特許第5963791号(P5963791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5963791月経前症候群に付随する症状及び月経前不快気分障害を緩和するのに使用される組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963791
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】月経前症候群に付随する症状及び月経前不快気分障害を緩和するのに使用される組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/06 20060101AFI20160721BHJP
   A61K 31/661 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 33/08 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 5/24 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160721BHJP
   A23L 33/115 20160101ALI20160721BHJP
   A23L 33/16 20160101ALI20160721BHJP
【FI】
   A61K33/06
   A61K31/661
   A61K33/08
   A61P5/24
   A61P15/08
   A61P25/24
   A61P43/00 121
   A23L33/115
   A23L33/16
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-29125(P2014-29125)
(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-162795(P2014-162795A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年6月29日
(31)【優先権主張番号】13/773,653
(32)【優先日】2013年2月22日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510210380
【氏名又は名称】リポゲン エルティディ.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100182545
【弁理士】
【氏名又は名称】神谷 雪恵
(74)【代理人】
【識別番号】100081053
【弁理士】
【氏名又は名称】三俣 弘文
(72)【発明者】
【氏名】デビット ルーテンベルグ
(72)【発明者】
【氏名】リナ ペリー ファイエルベルガー
【審査官】 石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−93881(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1661575(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第1201244(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33−33/44
A23L 33/00−33/29
A61P 5/24
A61P 15/08
A61P 25/24
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
月経前症候群(PMS)及び月経前不快気分障害(PMDD)に付随する症状を緩和するのに使用される医薬/栄養組成物であって、前記医薬/栄養組成物は、
(a)第1の活性成分として、全有効組成のうち、少なくとも2%(w/w)のホスファチジン酸又はその塩、及び
(b)第2の活性成分として、適当量の、生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムを含有する、
ことを特徴とする、前記医薬/栄養組成物。
【請求項2】
前記生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムは、酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項1記載の医薬/栄養組成物。
【請求項3】
前記生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムはホスファチジン酸のマグネシウム塩である、
ことを特徴とする請求項1記載の医薬/栄養組成物。
【請求項4】
(c)医薬品用賦形剤を更に含有する、
ことを特徴とする請求項1記載の医薬/栄養組成物。
【請求項5】
(c)栄養品用賦形剤を更に含有する、
ことを特徴とする請求項1記載の医薬/栄養組成物。
【請求項6】
前記全有効組成物は複数パート療法で投与される、
ことを特徴とする請求項1記載の医薬/栄養組成物。
【請求項7】
前記全有効組成物は、経口送達及び静脈注射送達からなる群から選択される少なくとも1種類の送達方法により投与される、
ことを特徴とする請求項1記載の医薬/栄養組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、月経前症候群(PMS)に付随する症状及び月経前不快気分障害(PMDD)を緩和するのに使用される組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アメリカ保険社会福祉省の女性健康局は、PMSは月経周期に関連する一群の症状であると要約している。PMS症状は月経の1週間又は2週間前に起こる。PMS症状は通常、月経が始まると消失する。PMSは正に毎月の厄介事であり、その症状は一日を過ごすことさえ困難にするほど苛酷なこともある。女性の80%はPMSの何らかの症状を経験している。PMSの原因は明らかではなく、月経周期中のホルモン変化に関連している。ストレス及び感情的な問題がPMSを起こすとは思われない。
【0003】
精神障害の診断及び統計マニュアルの第5版(DSM−5,2013年中にリリースされることになっている)におけるPMDDの包含は、科学界において症状が進んだ障害としてPMDDに対するダイナミックで論争的な傾向を暗示する。PMDDは以前はPMSと同じ意味合いのものと考えられていた。後に科学界はPMSに付随する症状の部分集合としてPMDDを区別し、更に最近は、特定のタイプのPMSの発生としてPMDDを区別した。しかし、特に欧州においては、PMDDは全体的に独特な障害として見られていない。
【0004】
非特許文献1における科学論文(標題:“月経前不快気分障害:DSM−5の新規なカテゴリーに関するエビデンス”)には、「全体的な考察及び長い議論に基づき、作業グループは、PMDDの診断、治療及び確認に関する情報は、DSM−5における完全なカテゴリーとして認められるのに十分に成熟されていることを提案した」と記載されている。
【0005】
このことは、PMSと比較してPMDDの最新の理解に変化が起きていることを明確に示唆する。すなわち、かつてはPMDDはPMSと同じ意味合いのものと考えられていたが、後に、PMDDはPMSの派生物として一般的に理解されるようになり、月経に伴う症状の同様な朱書を示す。DSM−5におけるPMDDの包含は更に、PMDDのような「部分集合」障害を単独の精神疾患として認識することを実証する。
【0006】
PMSおよびPMDDに付随する症状を緩和するのに使用される組成物の開発が強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0098249号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Eppen et al, Am J Psychiatry, 2012年5月, 169(5), p465-475
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、PMSおよびPMDDに付随する症状を緩和するのに使用される新規な組成物を提供することである。
【0010】
本明細書で使用される「例えば」という用語は、実施態様又は実施例の一例を意味するために使用されており、従って、一層望ましい使用事例を必然的に導くことを意味しない。同様に、本明細書で使用される「好ましくは」という用語は、企図された実施態様又は実施例の各種取り合わせからの一例を意味するために使用されており、従って、一層望ましい使用事例を必然的に導くことを意味しない。従って、前記「例えば」及び「好ましくは」という用語は、多数の実施態様又は実施例に適用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の好ましい実施態様は、ホスファチジル-L-セリン又はホスファチジン酸及び生物が利用可能な形状のマグネシウムを含有する、PMS及びPMDD症状を緩和するための組成物を提供する。本発明の組成物は静脈注射又は経口投与により投与することができる。優れた取扱い性及び保存寿命を有するカプセル及び顆粒を製造するために、前記組成物はその他の賦形剤(例えば、追加燐脂質、リソ燐脂質、糖類及びプロテイン類)も含有することができる。如何なる安全性の問題も存在しないので、本発明の組成物は日常の食品及び飲料に、粉末又は液状の形で配合することができ、あるいは、PMS/PMDD症状の緩和において使用するために水素化物質として配合することができる。本発明の好ましい実施態様では、ホスファチジン酸を含む組成物が更に提供される。
【0012】
従って、本発明によれば、月経前症候群(PMS)及び月経前不快気分障害(PMDD)に付随する症状を緩和するのに使用される第1の医薬/栄養組成物が初めて提供される。本発明の第1の医薬/栄養組成物は、(a)第1の活性成分として、全ての有効組成のうち、少なくとも2%(w/w)のホスファチジル-L-セリン又はその塩、及び(b)第2の活性成分として、適当量の、生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムを含有する。
【0013】
好ましくは、生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムは、酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される。
【0014】
好ましくは、生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムはホスファチジル-L-セリンのマグネシウム塩である。
【0015】
好ましくは、本発明の医薬/栄養組成物は(c)医薬品用賦形剤を更に含有する。
【0016】
好ましくは、本発明の医薬/栄養組成物は(c)栄養品用賦形剤を更に含有する。
【0017】
好ましくは、全有効組成物は複数パート療法で投与される。
【0018】
好ましくは、全有効組成物は、経口送達及び静脈注射送達からなる群から選択される少なくとも1種類の送達方法により投与される。
【0019】
本発明によれば、月経前症候群(PMS)及び月経前不快気分障害(PMDD)に付随する症状を緩和するのに使用される第2の医薬/栄養組成物が初めて提供される。本発明の第2の医薬/栄養組成物は、(a)第1の活性成分として、全ての有効組成のうち、少なくとも2%(w/w)のホスファチジン酸又はその塩、及び(b)第2の活性成分として、適当量の、生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムを含有する。
【0020】
好ましくは、生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムは、酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される。
【0021】
好ましくは、生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムはホスファチジン酸のマグネシウム塩である。
【0022】
好ましくは、本発明の医薬/栄養組成物は(c)医薬品用賦形剤を更に含有する。
【0023】
好ましくは、本発明の医薬/栄養組成物は(c)栄養品用賦形剤を更に含有する。
【0024】
好ましくは、全有効組成物は複数パート療法で投与される。
【0025】
好ましくは、全有効組成物は、経口送達及び静脈注射送達からなる群から選択される少なくとも1種類の送達方法により投与される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0027】
本発明はPMS及びPMDDに付随する症状を緩和するのに使用される組成物に関する。本発明による前記組成物の側面、用途及び効果は下記の記載を参照することにより十分に理解することができる。本発明の例示的実施態様は下記の処方例において詳細に説明する。
【0028】
PMS及びPMDDに付随する症状を緩和するのに使用される医薬組成物は、有効量のホスファチジル-L-セリン及び生物が利用可能な形状の少なくとも1種類のマグネシウムを用いて処方される。幾つかの処方はホスファチジン酸も含有する。
【0029】
処方例A
本発明の親特許出願である特許文献1(発明者:Rutenbergら)の実施例1−1に記載された方法を使用し、基材の大豆レシチンから酵素反応法を介してLipogen Products(9000)Ltd.によりホスファチジル-L-セリン(PS)を製造した。生物が利用可能な形状のマグネシウムとして酸化マグネシウム(Dr.Paul Lohmann GmbH KG)を使用した。PS250gを酸化マグネシウム250gと混合して処方Aを作成した。
【0030】
処方例B
処方例Aと同様にしてLipogen Products(9000)Ltd.によりホスファチジル-L-セリン(PS)を製造した。次いで、塩化マグネシウム(Dr.Paul Lohmann GmbH KG)を用いたイオン交換によりPSをマグネシウム塩に変換させた。得られたPSのマグネシウム塩(PS−Mg)を生物が利用可能な形状のマグネシウムとして使用した。PS−Mg200gを用いて処方Bを作成した。
【0031】
処方例C
処方例Aと同様にしてLipogen Products(9000)Ltd.によりホスファチジル-L-セリン(PS)を製造した。クエン酸マグネシウム(Dr.Paul Lohmann GmbH KG)を生物が利用可能な形状のマグネシウムとして使用した。ホスファチジン酸(PA)をLipogen Products(9000)Ltd.により製造した。PS250gをPA250g及びクエン酸マグネシウム250gと混合して処方Cを作成した。
【0032】
処方例D
処方例Cと同様にしてLipogen Products(9000)Ltd.によりホスファチジル-L-セリン(PS)及びホスファチジン酸(PA)を製造した。次いで、塩化マグネシウム(Dr.Paul Lohmann GmbH KG)を用いたイオン交換によりPAをマグネシウム塩に変換させた。得られたPAのマグネシウム塩(PA−Mg)を生物が利用可能な形状のマグネシウムとして使用した。PS200gをPA−Mg200gと混合して処方Dを作成した。
【0033】
処方例E
処方例Dと同様にしてLipogen Products(9000)Ltd.によりPA−Mgを製造した。PA−Mg200gを使用して処方Dを作成した。
【0034】
処方例F
処方例Cと同様にしてLipogen Products(9000)Ltd.によりホスファチジン酸(PA)を製造した。PA500gを使用して処方を作成した。クエン酸マグネシウム(Dr.Paul Lohmann GmbH KG)を生物が利用可能な形状のマグネシウムとして使用した。PA200gをクエン酸マグネシウム200gと混合して処方Fを作成した。
【0035】
処方例G
処方例Aと同様にしてLipogen Products(9000)Ltd.によりホスファチジル-L-セリン(PS)を製造した。PS500gを使用して処方Gを作成した。
【0036】
処方例H
処方例Cと同様にしてLipogen Products(9000)Ltd.によりホスファチジン酸(PA)を製造した。PA500gを使用して処方Hを作成した。
【0037】
結果
経口投与によるPMS/PMDD症状の緩和効果を下記の実験により調査した。PS/Mg処方を含む研究では、その研究結果を特許文献1に開示されたPSのみからなる処方(処方G)の研究結果と比較して示す。PS/Mg処方を含む研究では、その研究結果を下記に記載されるPAのみからなる処方(処方H)の研究結果と比較して示す。PAを含む処方Hを用いた研究では、治療のベースラインに対してPSを含む処方Gに匹敵する結果が示された。
【0038】
使用したPMS/PMDD症状のスケール(尺度)は被検者によるアセスメント(評価)に基づく。PMS/PMDDの身体的症状は例えば、ニキビ、乳房膨張、乳房圧痛、疲労感、睡眠障害、胃のむかつき、膨満感、体重増加、便秘、下痢、頭痛、心臓の動悸、腰痛、食欲変化、巨食症、関節痛及び筋肉痛などである。
【0039】
PMS/PMDDの行動的症状は、被験者が日常行動で気づいた全ての変化である。PMS/PMDDの行動的症状は例えば、心からの悲しみまたは絶望の感情、激しい緊張または不安の感情、拒否または批評への増加した激しい感度、パニック発作、急速で高度の気分変動、制御不能な号泣、持続的なイライラ感または怒気、無感動、集中困難、慢性疲労、過度の不眠症または過眠症、圧倒感、制御不能感、性衝動の変化、感情的親近感に関する高い窮乏感などである。
【0040】
PMDDを訴える被検者の分類は、一般的にムード徴候の存在が支配的であるが、前記症状が5個以上存在することに基づいておこなった。
【0041】
結果は下記の主観的ランキングと相関する。“?”=PS又はPAのみによる治療(それぞれ処方G又はH)に匹敵する改善。“*”=処方G又はHによる上記治療を僅かに改善。“**”=処方G又はHによる上記治療を顕著に改善。
【0042】
処方A
日常的にPMS症状を訴える3人の女性篤志被検者及びPMDD症状を訴える4人の女性篤志被検者に、予想される毎月の月経前の3週間から月経が始まるまでの間、1日4回処方A200mgを服用させた(治療A)。結果を下記の表1に示す。表1に示されるように、年齢及びPMS対PMDDの疾患に関係無く、7人の全ての篤志被験者において顕著な改善が認められた。
【0043】
表1
最初の治療-治療法実験におけるPS/Mg治療を用いたPMS/PMDD症状の緩和効果

(PMS又はPMDD 治療Aによる 治療Aによる 治療Aによる
症状を訴える) 身体的症状 行動的症状 累積的症状
被検者の年齢 の改善 の改善 の改善
35(PMS) * * **
32(PMS) * * *
34(PMS) * ? *
27(PMDD) * ** **
29(PMDD) * ** **
28(PMDD) * * *
32(PMDD) * * *
【0044】
前記表1における研究の月経日の後、1回の月経サイクルの後に、前記試験に参加した同じ7人の女性被験者は全員が、治療の中止後に彼女らの通常の症状が再び出現したと報告した。その後、前記の7人の女性篤志被験者に、予想される毎月の月経前の3週間から月経が始まるまでの間、1日4回処方A200mgを服用させた(治療A)。結果を下記の表2に示す。表2に示されるように、年齢及びPMS対PMDDの疾患に関係無く、7人の全ての篤志被験者において顕著な改善が認められた。
【0045】
表2
症状の再発後の2回目の治療-治療法実験におけるPS/Mg治療を用いたPMS/PMDD症状の緩和効果

(PMS又はPMDD 治療Aによる 治療Aによる 治療Aによる
症状を訴える) 身体的症状 行動的症状 累積的症状
被検者の年齢 の改善 の改善 の改善
35(PMS) * * **
32(PMS) * * *
34(PMS) ** ? **
27(PMDD) * ** **
29(PMDD) * ** **
28(PMDD) * ? *
32(PMDD) * ? *
【0046】
処方B
日常的にPMS症状を訴える3人の女性篤志被検者及びPMDD症状を訴える4人の女性篤志被検者に、予想される毎月の月経前の3週間から月経が始まるまでの間、1日4回処方B150mgを服用させた(治療B)。結果を下記の表3に示す。表3に示されるように、年齢及びPMS対PMDDの疾患に関係無く、7人の全ての篤志被験者において顕著な改善が認められた。
【0047】
表3
最初の治療-治療法実験におけるPS/Mg治療を用いたPMS/PMDD症状の緩和効果

(PMS又はPMDD 治療Bによる 治療Bによる 治療Bによる
症状を訴える) 身体的症状 行動的症状 累積的症状
被検者の年齢 の改善 の改善 の改善
35(PMS) * * **
32(PMS) ** * **
34(PMS) * ? *
27(PMDD) * ** **
29(PMDD) ** ** **
28(PMDD) * * *
32(PMDD) * ** **
【0048】
処方C
日常的にPMS症状を訴える3人の女性篤志被検者及びPMDD症状を訴える4人の女性篤志被検者に、予想される毎月の月経前の3週間から月経が始まるまでの間、1日4回処方C300mgを服用させた(治療C)。結果を下記の表4に示す。表4に示されるように、年齢及びPMS対PMDDの疾患に関係無く、7人の全ての篤志被験者において顕著な改善が認められた。
【0049】
表4
最初の治療-治療法実験におけるPS/PA/Mg治療を用いたPMS/PMDD症状の緩和効果

(PMS又はPMDD 治療Cによる 治療Cによる 治療Cによる
症状を訴える) 身体的症状 行動的症状 累積的症状
被検者の年齢 の改善 の改善 の改善
35(PMS) ** * **
32(PMS) ** ** **
34(PMS) ** ? **
27(PMDD) * ** **
29(PMDD) ** ** **
28(PMDD) * ** *
32(PMDD) ** * **
【0050】
処方D
日常的にPMS症状を訴える3人の女性篤志被検者及びPMDD症状を訴える4人の女性篤志被検者に、予想される毎月の月経前の3週間から月経が始まるまでの間、1日4回処方D250mgを服用させた(治療D)。結果を下記の表5に示す。表5に示されるように、年齢及びPMS対PMDDの疾患に関係無く、7人の全ての篤志被験者において顕著な改善が認められた。
【0051】
表5
最初の治療-治療法実験におけるPS/PA/Mg治療を用いたPMS/PMDD症状の緩和効果

(PMS又はPMDD 治療Dによる 治療Dによる 治療Dによる
症状を訴える) 身体的症状 行動的症状 累積的症状
被検者の年齢 の改善 の改善 の改善
35(PMS) ** * **
32(PMS) ** * *
34(PMS) * * *
27(PMDD) ** ** **
29(PMDD) * ** **
28(PMDD) * * *
32(PMDD) ** * **
【0052】
処方E
日常的にPMS症状を訴える3人の女性篤志被検者及びPMDD症状を訴える4人の女性篤志被検者に、予想される毎月の月経前の3週間から月経が始まるまでの間、1日4回処方E125mgを服用させた(治療E)。結果を下記の表6に示す。表6に示されるように、年齢及びPMS対PMDDの疾患に関係無く、7人の全ての篤志被験者において顕著な改善が認められた。
【0053】
表6
最初の治療-治療法実験におけるPA/Mg治療を用いたPMS/PMDD症状の緩和効果

(PMS又はPMDD 治療Eによる 治療Eによる 治療Eによる
症状を訴える) 身体的症状 行動的症状 累積的症状
被検者の年齢 の改善 の改善 の改善
35(PMS) * * **
32(PMS) * * *
34(PMS) * ? *
27(PMDD) * * *
29(PMDD) * ** **
28(PMDD) ** * **
32(PMDD) * * *
【0054】
処方F
日常的にPMS症状を訴える3人の女性篤志被検者及びPMDD症状を訴える4人の女性篤志被検者に、予想される毎月の月経前の3週間から月経が始まるまでの間、1日4回処方F200mgを服用させた(治療F)。結果を下記の表7に示す。表7に示されるように、年齢及びPMS対PMDDの疾患に関係無く、7人の全ての篤志被験者において顕著な改善が認められた。
【0055】
表7
最初の治療-治療法実験におけるPA/Mg治療を用いたPMS/PMDD症状の緩和効果

(PMS又はPMDD 治療Fによる 治療Fによる 治療Fによる
症状を訴える) 身体的症状 行動的症状 累積的症状
被検者の年齢 の改善 の改善 の改善
35(PMS) * * *
32(PMS) ** * **
34(PMS) * ? *
27(PMDD) * ** **
29(PMDD) * ** **
28(PMDD) ** * **
32(PMDD) * * *
【0056】
前記治療は継続させることができ、また、前記の処方組成物中に配合されたPS、PA及びMgは自由に摂取されるので、苦痛無しに容易に投与することができる。
【0057】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。