均検出レベル演算部4により演算された各インターバル期間の平均検出レベルを、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の対応するインターバル期間において該包絡線がとるべき目標レベルとして記憶する。
【0065】
図5に示した例で具体的に説明すると、第1番目の周期T1においては、第1ないし第3インターバル期間t11ないしt31の開始直後にそれぞれ一定の過渡期間Δt11ないしΔt31が設定され、t11−Δt11、t21−Δt21及びt31−Δt31がそれぞれ第1ないし第3インターバル期間t11ないしt31の安定期間となっている。同様に、第2番目の周期T2においては、第1ないし第3インターバル期間t12ないしt32(t32は図示せず。)の開始直後に過渡期間Δt12ないしΔt32が設定され、t12−Δt12、t22−Δt22及びt32−Δt32がそれぞれ第1ないし第3インターバル期間t12ないしt32の安定期間となっている。
【0066】
ここで例えばm=2とすると、第1番目の周期T1においては、平均検出レベル演算部4が、第1インターバル期間t11の安定期間t11−Δt11、第2インターバル期間t21の安定期間t21−Δt21及び第3インターバル期間t31の安定期間t31−Δt31でそれぞれレベル検出部2が検出したレベルを第1インターバル期間ないし第3インターバル期間の平均検出レベルとする。これらの平均検出レベルは、平均検出レベルを演算した周期T1の次の周期T2の第1ないし第3インターバル期間t12ないしt32で包絡線波形がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部5に記憶される。
【0067】
平均検出レベル演算部4はまた、第2番目の周期T2において、第1番目の周期T1の第1インターバル期間t11の安定期間t11−Δt11でレベル検出部2が検出したレベルと第2番目の周期T2の第1インターバル期間t12の安定期間t12−Δt12でレベル検出部2が検出したレベルとの平均値、第1番目の周期T1の第2インターバル期間t21の安定期間t21−Δt21でレベル検出部2が検出したレベルと第2番目の周期T2の第2インターバル期間t22の安定期間t22−Δt22でレベル検出部2が検出したレベルとの平均値、及び第1番目の周期T1の第3インターバル期間t31の安定期間t31−Δt31でレベル検出部2が検出したレベルと第2番目の周期T2の第3インターバル期間t32の安定期間t32−Δt32でレベル検出部2が検出したレベルとの平均値をそれぞれ第1インターバル期間ないし第3インターバル期間の平均検出レベルとして演算する。これらの平均検出レベルは、平均検出レベルを演算した周期T2の次の周期T3の第1ないし第3インターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部5に記憶される。
【0068】
以下同様にして、第3番目の周期以降の各周期においても、1個前の周期から現在の周期までの各インターバル期間の安定期間で検出されたレベルの平均値を求める演算を行って、演算された平均検出レベルを、次周期の各インターバル期間で包絡線波形がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部5に記憶する。
【0069】
高周波電力制御部6は、レベル検出部2が検出する包絡線波形のレベルを目標レベルとするように高周波信号発生・増幅部を制御する部分で、各部を制御するコントローラ601と、出力設定データ入力部602と、誤差レベル検出部604と、選択処理部605と、制御演算部606とを備えている。
【0070】
出力設定データ入力部602は、高周波信号発生・増幅部1から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線の波形を規定するために必要なデータ(出力設定データ)をコントローラ601に入力する部分であり、出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線波形の各インターバル期間の長さ、各インターバル期間における電圧レベル、変調波形の繰り返し周波数などをコントローラ601に入力する。
【0071】
誤差レベル検出部604は、包絡線波形の各周期の各インターバル期間でレベル検出部2が検出するレベルと対応するインターバル期間で包絡線波形がとるべき設定目標レベルとの偏差(誤差)を検出する部分である。図示の誤差レベル検出部604は、レベル検出部2が検出した各インターバル期間における包絡線波形のレベルと、設定目標レベル記憶部3又は次周期目標レベル記憶部5から読み出した対応するインターバル期間における目標レベルとを比較して、比較した両レベルの間の偏差を示す誤差信号を出力する。
【0072】
選択処理部605は、誤差レベル検出部604が出力する誤差信号及び目標レベル記憶部3から読み出した目標レベルを示す信号のいずれを制御に用いるかを選択する動作を行う部分で、制御演算部606に制御信号を与える。
【0073】
制御演算部606は、高周波信号発生・増幅部1の高周波信号発生部101及びD/A変換器104にそれぞれ与えるDDS用レベルデータ及びレベル調節用レベルデータの大きさを演算する部分で、選択処理部605から与えられた制御信号に基づいて、DDS用レベルデータ及びレベル調節用レベルデータの大きさを演算して、演算した大きさを有するDDS用レベルデータ及びレベル調節用レベルデータをそれぞれ高周波信号発生部101及びD/A変換器104に与える。
【0074】
図1に示した実施形態においては、コントローラ601、誤差レベル検出部604、選択処理部605及び制御演算部606がマイクロプロセッサにより構成され、出力設定データ入力部602は、キーボードなどにより構成されている。
【0075】
コントローラ601は、設定目標レベル記憶部3及び次周期目標レベル記憶部5へのデータの書き込み及び両記憶部からのデータの読み出しを制御するとともに、平均検出レベル演算部4、誤差レベル検出部604及び制御演算部606の演算動作と、選択処理部605の選択動作とを制御する。
【0076】
なお設定目標レベル記憶部3には、設定目標レベルそのものを記憶させておいてもよく、出力設定データ入力部602から入力された出力データに対して設定目標レベルを補間演算するためのマップデータ等を記憶させておいてもよい。例えば、出力設定データ入力部602から入力された高周波電力の所望の出力(W)に対して、増幅器102から出力させる高周波電圧のレベルの設定目標レベルを求めるようにするために、所望の出力と設定目標レベルとの間の関係を与えるマップデータを、設定目標レベル記憶部3に記憶させておくようにしてもよい。本実施形態では、設定目標レベル記憶部3に、設定目標レベルそのものが記憶されているものとする。
【0077】
装置が起動すると、コントローラ601が設定目標レベル記憶部3に記憶されている設定目標レベルを読み出すことにより、起動後第1番目の周期T1の各インターバル期間で包絡線波形がとるべきレベルである設定目標レベルを取得し、取得した設定目標レベルを選択処理部605に与える。
【0078】
高周波電力制御部6が起動すると、コントローラ601は、出力設定データ入力部602から与えられた周波数データに基づいて、DDS101に周波数データを与える。コントローラ601は又、内蔵したタイマの動作により、出力設定データ入力部602から入力されたデータに基づいて、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形のレベルをステップ状に変化させる各レベル変化タイミングや、各レベル変化タイミングから設定された過渡期間が経過した時の時刻を示すタイミングを検出して、検出したタイミングを示す一連のタイミング信号を時系列的に発生させ、これらのタイミング信号に同期して各部を制御する。
【0079】
上記過渡期間は、各レベル変化タイミングでオープンループ制御により、高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを目標レベルに等しくした後、フィードバック制御系が、フィードバック制御を安定に行なうことができる状態になるまでに要する時間に等しく設定する。この過渡期間は、実際には、レベル検出部により検出される電圧レベルの検出値が安定になるまでに要する時間であり、各レベル変化タイミングでフィードバック制御を行なわせた場合にリンギングや波形鈍りが消滅するのに要する過渡期間に比べると非常に短い時間である。この過渡期間は、制御に用いるプログラマブルロジックデバイスや、マイクロコンピュータのマシンサイクル、制御回路の追従特性、装置全体の実際の振る舞いなどを考慮して適当な値に設定する。
【0080】
ここで、高周波電力制御部6の動作の一例を
図5に示した例を用いて具体的に説明すると次の通りである。
高周波電力を
図5(A)に示したステップ波形で変調する場合、コントローラ601は、第1番目の周期T1の最初のレベル変化タイミングta1を検出した時に、当該レベル変化タイミングta1に続く第1インターバル期間t11における高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルの設定目標レベルP11を、設定目標レベル記憶部3から読み出し、読み出した設定目標レベルP11を選択処理部605に与える。コントローラ601はまた、選択処理部605に指令を与えて、読み出した設定目標レベルP11を制御演算部606に入力させる。このときコントローラ601は、予め設定した一定の大きさを有するレベル調節用レベルデータをD/A変換器104に与えることを制御演算部606に指令すると共に、増幅器102から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベルP11とするために、DDS101に与える必要があるレベルデータの大きさの演算を制御演算部606に行なわせる。
【0081】
制御演算部606は、設定目標レベルに相応する一定の大きさを有するレベル調節用レベルデータをD/A変換器104に与えるとともに、演算した大きさを有するDDS用レベルデータをDDS101に与える。これにより、増幅器102から電圧波形の包絡線のレベルが設定目標レベルP11に等しい高周波電力を瞬時に出力させる。この制御はフィードバック制御によらず、DDS101及びD/A変換器104にそれぞれレベルデータを与えるだけのオープンループ制御により行なうため、レベル変化タイミングta1においてリンギングが発生したり波形鈍りが発生したりするのを防ぐことができる。レベル変化タイミングt11から、設定された過渡期間Δt11が経過するまでの間は、上記のオープンループ制御を継続させる。オープンループ制御時にレベル調節部に与えるレベルデータの大きさは、例えば、レベル調節部103によるレベルの減衰量を0dBとする大きさに設定する。
【0082】
コントローラ601は、第1インターバル期間t11 が開始されたレベル変化タイミングta1から、設定された過渡期間Δt11が経過したことを検出した時に、設定目標レベル記憶部3から読み出した設定目標レベルP11を誤差レベル検出部604に与えて、設定目標レベルP11とレベル検出部2により検出された高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルとの偏差を演算させる。
【0083】
誤差レベル検出部604は、演算した偏差を示す誤差信号を選択処理部605に入力する。この時コントローラ601は、選択処理部605に選択切替え指令を与えて、選択処理部605から制御演算部606に入力する信号を、設定目標レベルP11を与える信号から偏差を示す誤差信号に切り替えるとともに、制御演算部606に演算指令を与えて、設定目標レベルP11とレベル検出部2により検出された高周波電力の電圧波形の包絡線波形のレベルとの偏差を零にするためにレベル調節部103に与える必要があるレベルデータの大きさを演算させる。このレベルデータの演算値は、制御演算部606から高周波信号DDS101に与えられるレベルデータ(DDS101から出力される高周波信号のレベル)の大きさにより相違する。
【0084】
制御演算部606は、予め設定した大きさを有するDDS用レベルデータをDDS101に与えるとともに、演算した大きさを有するレベル調節用レベルデータをD/A変換器104に与える。制御演算部606からD/A変換器104を通してレベル調節部103に与えられるレベルデータは、DDS101から出力される高周波信号のレベル(DDS用レベルデータにより決まる)を、偏差を零にするために増幅器102に入力する必要があるレベルに調節するように、レベル調節部103の減衰量を設定するためのデータである。上記のように、DDS101及びレベル調節部103にレベルデータを与えることにより、電圧波形の包絡線波形のレベルが設定目標レベルP11に等しい高周波電力を増幅器102から出力させる。
【0085】
上記のように、第1番目の周期の第1インターバル期間t11のレベル変化タイミングta1から過渡期間Δt11が経過した後の安定期間(t11−Δt11の期間)においては、目標レベルP11と、レベル検出部2により検出された高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルとの偏差に基づいて、高周波信号発生・増幅部1から出力される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベルに保つ制御がフィードバック制御により行なわれる。従って、過渡期間に相当する一定期間Δt11が経過した後の安定期間(t11−Δt11の期間)における電圧波形の包絡線のレベルは正確に目標レベルP11に保たれる。このフィードバック制御は、シリアルデータが入力されるように構成されたDDS101に与えるレベルデータを固定値とし、パラレルデータが入力されるように構成された高速のD/A変換器104を通してレベル調節部103に与える入力レベル調節用レベルデータを可変値として偏差に応じて変化させることにより行なうので、高い応答性をもたせて行なわせることができる。
【0086】
第1番目の周期T1ではまた、第1インターバル期間t11ないし第3インターバル期間t31のそれぞれの安定期間でレベル検出部2が検出したレベルを次の周期(第2番目の周期T2)の第1インターバル期間t12ないし第3インターバル期間t32で包絡線波形がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部5に記憶させる。
【0087】
同様にして、第2インターバル期間t21の開始時tb1から過渡期間Δt21が経過するまでの間オープンループ制御により高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを第2インターバル期間の設定目標レベルP21とする制御が行なわれ、安定期間t21−Δt21の間フィードバック制御により高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベルP21に保つ制御が行なわれる。また第3インターバル期間t21の開始時tc1から過渡期間Δt31が経過するまでの間オープンループ制御により高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを第3インターバル期間の設定目標レベルP31とする制御が行なわれ、安定期間t31−Δt31の間フィードバック制御により高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベルP31に保つ制御が行なわれる。
【0088】
第2番目の周期では、第1インターバル期間t12のレベル変化タイミングta2から過渡期間Δt12が経過するまでの間、高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部5に記憶されている目標レベルP12に一致させる制御がオープンループ制御で行われ、第1インターバル期間t12の安定期間t12−Δt12の間高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部5に記憶されている目標レベルP12に保つ制御がフィードバック制御により行われる。また第2インターバル期間t22のレベル変化タイミングtb2から過渡期間Δt22が経過するまでの間、高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部5に記憶されている目標レベルP22に一致させる制御がオープンループ制御で行われ、第2インターバル期間t22の安定期間t22−Δt22の間、高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部5に記憶されている目標レベルP22に保つ制御がフィードバック制御により行われる。更に図示しない第3インターバル期間t32のレベル変化タイミングtc2から過渡期間Δt32が経過するまでの間、高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部5に記憶されている目標レベルP32に一致させる制御がオープンループ制御で行われ、第3インターバル期間t32の安定期間t32−Δt32の間高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部5に記憶されている目標レベルP32に保つ制御がフィードバック制御により行われる。
【0089】
第2番目の周期ではまた、第1番目の周期の第1インターバル期間t11 ないし第3インターバル期間t31の安定期間でそれぞれレベル検出部2が検出したレベルと、第2番目の周期の第1インターバル期間t12 ないし第3インターバル期間t32の安定期間でそれぞれレベル検出部2が検出したレベルとの平均値を第1ないし第3インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、これらの平均検出レベルを次周期(第3番目の周期)の第1インターバル期間ないし第3インターバル期間でそれぞれ高周波電力の電圧波形の包絡線がとるべき目標レベルP31ないしP33として次周期目標レベル記憶部5に記憶させる。
【0090】
以下同様にして、第3番目の周期以降の各周期において、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各インターバル期間の過渡期間で包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶されている目標レベルに一致させるオープンループ制御が行われ、各インターバル期間の安定期間で、包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部に記憶されている目標レベルに保つフィードバック制御が行われる。またm=2である場合には、各インターバル期間で一つ前の周期の対応するインターバル期間の安定期間で検出されたレベルと現在の周期の各インターバル期間の安定期間で検出されたレベルとの平均値を平均検出レベルとして演算して、演算した各インターバル期間の平均検出レベルを次周期の各インターバル期間で包絡線がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部5に記憶させる。
【0091】
平均値を演算するインターバル期間の数(各インターバル期間のレベルの平均値の演算を行う周期数)mは2以上の適宜の整数に設定する。mの最適値は、実験データにより決める。
【0092】
上記のように、本実施形態では、ステップ状のレベル変化を示す波形により変調された電圧波形を有する高周波電力を得る際に、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の開始直後の過渡期間の間のレベル制御を、フィードバック制御によるのではなく、オープンループ制御により行ない、高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の過渡期間が経過した後の安定期間の間、レベル検出部が検出したレベルを目標レベルに保つ制御をフィードバック制御で行なうので、レベル変化の速度が如何なる場合でも、またレベル変化の周期が如何なる場合でも、各レベル変化タイミングでリンギングや波形鈍りが生じることがなく、かつ各インターバル期間の安定期間における包絡線のレベルが正確に目標レベルに保たれた電圧波形を有する高周波電力を得ることができる。
【0093】
また本実施形態では、電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間で包絡線の波形がとるべき目標レベルを、m−1個前の周期から現在の周期までのm個の周期の対応するインターバル期間の安定期間でレベル検出部が検出したレベルを平均したレベルとするので、各インターバル期間における目標レベルを、直近のm周期の対応するインターバル期間において実際にフィードバック制御された安定なレベルの平均値に等しくすることができ、各インターバル期間において過渡期間に相当する時間が経過するまでの間オープンループ制御を行って増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルと、フィードバック制御に切替えた瞬間に増幅器から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルとの間に殆ど差が生じないようにすることができる。従って、本実施形態によれば、レベル変化の周期が如何なる場合でも、各レベル変化タイミングでリンギングや波形鈍りが生じるのを防ぐことができるだけでなく、制御がオープンループ制御からフィードバック制御に切り替る際に電圧変動が生じるのを防いで、きれいな波形の高周波電力を得ることができる。
【0094】
更に本実施形態によれば、増幅器102から出力される高周波電力の電圧波形の包絡線波形の各レベル変化タイミングで、リンギングや波形鈍りが発生することがないので、過度期間を短くすることができ、高周波電圧の包絡線の検出速度を高めることができる。そのため、高周波電力を変調する波形のレベル変化が高速である場合にも、各レベル変化タイミングから過渡期間の間のレベル制御と、各インターバル期間におけるレベル制御とを正確に行なわせることができ、高速のパルス波形やステップ波形等により高周波電力を変調する場合にも問題なく対応することができる。
【0095】
上記のような制御を行なわせた場合に高周波信号発生・増幅部1から出力される高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の一例を、
図6及び
図7に拡大して示した。
図6は、
図5のインターバル期間t11及びインターバル期間t21の前半部分付近の波形を拡大して示したものであり、
図7は、
図5のインターバル期間t12及びインターバル期間t22の前半部分の波形を拡大して示したものである。
【0096】
第1番目の周期T1においては、各レベル変化タイミングで先ずオープンループ制御で電圧波形の包絡線の波形のレベルを予め設定された設定目標レベルとする制御が行なわれ、次いで過渡期間が経過した時点で、制御演算部606に与えられる制御信号が誤差信号に切り替えられて、電圧レベルの制御がフィードバック制御に切替えられるが、この切換の際には、
図6のΔt11,Δt21の期間の波形に見られるように、僅かではあるがレベル変動Vが生じることがある。
【0097】
これに対し、第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間においては、直近の最大m個の周期のそれぞれの対応するインターバル期間の安定期間で検出された安定なレベルの平均値を目標レベルとして包絡線のレベルを制御するので、第2番目の周期以降の各周期においては、各インターバル期間で電圧波形の包絡線がとるべき目標レベルを、直近の最大m個の周期のそれぞれの対応するインターバル期間の安定期間で検出された安定なレベルの平均値に等しくすることができる。そのため、第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間の過渡期間でオープンループ制御により増幅器から出力される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルと、各インターバル期間の安定期間で包絡線のレベルの制御をオープンループ制御からフィードバック制御に切替えた瞬間に増幅器から出力される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルとの間に殆ど差が生じないようにすることができ、
図7のΔt12の期間の波形及びΔt22の期間の波形に見られるように、第2番目の周期以降の各周期における電圧波形を、制御がオープンループ制御からフィードバック制御に切り替えられる際に電圧変動が生じることがないきれいな波形とすることができる。
【0098】
上記の動作説明では、高周波信号発生・増幅部1から出力させる高周波電力を零から立ち上げる際の最初の周期を第1番目の周期として、この第1番目の周期の各インターバル期間における電圧レベルの目標レベルを予め設定した初期レベルとするとしたが、上記のように、第2番目の周期以降の各インターバル期間における目標レベルを、各周期より前の複数の周期の各インターバル期間の安定期間で検出されたレベルの平均値とする構成をとる場合に、高周波信号発生・増幅部1から一旦高周波電力を出力させた後、高周波電力の出力を中断することなく、途中で各インターバル期間における目標レベルを変更する場合には、各インターバル期間における目標レベルが変更された(更新された)高周波電力を発生させる際の最初の周期を第1番目の周期として、その周期の各インターバル期間における目標レベルを更新された設定目標レベルとする必要がある。
【0099】
図1に示したように、高周波信号発生・増幅部1に高周波信号発生器101とレベル調節部103とを設けて、高周波信号発生器101に与えるレベルデータを可変値とし、レベル調節部103に与えるレベルデータを固定値としてオープンループ制御を行い、高周波信号発生器101に与えるレベルデータを可変値とし、レベル調節部103に与えるレベルデータを固定値としてフィードバック制御を行う構成は、高周波信号発生器を構成するDDS101として、レベルデータをシリアルデータとして入力する形式のものしか入手することができない場合、及びレベル調整部103として、その出力レベルを0dBまで絞り込むことが難しいものしか入手することができない場合に有利な構成である。
【0100】
図1に示したように構成しておくと、レベル変化タイミングで高周波電力の電圧レベルを零から立ち上げる動作及び当該電圧レベルを零まで立ち下げる動作を、DDSの性能により問題なく実現することができる。またレベルデータがパラレルデータとして入力される高速のD/A変換器104を通してレベル調節部103にレベルデータを与えることにより、各インターバル期間の安定期間におけるフィードバック制御を高速で行なわせて、各インターバル期間において電圧レベルを目標レベルに保つ制御を正確に行なわせることができる。即ち、DDSとレベル調整器がそれぞれ有するメリットを活かして、各レベル変化タイミングから過渡期間の間に行なうオープンループ制御と、各インターバル期間の過渡期間が経過した後の残りの期間に行なうフィードバック制御との双方を適確に行なわせることができる。
【0101】
図1に示した実施形態に係わる高周波電源装置の構成の特徴をまとめて示すと、下記の通りである。
(a)高周波信号発生・増幅部1は、高周波信号発生器101と該高周波信号発生器が発生する高周波信号を増幅する増幅器102と、高周波信号発生器101から増幅器102に与えられる高周波信号のレベルをレベルデータに応じて調節するレベル調節部103を備えて、電圧波形の包絡線が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、各レベル変化タイミングと次のレベル変化タイミングとの間の期間が一定のレベルを保持するインターバル期間となっている波形を呈するように変調された高周波電力を出力する。
(b)高周波信号発生・増幅部1が出力する高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の開始時から設定された時間が経過するまでの期間及び該設定された時間が経過した後の残りの期間をそれぞれ各インターバル期間の過渡期間及び安定期間とする。
(c)高周波信号発生器101は、外部から与えられたレベルデータが示すレベルを有する高周波信号を出力するダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)により構成されている。
(d)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第1番目の周期の各インターバル期間におけるオープンループ制御は、各インターバル期間の開始時から設定された過渡期間が経過するまでの間、増幅器102から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベル記憶部3に記憶された対応する設定目標レベルに等しくするようにDDS101にレベルデータ(可変値)を与えることにより行う。このときレベル調整器103には一定のレベルデータを与えておく。
(e)上記第1番目の周期の各インターバル期間におけるフィードバック制御は、各インターバル期間の安定期間の間、レベル検出部2により検出される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルと対応する設定目標レベルとの偏差を零にするようにレベル調節部103にレベルデータを与えることにより行う。
(f)平均検出レベル演算部4は、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを設定目標レベルとした高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期とし、包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、包絡線波形の第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部2が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部2が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算する。
(g)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の各周期の各インターバル期間において平均検出レベル演算部4により演算された平均検出レベルは、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の対応するインターバル期間において該包絡線がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部5に記憶される。
(h)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期におけるオープンループ制御は、各インターバル期間の過渡期間が経過するまでの間、増幅器102から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを、次周期目標レベル記憶部5に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルに等しくするようにDDS101にレベルデータを与えることにより行う。
(i)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期における各インターバル期間で行うフィードバック制御は、各インターバル期間の安定期間でレベル検出部2により検出されるレベルと次周期目標レベル記憶部5に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルとの偏差を零にするようにレベル調節部103にレベルデータ(可変値)を与えることにより行なう。このときDDS101には一定値に固定されたレベルデータを与えておく。
【0102】
[第2の実施形態]
図2は、本発明の第2の実施形態に係わる高周波電源装置の構成を示したブロック図である。本実施形態では、コントローラ601から高周波信号発生器(DDS)101にレベルデータ(固定値)が与えられ、制御演算部606からはレベル調節部103へのみレベルデータ(可変値)が供給される。
【0103】
図2に示した実施形態では、各周期の各インターバル期間の開始時から設定された過渡期間が経過するまでの間に行なうオープンループ制御及び各周期の各インターバル期間の安定期間で行なうフィードバック制御の双方を、レベル調節部103に与えるレベルデータを可変値とすることにより行なう。その他の点は
図1に示した実施形態と同様である。
図2に示した実施形態の構成は、レベル調節部103として、その出力レベルを零レベルまで問題なく絞ることができる特性を有するものを用いることができる場合に有利な構成である。本実施形態のように構成すると、各レベル変化タイミングから設定された過渡期間が経過するまでの間に行なうオープンループ制御及び各レベル変化タイミングから過渡期間が経過した後の残りの安定期間の間に行なうフィードバック制御の双方を高い応答性を持たせて行なうことができる。
【0104】
図2に示した実施形態に係わる高周波電源装置の構成の特徴をまとめて示すと、下記の通りである。
(a)高周波信号発生・増幅部1は、高周波信号発生器101と該高周波信号発生器が発生する高周波信号を増幅する増幅器102と、高周波信号発生器101から増幅器102に与えられる高周波信号のレベルをレベルデータに応じて調節するレベル調節部103を備えて、電圧波形の包絡線が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、各レベル変化タイミングと次のレベル変化タイミングとの間の期間が一定のレベルを保持するインターバル期間となっている波形を呈するように変調された高周波電力を出力する。
(b)高周波信号発生・増幅部1が出力する高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の開始時から設定された時間が経過するまでの期間及び該設定された時間が経過した後の残りの期間をそれぞれ各インターバル期間の過渡期間及び安定期間とする。
(c)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第1番目の周期の各インターバル期間で行うオープンループ制御は、各インターバル期間の開始時から設定された過渡期間が経過するまでの間、増幅器102から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベル記憶部3に記憶された対応するインターバル期間の設定目標レベルに等しくするようにレベル調節部103にレベルデータを与えることにより行う。
(d)上記第1番目の周期の各インターバル期間で行うフィードバック制御は、各インターバル期間の安定期間の間、レベル検出部2により検出される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルと対応する設定目標レベルとの偏差を零にするようにレベル調節部103にレベルデータを与えることにより行う。
(e)平均検出レベル演算部4は、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを設定目標レベルとした高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期とし、包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、包絡線波形の第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部2が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部2が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算する。
(f)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の各周期の各インターバル期間において平均検出レベル演算部4により演算された平均検出レベルは、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の対応するインターバル期間において該包絡線がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部5に記憶される。
(g)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期におけるオープンループ制御は、各インターバル期間の開始時から設定された過渡期間が経過するまでの間、増幅器102から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部5に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルに等しくするようにレベル調節部にレベルデータを与えることにより行う。
(h)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間におけるフィードバック制御は、各インターバル期間の安定期間の間レベル検出部2により検出される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルと次周期目標レベル記憶部5に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルとの偏差を零にするようにレベル調節部103にレベルデータを与えることにより行なう。
【0105】
[第3の実施形態]
図3は、本発明の第3の実施形態に係わる高周波電源装置の構成を示したブロック図である。本実施形態では、
図1及び
図2の実施形態で設けられていたレベル調節部103が省略されて、高周波信号発生器(DDS)101の出力が直接増幅器102に入力されている。
【0106】
この例では、各周期の各インターバル期間の過渡期間が経過するまでの間に行なうオープンループ制御及び各インターバル期間の安定期間の間に行なうフィードバック制御の双方を、高周波信号発生部101に与えるレベルデータを可変値として行なう。その他の点は
図2に示した実施形態と同様である。
【0107】
図3に示したように構成すると、
図1及び
図2の実施形態で用いられていたレベル調節部103を省略することができるため、装置の構成を簡素化することができる。
図3に示した実施形態の構成は、DDS101として、レベルデータをシリアルデータで入力し得る高速のもの(出力レベルの調整を高速度で行なうことができるもの)を入手することができる場合に有利な構成である。
【0108】
図3に示した実施形態に係わる高周波電源装置の構成の特徴をまとめて示すと、下記の通りである。
(a)高周波信号発生・増幅部1は、外部から与えられたレベルデータが示すレベルを有する高周波信号を出力するダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)により構成された高周波信号発生器101と、高周波信号発生器101の出力を増幅する増幅器102とからなっていて、電圧波形の包絡線が、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、各レベル変化タイミングと次のレベル変化タイミングとの間の期間が一定のレベルを保持するインターバル期間となっている波形を呈するように変調された高周波電力を出力する。
(b)高周波信号発生・増幅部1が出力する高周波電力の電圧波形の包絡線の波形の各周期の各インターバル期間の開始時から設定された時間が経過するまでの期間及び該設定された時間が経過した後の残りの期間をそれぞれ各インターバル期間の過渡期間及び安定期間とする。
(c)第1番目の周期の各インターバル期間におけるオープンループ制御は、各インターバル期間の開始時から設定された過渡期間が経過するまでの間増幅器102から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを設定目標レベル記憶部3に記憶された対応する設定目標レベルに等しくするようにDDSにレベルデータを与えることにより行う。
(d)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第1番目の周期における各インターバル期間で行うフィードバック制御は、各インターバル期間の安定期間の間、レベル検出部2により検出される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルと対応する設定目標レベルとの偏差を零にするようにDDS101にレベルデータを与えることにより行う。
(e)平均検出レベル演算部4は、電圧波形の包絡線波形が各周期の各インターバル期間でとるべきレベルを前記設定目標レベルとした高周波電力を高周波電源装置から最初に出力させる際の包絡線波形の最初の周期を第1番目の周期とし、包絡線波形の各周期の各インターバル期間をその開始直後に設定された過渡期間と該過渡期間が経過した後の安定期間とに分けて、包絡線波形の第1番目の周期から第m−1番目の周期(mは2以上の整数からなる設定値)までの各周期においては、第1番目の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部2が検出したレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算し、包絡線波形の第m番目の周期以降の各周期においては、m−1個前の周期から現在の周期までのそれぞれの周期の対応する各インターバル期間の安定期間でレベル検出部2が検出したm個のレベルを平均したレベルを各インターバル期間の平均検出レベルとして演算する。
(f)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の各周期の各インターバル期間において平均検出レベル演算部4により演算された平均検出レベルは、該平均検出レベルを演算した周期の次の周期の対応するインターバル期間において該包絡線がとるべき目標レベルとして次周期目標レベル記憶部5に記憶される。
(g)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間におけるオープンループ制御は、各インターバル期間の開始時から設定された過渡期間が経過するまでの間、増幅器102から出力させる高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルを次周期目標レベル記憶部5に記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルに等しくするようにDDS101にレベルデータを与えることにより行う。
(h)高周波電力の電圧波形の包絡線波形の第2番目の周期以降の各周期の各インターバル期間におけるフィードバック制御は、各インターバル期間の安定期間の間レベル検出部2により検出される高周波電力の電圧波形の包絡線のレベルと次周期目標レベル記憶部3Bに記憶されている対応するインターバル期間の目標レベルとの偏差を零にするようにDDS101にレベルデータを与えることにより行なう。
【0109】
上記の各実施形態では、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有して、各レベル変化タイミングから次のレベル変化タイミングまでのインターバル期間がレベルを保持する期間となっているステップ波形を変調波形として、この変調波形で変調された高周波電力を得るように、高周波信号発生・増幅部1を制御するようにしたが、本発明はステップ波形を変調波形とする場合に限られるものではなく、ステップ状のレベル変化を示すレベル変化タイミングを1周期の間に複数有し、各レベル変化タイミングと次のレベル変化タイミングとの間のインターバル期間がレベルを保持し続ける期間となっている波形を呈する変調波形で高周波電力を変調する場合に広く適用することができる。
【0110】
例えば、
図8に示すようにパルス波形により高周波電力を変調する場合にも本発明を適用することができる。