(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内殻が2つのシェル部分で構成され、前記シェル部分が、各シェル部分の一方の長手方向縁部に沿って、ヒンジによって接続される、請求項1に記載のエンクロージャ。
前記外殻をケーブルに一時的に保持するための仮止め用の固定器具を更に備え、該仮止め用の固定器具は、前記外殻の長手方向開口部の各長手方向縁部の第2の末端部に隣接して位置する2対の保持突起を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンクロージャ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の発明を実施するための形態においては、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照し、本発明を実施することができる特定の実施形態を例として示す。この点に関して、「上」、「下」、「前」、「後」、「先」、「前方」、「垂下」といった方向用語は、説明する図の配向に関して用いられる。本発明の実施形態の構成要素は多くの異なる方向に配置することができるので、方向に関する用語は、説明を目的として使われるものであって、決して限定するものではない。他の実施形態を利用することもでき、また構造的又は論理的な変更を、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解すべきである。以下の詳細な説明は、したがって、限定的な意味で解釈されるべきではなく、また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0013】
本発明は、2本以上のケーブル間の接続、又はケーブルとハウジング若しくは設備との間の接続を保護するための代表的なエンクロージャに関する。代表的なエンクロージャは、設備の作業員が埋設ケーブルの周囲又は近くを掘っているときに起こり得るような破損したケーブルの外装を修理するために使用することもできる。更に別の態様において、代表的なエンクロージャは、汚染物質が管路に入るのを防止するために、ケーブルが管路に導入される地点において環境的な保護を提供するために使用することができる。代替の態様において、代表的なエンクロージャは、ケーブルとアース線との間の接合点を保護することができる。
【0014】
電気通信産業、ケーブルテレビ、及びユーティリティ産業で使用されている多くの従来のコネクタは、たとえ内部シーリング部材(即ち、Oリング)を有している場合でも、それ自体ではケーブル接続部の適切な環境からの保護及び/又は機械的な保護を提供しない。追加の外部保護がないと、水及び他の汚染物質がシステムに浸透して、電気的接続又は光学的接続を劣化させる可能性がある。コネクタのこの欠点を補うために、システムの作業者は、多くの場合、ケーブル接続部を成形エンクロージャに入れて、あるいはケーブル接続部をケーブルテープ及び/又はマスチックで包んで、必要な環境からの保護及び機械的な保護を提供する。
【0015】
しかしながら、太陽電池敷設(cellular installations)におけるような限定空間内の接続部を個別に保護するのが望ましいいくつかの用途の場合、従来の成形エンクロージャを収容するには空間があまりに狭すぎる可能性がある。ある場合には、作業者は、接続部に対する環境的な保護手段を提供するために、テープとマスチックの複数の交互層を、コネクタ及び隣接するケーブルを囲むように、かつこれらを覆って巻きつけることを含む工程を用いる。この巻き付け工程は、面倒で多大な時間を要する作業であり得、その有効性は、据付者のスキルによって左右される。更に、携帯電話基地局の高所で行うような架空布設でこの巻き付け工程が用いられる場合、こうした材料を適切に使用することの困難さが増し、最終的には技術者の安全性に影響を与える。最終的に、テープ/マスチックの巻き付けは、定期点検及び保守作業中に切除され、こうした作業が終了したときに再び適用される必要があり、追加の時間及び費用が必要となる。
【0016】
したがって、厄介なテープ工程又はより嵩高な成形プラスチックエンクロージャに取って代わる、携帯電話基地局アンテナで見られる密集したコネクタアレイなどの限定空間で迅速かつ容易に適用可能な保護エンクロージャの新たな形態が必要とされている。
【0017】
本明細書に記載のスモールフォームファクタのエンクロージャ100は、単純な構成であり、比較的少数の構成要素を使用して、アクセスの難しい場所又はアクセス不可能な場所であっても、現場での組立てを容易なものにすることができる。
【0018】
図1A及び
図1Bを参照して、ケーブル接続部を保護するための代表的なエンクロージャ100の一実施形態を、それぞれ分解した状態及び組立てた状態で例示する。エンクロージャ100は、内殻120、外殻140、及び内殻内に配設され得るシーリング部材110の3つの部分を備える。
【0019】
内殻120は、事実上、シーリング部材110のためのホルダーである。内殻及びシーリング部材がケーブル接続部を囲むように配置されたときに、主要な位置における適切なシーリングを確かなものにするために、内殻は「圧点」を含み、この圧点に関しては以下により詳細に記載される。
【0020】
外殻140は、内殻に半径方向の圧縮荷重を付与するように内殻の上に設置され得る。この半径方向の荷重は、シーリング部材がケーブル及びコネクタと接触して周辺シールを形成するように、シーリング部材を押圧する。外殻は、外殻に挿入されるケーブルを撤去できるようにする開口部を一側面の全長に沿って有する剛性部材であり得る。外殻は、適切な圧縮が達成されると、内殻の一体部分として設けられるラッチアーム130などの固定器具によって所定の位置に係止されることができる。有利には、代表的なエンクロージャ100は、点検又は保守のためにケーブル接続部を露出させるように開かれた後、点検又は保守が完了すると、その接続部を覆って再度取り付けられることができる。例えば、外殻140は、ラッチアーム130がたわむことで内殻120から取り外されることができる。外殻が取り外されると、内殻を開くことができ、ケーブル接続部が見えるようにシーリング部材を分離することができる。
【0021】
代表的な態様において、内殻がケーブル接続部に周設されている間に外殻が脱落する可能性がないことを確実にするために、外殻は内殻と連結されることができる。例えば、外殻を内殻に連結する代表的なテザーは、糸、コード、又は小径のケーブルであり得る。
【0022】
図2Aに示される代表的な態様では、内殻120は、2つのシェル部分125a、125bを含み得、これら2つのシェル部分は、組合わされるとケーブル接続部を取り囲むことができる。シェル部分125a、125bは、各シェル部分の第1の長手方向縁部126a、126bに沿ったヒンジ128によって接続されることができる。ヒンジ128は、リビングヒンジ、又はバレルヒンジなどの任意の他の従来の薄型ヒンジ構造であり得る。ヒンジ128は、シェル部分の第1の長手方向縁部全体に沿って延在してもよく、又は、それぞれ
図2Aに示されるような、シェル部分125a、125bの第1の長手方向縁部126a、126bの一部のみに沿って延在してもよい。ヒンジにより、内殻がケーブル接続部の周囲に容易に配置されることができるように内殻を開くことができ、その後ケーブル接続部を取り囲むように内殻を閉じることが可能となる。
【0023】
別の代表的な態様において、シェル部分125a、125bは、それぞれが凹面にわたって配設されたシーリング部材を有する2つの別個の部分であり得る。この2つの別個のシェル部分は互いに嵌合されることができ、外殻部分は、嵌合したこれらシェル部分の上を滑動してこれらを一緒に係止すると同時に、半径方向力である圧縮荷重を内殻に提供することができ、この圧縮荷重は、シーリング部材がケーブル及びコネクタと密接に接触して周辺シールを形成するのを確かなものにする。
【0024】
先に述べた通り、内殻120は、事実上、シーリング部材110のためのホルダーである。シーリング部材は、内殻の第2の2つの長手方向縁部127a、127bに沿って内殻に取り付けられることができる。
図2A及び
図2Bに示される代表的な態様では、フランジ129が、内殻の第2の2つの長手方向縁部127a、127bに対して垂直に延びている。シーリング部材110は、3M company(St.Paul,MN)から入手可能な3M(商標)Adhesive Transfer Tape 9672などの接着剤、熱溶接、縫合によって、又は機械的締結システムによって、フランジに取り付けられることができる。2つの代表的な機械的締結システムが
図6A〜
図6Eに示されている。
【0025】
図6A〜
図6Cは、「パインツリー形」締結具138を使用して、シーリング部材110を内殻120に取り付ける方法を示している。シーリング部材は、フランジ129の一側面に沿って横たえられるか(
図6A)、又は、フランジの上部に折り重ねられて、「パインツリー形」締結具138をシーリング部材及び内殻120のフランジ129に通すことによって所定の位置に固定されることができる。「パインツリー形」締結具のシャンクのかかり(barb)は、「パインツリー形」締結具を所定の位置にしっかりと保持する。締結具は、フランジの長手方向長さに沿って断続的に設置され得る。
図6Bは、「パインツリー形」締結具がフランジ129の上で位置合わせされている、閉じた形状の内殻を示す。あるいは、「パインツリー形」締結具138は、内殻が閉じられたときに互いに干渉しないように、フランジの長手方向長さに沿ってずらされることができる。リベットなどの他の薄型の機械的な締結具でも、同様の技術を用いることができる。
【0026】
図6D及び
図6Eは、シーリング部材110を内殻120に取り付けるためにばねクリップ139を使用する方法を示している。シーリング部材は、フランジ129の一側面に沿って横たえられることができ(
図6A)、又は、フランジの上部に折り重ねられて、ばねクリップ139をシーリング部材及び内殻120のフランジ129の上に設置することによってフランジに固定されることができる。ばねクリップは、フランジの長手方向長さに沿って断続的に設置され得るか、又は、より長い連続クリップが、フランジの長さの大部分又は全体に延在してもよい。
【0027】
シーリング部材110と内殻120との代替的取り付け方法としては、ボンディング、締め付け、テーピング、ステープリング、及び所定位置成形(molding in-place)が挙げられる。代替実施形態において、シーリング部材は、内殻の内壁に直接取り付けられてもよい。
【0028】
内殻120は、重要なシーリング箇所及びその近くに「圧点」を形成する構造的特徴を含むことができる。
図2Aでは、構造的特徴は、内殻120の第1の末端部122及び第2の末端部124にそれぞれ配設される押圧隆起部132、134の形態である。押圧隆起部132、134は、ケーブルの周囲、装置のレセプタクル、又はハウジングの入口を囲む主要な位置における適切なシーリングを確実にするのに役立つ。
【0029】
内殻120は、内殻形状を画定する外部トポグラフィーを有することができ、外殻は、外殻形状を画定する内部トポグラフィーを有し、外殻形状は内殻形状と同様である。
図1Aに示される第1の代表的な実施形態では、内殻は、内殻の第1の末端部122における第1の直径dと、内殻の第2の末端部124における第2のより大きな直径Dとを有するテーパ形状の内殻形状を有する。テーパ形状の内殻形状は、内殻の第1の末端部における第1の円筒形部分と、内殻の第2の末端部における第2の円筒形部分とを有し得、これら円筒形部分は不完全な(frustrated)円錐形セクションによって互いに結合され得る。代替の態様において、内殻120は、内殻の全長に沿って実質的に一定の直径を有する円筒形の内殻形状を有することができる。あるいは、密接嵌合する外殻が内殻の上を滑動することができる限り(即ち、内殻の一方の末端部の直径は、内殻の反対側の末端部の直径以上でなければならない)、内殻は、連続的に先細になる内殻形状、釣鐘状の内殻形状、又は他の機械設計を有することができる。
【0030】
図2Bに示される代表的な実施形態では、シーリング部材110は、エラストマーシート及び容積コンプライアンスのあるシートの一方の上にコーティングされたゲル状シーラント材114を含むシート状のシーリング部材112であり得る。代替の態様において、シーリング部材は支持されていないゲル状シーラント材であり得、このゲル状シーラント材は、エンクロージャによって保護されているケーブル接続部の周囲のあらゆる空隙を充填するのに十分な厚さで内殻の内壁に接して直接配設されることができる。更に別の態様において、支持されていないゲル材は、これら重要な箇所における環境バリアを提供するために、内殻の周囲を囲むように提供され得る。
【0031】
有利には、シート状のシーリング部材112は、シーリング部材110に機械的一体性をもたらす。シート状のシーリング部材は、ハウジングに結合して、ケーブル/コネクタ/入口面にシールを形成するより軟性のゲル状シーラント材114への支持体の役割を果たすように使用され得る。シート状のシーリング部材は、布(織布又は不織布のいずれか)、ゴムシート、又はプラスチックフィルムを含むエラストマーシート、独立気泡及び/若しくは連続気泡発泡体シートなどの容積コンプライアンスのあるシート、又はこれらの組み合わせ(例えば、ゴムシートの裏材が布、など)であり得る。シート状のシーリング部材は、シーリング部材で使用するゲル状シーラント材と適合性のある材料でなければならない。シート状シーリング部材の材料の例としては、ネオプレン、ポリウレタン、シリコーン、並びに架橋ポリマー材料が挙げられる。代表的なシート状シーリング部材は、片面がナイロン布である独立気泡ネオプレン発泡体であり得、これはPerfectex plus LLC(Huntington Beach,CA)から商品番号201400BNで入手可能である。
【0032】
ゲル状シーラント材は、ゲル材によって保護されている領域への環境汚染物の侵入に対する物理的バリアを提供する。典型的なゲル状シーラント材は、オイルで膨潤した架橋ポリマーネットワークを含み得る。架橋は、ネットワーク内のポリマー鎖の間に形成された物理的結合又は化学結合のいずれかによるものであり得る。代表的なオイル膨潤性ゲル材としては、油浸(oil-filled)熱可塑性エラストマーゴム(例えば、スチレン/ゴム/スチレンブロックコポリマー)、室温硬化(RTV)型及び熱可塑性樹脂組成物(例えば、シリコーン、エポキシ樹脂、ウレタン/イソシアネート、エステル類、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)ゴム、ニトリルゴム及びブチルゴム等)、並びに電子ビーム及び紫外線/可視光線照射感受性配合物を含む放射線硬化材料などを挙げることができる。
【0033】
ある代表的なゲル状シーラント材は、5〜30重量部の熱可塑性エラストマーに分散された70〜95重量部の鉱油を含み得る。
【0034】
本明細書で使用するとき、鉱油という用語は、様々な軽質炭化水素油のいずれかを指し、特に石油留出油を指す。典型的には、鉱油は白色鉱油であるが、他の鉱油を使用してもよい。白色鉱油は、一般に、飽和パラフィン系及びナフテン系炭化水素の、無色、無臭又はほぼ無臭、及び無味の混合物であり、100°F(38℃)で50〜650セイボルトユニバーサル秒(5〜132センチストーク(5E−6〜0.00013m
2/s))の範囲の粘度に及ぶ。化学的にほぼ不活性な白色鉱油は、窒素、硫黄、酸素、及び芳香族炭化水素を本質的に含まない。代表的な鉱油としては、Crompton Corporation(Middlebury,CT)から入手可能なKAYDOL油、Citgo Petroleum Corporation(Houston,TX)から入手可能なDuoPrime 350及びDuoPrime 500、STE Oil Company,Inc.(San Marcos,TX)から入手可能なCrystal Plus 200T及びCrystal Plus 500Tが挙げられる。典型的には、鉱油70〜95重量部、又は更により典型的には鉱油85〜93重量部を、少なくとも1種の熱可塑性エラストマー7〜15重量部と組み合わせて使用する。
【0035】
代替実施形態において、鉱油は、別の石油系油、植物油、又はこれら2種類の油のいずれかの変性バージョンで完全に又は部分的に置き換えられることができる。
【0036】
シーラント材で使用するのに適した熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ゴム−スチレン(SRS)トリブロックコポリマー、スチレン−ゴム(SR)ジブロックコポリマー、スチレン−ゴム−スチレン(SRS)星形コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。代表的なスチレン−ゴム−スチレントリブロックコポリマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、及びその部分的に又は完全に水素化された誘導体、例えば、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン/エチレン/プロピレン−スチレン(SEEPS)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。代表的なシーラント材で使用するのに適した市販のSEBSブロックコポリマーの例としては、商品名「KRATON G−1651」及び「KRATON G−1633」ブロックコポリマー(共にKraton Polymers(Houston,TX)より市販)が挙げられる。好適な市販のSRジブロックコポリマーの例としては、商品名「KRATON G−1701」及び「KRATON G−1702」ブロックコポリマー(共にKraton Polymers(Houston,TX)より市販)並びに「SEPTON S 1020」高性能熱可塑性ゴム(Kuraray Company(Tokyo,Japan)より市販)が挙げられる。代表的なシーラント材で使用するのに適したSEPS及びSEEPSブロックコポリマーとしては、商品名「SEPTON S 4055」及び「SEPTON S 4077」高性能熱可塑性ゴム(Kuraray Company(Tokyo,Japan)より市販)が挙げられる。代表的なSRS星形コポリマーは、「SEPTON KL−J3341」(同様にKuraray Company(Tokyo,Japan)より市販)である。更に、代表的なシーラント材で使用するのに適したビニルリッチなブロックコポリマーとしては、「HYBRAR 7125」及び「HYBRAR 7311」高性能熱可塑性ゴム(同様にKuraray Company(Tokyo,Japan)より市販)が挙げられる。ゲル状シーラント材中のブロックコポリマーの好適な最高濃度は、ゲル状シーラント材の総重量に対して約30重量%である。
【0037】
本発明の代表的なゲル状シーリング材に添加することができる他の添加剤としては、硬化触媒、安定剤、酸化防止剤、殺生物剤、着色剤(例えば、カーボンブラック、タルク、他の顔料、又は染料)、熱伝導性充填剤、放射吸収剤、難燃剤等を挙げることができる。好適な安定剤及び酸化防止剤としては、フェノール類、亜リン酸塩、リン灰岩、チオ相乗剤、アミン類、ベンゾエート類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な市販のフェノール系酸化防止剤としては、商品名「IRGANOX 1035」、「IRGANOX 1010」、及び「IRGANOX 1076」酸化防止剤、並びにワイヤ及びケーブル用途用熱安定剤(Ciba Specialty Chemicals Corp.(Tarrytown,NY)より市販)、及びα−トコフェロールなどのビタミンEベースの酸化防止剤(Sigma−Aldritch(St.Louis,MO)より市販)が挙げられる。ゲル状シーラント材中の安定剤又は酸化防止剤の好適な最高濃度は、ゲル状シーラント材の総重量に対して約1重量%である。ゲル状シーラント材を形成する場合、ジブロックコポリマーと鉱油とを混合する前に、安定剤及び酸化防止剤を鉱油中に溶解又は分散させることができる。
【0038】
ゲル状シーラント材は、融解されて、布に面したネオプレンシート(Perfectex plus LLC,Huntington Beach,CAより入手可能な商品番号201400BN)上にコーティングされることができる。1つの代表的な態様では、ゲル状シーラントは、Kaydol油中の5%のKraton G1633と0.2%のIrganox 1010酸化防止剤との混合物である。シーラント材は、約170℃〜約180℃のリザーバ温度を有するホットメルトディスペンサの中で融解され得る。融解したシーラント材は、シート状シーリング部材の上に分注され、標準的なナイフコーティング法により所望の厚さにコーティングされる。あるいは、押出コーティング、又は他の標準的なホットメルトコーティング法を用いてもよい。シート状シーリング部材にゲル状シーラント材がコーティングされた後、得られた材料のシートを所望の寸法に切断することができる。代替の態様では、ゲル状シーラント材が適用される前に、シート状シーリング部材をある寸法に切断することができる。1つの代替的な方法では、シート状シーリング部材の切断シートを成形型に挿入することができ、ゲル状シーラント材を圧力下で注入することができる。
【0039】
代替の態様では、ゲル状シーラントは、Kaydol油中の9%のKraton G1651と、0.2%のIrganox 1010酸化防止剤と、微量(0.002%)のRaven 660Rカーボンブラック(Columbian Chemicals Company(Marietta,GA)より入手可能)との混合物である。別の代替の態様では、ゲル状シーラントは、Kaydol油中の約5%のSepton S4055と、0.2%のIrganox 1010酸化防止剤と、微量(0.002%)のRaven 660Rカーボンブラックとの混合物である。別の代替の態様では、ゲル状シーラントは、Crystal Plus 500T油中の約9%のKraton G1651と、0.2%のIrganox 1010酸化防止剤と、Raven 1200カーボンブラック(Columbian Chemicals Company(Marietta,GA)より入手可能)との混合物である。別の代替の態様では、ゲル状シーラントは、Crystal Plus 500T油中の約5%のKraton G1633と、0.2%のIrganox 1010酸化防止剤との混合物である。別の代替の態様では、ゲル状シーラントは、Crystal Plus 350T油中の約5%のSepton S4055と、0.2%のIrganox 1010酸化防止剤と、微量(0.002%)のRaven 660Rカーボンブラックとの混合物である。更に別の代替的なゲル状シーラント混合物は、Crystal Plus 350T油中の約9%のSepton S4077と、0.2%のIrganox 1010酸化防止剤との混合物である。別の代表的なゲル状シーラント混合物は、90.8%のDuoPrime 500と、9%のKraton G1651と、0.2%のα−トコフェロールとを含む。更に別の代表的なゲル状シーラント混合物は、90.5%のDuoPrime 500と、9%のKraton G1651と、0.5%のα−トコフェロールとを含む。ゲル状シーラント材の最適なプロセス条件は、選択された配合に基づいて変化し得るが、材料特性から及び日常の実験によって容易に導き出されるはずであることに留意すべきである。
【0040】
ゲル状シーラント材は、シート状のシーリング部材上のゲル状シーラント材の最終厚さが約1.5mm〜約5mmとなるようにコーティングされ得る。代表的な態様において、ゲル状シーラント材は、ネオプレン上で厚さ約3mmの層となるようにコーティングされ得る。ゲル状シーラント材の厚さは、保護しようとするエンクロージャ及びケーブル接続部の構造に応じて変更することができる。
【0041】
図17に示される代替の態様では、シーリング部材110’は、エラストマーシート及び容積コンプライアンスのあるシートの一方の上にコーティングされたゲル状シーラント材114’の層を有するシート状のシーリング部材112’であり得る。シーリング部材110’は、ゲル状シーラント材の露出面から延出するゲル突起(gel nubs)113’を備え得る。ゲル突起は、ゲル状シーラント材の2つの表面が互いに接触する露出した三重点(exposed triple points)及び代表的なエンクロージャのいずれかの末端部のケーブル接続面といった重要なシーリング領域に、余分な量のゲルを提供する。代替の態様において、シーリング材は、ケーブル接続部を囲むように閉じられるときにシーリング部材の長手方向継ぎ目に沿って余分な量のゲルを提供するために、シーリング部材の各長手方向縁部に沿って延びるゲル隆起部(図示せず)を有し得る。
【0042】
エンクロージャの外殻140が、
図3A及び
図3Bに詳細に示されている。外殻は、内殻の少なくとも一部に半径方向の圧縮荷重を与える。これを達成するため、外殻は内殻の少なくとも一部上に密嵌合する。
図1A〜
図1B及び
図3A〜
図3Bに示される第1の実施形態では、外殻140は、内殻のかなりの部分に沿って内殻120上に密嵌合するように構成される。これにより、制御された一定の半径方向の圧縮力を内殻に提供し、エンクロージャ100に格納されているケーブル接続部の周囲に周辺シールを形成する。
【0043】
外殻140は、
図3A及び
図3Bに示されるように、外殻に挿入されるケーブルを撤去できるようにするための開口部145を、外殻の一側面の全長に沿って有する半剛性又は剛性部材であり得る。あるいは、接続されるケーブルは、別のケーブルハウジング又は設備に接続される前に、隣接した外殻に挿通させることができる(即ち、開口部は存在しない)。次に、接続が形成されて内殻が所定の位置に配置されたら、ケーブル接続部の周囲の周辺シールを確実にするために必要な半径方向の圧縮を提供するために、隣接した外殻を内殻の上に滑動させることができる。代表的な一態様では、シーリング部材110は、エンクロージャの主要点(例えば、エンクロージャの第1及び第2の末端部におけるケーブル周囲の周り、及び内殻長手方向継ぎ目に沿って、など)において約20%〜約65%まで圧縮される。代替の態様において、ゲル状シーラント材はおよそ約40%〜約50%まで圧縮される。外殻140は、適切な圧縮が達成されると、
図1Bに示されるように内殻120の一体部分として設けられるラッチアーム130で所定の位置に係止され得る。ラッチアームをたわませて外殻を取り外し、ケーブル接続部を点検し又はケーブル接続部の保守を行い、作業が完了したときに再び適用することができる。
【0044】
エンクロージャの据え付け中に外殻を内殻の上で滑動させ易くするために、外殻140は、
図3Aに示されるように、外殻の第1の末端部142及び/又は第2の末端部144に勾配付き入り口領域143を含み得る。外殻140はまた、内殻の設計によって必要とされる通り、内殻120のヒンジ128(
図1A及び
図2Aに示されている)を収容するためのトラック146を含み得る。あるいは、外殻はまた、
図9に関してより詳細に記載されるように、内殻が内殻と接触してシールを形成する継ぎ目を収容するための1つ以上のトラックを含み得る。
【0045】
更に、外殻140は、外殻の外面に沿って長手方向又は周囲方向のいずれかで配設される1つ以上の補強リブを含み得る。
図3A及び
図3Bは、外殻140の第1の末端部142近くに配設された単一の円周補強リブ148を示している。その上、エンクロージャ内に収容されたケーブル接続部の点検又は保守中に外殻の取り外しを容易にするために、円周補強リブ148を把持面として使用することができる。
【0046】
図3Bは、外殻をその第1の末端部142から見た図である。外殻は、外殻の第1の末端部の近くに配設され、かつ外殻の内面から延びる、複数の内部突起又は可撓性フィン149を有し得る。エンクロージャの組立てに先立って外殻がケーブルの上に載置されると、又は点検若しくは保守手順のために外殻が内殻から取り外されると、可撓性フィン149は外殻を通るケーブルの外装を圧迫して、外殻がケーブルに沿ってずり落ちないように又はケーブルから外れないようにする。このことは、携帯電話基地局のアンテナ接続部への据え付け、又は垂直に延びるケーブル長さへの他の接続などといった架空用途において特に重要である。
【0047】
内殻120及び外殻140は、様々なプロセス、例えば、射出成形、吹込み成形、スピン成形、押出成形、真空成形、回転成形、及び熱成形によって作製されることができる。内殻及び外殻の実施形態は、様々な材料、例えば、アルミニウム、スチール、金属合金、及びプラスチック、特に射出成形された熱可塑性プラスチック、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニル、及びその他のポリマー材料などから作製されることができる。内殻で使用可能な典型的な熱可塑性プラスチック材料としては、ポリアミド(Nylon(登録商標)12、Nylon(登録商標)6,6等)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)、例えば、Plastcom(Hallalova,Bratislava)Slovak Republicから入手可能なSlovalen PH91N、LyondellBasel(Rotterdam,Netherlands)から入手可能なProfax 8523、及びBorealis(Linz,Austria)から入手可能なBorsoft SG220MOなどのポリプロピレン(PP)、並びにポリブチレン(PB))、酢酸ビニル、ポリエーテル、ポリサルフォン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、並びにそれらのコポリマー及び混合物が挙げられる。外殻で使用可能な典型的な材料としては、充填及び非充填熱可塑性及び熱硬化性材料、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリブチレン(PB))、酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリサルフォン、ポリスチレン、PVC、ジエン系ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ尿素、ポリウレタン(PUR)、シリコーン、ビニールエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フッ素化樹脂(例えば、PTFE)PEEK、ポリエステル(ポリブチルフタレート、PET等)並びにそれらのコポリマー及び混合物が挙げられる。外殻を作製するのに使用することができる代表的なポリカーボネート/ポリブチルフタレート混合物は、SABIC Innovative Plastics(Pittsfield,MA)から入手可能なXenoy x4820又はValox(登録商標)533である。代替の態様では、外殻は、SABIC Innovative Plastics(Pittsfield,MA)から入手可能なUltem 1010ポリエーテルイミドなどのポリエーテルイミド樹脂で作製され得る。更に別の代表的な態様では、外殻は、Quadrant(Johannesburg,South Africa)から入手可能なErtalyte(登録商標)PET−Pなどの半結晶性熱可塑性ポリエステルで作製され得る。
【0048】
図4A〜
図4Bは、ケーブル接続部を保護するための代表的なエンクロージャ200の第2の実施形態を、それぞれ分解した状態及び組立てた状態で示す。
図4Cは、ケーブル接続部を囲むように組立てられた状態のエンクロージャ200の上面図を示し、
図4Dは、ケーブル接続部を囲むように組立てられた状態のエンクロージャ200の断面図を示す。エンクロージャ200は、内殻220、外殻240、及び内殻内に配設され得るシーリング部材210の3つの部分を備える。
【0049】
内殻220は、事実上、シーリング部材210のためのホルダーである。外殻240は、内殻に半径方向の圧縮荷重を付与するように内殻の上に設置され得る。この半径方向の荷重は、シーリング部材がケーブル及びコネクタと接触して周辺シールを形成するように、シーリング部材を押圧する。外殻は、適切な圧縮が達成されると、内殻220の一体部分として設けられるラッチアーム230によって所定の位置に係止されることができる。ラッチアームをたわませて外殻を取り外し、ケーブル接続部を点検し又はケーブル接続部の保守を行い、作業が完了したときに再び適用することができる。
【0050】
図4Aに示される代表的な態様では、内殻220は、内殻が外殻240内に封入されたときにケーブル接続部を封入することができる単一のシェル部分225を備える。
【0051】
先に述べた通り、内殻220は、事実上、シーリング部材210のためのホルダーである。シーリング部材は、内殻の外面から内殻の2つの長手方向縁部227a、227bに沿って突出する一連のポストによって内殻に取り付けられることができる。ポストは、一連の穴部218と嵌合する(
図4B)。代表的な一態様では、ポストの頭部がポストのシャンクの直径よりもわずかに大きくなるように、ポスト229はややキノコ型を有し得る。シーリング部材がポストによって保持されるように、シーリング部材を貫通する穴部は、ポストの頭部の直径よりもわずかに小さくなくてはならない。
【0052】
内殻220は、重要なシーリング位置及びその近くに「圧点」を形成する構造的特徴を含み得る。
図4A及び
図4Dでは、構造的特徴は、内殻220の第1の末端部222及び第2の末端部224にそれぞれ配設される区画化された(segmented)押圧隆起部232、234の形態である。区画化された押圧隆起部は、内殻の可撓性を高めることになる隙間233によって分離され得る。区画化された押圧隆起部234は、ケーブルの周囲、装置のレセプタクル、又はハウジングの入口の周囲の主要な位置における適切なシーリングを確実にするのに役立つ。
【0053】
代表的な一実施形態において、シーリング部材210は、前述のようにエラストマーシート及び容積コンプライアンスのあるシートの一方の上にコーティングされたゲル状シーラント材を含むシート状のシーリング部材であり得る。代替の態様では、シーリング部材は支持されていないゲル状シーラント材であり得、このゲル状シーラント材は、エンクロージャによって保護されているケーブル接続部の周囲のあらゆる空隙を充填するのに十分な厚さで内殻の内面に接して直接配設されることができる。更に別の態様において、支持されていないゲル材は、これら重要な箇所における環境バリアを提供するために、内殻の周囲を囲むように設けられ得る。この後者の実施形態では、内殻自体が水分バリア機能の一部を提供する。
【0054】
外殻240は、
図4A〜
図4Cに示されるように、外殻に挿入されるケーブル10を撤去できるようにするための開口部245を、外殻の一側面の全長に沿って有する半剛性又は剛性部材であり得る。あるいは、接続されるケーブルは、別のケーブルハウジング又は設備に接続される前に、隣接した外殻に挿通させることができる(即ち、開口部は存在しない)。次に、接続が形成されて内殻が所定の位置に配置されたら、ケーブル接続部の周囲の周辺シールを確実にするために必要な半径方向の圧縮を提供するために、隣接した外殻を内殻の上に滑動させることができる。外殻240は、適切な圧縮が達成されると、
図4A及び
図4Bに示されるように、内殻220の一体部分として設けられるラッチアーム230によって所定の位置に係止されることができる。ラッチアームをたわませて外殻を取り外し、ケーブル接続部を点検し又はケーブル接続部の保守を行い、作業が完了したときに再び適用することができる。
【0055】
エンクロージャの据え付け中に内殻の上で外殻を滑動し易くするために、外殻240は、外殻の第1の末端部242及び/又は第2の末端部244に勾配付き入り口領域243を含み得る。
【0056】
更に、外殻240は、外殻の外面に沿って長手方向又は周囲方向のいずれかで配設される1つ以上の補強リブを含み得る。
図4A及び
図4Bは、外殻の第1の末端部242近くに配設された円周補強リブ248aと、外殻の中の開口部245の反対側に配設された長手方向補強リブ248bとを有する外殻を示している。その上、エンクロージャに収容されたケーブル接続部の点検又は保守中に外殻の取り外しを容易にするために、円周補強リブ248aを把持面として使用することができる。
【0057】
図4C及び
図4Dは、ケーブル接続部(特にケーブル10とハウジングの壁90の中のレセプタクル70との間の接続部)を囲むように組立てられた状態のエンクロージャ200の2つの図を示す。ケーブルは、ハウジングの壁の中のレセプタクル70と嵌合するように構成されたコネクタ50で終端する。
図4Dは、シーリング部材がケーブル接続面と概ね適合する様式を示す。内殻220の区画化された押圧隆起部232、234は、ケーブル及びハウジングの壁の中のレセプタクルのそれぞれに対してシーリング部材を押し付けて圧縮する。必要に応じて、シーリング部材とケーブル接続部との間の接触度を増加させるために、内殻に追加の押圧隆起部を加えることができる。
【0058】
図5A〜
図5Cは、ケーブル接続部を囲むようにエンクロージャを配置する方法、特に、ケーブル10とハウジングの壁(図示せず)の中のレセプタクル70との間の接続部5を示す。ケーブル接続部5は、内殻120のシェル部分125bの中に位置付けられ、シーリング部材110に押し付けられる。シェル部分125aは、
図5Aの矢印99で示されるように、内殻を閉じるためにヒンジ128の旋回軸を中心に回転され、内殻の第2の長手方向縁部又はフランジに沿って継ぎ目239を形成する。外殻が内殻の上に位置付けられることができるまで内殻を閉じたままにするために、仮止め用の固定器具又は留め具133を内殻120のフランジ129に取り付けることができる。これは、エンクロージャの組立てを完了させるために外殻をそれらの対応の内殻の上に位置付ける前に、隣接するケーブル接続部の全てを囲むように内殻を設置するのが所望され得る、ケーブル接続の高密度布設で特に有利である。
【0059】
図5Bに示されるように、ケーブルを外殻の開口部145を通して滑動させることにより、外殻140はケーブル10の上に位置付けられる。あるいは、外殻は、ケーブル接続部を内殻に入れる前にケーブルを囲むように位置付けられることができる。外殻の内面から延びる内部突起又は可撓性フィン(
図3Bの149)は、外殻を通るケーブルの外装を圧迫して、内殻がケーブル接続部を囲むように位置付けられる間に外殻がケーブルに沿ってずり落ちないようにする。
【0060】
図5Cに示されるように、ラッチアーム130が外殻の第1の末端部に係合してエンクロージャ100の据え付けが完了するまで、外殻140は、
図5Bの矢印98で示されるように内殻の上を滑動する。
【0061】
図5Cの矢印97に示されるようにラッチアームをたわませて外殻を取り外し、ケーブル接続部を点検し又はケーブル接続部の保守を行い、作業が完了したときに再び適用することができる。内殻は、ケーブル接続部5が見えるように、開くことができる。
【0062】
図7は、ケーブル接続部を保護するための代表的なエンクロージャ300の第3の実施形態を、それぞれ分解した状態及び組立てた状態で示す。エンクロージャ300は、内殻320、外殻340、及び内殻内に配設され得る2つのシーリング部材310a、310bの3つの部分を備える。
【0063】
図7に示される代表的な態様では、内殻320は、2つのシェル部分が組合わされたときにケーブル接続部を取り囲むことができる、2つの別個のシェル部分325a、325bを含む。内殻320の主要機能の1つは、事実上、シーリング部材のためのホルダーであるので、シーリング部材310aはシェル部分325aに取り付けられることができ、シーリング部材310bはシェル部分325bに取り付けられることができる。シーリング部材310a、310bを内殻320のシェル部分325a、325bにそれぞれ取り付ける方法としては、接着剤結合、熱溶接、締め付け、テーピング、縫合、ステープリング、機械的接続、及び所定位置成形を挙げることができる。代替実施形態において、シーリング部材は、内殻の内壁に直接取り付けられてもよい。
【0064】
外殻340は、内殻に半径方向の圧縮荷重を付与するように内殻の上に設置され得る。この半径方向の荷重は、シーリング部材がケーブル及びコネクタと接触して周辺シールを形成するように、シーリング部材を押圧する。
【0065】
図7に示される代表的な態様では、内殻320は、2つのシェル部分が組合わされるとケーブル接続部を取り囲むことができる2つのシェル部分325a、325bを含み得る。シェル部分325a、325bは、それぞれシェル部分の第1の2つの長手方向縁部326a、326bに対して垂直に延びる第1のフランジ328a、328bのフランジ部を有することができ、また、それぞれシェル部分の第2の2つの長手方向縁部327a、327bに対して垂直に延びる第2のフランジ329a、329bのフランジ部を有することができる。
【0066】
内殻320は、重要なシーリング位置及びその近くに「圧点」を形成する構造的特徴を含み得る。構造的特徴は、それぞれシェル部分325a、325bの第1の末端部322(図示せず)及び第2の末端部324にそれぞれ配設される押圧隆起部334a、334bの形態である。押圧隆起部334a、334bは、ケーブルの周囲、装置のレセプタクル、又はハウジングの入口の周囲の主要な位置における適切なシーリングを確実にするのに役立つ。
【0067】
本実施形態のシーリング部材310a、310bは、前述のようにエラストマーシート及び容積コンプライアンスのあるシートの一方の上にコーティングされたゲル状シーラント材を含むシート状のシーリング部材であり得る。代替の態様では、シーリング部材は支持されていないゲル状シーラント材であり得、このゲル状シーラント材は、エンクロージャによって保護されているケーブル接続部の周囲のあらゆる空隙を充填するのに十分な厚さで内殻の内面に接して直接配設されることができる。更に別の態様において、支持されていないゲル材は、これら重要な箇所における環境バリアを提供するために、内殻の周囲を囲むように提供され得る。
【0068】
外殻340は、内殻を閉鎖状態に固定するために内殻320のシェル部分325a、325b上の第1のフランジ328a、328b及び第2のフランジ329a、329bに係合する一対のトラック346a、346bを有する、半剛性又は剛性部材であり得る。外殻340は、別のケーブルハウジング又は設備に接続される前に、ケーブル上にねじ付けられることができる。次に、ケーブル接続部が形成されて内殻が所定の位置に配置されたら、内殻を閉鎖状態に固定し、かつケーブル接続部の周囲の周辺シールを形成するために、外殻340を内殻の上に滑動させることができる。
【0069】
図8は、2つのケーブル間のケーブル接続部を囲むように組立てられた代表的なエンクロージャ100を示す。
図8に示される態様では、ケーブル接続部は、異なる直径を有する2つのケーブル(小径のケーブル10及び大径のケーブル15)間にある。この態様では、内殻120及び外殻140はテーパ形状を有する。代替の態様では、ケーブルは同一直径であり得、その場合には円筒形の形状が好ましい。
【0070】
図10は、それぞれ組立てられた状態で示されている、ケーブル接続部を保護するための代表的なエンクロージャ900の別の実施形態を示す。エンクロージャ900は、内殻920、外殻940、及び内殻内に配設され得るシーリング部材(図示せず)の3つの部分を備える。
図11は外殻940の代表的な図を示し、
図12A及び
図12Bは内殻920の2つの代表的な図を示す。
【0071】
外殻940は、外殻に挿入されるケーブルを撤去できるようにするための開口部945を、外殻の一側面の全長に沿って有する半剛性又は剛性部材であり得る。外殻940は、エンクロージャの長さに沿った主要な位置において外殻を補強するために、1つ以上の外部リブ941を更に備えることができる。
【0072】
外殻940は、外殻の第1の末端部942の近くに配設されて外殻の内面から延びる、複数の内部突起又は所定の形状の(profiled)指状突起949を有し得る。エンクロージャを組立てるのに先立って外殻がケーブルの上に載置されると、又は点検若しくは保守手順のために外殻が内殻から取り外されると、所定の形状の指状突起949は、外殻を通るケーブルの外装を圧迫して、外殻がケーブルに沿ってずり落ちないように又はケーブルから外れないようにする。このことは、携帯電話基地局のアンテナ接続部に据え付ける、又は垂直に延びるケーブル長さへのその他の接続などといった架空用途において特に重要である。
【0073】
代表的な態様において、外殻は、開口部945の長手方向縁部952の第2の末端部944に位置する一対の保持突起951を更に備えることができる。保持突起は、開口部945の幅を突起の間で狭め、一旦ケーブルが開口部を通って挿入されると、外殻からケーブルが滑り落ちるのを防止することができる。
【0074】
内殻920は、事実上、シーリング部材のためのホルダーである。内殻及びシーリング部材がケーブル接続部を囲むように配置されたときに、主要な位置における適切なシーリングを確かなものにするために、内殻は「圧点」を含み、この圧点に関しては以下により詳細に記載される。
【0075】
外殻940は、内殻に半径方向の圧縮荷重を付与するように内殻の上に設置され得る。この半径方向の荷重は、シーリング部材がケーブル及びコネクタと接触して周辺シールを形成するように、シーリング部材を押圧する。外殻は、外殻に挿入されるケーブルを撤去できるようにする開口部を一側面の全長に沿って有する剛性部材であり得る。外殻は、適切な圧縮が達成されると、内殻の一体部分として設けられるラッチアーム930などの固定器具によって所定の位置に係止されることができる。ラッチアーム930は、
図10に示されるように内殻の上に配置される外殻940の第1の末端部942に係合するリップ930a(
図12B)を備える。
【0076】
有利には、代表的なエンクロージャ900は、点検又は保守のためにケーブル接続部を露出させるように開かれた後、点検又は保守が完了すると、その接続部を覆って再度取り付けられることができる。例えば、外殻940は、ラッチアーム930がたわむことで内殻920から取り外されることができる。タブ930bは矢印999で示されるように押し下げられ、
図10の矢印998で示される方向に外殻を内殻から取り外すことができるように、ラッチアーム930のリップ930aを係合解除することができる。外殻が取り外されると、内殻を開くことができ、ケーブル接続部が見えるようにシーリング部材を分離することができる。
【0077】
図12A及び
図12Bに示される代表的な態様では、内殻920は、2つのシェル部分925a、925bを含み得、これら2つのシェル部分が組合わされると、ケーブル接続部を取り囲むことができる。シェル部分925a、925bは、各シェル部分の第1の長手方向縁部926a、926bに沿ってヒンジ928によって接続され得る。ヒンジ928は、リビングヒンジ、又はバレルヒンジなどの任意の他の従来の薄型ヒンジ構造であり得る。ヒンジ928は、シェル部分の第1の長手方向縁部全体に沿って延在してもよく、又は、それぞれ
図12Bに示されるようなシェル部分925a、925bの第1の長手方向縁部926a、926bの一部のみに沿って延在してもよい。ヒンジにより、内殻をケーブル接続部の周囲に容易に配置することができるように内殻を開くことができ、その後ケーブル接続部を取り囲むように内殻を閉じることが可能となる。
【0078】
先に述べた通り、内殻920は、先述のシーリング部材(図示せず)を事実上保持することができる。シーリング部材は、内殻の第2の2つの長手方向縁部927a、927bに沿って内殻に取り付けられることができる。シーリング部材は、接着剤、熱溶接、縫合によって、又は機械的締結システムによって、フランジに取り付けられることができる。
【0079】
図13A及び
図13Bは、圧縮状態のシーリング部材を示す、内殻920の第2の末端部924の部分概略端面図である。
図13Bは、シーラント材がケーブル915の周囲をシールする方法を示し、
図13Aは、ケーブルがない場合のシーラント材の圧縮を示す。
図13A及び
図13Bに詳細に示されている代表的な態様では、シェル部分925a、925bの第2の長手方向縁部927a、927bがケーブル915の近くで更に離間し、ケーブルから離れて互いに接近するように、第2の長手方向縁部は互いに向かって傾けられることができる。第2の2つの長手方向縁部927a、927bをこのように傾けることにより、外殻が内殻に半径方向の圧縮荷重を付与すると、シーリング部材910のシート状シーリング部材912上にコーティングされたゲル状シーラント材914が、
図13Aに示されるように内殻の内部に向かって内側に押圧されることが可能となる。例えば、シーリング部材は、第2の長手方向縁部927a、927bを形成するフランジ929a、929bの上部の間の境界線に沿って(即ち、
図13Bのケーブル915から最も遠くで)50%、及び、第2の長手方向縁部927a、927bを形成するフランジ929a、929bの底部の間の境界線に沿って(即ち、
図13Bのケーブル915の最も近くで)45%圧縮され得る。この圧力差により、ゲルはエンクロージャの中に押し込まれる。このゲル状シーラント材の押し込みは、
図13Bに示される三重点995(即ち、シーリング部材及びケーブルの2つの界面の接合点)における閉鎖の改善されたシーリングをもたらすことができる。
【0080】
前述の通り、内殻920は、重要なシーリング位置及びその近くに「圧点」を形成する構造的特徴を含み得る。
図12Bでは、構造的特徴は、内殻920の第1の末端部922及び第2の末端部924にそれぞれ配設される押圧隆起部932、934の形態である。押圧隆起部932、934は、ケーブルの周囲、装置のレセプタクル、又はハウジングの入口を囲む主要な位置における適切なシーリングを確実にするのに役立つ。
【0081】
内殻920は、ナットストップ部936として機能する追加の隆起部又は他の構造体を更に含むことができる。したがって、代表的なエンクロージャ内におけるケーブル接続部の適切な位置付けを確実にするために、ケーブル接続部のナットは、押圧隆起部934とナットストップ部936との間に位置付けられることになる。
図12Bに示されるように、ナットストップ部は、内殻の外周のかなりの部分を囲むように形成され得る。あるいは、
図16に示されるように、ナットストップ部1136は、内殻1120の内周を囲むように不連続なリングを形成し得る。ナットストップ部1136は、内殻1120のシェル部分1125a、1125bの内面に形成され、各シェル部分の内周の周囲の一部のみに延在する隆起部である。
図16に示される代表的な実施形態は、各シェル部分に配設された単一のナットストップ部を示す。あるいは、複数のより短いナットストップ部が、内殻の内周を囲むように各シェル部分の中に位置付けられてもよく、これは本発明の範囲内である自明の変更であろう。
【0082】
図12Aを参照すると、内殻920は、内殻の第2の末端部に隣接して形成され、かつ内殻の外側表面から延びるシェルストップ部935を更に備える。シェルストップ部935は、外殻が内殻の上に位置付けられたときに外殻が前方に滑動し過ぎるのを防止する。
【0083】
内殻は、内殻の外側表面から延びる嵌合機構(keying feature)931を更に備えることができる。嵌合機構は、
図10に示されるように、外殻の開口部945に嵌入する。嵌合機構931により、外殻が内殻の上に適切な配向で確実に配置される。
【0084】
仮止め用の固定器具又は留め具933は、内殻920の第2の長手方向縁部927a又は927bに沿って一体に形成され得る。留め具は、リビングヒンジによって第2の長手方向縁部に接続される。留め具は、据え付け中に外殻が内殻の上に位置付けられることができるまで、一時的に内殻を閉じるように設計される。これは、エンクロージャの組立てを完了させるために外殻をそれらの対応の内殻の上に位置付ける前に、隣接するケーブル接続部の全てを囲むように内殻を設置するのが所望され得る、ケーブル接続の高密度布設で特に有利である。
【0085】
任意に、内殻は、
図12A及び
図12Bに示されるような固定機構937を備えることができる。固定機構は、突起部937bに形成される穴部937aであり得る。外殻が内殻の上に配置されるときに内殻と外殻とを固定するために、ケーブルタイ又はケーブルロックを、内殻の固定機構及び外殻の対応する穴部(図示せず)を通して挿入することができる。
【0086】
別の代表的な態様において、シーリング部材に対する内殻の長手方向継ぎ目に沿った最適圧縮を確かなものにするために、内殻は、フランジ929a、929bの外面上に配設される複数の押圧突起938を備えることができる。
【0087】
別の代表的な態様では、
図16に示されるように、内殻は、フランジ1129の一方又は両方から延びる1つ以上のシムを備えることができ、これらシムは、内殻1120の各シェル部分1125a、1125bの第2の2つの長手方向縁部から略垂直に延びる。シムは、エンクロージャがケーブル接続部を覆って組立てられるとき、外殻内の内殻の適切な位置決めを確実にすることができる。
図16に示される代表的な実施形態では、内殻は、内殻の第1の末端部1122及び第2の末端部1124の位置でフランジ1129bから延びる2つのシム1121を有する。シムがこのようにして内殻の第1及び第2の末端部に設置される場合、シムは、エンクロージャの末端部のケーブル接続部の周囲で適切なレベルの環境的な保護を確実にするのが必要となる場所に、ゲル状シーリング材を一点に集めるための封じ込め表面(containment surface)を提供するという更なる利点をもたらす。
【0088】
図18A及び
図18Bは、この改良された封じ込めを示している。
図18A及び
図18Bは、代表的なエンクロージャ1100の組立て中の、内殻1120の第2の末端部1124を示す。
図18Aは、ケーブル接続部1190を囲むように閉鎖する直前の内殻1120を示す。内殻は、両面テープ又は転写接着剤(図示せず)によってフランジ1129に取り付けられたシーリング部材110’を備えている。シーリング部材110’上のゲル突起113’は、ちょうど互いに接触した時の状態で示されている。シェル部分1125aをリビングヒンジ1128に関してシェル部分1125bに対して移動させることにより、内殻がケーブル接続部1190を囲むように矢印1199で示される方向に閉じられると、ゲル突起が圧縮されて、隙間を充填し、エンクロージャとケーブル接続部との間の三重点1195(
図18B)における良好なシールを確実にする助けとなる。
【0089】
図18Bは、シーラント材114’ケーブル接続部を囲むようにシールする方法を示す。シム1121は、三重点1195におけるシールを確実にするためにゲル突起によりもたらされる余分なゲルをケーブル接続部に流用する代わりに、シーラント材がシェル部分1125aとシェル部分1125bとの間の継ぎ目の上部からから絞り出されるのを防止する。
【0090】
図14は、本明細書に記載の本発明のエンクロージャに従った、前述の内殻のいずれかの上に嵌合することができる別の代表的な外殻1040の等角図である。外殻1040は、開口部1045の長手方向縁部1052の第2の末端部1044に位置し、窪み1053によって分離される2対の保持突起1051を備えている。保持突起は、開口部1045の幅を保持突起の間で狭め、一旦ケーブルが開口部を通って挿入されると、外殻がケーブルから滑り落ちるのを防止することができる。代表的なエンクロージャの据え付け中、ケーブルが外殻の第2の末端部1044と最初に係合するように、外殻1040は、ケーブル15に対して所定の角度で傾けられることができる。ケーブルが窪み1053の間に存在するように、ケーブルが外殻の第2の末端部に最も近い第1の突起1051を超えて滑ると、外殻は解放されることができ、
図15に示されるようにケーブル上に保持されることになる。2対の保持突起と窪みとの組み合わせは、2対の保持突起の間の窪みの中にケーブルを一時的に把持するための固定器具を形成し、内殻がケーブル接続部を囲むように据え付けられている間、外殻がケーブルを滑り落ちるのを防止する。内殻がケーブル接続部の上の所定の位置にきたら、外殻をケーブルに向けて押して開口部1045にケーブルを完全に通過させ、外殻が所定の位置に固定されるまで外殻を上方に内殻の上に滑動させることができる。
【0091】
図9は、複数のケーブル接続部を有する装置用ハウジング800の端面図を示しており、この複数のケーブル接続部は、この図ではケーブル10の末端部で表わされており、装置用ハウジングの端部壁890を貫通して延長している。ケーブル接続部は、代表的なエンクロージャ400、500、600のいくつかの更なる実施形態によって保護される。エンクロージャ400、500、600の外殻440、540、640は、内殻の一体部分として設けられたラッチアーム430、530、630などの固定器具で、内殻420、520、620の上の所定の位置に係止されることができる。外殻440、540、640は、内殻が閉鎖位置に配置されたときに、内殻の第2の長手方向縁部又はフランジの間に形成されるヒンジ及び/又は継ぎ目(
図5Bに示される継ぎ目239など)を保護するように設計される。外殻にトラックを加えることで、継ぎ目及び/又はヒンジは外殻内に保護される。
【0092】
密集したケーブル接続を保護するために、本明細書に記載の本発明のエンクロージャを利用することができる。代表的な態様では、中心間の間隔が50mmであるケーブル接続部を保護するために、本発明のエンクロージャを利用することができる。代替の態様では、約6mm離間している近接するケーブル接続部を保護するために、本発明のエンクロージャを利用することができる。代替の態様では、装置用エンクロージャの外部に配設されたバルクヘッド、モータ又は他の障害物の約3mm以内に位置付けられたケーブル接続部を保護するために、本発明のエンクロージャを利用することができる。
【0093】
例えば、エンクロージャ400の外殻440は、内殻420のフランジ429間の継ぎ目を収容するための1つの大きなトラック447と、内殻420のシェル部分を結合するリビングヒンジ428を収容するためのより小さなトラック448とを有する。各トラックは、外殻の長さ方向に延びることができ、シェルの長さ方向に延びる開口部から約+/−90°の角度で配設され得る。内殻は、図に示される向きで外殻に挿入され得る。
【0094】
設計の柔軟性を高めるため、エンクロージャ500の外殻540は、内殻420のフランジ529の間の継ぎ目と、内殻520のシェル部分を結合するヒンジ528とを収容するための、2つの大きなトラック547、548を有する。各トラックは、外殻の長さ方向に延びることができ、シェルの長さ方向に延びる開口部から約+/−90°の角度で配設され得る。より大きなトラック寸法は、より大きなヒンジ構造を収容することができるか、
図9に示される2つのポジションのうちの1つで内殻を外殻内に設置することが可能となる。
【0095】
更に
図9に示されているのは、内殻620のフランジ629間の継ぎ目を収容するための1つの大きなトラック647を有する、エンクロージャ600の外殻640である。トラックは、外殻の長さ方向に延びることができ、シェルの長さ方向に延びる開口部から約180°の角度で配設され得る。内殻のヒンジ628は、外殻640の長さ方向に延びる開口部内に収容され得る。
【0096】
本明細書において特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、多様な代替及び/又は同等の実施態様が特定の実施形態と置き換えられ得ることは、当業者には明白であろう。本出願は、本明細書において考察した特定の実施形態のあらゆる適合形態又は変形形態を網羅するものである。したがって、本発明が請求項及びその同等物によってのみ限定されることを、意図するものである。