(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上述した従来技術における課題を解決し、(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンの不斉合成方法、並びに、関係原料およびその調製方法を提供し、製造コストを低減し、プロセスフローを短縮し、廃棄物の排出量を低減することにある。これにより、本発明は、非常に大きな市場応用価値を提供し、大規模な普及および応用に資することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
キラルアミンとカルボニル化合物との還元的アミノ化反応は、キラルアミノ化合物を製造するための常法である。本発明者らは、鋭意研究の結果、4位にアルキル置換基を有するピロリジン−3−ケトンとキラルアミンとの脱水反応によってイミド化合物またはエナミン化合物を生成し、その後、そのイミド化合物またはエナミン化合物を還元することで、C−4(アルキル置換基に結合された炭素)とC−3(アミノ基に結合された炭素)とが同じ立体配座を有する光学的に純粋な生成物を得ることができることを見出した(ルート3に示す)。
【0013】
【化4】
【0014】
適切な構造のキラルアミンと4−置換アルキル基のピロリジン−3−ケトンとの還元的アミノ化を選択することによって、標的化合物(I)の2つのキラル中心を構成することができる。置換アルキル基において、アミノ基との環化のための適切な官能基を選択することによって、標的化合物(I)の分子骨格をさらに得ることができる。その後、キラル補助基およびアミノ保護基を除去することにより、(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン(I)を簡易に得ることができる。
【0015】
本発明においては、安価で入手しやすくしかも除去しやすいキラルアミンである(R)−1−フェニルエチルアミンを選択することができる。式(II)に示されるピロリジン−3−ケトンとの還元的アミノ化反応、すなわち、ピロリジン−3−ケトン(II)とキラルアミン(R)−1−フェニルエチルアミンとの脱水反応によって、イミド化合物またはエナミン化合物を得、その後、そのイミド化合物またはエナミン化合物を還元して、式(I)のキラル構造を有する式(III)の化合物または式(IV)の化合物を得ることができる。この方法は、本発明において(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン(I)を製造する上で、重要な不斉合成ステップを構成する。
【0016】
【化5】
【0017】
ここで、Rはアミノ保護基であり、特に加水分解または水素化によって除去可能なC
1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、またはベンジル基である。
Zは2つのHまたはOであり、Zが2つのHである場合には、Yはクロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、ヒドロキシル基、または保護基を有するヒドロキシル基であり、ZがOである場合には、YはOR
1である。R
1はC
1−4アルキル基である。
【0018】
式(II)に示されるピロリジン−3−ケトンとキラルアミン(R)−1−フェニルエチルアミンとの不斉反応は、以下の2つのステップを含む。
(1)ピロリジン−3−ケトン(II)とキラルアミン(R)−1−フェニルエチルアミンとの脱水反応によって、イミド化合物またはエナミン化合物を得る。
(2)イミド化合物またはエナミン化合物を還元して、式(I)のキラル構造を有する式(III)の化合物または式(IV)の化合物を得る。
【0019】
ステップ(1)において、ピロリジン−3−ケトンとキラルアミン(R)−1−フェニルエチルアミンとの脱水は、適当な溶媒に、例えばモレキュラーシーブ、無水塩化カルシウム、および無水硫酸マグネシウムなどの脱水剤を添加して行うことができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、またはこれらのアルコールの混合溶媒を用いることができる。
【0020】
好ましくは、脱水反応は、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、無水塩化水素などの酸触媒の存在下、適当な溶媒中での加熱還流を含む。溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、またはこれらのアルコールの混合溶媒を用いることができる。
【0021】
より好ましくは、適当な溶媒中での還流水分離を含む。溶媒は、ベンゼン、メチルベンゼン、およびn−ヘキサンなどを含む、水と共沸混合物を形成可能な溶媒から選択される。例えばメタンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸などの触媒量の酸を添加することによって、脱水反応を加速化できる。脱水反応の脱水生成物はイミド化合物またはエナミン化合物であり、この脱水生成物は、分離操作を要することなく次のステップの還元反応に直接的に供される。
【0022】
ステップ(2)において、脱水生成物であるイミド化合物またはエナミン化合物は、異なる条件下で還元される。還元過程にはエナミンとイミドとのバランスおよびキラル補助基の立体障害効果が同時に存在するため、得られる還元生成物はcis配座であり、式(I)のキラル構造を有する式(III)の化合物または式(IV)の化合物を得ることができる。
【0023】
脱水生成物(すなわちイミド化合物またはエナミン化合物)を還元する方法には、触媒水素化や金属水素化物還元などの方法が含まれ、触媒水素化法が好ましい。触媒水素化で使用される触媒としては、ニッケル触媒またはパラジウム触媒が選択される。ニッケル触媒としては、ラネーニッケルが好ましい。パラジウム触媒としては、Pd/C、Pd(OH)
2/C、Pd/Al
2O
3が含まれ、10%のPd/Cが好ましい。触媒水素化は、テトラヒドロフラン;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール;またはこれらの溶媒の混合物;を含む適当な溶媒中で行われる。水素化圧力は、常圧から50MPaまでである。
【0024】
上述した不斉合成ステップにより、式(I)のキラル構造を有する式(III)の化合物または式(IV)の化合物が得られ、これらの化合物は、90%de〜95%deの比較的高いジアステレオマー純度(非エナンチオマー純度)を有する。その後、置換アルキル基上の官能基YおよびZがアミノ基と直接反応することによって分子内環化を行い、或いは、置換アルキル基上の官能基YおよびZをさらにアミノ基と反応できる活性基に転化して分子内環化を行い、さらにキラル補助基およびアミノ保護基を除去することによって、90%ee〜95%eeのエナンチオマー純度を有する(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン(I)が製造される。
【0025】
Zが2つのHであり、Yがアミノ基とアルキル化反応できる活性基である場合には、式(IIa)に示されるピロリジン−3−ケトンの還元的アミノ化生成物は、式(IIIa)の化合物または式(IVa)の化合物である。
【0026】
【化6】
【0027】
ここで、Rはアミノ保護基であり、特に加水分解または水素化によって除去可能なC
1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、またはベンジル基である。Yはクロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル基、メタンスルホン酸エステル、またはp−トルエンスルホン酸エステルである。
【0028】
式(IVa)における活性基は、還元的アミノ化の条件下でアミノ基とのアルキル化反応を同時に行い、部分的または完全な分子内環化生成物をもたらすことができる。還元的アミノ化生成物は、式(IIIa)の化合物であるか、または式(IIIa)の化合物と式(IVa)の化合物との混合物である。
【0029】
Zが2つのHであり、Yが保護基(例えばC
1−4アルカノイル基、ベンゾイル基、ベンジル基、C
1−4アルキルシリル基など)を有するヒドロキシル基である場合には、還元的アミノ化生成物は式(IVa’)の化合物である。その後、ヒドロキシル保護基を除去するとともにアミノ基とアルキル化反応できる活性基(例えばメタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、クロロ、ブロモ、またはヨード)に転化し、さらに分子内環化を行って、式(IIIa)の化合物が得られる。式(IVa’)における保護基を有するヒドロキシル基を活性基に転化する過程において、分子内環化が同時に生じ、式(IIIa)の化合物と式(IVa)の化合物との混合物が得られる。
【0030】
【化7】
【0031】
ここで、Rはアミノ保護基であり、特に加水分解または水素化によって除去可能なC
1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、またはベンジル基である。R’はヒドロキシル保護基である。
【0032】
還元的アミノ化生成物である式(IIIa)の化合物と式(IVa)の化合物との混合物は、通常、分離されることなく、続けて式(IIIa)の化合物に完全に転化される。このとき、例えば反応温度の上昇または酸触媒の添加などの適当な方法により、完全環化を促進する。
【0033】
式(II)に示されるピロリジン−3−ケトンにおいて、ZがOであり、YがC
1−4アルコキシ基である場合には、還元的アミノ化生成物は式(IVb)に示され、カルボン酸エステル基とアミノ基との反応によって得られる分子内環化生成物は式(IIIb)に示される。
【0034】
【化8】
【0035】
ここで、Rはアミノ保護基であり、特に加水分解または水素化によって除去可能なC
1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、またはベンジル基である。R
1はC
1−4アルキル基である。
【0036】
式(IIIb)の化合物は、アミド還元によってさらに式(IIIa)の化合物に転化される。式(IVb)の化合物はまずカルボン酸エステル基をヒドロキシル基に還元して式(IVa)の化合物に転化し、さらに分子内環化することによって、式(IIIa)の化合物を得ることもできる。式(IIIb)のアミドおよび式(IVb)のカルボン酸エステルの還元方法はいずれも既知であり、例えばボランまたは金属水素化物によって還元を行う。金属水素化物は、例えばNaBH
4、LiBH
4、KBH
4、NaBH
3(CN)、NaBH(OAc)
3などの金属水素化ホウ素物;または例えば水素化アルミニウムリチウム、ビス(メトキシエトキシ)水素化アルミニウムナトリウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリドなどの金属アルミニウム水素化物;などを含む。
【0037】
(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン(I)は、式(IVb)の化合物の分子内環化によってまずは式(IIIb)の化合物を得、その後、アミドを還元するとともにキラル補助基およびアミノ保護基を除去することによって製造することができる。
【0038】
好ましくは、(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン(I)は、式(IVa’)の化合物においてヒドロキシル保護基の除去および分子内環化を行い、その後、キラル補助基およびアミノ保護基を除去することによって製造することができる。或いは、式(IVb)の化合物においてアミド還元および分子内環化を行い、その後、キラル補助基およびアミノ保護基を除去することによって製造することができる。
【0039】
より好ましくは、(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン(I)は、式(IIa)の化合物とキラルアミン(R)−1−フェニルエチルアミンとの還元的アミノ化反応によって式(IIIa)の化合物と式(IVa)の化合物との混合物を得、この混合物を分離することなく式(IIIa)の化合物に完全に転化させ、その後、キラル補助基およびアミノ保護基を除去することによって製造することができる。
【0040】
アミノ保護基は、既知の方法に従って除去される。キラル補助基は、触媒水素化分解法によって除去できる。アミノ保護基がベンジルオキシカルボニル基またはベンジル基である場合には、触媒水素化分解法により、キラル補助基およびアミノ保護基を単一工程で除去できる。触媒水素化分解において使用される触媒は、パラジウム触媒から選択され、このパラジウム触媒にはPd/CやPd(OH)
2/Cが含まれる。水素化分解反応の圧力は、常圧〜10MPaである。さらに、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸などの酸存在下で、触媒水素化分解反応を加速化することができる。反応基質を塩形成させた後で触媒水素化分解反応を行っても良い。
【0041】
本発明に係る新規な化合物は、それぞれ式(II)、式(III)、および式(IV)に示される。
【0042】
【化9】
【0043】
ここで、Rはアミノ保護基であり、特に加水分解または水素化によって除去可能なC
1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、またはベンジル基である。Zは2つのHまたはOであり、Zが2つのHである場合には、Yはクロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、ヒドロキシル基、または保護基を有するヒドロキシル基であり、ZがOである場合には、YはOR
1である。R
1はC
1−4アルキル基である。
【0044】
【化10】
【0045】
ここで、Rはアミノ保護基であり、特に加水分解または水素化によって除去可能なC
1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、またはベンジル基である。Zは2つのHまたはOである。
【0046】
【化11】
【0047】
ここで、Rはアミノ保護基であり、特に加水分解または水素化によって除去可能なC
1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、またはベンジル基である。Zは2つのHまたはOであり、Zが2つのHである場合には、Yはクロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、ヒドロキシル基、または保護基を有するヒドロキシル基であり、ZがOである場合には、YはOR
1である。R
1はC
1−4アルキル基である。
【0048】
本発明は、さらに式(II)に示されるピロリジン−3−ケトンの製造方法に関し、その特徴は、式(V)の化合物からカルボキシルエステル(−COOR
2)を除去することによって、式(II)に示されるピロリジン−3−ケトンを調製する点にある。
【0049】
【化12】
【0050】
ここで、Rはアミノ保護基であり、Zは2つのHまたはOであり、Zが2つのHである場合には、Yはクロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、ヒドロキシル基、または保護基を有するヒドロキシル基であり、ZがOである場合には、YはOR
1である。R
1およびR
2はそれぞれ独立してC
1−4アルキル基である。
【0051】
酸性水溶液またはアルカリ性水溶液中で、式(V)の化合物のエステルを加水分解し、得られるβ−ケト酸を加熱条件下で脱炭酸することにより、式(II)の化合物を得ることができる。式(V)の化合物が他にも加水分解しやすい基を含有する場合には、例えばsynthesis, 805(1982)やsynthesis, 893(1982)に記載された方法などのその他の脱炭酸方法を選択することができ、例えば塩化ナトリウムなどのアルカリ金属塩化物の触媒下、例えばDMSOなどの非プロトン極性溶媒中での還流反応によって除去することができる。加水分解脱炭酸法を選択する場合には、脱炭酸反応は、さらに、再エステル化(YおよびZがエステル基の場合)、およびアミノ保護基の再生またはその他の保護基への転化(Rが加水分解しやすいオキシカルボニル基またはアシル基の場合)の過程を含む。
【0052】
式(Va)の化合物は、アルカリ触媒下、式(VI)の化合物と式(VII)の化合物との反応によって調製される。
【0053】
【化13】
【0054】
ここで、Rはアミノ保護基である。Xはクロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホン酸エステル、またはp−トルエンスルホン酸エステルである。Yはクロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、ヒドロキシル基、または保護基を有するヒドロキシル基である。R
2はC
1−4アルキル基である。
【0055】
アルカリ触媒としては、C
1−4のナトリウムアルコキシド、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、ジアザビシクロ(DBU)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウムを用いることができる。
【0056】
式(Vb)の化合物は、式(VI)の化合物と式(VIII)の化合物との共役付加反応によって調製される。
【0057】
【化14】
【0058】
ここで、Rはアミノ保護基である。R
1およびR
2はそれぞれ独立してC
1−4アルキル基である。
【0059】
式(VI)の化合物と式(VIII)の化合物との共役付加反応(Michael付加とも呼ばれる)は、アルカリ触媒下で行われる。アルカリ触媒としては、C
1−4のナトリウムアルコキシド、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、ジアザビシクロ(DBU)、またはリチウムジイソプロピルアミド(LDA)を用いることができる。上記の共役付加反応は、トリフェニルホスフィンの触媒下で、ラジカル反応によって行われても良い。
【0060】
4−アルコキシカルボニル−3−ピロリドン(VI)は、安価かつ入手しやすい出発原料であり、既知の方法によって調製することができる(J Org Chem, (1965), 740-744)。
【0061】
本発明では、安価かつ入手しやすい原料からピロリジン−3−ケトン(II)を調製し、当該化合物とキラルアミン(R)−1−フェニルエチルアミンとの還元的アミノ化反応、分子内環化、およびキラル補助基の除去などの簡単なステップによって、90%ee〜95%eeのエナンチオマー純度を有する(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンを製造することができる。本発明の方法は、プロセスコストが低く、プロセスフローが簡単で、非常に大きな市場応用価値および非常に良好な量産化適合性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0062】
[実施例1]
(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンの調製
【0064】
1−ベンジル−4−(3−エトキシカルボニルプロピル)−3−ピロリドン(1−1)(17.0g, 62mmol)、(R)−1−フェニルエチルアミン(7.87g, 65mmol)、ベンゼン150mLを、窒素ガスの保護下、6時間、還流水分離を行った。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮して乾燥させた。得られた油状生成物を無水エタノール100mlに溶解し、高圧反応ケトルに入れ、ラネーニッケル10gを加え、1.0MPaの圧力下、室温にて72時間、水素化反応を行った。反応終了後、濾過し、濾液を減圧濃縮によって乾燥させ、20gの油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマトグラフィーによって分離して、13.5gの油状生成物(1−2)を得た。収率は57%であった。
1H NMR (500MHz,CDCl
3) δ7.34-7.23(m,10H),4.16-4.12 (m,2H),3.76-3.75 (m,1H),3.54 (q,J=13.0Hz,2H),3.23-3.22 (m,1H),2.81-2.72 (m,2H),2.34 (t,J=7.75,2H),2.21-2.18 (m,3H),1.94 (m,1H),1.31-1.25 (m,7H)。MS-ESI: m/z: 381 (M
++1)。
【0065】
前ステップの還元的アミノ化生成物(1−2)(10.8g, 28.3mmol)、トルエン220mL、酢酸42mLを、70℃まで加熱して、16時間反応させた。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて、反応液をpHが約8となるまで洗浄し、水相を加え、トルエン60mLで抽出を行い、トルエン相を加え、水洗した。トルエン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮して乾燥させ、9.0gの油状生成物(1−3)を得た。収率は95%であった。
1H NMR (500MHz,CDCl
3) δ7.35-7.24 (m,10H),6.03 (q,J=7.1Hz,1H),3.65-3.61 (m,2H),3.47 (d,J=12.9Hz,1H),3.07 (t,J=8.3Hz,1H),2.87 (t,J=8.3Hz,1H),2.54-2.19 (m,5H),1.67-1.66 (m,2H), 1.48 (d,J=7.2Hz,3H)。MS-ESI: m/z: 335 (M
++1)。
【0066】
水素化アルミニウムリチウム9.0gを無水テトラヒドロフラン20mLに加え、窒素ガスの保護下、前ステップの生成物(1−3)(9g, 27mmol)を徐々に滴下し、温度を-10℃〜15℃に維持しながら、テトラヒドロフラン溶液25mLに溶解した。滴下完了後、3時間加熱還流し、反応終了後に0℃まで温度を下げ、飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下して反応を停止させた。酢酸エステルで抽出を行い(50mL×3回)、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して乾燥させ、油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマトグラフィーによって分離して、5.3gの油状生成物(1−4)を得た。収率は62%であった。
1H NMR (500MHz,CDCl
3) δ7.38-7.20 (m,10H),3.73 (q,J=13.5Hz,2H),3.63−3.58(m,2H),2.86-2.72 (m,3H),2.57 (t,J=4.5Hz,1H),2.29-2.26 (m,3H),1.61-1.60 (m,4H),1.30 (d,J=6.5Hz,3H)。MS-ESI: m/z:321 (M
++1)。
【0067】
前ステップの生成物(1−4)(5.3g, mmol)をメタノール100mLに溶解し、HCl/エタノール溶液を加えてpHを1.0に調節した。活性炭1.0gを加えて0.5時間撹拌し、濾過して活性炭を除去した。濾液に10%のパラジウム炭素0.5gを加え、圧力が1.5Mpaとなるまで窒素ガスを注入し、室温で一晩反応させた。反応終了後、濾過してパラジウム炭素を除去し、メタノール5mLで洗浄した。濾液を合わせ、ナトリウムメトキシド/メタノール溶液でpHを10.0に調節した。濾過して塩を除去し、母液を濃縮乾燥した後に減圧蒸留して、1.52gの(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンを得た。収率は73%であった(95.0%ee)。
1H NMR (500MHz,CDCl
3) δ3.08-3.07 (m,1H),3.06-2.81 (m,4H),2.70−2.67 (m,1H),2.52-2.51 (m,1H),2.00-1.99 (m,1H),1.95-1.87 (br,2H),1.63-1.60 (m,2H),1.35-1.32 (m,2H)。
【0068】
[実施例2]
(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンの調製
【0070】
三角フラスコに化合物(1−2)(10.0g, 26.3mmol)、メタノール50.0mL、水素化ホウ素ナトリウム5.8gを加えた。大量の気泡が生成し、温度が自然に上昇した。3時間反応させた。反応終了後、水100.0mLを加え、酢酸エステル(50mL×2回)で抽出した。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して乾燥させ、化合物(2−1)と化合物(1−4)との混合物6.6gを得た。この生成物は、分離することなく、直接的に次のステップの反応に供した。なお、混合物を少量採取してカラムクロマトグラフィーにかけて、生成物(2−1)を得た。
1H NMR (500MHz,CDCl
3) δ7.34-7.24(m,10H),3.80-3.50 (m,1H),3.66-3.65 (m,2H),3.57-3.52 (m,2H),3.39-3.34 (m,1H),2.80-2.76 (m,2H),2.30-2.27 (m,1H),2.23-2.17 (m,2H),1.72-1.64 (m,2H), 1.52-1.45 (m,1H),1.36-1.34 (m,4H), MS-ESI: m/z: 339 (M
++1)。
【0071】
前ステップで得られた混合物5gをジクロロメタン50mLに加え、トリメチルアミン(3g, 30mmol)を加えた。氷浴下、トルエンスルホニルクロリド(1.85g, 16.2mmol)とジクロロメタン25mLとの混合液を加え、30分以内で滴下を完了させ、室温にて2時間反応を維持させた。反応終了後、水50mLを加え、有機相を分離した後、水相をジクロロメタン100mLで再度抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を遠心脱水して4.5gの薄黄色粘性液体(1−4)を得た。
【0072】
得られた生成物(1−4)を実施例1の方法に従って脱保護して、(S,S)−2,8−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナンを得た(94.3%ee)。
【0073】
[実施例3]
(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンの調製
【0075】
水分離装置を備えた三角フラスコに、トルエン20mL、1−ベンジル−4−(3−安息香酸プロピル)−3−ピロリドン(2.0g, 5.92mmol)、(R)−1−フェニルエチルアミン(1.0g, 8.89mmol)を加え、窒素ガスの保護下、20時間還流水分離を行った。溶媒を真空遠心脱水し、得られた油状生成物をエタノール20mLに溶解させ、高圧反応ケトルに加えた。ラネーニッケル0.2gを加え、10kgの圧力で、室温にて24時間水素化反応を行った。反応終了後、珪藻岩を敷き詰めたブフナー漏斗を用いて反応物を濾過し、濾液を遠心脱水して油状粗性物を得た。この油状粗性物をカラムクロマトグラフィーによって分離して、1.6g, 3.61mmolの油状生成物(3−2)を得た。収率は61.0%であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.06 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.55 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.20 (m, 10H), 4.36 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.73 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 3.55 (q, J = 12.9 Hz, 2H), 3.24 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 2.84 (s, 1H), 2.79 - 2.68 (m, 1H), 2.22 (m, 3H), 1.85 - 1.69 (m, 3H), 1.44 (m, 1H), 1.28 (m, 4H)。
【0076】
化合物(3−2)(1.4g, 3.16mmol)をメタノール10mLに加え、6Nの水酸化ナトリウム水溶液1mLを滴下し、室温で5時間反応させた。反応終了後、反応系に対して水20mLと酢酸エステル20mLとを加えた。層分離後、水相を酢酸エステル20mLで再度抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を遠心脱水して、1.0gの黄色粘性液体(2−1)を得た。この生成物は精製する必要がなく、次のステップに直接的に供された。
【0077】
前ステップで得られた油状生成物(2−1)(1.0g, 2.95mmol)をジクロロメタン10mLに加え、トリメチルアミン(0.59g, 5.90mmol)を加えた。10℃まで温度を下げた。窒素ガスの保護下、メタンスルホニルクロリド(0.37g, 3.24mmol)とジクロロメタン5mLとの混合液を加え、30分以内で滴下を完了させ、温度を10℃に保ったまま4時間反応させた。反応終了後、水10mLを加え、有機相を分離した後、水相をジクロロメタン20mLで再度抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を遠心脱水して、0.86gの薄黄色粘性液体(1−4)を得た。これら2つのステップの収率は85%であった。
【0078】
最終生成物(1−4)を実施例1の方法に従って脱保護して、(S,S)−2,8−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナンを得た(95.3%ee)。
【0079】
[実施例4]
(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンの調製
【0081】
還流脱水装置を備えた250mLの一口フラスコに、化合物(4−1)(10.0g)、(R)−1−フェニルエチルアミン5.5g、シクロヘキサン100mLを加え、窒素ガスの保護下、撹拌しながら加熱し、還流による脱水反応を5時間行った。HPLCによるモニタリングに基づく反応終了後、温度を低下させ、40℃以下の温度で減圧濃縮してシクロヘキサンを乾燥させ、14.8gの油状生成物を得た。この油状生成物を無水エタノール50mLに溶解して高圧反応ケトルに移し、湿った(wet)ラネーニッケル7.0gを加えた。窒素ガスで3回置換した後、圧力が3.0MPaとなるまで水素ガスを注入し、常温で3日間反応させた。LC−MSによれば、反応完了後の主な生成物は、化合物(4−2)および化合物(4−3)であった。生成物を濾過し、濾液を無水エタノールで溶出するとともに、窒素ガスの保護下で1.5時間加熱還流した。これにより、LC−MSの表示によれば、化合物(4−2)は全て(4−3)に転化された。40℃以下の温度で、液が出なくなるまでエタノールを減圧濃縮して、油状液体を得た。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mLおよびエーテル150mLをフラスコに加え、常温で1時間撹拌し、層分離するまで静置した。水相をエーテル80mLで2回抽出した。有機相を合わせ、水100mLで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、40℃以下の温度で石油エーテルを濃縮乾燥して、9.0gの油状液体(4−3)を得た。
1H NMR (500MHz,CDCl
3) δ7.33-7.23 (m,5H),4.17-4.12 (m,2H),3.68-3.57 (m,3H),3.35-3.32 (m,2H),3.27-3.22 (m,1H),2. 42-2.39 (m,1H),2.29-2.25 (m,2H), 1.62-1.22 (m,8H)。
【0082】
前ステップの生成物(4−3)(9.0g)、10%のパラジウム炭素3.0g、酢酸50.0mLを高圧反応ケトルに加えた。窒素ガスで3回置換した後、圧力が1.0MPaとなるまで水素ガスを注入し、室温で48時間反応させた。反応終了後、減圧濃縮して乾燥させ、得られた油状生成物をNaOH(10%)溶液50mLに加え、24時間加熱還流した。反応終了後、反応物をクロロホルム100mLで3回抽出し、溶媒を濃縮乾燥した後、減圧蒸留して、3.1gの(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンを得た。総収率は57%であった(94.3%ee)。
【0083】
[実施例5]
1−ベンジル−4−(3−エトキシカルボニルプロピル)−3−ピロリドンの調製
【0085】
1−ベンジル−4−エトキシカルボニル−3−ピロリドン(5.0g, 20.2mmol)、アクリル酸エチル(6.0g, 60.0mmol)、トリフェニルホスフィン(0.45g, 1.7mmol)、アセトニトリル25mLを、20時間、加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧濃縮して乾燥させ、油状液体を得た。この油状液体をカラムクロマトグラフィーによって分離して、3.7gの油状生成物(5−1)を得た。収率は53%であった。
1H NMR (500MHz,CDCl
3) δ7.38-7.26 (m,5H),4.22-4.09 (m,4H),3.76-3.70 (m,2H),3.37 (d,J=9.65Hz,1H),3.10 (dd,J=77.5Hz 17.3Hz,2H),2.76 (d,J=9.65Hz,1H),2.51-2.10 (m,4H),1.30-1.22 (m,6H)。MS-ESI: m/z: 348 (M
++1)。
【0086】
前ステップの生成物(5−1)(3.0g, 8.6mmol)、6Nの塩酸30gを、10時間、加熱還流した。反応完了後、水を減圧濃縮して乾燥させた後、イソプロパノール15mLを加え、室温で撹拌して溶解した。その後、0℃まで温度を低下させて結晶化させた。濾過して固体を収集し、45℃で減圧乾燥して、1.8gの類白色固体を得た。無水エタノール15mLを加えて上記固体を溶解し、0℃にて塩化チオニル(0.9g, 7.5mmol)を滴下した。滴下終了後、3時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧濃縮して乾燥させ、酢酸エステル10mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを8〜9に調節した。層分離後、水相を酢酸エステルで抽出した(10mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮して乾燥させ、1.7gの油状生成物(5−2)を得た。収率は72%であった。
1H NMR (500MHz,CDCl
3) δ7.34-7.26 (m,5H),4.11 (q,J=7.15Hz,2H),3.71-3.65 (m,2H),3.29-3.23 (m,2H),2.74 (d,J=17.3,1H),2.47-2.36 (m,4H),2.07-2.04 (m,1H),1.72-1.70 (m,1H),1.32-1.22 (m,3H)。MS-ESI: m/z: 276 (M
++1) 。
【0087】
[実施例6]
1−エトキシカルボニル−4−(3−クロロプロピル)−3−ピロリドンの調製
【0089】
1−ベンジル−4−エトキシカルボニル−3−ピロリドン(2.5g, 10.1mmol)をテトラヒドロフラン25mLに溶解し、氷浴で冷却した。トリエチルアンモニウム(2g, 20.2mmol)を加えて30分間撹拌した。1−クロロ−3−ヨードプロパン(4.12g, 20.2mmol)を滴下し、30分以内で滴下を完了させ、その後、温度を室温まで上昇させて18時間反応させた。反応終了後、ジクロロメタンで抽出した(10mL×3回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮して乾燥させ、油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、2.12g, 6.57mmolの油状生成物(6−1)を得た。収率は65%であった。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ7.34-7.27 (m, 5H), 4,17 (q, J = 7.1Hz, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.48-3.51 (m, 2H), 3.40 (d, J = 9.6Hz ,1H), 3.19 (d, J = 17.2Hz,1H), 2.99 (d, J = 17.2Hz,1H), 2.73 (d, J = 9.6Hz, 1H), 2.04-2.02 (m, 1H), 1.92-1.89 (m,2H), 1.71-1.69 (m, 1H), 1.24 (t, J = 7.1Hz, 3H)。MS-ESI: m/z:324(M
++1)。
【0090】
前ステップの生成物(6−1)(2.0g, 6.2mmol)を6Nの塩酸25mLに加えて、8時間還流させた。反応終了後、水を減圧濃縮して乾燥させ、イソプロパノール10mLを加え、0℃で2時間かけて結晶化させた。濾過して固体を収集し、45℃で減圧乾燥して、0.91gの類白色固体(6−2)を得た。収率は58%であった。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ7.36-7.27 (m, 5H), 3.70 (s, 2H), 3.54-3.51(m, 2H), 3.30 (d, J = 8.0Hz ,1H), 3.25 (d, J = 17.0Hz ,1H), 2.74 (d, J = 17.0Hz,1H), 2.46-2.44 (m, 1H), 2.37 (dd, J = 8.8Hz,8.0Hz,1H), 1.91-1.86 (m,2H), 1.86-1.79 (m, 1H), 1.55-1.50 (m,1H)。MS-ESI: m/z:252 (M
++1)。
【0091】
前ステップの生成物(6−2)(0.9g)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液12mL、ジクロロメタン10mLを、4つ口フラスコに加えた。2時間の撹拌の後、層分離させた。水相をジクロロメタン10mLで抽出し、ジクロロメタン10mLでさらに2回抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水20mLを加えて2回洗浄した。有機相に硫酸マグネシウム5.0gを加えて乾燥させ、濾過し、35℃で濃縮乾燥して、0.85gの黒色油状生成物を得た。HPLCによる純度は95%であった。この油状生成物に、氷浴下、クロロギ酸エチル18mLを滴下し、90℃〜95℃の温度で3時間加熱還流した。HPLCの検出に基づく反応終了後、50℃〜55℃で濃縮乾燥して、0.9gの油状生成物(4−1)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ4.21-4.16 (m, 3H), 4.05-3.90 (m, 1H), 3.74-3.70 (m, 1H), 3.56-3.53 (m ,2H), 3.34-3.30 (m ,1H), 2.58-2.42 (m,1H), 1.95-1.82 (m, 3H), 1.63-1.57 (m,1H), 1.28-1.25 (m,3H)。MS-ESI: m/z:234(M
++1)。
【0092】
[実施例7]
1−ベンジル−4−(3−ベンジルオキシプロピル)−3−ピロリドンの調製
【0094】
1−ベンジル−4−エトキシカルボニル−3−ピロリドン(10.0g, 40.4mmol)、3−クロロプロピルベンジルエーテル(11.0g, 60.6mmol)、ヨウ化カリウム(3.3g, 20.2mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(1.3g, 4.04mmol)、DBU(12.0g, 80.8mmol)を、エチレングリコールジメチルエーテル150mLに加え、窒素ガスの保護下、4時間還流させた。反応終了後、水150mLを加え、酢酸エステルで抽出した(100mL×3回)。有機相を合わせ、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮乾燥して、油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、10.3g, 26.0mmolの油状生成物(7−1)を得た。収率は64.4%であった。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ7.33-7.27 (m, 10H), 4.47 (s, 2H), 4.17 (q, 2H),3.67 (t 2H), 3.46-3.43 (m,3H), 3.19 (d, J = 17.1Hz ,1H), 2.94 (d, J = 17.1Hz ,1H), 2.72 (d,1H), 2.04-1.98 (m,1H), 1.85-1.82 (m,1H), 1.72-1.71 (m,1H), 1.56-1.53 (m,1H), 1.24 (t,3H)。
【0095】
前ステップの生成物(7−1)(10.3g, 26.0mmol)を6Nの塩酸50mLに加えて、5時間還流させた。反応終了後、水を減圧濃縮して乾燥させた。水30mLを加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液でアルカリ性pHに調節し、酢酸エチルで抽出した(100mL×3回)。有機相を合わせ、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮乾燥して、油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、5.7g, 17.6mmolの油状生成物(7−2)を得た。収率は67.7%であった。
【0096】
[実施例8]
1−ベンジル−4−(3−ベンゾイルオキシプロピル)−3−ピロリドンの調製
【0098】
1−ベンジル−4−(3−クロロプロピル)−3−ピロリドン塩酸塩(6−2)(5.0g, 17.3mmol)、安息香酸(2.5g, 20.8mmol)、炭酸カリウム(7.1g, 51.9mmol)、ヨウ化カリウム(1.4g, 8.65mmol)を、DMF40mLに加え、100℃まで昇温させて一晩反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、水100mLを加え、酢酸エステルで抽出した(100mL×2)。有機相を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮乾燥して、油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、2.4g, 7.1mmolの油状生成物(3−1)を得た。収率は41.1%であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.03 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.56 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.38 - 7.27 (m, 5H), 4.32 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.70 (s, 2H), 3.37 - 3.21 (m, 2H), 2.76 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 2.50 (dd, J = 13.4, 8.0 Hz, 1H), 2.41 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 1.98 - 1.71 (m, 3H), 1.54 (m, 1H)。
【0099】
[実施例9]
(3S,4S)−1−ベンジル−3−[(1R)−フェニルエチルアミノ]−4−(3−クロロプロピル)−ピロリジンの調製
【0101】
1−ベンジル−4−(3−クロロプロピル)−3−ピロリドン(実施例6における6−2)(12.0g, 48mmol)、(R)−1−フェニルエチルアミン(6.0g, 50mmol)、ベンゼン150mLを、窒素ガスの保護下で、還流水分離した。水分離の終了後、溶媒を減圧濃縮乾燥して、油状生成物を得た。この油状生成物を無水エタノール100gに溶解し、高圧反応ケトルに加えた。ラネーニッケル7gを加え、1MPaの圧力下、室温にて60時間水素化反応を行った。反応終了後、濾過し、濾過ケーキをエタノールで溶出し、濾液を減圧濃縮乾燥して、16gの油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマトグラフィーによって分離して、6.2gの油状生成物(化合物9−1)を得た。収率は36%であった。
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ7.34-7.23 (m,10H), 3.80-3.50 (m,5H), 3.23-3.22 (m,1H), 2.81-2.72 (m,2H), 2.21-2.18 (m,2H),1.93 (m,1H), 1.57-1.25 (m,7H)。MS-ESI: m/z: 357 (M
++1)。
【0102】
[実施例10]
(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンの調製
【0104】
(3S,4S)−1−ベンジル−3−[(1R)−フェニルエチルアミノ]−4−(3−クロロプロピル)−ピロリジン(実施例9における9−1)(3.56g, 10mmol)、カリウムt−ブトキシド(1.92g, 17mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.38g, 1.0mmol)を、テトラヒドロフラン50mLに溶解し、1時間還流させた。その後、溶媒を減圧濃縮乾燥して、得られた油状生成物を酢酸エチル100mLに溶解し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮乾燥して、油状生成物を得た。この油状生成物をカラムクロマトグラフィーによって分離して、2.6gの油状生成物(化合物1−4)を得た。収率は83%であった。
1H NMR (500MHz,CDCl3) δ7.38-7.20 (m,10H),3.73 (q,J=13.5Hz,2H), 3.63−3.58 (m,2H), 2.86-2.72 (m,3H), 2.57 (t,J=4.5Hz,1H), 2.29-2.26 (m,3H), 1.61-1.60 (m,4H), 1.30 (d,J=6.5Hz,3H)。MS-ESI: m/z: 321 (M
++1)。
【0105】
前ステップの生成物(化合物1−4)(2.5g, 7.8mmol)をメタノール50mLに溶解し、HCl/メタノール溶液を加えてpHを1.0に調節した。活性炭2gを添加して15分間撹拌し、濾過した。濾液と10%のパラジウム炭素0.5gとを高圧反応ケトルに入れ、1.5MPaの圧力下、室温にて12時間水素化反応を行った。反応終了後、濾過してパラジウム炭素を除去し、ナトリウムメトキシド/メタノール溶液を濾液に加えてpHを10.0に調節した。濾過し、濾液を濃縮した後に減圧蒸留して、0.74gの(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンを得た。収率は75%であった(95.1%ee)。
【0106】
[実施例11]
(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンの調製(ワンポット合成)
【0108】
1−ベンジル−4−(3−クロロプロピル)−3−ピロリドン(実施例6における6−2)(10.0g, 40mmol)、(R)−1−フェニルエチルアミン(5.0g, 41mmol)、トルエン200mLを撹拌して溶解し、p−トルエンスルホン酸(0.4g, 2.4mmol)を加え、窒素ガスの保護下、還流水分離を行った。約1時間後に水分離が終了した後、続けて、12時間還流させた。反応終了後、室温まで温度を低下させ、水100mLを加え、層分離後に水相をトルエンで抽出した(50mL×2回)。トルエン層を合わせ、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮乾燥して、油状生成物を得た。この油状生成物は、精製する必要がなく、次のステップに直接的に供された。
LC-MS: m/z:319 (M
++1)。
【0109】
前ステップの生成物をメタノール150mLに加え、撹拌して溶解し、10%のパラジウム炭素1gを添加した。1.0MPa圧力下で、室温にて48時間水素化反応を行った。その後、HCl/メタノール溶液を加えてpHを1.0に調節し、続けて、1.5MPa圧力下で、室温にて12時間水素化反応を行った。反応終了後、濾過し、ナトリウムメトキシド/メタノール溶液を濾液に加えてpHを10.0に調節した。濾液を濃縮乾燥した後、減圧蒸留して、2.6gの(S,S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナンを得た。収率は53%であった(94.2%ee)。