【発明の効果】
【0012】
1つの具体的態様によれば、本開示は、単回入力及び関連の事前に定義された治療プロファイルが、使用者がデバイスを使用する毎に使用者がそれらの処方量を計算する必要性を除き、そして単回入力が組み合わせ化合物の非常に容易な設定及び投薬を可能にするので、器用さ及び計算困難を有する使用者にとって特に有利である。
【0013】
好ましい実施態様では、多回用量、使用者選択可能デバイス内に含まれるインスリンなどの基本又は一次薬物化合物は、二次薬剤の単回用量を含む単回使用、使用者交換可能モジュール、及び単一投薬インターフェースで使用することが可能である。一次デバイスに連結したとき、二次化合物は一次化合物の投薬時に起動/送達され得る。本開示は、具体的にインスリンを記載するが、2つの可能な薬物組み合わせとして、インスリンアナログ又はインスリン誘導体、及びGLP−1又はGLP−1アナログ、鎮痛薬、ホルモン、βアゴニスト又はコルチコステロイドなどの他の薬物若しくは薬物組み合わせ、又はいずれかの上記薬物の組み合わせが、本開示の薬物送達システム及び薬用モジュールで使用し得る。
【0014】
我々の発明の目的のために、用語「インスリン」は、ヒトインスリン又はヒトインスリンアナログ若しくは誘導体を含む、インスリン、インスリンアナログ、インスリン誘導体又はその混合物を意味するものとする。インスリンアナログの例は、限定されるものではなく、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリン、ここでB28位置のプロリンはAsp、Lys、Leu、Val又はAlaによって置換されてよく、そしてここでB29位置においてLysはProによって置換されてよい;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン又はDes(B30)ヒトインスリンである。インスリン誘導体の例は、限定されるものではなく、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイル−ヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0015】
本明細書で使用される用語「GLP−1」は、限定されるものではなく、エキセナチド(エキセンジン−4(1−39)、配列H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2)のペプチド、エキセンジン−3、リラグルチド、又はAVE0010(H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−NH
2)を含む、GLP−1、GLP−1アナログ、又はその混合物を意味するものとする。
【0016】
βアゴニストの例は、限定されるものではなく、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、メシル酸ビトルテロール、サルメテロール、ホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロールである。
【0017】
ホルモンは、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、例えば脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0018】
本開示は、リザーバをニードルカニューレと、そして好ましくは一次薬物送達デバイスからの一次薬剤との流体連通に入れるために、薬用モジュール中のリザーバを自動的に係合する別の機構を対象とする。本開示の機構は、リザーバをニードルカニューレに係合させるように薬用モジュール中の回転ハウジングを駆動するためにニードルガード運動を使用する。回転ハウジングをらせんねじ、ランプ(ramp)及びスロットと組み合わせることにより、ニードルガードに対して異なる比率でリザーバか又はカニューレハブ(hubs)の軸方向運動を実現することができる。らせん機能の幾何形状を調整することにより、各エレメントの相対運動及び全作動力プロファイルは変動することができる。本開示の機構は互いに対してカニューレハブ及びリザーバの相対運動をもたらす。
【0019】
1つの実施態様では、近位端が薬物送達デバイスへの取り付けのために構成されるコネクタを有する場合、内面、近位端及び遠位端を有する外側ハウジングを含む薬物送達デバイスに取り付け可能な薬用モジュールが備えられる。バイパスハウジングは、好ましくは薬剤の単回用量を有するリザーバを含有するように構成される外側ハウジングの内部に位置する。モジュールは更に、リザーバの上方と下方に位置付けられる2つのニードルハブを有し、各々は両頭針カニューレを含む。ある実施態様では、バイパスハウジングと同じ構造である外側ハウジング内に位置する回転ハウジングもある。回転ハウジングは内面及び外面を有し、ここでは外面は、近位方向におけるニードルガードの軸方向運動が外側ハウジングに対して回転ハウジングの回転を引き起こし、そしてまた薬剤との流体連通を確立するために下部の針をリザーバと係合させるように、外面はニードルガードの内壁と係合される。
【0020】
本開示の薬用モジュールアセンブリは、使用の前後での偶発的針刺しのリスクを減少させ、針恐怖症に罹っている使用者の不安を減少させ、並びに更なる薬剤が既に排出されているとき使用者がその後デバイスを使用するのを阻止することができるニードルガードを含有する。ニードルガードは内壁及び外壁を有し、ここでは外壁はそれが軸方向に動くとき、ニードルガードの回転を阻止するように外側ハウジングにスプライン係合される。
【0021】
ニードルガードは、好ましくは患者の皮膚に加えられた圧力を減少させる大きな表面積を備えるその遠位端において堅固な平面によって構成され、これは使用者が皮膚に対して加えられた力の見掛け上の減少を経験することを可能にし得る。好ましくは、平面は、針と軸方向に心合わせした穴を通した小さな針通路を除いてニードルガードの全遠位端をカバーする。好ましくは、穴サイズを通した通路は、使用者がデバイスはプライムされていることを見るのに十分大きい必要があって(即ち、1滴又はそれ以上の薬剤)、一方指で針の端部になお届く可能性があるほどには大きくない必要がある(即ち使用の前後の針刺し損傷)。穴サイズとカニューレ直径と間のこの差異は許容誤差を可能にし、使用者がプライミング後にカニューレの端部に液滴を見ることを可能にし得て(透明か又は不透明ガードが使用されるかどうか)、一方でサイズは偶発的針刺し損傷を阻止するのに十分小ささを保つ。
【0022】
更に、ニードルガード又はシールドは、注射部位に抗して押圧されそしてそこから取り外されたときに、遠位及び近位方向の両方において軸方向に動くように構成される。ニードルアセンブリが患者から取り外され又は取り去られるとき、ニードルガードは使用後伸長位置に戻る。ニードルガード、外側ハウジング、回転ハウジング、又はこれらの組み合わせでのロッキング機構は、いずれの更なる使用から薬用モジュールを更にロックするために、注射の完了時にニードルガードを更なる実質的な軸方向運動から確実にロックするのに使用することができる。代わりに又は加えて、ロッキング機構はまた、ニードルガードが軸方向でロック状態に保持されている場合でも、1つ又は複数の針及び/又はバイパス部材がシステム内で実質的に動き得ることを阻止する。「実質的な」動きとはシステムにおける標準的な「遊び」の量を意味せず、代わりにニードルガード及び/又は遠位針が、一度ロックアウトされるとカニューレの遠位端を露出する距離を軸方向に動かないことを意味する。
【0023】
本開示の1つの目的は、モジュールの状態をプライミング状態から組み合わせ用量送達状態へ変えるために、使用者が手動で薬用モジュールを操作する必要性をなくすことである。手動操作デバイスはしばしば、それらが偶発的誤使用のリスクとなりそれを高め得るほど直観的ではない。本開示は、ニードルガードの後退によって動く回転ハウジングを利用すること、それ故にプライム用量から組み合わせ用量への状態変更を起動させることによってこの問題を解決し得る。機構は、使用者にこの作動を知覚できないものとし、その結果としてモジュールの使用者経験を標準の市販及び公認の針又は安全針と非常に類似したものとすることを目標とする(即ちモジュールの解梱、薬物送達デバイスへの取り付け、薬物送達デバイスのプライミング、モジュール中の単回用量と合わせた設定用量の注射)。このように、モジュール機構は、意図しない誤使用のリスクを減らすこと、及び類似の注射方法に対する既公認訓練を反復することにより使用性能を向上させることを目標とする。
【0024】
薬用モジュール機構は、使用者が作動のために薬用モジュールで外部機能を利用する必要がないことから、部材の数及びその結果としてモジュールのサイズは減少/最適化することができる。これらの要因は、単回使用、大量生産、及び使い捨てデバイス用途にとって理想的な機構となる。あるいは、作動は単回動作によって駆動されることから、システムはそれ自体で再設定可能な作動機構に資する。下記の好ましい実施態様は単回使用(非再設定可能)バージョンである。ある実施態様では、下部ハブを軸方向に動くように、そしてある実施態様では、ニードルガードが後退するにつれて同様に回転するようにさせる。ニードルガードは外側ハウジングに対して回転拘束され得て、しかし外側ハウジング内では限定制約間で軸方向に自由に動き得る。
【0025】
皮膚に抗してニードルガードの遠位面を押圧する使用者は、近位方向においてニードルガードの軸方向運動をもたらす。ニードルガードのこの軸方向運動は、ニードルガードでの係合及び内部に向いた駆動歯の動作を通して、又はねじ込み係合により、若しくはニードルガードの内壁にトラックを備えることにより、ハウジングの回転をもたらす。ニードルガードの十分な軸方向進行後、ハウジングの回転は、リザーバがリザーバシールを穿孔後上部及び下部ニードルカニューレと流体連通になるようにさせてしまい、そしてそれをプライミングの状態から組み合わせ用量送達へと動かす。
【0026】
ニードルガードの更なる軸方向及び近位運動は皮膚を突き刺すために必要であり、これは外側ハウジングに抗して付勢部材を圧縮し、それ故に患者の皮膚又は注射部位からの取り外し後に、ニードルガードがそのロック位置に伸びることを可能にする力を作り出す。通常の使用では、一度薬物が投薬されて針が皮膚から取り外されると、それがその蓄積エネルギーを放出すると、ニードルガードは付勢部材の緩和を受けて遠位方向において軸方向に戻ることが可能になる。その戻り行程に沿った特定のポイントでは、ロックアウト機構は、更なる使用からニードルガードをロックアウトしながら又は針を露出しながらトリガーされる。使用者が流体を投薬することなしに皮膚からデバイスを取り外すならば、しかし「コミット」ポイントは通過した後、ニードルガードは既述のように伸長位置に戻りそしてロックアウトし得る。
【0027】
1つの実施態様では、薬用モジュールは薬物送達デバイスに取り付け可能であり得る。薬用モジュールは内面、上部近位端及び下部遠位端を有する外側ハウジングを含んでよく、ここでは近位端は薬物送達デバイスへの取り付けのために構成されるコネクタを有する上部ハブを有する。バイパスハウジングは外側ハウジング内に配置され得る。バイパスハウジングは薬剤の単回用量を含有するリザーバを含んでよい。リザーバはバイパスハウジング内に配置され得る。下部ハブは下部の針を保持するリザーバの下方に配置され得る。上部ニードルハブは上部の針を保持するリザーバの上方に配置され得る。偶発的針刺しを阻止するのに構成されるニードルガードは、軸方向に動くとき、ニードルガードの回転を阻止するために、外側ハウジングの内面に摺動可能に連結され得る。ニードルガードは内壁を有してよい。更に回転ハウジングの外面はニードルガードの内壁と係合し得る。この係合は、近位方向におけるニードルガードの軸方向運動が回転ハウジングの回転をもたらすように、回転ハウジングの少なくとも回転運動を可能にし得る。回転ハウジングは内面を有してよい。ニードルガードは少なくとも1つの回転ハウジング及び下部ニードルハブと係合し得る。回転ハウジングは少なくとも1つのバイパスハウジング及び少なくとも1つのニードルハブと係合し得る。近位方向におけるニードルガード(42)の軸方向運動及び回転ハウジング(53)の回転は、リザーバと下部の針の係合が薬剤との流体連通を確立するようにさせ得る。
【0028】
1つの実施態様によれば、薬物送達デバイスに取り付け可能な本明細書に記載の薬用モジュールアセンブリ、好ましくはペン型注射デバイスが提供され、ここでは薬用モジュールアセンブリは近位端及び遠位端を有する外側ハウジングを含み、近位端は第1の両頭針カニューレを保持する上部ハブ、及び薬物送達デバイスへの取り付けのために構成されるコネクタを有する。ハブはハウジングと別々の部分でよく又は一体の、例えばハウジングの一部として成形され得る。コネクタは、ねじ山、スナップフィット、バヨネット、ルアーロックなどいずれのコネクタ設計、又はこれらの設計の組み合わせであってもよい。
【0029】
好ましくは、2つのニードルカニューレ、遠位カニューレ及び近位カニューレが使用され、両方のカニューレは好ましくは、セプタム又はシールを突き刺すためそして皮膚を突き刺すために両頭である。遠位針は下部ハブに取り付けられ、そして近位針は外側ハウジングの上部ハブに取り付けられ、各々は溶接、接着、摩擦嵌合、オーバーモールドなどの当業者に公知のいずれの技術をも用いる。薬用モジュールアセンブリはまた、付勢部材、好ましくは圧縮ばねを含む。付勢部材は好ましくは予備圧縮状態であり、そしてニードルガードの近位内面と外側ハウジング間に位置付けられる。好ましい付勢部材はばねであるが、付勢力をもたらすいずれのタイプの部材も機能し得る。
【0030】
本開示の薬用モジュールアセンブリは、一度トリガーされると、(1)一次薬剤の少量が二次薬剤の単回用量を含有するリザーバ周りのバイパスに流れる場合の、使用前又はプライミング状態から、(2)上部及び下部カニューレの両方がモジュール内の二次薬剤の固定用量と流体係合している場合、そして一次薬剤の設定用量がリザーバ中の二次薬剤の非設定可能単回用量と合わせて注射することができる場合の、使用準備完了又は組み合わせ用量状態へ、そして(3)最終的にニードルガードは実質的な近位運動が阻止される場合のロックアウト状態へ自動的に状態遷移する。外側ハウジングは好ましくは、モジュールの種々の状態を示すは窓又はインジケータを有する。インジケータは、ニードルガードの近位端の外面を通して突出するピップ、ノブ、ボタンなどであってよく、そしてモジュールが使用前又は使用準備完了状態にあるかを使用者に視覚的に示す。それはまた、視覚的インジケータ、例えば色又は記号の呈示、又は触覚若しくは可聴インジケータであってよい。好ましくは、使用者に見えるインディシアは、薬用モジュールアセンブリが注射を行うのに使用された後、ニードルガードの使用前プライミング位置及びロック位置の両方を表示する。
【0031】
バイパスハウジングの内部で、薬剤の単回用量を含む、リザーバ又はカプセルを含有するキャビティがある。ニードルガードが注射中に後退すると、リザーバはキャビティ内部で近位に動き、その結果キャビティ容積を減少させる。これは、薬剤が用量送達中にリザーバから排出されることができるように、カプセルのシールがその上部及び下部でニードルカニューレによって穿き刺されることを可能にし得る。一次薬剤を含有する薬物送達デバイスに連結されたとき、そしてリザーバのシールを突き刺す前に、ニードルカニューレは一次薬剤及びカプセルをバイパスする流体流路とだけ流体連通する。好ましくは、バイパスハウジングの内面におけるチャンネルはこの流体流路の一部であり、そして薬物送達デバイスのプライミング機能において使用される。あるいは、チャンネルはリザーバの外面にあってよい。
【0032】
薬用モジュールの別の実施態様では、ニードルガードの内壁は、回転ハウジングの外面とねじ込み係合しており、そして回転ハウジングの内面は、回転ハウジングの回転が上部ハブを遠位に動かし、そして下部ハブを近位に動かしそれにより上部の針及び下部の針が薬剤と流体連通させるように、下部及び上部ハブとねじ込み係合している。これは好ましくは逆手のねじ山を用いて実現され、例えば、ここではニードルガードの内壁と回転ハウジングの外面間のねじ込み連結(T1)は右手ねじ山であり、回転ハウジングの内面と下部ハブ間のねじ込み連結(T3)もまた右手ねじ山であり、一方で回転ハウジングの内面と上部ハブ間のねじ込み連結(T2)は左手ねじ山である必要があり得る。あるいは、右手と左手ねじ山は切り替えられることができる。定式では、ねじ山タイプT1及びT3は同じでT2は逆であり、これは、それぞれのハブはニードルガードが後退すると正しい方向に動くことを確実にする。
【0033】
尚別の実施態様では、ニードルガードの内壁は回転ハウジングの外面上で非線形トラックを係合する駆動歯を有し、ここでは回転ハウジングの内面は下部ハブを係合する半径方向突出部を有し、ニードルガードが外側ハウジングに後退するときにそれを近位に動くようにさせる。外面でバイパスハウジングにスプライン係合される下部ハブを有し、そして外側ハウジングにスプライン係合される内面を有することにより、これは下部ハブ及びバイパスハウジングの回転を阻止する。言い換えれば、下部ハブの内面はバイパスハウジングにスプライン係合され、そしてバイパスハウジングの内面は外側ハウジングにスプライン係合される。これは下部ハブ及びバイパスハウジングの回転を阻止する。回転ハウジングの内面上の第2の半径方向突出部はバイパスハウジングの外面上でトラックを係合し、ニードルガードが後退するときバイパスハウジングを近位に動くようにさせる。下部ハブ及びバイパスハウジングの近位運動は、下部の針及び上部の針を薬剤と流体係合になるようにさせる。下部ハブ及びバイパスハウジングが近位に動くとき、下部及び上部の針はリザーバを係合して薬剤と流体係合になるようにさせる。
【0034】
薬用モジュールの別の実施態様では、ニードルガードの内壁は、ニードルガードの近位軸方向運動が下部ハブを回転させ近位方向に動くようにさせて、下部の針がリザーバを係合させるように、下部ハブの外面上に半径方向突出部を係合する非直線トラックを有する。この実施態様では、回転ハウジングはバイパスキャビティと同じ構造であり、そしてトラックを係合する外面上に半径方向突出部を有する。内側ハウジングは外側ハウジングに連結され、そして下部ハブ上及び回転ハウジング上で半径方向突出部と係合する非直線トラックを有し、ここでは内側ハウジング上の非直線トラックは、下部ハブ及び回転ハウジングが回転するにつれてそれらを軸方向に動くようにさせる。下部ハブ及び回転ハウジングの近位運動は、下部の針及び上部の針が薬剤と流体係合になるようにさせ得る。下部ハブ及び回転ハウジングが近位方向に動くとき、下部及び上部の針はリザーバを係合しそして薬剤と流体係合になるようにさせられる。
【0035】
本開示の機構は、互いに対して下部ハブ、リザーバ、バイパスハウジング、及び上部ハブの相対運動をもたらす。互いに向いた下部ハブ及びバイパスハウジング(又はリザーバ)の相対運動は、リザーバと下部の針の係合が薬剤との流体連通を確立するようにさせ得る。互いに向いた上部ハブ及びバイパスハウジング(又はリザーバ)の相対運動は、リザーバと上部の針の係合が薬剤との流体連通を確立するようにさせ得る。
【0036】
本発明の更なる態様は、使用前又は単にプライム状態に設定される送達デバイスに薬用モジュールを先ず取り付ける工程を含む、1つの薬剤の固定用量及び一次薬剤の可変用量を別々のリザーバから投薬する方法に関する。使用者は一次薬剤だけを用いてそして二次薬剤をバイパスして薬物送達デバイスをプライムすることができる。プライミング後使用者は注射を開始し、そしてニードルガードは後退し始め、そしてモジュールは2つの薬剤の組み合わせ送達を可能にする第2の状態へ自動的に変わる。送達手順の終了及び注射部位からの針の後退時に、ニードルガードの伸長はモジュールを自動的に第3の状態に変える。
【0037】
投薬中、実質的に二次薬剤の全量は排出され、並びに一次薬剤の選択又はダイヤル用量は単一投薬インターフェースを通して排出されている。リザーバは好ましくは、注射中に一次薬剤によりカプセルから実質的に二次薬剤のすべての用量が押し出されるのを確実にするためのフローディストリビュータを含有する。フローディストリビュータは別々の独立型インサート又はピンであってよい。あるいは、フローディストリビュータ及びカプセルは、フローディストリビュータがリザーバ又はカプセルと一体である場合に、一体構造部材として合わせて製作され又は組み立てられることができる。そのような単体構成は、例えば、溶接、接着など、又はそのいずれかの組み合わせなどの形状嵌合、力嵌合又は材料嵌合のような設計原理を利用して実現することができる。一体構造部材は1つ又はそれ以上の薬剤流路、好ましくは1つの流路を含んでよい。カプセル及び/又はフローディストリビュータは一次及び二次薬剤に適合性のいずれの材料からも構成することができる。好ましくは、カプセル及び/又はフローディストリビュータは、これらに限定されるものではないが、COC(環状オレフィン共重合体とも呼ばれるエチレン及びノルボルネンに基づく非晶質高分子、エチレン共重合体、環状オレフィン高分子、又はエチレン−ノルボルネン共重合体);LCP(アミド基によって連結された線形置換芳香族環を含み、そして更にp−ヒドロキシ安息香酸及び関連モノマーに基づく部分的結晶性芳香族ポリエステル、及びまた高度芳香族ポリエステルを含むことができるアラミド化学構造を有する液晶高分子;PBT(ポリブチレンテレフタレート熱可塑性結晶性高分子又はポリエステル);COP(ノルボルネン又はノルボルネン誘導体の開環重合に基づく環状オレフィン重合体);HDPE(高密度ポリエチレン);及びSMMA(メチルメタクリレート及びスチレンベースのスチレンメチルメタクリレート共重合体)を含む適合性材料の構成から作ることができる。好ましい材料は、多回用量薬剤カートリッジ中に見出されるセプタム又はピストン(栓)を製作するのに通常使用されるものであるが、薬物と適合性のその他の材料、例えばガラス、プラスチック又は特殊高分子、例えば、TPE(熱可塑性エラストマ);LSR(液状シリコーンゴム);LDPE(低密度ポリエチレン);及び/又はあらゆる種類の医療グレードゴム、天然及び合成ゴムを使用し得る。「実質的にすべて」とは、一次薬剤の少なくとも約80%が薬物送達デバイスから排出され、好ましくは約90%が排出されることを意味する。第3の状態では、好ましくは、モジュールは既述のロッキング機構により第2の送達又は挿入を防止するようにロックされる。
【0038】
不連続ユニットとして又は混合ユニットとしての化合物組み合わせは、一体ニードルを介して体内に送達され得る。これは、使用者の観点から、標準針を使用する市販注射デバイスに非常に厳密に適合するように達成し得る組み合わせ薬物注射システムを提供し得る。
【0039】
本開示の薬用モジュールは、適切な互換性インターフェースを備えたいずれかの薬物送達デバイスとともに使用するように設計することができる。しかしながら、不適合デバイスへの不適切薬用モジュールの取り付けを防止するために、限定された/コード化/専用機能の利用を通して1つの限定的な一次薬物送達デバイス(又はデバイス群)にその使用を制限するように、モジュールを設計することが好ましいといえる。場合によっては、薬用モジュールが1つの薬物送達デバイスに限定されること、また一方でデバイスに対する標準薬物投薬インターフェースの取り付けを可能にすることを確実にすることも有利であり得る。これはモジュールが取り付けられるときに使用者が併用療法を送達することを可能にし、しかしまた、限定されるものではないが、一次化合物の用量分割又は補充などの状況において標準薬物投薬インターフェースを通して独立に一次化合物の送達を可能にし得る。
【0040】
特別な利点は、薬用モジュールが、必要なときに、特に調節期間が特定の薬物で必要になる場合、投薬計画を特注することを可能にすることであり得る。薬用モジュールは、限定されるものではないが、患者に調節を容易にする具体的な程度で供給薬用モジュールを使用するよう指示することができるように、機能又はグラフィックス、付番等の美的設計など明白な識別機能による調節レベルの数で供給することができる。あるいは、処方する医師は患者に「レベル1」調節薬用モジュールの数を提供してよく、そしてこれらが終了したとき、次いで医師は次のレベルを処方し得る。この調節プログラムの主たる利点は一次デバイスが終始変わらないことである。
【0041】
好ましい実施態様では、一次薬物送達デバイスは1回以上使用され、従って多回使用性であり;しかしながら、薬物送達デバイスはまた単回使用使い捨てデバイスであってもよい。そのようなデバイスは一次薬物化合物の交換可能なリザーバを有しても有さなくてもよいが、しかし本開示は両方のシナリオに同様に適用可能である。また既に標準薬物送達デバイスを用いている患者に対して単発追加薬剤として処方することができる、種々の状況に対する一連の異なる薬用モジュールを有することも可能である。患者が既使用の薬用モジュールを再使用しようとするならば、本開示は、ニードルガード/挿入の第1の事前に定義された進行/後退後に起動されるロッキングニードルガードを含む。ロックドニードルガードは患者にこの状況及び二度目にはモジュールが使用不能となることを警告し得る。視覚的警告(例えば一度挿入及び/又は流体流が生じた時点でのモジュールに関する表示窓内の色の変化及び/又は警告文/インディシア)も使用することができる。加えて、触覚フィードバック(使用後のモジュールハブの外面における触覚機能の存在又は不存在)も同様に使用され得る。
【0042】
更なる特徴は、両方の薬剤が1つの注射針を介してそして1つの注射工程で送達されることである。これは2つの別々の注射剤を投与するのと比べて、使用者工程削減の観点から使用者に簡便な利点を提供する。この利便性はまた、特に注射を不快とし又は計算若しくは器用さ困難な使用者に対して、処方された療法によりコンプライアンス改善をもたらす可能性もある。
【0043】
1つの態様は薬物送達システムに関する。薬物送達システムは2つ又はそれ以上の薬剤を送達するために構成され得る。薬物送達システムは単一投薬インターフェース、例えば、ニードルカニューレを通して操作可能であり得る。薬物送達システムは薬剤の一次リザーバを含んでよい。一次リザーバは少なくとも1つの一次薬剤、特に一次薬剤の複数の用量を含有してよい。薬物送達システムは単一投薬インターフェースを含んでよい。投薬インターフェースは一次リザーバとの流体連通のために構成され得る。薬物送達システムは既述の薬用モジュールを含んでよい。単一投薬インターフェースは薬用モジュールの一部であってよい。
【0044】
実施態様によれば、ニードルガードが使用前位置にあるとき、一次薬剤はバイパスチャンネルを介してそして単一投薬インターフェースを通して流れるように構成される。回転ハウジングとニードルガードの機械的協動は、リザーバ中の薬剤が単一投薬インターフェースを通して一次薬剤と合わせて投薬されることができるように構成され得る。
【0045】
実施態様によれば、薬物送達システムは用量ボタンを含む。用量ボタンは薬剤の一次リザーバに恒久的又は解除可能で操作可能に連結され得る。用量ボタンの起動は一次薬剤が単一投薬インターフェースを介して投薬され得るようにさせ得る。
【0046】
本開示はまた、別々の一次包装中に保存された2つの薬剤を送達する方法をカバーする。薬剤は両方とも液状であってよく、又は代わりに1つ又はそれ以上の薬剤は粉剤、懸濁剤又はスラリーであってよい。1つの実施態様では、薬用モジュールは、一次薬剤が薬用モジュールを通して注射されると、それに溶解又は混合された粉状薬剤で満たすことができる。
【0047】
これら並びに本発明の種々態様の他の利点は、添付図面を適切に参照して下記の詳細な説明を読むことにより当業者に明らかになるものである。
【0048】
代表的な実施態様は以下において図面を参照して本明細書に記載される: