特許第5963758号(P5963758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーションの特許一覧

<>
  • 特許5963758-有機エレクトロルミネッセント素子 図000040
  • 特許5963758-有機エレクトロルミネッセント素子 図000041
  • 特許5963758-有機エレクトロルミネッセント素子 図000042
  • 特許5963758-有機エレクトロルミネッセント素子 図000043
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963758
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】有機エレクトロルミネッセント素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20160721BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20160721BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20160721BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H05B33/14 B
   C09K11/06 690
   C09K11/06 660
   C07D409/04
   C07D409/14
【請求項の数】18
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2013-534129(P2013-534129)
(86)(22)【出願日】2011年10月21日
(65)【公表番号】特表2014-505350(P2014-505350A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】AU2011001344
(87)【国際公開番号】WO2012051667
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2014年10月9日
(31)【優先権主張番号】2011903758
(32)【優先日】2011年9月13日
(33)【優先権主張国】AU
(31)【優先権主張番号】2010904715
(32)【優先日】2010年10月22日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】590003283
【氏名又は名称】コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・マシュー・マクドナルド
(72)【発明者】
【氏名】上野 和則
(72)【発明者】
【氏名】カール・ピーター・ウェーバー
(72)【発明者】
【氏名】平井 匡彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュオ−ハオ・ウォーカー・リ
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−276054(JP,A)
【文献】 特開2007−243101(JP,A)
【文献】 特開2010−186927(JP,A)
【文献】 特開2007−294720(JP,A)
【文献】 特開2005−223238(JP,A)
【文献】 Velusamy, Marappan; Hsu, Ying-Chan; Lin, Jiann T.; Chang, Che-Wei; Hsu, Chao-Ping,"1-Alkyl-1H-imidazole-based dipolar organic compounds for dye-sensitized solar cells",Chemistry - An Asian Journal (2010),2009年11月18日,5(1),87-96
【文献】 Morita, Yasushi; Murata, Tsuyoshi; Yamada, Satoru; Tadokoro, Makoto; Ichimura, Akio; Nakasuji, Kazuhiro,"Novel building blocks for crystal engineering: the first synthesis of oligo(imidazole)s",Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1 (2002),2002年,(23),2598-2600
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 陽極と陰極とを備える一対の電極、および
− 前記一対の電極の間に配置された有機化合物の1つ以上の層を含み
前記有機化合物層、または前記有機化合物層(複数)のうち1つ以上が、以下の
【化1】
(式中、
〜Rは、同一もしくは異なると共に、各々は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択され、
は、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基、または、シアノ基からなる群から選択され、
nは1又は2であり、
n=1である場合、RもしくはRは置換もしくは非置換のチオフェン基であり、または
n=2である場合、は存在せず、前記化合物は式:
【化2】
によって表される)
によって表される化合物を含む、有機エレクトロルミネッセント素子。
【請求項2】
前記化合物が式:
【化3】
(式中、Rは、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択され、
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択され、
〜Rは同一もしくは異なると共に、各々、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルキル基および置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択されるか、または、RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成する置換基の対である)
のものである、請求項1に記載の素子。
【請求項3】
前記化合物が式:
【化4】
(式中、Rは、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択され、
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択され、
〜Rは同一もしくは異なると共に、各々は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルキル基および置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択されるか、または、RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成する置換基の対である)
のものである、請求項1に記載の素子。
【請求項4】
前記化合物が式:
【化5】
(式中、
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択され、
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択される)
のものである、請求項1に記載の素子。
【請求項5】
前記アリール基が単環式である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項6】
前記アリール基が多環式である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項7】
〜Rが、各々、置換もしくは非置換の複素環式基から独立して選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項8】
前記複素環式基がポリヘテロ環である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項9】
が置換もしくは非置換のアルキル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項10】
置換もしくは非置換の単環式または多環式芳香族である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項11】
置換もしくは非置換のモノヘテロ環式もしくはポリヘテロ環式である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項12】
前記素子が積層型有機EL素子である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の素子。
【請求項13】
前記素子がディスプレイを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の素子。
【請求項14】
前記素子が光源を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の素子。
【請求項15】
下の式:
【化6】
(式中、
〜Rは、同一もしくは異なると共に、各々は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択され、
は、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基、または、シアノ基からなる群から選択され、
nは1又は2であり、
n=1である場合、RもしくはRは置換もしくは非置換のチオフェン基であり、または
n=2である場合、Rは存在せず、前記化合物は下記式:
【化7】
で表される。)
によって表される化合物を、エレクトロルミネッセント素子に用いる使用方法
【請求項16】
光層がホスト材料およびリン光材料を含み、ここで、前記ホスト材料は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子のための材料を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項17】
光層がホスト材料およびリン光材料を含み、ここで、前記リン光材料は、イリジウム金属、オスミウム金属または白金金属を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【請求項18】
光層がホスト材料およびリン光材料を含み、ここで、前記リン光材料は、金属−カルベン結合を有する発光材料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の場合には時々有機発光ダイオード(OLED)と称される有機エレクトロルミネッセント素子に関する。有機エレクトロルミネッセント素子は、有機化合物の1つの層または複数の層(有機材料層)に電界が印加されることにより発光する。本発明はまた、このような素子における使用に好適な有機化合物にも関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセント素子は、一般に、陽極と陰極とを形成する一対の電極、ならびに、正孔注入層、発光層(蛍光材料またはリン光材料のいずれかを有するもの)および電子輸送層を含む1つの層または複数の層から構成される。陽極および陰極から正孔および電子がそれぞれ有機層に注入され、それ故、発光材料中に励起子がもたらされる。励起子が基底状態に移行する際に、有機ルミネッセンス素子が発光する。
【0003】
非特許文献1による最初の研究によれば、アルミニウムキノリノール錯体(電子輸送およびルミネッセント材料として)の層およびトリフェニルアミン誘導体(正孔輸送材料として)の層から構成される有機エレクトロルミネッセント素子は、10Vの電圧を印加すると約1,000cd/mのルミネッセンスをもたらした。関連する米国特許の例としては、特許文献1〜3が挙げられる。
【0004】
Baldoらによるさらなる研究では、リン光材料をドーパントとして用いる有望なOLEDが明らかとされた。リン光性OLEDの量子収量が顕著に向上した(特許文献4)。
【0005】
上述のOLEDに追加して、共役ポリマー材料を用いるポリマー有機エレクトロルミネッセント素子(PLED)が、Cambridge Universityのグループによって報告されている(非特許文献2及び特許文献5〜7)。
【0006】
PLEDは、印刷法を可用性ポリマー材料に適用し得るために、素子の作製の観点から利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,539,507号明細書
【特許文献2】米国特許第4,720,432号明細書
【特許文献3】米国特許第4,885,211号明細書
【特許文献4】米国特許第6,830,828号明細書
【特許文献5】米国特許第5,247,190号明細書
【特許文献6】米国特許第5,514,878号明細書
【特許文献7】米国特許第5,672,678号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Eastman Kodak Co.(「Appl.Phys.Lett」,vol.51,pp.913(1987)
【非特許文献2】Nature,vol.347,pp.539−(1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
OLEDおよびPLEDは過去20年間において性能が顕著に進化したが、解消される必要がある問題が未だ残っている。
【0010】
例えば、上記の有機エレクトロルミネッセント素子は、長期にわたって用いられる場合の耐久性の観点で性能が未だ十分ではない。有機エレクトロルミネッセント素子の性能は、正孔注入材料、正孔輸送材料、ホスト材料、発光材料およびいくつかの他のものなどの新規材料を研究することによりさらなる向上が可能である。さらに、素子作製プロセスの向上が要求されている。
【0011】
有機エレクトロルミネッセント素子性能を向上させるための重要な考察は、素子の寿命を延ばすために素子における駆動電流をさらに低減させることである。例えば、この懸念に対応するいくつかの材料が提案されている(米国特許第6,436,559号明細書、日本特許第3571977号公報、日本特許第3614405号公報)。このような材料を用いる有機エレクトロルミネッセント素子におけるこれらの進歩に関わらず、安定性および性能に係るさらなる向上が未だ要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述のとおり有機エレクトロルミネッセント素子において直面した問題に向上をもたらすか、または、有用な代替を提供する。
【0013】
特定の実施形態が、高い効率およびより長い寿命を有する有機エレクトロルミネッセント素子を提供し得る。
【0014】
特定の実施形態はまた、低電流範囲で漏れ電流が低減された安定な素子をも提供し得る。
【0015】
本発明によれば、
−陽極と陰極とを備える一対の電極、および
−一対の電極の間に配置された有機化合物の1つ以上の層であって、以下の式(1)によって表される化合物を含む有機化合物層または1つ以上の有機化合物層
【0016】
【化1】
【0017】
(式中、
〜Rは、同一もしくは異なると共に、各々は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択される。
は、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基、または、シアノ基からなる群から選択される。
n=1である場合、RもしくはRは置換もしくは非置換のチオフェン基である。
n=2である場合、R=なし。)
を備える有機エレクトロルミネッセント素子が提供されている。
【0018】
上記の発明の一実施形態においてRはチオフェン基である。この実施形態において、本発明は素子を提供し、ここで、化合物は式(1a)のものである。
【0019】
【化2】
【0020】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0021】
は、置換もしくは非置換のアリール基あるいは置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択されるか、または、水素原子である。
【0022】
〜Rは同一もしくは異なると共に、各々、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルキル基および置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択されるか、または、RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成する置換基の対である。
【0023】
上記の発明の他の実施形態において、式(1)のR基はチオフェン基である。この実施形態において、本発明は素子を提供し、ここで、化合物は式(1b)のものである。
【0024】
【化3】
【0025】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0026】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択されるか、または、水素原子である。
【0027】
〜Rは同一もしくは異なると共に、各々は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルキル基および置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択されるか、または、RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成する置換基の対である。
【0028】
上記の発明のさらなる実施形態において、式(1)のR基はイミダゾール基である。この実施形態において、本発明は素子を提供し、ここで、化合物は式(1c)のものである。
【0029】
【化4】
【0030】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0031】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択される。
【0032】
本発明の他の態様においては、エレクトロルミネッセント素子において用いられる、以下の式(1)によって表される化合物が提供される。
【0033】
【化5】
【0034】
(式中、
〜Rは、同一もしくは異なると共に、各々は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択される。
は、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基、または、シアノ基からなる群から選択される。
n=1である場合、RもしくはRは置換もしくは非置換のチオフェン基である。
n=2である場合、R=なし。)
【0035】
上記の発明の一実施形態において、式(1)のR基はチオフェン基である。この実施形態において、本発明は、エレクトロルミネッセント素子において用いられる式(1a)の化合物を提供する。
【0036】
【化6】
【0037】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0038】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択されるか、または、水素原子である。
【0039】
〜Rは同一もしくは異なると共に、各々、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルキル基および置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択されるか、または、RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成する置換基の対である。
【0040】
上記の発明の他の実施形態において、式(1)のR基はチオフェン基である。この実施形態において、本発明は、エレクトロルミネッセント素子において用いられる式(1b)の化合物を提供する。
【0041】
【化7】
【0042】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0043】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択されるか、または、水素原子である。
【0044】
〜Rは同一もしくは異なると共に、各々は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルキル基および置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択されるか、または、RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成する置換基の対である。
【0045】
上記の発明のさらなる実施形態において、Rはイミダゾール基である。この実施形態において、本発明は、エレクトロルミネッセント素子において用いられる式(1c)の化合物を提供する。
【0046】
【化8】
【0047】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0048】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択される。
【0049】
さらなる態様において、本発明は、エレクトロルミネッセント素子における、上記式(1)、(1a)、(1b)、(1c)によって表される化合物の使用を提供する。
【0050】
上記実施形態の好ましい形態において、Rは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、2つ以上の結合部位を有する置換もしくは非置換の単環式または多環式芳香族化合物、および、2つ以上の結合部位を有する置換もしくは非置換のモノヘテロ環式化合物もしくはポリヘテロ環式化合物からなる群から選択される。
【0051】
〜Rがアリール基である場合、これは単環式または多環式であってもよい。
【0052】
上記のとおり、R〜Rは、各々、置換もしくは非置換の複素環式基から独立して選択され得る。複素環式基はポリヘテロ環であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1図1は、本発明の実施形態による有機エレクトロルミネッセント素子の基本的な構造の概略図である。
図2図2は、本発明の他の実施形態による有機エレクトロルミネッセント素子の基本的な構造の概略図である。
図3図3は、本発明の他の実施形態による有機エレクトロルミネッセント素子の基本的な構造の概略図である。
図4図4は、本発明の他の実施形態による有機エレクトロルミネッセント素子の基本的な構造の概略図である。
【0054】
表1は、2種の選択された材料53および5、ならびに、基準のための1種の市販材料(NPD)に基づく素子特性のまとめである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明による有機エレクトロルミネッセント素子は、陽極と陰極との間に配置された有機化合物層から構成される。
【0056】
この有機層は、
−式(1)の化合物でドープされた単一の層、または
−少なくとも1つの層が式(1)の化合物でドープされていてもよい複数の層、あるいは、少なくとも1つの層であって、別のドーパントでドープされた式(1)の化合物から構成される層、または
−少なくとも1つの層が式(1)の化合物で完全に構成されていてもよい複数の層
からなるものであり得る。
【0057】
「化合物」という用語は、式(1)の化学物質の全てを指すその最も広範な意味で用いられ、ポリマー、モノマー等を含む。式(1)の化合物のいくつかの形態はポリマー形態であることが理解されるであろう。
【0058】
式(1)
式(1)の化合物はイミダゾール環構造を有する。R〜Rは、同一もしくは異なると共に、各々は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択される。
【0059】
は、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基、または、シアノ基からなる群から選択される。
【0060】
n=1である場合、RもしくはRは置換もしくは非置換のチオフェン基である。
【0061】
n=2である場合、R=なし。
【0062】
本発明の化合物の特定の実施形態は、100℃を超える融点および100℃を超えるガラス転移温度を有するであろう。化合物に係るバンドギャップは2.5〜3.5eVであろうことも想定される。
【0063】
「アリール」という用語は化学の技術分野において十分に理解されており、いずれかの芳香族置換基を指すために用いられる。芳香族置換基は、1〜4つの縮合芳香族環などの1つ以上の環、および、5〜50環原子を含有していることが好ましい。芳香族置換基は、最も一般的には単結合と二重結合とが交互に配置されている非局在化された共役π系;すべての寄与している原子が同一面内にある同一平面構造;1つ以上の環に配置された系の原子、および、4の倍数個のπ電子ではない偶数個のπ非局在化電子(それ故、4n+2個のπ電子、ここで、n=0または正の整数である)を伴う、共有結合されている一組の原子を含有する。
【0064】
この法則に従うすべての芳香族基がアリールの定義の範囲に包含される。アリール基は、炭素環式(すなわち、炭素および水素のみを含有する)であり得るか、または、芳香族複素環式(すなわち、炭素、水素および少なくとも1つのヘテロ原子を含有する)であり得る。アリール基は、フェニルなどの単環式アリール基、または、ナフチルもしくはアントリルなどの多環式アリール基であり得る。アリール基の例としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基等が挙げられる。
【0065】
「複素環式」、同様に「複素環式基」または「複素環」という用語は、有機化学の技術分野において十分に理解されており、1〜4つの環などの1つ以上の環を含有すると共に、少なくとも1個の原子がヘテロ原子である5〜50個(好ましくは5〜20個)の環原子を含有するいずれかの環式基を指すために用いられる。ヘテロ原子は、O、N、SおよびSiの1つ以上から選択され得る。式(1)に係る複素環式基は、以下の原子:窒素、酸素、硫黄およびケイ素のいずれかの1つ以上と共に炭素原子を含む、ピローリル、チエニル、ピリジルまたはピリダジニルなどの5員もしくは6員複素環であり得る。複素環式基は、単一の複素環、または、2つ以上の結合した環もしくは縮合環を含んでいてもよく、少なくとも1つの環がヘテロ原子を含有する。複素環式基の下位のクラスの1つは芳香族複素環式(またはヘテロアリール)基であり、これは、O、NおよびSの1種以上から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する芳香族基である。このようなヘテロ芳香族基もまたアリール基の定義にあてはまっている。複素環式基に係るいくつかの特定の例は、ピロール、トリアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,5−オキサチアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、フラン、ピラン、ピロン、チアゾール、イソチアゾール、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、ピラゾリジンである。他の例としては、ベンズイミダゾール、チオフェン、ベンゾチオフェン、オキサジアゾリン、インドリン、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノン、ピラゾリン、イミダゾリジン、ピペリジン等の部分が挙げられる。
【0066】
複素環式基は単環式であっても多環式であってもよい。いくつかの実施形態によれば、複素環式基は多環式である。このクラス中の多環式複素環式基の一例はカルバゾールである。
【0067】
式(1)において、Rは、無置換であるか、または、好適な置換基により置換されていてもよいアルキル基であり得る。式(1)に係るアルキル基は、1〜20個(端点を含む)の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐鎖アルキル基または環式アルキル基であり得る。直鎖アルキル基の例としては、メチル、プロピルまたはデシルが挙げられ、および、分岐アルキル基の例としては、イソ−ブチル、t−ブチルまたは3−メチル−ヘキシルが挙げられる。環式アルキル基の例としては、モノシクロヘキシルおよび縮合アルキル環系が挙げられる。
【0068】
式(1)において、アリールまたはアルキルまたは複素環式基は、技術分野において公知であるいずれかの好適な置換基から選択される1つ以上の置換基を追加して有していてもよい。好適な置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、他のアリール、アルキルまたは複素環式基からなる群から選択されてもよく、アリール、アルキルまたは複素環式基の各々は、1つ以上のさらなる置換基によってさらに置換されていてもよい。それ故、アリール、アルキルまたは複素環式置換基上のさらなる置換基が、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基およびアリールアミノ基の1つ以上から選択されていてもよい。
【0069】
置換基は、アリール、アルキルまたは複素環式基に1個の原子によって直接的に結合していても、または、2個以上の原子によって、もしくは、窒素、酸素、硫黄およびケイ素などのヘテロ原子を介して縮合していてもよい。いくつかの場合において、置換基は、二価アルキル基またはエチレンジオキシ基(すなわち、−O−CHCH−O−)の場合のように2個以上の結合点によって結合していてもよい。
【0070】
「ハロゲン」またはハロという用語は、フッ素、塩素、臭素等を指す。ニトロは−NOを指す。ケトンは、基−C(=O)−アルキルまたは−C(=O)−アリールを含有する化合物を指し、ここで、アルキルおよびアリールは既に定義されているとおりである。アセチル(−C(=O)−CHが特定の一例である。
【0071】
アミドという用語は、基−C(O)NR’R”(式中、RおよびR”は、既に定義されている、H、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される)を含有する置換基を指す。「イミド」という用語は、基−C(O)NR’C(O)R”(式中、RおよびR”は、H、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される)を含有する置換基を指す。「イミン」という用語は、基−C(=NR’)R”(式中、RおよびR”は、H、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される)を含有する置換基を指す。「アミジン」という用語は、基−C(=NR’)NR”R(式中、R’、R”およびRは、H、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される)を含有する置換基を指す。
【0072】
シアノは、−C≡Nを指す。ヒドロキシルは−OHを指す。カルボキシレートはカルボン酸アニオン−COR−を指し、カルボン酸、エステルおよびその塩を含む。スルホネート基は、スルホン酸、エステルおよびその塩を指す。アルコキシは基−O−アルキルを指し、ここで、アルキルは既に定義されているとおりである。アリールオキシは基−O−アリールを指し、ここで、アリールは既に定義されているとおりである。
【0073】
「アミノ」という用語はアミノ基−NHを指す。アルキルアミノという用語は窒素原子上に1個または2個のアルキル基を含有する第2級および第3級アルキルアミノ基を指す。「アルキルアミノ基」の例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基等が挙げられる。アリールアミノという用語は、窒素原子上に1個または2個のアリール基を含有する第2級および第3級アリールアミノ基を指す。「アリールアミノ基」の例としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、イソプロピルジフェニルアミノ基、t−ブチルジフェニルアミノ基、ジイソプロピルジフェニルアミノ基、ジ−t−ブチルジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基等が挙げられる。
【0074】
式(1)において、R〜Rの1つ以上がシアノ基であり得る。シアノは−C≡Nを指す。
【0075】
式(1a)
式(1a)において、式(1)のRはチオフェン基である。「チオフェン」という用語は有機化学の技術分野において十分に理解されている。チオフェン基は、環中に硫黄原子を含む、構成要素を5つ有する不飽和複素環である。
【0076】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0077】
は、置換もしくは非置換のアリール基あるいは置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択されるか、または、水素原子である。
【0078】
〜Rは同一もしくは異なると共に、各々、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルキル基および置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択されるか、または、RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成する置換基の対である。
【0079】
アリール基、複素環式基、アルキル基、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基という用語は式(1)の文脈において上記に定義されており、これらの定義がここでも等しく適用される。
【0080】
アルキル、アリールおよび複素環式基上の任意の置換基は、式(1)に関して上記に記載されているものと同じであり、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、モノマーもしくはポリマー鎖、および、他のアリール、アルキルまたは複素環式基を含み、ここで、アリール、アルキルまたは複素環式基の各々は、1個以上のさらなる置換基によってさらに置換されていてもよい。また、アリール、アルキルまたは複素環式置換基上のさらなる置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基およびアリールアミノ基の1つ以上から選択され得る。
【0081】
置換基は、アリール、アルキルあるいは複素環式基に、1個の原子によって直接的に結合していても、または、2個以上の原子によって、もしくは、ヘテロ原子を介して縮合していてもよい。いくつかの場合において、置換基は、二価アルキル基またはエチレンジオキシ基(すなわち−O−CHCH−O−)の場合のように2個以上の結合点によって結合していてもよい。
【0082】
他の実施形態において、置換基の対RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成しており、「環式基」という用語は、炭素環式もしくは複素環式であり得ると共に、脂肪族、芳香族、飽和または不飽和であり得る環式環および結合もしくは縮合環系を指すために、その最も広範な意味で用いられる。環は、炭素環式基(シクロヘキシルなどの環原子のすべてが炭素原子であるもの)、複素環式基(既述のとおり)、および、芳香族またはアリール基(炭素系芳香族基またはヘテロ芳香族基であり得る)であり得る。環式基は、1つの環、または、3個以下の結合したまたは縮合された環を含有していてもよい。
【0083】
式1b
式(1b)において、式(1)のRはチオフェン基である。
【0084】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0085】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択されるか、または、水素原子である。
【0086】
〜Rは同一もしくは異なると共に、各々は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルキル基および置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から独立して選択されるか、または、RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成する置換基の対である。
【0087】
アリール基、複素環式基、アルキル基、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基という用語は式(1)の文脈において上記で定義されており、これらの定義がここでも等しく適用される。
【0088】
アルキル、アリールおよび複素環式基上の任意の置換基は、式(1)に関して上記に記載されているものと同じであり、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、モノマーまたはポリマー鎖および他のアリール、アルキルまたは複素環式基が挙げられ、ここで、アリール、アルキルまたは複素環式基の各々は、1つ以上のさらなる置換基によってさらに置換され得る。また、アリール、アルキルまたは複素環式置換基上のさらなる置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基およびアリールアミノ基の1つ以上から選択され得る。
【0089】
置換基は、アリール、アルキルまたは複素環式基に、1個の原子によって直接的に結合していても、または、2個以上の原子によって、もしくは、ヘテロ原子を介して縮合していてもよい。いくつかの場合において、置換基は、二価アルキル基またはエチレンジオキシ基(すなわち−O−CHCH−O−)の場合のように2個以上の結合点によって結合していてもよい。
【0090】
他の実施形態において、置換基の対RおよびR、または、RおよびRは一緒になって置換もしくは非置換の環式基を形成しており、「環式基」という用語は、炭素環式もしくは複素環式であり得ると共に、脂肪族、芳香族、飽和または不飽和であり得る環式環および結合もしくは縮合環系を指すために、その最も広範な意味で用いられる。環は、炭素環式基(シクロヘキシルなどの環原子のすべてが炭素原子であるもの)、複素環式基(既述のとおり)、および、芳香族またはアリール基(炭素系芳香族基またはヘテロ芳香族基であり得る)であり得る。環式基は、1つの環、または、3個以下の結合もしくは縮合された環を含有していてもよい。
【0091】
式(1c)
式(1c)において、式(1)中のR基はイミダゾール基である。
【0092】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基からなる群から選択される。
【0093】
は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換のアルキル基からなる群から選択されるか、または、水素原子である。
【0094】
アルキル、アリールおよび複素環式基上の任意の置換基は、式(1)に関して上記に記載されているものと同じであり、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、モノマーまたはポリマー鎖、および、他のアリール、アルキルまたは複素環式基を含み、ここで、アリール、アルキルまたは複素環式基の各々は、1個以上のさらなる置換基によってさらに置換されていてもよい。また、アリール、アルキルまたは複素環式置換基上のさらなる置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基およびアリールアミノ基の1つ以上から選択され得る。
【0095】
置換基は、アリール、アルキルまたは複素環式基に、1個の原子によって直接的に結合していても、または、2個以上の原子によって、もしくは、ヘテロ原子を介して縮合していてもよい。いくつかの場合において、置換基は、二価アルキル基またはエチレンジオキシ基(すなわち−O−CHCH−O−)の場合のように2個以上の結合点によって結合していてもよい。
【0096】
アリール基、複素環式基、アルキル基、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ケトン基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基という用語は式(1)の文脈において上記で定義されており、これらの定義がここでも等しく適用される。
【0097】
式(1)として表されている化合物の特定の例としては、以下に示されている例示化合物番号(2)〜(62)が挙げられ得るが、しかしながら、これらの化合物に限定されるものではない。
【0098】
【化9】
【0099】
【化10】
【0100】
【化11】
【0101】
【化12】
【0102】
【化13】
【0103】
【化14】
【0104】
【化15】
【0105】
上記のとおり、有機層は、
−式(1)の化合物でドープされた単一の層、または
−少なくとも1つの層が式(1)の化合物でドープされていてもよい複数の層、あるいは、少なくとも1つの層であって、別のドーパントでドープされた式(1)の化合物から構成される層、または
−少なくとも1つの層が式(1)の化合物で完全に構成されていてもよい複数の層
からなるものであり得る。
【0106】
本出願の有機ルミネッセンス素子において、上述の式(1)の化合物を含む有機化合物層は、一対の電極(陰極および陽極)の間に、他の層(いずれかの他の層が存在する場合)とは個別に、または、他の層と一緒に形成され得る。好適な形成技術としては、真空蒸着または溶液プロセスが挙げられる。
【0107】
有機化合物層の厚さは、好ましくは最大で10μm未満、より好ましくは0.5μm未満、さらにより好ましくは0.001〜0.5μmであり得る。
【0108】
ここで、本発明の特定の実施形態を、本発明の素子に係る考えられ得る一連の配置が例示されている添付の図面を参照してさらに詳細に記載する。これらの実施形態は単なる一例として提供されており、本発明の範囲を限定することは意図されていないことが理解されるであろう。
【0109】
本出願の実施形態のエレクトロルミネッセント素子は、図1に示されているとおり、式(1)により定義されている化合物のみから構成される単一層構造から構成されているか、または、図2および3に示されているとおり、2つ以上の層の複層構造であり得る。
【0110】
より具体的には、図1は、本発明の有機エレクトロルミネッセント素子の第1の実施形態の概略断面である。図1において、有機エレクトロルミネッセント素子は、基材1、陽極2(基材1上に成膜されている)、発光層3(陽極2上に成膜されている)および陰極4(発光層3上に成膜されている)を備えている。この実施形態において、発光層3は単一の有機化合物タイプ−層を形成している。この単一の層は、自身の特性に基づいて、または、ホスト化合物の正孔輸送能、電子輸送能およびルミネッセンス能の性能を高めるドーパントとの組み合わせを介して正孔輸送能、電子輸送能およびルミネッセンス能(電子と正孔との再結合に関連している)を有する化合物から完全に組成されていてもよい。いくつかの実施形態によれば、式(1)の化合物は、ドーパントを伴って正孔輸送層とされることが可能である。他の実施形態によれば、式(1)の化合物は、ドーパントとして機能することが可能である。他の実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下にさらに記載されているとおり個別の正孔注入層とされることが可能である。
【0111】
図1において、発光層3は、5nm〜1μm、より好ましくは5〜50nmの厚さを有していることが好ましい場合がある。
【0112】
図2は、正孔輸送層5および電子輸送層6から構成された複層タイプの素子の形態の本発明の有機エレクトロルミネッセント素子の他の実施形態を示す。
【0113】
図2を参照すると、有機ルミネッセント素子は、基材1、陽極2(基材1上に成膜されている)、正孔輸送層5(陽極2上に成膜されている)、電子輸送層6(正孔輸送層5上に成膜されている)および陰極(電子輸送層6上に成膜されている)を備えている。この実施形態においては、正孔輸送層5および電子輸送層6の一方もしくは両方が、発光層3を形成するためにドーパントとして発光性化合物を含有していてもよい。この場合、正孔輸送層5および電子輸送層6は、それぞれ、非ルミネッセント化合物から構成されていてもよい。式1の化合物は、正孔輸送層5、または、正孔輸送層の成分を形成することが可能である。
【0114】
図2に実施形態において、正孔輸送層5および電子輸送層6の各々は、5nm〜1μm、より好ましくは5nm〜50nmの厚さを有し得る。
【0115】
図3は、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6を備えている複層タイプの素子の形態の本発明の有機エレクトロルミネッセント素子の他の実施形態を示す。図3において、有機ルミネッセント素子は、基材1、陽極2(基材1上に成膜されている)、正孔輸送層5(陽極2上に成膜されている)、発光層3(正孔輸送層5上に成膜されている)、電子輸送層6(発光層3上に成膜されている)および陰極(電子輸送層6上に成膜されている)を備えている。この実施形態において、正孔輸送層、発光層および電子輸送層の各々は、正孔輸送化合物、発光性化合物および電子輸送化合物を、それぞれ用いることにより、または、これらの種の化合物の混合物として用いることにより形成され得る。式1の化合物は、正孔輸送層5、または、正孔輸送層の成分を形成することが可能である。
【0116】
図4は、正孔注入層7、正孔輸送層5、発光層3および電子輸送層6を含む複数の層を有する本発明の有機エレクトロルミネッセント素子の他の実施形態を示す。図4において、有機ルミネッセント素子は、基材1、陽極2(基材1上に成膜されている)、正孔注入層7(陽極2上に成膜されている)、正孔輸送層5(正孔注入層上に成膜されている)、発光層3(正孔輸送層5上に成膜されている)、電子輸送層6(発光層3上に成膜されている)および陰極(電子輸送層6上に成膜されている)を備えている。この実施形態において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層の各々は、それぞれ、正孔注入化合物、正孔輸送化合物、発光性化合物(または、発光性化合物およびホスト化合物)および電子輸送化合物を用いることにより形成され得、または、これらの種の化合物の混合物として形成され得る。式1の化合物は、正孔注入層7および/または正孔輸送層5(または、その構成)を形成することが可能である。
【0117】
図1、2、3および4において、3、5、6、および7の層の各々は、低分子化合物もしくはポリマー化合物、または、低分子化合物とポリマー化合物との混合物を用いて真空蒸着または塗布法のいずれかによって形成され得る。層3、5および6の厚さの各々は、好ましくは、1nm〜1μmの範囲であり得る。陰極および陽極の厚さの各々は、好ましくは100〜200nmであり得る。
【0118】
図1、2、3および4に示されている素子中の有機層構造は、それぞれ、基本的な構造を表しており、従って、構造は、要求される特徴に応じて適切に最適化され得る。好適な変更の例としては、1つ以上の追加の層の組込みが挙げられる。
【0119】
例えば、正孔輸送層は、正孔注入層(陽極上に成膜されている)および正孔輸送層(正孔注入層上に成膜されている)を含むよう変更されてもよい。
【0120】
図1、2、3および4のもの以外の素子構造のさらなる特定の実施形態が以下に示されているが、これらの素子構造に限定されるものではない。
(1)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(3)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
(5)陽極/無機半導体/絶縁体/正孔輸送層/発光層/絶縁体/陰極
(6)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
(7)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(8)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/絶縁層/陰極
【0121】
上記の実施形態において、(1)、(2)、(3)、(7)および(8)の素子構造がより好ましいが、限定はされない。いくつかの実施形態によれば、式(1)の化合物は正孔注入層または正孔生成層として形成され得る。この場合、正孔注入層または正孔生成層は、1nm〜1μm、より好ましくは1〜50nmの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、式(1)の化合物は、正孔注入材料もしくは正孔生成材料として、正孔注入層もしくは正孔生成層として、または、正孔輸送層中のドーパントとして使用されている。
【0122】
いくつかの実施形態において、式(1)の化合物は、正孔輸送化合物(または材料)、電子輸送化合物および/または発光化合物と組み合わされて用いられ得、その例としては以下のものが挙げられ得る。
正孔輸送材料/化合物:
【0123】
【化16】
【0124】
【化17】
【0125】
【化18】
【0126】
電子輸送材料/化合物:
【0127】
【化19】
【0128】
【化20】
【0129】
発光材料/化合物:
【0130】
【化21】
【0131】
陽極(例えば、図1〜4における2)用の材料としては、大きい仕事関数を有するものを用いることが好ましく、その例としては、金、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレニウム、バナジウムおよびこれらの合金などの金属;酸化錫、酸化亜鉛、インジウム酸化亜鉛(IZO)およびインジウム錫酸化物(ITO)などの金属酸化物、ならびに、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリチオフェンならびにこれらの誘導体などの導電性ポリマーが挙げられ得る。これらの化合物は、単独で、または、2つ以上の種の組み合わせで用いられ得る。
【0132】
陰極(例えば、図1〜4における4)用の材料としては、通常は4.0eV未満といったより小さな仕事関数を有するものを用いることが好ましく、その例としては、ナトリウム、マグネシウム、リチウム、カリウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、クロムなどの金属、および、これらの合金または酸化物が挙げられ得る。金属酸化物の場合、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム酸化亜鉛(IZO)および酸化亜鉛などが好適である。
【0133】
絶縁層は、実施形態(3)〜(8)に記載されているとおり、漏れ電流を防ぐためにいずれかの電極に隣接して成膜され得る。絶縁材料としては、無機化合物を用いることが好ましく、その例としては、酸化アルミニウム、フッ化リチウム、酸化リチウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化バナジウムが挙げられ得る。
【0134】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用の基材(例えば、図1〜4に示されている1)は、金属もしくはセラミックなどのいずれかの好適な材料製の不透明基材、または、ガラス、水晶、プラスチックなどのいずれかの好適な透明材料製の透明基材等が挙げられ得る。カラーフィルタフィルム、蛍光性色転換フィルム、誘電体反射フィルム等で基材を形成し、これにより、放射されたルミネッセント光のこのような態様を制御することが可能である。
【0135】
本出願の素子は、積層型有機エレクトロルミネッセント(EL)素子の形態で提供されることが可能である。本出願はまた、ディスプレイおよび光源を含む本発明の有機エレクトロルミネッセント素子を備える電子素子にも関する。
【0136】
以下に、本発明を調製例および素子例と共に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されることは意図されていない。
【実施例】
【0137】
実施例1
【0138】
【化22】
【0139】
4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1−トリチル−1H−イミダゾール 1
4−ヨード−1−トリチル−1H−イミダゾール(7.95g、18.2mmol)、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(4.90g、21.9mmol)、NaCO(7.66g、73.0mmol)のHO(20mL)およびジオキサン(100mL)中の混合物を脱気した(N通気)。Pd(PPh(500mg)を添加し、混合物を還流に4時間加熱した。この混合物を室温に冷却させ、濃縮した。この混合物をCHClおよびHOで希釈し、有機相を分離した。水性相を再抽出し(CHCl)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して固体残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/CHCl/ヘキサン4:50:50、次いで、6:50:50、次いで、8:50:50)により精製して、4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(6.15g、83%)を無色の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ2.46(d,J 0.9Hz,3H),6.62〜6.65(m,1H),6.94(d,J 1.4Hz,1H),6.99(d,J 3.5Hz,1H),7.15〜7.21(m,6H),7.31〜7.37(m,9H),7.41(d,J 1.4Hz,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ15.3,75.5,116.1,121.7,125.5,128.1,128.1,129.8,135.6,136.4,137.8,138.9,142.2;HRMS(EI)m/z 406.1496 C2722S[M]+・は406.1498を必要とする。
【0140】
実施例2
【0141】
【化23】
【0142】
2−ヨード−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1−トリチル−1H−イミダゾール 2
4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(2.20g、5.42mmol)のTHF(100mL)中の混合物を−78℃に冷却した。BuLi(3.9mLの、ヘキサン中の1.6M溶液、6.2mmol)を滴下し(約2分間)、薄い黄色の溶液を−50℃に(約1時間かけて)温めさせ、次いで−78℃に再冷却した。I(2.74g、10.4mmol)を添加し、混合物を室温(約4時間かけて)に温めさせ、一晩撹拌した。飽和水性NHCl(2mL)を添加し、混合物を約10mLに濃縮した。混合物をEtOAc、HO、飽和水性Naで希釈し、有機相を分離した。水性相を再抽出し(EtOAc)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン5:95、次いで、15:85)により精製して、2−ヨード−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1−トリチル−1H−イミダゾール2(1.72g、60%)を無色の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ2.45(s,3H),6.60〜6.64(m,1H),6.94(s,1H),6.99(d,J 3.5Hz,1H),7.19〜7.39(m,15H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ15.3,90.6,120.4,122.3,125.5,125.6,127.2,128.1,130.8,134.2,138.1,138.2,141.4,146.8;HRMS(EI)m/z 532.0459 C2721IS[M]+・は532.0465を必要とする。
【0143】
実施例3および4
【0144】
【化24】
【0145】
2,5−ビス(4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)チオフェン 4
2−ヨード−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1−トリチル−1H−イミダゾール2(2.57g、4.83mmol)およびAcOH(3mL)のMeOH(120mL)中の混合物を還流下で加熱した(2時間)。混合物を室温に冷却させ、次いで、濃縮して残渣を得た。残渣をトルエン中にとり、濃縮して残渣を得た。残渣をCHCl、HO、飽和水性NaHCOで希釈し、有機相を分離した。水性相を再抽出し(CHCl)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン15:85、次いで、30:70、次いで、40:60)により精製して、2−ヨード−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール3(1.2g、86%)を無色の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)2.48(d,J 1.0Hz,3H),6.65〜6.68(m,1H),7.03(d,J 3.5Hz 1H),7.14(s,1H)。
【0146】
O(5mL)およびDMF(40mL)中の2−ヨード−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール3(940mg、3.25mmol)、チオフェン−2,5−ジボロン酸(250mg、1.46mmol)、NaCO(780mg、7.40mmol)の一部を脱気した(N通気)。Pd(PPh(85mg)を添加し、混合物を還流に3時間加熱した。この混合物を室温に冷却させ、濃縮した。混合物をEtOAcおよびHOで希釈し、有機相を分離した。水性相を再抽出し(EtOAc)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン35:65、次いで、50:50、次いで、75:25)により精製して、2,5−ビス(4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)チオフェン4(1.65g、27%)を薄い茶色の固体として得た。H NMR[(CDSO ,400MHz]δ2.44(s,6H),6.75(s,2H),7.11(d,J 3.0Hz,2H),7.51(br s,4H),12.65〜12.85(br s,2H);HRMS(EI)m/z 408.0539 C2016[M]+・は408.0532を必要とする。
【0147】
実施例5
【0148】
【化25】
【0149】
1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール 5
THF(220mL)中の4(5)−ヨードイミダゾール(12.1g、67.7mmol)に、0℃で、(数回に分けて、5分間かけて)NaH(2.77gの、鉱油中の60%分散体、69.0mmol)を添加した。混合物を0℃で(15分間)、次いで、室温で(20分間)撹拌した。混合物を0℃に再冷却し、MeI(4.49mL、72.0mmol)を添加し、混合物を撹拌し(10分間)、次いで、室温で(1時間)撹拌した。HO(5mL)を注意しながら添加し、混合物を濃縮した(約10mL)。この混合物をCHClおよびHOで希釈し、有機相を分離した。水性相を再抽出し(CHCl)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をDMF(100mL)中にとり、数滴のMeIを添加した。この混合物を75℃(14時間)に加熱した。HO(3mL)を添加し、混合物を濃縮して残渣(12.9g)を得た。この残渣(12.9g)に、HO(50mL)およびDMF(200mL)中の5−メチルチオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(16.1g、72.0mmol)、NaCO(20.8g、0.198mol)を添加し、混合物を脱気した(N通気)。Pd(PPh(1.0g)を添加し、混合物を還流に3時間加熱した。この混合物を室温に冷却させ、濃縮した。この混合物をCHClおよびHOで希釈し、有機相を分離した。水性相を再抽出し(CHCl)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン40:50、次いで、50:50、次いで、60:40、次いで、70:30)により精製して、1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール5(4.23g、38%)を無色の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ2.45(s,3H),3.64(s,3H),6.62〜6.656(m,1H),6.97(s,1H),7.02(d,J 3.5Hz,1H),7.40(s,1H);HRMS(EI)m/z 178.0556 C10S[M]+・は178.0559を必要とする。
【0150】
実施例6
【0151】
【化26】
【0152】
2−ヨード−1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール 6
1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール5(2.36g、13.3mmol)のTHF(100mL)中の混合物を−78℃に冷却した。BuLi(9.53mLの、ヘキサン中の1.6M溶液、15.2mmol)を滴下し(約2分間)、薄い黄色の溶液を−40℃に(約1時間かけて)温めさせ、次いで−78℃に再冷却した。I(2.74g、10.4mmol)を添加し、混合物を室温(約2時間かけて)に温めさせ、一晩撹拌した。飽和水性NHCl(2mL)を添加し、混合物を約10mLに濃縮した。混合物をCHCl、HO、飽和水性Naで希釈し、有機相を分離した。水性相を再抽出し(CHCl)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10:90、次いで、15:85、次いで、25:75)により精製して、2−ヨード−1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール6(3.37g、84%)を無色の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ2.46(d,J 0.8Hz,3H),3.59(s,3H), 6.62〜6.66(m,1H),7.04(d,J 3.5Hz,1H),7.11(s,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ15.3,36.8,91.0,118.7,122.2,125.5,134.3,138.1,140.5;HRMS(EI)m/z 303.9533 CIS[M]+・は303.9526を必要とする。
【0153】
実施例7
【0154】
【化27】
【0155】
1−メチル−2,4−ビス(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール 7
2−ヨード−1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール6(1.31g、4.31mmol)、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(1.35g、6.03mmol)、NaCO(1.80g、17.2mmol)のHO(10mL)およびDMF(40mL)中の混合物を脱気した(N通気)。Pd(PPh(125mg)を添加し、混合物を還流に5時間加熱した。この混合物を室温に冷却させ、濃縮した。混合物をEtOAcおよびHOで希釈し、有機相を分離した。水性相を再抽出し(EtOAc)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10:90、次いで、15:85、次いで、20:80)により精製して、1−メチル−2,4−ビス(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール7(930mg、79%)を無色の固体として得た。この材料の一部を、先ず、再結晶化(EtOAc/ヘキサン)により、次に昇華(130℃、10−6mBar)によりさらに精製した:融点138〜140℃H NMR(CDCl,400MHz)δ2.48(d,J 0.7Hz,3H),2.51(d,J 0.7Hz,3H),3.76(s,3H),6.64〜6.67(m,1H),6.73〜6.77(m,1H),7.00(s,1H),7.10(d,J 3.4Hz,1H),7.14(d,J 3.4Hz,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ15.2,15.3,34.5,117.0,122.1,125.5,125.6,126.7,136.3,137.7,141.5,142.4;HRMS(EI)m/z 274.0589 C1414[M]+・は274.0593を必要とする。
【0156】
実施例8
【0157】
【化28】
【0158】
1,1’−ジメチル−4,4’−ビス(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H,1’H−2,2’−ビイミダゾール 8
2−ヨード−1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール6(1.78g、5.86mmol)、1,10−フェナントロリン(1.11g、6.16mmol)およびCsCO(4.01g、12.3mmol)のDMF(12mL)中の混合物を脱気した(N通気)。CuI(1.17g、6.16mmol)、を添加し、混合物を105℃に40時間加熱し、次いで、室温に冷却させた。混合物をEtOAcで洗浄するセライトを通してろ過し、組み合わせた濾液および洗浄液を濃縮した。残渣をCHClおよびHO中にとり、有機相を分離した。水性相を再抽出し(CHCl)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/CHCl0:100、次いで、2:98、次いで、4:96)により精製して、1,1’−ジメチル−4,4’−ビス(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H,1’H−2,2’−ビイミダゾール8(501mg、48%)を無色の固体として得た。この材料の一部を、昇華(180℃、10−6mBar)によりさらに精製した:融点220〜228℃(DSC)H NMR(CDCl,400MHz)δ2.49(d,J 0.8Hz,6H),4.09(s,6H),6.66〜6.69(m,2H),7.07(s,2H),7.08(d,J 3.4Hz,2H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ15.3,35.6,117.4,121.7,125.6,135.4,135.9,137.8,137.9;HRMS(EI)m/z 354.0963 C1818[M]+・は354.0967を必要とする。
【0159】
実施例9
【0160】
【化29】
【0161】
2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール 9
2−ヨード−1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール6(1.26g、4.16mmol)、(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)ボロン酸(1.19g、5.00mmol)、NaCO(2.20g、20.8mmol)のHO(10mL)およびDMF(40mL)中の混合物を脱気した(N通気)。Pd(PPh(120mg、0.10mmol)を添加し、混合物を還流に2時間加熱した。この混合物を室温に冷却させ、濃縮した。混合物を、CHClで洗浄するセライトを通してろ過し、組み合わせた濾液および洗浄液を濃縮した。残渣をCHClおよびHO中にとり、有機相を分離した。水性相を再抽出し(CHCl)、組み合わせた有機物を洗浄し(飽和水性NaCl)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン5:95、次いで、10:90、次いで、12:88)により精製して、2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−1−メチル−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール9(1.19g、76%)を無色の固体として得た。この材料の一部を、先ず、再結晶化により(EtOAc/ヘキサン)、次に、昇華により(180℃、10−6mBar)さらに精製した:融点188〜191℃(DSC)H NMR(CDCl,400MHz)δ1.53(s,6H),2.50(d,J 0.6Hz,3H),3.76(s,3H),6.68〜6.71(m,1H),7.11(s,1H),7.13〜7.19(m,1H),7.32〜7.40(m,2H),7.43〜7.49(m,1H),7.58(dd,J 1.4,8.0Hz,1H),7.73〜7.81(m,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ15.3,27.1,34.6,47.0,117.1,119.8,120.3,122.1,122.7,123.6,125.6,127.0,127.7,137.8,138.5,139.9,148.3,153.9,154.0;HRMS(EI)m/z 370.1490 C2422S[M]+・は370.1498を必要とする。
【0162】
実施例10
【0163】
【化30】
【0164】
3−(2,4−ビス(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−9−メチル−9H−カルバゾール 11
3−(2−ヨード−4−(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−9−メチル−9H−カルバゾール10(920g、2.0mmol)、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(880mg、3.9mmol)、NaCO(1.03g、9.81mmol)のHO(5mL)およびDMF(20mL)中の混合物を脱気した(N通気)。Pd(PPh(60mg)を添加し、混合物を還流に8時間加熱した。この混合物を室温に冷却させ、濃縮した。残渣をHOで(3回)およびEtOAcで(1回)洗浄した。固体材料をソックスレー装置に移し、材料をEtOAcで抽出した。有機抽出物を約10mLに濃縮し、固体材料を回収し、再結晶させて(EtOAc)、3−(2,4−ビス(5−メチルチオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−9−メチル−9H−カルバゾール11(1.19g、76%)を無色の結晶として得た。この材料の一部を、昇華(220℃、10−6mBar)によりさらに精製した:融点248〜255℃(DSC)H NMR(CDCl,400MHz)δ2.33(s,3H),2.51(d,J 0.6Hz,3H),3.94(s,3H),6.48(br s,1H),6.72(d,J 2.5Hz,1H),7.22(s,1H),7.30(t,7.6Hz,1H),7.43(dd,J 2.0,8.6Hz,1H),7.49(d,8.5Hz,2H),7.57(dt,J 1.0,7.6Hz,1H),8.08(d,7.7Hz,1H),8.10(d,J 1.8Hz,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ15.1,15.4,109.0,109.2,117.9,119.2,119.8,120.8,122.2,123.3,124.5,125.9,126.1,126.9,141.1,141.8,142.6;HRMS(EI)m/z 439.1163 C2422S[M]+・は439.1171を必要とする。
【0165】
実施例11
素子特性
素子特性は、2種の選択された材料53および5、ならびに、基準のための1種の市販の材料(NPD)に基づく。実証した発光素子のまとめが表1に示されている。
【0166】
素子を以下のとおり製造した。
素子A;構造:145nmITO(陽極)/40nm PEDOT:PSS(正孔注入層)/30nm材料53(正孔輸送層)/30nm Alq(発光層)/1nm LiF(電子輸送層)/100nm Al(陰極);図4に従う
プロセス:PEDOT:PSS層は、正孔注入層として、予洗浄したITO基材の上に空気中でスピンコートした。150℃で15分間の焼成の後、基材は、1×10−5Paの真空圧下での正孔輸送層、発光層および陰極を含む残りの層の熱成膜のために、減圧チャンバに移される。素子中に乾燥剤を用いながら他のカバーガラスで封止プロセスを行い、酸素および水分との接触が防止されるようuv硬化エポキシによりシールした。
素子B;素子Bを、化合物53の代わりに化合物5を用いて、素子Aに係るものと同じ条件下で作製した。
素子C;素子Cを、化合物53の代わりに化合物NPDを用いて、素子Aに係るものと同じ条件下で作製した。
【0167】
素子性能データが表1に示されている。発光素子は、材料53では、25.0mA/cmの電流密度で0.4cd/Aの電流効率および100cd/mの輝度を示した。OLEDは、材料5では、5.1mA/cmの電流密度で2.1cd/Aの最大電流効率および100cd/mの輝度を示した。NPD材料については、OLEDは、材料NPDでは、5.6mA/cmの電流密度で1.8cd/Aの最大電流効率および100cd/mの輝度を示した。色は緑色であり、CIE座標は、それぞれ、(0.34、0.54)、(0.33、0.56)および(0.34、0.55)である。
【0168】
【表1】
図1
図2
図3
図4