(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コポリマーが、0.5〜5重量部のアクリル酸と1〜5重量部の非酸官能性エチレン性不飽和極性モノマーとを含む、請求項1に記載の接着剤前駆体シロップポリマー組成物。
前記非第三級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの前記非第三級アルコールが2−オクタノール又はジヒドロシトロネロルから選択される、請求項2に記載の接着剤前駆体シロップポリマー組成物。
前記溶媒モノマー成分が、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、酸官能性エチレン性不飽和モノマー、場合により非酸官能性の、エチレン性不飽和極性モノマー、場合によりビニルモノマー、及び場合により多官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含む、請求項1に記載の接着剤前駆体シロップポリマー組成物。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーとアミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーとを含む、接着剤前駆体組成物を提供し、これは重合及び架橋されると、感圧接着剤及び感圧接着剤物品をもたらす。
【0018】
酸官能性(メタ)アクリレート接着剤コポリマーの調製に有用な(メタ)アクリレートエステルモノマーは、非三級アルコールの単量体(メタ)アクリルエステルであり、そのアルコールは1〜14個の炭素原子、好ましくは平均で4〜12個の炭素原子を含有する。
【0019】
(メタ)アクリレートエステルモノマーとして用いるのに好適なモノマーの例としては、非第三級アルコール、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、イソオクチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−プロピルヘプタノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、シトロネロール、ジヒドロシトロネロール、及びこれらに類するものと、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれかとのエステルが挙げられる。一部の実施形態では、2つ又はそれ以上の異なる(メタ)アクリレートエステルモノマーの組み合わせが好ましいが、好ましい(メタ)アクリレートエステルモノマーは、ブチルアルコール又はイソオクチルアルコール、又はこれらの組み合わせと(メタ)アクリル酸とのエステルである。一部の実施形態では、好ましい(メタ)アクリレートエステルモノマーは、2−オクタノール、シトロネロール、ジヒドロシトロネロールなどの再生可能な資源に由来するアルコールを伴う(メタ)アクリル酸のエステルである。
【0020】
一部の実施形態では、(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、少なくとも25℃、好ましくは少なくとも50℃のT
gを有する高T
gモノマーを含む。好適な高T
gのモノマーは、本発明で有用な好適なモノマーの例を包含し、例えば、t−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、s−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、3,3,5トリメチルシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、N−オクチルアクリルアミド及びプロピルメタクリレート又は組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
(メタ)アクリレートエステルモノマーは、ポリマーを調製するのに使用される100部の総モノマー含量を基準として85〜99.5重量部の量で存在する。好ましくは、(メタ)アクリレートエステルモノマーは、100部の総モノマー含量を基準として90〜95重量部の量で存在する。高T
gのモノマーが含まれる場合、コポリマーは、85〜99.5重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマー構成成分のうちの最大30重量部、好ましくは最大20部を構成し得る。このような実施形態では、このコポリマーは、モノマー全体を100重量部として、
i.85〜99.5重量部の非第三級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルと、
ii.0.5〜15重量部の酸官能性エチレン性不飽和モノマーと、
iii.0〜10重量部の非酸官能性エチレン性不飽和極性モノマーと、
iv.0〜5重量部のビニルモノマーと、
v.0〜5重量部の多官能性(メタ)アクリレートと、を含み得る。
【0022】
ポリマーは更に、酸官能性モノマーを含み、ここで酸官能基は、カルボン酸などの本質的に酸であるか、又は、一部がアルカリ金属カルボン酸塩などの塩であってもよい。有用な酸官能性モノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸、エチレン性不飽和ホスホン酸、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。このような化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、マレイン酸、オレイン酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸、及びこれらの混合物から選択されたものが挙げられる。
【0023】
入手し易さに起因し、酸官能性コポリマーの酸官能基性モノマーは一般に、エチレン性不飽和カルボン酸類、すなわち(メタ)アクリル酸類から選択される。更により強い酸を所望する場合、酸性モノマーとしては、エチレン性不飽和スルホン酸及びエチレン性不飽和ホスホン酸が挙げられる。酸官能性モノマーは、一般に、モノマー全体を100重量部として、0.5〜15重量部、好ましくは1〜15重量部、最も好ましくは5〜10重量部の量で使用される。
【0024】
コポリマーの調製に有用な極性モノマーは、油溶性及び水溶性の両方の性質をある程度有し、エマルション重合中の水相と油相との間に、極性モノマーの分配をもたらす。本明細書で使用するとき、用語「極性モノマー」は、酸官能性モノマー及びアミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーを除外する。
【0025】
好適な極性モノマーの代表的な例としては、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート;N−ビニルピロリドン;N−ビニルカプロラクタム;アクリルアミド;モノ−又はジ−N−アルキル置換アクリルアミド;t−ブチルアクリルアミド;ジメチルアミノエチルアクリルアミド;N−オクチルアクリルアミド;2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含むポリ(アルコキシアルキル)(メタ)アクリレート;ビニルメチルエーテルを含むアルキルビニルエーテル;及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい極性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びN−ビニルピロリドンからなる群から選択されるものが挙げられる。極性モノマーは、モノマー全体を100重量部として0〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量で使用される。
【0026】
使用するとき、(メタ)アクリレートポリマーに有用なビニルモノマーとしては、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、スチレン、置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン)、ビニルハロゲン化物、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用するとき、ビニルモノマーは、酸官能性モノマー、アクリレートエステルモノマー、極性モノマーを含まない。そのようなビニルモノマーは一般に、モノマー全体を100重量部として0〜5重量部、好ましくは1〜5重量部で使用される。
【0027】
コーティングされた接着剤組成物の貼着強度を増大させるために、多官能性(メタ)アクリレートが重合性モノマーのブレンドに組み込まれてもよい。多官能性アクリレートは特に、エマルション又はシロップ重合に有用である。有用な多官能性(メタ)アクリレートの例には、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、及びテトラ(メタ)アクリレート、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、及びプロポキシル化グリセリントリ(メタ)アクリレート並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。多官能性(メタ)アクリレートの量及び同一性は、接着剤組成物の用途に応じて調整される。典型的には、多官能性(メタ)アクリレートは、接着剤組成物の総乾燥重量を基準として5部未満の量で存在する。より詳細には、架橋剤は、接着剤組成物のモノマー全体を100重量部として、0.01〜5部、好ましくは0.05〜1部の量で存在し得る。
【0028】
接着剤前駆体シロップポリマー組成物は、(メタ)アクリレートコポリマーに加えてアミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーを更に含む。アミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーは、100重量部のコポリマーと比較して、10〜90重量部、好ましくは50〜80重量部の量で添加されて存在する。
【0029】
アミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーは、次の一般式を有する:
【化1】
式中、
R
1は、H又はCH
3であり、
X
1は、−O−又は−NH−であり、
R
2は、(ヘテロ)ヒドロカルビル基、好ましくはアルキレン基、好ましくは1〜12個の炭素原子であり、これは場合によりヒドロキシル基で置換され、
R
3は、H又はC
1〜C
12アルキル基であり、
R
4は、C
1〜C
12アルキル基又は(メタ)アクリロイルアルキレン、すなわち、CH
2=C(R
1)−CO−R
5−であり、式中、R
5はC
2〜C
6アルキレンである。R
4が(メタ)アクリロイルアルキレン基である実施形態では、フリーラジカルによる更なる架橋が組成物に提供される。
【0030】
R
2は、好ましくは1〜約6個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖のアルキレンである。R
2がアルキレンであるとき、これは、カルボニル、オキシ、又はカテナリー窒素、好ましくは完全に置換されたカテナリー窒素などのヘテロ官能基も含有することができ、この場合、置換基は、水素供与体の水素結合官能基を含まない。別の実施形態では、R
2は、アリーレン(例えば、1,4−フェニレン)、又は低級アルキル若しくは低級アルコキシR
2で置換されたアリーレンであることができ、また、そのようなアリーレン、アルケニレン、及びアルキレン基の組み合わせ、例えば1,4−キシリレンであってもよい。
【0031】
式Iのアミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーは、スキーム1に示すように、調製され得る。
【化2】
式中、
R
1は、H又はCH
3であり、
X
1は、−O−又は−NH−であり、
R
2は、(ヘテロ)ヒドロカルビル基、好ましくはアルキレン基であり、これは場合によりヒドロキシル基で置換され、
R
3は、H又はC
1〜C
12アルキル基であり、
R
4は、C
1〜C
12アルキル基又は(メタ)アクリロイルアルキレンであり、
X
3は、アルコキシ基又はハロゲン化物脱離基である。
【0032】
R
2がヒドロキシル置換されたアルキレン基である実施形態は、スキーム2に示すように、一級又は二級アミンをグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ含有(メタ)アクリレートに付加することにより、調製され得る
【化3】
【0033】
示しているように、アミンの求核付加は、エポキシド基のいずれかの炭素原子にて生じ得、生成物の混合物を生じる。更に、遊離ヒドロキシル基は、分子間で又は他のアクリレートモノマーと、のいずれかでトランスエステル化を行い得ると考えられている。
【0034】
アミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーは、現存コポリマーに付加され得る。アミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーのアミノ基は、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーのペンダント酸官能基と反応して、イオン結合、すなわち、四級アンモニウム基、を形成すると考えられている。ペンダント(メタ)アクリレート基は、次いでフリーラジカル重合してコポリマーを架橋し得る。接着剤組成物における架橋は、アミノ基と酸基の間のイオン架橋(酸塩基)である。
【化4】
式中、
M
アクリレートは、「a個」の重合されたモノマー単位を有する非第三級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルから誘導された、重合された(メタ)アクリレートモノマー単位を表す。
M
酸は、酸が存在し得るけれども共役塩基として示される、「b個」の重合されたモノマー単位を有する酸官能性モノマーから誘導された、重合されたモノマー単位を表す。
M
極性は、「c個」の重合されたモノマー単位を有する重合された極性モノマー単位を表す。
M
ビニルは、「d個」の重合されたモノマー単位を有する酸官能性モノマーから誘導された、重合されたビニルモノマー単位を表す。並びに、
M
多は、「e個」の重合されたモノマー単位を有する、重合された多官能性(メタ)アクリレートモノマー単位を表す。並びに、
式中、a及びbは少なくとも1であり、c、d及びeはゼロであるか又はゼロではない。
R
1は、H又はCH
3であり、
X
1は、−O−又は−NH−であり、
R
2は、(ヘテロ)ヒドロカルビル基、好ましくはアルキレン基であり、これは場合によりヒドロキシル基で置換され、
R
3は、H又はC
1〜C
12アルキル基であり、
R
4は、C
1〜C
12アルキル基又は(メタ)アクリロイルアルキレンである。
【0035】
下付き文字a〜eが、重合性組成物中のモノマーの量に対応し、例えば、85〜99.5重量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び0.5〜15重量部の酸官能性モノマーに対応することが理解されるであろう。他のモノマーは、先述した量で存在し得る。スキーム2では、アミノアルキル(メタ)アクリロイル架橋溶媒モノマーは共役体として示されているが、塩基として存在してもよい。
【0036】
酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーを調製する好ましい方法としては、モノマーを部分的に重合して、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー及び非重合モノマーを含むシロップポリマーを生成する方法がある。シロップポリマー組成物を有用なコーティング粘度に重合し、それを(テープ裏材などの)基材にコーティングして、更に重合することができる。部分的重合は1つ以上の溶媒モノマー内の酸官能性(メタ)アクリレート溶質コポリマーのコーティング可能な溶液を提供する。一般に、アミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーは、部分的に重合された組成物に加えられ、その後、好適な基材にコーティングされ、更に重合される。
【0037】
シロップ適用処理においては、好ましいモノマー混合物(第2の構成成分)は、100部の総モノマーを基準として、85〜99.5pbwの1つ以上の(メタ)アクリレートエステルモノマー、0.5〜15pbwの酸官能性モノマー、0〜10pbwの1つ以上の第2の非酸極性モノマー、及び0〜約5pbwのその他のビニルモノマーを含む。アミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーは、現存酸官能性コポリマーに付加され得る。
【0038】
重合は、シロップポリマーの構成成分の官能基と反応しないエチルアセテート、トルエン、及びテトラヒドロフランなどの好適な溶媒の存在下で、又は好ましくは、それらが存在しない状態で行うことができる。
【0039】
重合は光開始剤の存在下でシロップポリマー組成物をエネルギーに暴露することで達成することができる。エネルギーによって活性化された光開始剤は、例えば、重合を開始するために電離放射線が使用される場合は、不要である場合がある。これらの光開始剤は、100pbwの溶媒モノマーにつき、約0.0001〜約3.0pbw、好ましくは約0.001〜約1.0pbw、より好ましくは約0.005〜約0.5pbwの範囲の濃度において使用することができる。
【0040】
シロップポリマーの好ましい調製方法は、光により開始されるフリーラジカル重合である。光重合法の利点は、1)モノマー溶液を加熱する必要がない、及び2)活性光源がオフになると光開始が完全に停止する、ことである。コーティング可能な粘性を達成するための重合は、モノマーからポリマーへの変換が最大約30%になるように行ってよい。重合は、所望の変換、及び粘性が達成された時に、光源を除去し、溶液に空気泡(酸素)を送って、フリーラジカルの伝播を停止させることで終了することができる。溶質ポリマーは、非モノマー溶媒の中で、従来の方法で調製し、その後高変換率(重合度)で変換してもよい。溶媒(モノマー又は非モノマー)を使用する際、溶媒はシロップポリマーの形成前、又は、形成後のいずれかに(例えば、真空蒸留で)除去することができる。これは許容できる方法ではあるが、高度に変換された官能性ポリマーが関わるこの手順は、追加的な溶媒除去作業が必要で、別の材料(非モノマー溶剤)が必要とされ、及び高い分子量の、モノマー混合物内の高度に変換された溶質ポリマーを溶解させるには相当な時間を必要とし得るため、好ましいとは言えない。
【0041】
有用な光開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル;Irgacure(商標)651光開始剤(Ciba Specialty Chemicals)として入手可能な2,2−ジメトキシアセトフェノン、Esacure(商標)KB−1光開始剤(Sartomer Co.(West Chester,PA))として入手可能な2,2ジメトキシ−2−フェニル−l−フェニルエタノン、及びジメトキシヒドロキシアセトフェノンなどの置換アセトフェノン;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換α−ケトール;2−ナフタレン−スルホニルクロリドなどの芳香族スルホニル塩化物;及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシ−カルボニル)オキシムなどの光学活性オキシムが挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、置換アセトフェノンである。
【0042】
好ましい光開始剤は、ノリッシュI開裂を起こして、アクリル二重結合に付加して開始できるフリーラジカルを生成する光能動的化合物である。光開始剤は、コポリマーが形成された後に、コーティングする混合物に追加することができ、例えば、光開始剤はシロップポリマー混合物に追加することができる。このような重合可能な光開始剤は、例えば、米国特許第5,902,836号、及び同第5,506,279号(Babu et al.)に記載されている。
【0043】
シロップポリマー組成物、及び光開始剤を紫外線照射により活性化させて、モノマー構成成分を重合することができる。紫外線光源は、1)280〜400ナノメートルの波長範囲にわたって一般に10mW/cm
2以下(米国標準技術局(United States National Institute of Standards and Technology)に承認されている手順に沿って、例えば、Electronic Instrumentation & Technology,Inc.(Sterling,VA)製のUVIMAP(商標)UM365L−Sラジオメーターを用いて測定される)の強度を提供するブラックライトなどの比較的低い強度の光源、及び2)10mW/cm
2を超え、好ましくは15〜450mW/cm
2の強度を提供する中圧水銀ランプなどの比較的高い強度の光源の、2つのタイプのものであり得る。化学線をシロップポリマー組成物を完全に又は部分的に重合するために用いる場合、高強度で短い時間曝露することが好ましい。例えば、600mW/cm
2の強度と約1秒の曝露時間を首尾よく用いることができる。強度は、約0.1〜約150mW/cm
2、好ましくは約0.5〜約100mW/cm
2、及びより好ましくは約0.5〜約50mW/cm
2の範囲であることができる。これらの光開始剤は、好ましくはポリマーシロップ組成物100pbwあたり0.1〜1.0pbwの量で存在する。
【0044】
したがって、光開始剤の消光係数が低い場合は、比較的厚いコーティング(例えば少なくとも約25.4マイクロメートル又は、1ミル)を達成することができる。
【0045】
変換の程度は、照射中に前述のように重合媒質の屈折率を測定することによって監視することができる。有用なコーティング粘度は、最大30%まで、好ましくは2〜20%、より好ましくは5〜15%、及び最も好ましくは7〜12%の範囲の変換(即ち、利用可能なモノマーが重合された割合)によって達成される。溶質ポリマーの分子量(重量平均)は少なくとも100,000で、好ましくは、少なくとも500,000である。
【0046】
酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーを調製する場合、約70℃(好ましくは50℃以下)の温度で、反応時間は24時間未満、好ましくは12時間未満、より好ましくは6時間未満で、光開始重合反応を実質的に完了させる、すなわち、モノマー構成成分を枯渇させることが得策である。好ましくない、未熟な重合及びゲル化を安定化させるためにアクリルシステムにしばしば追加されるフリーラジカル重合阻害剤は、これらの温度幅、及び反応速度により必要とされなくなる。更に、阻害剤の添加は、その系に残留する外来材料を加えることになり、シロップポリマーに望まれる重合及び架橋感圧接着剤の形成を阻害する。フリーラジカル重合阻害剤は、処理温度が70℃以上、又、反応時間が約6〜10時間以上の場合にしばしば必要となる。
【0047】
共重合性混合物は、所望により、得られるポリマーの分子量を制御するための連鎖移動剤を更に含んでよい。有用な連鎖移動剤の例としては、四臭化炭素、アルコール、メルカプタン及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。存在する場合、好ましい連鎖移動剤は、イソオクチルチオグリコレート及び四臭化炭素である。エマルジョン混合物は、使用する場合、100重量部の全モノマー混合物を基準として、約0.5重量部までの、典型的には約0.01〜約0.5重量部の、好ましくは約0.05〜約0.2重量部の連鎖移動剤を更に含んでよい。
【0048】
あるいは、酸官能性コポリマーは、任意の従来のフリーラジカル重合法により調製でき、これには溶解、放射、バルク、分散、乳化、及び懸濁プロセスが挙げられる。別個に調製したコポリマーを次に溶媒モノマーと組み合わせる。(メタ)アクリレートポリマーは懸濁重合により調製してもよく、これは米国特許第3,691,140号(Silver)、同第4,166,152号(Baker et al.)、同第4,636,432号(Shibano et al)、同第4,656,218号(Kinoshita)、及び同第5,045,569号(Delgado)に開示されている。それぞれは、接着剤組成物を記載し、重合プロセスに関する記載は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
酸官能性コポリマーの調製に有用な水溶性及び油溶性反応開始剤は、熱に曝露するとモノマー混合物の(共)重合を開始するフリーラジカルを生成する反応開始剤である。水溶性反応開始剤は、乳化重合により(メタ)アクリレートポリマーを調製するのに好ましい。使用する場合、反応開始剤は、100重量部を基準にして、約0.05重量部〜約1重量部、好ましくは約0.1重量部〜約0.5重量部のモノマー構成成分を酸官能性コポリマー中に含んでよい。
【0050】
乳化技術による酸官能性コポリマーの重合は、乳化剤(emulsifier)(乳化剤(emulsifying agent)又は界面活性剤と呼ばれることもある)の存在を必要とする場合がある。本発明に有用な乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。好ましくは、乳化重合は、アニオン性界面活性剤の存在下で行われる。乳化剤濃度の有用な範囲は、エマルション感圧接着剤の全てのモノマーの総重量を基準として約0.5〜約8重量パーセント、好ましくは約1〜約5重量パーセントである。
【0051】
一部の実施形態では、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーは、溶液法により調製することができる。典型的な溶液重合法は、モノマー、好適な溶媒、及び場合により、連鎖移動剤を反応槽に加えること、フリーラジカル反応開始剤を添加すること、窒素でパージすること、並びに反応槽をバッチサイズ及び温度に応じて、反応が完了するまで、典型的には約1〜約20時間、高温で、典型的には約40〜100℃の範囲の高温に維持すること、によって実施される。溶媒の例は、メタノール、テトラヒドロフラン、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、及びエチレングリコールアルキルエーテルである。それらの溶媒は、単独で又はそれらの混合物として使用することができる。
【0052】
調製直後に接着剤前駆体シロップポリマー組成物をコーティングすることが好ましい。シロップ又は溶液のいずれかとして(コポリマー、他のモノマー及びアミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーを含有する)接着剤前駆体シロップポリマー組成物は、従来のコーティング技法により柔軟性のある裏材などの好適な基材上に簡単にコーティングされ、その後、更に重合され、硬化又は乾燥されて、接着剤コーティングされたシート材料が製造される。可撓性裏材は、テープ裏材、光学フィルム又は任意の他の可撓性材料として従来利用されたあらゆる材料であってもよい。
【0053】
感圧接着剤はまた、1つ以上の従来の添加剤を含有してよい。好ましい添加剤としては、粘着付与剤、可塑剤、染料、酸化防止剤、及びUV安定剤が挙げられる。そのような添加剤は、それらがエマルション感圧接着剤の優れた特性に影響を及ぼさなければ、使用することができる。
【0054】
粘着付与剤が使用される場合、総接着剤ポリマーの乾燥重量を基準として約50重量%まで、好ましくは30重量%未満、より好ましくは5重量%未満が好適となる。実施形態によっては、粘着付与剤は使用されない。(メタ)アクリレートポリマー分散液と共に使用するのに好適な粘着付与剤としては、ロジン酸、ロジンエステル、テルペンフェノール樹脂、炭化水素樹脂、及びクマロンインデン樹脂が挙げられる。粘着付与剤の種類及び量は、接触性、固着範囲、固着強度、耐熱性及び固有接着などの特性に影響を及ぼすことができる。
【0055】
接着物品は、可撓性裏材などの好適な支持体の接着剤又は接着剤前駆体組成物をコーティングすることにより調製することができる。可撓性裏材に含めることができる材料の例としては、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレンを含む)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(カプロラクタム)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリラクチド、セルロースアセテート、及びエチルセルロース並びにこれらに類するものが挙げられる。本発明において有用な市販の裏材には、クラフト紙(Monadnock Paper,Inc.から入手可能)、セロハン(Flexel Corp.から入手可能)、Tyvek(商標)及びTypar(商標)(DuPont,Inc.から入手可能)等のスパンボンドポリ(エチレン)及びポリ(プロピレン)、並びにTeslin(商標)(PPG Industries,Inc.から入手可能)、及びCellguard(商標)(Hoechst−Celaneseから入手可能)等のポリ(エチレン)及びポリ(プロピレン)から得られる多孔質膜が含まれる。
【0056】
裏材はまた、綿、ナイロン、レーヨン、ガラス、セラミック材料などの合成若しくは天然材料の糸から形成される織布、又は天然、合成繊維若しくはこれらのブレンドのエアレイドウェブなどの不織布などの布地から調製されてもよい。裏材はまた、金属、金属化ポリマーフィルム、又はセラミックシート材料から形成されてもよく、ラベル、テープ、記号、カバー、マーキングのしるしなどの感圧接着剤組成物が利用されていることが従来から知られている任意の物品の形態を取ってもよい。
【0057】
上記組成物は、特定の基材に適するように調節された従来のコーティング技術を使用して基材にコーティングされる。例えば、これらの組成物は、ローラーコーティング、フローコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、及びダイコーティングなどの方法によって様々な固体基材に塗布することができる。これらの種々のコーティング法は、組成物を可変の厚さで基材上に定置することを可能にし、それにより組成物をより広い範囲で使用することを可能にする。コーティング厚さは、前述のように、様々であってもよい。溶液は、その後のコーティングのために、任意の所望の濃度、及び変換度であってよいが、典型的には溶媒内で20〜70重量%ポリマー固体、及びより典型的には30〜50重量%固体である。シロップポリマーは、後続するコーティングにとって任意の望ましい濃度を有し得るが、典型的には溶媒モノマー中5〜20重量%のポリマー固形分であり、溶媒モノマーは、アミノアルキル(メタ)アクリロイル溶媒モノマーと、部分重合された溶質コポリマーの未反応モノマーと、を含む。コーティング組成物を更に希釈、又は部分乾燥させることにより、所望の濃度を得ることができる。
【0058】
可撓性の支持体はまた、剥離コーティング基材を含んでもよい。このような基材は、典型的には、接着転写テープが提供される場合に利用される。剥離コーティング基材の例は、当該技術分野において周知であり、例としてはシリコンコーティイングクラフト紙などが挙げられる。本発明のテープはまた、当該技術分野において既知の低付着性バックサイズ(LAB)などを取り入れてもよい。
【実施例】
【0059】
本発明の目的及び利点を以下の実施例で更に例示する。これらの実施例において列挙される特定の材料及びその量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限しないように使用されるべきである。
【0060】
【表1-1】
【0061】
【表1-2】
【0062】
試験方法
剥離力テスト[ASTM D3330/D3330M−04]
4.5lb(2.04kg)のローラーをテープ上に転がすことによって、0.5インチ(1.27cm)片のテープを2つガラスプレートに付着させた。2つのテープ試料を平均した。毎分90インチ(0,0381m/s)の圧盤速度でデシメートル当たりニュートン単位で力を測定した。次に、剥離接着力データをインチ当たりオンス(mL/cm)に正規化した。
【0063】
剪断強度テスト[ASTM D−3654/D 3654M 06,PSTC−7]
テープの0.5インチ(1.27cm)片をその接着剤によりステンレス鋼プレートに接着し、室温での剪断用に0.5インチ×0.5インチ(1.27cm×1.27cm)平方又は70℃での剪断用に1.0インチ×0.5インチ(2.54cm×1.27cm)に切断した。4.5lb(2.04kg)の重量を接着部分上で転がした。室温での剪断に対しては1000gのおもりを、70℃での剪断に対しては500gのおもりを取り付けた。それぞれの試料は、破壊及び/又は試験が終了するまで吊るされた。試料は3重に試験され、平均が以下の表に記入された。
【0064】
アミノアルキルアクリレート及びジアクリレートの調製:
ジ(ブチルアミノ)エチルメタクリレート(化合物VI)の調製
【化5】
電磁撹拌機、加熱マントル及び蒸留ヘッドを取り付けた500mL丸底フラスコに、メチルメタクリレート(100g、1.0mol、TCIから入手可能)と2−ジブチルアミノエタノール(43.3g、0.25モル、Matheson,Coleman and Bell(Norwood,OH)から入手可能)とアルミニウムイソプロポキシド(5.0g、24mmol、Alfa Aesarから入手可能)とN−フェニル−1−ナフチルアミン(2.5g、11mmol、Aldrichから入手可能)の混合物を装填した。この混合物を撹拌し、80℃にて一時間にわたって加熱した。反応混合物の温度を、110℃の温度に到達するまで、1時間当たり10℃ずつ増加させた。この時点までに、約20mLの材料(メタノール及びメチルメタクリレート)が反応フラスコから蒸留されていた。反応混合物を室温において一晩放置した。翌日、反応混合物を115℃にて2時間にわたって加熱し、次に材料が反応フラスコから蒸留されるように135℃にて加熱した。135℃にて1時間後、所望の生成物ジ(ブチルアミノ)エチルメタクリレートは、低圧下で反応フラスコから蒸留され、113℃〜118℃の温度にて2.5mm圧で採取された。NMRスペクトル解析によって、生成物の構造を確認した。このメタクリレートについて先に報告されている沸点(米国特許第2,138,763号(DuPont))は、2mm圧力下にて108〜109℃である。
【0065】
アミノアルキルアクリレート化合物VIII〜IXの調製
【化6】
4オンス(118mL)のガラスジャー内で、各100mmolのグリシジルメタクリレート(14.2g、Aldrichから入手可能)及び適切なアミンを混合した。ジメチルアミン反応のために、氷浴でのガラスジャーの断続的な冷却を伴いながら初期発熱反応が低下するまで、ジメチルアミン40%水溶液11.2gをグリシジルメタクリレートに添加した。他のアミンの反応のために、7.2gのジエチルアミン(Aldrichから入手可能)及び18.5gのジ−n−ヘキシルアミン(Pfaltz and Bauer(Stamford,CT)から入手可能)を利用した。ジメチルアミン反応混合物を室温にて一晩放置し、一方で、ジエチルアミンとジ−n−ヘキシルアミンの反応混合物を80℃にて一晩加熱した。減圧下で反応混合物を蒸留することにより、所望の生成物がもたらされた。生成物は、全ての場合で、上記スキームで示しているような異性体混合物であった。
【0066】
【表2】
aBodnaryuk,F.N.;Korshunov,M.A.;Mikhlin,V.S.;J.Org.Chem.USSR(英語翻訳)1972,8,1368〜1373。
【0067】
N−メチル−N,N−ジエタノールアミンジアクリレート:化合物X
【化7】
電磁撹拌機、加熱マントル及び蒸留ヘッドを取り付けた500mL丸底フラスコに、ブチルアクリレート(231g、1.8mol、Aldrichから入手可能)とN−メチルジエタノールアミン(35.7g、0.30mol、Aldrichから入手可能)とチタン(IV)n−ブトキシド(8.0g、24mmol、Alfa Aesarから入手可能)とN−フェニル−1−ナフチルアミン(2.5g、11mmol、Aldrichから入手可能)の混合物を装填した。この混合物を撹拌し、125℃にて15時間にわたって加熱した。反応混合物の温度を次に、165℃の温度に到達するまで、1時間当たり10℃ずつ増加させた。この時点までに、約200mLの材料(ブタノール及びブチルアクリレート)が反応フラスコから蒸留されていた。反応混合物を室温において一晩放置した。次の日、ブチルアクリレート(100g、0.78mol)とチタン(IV)n−ブトキシド(2.0g、3mmol)とN−フェニル−1−ナフチルアミン(1.0g、4mmol)の追加装填を行い、反応フラスコから物質を蒸留させながら反応混合物を6時間にわたって165℃で加熱した。次に反応混合物を減圧下で蒸留した。過剰なブチルアクリレートがまず蒸留され、次に所望の生成物であるN−メチル−N,N−ジエタノールアミンジアクリレートが蒸留された。これを7mm圧力下で140〜145℃の温度範囲にて回収した。NMRスペクトル解析によって、生成物の構造を確認した。先に報告されている沸点は、0.4mmにて94℃である(Korshunov,M.A.;Bodnaryuk,F.N.;J.Org.Chem.USSR(英語翻訳)1968,4,1157〜1161)。
【0068】
実施例2〜28、73〜75及び比較例C1及びC72
クオートのジャーに、540gのイソオクチルアクリレート(IOA、90部)、60gのアクリル酸(AA、10部)、及び0.24gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン光開始剤(Irgacure(商標)651、Ciba Specialty Chemicals Inc、0.04phr)を装填した。モノマー混合物を窒素で20分間パージし、その後、コーティング可能なシロップコポリマーが調製されるまで低強度の紫外線照射に暴露し、その後、0.96g(0.16phr)の光開始剤を更に添加した。
【0069】
接着剤前駆体ポリマーシロップを、表2に示すように様々な濃度のジアルキルアミンアクリレート架橋剤とブレンドした。シロップ接着剤前駆体製剤に関して、製剤を次いでMitsubishi Hostaphan(商標)下塗りポリエステルフィルム上に2mil(約50マイクロメートル)の厚さでコーティングし、560mJ/cm
2で硬化した。剥離データ及び剪断データを表2に示す。
【0070】
比較目的で、架橋剤を使用しない対照試料(例C1)も調製し、試験した。上記試験方法に記載したように、これらの接着剤から調製されたテープの剥離接着力及び剪断強度を測定した。
【0071】
【表3】
MOF=破損モード凡例:(co)は凝集を表す。
【0072】
実施例30〜47及び比較例C29
クオートのジャーに480gのイソオクチルアクリレート(IOA、80部)、114gのイソボルニルアクリレート(IBOA、19部)、6gのアクリル酸(AA、1部)、及び0.24gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン光開始剤(Irgacure(商標)651、Ciba Specialty Chemicals Inc、0.04phr)を装填した。モノマー混合物を窒素で20分間パージし、その後、コーティング可能なシロップコポリマーが調製されるまで低強度の紫外線照射に暴露し、その後、0.96g(0.16phr)の光開始剤を更に添加した。
【0073】
接着剤前駆体ポリマーシロップを、表3に示すように様々な濃度のジアルキルアミノアクリレート架橋剤とブレンドした。シロップ接着剤前駆体製剤に関して、製剤は次いでMitsubishi Hostaphan(商標)下塗りポリエステルフィルム上に2mil(約50マイクロメートル)の厚さでコーティングされ、560mJ/cm
2で硬化された。剥離データ及び剪断データを表3に示す。
【0074】
比較目的で、架橋剤を使用しない対照試料(例C29)も調製し、試験した。上記試験方法に記載したように、これらの接着剤から調製されたテープの剥離接着力及び剪断強度を測定した。
【0075】
【表4】
【0076】
実施例49〜66及び比較例C48
クオートのジャーに、570gの2−オクチルアクリレート(2−OA、95部)、30gのアクリル酸(AA、5部)及び0.24gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン光開始剤(Irgacure(商標)651、Ciba Specialty Chemicals Inc、0.04phr)を装填した。モノマー混合物を窒素で20分間パージし、その後、コーティング可能なシロップコポリマーが調製されるまで低強度の紫外線照射に暴露し、その後、0.96g(0.16phr)の光開始剤を更に添加した。
【0077】
接着剤前駆体ポリマーシロップを、表4に示すように様々な濃度のジアルキルアミンアクリレート架橋剤とブレンドした。シロップ接着剤前駆体製剤に関して、製剤を次いでMitsubishi Hostaphan(商標)下塗りポリエステルフィルム上に2mil(約50マイクロメートル)の厚さでコーティングし、560mJ/cm
2で硬化した。剥離データ及び剪断データを表4に示す。比較目的で、架橋剤を使用しない対照試料(例C3)も調製し、試験した。上記試験方法に記載したように、これらの接着剤から調製されたテープの剥離接着力及び剪断強度を測定した。
【0078】
【表5】
【0079】
実施例68〜71並びに比較例C67及びC76
クオートのジャーに、540gの2−オクチルアクリレート(2−OA、90部)、60gのアクリル酸(AA、10部)及び0.24gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン光開始剤(Irgacure(商標)651、Ciba Specialty Chemicals Inc、0.04phr)を装填した。モノマー混合物を窒素で20分間パージし、その後、コーティング可能なシロップコポリマーが調製されるまで低強度の紫外線照射に暴露し、その後、0.96g(0.16phr)の光開始剤を更に添加した。
【0080】
接着剤前駆体ポリマーシロップを、表5に示すように様々な濃度のジアルキルアミンアクリレート架橋剤とブレンドした。シロップ接着剤前駆体製剤に関して、製剤を次いでMitsubishi Hostaphan(商標)下塗りポリエステルフィルム上に2mil(約50マイクロメートル)の厚さでコーティングし、560mJ/cm
2で硬化した。剥離データ及び剪断データを表5に示す。比較目的で、架橋剤を使用しない対照試料(例C67及びC76)も調製し、試験した。上記試験方法に記載したように、これらの接着剤から調製されたテープの剥離接着力及び剪断強度を測定した。
【0081】
【表6】
【0082】
(実施例81〜82)
16オンス(約473mL)のジャーに450gのジヒドロシトロネリル(dh−CiA、90部)、50gのアクリル酸(AA、10部)及び0.2gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン光開始剤(Irgacure 651、0.04phr)を装填した。モノマー混合物を窒素で20分間パージし、その後、コーティング可能シロップコポリマーが調製されるまで低強度の紫外線照射に暴露し、その後、0.8g(0.16phr)の光開始剤を更に添加した。
【0083】
接着剤前駆体ポリマーシロップを、実施例81〜82に示すように様々な濃度のDMAEAにブレンドしたが、これは接着剤前駆体シロップの重量%に基づく。シロップ接着剤前駆体製剤に関して、製剤を次いでMitsubishi Hostaphan(商標)下塗りポリエステルフィルム上に2mil(約50マイクロメートル)の厚さでコーティングし、500mJ/cm
2で硬化した。上記試験方法に記載したように、剥離接着力及び剪断強度を測定した。剪断力を室温にて測定した。
【0084】
【表7】