【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
検出画素(M1,M2)の二つの行列は隣に位置し、第1行列(M1)の画素列は第2行列(M2)の画素列と対面し、両行列の検出器表面は前記対象物の反対の同じ平面に位置し、前記関連粒子管(TPA)によって放出された前記中性子の軌道は検出画素の前記二つの行列に独立した前期空間を通過し、特定の行列の隣接する二つの画素は共通する特定の面又は特定の角を有する画素であり、それぞれ前記第1行列、第2行列の前記画素の列のすべての画素は、それぞれ前記第2行列、第1行列の前記画素の列のすべての画素に対する隣接した画素であることを特徴とする請求項6に記載の検出システム。
検出行列(M)は前記関連粒子管(TPA)によって放出された前記中性子の前記軌道上位に位置し、前記検出行列は前記中性子が通過できるアパーチャ(O)を有し、前記行列の隣接する二つの画素は共通する特定の面又は特定の角を有する画素であり、前記アパーチャ(O)の端部におけるすべての画素は、整列された前記画素を除き、前記アパーチャの前記端部におけるすべての他の画素に隣接する画素であり、前記画素又はそれに隣接する画素を超えて配置されることを特徴とする請求項6に記載の検出システム。
【背景技術】
【0002】
核物質は、核物質によって放出される中性子放射(neutron)とガンマ放射(gamma radiation)に対して、核物質と測定を行う検出器との間に、遮蔽するスクリーンを形成せずに設けられた、従来の受動的な測定方法(passive measurements)によって検出することができる。中性子放出が遮蔽により覆われる場合、能動的な中性子問いかけシステム(active neutron interrogation systems)は、例えば中性子問いかけによる検出のように見なされなければならない。
【0003】
中性子問いかけによる核物質の検出は核物質内の核分裂反応(fission reactions)によって引き起こされる。それぞれの核分裂反応は複数の中性子(典型的には4〜5個の中性子)とガンマ放射(典型的には6〜8のガンマ光子)の同時放出を引き起こす。核分裂反応に起因する中性子とガンマ放射は同時に発生して検出される。核物質は、非核物質(non-nuclear material)の場合に比べて多くの中性子とガンマ光子が同時に放出されるという事実から、非核物質と区別される。さらに、関連粒子法(the associated particle technique)によって実行された時間識別(time discrimination)は、同時に核分裂粒子を非核物質と区別することができる。
【0004】
公知の中性子とガンマ光子検出デバイスは被検査対象物の周囲に置かれた検出器から形成される。検出器は十分な検出効率を得るために互いに接近して配置される。検出中に現れる不都合な現象がディアフォニア現象(Diaphony)である。ディアフォニアは第1検出器で検出された中性子又はガンマ光子が隣接する検出器の中へ散乱し、再度それが検出される。そして、二つの粒子ではなく一つの粒子に対して二つの信号が検出されるため、誤った同期(false coincidence)を引き起こす。
【0005】
ディアフォニアの問題を解決するための現在の解決策は以下のとおりである。
− 検出器を互いに遠ざけるように移動させる
− 検出器間に壁を設置する、又はさらに設置する
− 二つの検出器に対する体系的な同期の排除
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらの解決策は多くの欠点を有している。互いに遠ざけるように検出器を移動させることは、高次の同期検出の確率に非常に大きな効果を与える有用な角度カバー(angular cover)を減少させるため、検出効率を低減する。検出器間の壁の設置も、分離壁は検出器に適していないため、有用な角度カバーを低減する。さらに、これらの壁は検出システムのサイズと重量を増加させる。最後に、二つの隣接する検出器に対する体系的な同期の排除は実質的に検出効率を損なう。
【0008】
WO2007/144589 A2は高エネルギー放射検出器とその関連手法を開示している。検出器は検出画素(detector pixels)の行列と検出画素によって検出された電荷を校正する読み出し回路のアセンブリ(assembly)とを含む。
【0009】
FR2945631 A1は関連粒子管を使用した中性子問いかけによる対象物の分析の原理を開示している。
【0010】
本発明の検出方法は上記で述べられた欠点を有していない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実際に、本発明は、期間ΔTにおける対象物の中性子問いかけ後に前記対象物で発生するイベントのカウントに基づく前記対象物内の核物質の検出方法であって、関連粒子法による同期パルス(coinciding pulses)の検出の複数のステップを含み、関連粒子法による同期パルスを検出するステップは関連粒子(associated particle)の検出の瞬間に関連する時間基準(time reference)から測定してδTの期間において実行され、同期パルス検出の各々について
− 同期パルスを検出する検出画素(detector pixels)の少なくとも一つの行列の検出画素の識別と、
− 異なる3つの検出画素によって少なくとも3つの同期パルスが検出されたことのチェックと、
− 検出された場合に、同期パルスを検出した前記画素のうち隣接する画素の検索と、
− 隣接した画素が分類される場合に、独立した画素及び/又は隣接する画素のグループの形で同期パルスを検出した前記画素の分類と、
− 同期パルスを検出した前記独立した画素及び/又前記隣接する画素のグループのカウントと、
− 少なくとも3つの独立した画素及び/又は隣接する画素のグループが前記独立した画素及び/又は前記隣接する画素のグループをカウントするステップにおいてカウントされる場合に、δTの期間におけるイベント発生の有効化(validation)と、を含み、発生するすべての前記同期した検出は、
− 時間基準からカウントされた時間閾値(time threshold)の上位で発生する有効イベント(validated events)の数のカウントと、
− 前記時間閾値の上位で検出されたショットノイズ(shot noise)の決定と、
− 前記ショットノイズに基づく警告閾値(alarm threshold)の計算と、
− 前記警告閾値を伴う前記カウントステップにおいてカウントされる前記有効イベントの数の比較に基づく前記対象物における前記核物質の存在又は不在の信号の決定のステップと、
− 前記核物質の存在(presence)又は不在(absence)の信号に関連する信頼度(rate of confidence)を反映する確率(probability)の計算と、
を含む検出方法に関する。
【0012】
本発明のさらなる特徴は、前記時間閾値の上位で検出されたショットノイズにおいて、前記時間閾値の上位で発生する前記有効イベントの数から、前記カウントするステップにおける前記有効イベントの数の比較から前記対象物における前記核物質の存在又は不在の前記信号を前記決定するように、前記警告閾値とマイナスの前記ショットノイズを差し引く。
【0013】
本発明のさらなる特徴は、前記時間基準からカウントされる時間閾値の上位で発生する前記有効イベントをカウントする前記ステップはヒストグラムを形成するステップである。
【0014】
本発明のさらなる特徴は、時間閾値の上位で発生する前記有効イベントの数の前記カウントのように、前もって期間ΔTが決められ、前記ショットノイズの前記決定と、前記警告閾値の前記計算と、前記核物質の存在又は不在の前記信号を決定する前記ステップと、が実施される1期間ΔTが達成される。
【0015】
本発明のさらなる特徴は、時間閾値の上位で発生する前記有効イベントの数の前記カウントと、前記ショットノイズの前記決定と、前記警告閾値の前記計算と、前記核物質の存在又は不在の前記信号を決定する前記ステップと、が連続した同時検出が起きたとして実行される。
【0016】
本発明は、また、本発明の方法を用いる検出システムに関連する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の検出方法の主な利点は、最大の検出立体角(detection solid angle)をカバーすることができることであり、隣接する検出器が活性化(activate)されるときにイベントを排除しない。これはつまり従来技術の方法と比較して検出性能が最大になるようにできる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に本発明の方法を実行できる検出システムの第1実施形態の概略図を示す。
【0020】
検出システムは
−被検査対象物1の方向に高速中性子n(fast neutrons)を放出する関連粒子管TPA(associated particle tube)と、
−対象物1によって放出された中性子nFとガンマ光子γ(gamma photons)とを検出することができる検出画素の二つの行列M1,M2を構成する検出器と、
−検出画素の行列M1,M2にそれぞれ関連する、それ自体は公知の、二つの電子データ収集ユニット(electronic data acquisition unit)A1,A2を構成する検出画素の行列によって供給される信号を収集するためのシステムと、
−収集システムによって供給される信号を処理するコンピュータ(computer)Kと、
を含む。
【0021】
関連粒子管において、粒子αは高速中性子nの放出と同時に放出される。さらに、粒子αは高速粒子が放出された方向とは反対の方向に放出されることが知られている。高速中性子に関連する粒子αの検出は高速中性子が放出された瞬間の情報と、この中性子が放出された方向の情報と、を提供する。高速中性子はこのようにそれに関連する粒子αによって“サイン”される(signed)。以降の説明において、関連粒子管によって放出された高速中性子は“サイン”された高速中性子と呼ぶ。
【0022】
二つの行列の各々の検出画素は隣接している。検出画素は好ましくは有機シンチレーション検出器(organic scintillation detectors)である。検出画素のそれぞれのサイズは、それぞれの画素が単独で核分裂中性子やガンマ光子を効果的に検出できるように決められる。画素M1,M2の行列は近接して隣同士に配置され、被検査対象物1に対面する検出器を有する。検出器表面は、行列を分離する狭い空間によってのみ遮断された一つの検出器表面と、TPA管によって放出された“サイン”されたnが通過する中性子問いかけを許可する空間と、を有する。
【0023】
関連粒子管TPAと被検査対象物1とは、好ましくは二つの行列M1,M2を構成する検出器構造の両面に配置される。検出行列M1,M2の領域と膜厚との最適化と、画素のサイズの最適化と、は物理パラメータ(シンチレータ内の中性子とガンマ放射の相互作用長(interaction length)、検出効率などの平均)と、可搬性(重量(weight)、容積(volume))やシステム(測定チャンネル(channels)の数)のコストのような操作上の制約(operational constraints)と、の両方に依存する。
【0024】
関連粒子管TPAは対象物1の方向に “サイン”されたnの一連の中性子問いかけを放出する。中性子nの軌道は対象物1に到達する前に画素の二つの行列を分離する空間を通過する。サインされた中性子が対象物1に到達するとき、もし核物質を含んでいれば核分裂反応が対象物内で起きる。核分裂反応は行列M1,M2で検出される高速中性子nFとガンマ線γを発生する。高速中性子及びガンマ線の検出から発生するパルスは電子データ収集ユニットA1,A2とコンピュータKによって処理される。前述のように、関連粒子法によって、高速中性子nが放出されたとき、α粒子(α particle)はTPA管によって検出される。α粒子の検出の瞬間はこのように瞬間基準T
0を核分裂中性子及びガンマ光子がカウントされた検出瞬間によって定義することができる。この瞬間基準T
0は電子データ収集ユニットA1,A2とコンピュータKに適用されるパラメータである。
【0025】
図2に本発明の方法を実行できる検出システムの第2実施形態の概略図を示す。
図2の例において、検出システムは、一つの電子データ収集ユニットAに関連する一つの行列Mのみを含む。アパーチャ(aperture)Oは行列M内に形成され、TPAによって対象物1の方向に放出された高速中性子nが電子データ収集ユニットA1を通過できるようにする。行列Mに形成されたアパーチャは少なくとも一つの検出画素の面積を有する。アパーチャは行列Mによって表現される検出表面に対して相対的に中央に配置されることが好ましい。
【0026】
図1,2で表された検出システムは本発明の好ましい実施形態である。しかしながら、本発明は例えば一つの完全な行列(完全な行列とはアパーチャがない行列を意味する)や、高速中性子nの進行方向の軸に対して中央に寄っていない(これは
図1のケースで二つの行列M1,M2のいずれか一方がない場合に相当する)、又は互いに分離された少なくとも3つの行列を含むシステム(これは
図1のケースで行列M1,M2に次いで少なくとも一つの行列が付加され、検出板が広がった場合に相当する)のような他の実施形態にも関連する。
【0027】
図3に本発明の検出方法によって実行されるイベントを有効化するために方法のフローチャートを示す。
【0028】
イベント有効化方法は次のステップを含む:
− 関連粒子法によって、同時に検出するための時間ウインドウ(window)δTが開くことがトリガ(trigger)となり、時間基準T
0の収集を導くα粒子検出のステップE1と、
− 検出されたα粒子と同期パルスをカウントするステップE2と、
− 同期パルスを供給した検出システムの画素の識別化(identification)のステップE3と、
− 少なくとも3つの同期パルスが3つの異なる検出画素に由来するかどうかをチェックするステップE4と、もし同期パルスが異なる検出画素に由来するならば、
− ステップE4で検出された同期パルスを供給した画素の中で隣接する画素を探索するステップE5と、
− ステップE5で見つかった隣接する画素のグループ及び/又は独立した画素の形式で同期パルスを検出した画素の分類のステップE6と、
− 同期パルスを検出した隣接する画素のグループ及び/又は独立した画素のをカウントするステップE7と、
− ステップE7でカウントされた隣接する画素のグループ及び/又は独立した少なくとも3つの画素においてイベントを一度有効化するステップE8。
【0029】
本発明との関係においては、画素行列の二つの画素は、もし共通の角(corner)又は辺(side)が与えられる場合、「隣接する(adjoining)」と呼ばれる。本発明のシステムは隣同士に配置された二つの画素行列を含むとき、第1行列の画素の列は他方の行列の画素の列と対面している。画素の列の各画素は、それが属する画素行列に対しては上記で述べたルールによる画素に、反対に位置する画素行列に対しては画素の列に対面したすべての画素に、それぞれ隣接している。本発明がアパーチャを有する画素行列に関連するとき、アパーチャの角の各画素は上記で述べたルールによる画素に隣接しており、さらに、整列された画素を除いて、それに隣接する画素又は複数の画素を越して位置するアパーチャの角の他の全ての画素に隣接する。同様に、本発明との関係においては、もしパルスを検出する画素に隣接しない画素がパルスを検出する場合、「独立する(isolated)」と呼ばれる。
【0030】
優先的に、イベントが有効化されたとき、独立した画素及び/又は隣接するグループに由来するパルスであろうとなかろうと、瞬間T
0によってカウントされ、有効化されたイベントに関連する瞬間T
1は第1パルスが検出された瞬間として任意に定義される。
【0031】
図4に
図1で表された検出システムの検出画素による検出粒子の非限定的な例を示す。
【0032】
全ての検出された粒子(中性子及び/又はガンマ線)はα粒子と同期する粒子である。例えば、行列M1,M2は8×8行列である。しかしながら、より一般的には本発明との関係において使用される行列はI×J行列であり、IとJは任意の整数である。M1行列の画素はX
ij(i行のラインの画素とj列のラインの画素)を参照され、M2行列の画素はY
ij(i行のラインの画素とj列のラインの画素)を参照される。
【0033】
行列M1では
− 与えられた粒子はまず画素X
73及び画素X
74,X
64,X
63で検出され、
− 粒子は画素X
14で検出され、
− 粒子は画素X
28で検出される。
【0034】
行列M2では
− 与えられた粒子はまず画素Y
24及び画素Y
15,Y
14で検出され、
− 粒子は画素Y
66で検出され、
− 粒子は画素Y
67で検出され、
− 上記の画素X
28で」検出された粒子は画素Y
31でも検出される。
【0035】
行列M1のケースでは、粒子が画素X
14によって検出されることと、一つの粒子が画素X
73,X
74,X
64,X
63によって検出されることを考慮している。行列M2のケースでは、一つの粒子が画素Y
24,Y
15,Y
14によって検出されることと、一つの粒子が画素Y
66,Y
67によって検出されることを考慮している。同時に表示されている行列M1と行列M2のケースにおいて、一つの粒子は画素X
28とY
61によって検出されていることを考慮している。
【0036】
図5は本発明の検出方法の第1の変形例のフローチャートを示す。
【0037】
上記で述べたステップE1〜E8は、例えば10分のように、予め決定された期間ΔTの間に繰り返される。期間ΔTの全体にわたって発生した有効化されたイベントの数N
Cは時間閾値T
Sを超えて、カウントされる(E9)。発生するイベントのほとんどが核物質内で起きる核分裂反応ではないことを考慮して、時間閾値T
Sは下位の瞬間を定義する。下位の瞬間T
Sで発生したイベントのほとんどは、例えば非弾性散乱反応(inelastic scattering reaction:n,n’γ)のような、核物質を囲む非核分裂物質で発生した反応によるものと考えられる。確かに、核物質は分析された対象物内に存在するが、後者は、実際には、良好な外観のパッケージ(package:パケット、荷物、輸送コンテナなど)に隠されており、さらに、例えばポリエチレン、鉄又は鉛のような中性子やガンマ線放射に対して遮蔽する効果を有する傾向のある特定の物質によって囲われている。これらの物質の場合、サインされた中性子との相互作用に続いて同時に放出する複数のガンマ線と中性子線によって、検出されたヒットの数は瞬間T
0に近い瞬間で非常に高くなり、核分裂反応による真のイベントは瞬間T
Sの前に検出されるかもしれないが、これらのイベントを考慮に入れると誤警報のリスクはより高くなる。検査対象物の面積と、検出画素と検査対象物との間の距離と、に応じて時間閾値T
Sは、時間T
0からカウントされ、それより下位のイベントが考慮されないように定義される。
【0038】
ステップE1〜E8の繰り返しと同時に、収集ウインドウδTの外に存在するランダムノイズ(random noise)bの測定は、例えば公知の方法で、瞬間T
0の前の時間間隔中(負の時間(negative times))に行われる。ノイズbの測定から期間ΔTの全てにおいて連続する瞬間T
Sを越えて存在するノイズBが決定される(ステップE11)。
【0039】
ステップE9とE11の結果、つまり期間ΔTの終わりに、ステップE12はステップE9でカウントされたイベントN
CからノイズBを差し引く。ステップE12は有効化イベントの数Nになる。
【0040】
有効化イベントの数Nを計算するステップE12と同時に、警告閾値S
alの計算のステップE13が発生する。警告閾値S
alはノイズBの値から、例えばノイズBの標準偏差の二倍に等しくなるように計算される。有効化イベントの数Nは警告閾値S
alと比較される。
【0041】
NとS
alを比較することで、核物質が存在(S
al≦Nの場合)又は不在(S
al>Nの場合)を示す信号S
mを得る。信号S
mは、核物質の存在又は不在が考慮されるべきである、つまり、核物質の存在が通知された時の誤警報と核物質の不在が通知されたときの非検出のリスクの信頼のレベルを表現する確立Pを伴う。確立PはNとノイズBとから、公知の方法で計算される。
【0042】
図6に本発明の検出方法の第2変形例のフローチャートを示す。
【0043】
本発明の検出方法の第2変形例によると、期間ΔTは先に決定されず、連続する瞬間T
Sを越えて発生し、検出された有効化イベントの数の警告閾値との比較は、連続する収集ウインドウにおいて発生する検出として生成される。この場合、連続する検出が起きる時間において実行されるステップE17,E15,E16,E18,E19,E20は、事前に決定された全期間ΔTにおいて実行される本発明の方法の第1変形例のステップE9,E10,E11,E12,E13,E14にそれぞれ対応する。
【0044】
ステップE18は核物質で発生する核分裂反応に対応して得られるカウントされたノイズフリーイベントの数N(t)をもたらす。警告閾値S
al(t)はステップE19のノイズB(t)から計算される。数N(t)はステップE20で警告閾値S
al(t)と比較される。E20は、核物質の存在又は不在を反映する信号S
m(t)と信号S
m(t)が考慮されるべき信頼のレベルを反映する確立P(t)とをもたらす。数N(t)はS
al(t)よりも小さいままだが、信号S
m(t)は対象物内に核物質が存在せず、新たな有効化ステップが実行されることを示す。数N(t)が警告閾値に達するとすぐに、信号S
m(t)は核物質の存在を信号で伝え、確立P(t)はこの情報に関連する信頼度を与える。そして、カウントは中断される。カウントは、核物質の存在を確認する情報に関連して前記の信頼度における変化を計算するために、作業者の決定によって連続とされてもよい。反対に、信号S
m(t)は、核物質が存在せず、核物質の不在を確認するこの情報に関連する信頼度が十分な期間に対して高いことを示すとき、オペレータにカウントを中断することを提案する。
【0045】
上記の本発明の方法の第1及び第2変形例によると、核物質の存在又は不在を確認する信号の決定は警告閾値を伴う時間閾値T
Sの上位で発生する有効化イベントの数の比較から得られる。ここで、有効化イベントと警告閾値との数はいずれもショットノイズBによって減少される。本発明の他の実施形態によると、核物質の存在又は不在を確認する信号の決定は、ショットノイズを伴い、ショットノイズによるこれらの値の減少を伴わない時間閾値T
Sの上位で発生する有効化イベントの数の比較から得られる。イベントの数N
Cと警告閾値との比較は被検査対象物内の核物質の存在又は不在を示す信号ももたらす。得られた信号が考慮されるべき確率も計算される。
【0046】
図7に、一例として、本発明の好ましい実施形態によって得られたヒストグラムを示す。
【0047】
有効化イベントをカウントするステップは、このケースでは、期間ΔT中に発生する全ての有効化イベントのヒストグラムの形成ステップである。前に述べたように、各々のイベントは、瞬間T
0からカウントされた瞬間T
1によって、ヒストグラムに表示される。有効化イベントのうち瞬間T
Sを越えたイベントだけがカウントされる。例えば、収集ウインドウの期間δtを76nsとし、時間T
Sを20nsとする。閾値T
Sの下位のヒット大きい数の検出が
図7において明らかに確認される。ノイズイベント(ノイズレベルSb)を含む
図7のヒストグラムは、間隔ΔT中は上記のノイズBの測定である収集を含む。