特許第5963724号(P5963724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963724
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   B62D 33/06 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   B62D33/06 E
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-200370(P2013-200370)
(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-66992(P2015-66992A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180507
【弁理士】
【氏名又は名称】畑山 吉孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137590
【弁理士】
【氏名又は名称】音野 太陽
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 由美
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−072668(JP,U)
【文献】 特開平08−268346(JP,A)
【文献】 特開2010−030364(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0156421(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0184531(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0184536(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部に配備された運転用の前搭乗部と、前記前搭乗部の後方に配備され、後部座席を有した後搭乗部と、車体フレームに支持され、前記前搭乗部の居住用の前搭乗部空間、及び前記後搭乗部の居住用の後搭乗部空間を形成するロプスと、車体後部に配備された荷台とを備え、
前記荷台は、前端側が前記後搭乗部空間よりも後方に位置した第1状態と、前記前端側が前記後搭乗部空間に入り込んだ第2状態とに切換え自在に構成してあり、
前記ロプスは、車体側面視で、前記第1状態及び前記第2状態の前記荷台と重ならないように構成してある作業車。
【請求項2】
前記ロプスは、前記前搭乗部空間及び前記後搭乗部空間の上方に車体前後向きに位置する上フレームと、前記前搭乗部空間のうちの前側部位の車体両横外側に分かれて位置し、前記上フレームの前端側を支持する左右一対の車体上下向きの前支柱と、前記前搭乗部と前記後搭乗部との間の車体両横外側に分かれて位置し、前記上フレームの前後方向での中間部を支持する左右一対の車体上下向きの後支柱と、を備えている請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記後支柱は、前記第2状態での前記荷台の前端よりも前方に位置している請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記後支柱は、前記後部座席よりも前方に位置している請求項2に記載の作業車。
【請求項5】
前記後支柱の下端側部と、前記上フレームのうちの前記後支柱に対する連結箇所よりも後方の部位とにわたり、補強フレームを連結してある請求項2〜4のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項6】
前記後部座席を、前記後搭乗部空間のうちの後寄りの座席用部位に保持された使用状態と、前記後搭乗部空間のうちの前記座席用部位よりも前方の部位に保持された格納状態とに切換え自在に構成し、
前記第2状態での前記荷台の前端側が、前記後部座席が前記格納状態に切換えられて空いた前記座席用部位に入り込むように構成してある請求項1〜5のいずれか一項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部に配備された運転用の前搭乗部と、前記前搭乗部の後方に配備され、後部座席を有した後搭乗部と、車体フレームに支持され、前記前搭乗部の居住用の前搭乗部空間、及び前記後搭乗部の居住用の後搭乗部空間を形成するロプスと、車体後部に配備された荷台とを備え、前記荷台は、前端側が前記後搭乗部空間よりも後方に位置した第1状態と、前記前端側が前記後搭乗部空間に入り込んだ第2状態とに切換え自在に構成してある作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した作業車は、後搭乗部空間を荷台収容空間に活用できるようにしたものである。この種の作業車として、従来、たとえば特許文献1に記載された作業車があった。特許文献1に記載された作業車は、運転部のうちの前部運転座席を有した部分(前搭乗部に相当)と、運転部のうちの後部座席を有した部分(後搭乗部に相当)と、ロプスと、短縮状態(第1状態に相当)と延長状態(第2状態に相当)とに切換え自在な荷台と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−116318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術の場合、荷台を第2状態に切換えた際、荷台の前端側がロプスに備えられた後部支柱のうちの左右一対の車体上下向き部分の間に入り込み、殊に荷台に対する荷物の載せ降ろしを車体横側から行う際、後部支柱の車体上下向き部分が障害になり易い。
【0005】
本発明の目的は、ロプスを備えるものでありながら、荷台に対する荷物の載せ降ろしがし易い作業車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明による作業車は、
車体前部に配備された運転用の前搭乗部と、前記前搭乗部の後方に配備され、後部座席を有した後搭乗部と、車体フレームに支持され、前記前搭乗部の居住用の前搭乗部空間、及び前記後搭乗部の居住用の後搭乗部空間を形成するロプスと、車体後部に配備された荷台とを備え、
前記荷台は、前端側が前記後搭乗部空間よりも後方に位置した第1状態と、前記前端側が前記後搭乗部空間に入り込んだ第2状態とに切換え自在に構成してあり、
前記ロプスは、車体側面視で、前記第1状態及び前記第2状態の前記荷台と重ならないように構成してあることを特徴とする。
【0007】
本第1発明の構成によると、荷台を第1状態と第2状態とのいずれに切り換えても、ロプスが車体側面視で荷台とが重ならないことにより、荷台の横外側にロプスが存在しない。
【0008】
従って、本第1発明によると、ロプスを備えるものでありながら、荷台を第1状態と第2状態のいずれに切り換えた場合でも、荷台に対する荷物の載せ降ろしを車体の横側から行う場合でも、ロプスが障害物にならなくて作業し易い。
【0009】
本第2発明では、前記ロプスは、前記前搭乗部空間及び前記後搭乗部空間の上方に車体前後向きに位置する上フレームと、前記前搭乗部空間のうちの前側部位の車体両横外側に分かれて位置し、前記上フレームの前端側を支持する左右一対の車体上下向きの前支柱と、前記前搭乗部と前記後搭乗部との間の車体両横外側に分かれて位置し、前記上フレームの前後方向での中間部を支持する左右一対の車体上下向きの後支柱と、を備えている。
【0010】
本第2発明によると、上フレームを前支柱及び後支柱によって支持させながら、後支柱を後搭乗部空間よりも前方に位置させることができ、荷台を第1状態と第2状態とのいずれに切換えても、後支柱が荷台の横側に存在しなくて荷物の載せ降ろしに対する障害になり難い。
【0011】
本第3発明では、前記後支柱は、前記第2状態での前記荷台の前端よりも前方に位置している。
【0012】
本第3発明によると、荷台を第1状態と第2状態とのいずれに切換えても、後支柱が荷台よりも前方に位置して荷物の載せ降ろしに対する障害になり難い。
【0013】
本第4発明では、前記後支柱は、前記後部座席よりも前方に位置している。
【0014】
本第4発明によると、後支柱が荷台に対する荷物の載せ降ろしに対する障害物になりにくいのみならず、後部座席と後支柱との間を通り易くできる。すなわち、後搭乗部に対する乗り降りをし易くできる。
【0015】
本第5発明では、前記後支柱の下端側部と、前記上フレームのうちの前記後支柱に対する連結箇所よりも後方の部位とにわたり、補強フレームを連結してある。
【0016】
本第5発明によると、上フレームを支持するための後支柱の支持強度を補強フレームによって向上でき、後支柱による上フレームの支持を強固に行なわせられる。
【0017】
本第6発明では、前記後部座席を、前記後搭乗部空間のうちの後寄りの座席用部位に保持された使用状態と、前記後搭乗部空間のうちの前記座席用部位よりも前方の部位に保持された格納状態とに切換え自在に構成し、前記第2状態での前記荷台の前端側が、前記後部座席が前記格納状態に切換えられて空いた前記座席用部位に入り込むように構成してある。
【0018】
後部座席が使用状態にあるままの後搭乗部空間に第2状態での荷台の前端側が入り込む場合、後部座席のために荷台の取付け高さを高くする必要がある。荷台の取付高さを低くすると、後部座席が荷台を後搭乗部空間へ入り込ませることの障害物になり、荷台の後搭乗部空間への入り込み長さをあまり長くできない。
【0019】
本第6発明によると、後部座席が格納状態に切換えられて空いた座席用部位に第2状態での荷台の前端側が入り込むことにより、荷台の取付け高さを低くして、荷物の載せ降ろしを行い易くできる。さらに、荷台の後搭乗部空間への入り込み長さを長くすることができ、後搭乗部空間を前後に広い範囲にわたって荷台収容空間に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】荷台を第1状態に切換えた状態での作業車の全体を示す側面図である。
図2】荷台を第2状態に切換えた状態での作業車の全体を示す側面図である。
図3】荷台を第1状態に切換えた状態での作業車の全体を示す平面図である。
図4】後部座席及び仕切り部材を示す側面図である。
図5】ロプスを示す斜視図である。
図6】第1状態での荷台を示す斜視図である。
図7】第2状態での荷台を示す斜視図である。
図8】荷台の切換え要領を示す説明図である。
図9】第1の別実施構造を備えた作業車の全体を示す側面図である。
図10】第2の別実施構造を備えた作業車の全体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,3に示すように、本発明の実施例に係る作業車は、車体フレーム1の下部に左右一対の前車輪2,2、及び左右一対の後車輪3,3が装備された走行車体を備えている。走行車体の前端部に、左右一対の前照灯4が備えられた前カバー5を設けてある。走行車体のうちの前カバー5よりも後方の部位に、ロプス6が備えられた搭乗部7を設けてある。走行車体の後部に荷台8を配備してある。
【0022】
走行車体は、前車輪2と後車輪3との間の部位に設けられたエンジン9を備え、エンジン9が出力する駆動力を走行ミッション10に入力して変速し、変速した後の駆動力によって前車輪2及び後車輪3を駆動するように、4輪駆動型に構成してある。
【0023】
搭乗部7について説明する。
搭乗部7は、ロプス6を備える他、搭乗部7のうちの前側部分に配備され、かつ居住用の前搭乗部空間13aがロプス6によって形成された前搭乗部13と、前搭乗部13の後方に配備され、かつ居住用の後搭乗部空間14aがロプス6によって形成された後搭乗部14と、ロプス6の上フレーム50に上端側が支持され、前搭乗部空間13a及び後搭乗部空間14aを後方の荷物搭載空間と仕切る仕切り部材15とを備えている。
【0024】
前搭乗部空間13aの左領域に運転座席16を設け、運転座席16の前方に左右一対の前車輪2,2を操向操作するステアリングホィール17を設け、前搭乗部13を運転用の搭乗部に構成してある。
【0025】
前搭乗部13は、前搭乗部空間13aの右領域に設けられた前部座席18を備え、二人乗りが可能になっている。運転座席16と前部座席18とは、運転座席用と前部座席用とに別々に作製された座部及び背当て部を備え、別々の座席になっている。
【0026】
後搭乗部14には、後部座席19を設けてある。後部座席19は、二人掛けが可能な横長座席に構成してあり、後搭乗部14は、二人乗りが可能になっている。
【0027】
後部座席19は、図4に二点鎖線で示す使用状態と、図4に実線で示す格納状態とに切換え自在に構成してある。後部座席19は、具体的には、次の如く構成してある。
【0028】
後部座席19は、横長の座部19aと、横長の背当て部19bとを備えている。
座部19aは、前端側に設けた取付部材20を介し、後部座席支持部材21に設けた支持部22に支持してある。座部19aは、取付部材20と支持部22を連結する連結軸の軸芯まわりに前後方向に揺動操作できるようになっている。座部19aは、前後方向に揺動操作することにより、後部座席支持部材21の天板上に設定した使用位置と、運転座席16及び前部座席18の背面側に設定した格納位置とに切り換わる。座部19aは、使用位置と格納位置とに切り換えることにより、後部座席支持部材21の天板部に設けてある点検開口を開閉するように構成してある。後部座席支持部材21は、エンジン9を収容しており、エンジンボンネットの機能を備えている。つまり、座部19aは、後部座席支持部材21の内部やエンジン9を点検や修理するための点検開口の蓋体の機能を備えている。
【0029】
背当て部19bは、後部座席19の両横側に振り分け配置した左右一対の肘乗せ部材23,23の上端部と、仕切り部材15の下端部とに連結してある。左右一対の肘乗せ部材23,23それぞれの下端部は、後部座席支持部材21に回転するように支持されている。左右一対の肘乗せ部材23,23それぞれの上端部は、背当て部19bの背面側に設けた連結部材に回転するように連結してある。仕切り部材15の上端側は、ロプス6の上フレーム50から下向きに前後揺動するように延出された左右一対の支持アーム24の延出端部に回転するように連結してある。仕切り部材15の下端側は、背当て部19bの背面側に設けた連結部材25に連結してある。仕切り部材15の下端側は、連結部材25に備えてある長孔形状の連結孔にスライドするように、かつ回転するように連結してある。図5に示すように、仕切り部材15は、車体横向きの枠体と車体上下向きの枠体とを連結することによって作製された仕切りフレームと、仕切りフレームに張設された網状部材15aとを備えている。
【0030】
つまり、背当て部19bを前後方向に移動操作すると、肘乗せ部材23が後部座席支持部材21に対する連結点を揺動支点にして前後揺動する。また、仕切り部材15が支持アーム24を上フレーム50に対する連結点を揺動支点にして前後揺動させながら、後搭乗部空間14aを前後移動する。これにより、背当て部19bは、前後方向に移動操作することにより、座部19aの使用位置の上方に設定した使用位置と、座部19aの格納位置の上方に設定した格納位置とにわたって移動する。
【0031】
図1,4に示すように、後部座席19は、座部19a及び背当て部19bを使用位置に位置変更し、使用位置に図示しないロック手段によって固定することにより、後搭乗部空間14aのうちの後寄りの座席用部位に保持されて、使用状態になる。後部座席19を使用状態にすることにより、作業車は、前搭乗部13及び後搭乗部14への搭乗が可能な二列座席仕様になる。後部座席19を使用状態に切換える操作により、仕切り部材15を後搭乗部14の後端部に設定した二列座席仕様のための後仕切り位置、すなわち、後搭乗部空間14aを後方の荷物搭載空間と仕切るための後仕切り位置に移動操作できる。
【0032】
図2,4に示すように、後部座席19は、座部19a及び背当て部19bを格納位置に位置変更し、格納位置に図示しないロック手段によって固定することにより、後搭乗部空間14aのうちの座席用部位よりも前方の部位に保持されて、格納状態になる。後部座席19を格納状態に切り換えることにより、作業車は、前搭乗部13と後搭乗部14のうちの前搭乗部13だけに搭乗が可能な一列座席仕様になる。後部座席19を格納状態に切換える操作により、仕切り部材15を後搭乗部空間14aのうちの前寄り部位に設定した一列座席仕様のための前仕切り位置、すなわち、前搭乗部空間13aを後方の荷物搭載空間と仕切るための前仕切り位置に移動操作できる。
【0033】
荷台8について説明する。
図1に示すように、荷台8は、後端側に配置した車体横向きのダンプ支点軸30を介して車体に上下揺動するように支持してある。荷台8は、荷台8の下面側と車体フレーム1とにわたって装着してある昇降シリンダ31により、車体上に水平又はほぼ水平に位置した積載姿勢と、前端側が車体から上方に高く上昇したダンプ姿勢とにわたって昇降操作できるようになっている。
【0034】
図2,7に示すように、荷台8は、昇降シリンダ31が下面側に連結された底板部34を有した荷台本体33と、前記底板部34の前端側に後端側が連結された拡張底板部41を有した拡張荷台部40とを備えている。
【0035】
荷台本体33は、底板部34を備える他、底板部34の後端部に連結された後側板部35と、底板部34の両横端部に連結された横側板部36とを備えている。
【0036】
拡張荷台部40は、拡張底板部41を備える他、拡張底板部41の前端側に軸芯42a〔図8(B)参照〕まわりに起伏揺動するように連結された前側板部42と、荷台本体33の左右の横側板部36それぞれの前端側に軸芯43a〔図8(A)参照〕まわりに荷台横方向に揺動するように連結された拡張横側板部43とを備えている。拡張底板部41を、荷台本体33の底板部34に対して軸芯41a〔図8(C)参照〕まわりに起伏揺動するように構成し、拡張荷台部40を、図1,6に示す折りたたみ状態と、図2,7に示す伸展状態とに切換え可能に構成してある。
【0037】
図8は、荷台8の切換え要領を示す説明図である。図8(A)に示す拡張荷台部40は、伸展状態の拡張荷台部である。図8(D)に示す拡張荷台部40は、折りたたみ状態の拡張荷台部である。図8(B)に示すように、左右の拡張横側板部43を、荷台内側に向けて揺動操作して、底板部34の前端縁に沿った折りたたみ姿勢にする。次に、図8(C)に示すように、前側板部42を、拡張底板部41の上面側に向けて倒伏揺動操作して、拡張底板部41の上面に重なった折りたたみ姿勢にする。次に、図8(D)に示すように、拡張底板部41を、折りたたみ姿勢の拡張横側板部43に向けて起立揺動操作して、拡張横側板部43の外面に重なった折りたたみ姿勢にすれば、拡張荷台部40を折りたたみ状態に切り換えられる。
【0038】
荷台8は、拡張荷台部40を折りたたみ状態に切り換えることにより、拡張荷台部40の折りたたみのために、前後長さが短縮した第1状態に切り換わる。拡張荷台部40の折りたたみ状態として、左右の拡張横側板部43が拡張底板部41よりも荷台内側に位置した折りたたみ状態を採用してあるので、左右の拡張横側板部43が拡張底板部41よりも荷台外側に位置した折りたたみ状態を採用するのに比べ、第1状態での荷台8の前後長さを、拡張横側板部43の板厚によって決まる分、より短くできる。
【0039】
図1,3に示すように、荷台8は、第1状態に切り換えると、前後長さの短縮のために、前端側が後搭乗部空間14aよりも後方に位置した状態になり、作業車を二列座席仕様にできる。
【0040】
図8(C)に示すように、拡張底板部41を、前方に倒伏揺動操作して、底板部34と面一又はほぼ面一に並んだ伸展姿勢にする。次に、図8(B)に示すように、前側板部42を、起立揺動操作して、拡張底板部41の前端部から立ち上がった伸展姿勢にする。次に、図8(A)に示すように、左右の拡張横側板部43を、荷台外側に向けて揺動操作して、横側板部36と面一又はほぼ面一に並んだ伸展姿勢にすれば、拡張荷台部40を伸展状態に切り換えられる。
【0041】
荷台8は、拡張荷台部40を伸展状態に切り換えることにより、拡張荷台部40の伸展のために、前後長さが伸長した第2状態に切り換わる。
【0042】
図2に示すように、荷台8は、第2状態に切り換えると、前後長さの伸長のために、前端側が後搭乗部空間14aに入り込んだ状態になる。このとき、後部座席19を格納状態に切換えておき、かつ仕切り部材15を一列座席仕様のための前仕切り位置に移動させておき、荷台8の前端側が後搭乗部空間14bに入り込むことを可能にする。荷台8の前端側は、後搭乗部空間14aのうち、後部座席19を格納状態に切換えて空いた座席用部位(使用状態の後部座席19が存在する部位)に入り込む。
【0043】
図7に示すように、荷台8の内側に、8個のロープ掛け用のフック45,46を設けてある。8個のフック45,46は、底板部34の左右端部における前後方向での2箇所と、拡張底板部41の左右端部における前後方向での2箇所とに振り分けて配備してある。拡張底板部41の左右端部に配備した2個のフック45,46のうちの底板部34に近い方のフック46は、荷台8を第1状態に切換えた状態での拡張底板部41のうちの前側板部42と拡張横側板部43との隙間に位置する。
【0044】
ロプス6について説明する。
図1,3,5に示すように、ロプス6は、前搭乗部空間13a及び後搭乗部空間14aの上方に車体前後方向に位置する上フレーム50と、前搭乗部空間13aの前端部の車体両横外側に振り分けて配置された左右一対の車体上下向きの前支柱51,51と、前搭乗部13と後搭乗部14との間の車体両横外側に振り分けて配置された左右一対の車体上下向きの後支柱52,52とを備え、車体側面視で第1状態及び第2状態の荷台8と重ならない構造になっている。
【0045】
前支柱51及び後支柱52について詳述する。
左右一対の前支柱51,51の上端側が上フレーム50の前端側の両横端部に各別に連結され、左右一対の前支柱51,51の下端側が車体フレーム1に備えられた左右一対の車体上下向きの前支持フレーム1F,1Fの上端側に各別に連結されており、左右一対の前支柱51,51は、上フレーム50の前端側を支持し、かつロプス6の前端側を車体フレーム1に支持している。
【0046】
左右一対の後支柱52,52の上端側が上フレーム50の中間部の両横端部に各別に連結されており、左右一対の後支柱52,52の下端側が車体フレーム1に備えられた左右一対の車体上下向きの後支持フレーム1R,1Rの上端側に各別に連結されており、左右一対の後支柱52,52は、上フレーム50の中間部を支持し、かつロプス6の後端側を車体フレーム1に支持している。
【0047】
車体左右側それぞれの前支持フレーム1Fと後支持フレーム1Rとは、前後両端側が車体上下向きになり、中間部が車体前後向きになるように曲げ成形された一つのフレーム部材によって構成してある。
【0048】
図2に示すように、左右の後支柱52は、第2状態での荷台8の前端よりも前方に位置している。図1に示すように、左右の後支柱52は、使用状態での後部座席19よりも前方に位置し、後部座席19と後支柱52との間を通り易くしている。
【0049】
図1,5に示すように、左右の後支柱52それぞれにおいて、後支柱52の下端側と、上フレーム50のうちの後支柱52に対する連結箇所よりも後方の部位とにわたり、補強フレーム53を連結してある。左右の補強フレーム53の下端部どうしを、横向き連結フレーム54によって連結してある。
【0050】
上フレーム50について詳述する。
図3,5に示すように、上フレーム50は、左右一対の前後向きのメインフレーム60,60と、左右のメインフレーム60の前端部を連結する横向きの前連結フレーム61と、左右のメインフレーム60,60の後端部を連結する横向きの後連結フレーム62と、左右のメインフレーム60,60の前後方向での中間部を連結する横向きの中連結フレーム63とを備えている。
【0051】
中連結フレーム63の左端寄りの部位と、左のメインフレーム60の前端側部位とを、斜め姿勢の左連結フレーム64によって連結してある。中連結フレーム63の右端寄りの部位と、右のメインフレーム60の前端側部位とを、斜め姿勢の右連結フレーム65によって連結してある。中連結フレーム63と後連結フレーム62との中間部どうしを、前後向きの後中連結フレーム66によって連結してある。
【0052】
左右のメインフレーム60は、メインフレーム60のうちの後支柱連結箇所よりも前側の部分60Fを構成するフレーム材と、メインフレーム60のうちの後支柱連結箇所よりも後側の部分60Rを構成するフレーム材とを連結部材67によって連結することによって構成してある。
【0053】
ロプス6の左右側それぞれにおける前支柱51と、後支柱52と、メインフレーム60のうちの前側の部分60Fとを、前端側が前支柱51になり、後端側が後支柱52になり、中間部がメインフレーム60の前側の部分60Fになるように曲げ成形した一つのフレーム材によって構成してある。左右のメインフレーム60の後側の部分60Rと、後連結フレーム62とを、両端側がメインフレーム60の後側の部分60Rになり、中間部が後連結フレーム62になるように曲げ成形した一つのフレーム材によって構成してある。
【0054】
〔別実施形態〕
(1)図9は、第1の別実施構造を備えた作業車の全体を示す側面図である。第1の別実施構造を備えた作業車では、前搭乗部13及び後搭乗部14を有した搭乗部7を備え、荷台8を第2状態に切り換える機能を備えず、二列座席仕様専用の作業車に構成してある。この作業車のロプス6は、図1,3,5に示したロプス6と同じ構成を備えている。
【0055】
(2)図10は、第2の別実施構造を備えた作業車の全体を示す側面図である。第2の別実施構造を備えた作業車では、後搭乗部を備えずに、前搭乗部13に対応する運転用の搭乗部70を備え、一列座席仕様専用の作業車に構成してある。この作業車のロプス6は、図1,3,5に示したロプス6と同じ構成を備えている。荷台8は、ロプス6のうちの後支柱52よりも後方の部分6Rの下方に前端側が入り込むように構成してある。
この作業車の場合、ロプス6が備える上フレーム50のうちの後支柱52よりも後方の部分6R、すなわち、左右のメインフレーム60の後側の部分60R、後連結フレーム62を備える部分を脱着自在に構成すると、荷台8の上方を開放することができ、有利である。また、上フレーム50のうちの後支柱52よりも後方の部分6Rを、前方へ折りたたむように構成してもよい。
【0056】
(3)上記した実施例では、荷台8の第1状態と第2状態との切換えを可能にするのに、折りたたみ構造の拡張荷台部40を採用した例を示したが、荷台本体33に前後方向にスライドするように支持され、荷台本体33から前方への突出長さの調節ができる拡張荷台部を採用して実施してもよい。
【0057】
(4)上記した実施例では、荷台の前後長さを変更することによって荷台8を第1状態と第2状態とに切り換えるように構成した例を示したが、荷台8の前後長さを変更せず、荷台8の全体を車体に対して前後にスライドさせることによって荷台8を第1状態と第2状態とに切り換えるように構成して実施してもよい。
【0058】
(5)上記した実施例では、後部座席19を格納状態に切換えて空いた座席用部位に荷台8の前端側が入り込むよう構成した例を示したが、後部座席19を使用状態にしたままの後搭乗部空間14aに荷台8の前端側が入り込むように構成して実施してもよい。
【0059】
(6)上記した実施例では、後部座席19を使用状態と格納状態とに切り換える操作によって仕切り部材15を前後移動させるよう構成した例を示したが、後部座席19を使用状態と格納状態とに切り換える操作と、仕切り部材15を前後移動させる操作とを別々に行なうように構成して実施してもよい。
【0060】
(7)上記した実施例では、後支柱52が後部座席19よりも前方に位置するよう構成した例を示したが、後部座席19を使用状態にしたままの後搭乗部空間14aに荷台8の前端側が入り込むように構成した場合、後支柱52が車体側面視で後部座席19と重なる状態で後部座席19の横側方に位置するよう構成して実施してもよい。
【0061】
(8)上記した実施例では、補強フレーム53を備えた例を示したが、補強フレーム53を備えずに実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、前搭乗部13及び後搭乗部14それぞれを二人乗りができるように構成した作業車の他、前搭乗部13及び後搭乗部14それぞれを二人よりも少ない、あるいは多い人数の搭乗ができるように構成した作業車や、前搭乗部13と後搭乗部14に搭乗できる人数が異なる作業車にも利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 車体フレーム
6 ロプス
8 荷台
13 前搭乗部
13a 前搭乗部空間
14 後搭乗部
14a 後搭乗部空間
19 後部座席
50 上フレーム
51 前支柱
52 後支柱
53 補強フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10