(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シェル(30)は前記シェル下端部(34)に、前記シェル内面(90)と前記シェル外面(92)との間を連続的に延在するシェル下面(88)を含み、前記シェル下面(88)は、増加する前記シェルギャップ幅(ws)を提供する、請求項1に記載の点火器(20)。
前記シェルギャップ(38)は、前記シェル(30)と前記絶縁体(28)との間に配置されており、前記シェル(30)に沿って前記シェル上端部(32)と前記シェル下端部(34)との間を連続的に延在し、前記シェルギャップ(38)は前記シェル下端部(34)においてもっとも大きい、請求項1に記載の点火器(20)。
前記絶縁体(28)は、前記シェル下端部(34)の外方に延在する絶縁体ノーズ領域(78)を含み、前記絶縁体ノーズ領域(78)の前記絶縁体外面(66)は、前記絶縁体ノーズ端部(60)に向かって減少する絶縁体ノーズ直径(Dn)を提供する、請求項1に記載の点火器(20)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
可能な実施例の詳細な説明
本発明の1つの局面は、コロナ放電点火システムのためのコロナ点火器20を提供する。このシステムは、アークの形成を抑制する電源を意図的に作り出し、コロナ放電22を作り出す強い電界の形成を促進する。このコロナ放電点火システムの点火イベントは、約1MHzで行われる複数の放電を含む。
【0013】
当該システムの点火器20は、高無線周波数電圧のエネルギーを受け取るための中央電極24を含む。中央電極24は、無線周波数電界を放射して燃焼性の空燃混合気の一部をイオン化し、内燃機関の燃焼室26においてコロナ放電22を提供する電極着火端部36を含む。中央電極24は、絶縁体28に挿入され、絶縁体28の周りに金属シェル30が配置される。シェル30は、絶縁体28および電極着火端部36がシェル下端部34の外方に突出するように、シェル上端部32からシェル下端部34まで延在する。シェル30はまた、シェル下端部34に向かって減少するシェル厚さt
sを有する。これにより、シェル下端部34に向かって増加するシェルギャップ幅w
sを有するシェルギャップ38が設けられる。シェルギャップ38は、空気が内部で流れるように、シェル下端部34において開口している。
【0014】
この増加するシェルギャップ幅w
sは、コロナ放電22の位置を制御することを補助するとともに、中央電極24とシェル30との間のコロナ放電22を向上する。一実施例では、コロナ点火器20は、
図1に示されるように、中央電極24とシェル30との間と、電極着火端部36とにおいてコロナ放電22を提供する。別の実施例では、コロナ点火器20は、
図2に示されるように、中央電極24とシェル30との間にのみコロナ放電22を提供する。
【0015】
ある実施例では、増加するシェルギャップ38はまた、シェル30と絶縁体28との間の如何なるコロナ形成も促進して、シェルギャップ38から移動させてもよい。ある実施例ではまた、コロナ点火器20の設計により、中央電極24とシェル30との間のアーク放電が低減され得る。たとえば、上記の増加するシェルギャップ幅w
sにより、中央電極24と接地されたシェル30との間の距離が大きくなり得、これにより、中央電極24とシェル30との間に望まれないアーク放電を引き起こす導電経路が形成されるのにかかる時間量が増加する。
【0016】
コロナ点火器20は典型的に、自動車または産業機械の内燃機関において用いられる。
図1に示されるように、この内燃機関は典型的には、シリンダ中心軸の周りを円周方向に延在するとともにその間にスペースを提供する側壁を有するシリンダブロック40を含む。このシリンダブロック40の側壁は、上開口部を取り囲む上端部を有し、シリンダヘッド42は上端部上に配置され、上開口部に亘って延在している。ピストン44は、内燃機関の動作の間、側壁に沿って摺動するために、シリンダブロック40の側壁に沿ったスペース中に配置される。ピストン44は、シリンダブロック40と、シリンダヘッド42と、ピストン44とによって、それらの間に燃焼室26が得られるようにシリンダヘッド42から距離を置いている。燃焼室26は、コロナ点火器20によってイオン化される燃焼性の空燃混合気を含む。シリンダヘッド42は、点火器20を受け入れるアクセスポートを含む。点火器20は、シェルギャップ38が燃焼室26の空燃混合気にさらされるように、横断方向に燃焼室26の中へと延在する。点火器20は、電源(図示せず)から高無線周波数電圧を受け取り、無線周波数電界を放射して、当該空燃混合気の一部をイオン化し、コロナ放電22を形成する。
【0017】
点火器20の中央電極24は、電極端子端部48から電極着火端部36まで、電極中心軸a
eに沿って長手方向に延在する。高無線周波数交流電圧のエネルギーが中央電極24に適用され、電極端子端部48が、典型的に40,000V以下の電圧、1A未満の電流、および0.5〜5.0MHzの周波数といった、高無線周波数交流電圧のエネルギーを受け取る。電極24は、ニッケルのような導電材料から形成される電極本体部50を含む。一実施例では、電極24の材料は、1,200nΩ・m未満の低抵抗率を有する。電極本体部50は、電極中心軸a
eに垂直である電極直径D
eを提供する。電極本体部50は、電極端子端部48にて、電極本体部50の残りのセクションに沿って電極直径D
eよりも大きな電極直径D
eを有するヘッド52を含む。
【0018】
中央電極24は、中央電極24のヘッド52が絶縁体28の孔に沿って電極座部54上に載るように、絶縁体28の中に挿入される。一実施例では、電極24を絶縁体28中に挿入するのに必要なクリアランスによって、電極24と絶縁体28との間に、電極24と絶縁体28との間で空気が流れることを可能にする電極ギャップ46が設けられる。代替的には、電極24と絶縁体28との間にはギャップが存在しない。一実施例に従うと、
図1、
図2、および
図4に示されるように、絶縁体28の孔は、電極着火端部36が絶縁体28の外方に配置されるように、絶縁体28を通って連続的に延在する。別の実施例に従うと、
図3に示されるように、電極着火端部36は、絶縁体28に包みこまれる。
【0019】
電極着火端部36が絶縁体28の外方に配置される場合、中央電極24は典型的に、無線周波数電界を放射して空燃混合気の一部をイオン化し、燃焼室26においてコロナ放電22を提供するための電極着火端部36を取り囲みかつ隣接する着火先端部56を含む。着火先端部56は、高温にて非常に優れた熱的性能を提供する導電材料から形成される。この導電材料はたとえば、元素周期表の4族〜12族から選択される少なくとも1つの元素を含む材料である。
図1に示されるように、着火先端部56は、電極本体部50の電極直径D
eよりも大きい先端直径D
tを提供する。
図2に示されるように、着火先端部56は典型的に複数のプロング57を含んでおり、各プロング57は、電極中心軸a
eから外方に延在する先端長さl
tを提供する。
【0020】
コロナ点火器20の絶縁体28は、環方向において電極本体部50の周りに配置されるとともに、長手方向において電極本体部50に沿って配置される。絶縁体28は、絶縁体上端部58から電極端子端部48と絶縁体ノーズ端部60とを通って長手方向に延在する。
図2は、本発明の一実施例に従った絶縁体ノーズ端部60を示す拡大図である。絶縁体ノーズ端部60は、電極24の電極着火端部36および着火先端部56から間隔を置いている。絶縁体ノーズ端部60および着火先端部56は、先端部スペース64をそれらの間に提供し、絶縁体ノーズ端部60と着火先端部56との間を周囲空気が流れることを可能にする。別の実施例(図示せず)に従うと、着火先端部56は、スペースがそれらの間に存在しないように、絶縁体28に当接する。
【0021】
絶縁体28は、典型的にはアルミナを含むセラミック材料のような電気的絶縁材料から形成される。絶縁体28は、中央電極24およびシェル30の導電率よりも小さい導電率を有する。一実施例では、絶縁体28の絶縁耐力は14〜25kV/mmである。絶縁体28はまた、電荷を保持することができる比誘電率、典型的には6〜12の比誘電率を有する。一実施例では、絶縁体28の熱膨張率(CTE)は、2×10
-6/℃と10×10
-6/℃との間である。
【0022】
絶縁体28は、電極本体部50の電極24表面に向いている絶縁体内面62を含む。絶縁体内面62は、絶縁体上端部58と絶縁体ノーズ端部60との間を電極中心軸a
eに沿って長手方向に延在する。絶縁体内面62は、中央電極24を受け入れる絶縁体孔を提供しており、中央電極24のヘッド52を支持するための電極座部54を含む。
【0023】
一実施例では、絶縁体孔は、絶縁体上端部58から絶縁体ノーズ端部60まで連続的に延在しており、電極着火先端部56は、
図1、
図2、および
図4に示されるように、絶縁体ノーズ端部60の外方に配置されている。別の実施例では、絶縁体ノーズ端部60は、
図3に示されるように、閉じられており、電極着火端部36を包み込んでいる。
【0024】
点火器20は典型的に、中央電極24のヘッド52が電極座部54の上に載るまで、絶縁体上端部58を通って絶縁体孔の中へ電極着火端部36を挿入することによって形成される。ヘッド52の下の電極本体部50の残りの部分は典型的に、絶縁体内面62から間隔を置いており、それらの間に電極ギャップ46を提供する。
【0025】
コロナ点火器20の絶縁体28は、絶縁体内面62と反対側に存在する絶縁体外面66を含む。絶縁体外面66は、電極中心軸a
eに沿って絶縁体上端部58から絶縁体ノーズ端部60まで長手方向に延在する。絶縁体外面66は、絶縁体内面62と反対側に向いており、シェル30に向かうよう外方にあり、かつ中央電極24から離れている。1つの好ましい実施例では、絶縁体28は、シェル30に確実に嵌合するとともに効率的な製造工程を可能にするよう設計されている。
【0026】
図1、
図3、および
図4に示されるように、絶縁体28は、電極本体部50に沿って絶縁体上端部58から絶縁体ノーズ端部60に向かって延在する絶縁体第1領域68を含む。絶縁体第1領域68は、電極中心軸a
eに略垂直に延在する絶縁体第1直径D
1を提供する。絶縁体28はさらに、絶縁体第1領域68に隣接するとともに、絶縁体ノーズ端部60に向かって延在する絶縁体中央領域70を含む。絶縁体中央領域70はまた、電極中心軸a
eに略垂直に延在する絶縁体中央直径D
mを提供する。絶縁体中央直径D
mは絶縁体第1直径D
1よりも大きい。絶縁体上側肩部72は、絶縁体第1領域68から絶縁体中央領域70に半径方向外方に延在する。
【0027】
絶縁体28はまた、絶縁体中央領域70に隣接するとともに絶縁体ノーズ端部60に向かって延在する絶縁体第2領域74を含む。絶縁体第2領域74は、絶縁体中央直径D
mよりも小さい、電極中心軸a
eに略垂直に延在する絶縁体第2直径D
2を提供する。絶縁体下側肩部76は、絶縁体中央領域70から絶縁体第2領域74まで半径方向内方に延在する。
【0028】
絶縁体28はさらに、絶縁体第2領域74から絶縁体ノーズ端部60まで延在する絶縁体ノーズ領域78を含む。絶縁体ノーズ領域78は、電極中心軸a
eに略垂直に絶縁体ノーズ端部60へと延在する、好ましくはテーパまたは減少する絶縁体ノーズ直径D
nを提供する。絶縁体ノーズ端部60での絶縁体ノーズ直径D
nは、絶縁体第2直径D
2よりも小さく、着火先端部56の先端直径D
tよりも小さい。
【0029】
図1に示されるように、コロナ点火器20は、絶縁体28に受け入れられる、導電材料から形成される端子80を含む。端子80は、電源(図示せず)に電気的に接続される端子配線(図示せず)に電気的に接続される第1の端子端部82を含む。端子80はさらに、電極端子端部48と電気的に連通している第2の端子端部83を含む。したがって、端子80は、高無線周波数電圧を電源から受け取り、高無線周波数電圧を電極24に送る。導電材料から形成される導電性シール層84は、エネルギーが端子80から電極24に送られ得るように、端子80と電極24との間に配置されるとともにこれらを電気的に接続する。
【0030】
コロナ点火器20のシェル30は、絶縁体28の周りに環方向に配置される。シェル30は、スチールのような導電性金属材料から形成される。一実施例では、シェル30は、1,000nΩ・m未満の低抵抗率を有する。
図1、
図3、および
図4に示されるように、シェル30は、絶縁体28に沿ってシェル上端部32からシェル下端部34まで長手方向に延在する。シェル下端部34は、電極着火端部36にもっとも近いシェル30の位置である。
【0031】
シェル30は、シェル上端部32にあるシェル上面86と、シェル下端部34にあるシェル下面88とを含む。シェル30は、絶縁体外面66に向いているシェル内面90と、反対方向に向いているシェル外面92とを含む。シェル内面90およびシェル外面92の各々は、シェル上端部32のシェル上面86からシェル下端部34のシェル下面88まで長手方向に連続的に延在する。シェル厚さt
sは、シェル内面90からシェル外面92まで延在する。シェル外面92は、絶縁体28の周りを円周方向に延在する周縁部を提供する。外側シェル直径D
s1は、当該周縁部に亘って延びる。外側シェル直径D
s1は、好ましくは着火先端部56の先端長さl
tよりも少なくとも1.5倍大きい。これにより、中央電極24とシェル30との間に導電経路が形成するのにかかる時間量が、外側シェル直径D
s1が小さい場合にかかる時間量と比べて増加する。一実施例では、外側シェル直径D
s1は12〜18mmである。
【0032】
シェル内面90は、絶縁体第1領域68と、絶縁体上側肩部72と、絶縁体中央領域70と、絶縁体下側肩部76と、絶縁体第2領域74とに沿って、絶縁体ノーズ領域78に隣接するシェル下端部34まで延在する。シェル内面90は、絶縁体28を受け入れるシェル孔を提供する。シェル内面90はさらに、シェル孔に亘って延在する内側シェル直径D
s2を提供する。内側シェル直径D
s2は、絶縁体28がシェル孔の中に挿入され得るように、かつ絶縁体ノーズ領域78の少なくとも一部が、シェル下端部34の外方に突出するように、絶縁体ノーズ直径D
nよりも大きい。シェル内面90は、絶縁体下側肩部76を支持するためのシェル座部94を提供する。
図1の実施例では、シェル座部94は、工具受入部材98に隣接して配置される。
【0033】
シェル内面90は典型的には、
図1、
図2、
図3および
図3Aに示されるように、シェル上端部32からシェル下端部34まで連続的に絶縁体外面66から間隔を置いており、これによりそれらの間にシェルギャップ38が設けられる。別の実施例では、シェル内面90は、絶縁体28に対してきつく配置され、シェルギャップ38は、
図3B、
図4、および
図4Bに示されるように、シェル下面88に沿ってシェル内面90とシェル下端部34との間にのみ位置する。別の実施例では、
図4および
図4Aに示されるように、シェルギャップ38は、シェル30とシリンダブロック40との間に配置される。
【0034】
シェルギャップ38は、シェル下端部34と、シェル内面90およびシェル外面92のうちの1つとの間に、たとえばシェル下端部34とシェル内面90との間またはシェル下端部34とシェル外面92との間に位置する。シェルギャップ38は、シェル内面90またはシェル外面92とシェル下端部34との間、たとえばシェル内面90からシェル下面88に沿ってシェル下端部34まで、徐々に増加するシェルギャップ幅w
sを有する。図に示されるように、シェル厚さt
sは、シェルギャップ幅w
sがシェル下端部34において最大になるように、シェル下端部34に向かって減少する。シェルギャップ38は、周囲の環境からの空気が中を流れるように、シェル下端部34において開口している。
図3および
図4の実施例のような好ましい実施例では、シェル30は、上記シェル上端部32とシェル下端部34との間のシェル長さl
sを有し、増加する上記のシェルギャップ幅w
sは、シェル長さl
sの0.1〜10%に沿って延在する。
【0035】
この増加するシェルギャップ幅w
sは、シェル30と絶縁体28との間に形成し得るコロナ放電22を促進し、シェルギャップ38から移動させる。また、この増加するシェルギャップ幅w
sによって、中央電極24と接地されたシェル30との間の距離が大きくなる。これにより、中央電極24とシェル30との間に導電経路が形成するのにかかる時間量が、シェルギャップが小さい場合と比較して増加する。したがって、この増加したシェルギャップ幅w
sにより、コロナ放電22が電極着火端部46に集中するのが補助され、中央電極24とシェル30との間の望まれないアーク放電が防止される。
【0036】
図1および
図2の実施例では、シェルギャップ38は、シェル上端部32とシェル下端部34との間を連続的に延在する。シェル内面90は、シェル下面88へスムーズに遷移する。シェル下面88は、
図2Aおよび
図2Bにもっともよく示されるように、絶縁体外面66に向いている凸状のプロファイルを提供する。シェル下面88のこの凸状のプロファイルが、上記の徐々に増加するシェルギャップ幅w
sを提供する。この実施例では、シェル下面88は、絶縁体外面66に向いている、0.010よりも大きい、好ましくは0.1よりも大きい球面半径を提供する。シェル下面88に沿った特定の点での球面半径は、当該特定の点にて半径を有する仮想の三次元の球体を用いて決定される。球面半径は、この三次元の球体の半径である。シェル下面88での球面半径は、シェルギャップ38を提供し、シェルギャップ38に沿って電界強さおよび電圧界を修正するよう用いられる。これにより、シェル30と着火先端部56との間のコロナ放電22の形成を促進するとともに強い放電の形成を低減する。
【0037】
図3および
図3Aの実施例では、シェルギャップ38はまた、シェル上端部32とシェル下端部34との間を連続的に延在する。しかしながら、この実施例では、シェル下面88がシェル内面90からシェル外面92まで連続的に延在するとともにシェル下端部34がシェル外面92に配置されるように、シェル下面88の全体が面取りされている。この面取りされたシェル下面88は、シェル内面90からシェル外面92のシェル下端部34まで徐々に増加するシェルギャップ幅w
sを提供する。
【0038】
図2Cおよび
図4Bに示される別の実施例では、シェル下面88の一部のみが、シェル下端部34がシェル内面90とシェル外面92との間にシェル下面88に沿って配置されるように面取りされる。この実施例では、シェルギャップ幅W
sは、シェル内面90からシェル下面88の一部に沿ってシェル下端部34まで徐々に増加し、シェル下面88に沿ってシェル外面92まで変わらないままである。
図2Cの実施例では、シェル下面88での面取りは、シェルギャップ38を提供し、シェルギャップ38に沿って電界強さおよび電圧界を修正するよう用いられる。これにより、シェル30と着火先端部56との間にコロナ放電22の形成を促進するとともに、強い放電の形成も低減する。
【0039】
図4および
図4Aの実施例では、徐々に増加するシェルギャップ幅w
sは、シェル30とシリンダブロック40との間に位置する。この実施例では、シェル外面92はシリンダブロック40と係合しており、シェルギャップ38は、シェル下面88に沿ってシェル外面92とシェル下端部34との間に位置する。シェル下面88の一部は面取りされる。シェル下面88の面取りされた部分は、シェルギャップ幅w
sを提供し、シェルギャップ幅w
sは、シェル外面92からシェル下面88の一部に沿ってシェル下端部34まで徐々に増加し、シェル下面88に沿ってシェル内面90まで変わらないままである。
【0040】
一実施例では内部シール100が、絶縁体28がひとたびシェル30に挿入されると絶縁体28を支持するようシェル内面90と絶縁体外面66との間に配置されてもよい。内部シール100は、絶縁体外面66をシェル内面90から離し、それらの間にシェルギャップ38を提供する。内部シール100が用いられる場合、シェルギャップ38は典型的にシェル上端部32からシェル下端部34まで連続的に延在する。
図1、
図3、および
図4に示されるように、内部シール100の1つは典型的に、絶縁体下側肩部76の絶縁体外面66と工具受入部材98に隣接するシェル座部94のシェル内面90との間に配置され、内部シール100の別のものは、絶縁体上側肩部72の絶縁体外面66とシェル内面90との間に配置される。内部シール100は、支持を提供するとともに、シェル30に対して適切な位置に絶縁体28を維持するよう位置決めされる。
【0041】
図1、
図3、および
図4の実施例では、絶縁体28はシェル座部94上に配置された内部シール100上に載り、絶縁体28の残りのセクションは、絶縁体外面66およびシェル内面90がそれらの間にシェルギャップ38を提供するように、シェル内面90から間隔を置いている。シェルギャップ38は、絶縁体外面66に沿って絶縁体上側肩部72から絶縁体ノーズ領域78まで連続的に延在するとともに、さらに絶縁体28の周りを環方向に延在する。
【0042】
図2Dおよび
図3の実施例では、シェル内面90およびテーパする絶縁体ノーズ領域78は、シェルギャップ38を提供し、シェルギャップ38に沿って電界強さおよび電圧界を修正するよう用いられる。これにより、シェル30と着火先端部56との間にコロナ放電22の形成を促進するとともに、強い放電の形成も低減する。一実施例では、上記の増加するシェルギャップ38は、シェル38ではなく、テーパする絶縁体38のみによって提供される。この実施例では、シェル長さl
sは、他の実施例よりも長くてもよい。
【0043】
図2Eの実施例では、シェル下面88での面取りとテーパする絶縁体ノーズ領域78とは、シェルギャップ38を提供し、シェルギャップ38に沿って電界強さおよび電圧界を修正するよう用いられる。これにより、シェル30と着火先端部56との間にコロナ放電22の形成を促進するとともに、強い放電の形成も低減する。
【0044】
シェル30は典型的には、工具受入部材98を含む。工具受入部材98は、コロナ点火器20をシリンダヘッド42に設置およびそこから除去するのに製造者またはエンドユーザによって用いられ得る。工具受入部材98は、絶縁体中央領域70に沿って絶縁体上側肩部72から絶縁体下側肩部76まで延在する。一実施例では、シェル30はさらに、シリンダヘッド42を係合するとともにコロナ点火器20をシリンダヘッド42および燃焼室26に対して望まれる位置に維持するために、絶縁体第2領域74に沿ったねじ山を含む。
【0045】
シェル30はさらに典型的には、ターンオーバリップ部102を含む。ターンオーバリップ部102は、絶縁体中央領域70の絶縁体外面66に沿って工具受入部材98から長手方向に延在し、絶縁体上側肩部72に沿って絶縁体第1領域68まで内方に延在する。ターンオーバリップ部102は、絶縁体第1領域68がターンオーバリップ部102の外方に突出するように、絶縁体上側肩部72の周りを環状に延在する。シェル上面86は、絶縁体28に向かって内方に曲がっており、シェル上面86の少なくとも一部が絶縁体中央領域70と係合し、絶縁体28に対して軸方向に動かないようにシェル30を固定する補助をする。
【0046】
図5に示される別の実施例では、シェル30は、シェル下端部34に突出部104を含み、シェルギャップ38は、突出部104と絶縁体28との間に位置する。着火先端部56のプロング57は、シェル30に向かって上方向に延在し、突出部104と整列する。シェルギャップ38の形状、着火先端部56の構成、およびシェル30の整列した突出部104は、シェル30と着火先端部56との間のコロナ放電22の形成を促進する。
【0047】
図6に示されるさらに別の実施例では、中央電極24は、絶縁体28によって包み込まれ、シェル下面88は球面半径を含む。この実施例では、絶縁体ノーズ端部60を閉じることで、シェル下端部34からのコロナ放電22の形成を促進するとともに、コロナ放電22のストリーマを整形するよう中央電極24上の高電圧を用いるつつ強い放電の可能性を除去する。
【0048】
本発明の別の局面は、コロナ点火器20を形成する方法を提供する。この方法はまず、中央電極24と、絶縁体28と、シェル30とを設けるステップを含む。絶縁体28は典型的に、絶縁体上端部58から絶縁体ノーズ端部60まで連続的に絶縁体28を通って、または孔が絶縁体ノーズ端部60から間隔を置くように部分的に絶縁体28を通って延在する孔を含むようセラミック材料を成形することによって形成される。シェル30は典型的に、シェル厚さt
sがシェル下端部34に向かって減少するように成形またはキャスティングによって形成される。一実施例では、この方法は、シェル厚さt
sが減少するようにシェル下面88を形状決めするステップを含む。別の実施例では、この方法は、シェル厚さt
sが減少するようにシェル下面88を面取りするステップを含む。
【0049】
次に、この方法は、絶縁体内面62に沿って電極24を絶縁体孔の中に挿入するステップと、シェル内面90に沿って絶縁体28をシェル孔の中に挿入するステップとを含む。一実施例では、この方法は、シェル孔においてシェル座部94上に内部シール100を配置するステップと、シェルギャップ38を提供するよう絶縁体28を内部シール100上に配置するステップとを含む。シェル30は典型的には、絶縁体28に対して適切な位置にシェル30を固定するよう絶縁体28の周りに曲げられる。シェル上面86は、絶縁体28を係合するよう内方へ動かされてもよい。
【0050】
コロナ点火器20の動作中に、シェルギャップ38の開口部の領域において中央電極24に向かう有意な電界を含む高電界がシェルギャップ38に発生する。この領域において、等電位線は、絶縁体外面66に対して角度を有する。そのため、電位は、絶縁体外面66に沿って絶縁体28からシェル30への移動を上昇させる。この高い電極電界によって作り出される陽イオンは、負に分極したシェル30へと移動し、より低い電圧に向かって移る。しかしながら、ここで、負に帯電されたイオンは、絶縁体外面66に向かって移動し、より高い電圧に向かって移り、次いでシェル30から離れて中央電極24に向かうよう促され、常により高い電圧に移る。したがって、コロナ点火器20の設計は、シェル30と中央電極24との間の絶縁体外面66の上でのコロナ放電22またはある実施例ではアーク放電の形成に有利となる。
【0051】
上記の教示に鑑みて、添付の特許請求の範囲内で、本発明の多くの修正例および変形例が可能であり、具体的に記載されたのとは異なる態様で実施されてもよいことは明らかである。