特許第5963782号(P5963782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963782
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】外科クリップアプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   A61B17/128 100
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-555905(P2013-555905)
(86)(22)【出願日】2012年3月9日
(65)【公表番号】特表2014-514001(P2014-514001A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】EP2012054106
(87)【国際公開番号】WO2012130589
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2013年8月29日
(31)【優先権主張番号】102011001706.2
(32)【優先日】2011年3月31日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペーター シュルツ
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ モラーレス
(72)【発明者】
【氏名】ディーター ヴァイスハウプト
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−535030(JP,A)
【文献】 特公平3−064130(JP,B2)
【文献】 特表2010−523282(JP,A)
【文献】 特表2005−522259(JP,A)
【文献】 特開平5−208019(JP,A)
【文献】 特開平7−047070(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0264904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12 ― 17/138
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体としてU形又はV形のクリップ用の外科クリップアプリケータであって、
前記アプリケータが、ハンドル部と、前記ハンドル部に隣接するシャフトと、前記シャフトの自由端に配置されたクリップ適用ツールと、クリップ収納庫とを含み、
前記適用ツールが、適用中にクリップを保持するためのツール顎を備えた顎部と、前記ツール顎を開放及び待機位置から閉鎖位置へと移すための閉鎖装置とを含む、
外科クリップアプリケータにおいて、
前記顎部が、プラスチック材料製であり、前記外科クリップアプリケータ上で前記閉鎖装置とは別に保持されること、
前記顎部が、2つの略平行なアームを備えたフォーク形の構成であり、該顎部のアームの自由端にてツール顎を担持すること、
前記顎部アームの、前記ツール顎の反対側に位置する外面に、前記顎部アームが隆起部を含むこと、
前記閉鎖装置が摺動部を含み、該摺動部が、前記フォーク形の顎部に係合し、近位の第1位置から遠位の第2位置へと前記顎部の長手方向に対して平行に変位可能であること、
前記顎部アームの前記隆起部が、前記摺動部の遠位端が係合する案内部として構成され、前記摺動部の遠位端が、前記第2位置へ変位する時に前記ツール顎を該ツール顎の閉鎖位置に移すこと、
前記ツール顎が、前記顎部アーム上で枢動移動するように保持されること、
前記2つの略平行なアームに対する前記ツール顎の前記枢動移動の枢動軸を定義する支承要素が、前記顎部アームの間に設けられること、及び
前記顎部が、前記クリップ収納庫上で保持され、前記クリップ収納庫と共に交換可能であること、を特徴とする外科クリップアプリケータ。
【請求項2】
請求項1に記載のクリップアプリケータであって、
前記支承要素が、互いに向かってプラグの形状で突出していること、及び
前記支承要素が自己心立て構造体であること、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクリップアプリケータであって、前記プラスチック材料が、繊維強化型プラスチック材料であること、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のクリップアプリケータであって、前記プラスチック材料が、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、及び液晶ポリマーから選択されること、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載のクリップアプリケータであって、前記ツール顎が、被適用クリップ用の収容領域を含むこと、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項6】
請求項に記載のクリップアプリケータであって、前記被適用クリップ用の前記収容領域が、各々、前記クリップの脚部のうちの1つのための当接面、ここで、該当接面は、少なくとも前記脚部の長さ部分の一部に亘って広がる、と、前記ツール顎が前記閉鎖位置にある時に前記脚部の接続領域が配置される凹部とを含むこと、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項7】
請求項に記載のクリップアプリケータであって、前記当接面が、前記脚部の自由端の領域に後退部を有すること、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項8】
請求項又はに記載のクリップアプリケータであって、前記凹部が、前記クリップ脚部の閉鎖方向に対して垂直な深さ部分を有し、該深さ部分が、クリップ脚部の直径又は厚さにほぼ対応するかそれ以上であること、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項9】
請求項に記載のクリップアプリケータであって、前記凹部の、前記クリップ脚部の長手方向に対して平行な長さ部分が、クリップ脚部の直径又は厚さの2倍以上にほぼ対応すること、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項10】
請求項に記載のクリップアプリケータであって、前記凹部の前記長さ部分が、クリップ脚部の直径又は厚さの4倍以下にほぼ対応すること、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項11】
請求項10のいずれか1項に記載のクリップアプリケータであって、前記当接面が案内要素を含むこと、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項12】
請求項11に記載のクリップアプリケータであって、前記案内要素が溝を含むこと、を特徴とするクリップアプリケータ。
【請求項13】
請求項11に記載のクリップアプリケータであって、前記案内要素が突出部を含むこと、を特徴とするクリップアプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体としてU形又はV形のクリップを通常は患者の組織構造、例えば血管に適用して閉鎖する外科クリップアプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
外科クリップアプリケータは、ハンドル部と、前記ハンドル部に隣接するシャフトと、前記シャフトの自由端に配置されたクリップ適用ツールと、複数のU形又はV形のクリップが保管されるクリップ収納庫とを含む。これらのクリップは、前記クリップ適用ツールに1つずつ送ることができる。
【0003】
適用ツールは、適用中にクリップを保持するためのツール顎を備えた口金と、前記ツール顎を、開放及び待機位置から、前記クリップが閉鎖されて組織構造又は血管に付着し、この組織構造又は血管を閉塞する閉鎖位置へと移すための閉鎖装置とを含む。
【0004】
クリップ収納庫は、例えばDE 196 03 889 A1から知られているようなクリップアプリケータ上で交換可能に保持されることが多い。交換可能なクリップ収納庫を備えたクリップアプリケータがそこには開示されている。ここでは、アプリケータシャフトとクリップ適用ツールとを備えたハンドル部が数回使用される一方で、クリップ収納庫は1回しか使用されず、クリップ供給部が空になると廃棄される。アプリケータの残りの部分は、滅菌後、新たなクリップ収納庫に再度嵌合され、再度使用することができる。
【0005】
厳しい滅菌条件のために、クリップを1つずつクリップ適用ツールに送るクリップ案内トラック内で及び/又は適用ツール内で、変形が幾分生じることがあり、その結果として、例えば、クリップは、適用ツールに送られる前に詰まる又はアプリケータから落下する。それから、クリップアプリケータは修理されなければならない。そうすると、その時点でクリップ収納庫を使い、そのクリップ供給部を更に使用することがもはや不可能になる。
【0006】
EP 0 793 944 B1には、クリップ収納庫だけでなく口金も必要に応じて交換することができるクリップアプリケータが記載されている。このアプリケータの問題は、口金を交換する必要性が、クリップを試しに適用することでしか認識できず、場合によっては患者への手術中にしか認識できないことである。このような場合、クリップアプリケータは修理されねばならない。このことは、クリップアプリケータが再度使用できるようになる前に、クリップの残っているクリップ収納庫を処分して口金を交換し、器具を滅菌して新規のクリップ収納庫に嵌合させなければならないことを意味する。
【0007】
US 2005/0256529 A1によれば、再利用可能なハンドル部と、ハンドル部に交換可能に接続可能である、廃棄可能なクリップ収納庫とを備えたアプリケータが提案されている。そこでは、鋼鉄製の口金がクリップ収納庫と共に交換される。ここでは、口金は、使用済みの収納庫と共にその都度交換され、各クリップ収納庫と共に新しい口金が供給される結果、上述したような、使用に際して生じる問題は防がれる。しかしながら、鋼鉄製の口金を備えたこのような廃棄可能なクリップ収納庫の製造費用は比較的高い。
【0008】
US 4,296,751に更なる代案が記載されている。そこでは、完成したアプリケータが廃棄可能な商品として設計される。費用の理由で、口金の鉗子顎を、プラスチック材料製又は金属で強化されたプラスチック材料製にすることもそこでは提案されている。
【0009】
この実施形態の欠点として、プラスチック材料は、プラスチックで強化された場合でも、クリップを閉鎖する時に満足な結果を生み出さないことである。というのも、プラスチックである鉗子顎では、加えられるべき閉鎖力を不十分な程度にしか伝達することができないからである。ここでは、必要な閉鎖力を伝達することができないため、このようなアプリケータと共に、ダブルシャンククリップ又は複合クリップを使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】DE 196 03 889 A1 (US 5,843,097)
【特許文献2】EP 0 793 944 B1
【特許文献3】US 2005/0256529 A1
【特許文献4】US 4,296,751
【特許文献5】DE 20 2009 006 116 U1
【特許文献6】WO 00/42922 A1
【特許文献7】US 5,431,668
【特許文献8】US 5,772,673
【特許文献9】US 2004/0153100 A1
【特許文献10】DE 1 959 610 (US 3,636,954)
【特許文献11】DE 2 245 405 (US 3,775,826)
【特許文献12】US 4,044,771
【特許文献13】US 4,477,008
【特許文献14】US 4,648,542
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、一方で経済的に製造することができ、他方で、組織構造に適用される時に、前記クリップの確実な閉鎖を、特にダブルシャンククリップ又は複合クリップの場合にも許容するクリップアプリケータを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、本発明によれば、請求項1の特徴を有する外科クリップアプリケータにより達成される。
【0013】
前記口金はプラスチック材料から作られるため、前記クリップスアプリケータの、1回のみ使用されるべき部品を、費用効果的に製造することが可能である。他方で、前記ハンドル部及び前記閉鎖装置のような、より上質のコンポーネント、特に鋼鉄製のコンポーネントは再利用可能であり、従って、本発明による前記外科クリップアプリケータの費用対効果に更に貢献する。
【0014】
更に、前記口金を別に製造するためにで、前記プラスチック材料を特別に設計して特定の要求のために選択することができるため、特に前記クリップの閉鎖及びそのために必要な力の消費から生じる機械的要件を考慮に入れることができる。
【0015】
これに関連して、前記プラスチック材料は、特に、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、及び液晶ポリマーから選択される。
【0016】
その際、これらのポリマーは、繊維強化型、特にガラス繊維強化型であって、繊維比率は特に約20〜約60重量%、更に好適には約30〜約50重量%とすることができる。
【0017】
特に、このようなプラスチックの口金は、射出成形することができ、従って、最も費用効果的に作られる。これらの口金は、いわゆる単脚クリップだけでなく、前記クリップを確実に閉鎖するために加えられなければならない変形力がおよそ2倍になるダブルシャンククリップを閉鎖することにも適している。
【0018】
2つの略平行なアームを備えたフォークの形状の前記口金を形成することが特に好都合であることが判った。これらのアームは、自由端にて、特にこれらの自由端上で一体にも形成され、特に射出成形により成形されるツール顎を担持する。
【0019】
また、フォーク形の口金は、前記口金が、弾性的に再度開き、前記ツール顎を、補助しなければならない更なる構造的要素なしに、開放及び待機位置へともたらすという更なる利点を有する。このことは、本発明による前記クリップアプリケータの製造のための部品の数を減らし、従って製造費用も減らす。
【0020】
前記外科クリップアプリケータの特に好適な実施形態は、前記ツール顎が、前記口金アーム上で枢動移動するように保持される口金を含む。この目的で、前記口金アームは、前記ツール顎に隣り合ったその領域に、互いに当接させることができると共に互いに当接している時に前記ツール顎用の枢動支承を形成する、支承要素を含む。前記支承要素は、前記口金アーム上の互いに向き合う面上に配置され、好ましくは自己心立て構造体である。
【0021】
本発明の更なる好適な実施形態において、前記口金アームは、前記ツール顎の反対側に位置するその外面に、隆起部を備える。これらの隆起部は、前記ツール顎の区域を強化し、被適用クリップに閉鎖力を安全に加えることを許容する。
【0022】
更に、これらの隆起部は、単純な閉鎖機構の実施を可能にする。この閉鎖機構では、前記閉鎖装置は摺動部を含み、この摺動部は、前記フォーク形の口金の周りを把持し、近位の第1位置から遠位の第2位置へと前記口金の長手方向に対して平行に変位可能である。その際、前記口金アームの前記隆起部は、前記摺動部の遠位端が係合する案内部として構成され、前記第2位置へ変位する時に前記ツール顎をその閉鎖位置に移す。
【0023】
この特徴により、特に、前記口金アームから前記ツール顎への移行領域における支承要素の使用に関連して、設計が機械的に非常に単純で効率的なものになる。更に、このことにより、小さいコンポーネント厚で済み、従って、最小限の材料消費で済む。
【0024】
好適な支承要素は相補的構造体であり、互いに当接する時に心出しされる。特に、前記支承要素はプラグ及びソケットとして構築される。
【0025】
前記口金の交換可能性の観点から、口金が、前記クリップ収納庫上で保持され、前記クリップ収納庫と共に交換可能であると好適である。従って、前記クリップ収納庫は、前記口金と共に組み立て、使用に備えて包装しておくことができるため、クリップ収納庫及び口金の交換を1回の操作で実行することができ、単なるクリップ収納庫の交換以上の消費を伴わない。
【0026】
このような場合、前記クリップを選び出して前記適用ツールの前記口金に送るための、詳細には未だ検討していない道具も、好ましくは、これらのクリップと共に交換される。
【0027】
本発明の更なる実施形態において、前記クリップ収納庫は、前記シャフト及び前記適用ツールの前記閉鎖装置と共に構造的ユニットとして構成される。この構造的ユニットは、分離可能かつ1ステップで交換可能であるように前記ハンドル部に接続可能であるため、前記ハンドル部の機械部品のみが再利用可能であって滅菌条件を受ける必要がある。
【0028】
前記クリップを確実に保持するために、前記ツール顎は、好ましくは、前記被適用クリップが前記適用ツールに1つずつ送られた後に収容される収容領域を含む。
【0029】
前記被適用クリップ用の前記収容領域は、いずれの場合も、前記クリップの前記脚部のうちの1つ用の当接面を含み、前記当接面は、少なくとも前記脚部の長さ部分の一部に亘って広がり、従ってこれらの脚部を案内する。
【0030】
本発明によるクリップアプリケータは、好ましくは、前記ツール顎が前記閉鎖位置にある時に前記クリップの前記脚部の接続領域又は頂部が収容される凹部が前記脚部用の前記当接面の後に続く収容領域を含む。
【0031】
このことは、前記収容領域がこの地点で広がり、従って、前記脚部間の閉鎖間隙の所要の寸法(通常は0.25mm以下であり、特には0.07mm〜約0.15mmである)に達するために、前記被適用クリップが前記頂部にて完全に圧縮される必要がないという利点を有する。
【0032】
一方で、前記被適用クリップの前記頂部を圧縮する過度の力を回避することにより、クリップを閉鎖するために力を加えねばならない執刀医にとって、力の消費が低減される。他方で、プラスチック材料製である前記口金への応力も低減されるため、前記設計及び前記プラスチック材料に関する材料の選択肢を、材料を節約して最適化することができる。
【0033】
好ましくは、前記当接面が、前記クリップの前記脚部の自由端の領域において後退部を備え、このため、前記クリップの前記脚部と前記ツール顎との間の物理的接触は、前記クリップを閉鎖するために要求される必要領域に限定されたままとなる。前記クリップがU形又はV形であるために、これらのクリップは、前記脚部の中間区域にて前記ツール顎と接触することで十分である。前記クリップ形状のために、その自由端に対する事前張力は閉鎖中に既に達成される。
【0034】
一方、前記当接面は、好ましくは、前記ツール顎が前記閉鎖位置にある時に前記脚部が前記ツール顎に中間区域のみで当接し、特に、前記ツール顎が前記閉鎖位置にある時に前記脚部が前記ツール顎にその長さ部分の約3分の1に亘って、特にその長さ部分の半分かそれより幾分長くに亘って当接するような寸法である。
【0035】
更に、前記ツール顎の前記収容領域の前記凹部は、前記クリップ脚部の閉鎖方向に対して垂直な深さ部分を有する。この深さ部分は、クリップ脚部の厚さ又は直径の半分以上にほぼ対応するものである。特に、前記凹部の前記深さ部分は、前記クリップの前記脚部の厚さ又は直径にほぼ等しい。
【0036】
クリップ脚部の厚さとは、前記クリップの閉鎖方向の方向におけるその広がりと理解されるべきである。
【0037】
前記凹部の長さについて、好ましくは、クリップ脚部の直径又は厚さのほぼ2倍以上が選ばれる。この凹部は、前記クリップ脚部の長手方向に対して平行な、前記クリップ脚部の接続領域を収容する。
【0038】
更に好適には、前記凹部の長さについて、クリップ脚部の直径又は厚さのほぼ4倍以下が選ばれる。
【0039】
従って、前記クリップが、荷重下でも、前記クリップアプリケータの前記ツール顎間のその位置に確実に固定されることが保証される。
【0040】
本発明による前記クリップアプリケータの更なる好適な実施形態において、前記当接面は案内要素を備える。この案内要素は、前記ツール顎内での、前記被適用クリップの整列を確実にする。
【0041】
単純なクリップ又は1脚クリップにおいて、この案内要素は溝として構成されることが多い。いわゆるダブルシャンククリップでは、前記案内要素は、平行な前記脚部間において、前記クリップの片側に寄りかかり、従って、前記ダブルシャンククリップの配向及び誘導を確実にする、突出部を含むことができる。それ故に、このことは、例えば平行な3つの脚部を備えたクリップの場合にも当てはまる。
【0042】
本発明のこれらの利点及び更なる利点を、以下で、図面を参照して更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明によるクリップアプリケータ。
図2図1のクリップアプリケータのクリップ収納庫を下から見たところであり、クリップ収納庫は、部分的に分解状態にあり、ハンドル部から分離されている。
図3】完成し、口金の装着された、図2のクリップ収納庫。
図4図3の口金。
図5】クリップ収納庫上で保持される、本発明によるクリップアプリケータの別の口金。
図6A】待機位置にある、図4の口金の略図。
図6B】閉鎖位置にある、図4の口金の略図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、ハンドル部12と、ハンドル部12から分離されたるクリップ収納庫14とを備えた、本発明によるクリップアプリケータ10を示す。クリップ収納庫14は、ラッチ式のやり方でハンドル部12に解放可能に接続可能であるため、収納庫内に保管されたクリップ供給部が使用し尽くされると、新しい収納庫に容易に置き換えることができる。
【0045】
クリップ収納庫14は、クリップ収納庫14をハンドル12に取付可能な装着及び保持装置16の隣に、シャフト部18aと、その自由端に、アプリケータのクリップ適用ツールの一部としての口金20とを含む。
【0046】
ハンドル部は、このハンドル部に一体化されたシャフト18bの一部を包含する。シャフト18bには、アプリケータ10の適用ツールの一部として閉鎖装置21が収容される。ここで、閉鎖装置21は摺動部として形成され、摺動部の遠位端は、組立状態にある時に口金20の周りに部分的に係合する。
【0047】
図2に、クリップ収納庫14内又はそのシャフト部18内に配置されたクリップの供給部22が可視となるように、クリップ収納庫14を部分的に分解した状態で下から示す。
【0048】
図2では、螺旋ばね25により補助されて、クリップ供給部22からクリップを適用ツール20に1つずつそれを用いて送ることができる前進機構24も可視である。
【0049】
図3において、収納庫14は送り舌片26も備え、最後に、図4に詳細に再度示す口金28が、下からクリップ留めされる。
【0050】
口金28は、フォーク形の構成であり、ツール顎32、33がその自由端に一体に形成される平行な2つのアーム30、31を含む。アーム30、31はそれぞれ、アーム30、31とツール顎32及び33間の移行領域にて、支承要素36、37を含む。支承要素36、37は、互いに向かって、プラグの形状で、2つのアーム30、31間の空間へと突出する。
【0051】
支承要素36、37は相補的な構成である。図3及び図4の例において、支承要素36は、内方に延びるその自由端が凹形の構成であり、これに対し、支承要素37は、その自由端が対応する凸形の構成である。
【0052】
ツール顎32、33が共に、図3及び図4に示すその開放及び待機位置から閉鎖位置へと近づけられると、支承要素36、37は、互いに係合し、ツール顎32、33を、互いに対して正しく整列するように心出しする。ツール顎32、33への閉鎖力が増加すると、これらのツール顎32、33は共に枢動移動してそれらの自由端が近づけられ、最終的な閉鎖位置に到達する。支承要素36、37はこの枢動移動の枢動軸を規定する。
【0053】
口金28は、図4に示す上面において、ツール顎32、33の近位領域に、上方に開いている案内部40、41を含む。案内部40、41は、前進したクリップをその自由脚部により受容する。
【0054】
案内部40、41は、溝42、43として、ツール顎30、33の自由(遠位)端まで続く。溝42、43内では、クリップが、適用されるでその端位置にて保持される。
【0055】
図4に破線で示すように、溝42、43はその近位端に凹部46、47を含み、凹部46、47には、適用されるべきクリップの接続領域又は頂部が、クリップが閉鎖される時に膨らみを形成しつつ係合することができる。従って、クリップの頂部に隣り合った領域を、クリップの脚部にとって求められる間隙寸法まで完全に圧縮することなく、適用中にクリップを閉鎖することが可能である。これにより、クリップを閉鎖するための力の消費が低減されるため、プラスチック材料製である口金への負荷は更に最小にされる。
【0056】
単純な閉鎖機構を実施するために、ツール顎32、33は、その外側に隆起部50、51を備える。隆起部50、51を介して、摺動部(図4には示さず)の並行移動によりツール顎32、33の閉鎖をもたらすことができる
【0057】
図5は、本発明によるクリップアプリケータの口金60の別の実施形態を示す。口金60は、ここでも、ツール顎64、65がその自由端に一体に形成されるアーム62、63を備えたフォーク形の構造体である。図5には、口金60を、クリップの供給部66と、ツール顎64、65内で1つずつ保持されたダブルシャンククリップ70と共に示す。
【0058】
口金60の実施形態は、口金28の支承要素構造体とは異なる支承要素構造体を有する。ここでは、支承要素は単純で平坦な当接面72、73により形成され、アーム62、63がフォーク形の口金の内側に後退部76、77を備えて形成されることにより、顎64、65の、アームとの関節式接続が達成される。クリップ70の適用及び閉鎖のために口金60又はツール顎64、65を作動させるべく、摺動部78が作動される。摺動部78は、その遠位端領域80がアーム62、63の周りを把持する。摺動部78が図5に示すその第1位置からツール顎64、65の自由端に向かう方向に押されると、ツール顎64、65は、後退部76、77により形成される枢動軸の周りで枢動する。ツール顎64、65の隆起部82、83は、力を伝達するための案内部として働く。
【0059】
この閉鎖機構を、図6A及び図6Bの、口金28及び摺動部90の略図において、再度、より詳細に示す。
【0060】
図6Aは、ツール顎32、33が開放及び待機位置にあるときの口金28を示す。関連する閉鎖機構の摺動部90はその第1近位位置に留まる。
【0061】
摺動部90の遠位端92は、アーム30、31の顎32、33への移行領域に位置し、そこに支承要素36、37も配置される。この位置のとき、クリップ(図示せず)を、案内部40、41を介して、ツール顎32、33間のその端位置へ押すことができる。
【0062】
クリップを適用するために、摺動部90は、その近位位置から、図6Bに示す遠位位置へと移動する。遠位端92は、隆起部50、51に沿って摺動し、これにより、支承要素36、37が互いに接触するまでツール顎32、33は互いに近づけられる。摺動部により及ぼされる力F1は、閉鎖中のクリップにより引き起こされる抵抗に由来する力F2により対抗される。
【0063】
それから、摺動部90が遠位位置へ更に並行移動することにより、ツール顎32、33は、支承要素36、37により形成される枢動支承の周りで枢動する。摺動部90が最終的に到達する端位置を図6Bに示す。そこでは、ツール顎の遠位端が互いに対して略平行に整列すると共にクリップ(図6Bには示さず)が患者の組織構造、例えば血管に適用される閉鎖位置に、ツール顎32、33は留まる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B