【実施例】
【0097】
本発明の一般的な原理は、以下の限定されない実施例を参照することによって、より完全に認識可能である。
実施例1は、ハイブリダイゼーションプローブを同定し、続いてHBV核酸を検出するアッセイにおいて、該プローブを用いる方法を記載する。この方法では、適切な7つの合成オリゴヌクレオチドのうち1つが、候補プローブが結合する標的として働いた。
【0098】
(実施例1)
HBVを検出するためのオリゴヌクレオチドプローブ
RNAまたは2’−OMe主鎖を用いた標準的実験室法にしたがって、合成HBV標的オリゴヌクレオチドを調製した。これらの標的は以下の配列を有した:
UUCCUCUUCAUCCUGCU(配列番号88);
UUCCUCUUCAUCCUGCUGCUAUGCCUCAUCUUCUU(配列番号89);
UUCCUCUGCAUCCUGCUGCUAUGCCUCAUCUUCUUGUUG(配列番号90);
GCCUCAUCUUCUUGUUGG(配列番号91);
CUCAUCUUCUUGUUGGUUCUUCUGGACUAUCAAGG(配列番号92);
UUGGUUCUUCUGGACUAUCAAGG(配列番号93);および
CAAGGUAUGUUGCCCGU(配列番号94)。
2’−OMeヌクレオチドを用いて、合成HBV標的にハイブリダイズするための候補プローブを調製し、そしてこのプローブは、表3に示す配列を有した。特に、配列番号90に同定する標的配列の8位は、HBV遺伝子型Bの配列に特徴的なG部分によって占められた。
【0099】
ハイブリダイゼーション反応は、5x10
5RLUに対応するAE標識プローブの量を含有するハイブリダイゼーション緩衝液100μl体積、および100fmolの合成HBV標的オリゴヌクレオチドを含有する10μlからなった。陰性対照反応では、HBV標的オリゴヌクレオチドを省いた。その開示が上で本明細書に援用されている米国特許第5,585,481号および第5,639,604号に記載される方法にしたがって、内部に配置された非ヌクレオチドリンカーによってオリゴヌクレオチド構造に連結されたAE部分を用いて、表5に列挙するプローブを各々、標識した。異なるリンカー位を使用することによって、この標識技術の汎用性(versitility)を確認した。より具体的には、配列番号50のプローブ上のリンカーは、8位および9位の間に位置し、配列番号51のプローブ上のリンカーは、5位および6位の間に位置し、配列番号52のプローブ上のリンカーは、5位および6位の間に位置し、配列番号53のプローブ上のリンカーは、11位および12位の間に位置し、配列番号54のプローブ上のリンカーは、6位および7位の間または13位および14位の間に位置し、配列番号55のプローブ上のリンカーは、17位および18位の間または8位および9位の間に位置し、配列番号56のプローブ上のリンカーは、14位および15位の間に位置し、配列番号57のプローブ上のリンカーは、8位および9位の間に位置し、配列番号58のプローブ上のリンカーは、10位および11位の間に位置し、配列番号59のプローブ上のリンカーは、13位および14位の間に位置し、配列番号60のプローブ上のリンカーは、8位および9位の間に位置し、配列番号61のプローブ上のリンカーは、9位および10位の間に位置し、配列番号62のプローブ上のリンカーは、6位および7位の間に位置し、配列番号63のプローブ上のリンカーは、14位および15位の間に位置し、配列番号64のプローブ上のリンカーは、17位および18位の間に位置し、配列番号65のプローブ上のリンカーは、5位および6位の間に位置し、そして配列番号66のプローブ上のリンカーは、8位および9位の間に位置する。0.05Mコハク酸リチウム(pH5)、0.6M LiCl、1%(w/v)ラウリル硫酸リチウム、10mM EDTA、10mM EGTAを含有する溶液200μl中、60℃で15分間、プローブハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション反応に続いて、300μlの0.15M四ホウ酸ナトリウム(pH8.5)および1% TRITON X−100(Union Carbide Corporation;コネチカット州ダンベリー)を添加した。これらの混合物をまず、60℃で10分間インキュベーションして、ハイブリダイズしていないプローブを不活性化し、そしてその後、室温に冷却した。1mM硝酸および0.1%(v/v)過酸化水素を自動的に注入した後、1N水酸化ナトリウムを含有する溶液を注入するよう設定した、LEADER I発光測定装置(Gen−Probe Incorporated)を用いて、各試料において、ハイブリダイズしたプローブによる化学発光をアッセイした。化学発光反応の結果を、相対光単位(RLU)で測定した。この方法から得た試料結果を表5に示す。
【0100】
表5
プローブハイブリダイゼーション結果
【0101】
【表5】
【0102】
表5に示す結果は、各プローブが、低いバックグラウンドシグナルで、そしてHBV標的オリゴヌクレオチドとの少なくとも穏やかなレベルの陽性反応を生じたことを示した。しかし、プローブのいくつかは、実質的に他のものより優れた結果を生じ、それによって、HBV配列におけるプローブ結合の好ましい標的領域が定義された。より具体的には、配列番号65〜66のプローブを例外として、すべてのプローブは、対応するプローブハイブリダイゼーションシグナルの0.5%未満の陰性対照値を生じた。このパターンに基づいて、HBV単位複製配列にハイブリダイズし、そして該配列を検出するのに好ましいプローブには、CCTTGATAGTCCAGAAGAACCAACAAGAAGATGAGGCATAGCAGCAGGATGCAGAGGAA(配列番号95)に示す配列、またはその相補体内に含有される、17〜23の隣接ヌクレオチドが含まれ、RNA均等物およびDNA均等物並びにヌクレオチド類似体の存在が可能である。特に、配列番号54のプローブに関して示す結果は、6位および7位の間に位置するリンカーを有するオリゴヌクレオチドに関するものであるが、13位および14位の間に位置するリンカーを含む、同一の核酸塩基配列を有するプローブに関しても、実質的に同一の結果が得られた。これらの代替物の各々は、発明されたプローブの好ましい態様に相当する。さらに、配列番号55のプローブに関して表に示す結果は、17位および18位の間に位置するリンカーを有するオリゴヌクレオチドに関するものであり、優れているが、8位および9位の間に位置するリンカーを持つ同一の核酸塩基配列を有するプローブに関しては、いくぶん低い値が得られた。これらの代替物もまた、各々、発明されたプローブの好ましい態様に相当する。実際、上述のプローブいずれかに連結された検出可能標識いずれかの配置は、多様であることも可能であり、そしてなお本発明の範囲内に属することも可能である。
【0103】
ある範囲の増幅プライマーおよび捕捉オリゴヌクレオチドが、生物学的試料中のHBV核酸を検出可能であることを立証するため、配列番号50、配列番号52、配列番号54(2つの上述の標識位を有する別個のオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いる)、配列番号57、および配列番号58の配列を有するハイブリダイゼーションアッセイプローブを続いて用いた。これらの配列またはその相補体を有するプローブは、RNA均等物およびDNA均等物の存在並びにヌクレオチド類似体の置換が可能であり、各々、本発明の特に好ましい態様に相当する。
【0104】
核酸テンプレートの供給源としてHBVビリオンを使用する一連の方法において、HBV核酸を増幅するのに好ましいプライマーの組み合わせを同定した。以下に記載する方法を用いて、プロモーター−プライマーおよび相対する鎖のプライマーを、組み合わせてスクリーニングした。転写仲介増幅(TMA)プロトコルを用いて、これらの方法を特に行ったが、本明細書に開示するプライマーを用いて、一般レベルの技術を有する当業者によく知られるであろう代替in vitro核酸増幅法によって単位複製配列を産生することも可能である。
【0105】
実施例2は、有用な増幅プライマーを同定する方法を記載する。この方法で記載するHBV特異的標的捕捉オリゴヌクレオチド、増幅プライマーおよびプローブに加えて、該反応にはまた、HIV−1およびHCV解析物に特異的な上述のオリゴヌクレオチドも含まれた。HIV−1およびHCVオリゴヌクレオチドは、HBV解析物の検出に実質的には寄与しなかった。
【0106】
(実施例2)
増幅プライマーの同定
HBV遺伝子型Aのビリオンは、プライマー対のセットを使用する増幅反応において、HBVテンプレート配列の供給源として働いた。その開示が上で本明細書に援用される、Kacianら、米国特許第5,399,491号に本質的に記載されるように、TMA反応を行った。各プロモーター−プライマーには、HBV相補配列上流のT7プロモーター配列AATTTAATACGACTCACTATAGGGAGA(配列番号96)が含まれた。100μlの反応緩衝液中、約7〜33コピーの間のHBVテンプレート、および1〜20pmolの各プライマーを用いて、多様なプライマーの組み合わせに関して増幅反応を行った。HIV特異的オリゴヌクレオチドでなく、HBV特異的オリゴヌクレオチドを用いて、テンプレートを捕捉したことを除いて、公開国際特許出願第PCT/US2000/18685号に開示される方法に本質的にしたがい、増幅前に、核酸に標本プロセシングおよび標的捕捉を行った。重要なことに、該方法で用いる捕捉オリゴヌクレオチドはすべて、増幅可能なHBVテンプレートを捕捉可能であることが知られた。したがって、この方法は、異なるプライマーおよびプローブの組み合わせが、マルチプレックス増幅アッセイにおいて、協調する能力に重点を置いた。5〜25国際単位/ml(IU/ml)のHBVを含有する感染血清のストック試料500μlアリコットを用いて、すべての方法を行った。特に、この方法で用いたビリオン調製の1IU中には、およそ3コピーのHBVゲノムがある。標的核酸およびプライマーを60℃に10分間加熱して、そして次いで42℃に冷却し、プライマーアニーリングを促進した。次いで、モロニーネズミ白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素(5,600単位/反応)およびT7 RNAポリメラーゼ(3,500単位/反応)を混合物に添加した。最終増幅反応は、50mM Tris HCl(pH8.5)、35mM KCl、4mM GTP、4mM ATP、4mM UTP、4mM CTP、1mM dATP、1mM dTTP、1mM dCTP、1mM dGTP、20mM MgCl
2、20mM N−アセチル−L−システイン、および5%(w/v)グリセロールを含有した。42℃で1時間インキュベーションした後、100μl増幅反応すべてを、本質的に実施例1に記載するようなハイブリダイゼーションアッセイに供した。より具体的には、表3に列挙する6つの異なるプローブの1以上を、アクリジニウムエステルで約1〜1.2x10
8RLU/pmolの比活性に標識し、そして次いで、ハイブリダイゼーション反応において、用いた各プローブに関して、7.5x10
5RLUに同等の量を用いた。陽性結果と判断するには、プローブハイブリダイゼーションを示す化学発光シグナルは、アッセイにおいて、50,000RLUを越えていなければならなかった。
【0107】
表6は、異なる組み合わせのプライマー、プローブおよびHBVテンプレート・インプットレベルを用いて行った増幅法の結果を示す。表の最後の列に陽性検出%として結果を示し、そしてこの結果は、さらに、該方法で用いた反復試験数を示した。必ずしも同時に行わなくてもよいいくつかの方法から、これらの結果を収集した。
【0108】
表6
多様なプライマーの組み合わせを用いた、HBVポリヌクレオチド配列の増幅
【0109】
【表6A】
【0110】
【表6B】
【0111】
【表6C】
【0112】
【表6D】
【0113】
表6に示す結果によって、7コピー/反応と同程度に低いテンプレートレベルであっても、プライマーの組み合わせの多くが、非常に高いレベルのHBV検出可能性を生じることが示された。重要なことに、HBVテンプレートがこれらのアッセイで検出可能であることを示す結果によって、適切なプライマーの組み合わせが、HBV核酸配列を増幅するのに協調可能であることが立証され、そしてHIV/HCVマルチプレックス反応の他の構成要素が、複雑な反応混合物において、HBVプライマーの組み合わせが機能する能力に干渉しないことがさらに立証された。陽性結果、すなわち非ゼロレベルのHBV検出可能性が試験中に観察されたことによって、プライマーの組み合わせが、HBVのみを増幅するアッセイにおいて有用であるとともに、HIV−1およびHCVテンプレートを増幅可能なマルチプレックスアッセイにおいて有用であることも示された。HBV配列の増幅および検出が起こらなかったことを示す陰性結果は、マルチプレックスアッセイにのみ該当した。陰性結果は、例えば、マルチプレックス反応において、HBVプライマーおよび他のウイルス標的の1つを増幅するのに用いたプライマー間の望ましくない相互作用のためであった可能性もある。以下に示す感度データに支持されるように、本明細書に示す結果において、低いが、測定可能なレベルのHBV検出可能性を生じるプライマーの組み合わせは、HBVテンプレートの増幅に成功したことを示し、そしてこうした組み合わせがHBV核酸増幅アッセイの有用な構成要素であることを確証した。これらの有用なプライマーに定義される上流ドメインおよび下流ドメイン内に含有される他のプライマーもまた、HBV配列を増幅するのに使用可能である。
【0114】
表6に示す結果によって、配列番号16、配列番号18、または配列番号19のHBV相補配列を含むプロモーター−プライマーが、優れたレベルの検出可能性を生じる増幅反応に関与し、このことは、反応が単一のプロモーター−プライマーのみを含む場合であっても、そして一本鎖M13クローンがHBV遺伝子型Aテンプレートの供給源であっても、あてはまることがさらに示された。この結果は、表9に示す結果に示すように、一本鎖M13クローンが、HBV遺伝子型Gテンプレートの供給源として働く場合の、2つのプロモーター−プライマーの見かけの必要条件とは、いくぶん異なっていた。いかなる特定の理論に縛られることも望まないが、一本鎖M13テンプレートと組み合わせて単一のプロモーター−プライマーを用いた場合、いくつかの場合のみで、比較的優れた結果が観察されたことは、アッセイ感度が異なるレベルであることを反映する可能性もある。
【0115】
特定の好ましい態様において、HBV核酸を増幅するための少なくとも2つのプライマーセットであって:(i)配列番号22または配列番号23の塩基配列を有するか、または該塩基配列に実質的に対応するオリゴヌクレオチドを含んでなる、第一の増幅プライマー;および(ii)配列番号15または配列番号11の塩基配列を有するか、または該塩基配列に実質的に対応するオリゴヌクレオチドを含んでなる、第二の増幅プライマーを含む、前記セットを提供する。HBVゲノムに存在しない、プロモーター配列などの、HBV標的配列に相補的でない、場合による配列が、標的相補配列の上流に位置する位で、プライマーに付加されていることも可能である。特に好ましい組み合わせにおいて、第一の増幅プライマーは、配列番号23の塩基配列を有するか、または該塩基配列に実質的に対応するオリゴヌクレオチドを含んでなるプロモーター−プライマー(例えば配列番号40)であり、そして第二の増幅プライマーは、配列番号11の塩基配列を有するか、または該塩基配列に実質的に対応するオリゴヌクレオチドを含んでなる。
【0116】
先の実施例におけるように、有用な捕捉オリゴヌクレオチドを同定する方法はまた、HBV核酸供給源として、HBV遺伝子型A陽性血漿のストックも使用した。試験を受けた各オリゴヌクレオチドには、オリゴ(dA)テール配列に連結されたHBV特異的配列が含まれた。機能する捕捉オリゴヌクレオチドは、HBV標的およびオリゴ(dT)を展示する磁気粒子と組み合わせると、HBV DNAおよび粒子を架橋し、それによってHBV標的を固定した。微粒子複合体を溶液から除去することは、HBVテンプレートを濃縮する手段に相当した。以下に記載する方法において、捕捉オリゴヌクレオチドをHBV DNAおよびオリゴ(dT)で修飾した磁気粒子と接触させた。収集した粒子を洗浄し、結合したHBV配列をin vitro核酸増幅反応で増幅し、そして生じた増幅産物を均質保護アッセイにおいて検出した。陽性結果によって、捕捉オリゴヌクレオチドが、標的捕捉工程中、磁気粒子上にHBV DNA標的を固定し、そして増幅工程および検出工程が成功であったことが示された。
【0117】
以下の実施例は、候補HBV捕捉オリゴヌクレオチドを試験するのに用いる方法を記載する。この方法で記載するHBV特異的標的捕捉、増幅プライマー、およびプローブに加えて、該反応にはまた、HIV−1およびHCV解析物に特異的な上述のオリゴヌクレオチドも含まれた。HIV−1およびHCVオリゴヌクレオチドは、HBV解析物の検出に実質的には寄与しなかった。
【0118】
(実施例3)
異なる捕捉オリゴヌクレオチドを用いたHBV標的配列の検出
500μlの体積を有し、そして6〜20コピーのHBVゲノムを含有する、HBV感染血漿試料を、総量1.6pmolの捕捉オリゴヌクレオチド(1.6pmolの単一の捕捉オリゴヌクレオチド、各0.8pmolの2つの捕捉オリゴヌクレオチド、または各0.53pmolの3つの捕捉オリゴヌクレオチドいずれか)、およびポリ(dT
14)に共有結合した0.7〜1.05μ常磁性粒子(Seradyn、インディアナ州インディアナポリス)約40μgを含有する溶解/捕捉試薬400μl中に分散させた。該方法に用いた捕捉オリゴヌクレオチドは、表4に示す配列を有した。溶解/捕捉試薬は、HIV−1内部増幅対照テンプレート、HIV−1およびHCV特異的捕捉オリゴヌクレオチド、並びに294mMラウリル硫酸リチウム、730mM塩化リチウム、および50mM水酸化リチウムを含有する100mM HEPES緩衝溶液をさらに含んだ。上述のように、配列番号71および配列番号80の配列を含むものを除いて、表4に示す各捕捉オリゴヌクレオチドには、HBV相補配列およびオリゴ(dA)テール領域間に、5’−TTT−3’スペーサー配列を配置した。特に、5’−TTT−3’配列の存在または非存在を除いて同一の配列を有するいくつかのオリゴヌクレオチドの試験は、実質的に類似の結果を生じ、それによって、スペーサー配列が任意であることが示された。混合物を55〜60℃に約15〜30分間加熱し、そして次いで、室温に冷却してハイブリダイゼーションを可能にした。Wangら、米国特許第4,895,650号に記載するものなどの方法を用いて、磁場を適用し、固定化捕捉オリゴヌクレオチドおよびHBV DNAを含有する粒子複合体を収集した。1mlの洗浄緩衝液(10mM HEPES、6.5mM NaOH、1mM EDTA、0.3%(v/v)エタノール、0.02%(w/v)メチル−パラベン、0.01%(w/v)プロピル−パラベン、150mM NaCl、0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム)で粒子を2回洗浄した。次いで、洗浄した粒子を、実施例2に記載する増幅試薬75μlに再懸濁した。この試薬には、塩、ヌクレオチド、リボヌクレオチド、HBV特異的プライマーとともに、HIV−1およびHCV標的配列を増幅可能なプライマーが含まれた。次いで、HBV標的核酸を増幅し、そして本質的に実施例1に記載するように、均質保護アッセイを用いて、増幅産物を検出した。内部対照単位複製配列に特異的なプローブと、またはHBV単位複製配列に特異的なプローブとハイブリダイズした際に陽性シグナルを生じる反応を、有効な実験とスコア付けした。有効な実験をHBV単位複製配列の存在に関して陽性と見なすためには、プローブハイブリダイゼーションを示す化学発光シグナルは、アッセイにおいて、50,000RLUを越えていなければならなかった。
【0119】
表7は、HBV特異的捕捉オリゴヌクレオチド(単数または複数)の同一性、および系がHBV配列を有効に増幅し、そして検出する能力と相関する試料結果を示す。増幅反応において、陽性結果を達成するため、HBV捕捉オリゴヌクレオチドは、増幅プライマーおよびプローブ(単数または複数)と協同で作用して、HBVテンプレート核酸を捕捉し、HBVテンプレート核酸を増幅し、そして次いで増幅した核酸を検出可能でなければならなかった。しかし、実験設計はまた、HIV−1およびHCV標的核酸を増幅するのに用いるプライマーが、HBVテンプレート核酸の捕捉、増幅および検出に実質的に干渉しないことも必要とした。したがって、陽性結果は、HBV特異的アッセイにおいてのみでなく、HIV−1およびHCV標的核酸を増幅可能なマルチプレックス反応の背景においても機能する、捕捉オリゴヌクレオチド、増幅プライマーおよび検出プローブの組み合わせを同定した。
【0120】
特に、この方法で用い、そして表7に列挙するプロモーター−プライマーは、T7プロモーターを含む全長配列によって同定される。しかし、プロモーター−プライマーのHBV相補部分は、ポリメラーゼ連鎖反応などの代替プロトコルによって増幅反応を行うための必須配列に相当し、プロモーター配列は場合によることが理解されるものとする。したがって、配列番号33〜49は、場合によるプロモーター配列を所持し、そして対応する配列番号16〜32は、それぞれの必須HBV相補配列に相当する。これらの後者のHBV相補配列は、HBV核酸を増幅する、相対する鎖のプライマーと組み合わせて有用である。
【0121】
表7
異なる組み合わせの捕捉オリゴヌクレオチド、増幅プライマーおよび検出プローブを用いたHBV検出の効率
【0122】
【表7A】
【0123】
【表7B】
【0124】
【表7C】
【0125】
表7に示す結果によって、捕捉オリゴヌクレオチド、増幅プライマーおよび検出プローブの特定の組み合わせが、他のものより実質的により優れた結果を生じることが確認された。例えば、配列番号23のHBV相補配列を含有するプロモーター−プライマー(すなわち配列番号40)および配列番号15の相対する鎖のプライマーは、20コピーのHBVテンプレートしか含有しない増幅反応の100%で陽性結果を生じることが可能であった。これらのプライマーは、HBV核酸を増幅するのに特に好ましい組み合わせに相当する。同様に、配列番号54の上述のプローブ、並びに配列番号50および配列番号57のプローブの組み合わせは、非常に効率的な方式で、HBV単位複製配列を検出可能であった。これらの配列を有するプローブ、またはこれらに相補的な配列を有するプローブが、HBV核酸を検出するのに好ましい。
【0126】
表7に示す結果によって、捕捉オリゴヌクレオチド、増幅プライマーおよび検出プローブの特定の組み合わせが、マルチプレックス増幅系において、相乗的に働くことがさらに示された。例えば、配列番号74および配列番号86の捕捉オリゴヌクレオチド、配列番号15の増幅プライマー、並びに配列番号23のHBV相補配列を含有するプロモーター−プライマー(すなわち配列番号40)を、配列番号50および配列番号57のプローブとともに用い、20コピーのHBVテンプレート核酸を用いて行った試験に関して示した結果によって、これらのプライマーおよびプローブが各々、有効な実験の100%で、HBVテンプレート核酸を増幅し、そして検出することが可能であることが立証された。HBVテンプレート核酸20コピーを含有する反応において、同一プライマーおよびプローブを、配列番号71および配列番号80に同定する捕捉オリゴヌクレオチドの1つのみと組み合わせて用いると、有効な実験のわずか約30%でしか陽性結果が達成されなかった。しかし、配列番号71および配列番号80の配列を含む捕捉オリゴヌクレオチドを、互いに組み合わせて用いると、各オリゴヌクレオチドが、単一の捕捉オリゴヌクレオチドのみを有する試験で用いた総量の半分しか存在しなくても、100%に近づく、劇的により高い結果が達成された。これによって、インプット標的が非常に低いレベルであっても、アッセイ試薬の特定の組み合わせが、予期されぬ、優れた結果をどのように生じるかが立証された。
【0127】
実施例4は、発明されたオリゴヌクレオチドの特定のセットを用いて、本明細書に記載する、異なる増幅アッセイが、異なる感度範囲にどのように特徴付けられたかを例示する方法を記載する。この方法からの知見によって、増幅反応で用いたテンプレートのレベルが特定の閾値を越えた場合、増幅アッセイにおいて、100%の陽性HBV検出結果を得ることが可能であると確証された。以下に示す結果を本明細書の他の実施例の結果と比較することによって明らかであろうように、この閾値は、増幅反応に用いた特定の組み合わせのオリゴヌクレオチドに依存する。特に、この実施例に記載するアッセイは、配列番号57のプローブが検出工程に用いる唯一のプローブである場合であっても、HBV遺伝子型A〜Gを検出した。
【0128】
(実施例4)
HBV核酸の検出
HIV−1およびHCV配列を増幅するのに必要なプライマーを省いたことを除いて、本質的に先行する実施例に記載するように、核酸増幅反応を行った。この方法に用いる捕捉オリゴヌクレオチドには、配列番号71および配列番号80のHBV相補配列が含まれた。増幅プライマーには、配列番号22および配列番号23の配列が含まれ、これらの配列は各々、その5’端に付加されたT7プロモーター配列を有した。プロモーター・プライマーの全長配列を、配列番号39および配列番号40に示した。相対する鎖のプライマーは、配列番号15および配列番号11に示す配列を有した。該方法で用いるアクリジニウムエステル標識プローブは、上述のような、配列番号50および配列番号57に示す配列を有した。ビリオン含有血漿500μlアリコットを、上述の界面活性剤溶解および標的捕捉法に供した。やはり上述の方法を用いて、増幅反応を行い、そして増幅産物を検出した。この方法でプロセシングした試料のビリオン濃度は、0〜100EU/mlの範囲であり、1EUはHBVゲノムおよそ3コピーに相当する。増幅反応におけるHBV標的配列の陽性検出を、本質的に先行する実施例に記載するように、評価した。
【0129】
表8に示す結果によって、300コピーのHBVテンプレートを用いて行った反応の100%が陽性結果を生じ、そして反応あたり、75〜150コピーの間のあるレベルでは、95%の陽性が達成されることが示された。重要なことに、配列番号15として同定するプライマーの非存在下で増幅反応を行うと、実質的に類似の結果が得られた。したがって、HBV核酸を増幅するのに好ましいプライマーの組み合わせは、配列番号22、配列番号23、および配列番号11に示すHBV相補配列を有し、配列番号15のプライマーは任意であった。HBV増幅産物を検出するのに好ましいプローブ組成物には、配列番号57のプローブが含まれ、配列番号50のプローブをさらに包含するかどうかは、任意であった。
【0130】
表8
感度試験は、アッセイにおいて検出されるテンプレートレベルの範囲を確立する
【0131】
【表8】
【0132】
明記したレベルのインプット・テンプレートでは高レベルのHBV検出を生じなかった、表6および表7に列挙するプライマーの組み合わせであっても、テンプレートの量が十分に高ければ、100%検出可能に近づくレベルで、HBV含有試料を同定可能であったことが、表8の結果によってさらに確認された。これらの知見に基づいて、インプット・テンプレートの量が反応あたり6〜20コピーの範囲であった場合に、少なくともHBV検出のある程度の測定値を生じたプライマーの組み合わせは、in vitroでHBV核酸を増幅するための方法において、有用であると見なされると結論付けられる。いくつかの状況において、非常に高感度のアッセイを生じるプライマーの組み合わせを用いることが望ましい可能性があるが、他の状況では、いくぶんより低い感度によって特徴付けられるアッセイを用いることから利益が得られる可能性もある。したがって、表6および表7で測定可能な結果を生じる、本明細書に開示するプライマーの組み合わせいずれかは、HBV核酸増幅アッセイの構成要素として使用可能であり、そして本発明の範囲内に属する。
【0133】
実施例5は、先行する実施例の定性的アッセイをどのように定量形式に適応可能であるかを例示する。3つのHBV遺伝子型A陽性対照のスパイク回収は、アッセイ性能の定量的評価を提供した。該アッセイは、その開示が本明細書に援用される米国特許第6,294,338号記載の偽標的の使用に頼る。RNAまたはDNA偽標的いずれを定量的アッセイに使用することも可能であるが、以下の方法は、RNA偽標的を用いて行われた。
【0134】
(実施例5)
HBVを測定する定量的アッセイ
定量的アッセイに用いたオリゴヌクレオチド構成要素は、配列番号50のプローブを省いたことを除いて、先行する実施例に用いた試薬と同一であった。各増幅反応には、約80x10
6コピーに対応する量の配列番号97の配列を有するRNA偽標的がさらに含まれた。380〜12,000HBV IU/mlの範囲の濃度を有するHBV遺伝子型A標準物質を、別個の反応において、HBVテンプレートの供給源として用いて、標準曲線を生じた。実質的に上に記載するように、60分間の期間、TMA反応を行った。1:6.25の比のアクリジニウムエステル標識種および非標識種の組み合わせとして、配列番号57の上述のプローブを使用する、標準的均質保護アッセイを用いて、増幅したHBV配列の検出を行った。非標識プローブの使用によって、すべての化学発光シグナルが、特異的にハイブリダイズしたプローブを測定する照度計の信頼可能な反応範囲内に属することが可能になった。偽標的単位複製配列は、この方法で用いたプローブによっては検出されなかった。
【0135】
図2に示す結果によって、定量的アッセイが、0〜12,000IU/mlの広い範囲のHBV濃度に渡って、インプットHBVテンプレートの量およびハイブリダイゼーションシグナル強度間の実質的に線形の関係をどのように生じるかが示された。このアッセイの検出下限は、単一増幅反応において、HBV核酸約1IU/ml、または1〜2コピーであった。したがって、この定量的アッセイは、非常に高感度であり、そして非常に広い範囲に渡って正確な方式で、HBV濃度、またはテンプレートコピー数を測定する能力を有した。
【0136】
実施例6は、TMA反応における第二のプロモーター−プライマーの使用が、どのように、異なるHBV遺伝子型の検出可能性に陽性に影響を及ぼしうるかを立証する方法を記載する。この方法で記載するHBV特異的標的捕捉オリゴヌクレオチド、増幅プライマー、およびプローブに加えて、該反応にはまた、HIV−1およびHCV解析物に特異的な上述のオリゴヌクレオチドも含まれた。HIV−1およびHCVオリゴヌクレオチドは、HBV解析物の検出に実質的には寄与しなかった。
【0137】
(実施例6)
HBV遺伝子型の改善された検出可能性
Millenium Biotech,Inc.(フロリダ州フォート・ローダーデール)またはBoston Biomedica(マサチューセッツ州ウェストブリッジウォーター)から、遺伝子型決定されたHBV含有試料(遺伝子型A〜F)を得た。製造供給元の解析証明書によって、定量値が提供され、そしてこの値は、AMPLICOR HBV MONITORアッセイ(Roche Diagnostics Corp.)からの結果に基づいた。HBV遺伝子型Gビリオンを含有する血漿試料がないため、配列番号87を含む捕捉オリゴヌクレオチドを除いて、すべての相当するオリゴヌクレオチドに対応するHBV遺伝子型G核酸配列を含む、一本鎖M13クローンが、この遺伝子型の配列を増幅する方法のテンプレートとして働いた。陰性ヒト血漿を用いた患者血漿試料の連続希釈によって、パネルメンバーを作成した。内部対照を含有する、標的捕捉試薬(配列番号73、配列番号80および配列番号87のHBV相補配列を有する上述の捕捉オリゴヌクレオチドを、磁気粒子とともに含有する、HEPES緩衝界面活性剤溶液)400μl、および各標本またはパネルメンバー500μlを、手動で、10試験管単位(TTU)にピペッティングした。標的捕捉試薬および標本を添加した後、TTUをボルテックスし、そして60℃の水槽中、20分間インキュベーションし、その後、室温(15〜30℃)で14〜20分間インキュベーションした。次いで、TTUのラックを磁気分離ベイに9〜20分間入れた。各試験管から液体を吸引し、そして次いで、1mlの洗浄溶液と交換した。ラックをボルテックスし、そして再び分離ベイに4〜10分間入れた。各試験管から洗浄溶液を吸引し、そして洗浄工程および分離工程を反復し、最後の吸引で終えた。最終吸引工程後、75μlの増幅試薬(Tris緩衝溶液中の2つの異なるプライマー配合物の1つ、dNTP類、NTP類および補助因子を含む)を各試験管に添加した。プライマー配合物Aには、配列番号23のHBV相補配列を有するプロモーター−プライマー(すなわち配列番号40)とともに、配列番号15および配列番号11に同定する、相対する鎖のプライマーが含まれた。プライマー配合物Bには、配列番号26のHBV相補配列を有するプロモーター−プライマー(すなわち配列番号43)がさらに含まれた。各混合物に200μlの不活性油を上層して、増幅工程中の蒸発を妨げ、そしてTTUのラックをボルテックスして、微小粒子を再懸濁した。25μlの酵素試薬(HEPES/Tris緩衝溶液中のMMLV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼ)を添加する前に、ラックを水槽中、60℃で10分間インキュベーションし、その後、41.5℃で9〜20分間平衡化した。酵素試薬を添加した直後、TTUのラックをインキュベーターから取り出して、そして震蘯して混合した。次いで、ラックを水槽中、41.5℃で60分間インキュベーションした。増幅後、コハク酸緩衝界面活性溶液中、配列番号54の上述のアクリジニウムエステル標識プローブを含むプローブ試薬100μlを各試験管に添加し、ボルテックスし、そして水槽中、60℃で15分間インキュベーションした。プローブハイブリダイゼーション工程の完了後、250μlの選択試薬(界面活性剤を含むホウ酸緩衝溶液)を各試験管に添加した。試験管をボルテックスし、そして次いで、60℃で10分間インキュベーションした。60℃の水槽から取り出した後、TTUのラックを水槽中、19〜27℃に10〜75分間冷却し、そして次いで、0.1%過酸化水素および1mM硝酸の溶液200μl;および1N NaOH 200μlを自動的に注入するよう設定したLEADER HC+照度計(Gen−Probe Incorporated;カリフォルニア州サンディエゴ)に入れた。反応性を決定するため、各100試験管実験に含まれる陽性標準物質および陰性標準物質から生成したカットオフ値に、生じた化学発光を比較した。各標本反応のアッセイ性能を監視するため、標的捕捉試薬中に含有される内部対照を各試験標本に添加した。内部対照は、HIV−1の一部および内部対照プローブに標的とされるユニークな配列を含有する、in vitro合成転写物からなった。各反応中の内部対照シグナルは、異なる標識を持つプローブからの光放出の動力学が異なることによって、HBVシグナルとは区別された。迅速に光を放出させるプローブを用いて内部対照増幅産物を検出し、一方、より遅い光放出動力学を持つプローブを用いて、HBVに特異的な単位複製配列を検出した。照度計からのインプットを受け取ったソフトウェアは、2つのシグナル間を識別した。これらの方法の結果を表9に示す。
【0138】
表9
HBV遺伝子型の改善された検出可能性
【0139】
【表9】
【0140】
表9に示す結果に示すように、2つのプロモーター−プライマーを含むプライマー配合物は、50コピーレベルで異なるHBV遺伝子型各々を含有する試料の100%において、好適にHBVを検出した。これは、1つのプロモーター−プライマーしか含まない増幅反応において、HBV遺伝子型B、C、D、EまたはGテンプレートを同じテンプレートコピーレベルで用いた場合には、あてはまらなかった。単一のプロモーター−プライマーおよびクローニングしたHBV遺伝子型Gテンプレートを用いて行ったTMA反応で得た陰性結果は、完全に一本鎖であるテンプレートを使用したための人為的結果であった。HBV遺伝子型Gビリオンをテンプレート供給源として、そしてプライマー配合物Bをプライマー供給源として用いて行った別個の試験では、15コピー/反応および50コピー/反応の両方で、100%の検出可能性を生じた。HBV遺伝子型A〜Gの核酸を非常に高感度な様式で増幅することが望ましい場合、反応において、2つの第一鎖プライマーおよび少なくとも1つの第二鎖プライマーを用いることが好ましい。特定の例において、HBV遺伝子型A〜Gの核酸を非常に高感度のTMA反応において増幅することが望ましい場合、反応において、2つのプロモーター・プライマーおよび少なくとも1つの非プロモーター・プライマーを用いることが好ましい。もちろん、1つの上流プライマーおよび1つの下流プライマーのみを用いて、熱周期プロトコルに基づくin vitro核酸増幅反応、または新たに合成された核酸鎖をテンプレートから物理的に分離する工程を伴う方法を行うことも可能である。
【0141】
以下の実施例は、本明細書に開示するオリゴヌクレオチドの組み合わせを、HIV−1およびHCV核酸各々を非常に高感度な様式で検出することも可能なマルチプレックス反応でも使用可能であることを示す証拠を提示する。
【0142】
実施例7は、HIV−1に特異的なオリゴヌクレオチド、並びに本明細書に開示する増幅プロトコルおよび検出プロトコルを用いて、HIV−1標的核酸を検出する方法を記載する。
【0143】
(実施例7)
マルチプレックス増幅反応におけるHIV−1の検出
HIV−1 WHO標準サブタイプB(97/656)の試料を、陰性ヒト血漿中に希釈して、0〜300IU/mlの範囲のウイルス力価を生じた。次いで、配列番号100〜114のHIV−1特異的オリゴヌクレオチドとともに、配列番号115〜125のHCV特異的オリゴヌクレオチドおよびHBV特異的オリゴヌクレオチドを用いて、実施例2に記載する方法にしたがって、この希釈パネルの500μl試料を、標本プロセシング、標的捕捉、増幅および検出に供した。HIV−1特異的捕捉オリゴヌクレオチドは、配列番号113〜114の配列を有した。配列番号100〜101のHIV−1特異的プロモーター−プライマーは、それぞれ、上流プロモーター配列に付加された配列番号98〜99の必須HIV相補配列を有した。相対する鎖のプライマーは、配列番号102〜103の配列を有した。プローブは、配列番号106〜108の配列を有した。HCV特異的捕捉オリゴヌクレオチドは、配列番号124〜125の配列を有した。配列番号116のHCV特異的プロモーター−プライマーは、上流プロモーター配列に付加された配列番号115の必須HCV相補配列を有した。相対する鎖のプライマーは、配列番号117〜118の配列を有した。プローブは、配列番号120および122の配列を有した。この方法のHBV特異的オリゴヌクレオチドには、配列番号73、配列番号80および配列番号87のHBV相補配列を有する捕捉オリゴヌクレオチド;配列番号40、配列番号43、配列番号15および配列番号11の増幅プライマー;および配列番号54の上述のハイブリダイゼーション検出プローブが含まれた。配列番号40および43のHBV特異的プロモーター−プライマーは、それぞれ、上流プロモーター配列に付加された、配列番号23および26の必須HBV相補配列を有した。20の反復実験を行い、そして95%の信頼区間で95%検出可能性が測定された。方法の結果を表10に示す。
【0144】
表10
マルチプレックス増幅反応におけるHIV−1核酸の検出
【0145】
【表10】
【0146】
表10に示す結果によって、HCVおよびHBV核酸もまた検出可能なマルチプレックス反応において、HIV−1核酸が検出されることが明らかに示された。さらに、さらなる試験によって、このアッセイのHIV−1種/群検出可能性には、反応が100コピー/ml以上のHIV−1を含有している場合、100%陽性に近づくレベルのA、B、C、D、E、F、G、N群およびO群が含まれた。上に示すように、この方法で用いたHIV−1特異的オリゴヌクレオチドのコレクションを、HIV−1を検出する独立型アッセイで、あるいはHCVまたはHBVに特異的なオリゴヌクレオチドと組み合わせて二重アッセイを生成して、用いることも可能である。
【0147】
実施例8は、HCVに特異的なオリゴヌクレオチド、並びに本明細書に開示する増幅プロトコルおよび検出プロトコルを用いて、HCV標的核酸を検出する方法を記載する。
(実施例8)
マルチプレックス増幅反応におけるHCVの検出
HCV WHO標準遺伝子型I(96/790)の試料を、陰性ヒト血漿中に希釈して、0〜100IU/mlの範囲のウイルス力価を生じた。次いで、先の実施例に記載するオリゴヌクレオチドおよび方法を用いて、この希釈パネルの500μl試料を、標本プロセシング、標的捕捉、増幅および検出に供した。20の反復実験を行い、そして95%の信頼区間で95%検出可能性が測定された。方法の結果を表11に示す。
【0148】
表11
マルチプレックス増幅反応におけるHCV核酸の検出
【0149】
【表11】
【0150】
表11に示す結果によって、HIVおよびHBV核酸もまた検出可能なマルチプレックス反応において、HCV核酸が検出されることが明らかに示された。さらに、さらなる試験によって、反応が100コピー/ml以上のHCVを含有している場合、HCV遺伝子型1、1b、2b、2a/c、3、3e、4、4a、4b/c、5、5a、6、6aはすべて、100%陽性で検出されることが示された。上に示すように、この方法で用いたHCV特異的オリゴヌクレオチドのコレクションを、HCVを検出する独立型アッセイで、あるいはHIVまたはHBVに特異的なオリゴヌクレオチドと組み合わせて二重アッセイを生成して、用いることも可能である。
【0151】
実施例9は、HBVに特異的なオリゴヌクレオチド、並びに本明細書に開示する増幅プロトコルおよび検出プロトコルを用いて、HBV標的核酸を検出する方法を記載する。以下に提示する実験結果は、このアッセイの感度を定量的に例示する。
【0152】
(実施例9)
マルチプレックス増幅反応におけるHBVの検出
HBV WHO標準遺伝子型A(97/746)の試料を、陰性ヒト血漿中に希釈して、0〜45IU/mlの範囲のウイルス力価を生じた。次いで、実施例7に記載するオリゴヌクレオチドおよび方法を用いて、この希釈パネルの500μl試料を、標本プロセシング、標的捕捉、増幅および検出に供した。80の反復実験を行い、そして95%の信頼区間で95%検出可能性が測定された。方法の結果を表12に示す。
【0153】
表12
マルチプレックス増幅反応におけるHBV核酸の検出
【0154】
【表12】
【0155】
表12に示す結果によって、HIV−1およびHCV核酸もまた検出可能なマルチプレックス反応において、HBV核酸が検出されることが明らかに示された。さらに、HBV遺伝子型A〜Gの核酸はすべて、このアッセイで検出可能であった。上に示すように、この方法で用いたHBV特異的オリゴヌクレオチドのコレクションを、HBVを検出する独立型アッセイで、あるいはHIVまたはHCVに特異的なオリゴヌクレオチドと組み合わせて二重アッセイを生成して、用いることも可能である。
【0156】
上述の解析物検出系の汎用性をさらに例示するため、単位複製配列産生を、「リアルタイム」増幅法において、時間の関数として、監視した。増幅反応に含まれる単位複製配列特異的分子ビーコンは、単位複製配列合成を連続して監視する手段を提供した。時間とともに蛍光放出が増加することから、分子ビーコンにハイブリダイズし、そしてプローブの「開いた」コンホメーションへの検出可能な推移を引き起こす単位複製配列が産生されたことが示された。
【0157】
分子ビーコンは、標的相補ループ配列、標的の非存在下で相補塩基対形成によって相互作用して「ステム」構造(すなわち「閉じた」コンホメーション)を形成する親和性対(または核酸「アーム」)、およびプローブが閉じたコンホメーションにある際に相互作用する標識対のセットを含んでなる。標的核酸およびプローブの標的相補配列のハイブリダイゼーションは、親和性対のメンバーを分離させて、それによってプローブを開いたコンホメーションにシフトさせる。このシフトは、例えば蛍光体および消光剤であることも可能な、標識対のメンバー間の相互作用減少のため、検出可能である。分子ビーコンは、米国特許第5,925,517号に完全に記載され、該特許文書の開示は本明細書に援用される。
【0158】
商業的に入手可能なソフトウェアを用いて、HBV、HIV−1またはHCV単位複製配列に特異的な分子ビーコンを用いて得られる、時間に依存する結果を解析した。これらの解析物からの結果によって、増幅反応に含まれる標的コピー数、および蛍光シグナルがバックグラウンド閾値を越える時間(すなわちバックグラウンドを越える「発生時間」)の間に、強い線形の関係が示された。以下に提示する結果によって確認されるように、これらの方法は、非常に広い範囲に渡って、解析物標的量を定量化するのに有用であった。より具体的には、既知の量の解析物ポリヌクレオチドを標準物質標準として用いる場合、測定された発生時間を標準的プロットと比較することによって、試験試料に存在する解析物の量を決定することが可能である。
【0159】
増幅および検出が同時に行われるように、以下に記載する方法で用いる増幅反応が、一定の温度で、そして別個の検出工程のための中断を伴わずに行われる事実から、分子ビーコンには厳しい必要条件が課せられた。より具体的には、方法の成功は、単位複製配列が指数的増幅機構のテンプレートとして続いて使用されるのを阻害することなく、分子ビーコンが単位複製配列に結合することを必要とした。実際、分子ビーコンの存在下で、増幅反応が効率的に進行可能であるという知見によって、標的とプローブの相互作用が、増幅反応を不可逆的に阻害しないか、また損なわないことが示された。
【0160】
実施例10は、各々相互作用する蛍光体/消光剤対で標識された分子ビーコンプローブを用いて、TMA反応において、時間に依存する単位複製配列産生を監視する方法を記載する。この実施例に記載する分子ビーコンは、増幅した核酸産物の一方の鎖にしかハイブリダイズしないが、相補プローブ配列もまた、相対する核酸鎖にハイブリダイズすると予測され、そしてしたがって、本発明の範囲内に属する。
【0161】
(実施例10)
単位複製配列産生のリアルタイム監視
Perkin−Elmer(カリフォルニア州フォスターシティー)EXPEDITEモデル8909自動化合成装置上、3’消光剤連結調節孔ガラス(CPG)および5’蛍光体標識ホスホロアミダイトを用いて、標準的固相ホスファイトトリエステル化学反応によって、HBV、HIV−1またはHCV単位複製配列に結合特異性を有する分子ビーコンを合成した。分子ビーコンを構築するのに用いた蛍光体には、フルオレセイン、ROXおよびCY5色素が含まれた。BLACK HOLE QUENCHER2(Biosearch Technologies,Inc.;カリフォルニア州ナバト)およびDABCYLを消光剤として用いた。2’−メトキシヌクレオチド類似体を用いて、すべての分子ビーコンを構築した。Glen Research Corporation(バージニア州スターリング)から、CPGおよびホスホロアミダイト試薬を購入した。合成後、濃水酸化アンモニウム(30%)を60℃で2時間用いる処理によって、プローブを脱保護し、そして固体支持体マトリックスから切断した。次に、一般レベルの技術を有する当業者によく知られるであろう標準法を用いて、ポリアクリルアミド電気泳動後、HPLCを用いて、プローブを精製した。
【0162】
該方法で用いたHBV、HIV−1およびHCV核酸標的は、既知の濃度の人工的標的または合成標的であった。HBV標的は、各プライマーに対応するかまたは相補的な配列を含む、HBVゲノムの一部を含有する一本鎖M13クローンであった。HIV−1標的は合成転写物であった。HCV標的は、HCVゲノム配列を含むARMORED RNA(Ambion,Inc.;テキサス州オースティン)であった。ARMORED RNA(登録商標)技術は、特異的RNA配列およびウイルスコートタンパク質を偽ウイルス粒子に集合させることによって、リボヌクレアーゼ耐性RNA対照および標準を産生するために用いられる。分子ビーコンを約1.5pmol/反応のレベルで用いた。HBVを増幅する反応は、5x10
2〜5x10
9テンプレートコピー/反応を含有した。HIV−1を増幅する反応は、5x10
1〜5x10
6テンプレートコピー/反応を含有した。HCVを増幅する反応は、5〜5x10
8テンプレートコピー/反応を含有した。
【0163】
本質的に実施例2に記載するような塩および試薬、標的ポリヌクレオチド、並びに分子ビーコンを含む15μlの緩衝溶液を含有する試験管にまず、15μlの不活性油を上層して蒸発を妨げた。次いで、試験管を乾燥熱ブロック中、60℃で10分間インキュベーションして、プライマーアニーリングを促進した。HBV標的を増幅するプライマーは、配列番号23、配列番号26、配列番号15および配列番号11の標的相補配列を有した。HIV−1標的を増幅するプライマーは、配列番号99、配列番号100、配列番号103および配列番号102の標的相補配列を有した。HCV標的を増幅するプライマーは、配列番号115、配列番号117および配列番号118の標的相補配列を有した。特に、HBV特異的分子ビーコンを試験するのに用いた増幅反応には、3つの標的すべてを増幅するためのプライマーすべてが含まれた。HIV−1およびHCV特異的分子ビーコンを試験するのに用いた増幅反応には、これらの標的両方を増幅するためのプライマーがすべて含まれたが、HBV標的を増幅するためのプライマーは含まれなかった。もちろん、以下に記載する分子ビーコンはいずれも、いかなる組み合わせのプライマーを含む増幅反応でも使用可能であると意図される。60℃のインキュベーション工程に続いて、試験管を42℃の熱ブロックに移し、そして次いで10分間インキュベーションした。マルチチャネルピペッターを用いて、MMLV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼ酵素両方を含む酵素試薬の5μlアリコットを各試験管に添加した。試験管を簡単にボルテックスし、そして次いで、あらかじめ42℃に温めておいたROTORGENE−2000(Corbett Research;オーストラリア・シドニー)ローターに移した。42℃で増幅反応を行い、蛍光読み取りを30秒ごとに行い、そしてROTORGENE−2000装置とバンドリングされた標準的ソフトウェアを用いて、結果をリアルタイムで解析した。
【0164】
表13は、本発明の開発中に用いた、HBV特異的分子ビーコンの標的相補ループ配列を示す。分子ビーコンは各々、付加された5’CCGAGアーム配列、および付加された3’CUCGGアーム配列を含んだ。各プローブは、5’端にCY5蛍光体を、そして3’端にBLACK HOLE QUENCHER 2部分を含んだ。HBV特異的分子ビーコンはすべて、長さ12〜20ヌクレオチドであり、そして配列AAGAAGATGAGGCATAGCAGCAGGATGAAGAGGAA(配列番号126)内に含有される12〜20の隣接ヌクレオチドを含む、標的相補ループ配列を有し、ヌクレオチド類似体並びにRNA均等物およびDNA均等物の存在が可能であった。
【0165】
表13
HBV特異的分子ビーコンの標的相補ループ配列
【0166】
【表13】
【0167】
表14に示す結果によって、HBV特異的分子ビーコンの1つを含む増幅反応は、望ましいことに、時間とともに増加する蛍光シグナルを生じることが確認された。すべての結果は、3つ組で行う反応に基づいた。重要なことに、異なる分子ビーコンは、リアルタイムアッセイ形式で、いくぶん異なって振る舞った。例えば、配列番号127の標的相補ループ配列を有する非常に好ましい分子ビーコンを含む反応は、標的数が多いと迅速な検出を生じ、そして試験したインプット標的レベルのすべての範囲に渡って、対数プロット上、蛍光シグナルおよび標的量間に、強い線形の関係を生じた(
図3を参照されたい)。このプローブを用いて得られた発生時間の読み取りの変動計数(CV)は、3.2%以下であり、これによって、データ点間の正確さが非常に高レベルであることが示された。配列番号133の標的相補ループ配列を有する分子ビーコンを含む反応は、異なる反応特性を示し、低い標的レベルでのプローブ反応のため、試験した標的インプットレベルの範囲に渡って、いくぶん、より線形でなかった。この後者のプローブは、5,000コピーより多いHBVのHBV標的量を検出し、そして定量化するのに特に有用であろう。
【0168】
表14
異なる分子ビーコンの測定された発生時間
【0169】
【表14】
【0170】
「NT」=未試験
「ND」=検出されない
*=3回の反復実験のうち1回のみが反応性
**=3回の反復実験のうち2回のみが反応性
表15は、本発明の開発中に用いたHIV特異的分子ビーコンの標的相補ループ配列を示す。配列番号134の標的相補ループ配列を有する分子ビーコンは、付加された5’CCGAGアーム配列、および付加された3’CUCGGアーム配列を含んだ。このプローブは、5’端にROX蛍光体を、そして3’端にBLACK HOLE QUENCHER 2消光剤部分を含んだ。関連する分子ビーコンは、同一の標的相補ループ配列を有したが、全体の配列5’−CCGAGAGGGUACAGUGCAGGGGUCUCGG−3’(配列番号135)を有した。上述のHIV特異的分子ビーコンと比較すると、このプローブのアームは各々、該プローブの標的相補ループ配列にすぐ隣接した単一のさらなるヌクレオチドを含んだ。このプローブはまた、5’端にフルオレセイン蛍光体(ROXの代わり)を、そして3’端にDABCYL消光剤部分(BLACK HOLE 2 QUENCHER 2の代わり)も含んだ。配列番号136の標的相補ループ配列を有する分子ビーコンは、付加された5’CCGAGAアーム配列、および付加された3’UCUCGGアーム配列を含んだ。このプローブはまた、5’端にフルオレセイン蛍光体を、そして3’端にDABCYL消光剤部分も含んだ。これらの方法に用いた分子ビーコンは、長さ16〜17ヌクレオチドであり、そして配列GGGGTACAGTGCAGGGG(配列番号137)内に含有される16〜17の隣接ヌクレオチドを含む、標的相補ループ配列を有し、ヌクレオチド類似体並びにRNA均等物およびDNA均等物の存在が可能であった。
【0171】
表15
HIV特異的分子ビーコンの標的相補ループ配列
【0172】
【表15】
【0173】
表16に示す結果によって、HIV特異的分子ビーコンの1つを含む増幅反応は、望ましいことに、時間とともに増加する蛍光シグナルを生じることが確認された。配列番号134の標的相補ループ配列を含む分子ビーコンは、低い標的レベルで、迅速な検出を可能にした。このプローブを含む反応を3つ組で行い、そしてこの反応は、HIV−1標的の5x10
1〜5x10
5コピー/反応に渡る、少なくとも4対数の有用な動的範囲で、インプット標的レベルおよび蛍光シグナル間の強い線形の関係を示した。結果を表に示していないが、さらなる試験によって、この分子ビーコンを含む反応の動的範囲は、HIV−1標的の5x10
7または5x10
8コピー/反応までに渡ることが示された。配列番号135の配列を有する分子ビーコンは、発生時間に対するインプット標的量の対数グラフ上、二相性のプロットを示した。これらの反応を5つの反復実験で行い、HIV−1標的の5x10
3〜5x10
6コピー/反応の範囲で、インプット標的量および発生時間間の強い線形の関係が示され、そして5x10
1〜5x10
3コピー/反応の範囲で、いくぶんより弱い線形の関係が示された。この分子ビーコンは、リアルタイムアッセイにおいて、より高い範囲の標的量を定量化するのに特に有用であるが、HIV−1テンプレートの5x10
1〜5x10
6コピー/反応に渡る範囲を含む、少なくとも5対数の有用な動的範囲を示した。配列番号136の標的相補ループ配列を有する分子ビーコンを含む反応を3つ組で行い、そしてこの反応は、HIV−1標的の5x10
2〜5x10
5コピー/反応に渡る、少なくとも3対数の有用な動的範囲で、インプット標的レベルおよび蛍光シグナル間の強い線形の関係を示した。興味深いことに、この分子ビーコンを含む増幅反応は、他の2つのHIV特異的分子ビーコンいずれかを含む反応に比較した際、低い標的量を検出するのに、わずかに長い時間を必要とした。
【0174】
表16
異なる分子ビーコンの測定された発生時間
【0175】
【表16】
【0176】
「NT」=未試験
「ND」=検出されない
表17は、本発明の開発中に用いたHCV特異的分子ビーコンの標的相補ループ配列を示す。配列番号138の標的相補ループ配列を含む分子ビーコンは、付加された5’CCGAGGアーム配列、および付加された3’CCUCGアーム配列を含んだ。この分子ビーコンは、5’端にCY5蛍光体を、そして3’端にBLACK HOLE QUENCHER 2部分を含んだ。配列番号139の標的相補ループ配列を含む分子ビーコンは、付加された5’CCGAGアーム配列、および付加された3’CUCGGアーム配列を含んだ。この分子ビーコンは、5’端のフルオレセイン蛍光体で、そして3’端のDABCYL部分で標識された。配列番号140の標的相補ループ配列を含む分子ビーコンは、付加された5’CGGACアーム配列、および付加された3’GUCCGアーム配列を含んだ。この分子ビーコンは、5’端のCY5蛍光体で、そして3’端のBLACK HOLE QUENCHER 2部分で標識された。配列番号138、配列番号139および配列番号140の標的相補ループ配列を含むプローブの標的相補ループ配列を宿する分子ビーコンを、それぞれ、5回、3回および4回の反復実験で試験した。これらの方法に用いた分子ビーコンはすべて、長さ10〜14ヌクレオチドであり、そして配列TAGTATGAGTGTCGTGCAGCCTCCAGGACCCCCCCTCCCGGGAGAGCCATAGTGGTCTGCGGAACCGGTGAGTACACCGGAATTGC(配列番号141)内に含有される10〜14の隣接ヌクレオチドを含む、標的相補ループ配列を有し、ヌクレオチド類似体並びにRNA均等物およびDNA均等物の存在が可能であった。
【0177】
表17
HCV特異的分子ビーコンの標的相補ループ配列
【0178】
【表17】
【0179】
表18に示す結果によって、HCV特異的分子ビーコンの1つを含む増幅反応は、望ましいことに、時間とともに増加する蛍光シグナルを生じることが確認された。配列番号138の標的相補ループ配列を有する分子ビーコンを含む反応は、約6対数の有用な動的範囲を示し、HCVテンプレートの5x10
1〜5x10
7コピー/反応に渡る標的量範囲で、優れた結果が達成された。配列番号139の標的相補ループ配列を有する分子ビーコンを含む反応は、約7対数の有用な動的範囲を示し、HCVテンプレートの約5x10
1〜5x10
8コピー/反応の範囲で、優れた結果が達成された。配列番号140の標的相補ループ配列を有する分子ビーコンを含む反応は、約8対数の有用な動的範囲を示し、HCVテンプレートの約5〜5x10
8コピー/反応の全範囲に渡って、素晴らしい結果が達成された。
【0180】
表18
異なる分子ビーコンの測定された発生時間
【0181】
【表18】
【0182】
「NT」=未試験
*=3回の反復実験のうち1回のみが反応性
**=4回の反復実験のうち3回のみが反応性
本発明は、いくつかの特定の実施例およびその態様に関して記載されている。もちろん、前述の詳細な説明を概観すれば、本発明のいくつかの異なる態様が、一般の技術を有する当業者に示唆されるであろう。したがって、本発明の真の範囲は、付随する請求項を参照して、決定すべきである。