特許第5963799号(P5963799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963799
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】火力調節装置
(51)【国際特許分類】
   F23K 5/00 20060101AFI20160721BHJP
   F23N 1/00 20060101ALI20160721BHJP
   F16K 35/00 20060101ALI20160721BHJP
   F16K 31/528 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   F23K5/00 301C
   F23N1/00 102Z
   F16K35/00 D
   F16K31/528
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-86507(P2014-86507)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-206524(P2015-206524A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2015年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】野々山 昌生
(72)【発明者】
【氏名】酒井 隆行
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−112877(JP,A)
【文献】 特開2013−213628(JP,A)
【文献】 特開平07−305835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K 5/00 − 5/22
F23N 1/00
F23N 5/26
F16K 31/44 − 31/62
F16K 35/00 − 35/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に進退自在に保持されたニードル弁を有し、このニードル弁の手前側端部に、ニードル弁の進退方向に対して直角方向に延びる係合ピンを設け、この係合ピンが挿通されるスリット状のガイド手段を上記本体側に有すると共に、本体に揺動自在に保持された操作レバーに上記係合ピンが挿通されるスリット状の駆動部を形成し、操作レバーを揺動することによりガイド部と駆動部とが重なる部分を変位させて、この重なる部分に挿通されている係合ピンを介してニードル弁を進退させ、火力調節を行う火力調節装置において、上記係合ピンの移動が上記本体から露出した状態で行われるようにニードル弁の手前側端部を本体から突出させると共に、上記本体に板状のガイド板を取り付け、このガイド板に上記ガイド手段として機能するガイド部を形成したものであって、上記操作レバーを揺動自在に保持する部分に、円柱状の位置決め部を形成し、上記ガイド板にこの位置決め部が挿通される位置決め穴を形成すると共に、位置決め部の円筒面と位置決め穴の周縁との双方に、互いに係合してガイド板の回り止めをする回り止め部を形成したことを特徴とする火力調節装置。
【請求項2】
上記ガイド部の長手方向を、上記ニードル弁の往復方向に対して傾けて形成したことを特徴とする請求項1に記載の火力調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロに組み込まれ、操作レバーを揺動することによってガスバーナへのガスの供給量を増減してガスバーナの火力調節を行う火力調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような火力調節装置として、例えば、ダイキャスト製の本体に、手前側から奥側に向かってニードル弁を進退自在に保持させ、このニードル弁が進退することによりガスバーナに供給されるガス量を増減するものが知られいている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものでは、ニードル弁の手前側端部に、ニードル弁の進退方向に対して直角方向に延びる係合ピンを設けている。そして、ニードル弁を収納しているシリンダ状の収納穴を外部に開放すると共に、その開放部分に係合ピンが嵌まるすり割り状のガイド溝を形成している。このように構成することによりニードル弁が進退すると、係合ピンがガイド溝内を移動し、その移動中に係合ピンとガイド溝との協働によりニードル弁の回転が阻止される。
【0004】
また、本体の上部に揺動自在に操作レバーを保持すると共に、この操作レバーにガイド溝に交差するようにスリット状の駆動部を形成し、その駆動部に上記係合ピンを挿通させておく。
【0005】
このように構成することにより、操作レバーを揺動すると、ガイド溝と駆動部との重なりの位置が移動するので、ニードル弁は係合ピンを介して前後方向に往復移動することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−203656号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の火力調節装置では、すり割り状のガイド溝が上下方向に抜けているので、煮こぼれ等の液状物が上方から滴下してきても、その大半はガイド溝内を通ってさらに下方に流れ落ちる。ところが、ガイド溝の左右部分はニードル弁の手前側端部の外周面が接触しているので、その接触部分の微小隙間内に毛細管現象によって液状物が浸入するおそれが生じる。そのため、例えガイド溝を液状物が上下方向に抜けるように形成していても、ある程度の液状物がニードル弁の外周面に沿って本体内に浸入するおそれが生じる。
【0008】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、ニードル弁の手前側端部に液状物が滴下しても、その液状物が本体内に浸入することを可及的に防止することのできる火力調節装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明による火力調節装置は、本体に進退自在に保持されたニードル弁を有し、このニードル弁の手前側端部に、ニードル弁の進退方向に対して直角方向に延びる係合ピンを設け、この係合ピンが挿通されるスリット状のガイド手段を上記本体側に有すると共に、本体に揺動自在に保持された操作レバーに上記係合ピンが挿通されるスリット状の駆動部を形成し、操作レバーを揺動することによりガイド部と駆動部とが重なる部分を変位させて、この重なる部分に挿通されている係合ピンを介してニードル弁を進退させ、火力調節を行う火力調節装置において、上記係合ピンの移動が上記本体から露出した状態で行われるようにニードル弁の手前側端部を本体から突出させると共に、上記本体に板状のガイド板を取り付け、このガイド板に上記ガイド手段として機能するガイド部を形成したものであって、上記操作レバーを揺動自在に保持する部分に、円柱状の位置決め部を形成し、上記ガイド板にこの位置決め部が挿通される位置決め穴を形成すると共に、位置決め部の円筒面と位置決め穴の周縁との双方に、互いに係合してガイド板の回り止めをする回り止め部を形成したことを特徴とする。
【0010】
上記従来の火力調節装置ではニードル弁に設けた係合ピンは、すり割り状のガイド溝にガイドされていたが、上記構成では係合ピンが設けられている手前側端部が本体から露出しているので、このニードル弁の手前側端部に煮こぼれ等の液状物が滴下しても、本体内に浸入することなく下方に落下する。なお、すり割り状のガイド溝を廃止したので板状のガイド板を別途設けて、このガイド板にガイド部を形成した。
【0011】
なお、若干量ではあるが液状物が本体内に浸入すると、ニードル弁と本体との間の摩擦が大きくなり、あるいは固着してニードル弁を進退移動させづらくなるおそれがある。そのような場合には、上記ガイド部の長手方向を、上記ニードル弁の往復方向に対して傾けて形成し、ニードル弁が進退移動する際にニードル弁が回転するように構成すればよい。
【0012】
ところで、本体に対してガイド板を別途形成することにより、本体に対するガイド板の位置決めを行う必要が生じる。そこで、上記操作レバーを揺動自在に保持する部分に、円柱状の位置決め部を形成し、上記ガイド板にこの位置決め部が挿通される位置決め穴を形成すると共に、位置決め部の円筒面と位置決め穴の周縁との双方に、互いに係合してガイド板の回り止めをする回り止め部を形成した
【発明の効果】
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明は、係合ピンが設けられているニードル弁の手前側端部を本体から露出させたので、この手前側端部に液状物が滴下しても、液状物が本体内に浸入することを可及的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
図2】操作レバーとガイド板との形状を示す分解斜視図
図3】ニードル弁の構造を示す断面図
図4】ガイド穴の詳細を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照して、1は本発明による火力調節装置の一例である。この火力調節装置1はダイキャスト製の本体2の上部に水平方向に揺動自在に操作レバー3が取り付けられており、この操作レバー3を左右方向に揺動することにより、図示しないガスバーナに供給されるガス量が増減し、それによりガスバーナの火力が調節される。なお、11は点消火ボタンであり、この点消火ボタン11を押し込むことによりガスバーナに点火され、再度点消火ボタン11を押し込むと、ガスバーナへのガスの供給が停止してガスバーナが消火する。
【0016】
図2を参照して、5がニードル弁であり、このニードル弁5が進退して本体2に対して出入りすることによりガスバーナに供給されるガス量が増減する。
【0017】
このニードル弁5の手前側端部には、ニードル弁5の往復移動方向に対して直角に延びる係合ピン51が設けられている。この係合ピン51は本体に取り付けられる板状のガイド板4のガイド穴41に挿通されると共に、操作レバー3の駆動穴31にも挿通される。
【0018】
本体2の上部には円筒状の位置決め部23が形成されており、ガイド板4に形成した位置決め穴42に位置決め部23が嵌合するように形成されている。また、位置決め部23には1対の回り止め突部24が形成されており、位置決め穴42に形成した1対の回り止め凹部43に回り止め突部24が係合することによって、ガイド板4の回り止めがされる。なお、ガイド板4の上方への抜け止めは、ガイド板4を本体2にねじ止めすることにより行った。
【0019】
図3および図4を参照して、ガイド穴41は直線状のスリット形状で有り、駆動穴31は湾曲した長穴形状に形成されている。従って、操作レバー3を左右に揺動すると、ガイド穴41と駆動穴31との交差部分が前後に移動する。上記係合ピン51はこの交差部分に位置するので、操作レバー3を揺動すると係合ピン51はガイド穴41に沿って前後に移動する。その結果、係合ピン51と共にニードル弁5が前後に移動してガスバーナの火力が調節される。
【0020】
なお、図4に示すように、ガイド穴41の長手方向をニードル弁5の進退方向に対して平行に形成するのではなく、ニードル弁5の進退方向に対して角度α傾けて形成した。このように、ガイド穴41を傾けて形成することにより、ニードル弁5を進退させる際に、ニードル弁5が回転するようにした。
【0021】
上記構成では、ニードル弁5の手前側端部は本体2から完全に露出しているので、この手前側端部に上方から煮こぼれ等の液状物が滴下してきても、本体2内に浸入することなく、そのままさらに下方に落下するが、若干ではあるが、ニードル弁5の周面に沿って本体2内に浸入するおそれがある。そして、その浸入した液状物によってニードル弁5が本体2に対して固着した場合であっても、ニードル弁5を進退させる際にニードル弁5を回転させることにより固着が解消され、スムーズに火力調節を行うことができる。
【0022】
なお、ガス器具の前面から水平方向に洗剤などが吹き付けられる場合があるが、そのような前面からの液状物の浸入に対して、ニードル弁5に液状物が掛からないように、操作レバー3には防護壁32を形成し、ガイド板4には防護部44を形成した。
【0023】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0024】
1 火力調節装置
2 本体
3 操作レバー
4 ガイド板
5 ニードル弁
11 再度点消火ボタン
11 点消火ボタン
31 駆動穴
41 ガイド穴
51 係合ピン
図1
図2
図3
図4