特許第5963829号(P5963829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963829
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】仮設足場用階段枠
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/10 20060101AFI20160721BHJP
   E06C 7/42 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   E04G5/10 B
   E06C7/42
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-216901(P2014-216901)
(22)【出願日】2014年10月24日
(62)【分割の表示】特願2013-206149(P2013-206149)の分割
【原出願日】2008年11月25日
(65)【公開番号】特開2015-38313(P2015-38313A)
(43)【公開日】2015年2月26日
【審査請求日】2014年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】504288535
【氏名又は名称】ホリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095212
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 武
(72)【発明者】
【氏名】南雲 隆司
(72)【発明者】
【氏名】星野 克之
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−062217(JP,A)
【文献】 実開平04−006500(JP,U)
【文献】 実開平06−073243(JP,U)
【文献】 特開2002−004572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/10
E06C 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の側桁間に複数の踏板を所定間隔で取り付け、前記側桁の上端に上部足場の横架材に掛止するフックを固着し、前記側桁の下端に足場布板載置用の脚体を設ける仮設足場用階段枠において、
前記脚体が前記側桁に対して前記足場布板の幅方向を軸方向とする軸部材を中心に回動自在となっているとともに、前記脚体に、この脚体を前記足場布板に係止して固定するための係止手段が設けられており、
前記軸部材を中心とする回動方向に回動した前記脚体を前記側桁に固定するための固定手段を備えており、
前記固定手段は、前記脚体に設けられた長孔と、この長孔に挿通されているとともに、前記側桁に挿通されている固定ボルトと、この固定ボルトに螺合されたナットとを含んで構成され、このナットを緩めることにより、前記脚体は前記側桁に対して前記軸部材を中心に回動自在となることを特徴とする仮設足場用階段枠。
【請求項2】
請求項1に記載の仮設足場用階段枠において、前記脚体は、前記一対の側桁の間に配設された台座を有し、この台座に前記係止手段が配置されていることを特徴とする仮設足場用階段枠。
【請求項3】
請求項2に記載の仮設足場用階段枠において、前記係止手段は、前記足場布板を貫通してこの足場布板の下面に下端部が当接する係止棒体を有していることを特徴とする仮設足場用階段枠。
【請求項4】
請求項3に記載の仮設足場用階段枠において、前記係止棒体の前記下端部は折曲部となっていることを特徴とする仮設足場用階段枠。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の仮設足場用階段枠において、前記足場布板は、幅方向に2枚の踏面板を並設したものであり、これらの踏面板の隣接部にはスリットが開設されており、このスリットに前記係止棒体を挿入することにより、この係止棒体が前記足場布板を貫通することを特徴とする仮設足場用階段枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建築工事現場等で構築する仮設足場の昇降用に用いる仮設足場用階段枠に関し、詳しくは上端に設けるフックを上段の足場横架材に掛止し、下端を下段に敷設する足場板上に載置する階段枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物等を構築する際には、その周囲に仮設足場を組み上げるが、各層に敷設する足場板に昇降するため多くの場合、仮設足場用の階段枠が使用されている。従来の階段枠は、一対の側桁間に複数の踏板を所定間隔で取り付け、側桁の上端と下端に夫々上部足場若しくは下部足場の横架材に掛止するためのフックを固着する構造であった。
【0003】
ところが、このような階段枠では、掛止する横架材の距離が特定されてしまうため、例えば枠組足場の場合、一の階段枠が適用できる主枠高さ及びブレース長さが限定されてしまう。従って僅かな層間、枠距離が変化した場合でも階段枠の下端フックは下段の足場板上に載置しなければならなかった。
【0004】
下端フックで階段枠を点支持することは危険であるため、側桁の下端に足場板載置用の脚体を設ける仮設足場用階段枠が提案されていた。このような階段枠としては、例えば下記に示すような従来技術があった。
【0005】
特許文献1に記載される階段枠は、図11に示すように、側桁108の上端にフック111を固着すると共に下端にベース板114を配設していた。ベース板114には支持部材115が立設し、軸体116を介して各側桁108に回動自在に取り付けられていた。この階段枠107は、フック111を図示しない建枠の横架材に掛止し、ベース板114を地面あるいは下部の足場板に当接しながら水平になるよう支持部材115を回動させる構成であった。
【0006】
又、特許文献2に記載される階段枠も図12に示すよう同様に、上端にフック211を固着し下端に板体を折曲加工した脚部212を配設し、脚部212は踏板209の支持部材208,218に対して回動自在に取り付けられていた。
【0007】
これら従来の階段枠は何れも下端のベース板114若しくは脚部212を足場板上で任意の位置まで移動して階段の傾斜角度を任意に設定できる構成であったが、ベース板114及び脚部212は単に水平に載置するだけの構造のため、風圧による吹き上がり、地震による振動等には抵抗できなかった。
【0008】
一方、特許文献3に記載される階段枠は、図13及び図14に示すように上端にフック311を設け、側桁308の下部側面には回転自在な係止ピン322を横方向移動自在に取付け、この係止ピン322を足場布板305に形成した孔に着脱自在に差し込む構成であった。
【0009】
この階段枠の場合、係止ピン322を足場布板305の孔に差し込むことにより側桁308の下部が固定でき、振動、風圧等の外部負荷があっても階段の下部は滑らず、安全であり、作業者の不安感を解消できる利点があった。又、係止ピン322は横方向の位置を変位できるので足場布板305に穿設された孔を選択して差し込むことができた。これにより側桁308の下部を足場布板305上に沿ってずらしながら固定でき、併せて階段の傾斜角を変化させることができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−62217号公報
【特許文献2】特開平2002−339563号公報
【特許文献3】特開平2004−52445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来の階段枠は係止ピン322を孔に差し込む構成であったため、ピンの横移動範囲内に孔が無いと止めることはできなかった。又、適当な孔が穿設されていない足場布板では固定できなかった。
【0012】
この発明は、従来の仮設足場用階段枠が有する上記の問題点を解消すべくなされたものであり、各種の足場板上で階段枠下端を任意の位置まで移動して階段の傾斜角度を任意に設定できると共に、側桁下端の脚体が足場板に固定できる階段枠を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記問題を解決するため、この発明の仮設足場用階段枠は、一対の側桁間に複数の踏板を所定間隔で取り付け、前記側桁の上端に上部足場の横架材に掛止するフックを固着し、前記側桁の下端に足場板載置用の脚体を設ける仮設足場用階段枠において、前記脚体は、側桁間の一辺に立上り部を設け各側桁に軸支する台座と、この立上り部の略中央に配設する回動可能なホルダと、このホルダに遊挿する係止棒体とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
台座は足場板上に設置するもので、仮設足場の異なる層間の高さに対応可能となるよう、台座側板と側桁との取付け角度が回動する。係止棒体はホルダを回動することで、足場板に水平又は垂直の位置関係がとれる。足場板に、棒体挿入用の開口が設けられているときにはこれを挿入して足場板に固定し、吹き上がり防止等の対策を採る。
【0015】
又、足場板に開口がない場合には、足場板用バンドで台座と足場板を固定する。この時、立上り部に沿ってバンドを巻回するとバンドの外れ防止となる。係止棒体は足場板に対し水平の収納状態とする。
【0016】
設足場用階段枠の台座は、所定範囲の階段傾斜角度に対応して固定し得る締結具を設け、前記係止棒体は、足場布板中央に開設するスリットより挿入し、布板下面に下端を係止する略L字状の棒体であって、係止時の棒体を上方に付勢する弾性体を付設することを特徴とするものである。
【0017】
締結具は、例えば台座即板に穿設する長孔に対し、回動用の軸体とは異なるボルトを挿通してこれを締結する構成である。所定の階段傾斜角に対応してボルトを長孔に沿って移動させ、台座の水平を確保しながら側桁と固定する。
【0018】
足場布板は幅方向に矩形の踏面板を2枚並設し、その短辺を横方向の板材で連結するもので、2枚の踏面板の隣接部は所定間隔離隔して長手方向にスリットを開設する。係止棒体はホルダに遊挿されているためL字の折曲部をこのスリットの方向に回動することで足場布板の任意の箇所での挿入が可能となり、挿入後には折曲部をスリットに対し直角方向に回動する。
【0019】
弾性体の作用により折曲部は布板下面に当接する。棒体の長さと弾性体の長さを適宜設定することで異なる厚さの布板に対しても適用可能となる。
【発明の効果】
【0020】
この発明の仮設足場用階段枠は、脚体の台座の一辺に立上り部を設けるので係止棒体を足場板に挿入できない場合でも、足場板用バンドで台座と足場板を固定することができ、立上り部がバンドの外れ防止となる。即ち、係止棒体挿入用の開口部を設ける足場板に対しても、又開口部のない足場板に対しても夫々足場板上で任意の位置まで移動して階段の傾斜角度を任意に設定できると共に、側桁下端の脚体を足場板に固定することができる。
【0021】
設足場用階段枠の台座は、所定範囲の階段傾斜角度に対応して固定し得る締結具を設けるので、所定の階段傾斜角に対応して台座の側板を移動させ、台座の水平を確保しながら側桁と固定することができる。
【0022】
又係止棒体は、略L字状の棒体で弾性体を付設するので、中央にスリットを開設する足場布板の場合には、任意の箇所での挿入が可能となり、挿入後には弾性体の作用により折曲部を布板下面に当接することができ階段枠と足場布板との固定が確実になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】階段枠を使用する仮設足場の側面図である。
図2図1における階段枠と足場布板の係止部分を抜き出した側面図である。
図3】階段枠の側面図である。
図4】階段枠の正面図である。
図5】脚体を取り付ける階段枠下部の側面図である。
図6図5のA方向矢視図である。
図7】足場布板に係止棒体を係止する階段枠下部の側面図である。
図8図7のB方向矢視図である。
図9図7のC−C断面を示す断面図である。
図10】スリットを開設しない足場布板上に載置する階段枠下部の正面図である。
図11】従来の階段枠の側面図である。
図12】従来の階段枠の斜視図である。
図13】従来の階段枠の側面図である。
図14】従来の階段枠の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次にこの発明の実施の形態を添付画面に基づき詳細に説明する。図1は階段枠を使用する仮設足場の側面図、図2図1における階段枠と足場布板の係止部分を抜き出した側面図、図3は階段枠の側面図、図4は階段枠の正面図である。仮設足場1は、複数の建枠2とジャッキベース3、交差筋違4、足場布板5及び手摺6等の基本部材を組合わせ、これらを積上げて構築しているが、各層に敷設する足場布板5に昇降するため階段枠7を使用する。
【0025】
階段枠7は、図4に示すように一対の側桁8間に複数の踏板9を所定間隔で取り付け、側桁8の上端にはフック11を固着し、側桁8の下端には脚体12を設ける。フック11は上部足場の建枠2を構成する横架材10に対して着脱自在に引掛けられ、脚体12は足場布板5上に載置すると共に後述する係止具を用い、階段枠7の下端が動揺しないよう固定する。
【0026】
脚体12を足場布板5に載置するのは、仮設足場1の異なる層間の高さに対して一の階段枠7にて対応可能とするためであり、又、図1に示すように連続する階段に対し踊り場スペースを提示することで昇降時の安全性を高める効果もある。
【0027】
建枠2の代表的な層間としては、例えば、ho=1725mm、1800mm、1835mmがある。ho=1800mmの時の階段傾斜角度をθo=50°とする場合、ho=1725mmの時には脚体12を適宜スライドすればθo=約47°となる。同様にho=1835mmの時にはθo=約51°となる。このように階段枠7は所定範囲の階段傾斜角度に対応して脚体12を足場布板5に対して水平に載置し得る構成である。
【0028】
踏板9は側桁8に対しボルトナット13で締結されており、側桁8との取付角度は固定されている。この取付角度を例えばθ1=50°と設定する場合、階段傾斜角度θoが上述のように約47°から約51°に変化しても、踏板9の水平面から傾く角度は3°から−1°程度と極微小であるため、昇降には支障ない。
【0029】
次に脚体の詳細を図5及び図6に基づき説明する。図5は脚体を取り付ける階段枠下部の側面図、図6図5のA方向矢視図である。脚体12は、側桁8間に平板状の台座14を配設し、その両側部に立設する台座側板15を側桁8に軸支する。台座側板15には、支持ボルト16を挿通するボルト孔と、その下部に設ける固定ボルト17を挿通する長孔18が穿設されている。
【0030】
固定ボルト17のナットを緩めると台座側板15は側桁8に対して長孔18の範囲で回動可能となる。所定の階段傾斜角に対応して固定ボルト17を長孔18に沿って移動させ、台座14の水平を確保しながら側桁8に固定する。
【0031】
台座14の一辺には低い立上り部19を設け、この立上り部19の略中央に板状の固定金具20を固着すると共に、これに対して回動可能なホルダ21を取り付ける。このホルダ21は略L字状の係止棒体22を遊挿する。係止棒体22の直線端部には断面コ字状の止金具22aを固着し、この止金具22aとホルダ21上端との間にコイルバネ22bを巻装する。止金具22aを把持して棒体断面方向に回動することで、係止棒体22の下端折曲部22cの向きを変える。
【0032】
次に係止棒体にて脚体を足場布板に係止する方法を図7図8及び図9に基づき説明する。図7は足場布板に係止棒体を係止する階段枠下部の側面図、図8図7のB方向矢視図、図9図7のC−C断面を示す断面図である。
【0033】
足場布板5は図9に示すように幅方向に矩形の踏面板5aを2枚並設し、その短辺を横方向の板材5bで連結するもので、2枚の踏面板5a,5aの隣接部は所定間隔離隔してあるため、長手方向にスリット5cが開設される。足場布板5の端部にはフック5dが突設し、これを建枠の横架材10に掛止する。
【0034】
板金の折り曲げ品となっている板材5bの上下面は、踏面板5aに溶接で接合されており横架材10を覆う構成となっている。これは従来の足場布板の場合、横架材接合部に隙間ができ、この隙間が飛来落下事故等につながる虞があったことに対し、板材5bでこれを未然に防止すると共に、踏み面の凹凸をなくし作業性を高めることを目的としたものである。
【0035】
ところが、横架材接合部に隙間がないと階段枠を掛け渡すことができない。特に足場布板が連続して敷設されている階段枠の下部ではフックを横架材に掛止することができず、必然的に階段枠の下端は足場布板の上に載せる方式を採用することとなる。
【0036】
このような足場布板5の場合、図5及び図6に示すように係止棒体22の折曲部22cをスリット5cの方向と合わせることで足場布板5の任意の箇所での挿入が可能となる。その後、コイルバネ22bの弾性力に抗して止金具22aを押し下げ、下方で折曲部22cをスリット5cに対し直角方向に回動する。図7及び図8に示すようにコイルバネ22bの作用により折曲部22cは布板5下面に当接する。
【0037】
このように係止棒体22を足場布板5に係止することで吹き上がり防止等の対策を採ることができ、地震等の外部負荷があっても階段の下部は滑らない。又係止棒体22の長さとコイルバネ22bの長さを適宜設定することで異なる厚さの布板、例えば厚さ40mmから50mmの足場布板に対しても適用可能となる。
【0038】
なお、係止棒体は中央にスリットを開設する足場布板以外の時は、これを収納状態にして用いる。この実施形態を図10に示す。図10はスリットを開設しない足場布板上に載置する階段枠下部の正面図である。
【0039】
係止棒体22を使用しない時には、ホルダ21を回動することで、足場布板55に水平の位置関係がとれ、足場板用バンド56を用い台座14と足場板55を固定する。この時、立上り部19に沿ってバンド56を巻回するとバンドの外れ防止となる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、建築工事現場等で構築する仮設足場の昇降用に用いられる仮設足場用階段枠に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
5 足場布板
5a 踏面板
5c スリット
7 階段枠
8 側桁
9 踏板
10 横架材
11 フック
12 脚体
15 台座
17 固定ボルト
18 長孔
22 係止棒体
22c 折曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14