(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切断部材の刃先がウェブに当接して切り込みを開始するポイントが、前記ガイドロールと前記新コアとの最近接ポイントよりも回動方向手前に位置することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のウェブの切断装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態に係る切断装置は、巻取装置におけるウェブの巻き取りを旧コアから新コアへ切り替える際に、旧コアに架け渡されたウェブを切断する。ここで、「旧コア」とはウェブが満巻き状態等となって取り替えを要する巻取コアを意味し、「新コア」とはウェブが巻かれる前の巻取コアを意味する。この切断装置は、ウェブに当接してこれをガイド可能なガイドロールと、ガイドロールと同心の回動軸を有する切断部材と、切断部材を駆動する駆動部を備える。
【0013】
(1)接線方向に延びる刃の採用
切断工程に移行されると、ガイドロールが新コアと対向配置されるとともにウェブの片側面に当接する。このとき、ウェブはガイドロールと新コアとの隙間を通って旧コアに架け渡される状態となり、新コアに対しては非接触の状態を保つ。ガイドロールは、旧コアによる巻き取り最終工程においてウェブを搬送方向にガイドしつつ回転する。巻取コアの巻き替えは、旧コアおよび新コアを所定の回転速度で回転させた状態で連続的に行われる。つまり、巻き替えに際してウェブの巻き取りが中断されることがない巻継ぎが行われる。ガイドロールがウェブに当接した状態で切断部材が駆動されると、ガイドロールと新コアとの隙間を切断部材の刃がその延在方向に通過する。このため、ウェブの厚みに対して刃の動作ストロークを十分に大きくとることができ、その刃を延在方向に振り抜くような形でウェブを容易に切断することができる。
【0014】
ガイドロールは、切断部材の回動軸に回転自在に支持される。ガイドロールは、その回転軸に軸受を介して取り付けられてもよい。切断工程においては、移動機構がその回動軸を退避位置から作動位置に移動させ、ガイドロールをウェブに当接させる。このとき、切断部材の刃先がウェブから離間した状態が維持されるため、ウェブの表面が傷つけられることはない。駆動部は、ガイドロールがウェブに当接した状態で切断部材を切断方向に回動させる。このように、ウェブの切断に際してガイドロールを切断箇所の近傍に位置させることで、ウェブに適度なテンションを与えつつ安定した切断を実現することができる。
【0015】
切断部材は、ガイドロールの同心円に沿って延びる円弧状とされるのが好ましい。このようにすれば、ガイドロールと新コアとの隙間を小さくしても、その同心円を適切に設定することにより、刃が延在方向にその隙間を容易に通過することができる。言い換えれば、刃の動作ストロークを十分に維持しつつ、ガイドロールと新コアとを近づけることができる。その結果、ウェブの切断位置と新コアとを近接させることができ、切断されたウェブの先端部を速やかに新コアに貼り付けることができる。
【0016】
より具体的には、切断部材の刃先がウェブに当接して切り込みを開始するポイントが、ガイドロールと新コアとの最近接ポイントよりも回動方向手前に位置するようにしてもよい。ウェブの切断過程においてもウェブの搬送は継続されるため、このように構成することで、ウェブの切り込みが進むにつれてその先端部を新コアに近づけることができる。切断完了ポイントが最近接ポイントにほぼ一致するように調整すれば、切断されたウェブの先端部を新コアに対して最も近接させた状態でその新コアに向けて押しやることができ、効率的にウェブを貼り付けることが可能となる。
【0017】
切断部材の刃は、その刃先が尖るとともに刃元に向けてエッジ面が形成された形状を有するのが好ましい。このように尖った刃先とすることで、ウェブの厚みが大きくても容易に切り込むことができる。そして、その切り込みが進むにつれてその切り込み箇所がウェブの幅方向に移動するようになる。これにより、あたかもウェブの幅方向にランニングカッターを動作させたような作用を得ることができる。具体的には、刃先から刃幅方向両側にエッジ面を形成するノコ刃を連続的に設ける態様とするのが好ましい。
【0018】
(2)切断部材と押圧部との一体化
また、本実施形態のウェブの切断装置においては、切断部材の刃の切断駆動方向後側に押圧部が一体に設けられる。この押圧部は、切断部材によるウェブの切断動作に連続するようにそのウェブの先端部を新コアの外周面に対して押圧する押圧面を有する。押圧部は、切断部材に一体成形されてもよいし、別体にて構成され、切断部材に一体に組み付けられるものでもよい。本実施形態においては、ウェブの切断完了と同時又はその後速やかに押圧部による押圧が開始される。このようにウェブの切断と押圧を連続させることにより、切断されたウェブの先端部に折れ込みが発生することを確実に防止できるようになる。
【0019】
押圧部は、刃の切断駆動方向後側に一体に固定された弾性体からなるのが好ましい。弾性体により適度な圧着力を付与することができ、また押圧部と新コアとの位置関係に微小な誤差があったとしても、これを吸収できるからである。なお、変形例においては、押圧部を切断部材の刃と同じ材質(例えば金属)にて構成し、これらを一体成形してもよい。その場合、切断部材の刃を回動軸を中心とする円弧状に構成する場合には、押圧部をその刃よりもやや大きい外接円を有する円弧状に構成するとよい。
【0020】
なお、変形例においては、切断部材の刃をフラットに構成し、新コアの接線方向に刃先を向けてその接線方向に並進駆動してもよい。その場合、押圧部もフラットとし、最近接ポイントにおける押圧面と新コアとの距離が、刃と新コアとの距離よりも小さくなるように構成するとよい。
【0021】
駆動部は、切断工程における新コアの接線速度よりも切断部材の移動速度を大きくする。これにより、ウェブの切断箇所に押圧部が速やかに追いつき、ウェブの先端部を新コアに確実に貼り付けることができる。好ましくは、切断部材によるウェブの切断完了位置と、押圧部による押圧開始位置とがほぼ等しくなるよう、刃と押圧部との位置関係および切断部材の移動速度が定められるのがよい。
【0022】
押圧部は、切断部材の移動とともにウェブに当接する押圧位置が移動するよう、所定長さの押圧面を有するのがよい。このようにすれば、ウェブの先端部を所定範囲にわたって新コアに連続的に貼り付けることができ、その貼り付け強度も確保される。その結果、その後の新コアへの巻き取りがより安定に行えるようになる。
【0023】
より具体的には、切断部材および押圧部が、共通の回動軸を中心とする円軌道に沿って駆動される円弧状の本体を有してもよい。そして、最近接ポイントが回動軸と新コアの回転軸とを結ぶ直線上に位置し、押圧部は、最近接ポイントにてウェブを新コアに押圧するようにしてもよい。
【0024】
[実施例]
以下、図面を参照しつつ本発明を具体化した実施例について説明する。まず、切断装置が適用されるウェブの巻取装置の概要について説明する。
図1および
図2は、実施例に係るウェブの巻取装置を模式的に表す図である。
図1は巻取工程の様子を示し、
図2は巻替工程(切断工程)の様子を示す。
【0025】
図1に示すように、巻取装置10は、装置本体12および巻替装置14を備える。巻取装置10は、製膜ラインの最終工程にて用いられ、その上流工程から連続的に送られてくるウェブWを巻き取り、ウェブロールとして製品化する。本実施形態ではウェブWの材質としてポリエチレンを採用し、その厚みが100〜300μmの範囲となるように製膜される。なお、変形例においてはその他のプラスチックフィルム、紙、金属泊等により基材シートを形成してもよく、その厚みも適宜設定することができる。
【0026】
装置本体12は、ターレット式の巻取機として構成され、支持アーム16とガイドアーム18とが支柱20に回転自在に支持されている。支持アーム16とガイドアーム18とは互いに90度をなすように固定され、十字状のターレットアームを構成する。支柱20には回転軸22が設けられ、そのターレットアームの中央部が固定されている。
【0027】
支持アーム16の両端部には巻取軸24がそれぞれ設けられている。各巻取軸24には、巻取コア26a,26bが着脱可能に取り付けられる。支持アーム16は、ウェブWの巻取制御時には水平に保持され、巻替装置14に近い側の巻取コアにウェブWが巻き取られる。ここでは便宜上、巻替装置14に近い側の巻取コアの保持位置を「巻取位置」、巻替装置14に遠い側の巻取コアの保持位置を「待機位置」とも称す。各巻取軸24には、これを回転させる図示しないモータがそれぞれ設けられる。これらのモータは、駆動回路を備え、図示しない制御部により駆動される。巻取位置の近傍には、その巻取位置にて回転する巻取軸24の回転数を検出するための回転センサが設けられている。
【0028】
巻取制御中の巻取コアが満巻きになると、支持アーム16が回転軸22を中心に180度回転され、巻取位置にあった満巻きの巻取コアと待機位置にあった空の巻取コアとが切り替えられ、ウェブWの巻き替えが行われる。ここでは便宜上、図示の状態を参照して巻取コア26aを切り替え元である「旧コア26a」とも称し、巻取コア26bを切り替え先である「新コア26b」とも称す。旧コア26aから新コア26bへの巻き替えは、その過程で旧コア26aの回転を停止させることなく行われる。つまり、旧コア26aの最終段階の巻き取りを継続させつつ、新コア26bを適度な速度で回転させながら連続的に巻き替えるよう制御がなされ、巻き取り制御の中断がない。すなわち、巻き替えに際して製膜ラインを逐一停止させる必要がなく、巻き取り処理を効率良く進められるようにされている。待機位置に移動された満巻きの旧コア26aは、別の新コアに交換される。
【0029】
なお、ここでいう「満巻き」とは、巻取コアに巻回されたウェブWの径が予め設定された値(製品径)となった状態をいう。制御部は、予め入力された巻取コアの径やウェブWの厚みの情報、および回転センサにより検出される巻取軸24の回転数情報に基づいて現在のウェブWの径を算出し、満巻きと判定したときに巻き替え処理を実行する。なお、新コア26bの外周面には、図示しない両面テープが予め貼り付けられており、ウェブWを当接させることによりその貼り付けが可能とされている。
【0030】
ガイドアーム18の両端部には、それぞれガイドロール28が取り付けられている。このガイドロール28は、巻き替えに際してターレットアームが回転されたときに、旧コア26aに架け渡されたウェブWのテンションを適度に維持しつつ、その後の切断工程に向けてウェブWの延在方向を適切に保持する。
【0031】
巻替装置14は、フレーム30にて切断装置32、タッチロール34、複数のガイドロール36等を支持するようにして構成される。切断装置32は、巻取コアの切り替えに際して旧コア26aに架け渡されたウェブWを切断する装置である。複数のガイドロール36は、ウェブWの製膜ラインに沿って配置され、ウェブWの搬送方向を規定するとともにそのテンションを適切に保持する。タッチロール34は、巻取工程においては巻取コアに巻回されるウェブWの外周面に一定の圧力で当接して安定した巻き取り処理を維持する一方、切断工程においてはウェブWの延在方向を切断に好適に保持する。
【0032】
切断装置32は、切断部材40、ガイドロール44、およびそれらを支持する一対の支持アーム46を含む。一対の支持アーム46は、フレーム30の幅方向(図の奥行き方向)に離間して設けられ、切断部材40の回動軸42の一端側および他端側をそれぞれ支持する。支持アーム46はL字状の本体を有し、その基端部が取付軸48を介してフレーム30に揺動自在に取り付けられている。支持アーム46の先端部に回動軸42が回動可能に支持されている。
図2にも示すように、各支持アーム46は、フレーム30に支持された一対のエアシリンダ50により、図中点線にて示す退避位置と実線にて示す作動位置との間で進退駆動される。
【0033】
すなわち、
図2に示すように、巻替工程において旧コア26aと新コア26bとが切り替えられると、切断工程に移行されて支持アーム46が作動位置に駆動される。それにより、ガイドロール44が新コア26bと近接して対向配置される。このとき、ガイドロール44がウェブWの上面に所定のテンションにて当接し、巻き取りによるウェブWの移動にしたがって回転する。ただし、この状態ではウェブWと新コア26bとの間に十分な隙間が形成されるため、ウェブWが切断開始前に新コア26bに貼り付くことはない。このガイドロール44の当接により、ウェブWがタッチロール34とガイドロール44との間に張設される形となる。すなわち、ウェブWの切断前にその切断対応部の長さを短くすることができ、後述する切断処理を安定に実行することが可能となる。
【0034】
次に、切断装置32の構成について詳細に説明する。
図3は、切断装置32の主要部周辺の構成を表す図である。
図4は、切断部材40およびその周辺構成を示す図である。(a)は切断部材40の側面図であり、(b)は(a)のA方向矢視図であり、(c)は(a)のB方向矢視図である。
【0035】
図3に示すように、切断部材40は、断面円弧状で図の奥行き方向に延びる刃52と、その刃52の両端部をそれぞれ支持する一対のホルダ54を含む。各ホルダ54は、一対の支持アーム46にそれぞれ回動可能に支持されている。刃52のホルダ54とは反対側面には、押圧部材56が設けられている。押圧部材56は、弾性体(例えばゴム)からなり、刃52の刃先近傍を除く形でその全長にわたって貼り付けられている。このため、押圧部材56も図示のように断面円弧状をなしている。ホルダ54には、回動軸42を軸線とする円形のギヤ58が固定されている。
【0036】
図4に示すように、刃52は、その先端側端縁に沿ったノコ刃とされ、その刃先が尖るとともに刃元に向けて幅方向両側にエッジ面52aが形成された鋭利な形状を有する。本実施形態では、刃52の刃先から刃元までの高さhが15mmとされている。また、刃52の厚みが2mm、押圧部材56の厚みが8mmとされている。刃52は、ホルダ54と押圧部材56とに挟まれる本体部57と、本体部57の先端から接線方向に延出する刃部59とを含む。本体部57は、回動軸42を中心とする円(ガイドロール44との同心円)に沿う円弧形状を有する。刃部59はフラットに構成されるが、刃52を全体としてみればほぼ円弧状となっている。
【0037】
一方、ガイドロール44は、図示しない軸受を介して回動軸42に回動自在に支持されている。すなわち、ガイドロール44は、切断部材40と同心の回転軸を有するが、切断部材40とは独立に回転可能とされている。ギヤ58は、ホルダ54の外側にて回動軸42に固定されている。
【0038】
図3に戻り、支持アーム46には、切断部材40を駆動するための切断駆動装置60が設けられている。切断駆動装置60は、エアシリンダ62と駆動ギヤ64を含む。エアシリンダ62は、その本体が支持アーム46に固定され、その本体に対して作動ロッド66が進退駆動される。駆動ギヤ64は扇形状をなし、支持アーム46に固定された回動軸68を中心に回動可能に支持されている。駆動ギヤ64は、その中央部が回動軸68に支持され、その回動軸68を挟む一方の側の端部(扇形の中心である基端部)が作動ロッド66の先端部に回動自在に連結され、他方の側の端縁部(扇形の周縁である先端部)がギヤ58と噛合している。
【0039】
このような構成により、エアシリンダ62が作動すると、駆動ギヤ64が図中破線にて示す待機位置から実線にて示す作動位置に動作し、ギヤ58を図中反時計方向に回動させる。それにより、切断部材40が図中破線にて示す退避位置から実線にて示す切断位置に駆動される。エアシリンダ62の作動をオフにすると、駆動ギヤ64が逆方向に動作し、それにより切断部材40が退避位置に戻される。
【0040】
次に、切断装置32による切断工程について説明する。
図5は、切断工程における切断処理を模式的に示す斜視図である。(a)はウェブWの切断前の状態を示し、(b)は切断後の状態を示している。
図6は、切断工程における切断部材40の軌跡を示す拡大図である。
図7および
図8は、切断過程の詳細を表す図である。
図7(a)〜(d)は、切断処理開始から切断が完了するまでの動作過程を示す。
図8(a)〜(f)は、切断直前から直後の動作過程をより詳細に示している。
【0041】
図5(a)に示すように、切断工程においてはまず、支持アーム46(
図2参照)が退避位置から作動位置に駆動され、ガイドロール44が新コア26bと間にウェブWを介在させるようにして対向配置される。このとき、ガイドロール44は、ウェブWの片側面(上面)に当接し、そのウェブWを旧コア26a(
図2参照)による巻き取り方向へガイドする。すなわち、旧コア26aの巻き取りによるウェブWの搬送にしたがってガイドロール44が回転する。新コア26bは、旧コア26aと等速度で回転する。
【0042】
一方、切断部材40は、支持アーム46の移動により回動軸42が定位置に停止するまでは待機位置に保持され、刃52がウェブWから離間した状態を維持するが、回動軸42がその定位置に停止すると、
図5(b)に示すように、所定タイミングで回動される。このとき、切断部材40の回動速度が旧コア26aおよび新コア26bの回転速度(つまりウェブWの搬送速度)よりも大きくされるため、刃52がウェブWに切り込み、これを切断することができる。本実施形態では、切断工程においてウェブWの搬送速度が60〜100m/minとなり、刃52の移動速度(接線速度)がその2〜3倍となるように、切断部材40および新コア26bの各回転速度が設定されている。
【0043】
図6に示すように、切断部材40は、ガイドロール44と同心の回動軸42を有し、その同心円のほぼ接線方向に延びる刃52を有する。刃52は、その同心円に沿って延びる円弧状をなす。切断工程において切断部材40が回動されると、ガイドロール44と新コア26bとの隙間を刃52がその延在方向に通過する。このとき、刃52は、新コア26bとの最近接ポイントPを新コア26bのほぼ接線方向に通過する。なお、最近接ポイントPは、切断部材40の回動軸42と新コア26bの巻取軸24とをつなぐ直線上に位置する(破線参照)。
【0044】
押圧部材56は、刃52の回動方向後側に一体に設けられ、その外周面がウェブWを新コア26bに対して押圧するための押圧面となる。その押圧面は、切断部材40の回動とともにウェブWに当接する押圧位置が移動するよう円弧形状をなしている。
【0045】
図示のように、刃52の刃先の軌道(一点鎖線参照)よりも押圧部材56の押圧面の軌道(二点鎖線参照)のほうがやや径方向外側に位置するようになる。最近接ポイントPにおいて、押圧部材56の押圧面と新コア26bの外周面との間隔Dが所定値となるよう回動軸42の停止位置が設定される。本実施例では、間隔Dを0〜2mmの範囲で調整することができる。すなわち、制御部は、ウェブWの厚みに応じてその貼り付けに間隔Dが最適となるよう回動軸42の位置を調整する。本実施形態では、最近接ポイントPにおいて、刃先の外接円と新コア26bの外周面との距離がウェブWの厚みよりも大きく、押圧部材56の押圧面と新コア26bの外周面との間隔DがウェブWの厚みと同等かそれより小さくなるように調整される。
【0046】
切断工程においてはまず、
図7(a)に示すように、切断部材40およびガイドロール44が所定位置に駆動される。このとき、刃52の刃先がウェブから離間した状態が維持されつつガイドロール44がウェブWに当接する。このとき、ウェブWにおける切断対応箇所がタッチロール34とガイドロール44との間に短い間隔にて支持される。このように切断対応箇所を安定に保持した状態で切断部材40を駆動する。
【0047】
それにより、
図7(b)に示すように、切断部材40の刃先がウェブWに当接したポイントから切り込みが開始し、
図7(c)および(d)に示すように、切断部材40の刃元付近でウェブWが前後に切断される。すなわち、刃先がウェブに当接して切り込みを開始するポイントが、ガイドロール44と新コア26bとの最近接ポイントよりも回動方向手前に位置し、刃元がその最近接ポイントに位置したあたりでウェブWの前後が切り離される。なお、
図7(b)に示される切り込み開始ポイントにおいて当接する刃52とウェブWとのなす角はほぼ90度とされている。
【0048】
そして、このウェブWの切断の連続するように、その切断されたウェブWの先端部が押圧部材56によって新コア26bの外周面に押し付けられ、貼着される。これにより、新コア26bの巻き取り始点にウェブWの折り返しを発生させることなく、その巻き取りを安定に開始させることができる。
【0049】
より詳細には、
図8(a)に示すように、刃52の刃先がウェブWに当接して以降、ウェブWがその当接部を先頭にやや凸状に変形する。その結果、刃52の刃元がウェブWに到達する切断ポイントbよりも後側のポイントaにてウェブWが新コア26bに当接する。このため、そのポイントaにおいて局所的な貼り付けが生じる。しかし、切断部材40の回動速度が新コア26bの回転速度よりも大きくされているため、
図8(b)および(c)に示すように、押圧部材56が速やかに切断ポイントbに追いつく。それ以降、押圧部材56の押圧面がウェブWを連続的に押圧するため、
図8(d)および(e)に示すように、切断ポイントbからaにかけて皺のない連続的な貼り付けを実現することができる。そして、
図8(f)に示すように切断部材40がウェブWから完全に離間した後、切断部材40は退避位置に戻される。
【0050】
以上に説明したように、本実施例の切断装置32においては、ウェブWの切断に際して切断部材40が駆動されると、その刃52が新コア26bとの最近接ポイントをその新コア26bのほぼ接線方向に通過する。この最近接ポイントにおける新コア26bの接線方向は、その最近接ポイントにおける刃52の延在方向とほぼ一致する。このため、切断に際してウェブWを新コア26bに近接させたときの刃52の動作ストロークを十分に大きくとることができ、厚みのあるウェブWであっても容易に切断することができる。
【0051】
また、ウェブWの切断とほぼ同時又は切断後直ちに押圧部材56による押圧が開始される。すなわち、ウェブの切断と押圧が連続的に行われることにより、切断されたウェブの先端部に折れ込みが発生することを確実に防止することができる。また、ウェブの切断前から押圧部による押圧が開始されることがないため、切断部材の回動速度と新コアの回転速度を合わせる必要がない。さらに、切断部材をその回動軸を中心に回動させるのみでウェブの切断と巻継ぎができるため、複雑な構造や制御を要せず、簡易かつ低コストに実現することができる。
【0052】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0053】
(変形例1)
上記実施例では、切断部材40の刃52をノコ刃状に構成する例を示したが、刃の形状については種々の態様を採用できることは言うまでもない。
図9は、変形例に係る切断部材およびその周辺構成を示す図である。(a)は切断部材の側面図であり、(b)は(a)のB方向矢視図である。
【0054】
本変形例では、切断部材240の刃252の刃先形状が、上記実施例よりも幅広とされている。すなわち、切断部材240の長手方向の刃の数は上記実施例よりも少ない。ただし、刃先が尖るとともに刃元に向けて幅方向両側にエッジ面252aが形成された鋭利な形状を有する点では同様である。このような構成であっても、ウェブWへの切り込みが進むにつれて刃252の切り込み位置がウェブWの幅方向に移動する形で切断が進められるようになり、上記実施例と同様に良好な切断を実現することができる。なお、さらなる変形例においては、切断部材の刃をノコ刃ではなく、ストレート刃としてもよい。ウェブWの厚みが特に小さい場合には、ストレート刃でも有効となると考えられる。
【0055】
また、本変形例では、押圧部256が刃252の後側に一体成形されている。すなわち、刃252の本体部が押圧部256となり、その押圧部256の押圧面が刃部のテーパ面258と連続的につながる形状とされている。このような構成により、切断と押圧(貼り付け)との連続性を滑らかにすることができる。
【0056】
(変形例2)
上記実施例においては、切断時の押さえとなるガイドロール44を切断部材40と同心状に設ける構成とした。変形例においては、これらを互いの軸線がある程度離れるように配置してもよい。ただし、切断処理の安定化を図るためには、切断部材40の回動に干渉しない程度にガイドロール44を近接させるのが好ましい。
【0057】
(変形例3)
上記実施例においては、切断処理を開始する前にガイドロール44をウェブWに当接させ、切断対応箇所を短くすることにより安定した切断処理を実現できる構成とした。変形例においては、このガイドロール44を省略してもよい。すなわち、
図2に示したタッチロール34とガイドロール28との間に切断対応箇所を設定し、切断部材40による切断を新コア26bの近接位置にて行ってもよい。つまり、切断対応箇所を支持するロールの距離によっては別途ガイドロールを設けなくとも、切断部材の回動により刃を振り抜く構成とすることで、ウェブWの切断性能をある程度高く維持することができる。その場合、切断部材40が巻取工程において干渉しない位置に回動軸42を設けることで、切断工程ごとに切断部材40を移動させる機構を省略することができる。
【0058】
(変形例4)
上記実施例においては、上記切断装置32を製膜ラインの最終工程に設けられた巻取装置10に適用する例を示した。変形例においてはその他、種々の製造ラインの巻取装置に適用することもできる。例えば、基材シートを貼り合わせるラミネート装置の最終工程に巻取装置を設け、その巻取装置に適用してもよい。