特許第5963843号(P5963843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963843
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】ピラゾロピリミジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20160721BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 11/08 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 25/34 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 33/06 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 33/08 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 33/12 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   C07D487/04 142
   C07D487/04CSP
   A61K31/519
   A61P43/00 121
   A61P1/04
   A61P1/02
   A61P19/00
   A61P19/02
   A61P19/10
   A61P19/08
   A61P7/00
   A61P35/00
   A61P35/04
   A61P9/00
   A61P9/10
   A61P9/04
   A61P27/02
   A61P29/00 101
   A61P29/00
   A61P17/00
   A61P11/00
   A61P11/06
   A61P11/08
   A61P25/34
   A61P31/00
   A61P31/10
   A61P33/00
   A61P31/12
   A61P33/06
   A61P33/08
   A61P33/12
   A61P21/04
   A61P37/02
   A61P37/06
   A61P25/04
   A61P13/12
   A61P1/00
   A61K45/00
【請求項の数】12
【全頁数】116
(21)【出願番号】特願2014-501801(P2014-501801)
(86)(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公表番号】特表2014-514293(P2014-514293A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】IB2012051554
(87)【国際公開番号】WO2012131633
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2015年3月26日
(31)【優先権主張番号】61/470,630
(32)【優先日】2011年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ジョンミン・ドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ラジェンデル・レディ・レレティ
(72)【発明者】
【氏名】ユガン・リュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング・ミルツ
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・オーバーハウザー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・ファウペル
(72)【発明者】
【氏名】ユライ・ヴェルシキー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・ヴァイガント
【審査官】 松本 淳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/144201(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/082904(WO,A1)
【文献】 独国特許出願公開第04333705(DE,A1)
【文献】 特開平05−140167(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/095338(WO,A1)
【文献】 特表2010−510291(JP,A)
【文献】 特開平08−311068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY/MARPAT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩:
【化1】
(I)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH=CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-C(O)-CH=CH-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-CH-CH-、-C(O)-NH-CH-、-CH-NH-C(O)-、-O-CH-、-CH-O-、-O-CH-CH-、-CH-CH-O-、
【化2】
(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルを表し、これらの各々は、所望により1〜4回置換されていてもよい;および
R4は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノまたはトリフルオロメチルである]。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩:
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH=CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-C(O)-CH=CH-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-CH-CH-、-C(O)-NH-CH-、-CH-NH-C(O)-、-O-CH-、-CH-O-、-O-CH-CH-、-CH-CH-O-、
【化4】
(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、C-Cアルコキシカルボニルまたはトリ-C-Cアルキルシリルオキシにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノまたはトリフルオロメチルである。]。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩:
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-NH-CH-、-O-CH-、-O-CH-CH-、
【化6】
【化7】
および
【化8】
(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、C-Cアルコキシカルボニルまたはトリ-C-Cアルキルシリルオキシにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【請求項4】
式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩である、請求項1に記載の化合物:
【化9】
(II)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立して、HまたはC-Cアルキルである;
Rは、5〜10個の環原子を有するヘテロシクリルを表し[ここで、1〜4個の環原子は、ヘテロ原子である(従って、残余の環原子は炭素である)]、これらは所望により、後記により1〜4回置換されていてもよい:ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキルイミノ、C-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ、C-C-チオアルキル、C-C-アルケニルオキシ、C-C-アルキニルオキシ、ハロゲン、C-C-アルキルカルボニル、カルボキシ、C-C-アルコキシカルボニル、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルアミノカルボニル、ジ-C-C-アルキルアミノカルボニル、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル(C-C-アルキル)アミノ、ヒドロキシピロリジニル-カルボニル、C-C-アルキル-1H-テトラゾリル、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C-C-アルキルアミノスルホニル、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアルコキシ残基から選択される前記炭化水素基の各々は、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC-C-アルコキシ基から各々出現時に独立して選択される1以上の残基によりさらに置換されていてもよい;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【請求項5】
式(III)の化合物またはその医薬上許容される塩である、請求項1に記載の化合物:
【化10】
(III)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【請求項6】
式(IV)の化合物またはその医薬上許容される塩である、請求項1に記載の化合物:
【化11】
(IV)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【請求項7】
式(V)の化合物またはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の化合物:
【化12】
(V)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬上許容される塩:
[式中
R1は、C-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、ピペリジンまたはピペラジンを表し、これらは後記により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキルにより所望により1〜2回置換されていてもよい:ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、または所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ;および
R4は、Hである]。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬上許容される塩:
[式中、
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、4-ピペリジニルまたは1-ピペラジニルを表し、これらは、ヒドロキシ、オキソ(=O)、またはモノC-Cアルキル-アミノにより所望により1〜3回置換されていてもよいC-Cアルキルによって1〜2回所望により置換されていてもよい、但しC-CアルキルがN原子と結合する場合には、該置換基C-Cアルキルは非置換であることはない;および
R4は、Hである。]。
【請求項10】
下記から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬上許容される塩:
4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-ピペリジン-4-オール、
4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-アゼチジン-3-オール、
3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペリジン-4-オール、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-ピペリジン-4-オール、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
(2S,4S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-メチル-ピペリジン-4-オール、
1-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-オン、
(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール、
1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノン、
[2-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-メチル-カルバミン酸 tert-ブチル エステル、
((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール、
(S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-{4-[(E)-3-((S)-3-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
2-エチル-3-{4-[(E)-3-((S)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
2-アミノ-1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-エタノン、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-(4-{(E)-3-[4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン-1-イル]-プロペニル}-ベンジル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン、
(R)-2-ジメチルカルバモイル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
(S)-2-ジメチルアミノメチル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-((E)-3-ピペラジン-1-イル-プロペニル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
(S)-1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン、
(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン、
(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール、
(R)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-2-オール、
(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロペノン,
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリロイル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロパン-1-オン、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピオニル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-N-ピペリジン-4-イルメチル-ベンズアミド、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(ピペリジン-4-イルメトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
{4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-ピペリジン-1-イル}-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン、
4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシルアミン、
(2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-カルボン酸 {4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシル}-アミド、
4-{2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチル}-ピペリジン-4-オール、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(2-ピペラジン-1-イル-エトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
2-エチル-3-{4-[2-((R)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-エトキシ]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-アゼチジン-3-オール、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-アゼチジン-3-イルアミン、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-イルアミン、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(4-ピペラジン-1-イルメチル-ピラゾール-1-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
((R)-4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(4-ピペラジン-1-イルメチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(5-ピペリジン-4-イル-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル エステル、
4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-シクロヘキシルアミン、
4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-シクロヘキシル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール、
1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノン、および
(S)-1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を含む、GPR4調節に感受性疾患または症状の処置において使用するための医薬組成物であって、前記疾患または症状が、骨粗しょう症(年少者の、更年期の、更年期後の、外傷後の、加齢を原因とする、またはコルチコステロイド治療または不活性)、歯肉炎、歯周炎、パジェット病、悪性腫瘍の高カルシウム血症、腫瘍誘導性高カルシウム血症、代謝性骨疾患、癌、固形腫瘍、心臓脈管障害、動脈硬化、心筋梗塞、手足病、末梢動脈閉塞性疾患、眼疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、ブドウ膜炎、関節炎、リウマチ性関節炎、変形性関節症創傷治癒、皮膚疾患、炎症性および閉塞性気道疾患、喘息、内因性および外因性喘息、軽度の喘息、中程度の喘息、重症な喘息、気管支炎喘息、運動誘導性喘息、職業喘息および細菌感染後に誘導された喘息、急性肺損傷、急性呼吸不全症候群、慢性閉塞性肺気道または肺疾患、慢性気管支炎、これらに関連のある呼吸困難、肺気腫、他の薬剤治療の結果おこる気道の過活動増悪、気管支炎、急性アラキン酸の、カタル性、クラープス、塵肺、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、クリコーシス(chlicosis)、脱毛、鉄沈着症、珪肺症、タバコ中毒症、綿肺症、好酸球増多症、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎、好酸球性肉芽腫および薬物反応に関連した気道に影響する好酸球性関連障害、ニューモシスティス・カリニ、クルーズ・トリパノソーマ、トリパノソーマ・ブルーセイ、およびクリチディア・ファシキュラータから選択される生物感染、住血吸虫症およびマラリアから選択される寄生疾患、腫瘍浸潤および転移、異染性白質ジストロフィー、筋ジストロフィー、筋萎縮、自己免疫疾患、呼吸疾患、免疫介在性疾患、移植拒絶反応、炎症性疼痛、内臓性疼痛、慢性疼痛、腫瘍疼痛、腎臓尿細管性アシドーシス、クローン疾患、および炎症性腸疾患から選択される、医薬組成物。
【請求項12】
医薬上許容し得る担体と共に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラゾロピリミジン誘導体、この製造方法、これらを含む組合せ物および医薬組成物、ならびに自己免疫疾患、血管新生、疼痛、および/または炎症性疾患などを包含し得る疾患および障害の処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
技術背景:
実施可能な理想的処置がいまだ存在しないため、リウマチ性関節炎および他の自己免疫疾患の処置のための新規かつ革新的アプローチに対する必要性が存在する。さらに、GPR4レセプターは自己免疫系と関連する可能性があると考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故に、本発明は、低分子化合物、特に選択的なGPR4化合物、特にGPR4レセプターアンタゴニストとのGPR4レセプター相互作用に取り組むものである。このアプローチは、自己免疫系が関与する疾患または障害の処置、例えば、例として特に、炎症過程と関連のある疼痛の処置、炎症性疾患または障害の処置、または血管新生が関与する疾患または障害の処置のための革新的な道筋を提供し得る。
【0004】
WO2009/144201は、GPR4レセプター相互作用に関連する疾患または障害の処置にて有効であり得るイミダゾピリジン誘導体を記述している。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、一実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を記述する:
【化1】

(I)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH=CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-C(O)-CH=CH-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-CH-CH-、-C(O)-NH-CH-、-CH-NH-C(O)-、-O-CH-、-CH-O-、-O-CH-CH-、-CH-CH-O-、
【化2】


(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルを表し、これらの各々は、所望により1〜4回置換されていてもよい;および
R4は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノまたはトリフルオロメチルである。]。
【0006】
本発明は、別の実施形態において、式(I’)の化合物またはその医薬上許容される塩を記述する:
【化3】

(I’)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH=CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-C(O)-CH=CH-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-CH-CH-、-C(O)-NH-CH-、-CH-NH-C(O)-、-O-CH-、-CH-O-、-O-CH-CH-、-CH-CH-O-、
【化4】

(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、C-Cアルコキシカルボニルまたはトリ-C-Cアルキルシリルオキシにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノまたはトリフルオロメチルである。]。
【0007】
本発明の化合物、例えば、式(I)または(I’)の化合物、またはその塩、例えば、その医薬上許容される塩は、GPR4相互作用を、例えばGPR4アンタゴニストとして調節し得る。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、式(I’’)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化5】

(I’’)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立して、HまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-NH-CH-、-O-CH-、-O-CH-CH-、
【化6】

(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、C-Cアルコキシカルボニルまたはトリ-C-Cアルキルシリルオキシにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化7】

(II)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立して、HまたはC-Cアルキルである;
Rは、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである]。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、式(III)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化8】

(III)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0011】
別の実施形態において、本発明は、式(IV)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化9】

(IV)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、式(V)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化10】

(V)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、前記式の化合物(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)、またはその医薬上許容される塩に関する:
式中、Rは、ピペリジンおよびピペラジンから選択され、これらの各々は、所望により1回以上後記により置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;または所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;および
残りの置換基は上記に定義される。]。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、一般式(II)の化合物、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキル、特にエチルである;
R2およびR3は、互いに独立して、HまたはC-Cアルキル、特にHまたはメチルである;
Rは、5〜10個の環原子を有するヘテロシクリルを表し、ここで1〜4個の環原子はヘテロ原子(残余の環原子、即ち炭素である)であり、これらは所望により、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキルイミノ、C-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ、C-C-チオアルキル、C-C-アルケニルオキシ、C-C-アルキニルオキシ、ハロゲン、C-C-アルキルカルボニル、カルボキシ、C-C-アルコキシカルボニル、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルアミノカルボニル、ジ-C-C-アルキルアミノカルボニル、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル(C-C-アルキル)アミノ、ヒドロキシピロリジニル-カルボニル、例えば、3-ヒドロキシピロリジン-2-イル-カルボニル、C-C-アルキル-1H-テトラゾリル、例えば、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C-C-アルキルアミノスルホニルにより1〜4回置換されていてもよい、ここで前記炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ残基)の各々は、各々の出現時にアミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC-C-アルコキシ基から独立して選択される1以上の残基により置換されていてもよい;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0015】
別の実施形態において、本発明は、一般式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、5〜10個の環原子を有するヘテロシクリルを表し[ここで、1〜4個、特に1または2個の環原子はヘテロ原子(それ故に、残余の環原子が炭素である)である]、これらは所望により、後記により1〜2回以上置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;または所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;および
R4は、Hである。]。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、一般式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、5〜10個の環原子を有するヘテロシクリルを表し[ここで、1から4個、特に1または2個の環原子は、ヘテロ原子(それ故に、残余の環原子は炭素である)である]、これらは所望により後記により1〜2回置換されていてもよい:ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;および
R4は、Hである。]。
【0017】
別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0018】
別の実施形態において、本発明は、前記式の化合物(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、C-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、ピペリジンまたはピペラジンを表し、これは所望により、後記により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキルにより1〜2回置換されていてもよい:ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、または所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ;および
R4は、Hである。]。
【0019】
別の実施形態において、本発明は、前記式の化合物(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、ピペリジンまたはピペラジンを表し、これは所望により、ヒドロキシ、オキソ(=O)、またはモノC-Cアルキル-アミノにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキルによって1〜2回置換されていてもよい;および
R4は、Hである。]。
【0020】
別の実施形態において、本発明は、前記式の化合物(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、4-ピペリジニルまたは1-ピペラジニルを表し、これらは所望により、ヒドロキシ、オキソ(=O)、またはモノC-Cアルキル-アミノにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキルによって1〜2回置換されていてもよい;および
R4は、Hである。]。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、前記式の化合物(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、4-ピペリジニルまたは1-ピペラジニルを表し、これらは所望により、ヒドロキシ、オキソ(=O)、またはモノC-Cアルキル-アミノにより所望により1〜3回置換されていてもよいC-Cアルキルによって1回置換されていてもよい;および
R4は、Hである。]。
【0022】
別の実施形態において、本発明は、前記式の化合物(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、4-ピペリジニルまたは1-ピペラジニルを表し、これらは所望により、ヒドロキシ、オキソ(=O)、またはモノC-Cアルキル-アミノにより所望により1〜3回置換されていてもよいC-Cアルキルによって1回置換されていてもよい、但しC-CアルキルがN-原子に結合している場合には、C-Cアルキルは非置換ではあることはない;および
R4は、Hである。]。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物、例えば、前記式(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)の化合物、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
Rは、アゼチジン、ピペリジン、またはピペラジンを表し、これらの各々は所望により、後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;但し、アゼチジン、ピペリジン、またはピペラジンが、N原子で置換される場合には、該置換基は非置換C-Cアルキルではない。]。
【0024】
別の実施形態において、本発明は、前記式(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)の化合物、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中
R1は、C-Cアルキル、特にエチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
R4は、Hである;および
Rは、
【化11】

の群から選択される(式中*は、結合位置を表す)]。
【0025】
別の実施形態において、本発明は、前記式(II)、(III)、(IV)または(V)の化合物、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
R4は、水素である;および
Rは、後記から選択される、
【化12】

(式中、*は、結合場所を表す)]。
【0026】
別の実施形態において、本発明は、前記式(II)、(III)、(IV)または(V)の化合物、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
R4は、水素である;および
Rは、下記の群から選択される
【化13】

(式中*は、結合位置を表す)]。
【0027】
別の実施形態において、本発明は、前記式式(II)、または(III)の化合物、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
R4は、水素である;および
Rは、下記の群から選択される
【化14】

(式中*は、結合位置を表す)]。
【0028】
別の実施形態において、本発明は、特に、前記式(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)の化合物、またはその医薬上許容される塩に関し、
ここで該化合物は、下記の群から選択される:
4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-ピペリジン-4-オール、
4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-アゼチジン-3-オール、
3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペリジン-4-オール、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-ピペリジン-4-オール、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
(2S,4S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-メチル-ピペリジン-4-オール、
1-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-オン、
(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール、
1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノン、
[2-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-メチル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル、
((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール、
(S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-{4-[(E)-3-((S)-3-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
2-エチル-3-{4-[(E)-3-((S)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
2-アミノ-1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-エタノン、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-(4-{(E)-3-[4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン-1-イル]-プロペニル}-ベンジル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン、
(R)-2-ジメチルカルバモイル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
(S)-2-ジメチルアミノメチル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-((E)-3-ピペラジン-1-イル-プロペニル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
(S)-1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン、
(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン、
(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール、
(R)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-2-オール、
(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロペノン、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリロイル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロパン-1-オン、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピオニル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-N-ピペリジン-4-イルメチル-ベンズアミド、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(ピペリジン-4-イルメトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
{4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-ピペリジン-1-イル}-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン、
4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシルアミン、
(2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-カルボン酸 {4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシル}-アミド、
4-{2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチル}-ピペリジン-4-オール、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(2-ピペラジン-1-イル-エトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-3-{4-[2-((R)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-エトキシ]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-アゼチジン-3-オール、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-アゼチジン-3-イルアミン、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-イルアミン、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(4-ピペラジン-1-イルメチル-ピラゾール-1-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
((R)-4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(4-ピペラジン-1-イルメチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(5-ピペリジン-4-イル-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-シクロヘキシルアミン、
4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-シクロヘキシル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール、
1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノン、および
(S)-1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物、特に、前記式(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)、またはその医薬上許容される塩の化合物に関し、該化合物は、後記から選択される:
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-メチル-ピペリジン-4-オール、
3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール、
(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-{4-[(E)-3-(3-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
2-エチル-3-{4-[(E)-3-(3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン、
2-ジメチルカルバモイル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-ジメチルアミノメチル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン、
(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-(3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン、
(3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール、
1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ-[1,5-]-ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-2-オール、
{4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-ピペリジン-1-イル}-(3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン、
3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-カルボン酸 {4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシル}-アミド、
2-エチル-3-{4-[2-(3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-エトキシ]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
(4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール、および
1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン。
【0030】
本明細書で使用されるとおり、用語「ハロゲン」(またはハロ)は、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特にフッ素、塩素をさす。ハロゲン置換基および部分、例えば、ハロゲン(ハロアルキル)により置換されたアルキルは、モノ-、ポリ-または過ハロゲン化され得る。
【0031】
本明細書で使用されるとおり、用語「ヘテロ原子」は、窒素(N)、酸素(O)または硫黄(S)原子、特に窒素または酸素をさす。
【0032】
本明細書で使用されるとおり、用語「アルキル」は、20個までの炭素原子を有する完全な飽和分枝または非分枝炭化水素部分をさす。別段の記載がなければ、アルキルは、1〜16個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有する炭化水素部分をさす。アルキルの代表的な例示は、次のものに限定しないが、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシルなどを含む。置換アルキルは、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシ基から選択される1またはそれ以上、例えば、1、2または3の置換基を含有するアルキル基である。
【0033】
本明細書で使用されるとおり、用語「アルキレン」は、1〜20個の炭素原子を有する本明細書に規定されたとおりの二価アルキル基をさす。それは、1〜20個の炭素原子を含み、別段の定めがなければ、アルキレンは、1〜16個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有する部分をさす。アルキレンの代表的なものは、メチレン、エチレン、n-プロピレン、iso-プロピレン、n-ブチレン、sec-ブチレン、iso-ブチレン、tert-ブチレン、n-ペンチレン、イソペンチレン、ネオペンチレン、n-ヘキシレン、3-メチルヘキシレン、2,2- ジメチルペンチレン、2,3-ジメチルペンチレン、n-ヘプチレン、n-オクチレン、n-ノニレン、n-デシレンなどを包含するが、これらに限定されない。
【0034】
置換アルキレンは、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシ基から選択される1またはそれ以上、例えば、1、2または3の置換基を含有するアルキレン基である。
【0035】
本明細書で使用されるとおり、用語「ハロアルキル」は、本明細書に規定されたとおりの1以上のハロ基により置換される本明細書に規定されたとおりのアルキルをさす。ハロアルキルは、過ハロアルキルを包含するモノハロアルキル、ジハロアルキルまたはポリハロアルキルであり得る。モノハロアルキルは、該アルキル基内の1つのヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロを有し得る。ジハロアルキルおよびポリハロアルキル基は、該アルキル内の2またはそれ以上の同じハロ原子または異なるハロ基の組合せを有し得る。通常、ポリハロアルキルは、12まで、または10、または8、または6、または4、または3、または2までのハロ基を含有する。ハロアルキルの非限定的な例示には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルを包含する。過ハロアルキルは、ハロ原子で置換された全ての水素原子を有するアルキルをさす。
【0036】
本明細書で使用されるとおり、用語「アルコキシ」は、アルキル-O-(ここで、アルキルは、上記した本明細書に定義されるものである)をさす。アルコキシの代表的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ-、シクロヘキシルオキシ-などを包含するが、これに限定するものではない。通常、アルコキシ基は、1-16、1-10、1-7、より好ましくは 1-4個の炭素原子を有する。
【0037】
置換アルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシ基から選択される1またはそれ以上、例えば、1、2または3の置換基を含有するアルコキシ基である。
【0038】
同様に、「アルキルアミノカルボニル(crabonyl)」、「アルコキシアルキル」、「アルコキシカルボニル」、「アルコキシ-カルボニルアルキル」、「アルキルスルホニル」、「アルキルスルホキシル」、「アルキルアミノ」、「ハロアルキル」のようなその他の基の各アルキル部分は、「アルキル」の上記規定に記述したとおりの同じ意味を有する。
【0039】
本明細書で使用されるとおり、用語「シクロアルキル」は、3-12個の炭素原子の飽和または不飽和単環式、二環式、三環式またはスピロ環炭化水素基をさす。別段の定めがなければ、シクロアルキルは、3から9個の環炭素原子または3から7個の環炭素原子を有する環式炭化水素基をさす。
【0040】
置換シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキルイミノ、C-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ、C-C-チオアルキル、C-C-アルケニルオキシ、C-C-アルキニルオキシ、ハロゲン、C-C-アルキルカルボニル、カルボキシ、C-C-アルコキシカルボニル、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルアミノカルボニル、ジ-C-C-アルキルアミノカルボニル、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル(C-C-アルキル)アミノ、ヒドロキシピロリジニル-カルボニル、例えば、3-ヒドロキシピロリジン-2-イル-カルボニル、C-C-アルキル-1H-テトラゾリル、例えば、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C-C-アルキルアミノスルホニルからなる群から選択される1、または2、または3、または4、またはそれ以上の置換基により置換されたシクロアルキル基であり、ここで前記炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ残基)の各々は、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC-C-アルコキシ基から、各々出現時に独立して選択される1以上の残基によりさらに置換されていてもよい。単環式炭化水素基の例示としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどを包含するが、これらに限定するものではない。二環式炭化水素基の例示には、ボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどを包含する。三環式炭化水素基の例示には、アダマンチルなどを包含する。
【0041】
同様に、「シクロアルキルオキシ」、「シクロアルコキシアルキル」、「シクロアルコキシカルボニル」、「シクロアルコキシ-カルボニルアルキル」、「シクロアルキルスルホニル」、「ハロシクロアルキル」のような他の各シクロアルキル部分は、「アルキル」の上記規定に記述したとおりの同じ意味を有する。
【0042】
本明細書で使用されるとおり、用語「アリール」は、6〜20個の炭素原子を有する芳香族性炭化水素基をさす。通常、アリールは、6〜20個の炭素原子を有する単環式、二環式または三環式アリールである。さらに、本明細書で使用されるとおり用語「アリール」は、一緒に縮合される一つの芳香環または複数の芳香環であり得る芳香族の置換基をさす。非限定的な例示には、フェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチルを包含する。
【0043】
置換アリールは、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、C-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ、C-C-チオアルキル、C-C-アルケニルオキシ、C-C-アルキニルオキシ、ハロゲン、C-C-アルキルカルボニル、カルボキシ、C-C-アルコキシカルボニル、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルアミノカルボニル、ジ-C-C-アルキルアミノカルボニル、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル(C-C-アルキル)アミノ、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C-C-アルキルアミノスルホニルからなる群から独立して選択される1〜5(例えば、1、2、または3)の置換基により置換されたアリール基であり、前記炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ残基)は、出現時に、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC-C-アルコキシ基から独立して選択される1以上の残基によりさらに置換され得る。
【0044】
同様に、「アリールオキシ」、「アリールオキシアルキル」、「アリールオキシカルボニル」、「アリールオキシ-カルボニルアルキル」のような他の基の各アリール部分は、「アリール」の上記定義に記述したものと同じ意味を有する。
【0045】
本明細書で使用されるとおり、用語「ヘテロシクリル」は、飽和または部分的飽和であり、好ましくは単環式または多環式環(多環式環の場合には、特に二環式、三環式またはスピロ環)であり;そして、3〜24、より好ましくは4〜16、さらに好ましくは5〜10および最も好ましくは5または6の環原子を有する複素環基を指す;ここで、1またはそれ以上の、好ましくは1〜4の、特に1または2の環原子は、ヘテロ原子である(それ故に、残余の環原子は炭素である)。結合環(すなわち、分子に結合している環)は、好ましくは4〜12の、特に5〜7の環原子である。用語「ヘテロシクリル」は、ヘテロアリールを除外する。複素環基は、ヘテロ原子または炭素原子にて結合され得る。ヘテロシクリルは、縮合環または架橋環ならびにスピロ環を包含できる。複素環の例示は、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4-ジオキサン、モルホリン、1,4-ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3-ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3-ジオキサン、1,3-ジチアン、オキサチアン、チオモルホリンなどを含む。
【0046】
置換されたヘテロシクリルは、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキルイミノ、C-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ、C-C-チオアルキル、C-C-アルケニルオキシ、C-C-アルキニルオキシ、ハロゲン、C-C-アルキルカルボニル、カルボキシ、C-C-アルコキシカルボニル、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルアミノカルボニル、ジ-C-C-アルキルアミノカルボニル、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル(C-C-アルキル)アミノ、ヒドロキシピロリジニル-カルボニル、例えば、3-ヒドロキシピロリジン-2-イル-カルボニル、C-C-アルキル-1H-テトラゾリル、例えば、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C-C-アルキルアミノスルホニルから独立して選択される1〜4、例えば、1、または2、または3、または4個の置換基により置換されるヘテロシクリル基であり、ここで前記炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ残基)の各々は、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC-C-アルコキシ基から出現時に独立して選択される1以上の残基により、さらに置換され得る。
【0047】
同様に、「ヘテロシクリルオキシ」、「ヘテロシクリルオキシアルキル」、「ヘテロシクリルオキシカルボニル」のような他の基の各ヘテロシクリル部分は、「ヘテロシクリル」の上記定義に記述したものと同じ意味を有する。
【0048】
本明細書で使用されるとおり、用語「ヘテロアリール」は、1〜8個のヘテロ原子を有する5〜14員単環式または二環式または三環式芳香環系をさす。通常、ヘテロアリールは、5〜10員環系(例えば、5〜7員単環または8-10員二環)または5〜7員環系である。通常、ヘテロアリール基は、2-または3-チエニル、2-または3-フリル、2-または3-ピロリル、2-、4-、または5-イミダゾリル、3-、4-、または5-ピラゾリル、2-、4-、または5-チアゾリル、3-、4-、または5-イソチアゾリル、2-、4-、または5-オキサゾリル、3-、4-、または5-イソオキサゾリル、3-または5-1,2,4-トリアゾリル、4-または5-1,2、3-トリアゾリル、テトラゾリル、2-、3-、または4-ピリジル、3-または4-ピリダジニル、3-、4-、または5-ピラジニル、2-ピラジニル、および 2-、4-、または5-ピリミジニルを包含する。
【0049】
また、用語「ヘテロアリール」は、該ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香環上に存在する場合、1以上のアリール、シクロ脂肪族、またはヘテロシクリル環と縮合されるヘテロ芳香環内の基をさす。非限定的な例示には、1-、2-、3-、5-、6-、7-、または8- インドリジニル、1-、3-、4-、5-、6-、または7-イソインドリル、2-、3-、4-、5-、6-、または7-インドリル、2-、3-、4-、5-、6-、または7-インダゾリル、2-、4-、5-、6-、7-、または8-プリニル、1-、2-、3-、4-、6-、7-、8-、または9-キノリジニル、2-、3-、4-、5-、6-、7-、または8-キノリニル、1-、3-、4-、5-、6-、7-、または8-イソキノリニル、1-、4-、5-、6-、7-、または8-フタルアジニル、2-、3-、4-、5-、または 6-ナフチリジニル、2-、3- 、5-、6-、7-、または8-キナゾリニル、3-、4-、5-、6-、7-、または8-シンノリニル、2-、4-、6-、または7-プテリジニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、または8-4aHカルバゾリル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、または8-カルバゾリル、1-、3-、4-、5-、6-、7-、8-、または9-カルボリニル、1-、2-、3-、4-、6-、7-、8-、9-、または10-フェナンスリジニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-、または9-アクリジニル、1-、2-、4-、5-、6-、7-、8-、または9-パーイミジニル、2-、3-、4-、5-、6-、8-、9-、または10-フェナンスロリニル(phenathrolinyl)、1-、2-、3-、4-、6-、7-、8-、または9-フェナジニル、1-、2-、3-、4-、6-、7-、8-、9-、または10-フェノチアジニル、1-、2-、3-、4-、6-、7-、8-、9-、または10-フェノキサジニル、2-、3-、4-、5-、6-、またはl-、3-、4-、5-、6-、7-、8-、9-、または10-ベンズイソキノリニル、2-、3-、4-、またはチエノ[2,3-b]フラニル、2-、3-、5-、6-、7-、8-、9-、10-、または11-7H-ピラジノ[2,3-c]カルバゾリル、2-、3-、5-、6-、または7-2H- フロ[3,2-b]-ピラニル、2-、3-、4-、5-、7-、または8-5H-ピリド[2,3-d]-o-オキサジニル、1-、3-、または5-1H-ピラゾロ[4,3-d]-オキサゾリル、2-、4-、または5-4H-イミダゾ[4,5-d] チアゾリル、3-、5-、または8-ピラジノ[2,3-d]ピリダジニル、2-、3-、5-、または6- イミダゾ[2,1-b]チアゾリル、1-、3-、6-、7-、8-、または9-フロ[3,4-c]シンノリニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、8-、9-、10、または11-4H-ピリド[2,3-c]カルバゾリル、2-、3-、6-、または7-イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジニル、7-ベンゾ[b]チエニル、2-、4-、5-、6-、または7-ベンゾキサゾリル、2-、4-、5-、6-、または7-ベンズイミダゾリル、2-、4-、4-、5-、6-、または7-ベンゾチアゾリル、1-、2-、4-、5-、6-、7-、8-、または9-ベンズオキサピニル、2-、4-、5-、6-、7-、または8-ベンゾキサジニル、1-、2-、3-、5-、6-、7-、8-、9-、10-、または11-1H-ピロロ[1,2-b][2]ベンズアザピニルが含まれる。通常、縮合ヘテロアリール基には、2-、3-、4-、5-、6-、7-、または8-キノリニル、1-、3-、4-、5-、6-、7-、または8-イソキノリニル、2-、3-、4-、5-、6-、または7-インドリル、2-、3-、4-、5-、6-、または7-ベンゾ[b]チエニル、2-、4-、5- 、6-、または7-ベンゾキサゾリル、2-、4-、5-、6-、または7-ベンズイミダゾリル、および2-、4-、5-、6-、または7-ベンゾチアゾリルを包含するが、これに限定するものではない。
【0050】
置換ヘテロアリールは、後記から選択される1以上の置換基を含有するヘテロアリール基である;ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、C-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ、C-C-チオアルキル、C-C-アルケニルオキシ、C-C-アルキニルオキシ、ハロゲン、C-C-アルキルカルボニル、カルボキシ、C-C-アルコキシカルボニル、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルアミノカルボニル、ジ-C-C-アルキルアミノカルボニル、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル(C-C-アルキル)アミノ、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C-C-アルキルアミノスルホニル、ここで前記炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ残基)の各々が、各出現時にハロゲン、ヒドロキシルまたはC-C-アルコキシ基から独立して選択される1以上の残基によりさらに置換されていてもよい。
【0051】
同様に、「ヘテロアリールオキシ」、「ヘテロアリールオキシアルキル」、「ヘテロアリールオキシカルボニル」のような他の基の各ヘテロアリール部分は、「ヘテロアリール」の上記規定に記述されたものと同じ意味を有する。
【0052】
本明細書で使用されるとおり、用語「異性体」は、同じ分子式を有するが、原子の配列および配置が異なる別の化合物を意味する。また、本明細書で使用されるとおり、用語「光学異性体」または「立体異性体」は、本発明の得られる化合物として存在でき、幾何異性体を含む多様な立体異性配置のいずれかををさす。置換基がキラル中心の炭素原子に結合し得ることは当然であることは理解される。用語「キラル」は、鏡像体の対にて重ね合わせることができない性質を有する分子をさし、用語「アキラル」は、鏡像体の対にて重ね合わせることができる分子をさす。それ故に、本発明は、本化合物のエナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。「エナンチオマー」は、互いに重なり合わない鏡像である一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。この用語は、適切である場合にはラセミ混合物を指定するために使用する。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対的立体化学は、カーン・インゴールド・プレローグR-Sシステムに従い特定される。化合物が純粋エナンチオマーであるとき、各キラル炭素での立体化学はRまたはSにより特定され得る。絶対配置が未知である分割された化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)により(+)または(-)に指定できる。本明細書に記載する特定の化合物は、1個以上の不斉中心を有し、それ故に、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学の点で(R)-または(S)-と定義し得る他の立体異性形態を生じ得る。
【0053】
出発物質および方法の選択によって、該化合物は、対称的な炭素原子の数に拠って、可能な異性体またはその混合物、例えば、純粋な光学異性体、または異性体混合物として、例えば、ラセミ化合物およびジアステレオ異性体混合物のうちの一つの形態で存在できる。本発明は、ラセミ混合物、ジアステレオマー混合物および光学的に純粋な形態を含む、全てのかかる可能な異性体を含むことを意図する。光学活性(R)-および(S)-異性体は、キラルシントンまたはキラル反応材を使用してまたは慣用法による分割により製造できる。化合物が二重結合を含むとき、置換基はEまたはZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むとき、シクロアルキル置換基はcis-またはtrans-配置を有し得る。全ての互変異性体が含まれることも意図する。
【0054】
本明細書で使用されるとおり、用語「塩」または「塩類」は、発明の化合物の酸付加塩または塩基付加塩をさす。「塩」は、特に「医薬上許容し得る塩」である。用語「医薬上許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、典型的に生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない、塩類を意味する。多くの場合、本発明の化合物は、アミノおよび/またはカルボキシル基またはそれに類する基の存在により、酸および/または塩基塩類を形成できる。
【0055】
医薬上許容し得る酸付加塩類は、無機酸類および有機酸類と形成でき、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、ブロマイド/ヒドロブロマイド、ビカーボネート/カーボネート、ビスルフェート/スルフェート、カンファースルホン酸塩、クロライド/ヒドロクロライド、クロルテオフィロネート(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/水素リン酸塩/二水素リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩である。
【0056】
塩類を生じ得る無機酸類は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。
【0057】
塩類を生じ得る有機酸類は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸およびスルホサリチル酸などを含む。医薬上許容し得る塩基付加塩類は無機および有機塩基と共に形成できる。
【0058】
塩類生じ得る無機塩基は、例えば、アンモニウム塩および周期表のIからXII欄までの金属を含む。ある実施態様では、塩類は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛および銅に由来する;特に適切な塩類はアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を含む。
【0059】
塩類を生じ得る有機塩基は、例えば、1級、2級および3級アミン、自然に存在する置換アミンを含む、置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含む。ある種の有機アミンは、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンを含む。
【0060】
本発明の医薬上許容し得る塩類は、慣用の化学法により塩基性または酸性基により合成できる。一般に、かかる塩類は、化学量論量の適切な塩基(例えばNa、Ca、MgまたはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)とこれらの化合物の遊離酸形態とを反応させることにより、または適切な化学量論量の酸とこれらの化合物の遊離塩基形態とを反応させることにより製造することができる。かかる反応は、典型的に水または有機溶媒中またはこれら2種の混合物中で行う。一般的に、実行可能であるとき、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適当な塩類のさらなる一覧は、例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences", 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985); および"Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use" by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見ることができる。
【0061】
本明細書に記載したいずれの式も、該化合物の非標識形態ならびに同位体標識形態も表わすことが意図される。同位体標識化合物は、1個以上の原子が選択された原子質量または質量数を有する原子で置換されている以外、本明細書に示す式により表される構造を有する。本発明の化合物に統合できる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、亜リン酸、フッ素、および塩素の同位体、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、1831P、32P、35S、36Cl、125Iを含む。本発明は、ここで定義した種々に同位体標識された化合物、例えば、H、13Cおよび14Cのような放射性同位体が存在するものを含む。かかる同位体標識された化合物は、代謝試験(14Cで)、反応動態試験(例えば、2HまたはHで)、薬物または基質組織分布アッセイおよび患者の放射活性処置における検出または造影法、例えば陽電子放出断層撮影(PET)または単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)に有用である。特に、18Fまたは標識化合物は、PETまたはSPECT試験に特に望ましい。同位体標識された本発明の化合物は、一般的に、先に用いた非同位体標識試薬の代わりに好適な同位体標識試薬を用いて、当業者には既知の従来技術によるか、または下記のスキームまたは実施例および製造に記述した方法と類似の方法により製造できる。
【0062】
さらに、重い同位体、特に、重水素(すなわち、HまたはD)での置換は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療上の利点、例えば、インビボの半減期の増加または必要用量減少または治療係数の改善をもたらし得る。この文脈において重水素が本発明の化合物の置換基と見なされることは理解される。かかる重い同位体(特に重水素)の濃度は同位体富化指数により定義されてもよい。本明細書で使用されるとおり用語「同位体富化指数」は、特定の同位体の同位体量と天然量の比を意味する。本発明の化合物における置換基が重水素と指定されているならば、かかる化合物は、各指定された重水素原子について、少なくとも3500(各指定された重水素原子について52.5%重水素取り込み)、少なくとも4000(60%重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%重水素取り込み)、少なくとも5000(75%重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%重水素取り込み)、少なくとも6000(90%重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%重水素取り込み)、少なくとも6600(99%重水素取り込み)または少なくとも6633.3(99.5%重水素取り込み)の同位体富化指数を有する。
【0063】
本発明の医薬上許容し得る溶媒和物は、結晶化溶媒が同位体置換されていてよい、例えば、DO、d-アセトン、d-DMSOであるものを含む。
【0064】
水素結合のドナーおよび/またはアクセプターとして作用できる基を含む本発明の化合物は、好適な共結晶形成剤と共結晶を形成できる。これらの共結晶は、既知の共結晶形成法により製造できる。かかる方法は、粉砕、加熱、共昇華、共融解、または、共結晶形成剤の結晶化条件下での接触、およびそれにより形成された共結晶の単離を含む。好適な共結晶形成剤は、WO 2004/078163に開示されたものを含む。従って、本発明は、本発明の化合物を含む共結晶をさらに提供する。
【0065】
本明細書で使用されるとおり、用語「医薬上許容し得る担体」は、当業者には既知のとおり、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩類、防腐剤、薬物、薬物安定化剤、結合剤、添加物、崩壊剤、滑剤、甘味剤、風味剤、色素、そのような物質およびそれらの組合せを含む(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329参照)。何らかの慣用の担体が有効成分と不適合ではない限り、治療組成物または医薬組成物におけるその使用が意図される。
【0066】
本発明の化合物の「治療有効量」なる用語は、対象の生物学的または医学的応答、例えば、酵素またはタンパク質活性の低下または阻害または症状の改善、症状の軽減、疾患進行減速または遅延または疾患予防などを生じさせる本発明の化合物の量を意味する。限定を意図しない一つの態様において、用語「治療有効量」は、対象に投与したとき、(1)(i)GPR4により媒介されるか、または(ii)GPR4活性と関連するか、または(iii)GPR4の活性(正常または異常)を特徴とする、障害または疾患の症状を少なくとも部分的に改善、阻害、予防および/または軽減する;または(2)GPR4活性を低減するかまたは阻害する;または(3)GPR4の発現を低減または阻害する、ために有効な本発明の化合物の量を意味する。限定を意図しない他の態様において、用語「治療有効量」は、細胞または組織または非細胞性生物学的物質または培地に添加したとき、GPR4の活性を少なくとも一部低下または阻害するのに、またはGPR4の発現を部分的に低下または阻害するのに有効な本発明の化合物の量を意味する。
【0067】
本明細書で使用されるとおり、用語「対象」は、動物を意味する。典型的に動物は哺乳動物である。対象はまた、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類などを含む。ある実施形態において、対象は霊長類である。さらに別の態様において、対象はヒトである。
【0068】
本明細書で使用されるとおり、用語「本発明の化合物」は、式(I)、(I’)、(I’’)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)の定義の化合物をさす。
【0069】
本明細書で使用されるとおり、用語「阻害する」、「阻害」または「阻害すること」は、所定の状態、症状または障害または疾患の低減または抑制または生物学的活性または過程のベースライン活性の顕著な減少をさす。
【0070】
本明細書で使用されるとおり、任意の疾患または障害を「処置する」、「処置すること」または「処置」なる用語は、一実施形態において、疾患または障害を緩和すこと(すなわち、疾患または少なくとも1つのその臨床的症状の進行を遅延または停止または低減すること)である。別の実施形態において、「処置する」、「処置すること」または「処置」とは、患者が自覚できない可能性のあるものを含む身体パラメータの少なくとも一つの低減または改善を意味する。さらに他の実施形態において、「処置する」、「処置すること」または「処置」は、疾患または障害を身体的に(例えば、自覚症状の安定化)、生理学的に(例えば、身体パラメータの安定化)またはその両方で調節することを意味する。さらに他の実施形態において、「処置」、「処置すること」または「処置する」は、疾患または障害の発病または発症または進行の予防または遅延をいう。
【0071】
本明細書で使用されるとおり、かかる処置により生物学的、医学的またはクオリティ・オブ・ライフにおける利益を受けるならば、対象は「処置を必要とする」。
【0072】
本明細書で使用されるような単数表現の冠詞および本発明、特に特許請求の範囲の文脈で使用される類似の用語は、ここで特に断りのない限り、または明らかに文脈から矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含することを意図する。
【0073】
本明細書に記載する全ての方法は、ここに断らない限り、または文脈から明らかに矛盾しない限り、任意の適当な順番で実施できる。ここに提供する任意のおよび全ての実施例、または例示的用語、例えば「のような」は、単に本発明をより良く説明することを意図し、それ以外に請求された本発明の範囲を限定するものではない。
【0074】
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミ体またはエナンチオマー的に富化された、例えば(R)-、(S)-または(R,S)-配置で存在し得る。ある実施形態において、各不斉原子は、(R)-または(S)-配置で少なくとも50%エナンチオマー過剰、少なくとも60%エナンチオマー過剰、少なくとも70%エナンチオマー過剰、少なくとも80%エナンチオマー過剰、少なくとも90%エナンチオマー過剰、少なくとも95%エナンチオマー過剰または少なくとも99%エナンチオマー過剰を有する。不飽和結合を有する原子での置換基は、可能であれば、cis-(Z)-またはtrans-(E)-形態で存在する。
【0075】
従って、本明細書で使用されるとおり、本発明の化合物は、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体またはその混合物の一つの形態、例えば、実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはその混合物の形態であり得る。
【0076】
得られるあらゆる異性体混合物を、構成成分の物理化学の相違点に基づいて、純粋または実質的に純粋な幾何異性体または光学異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体に、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分割できる。
【0077】
最終生成物または中間体の得られる任意のラセミ体は、既知方法により、例えば、光学活性酸または塩基と共に得たそのジアステレオマー塩類を分割し、光学活性酸性または塩基性化合物を遊離させることにより、光学アンチポードに分割できる。特に、塩基性部分をこのように用いて、例えば、光学活性酸(例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ-O,O’-p-トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー-10-スルホン酸)と共に形成された塩の分別結晶により本発明の化合物をその光学アンチポードに分割し得る。ラセミ体生成物を、キラル吸着剤を使用したキラルクロマトグラフィー、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によっても分割できる。
【0078】
さらに、本発明の化合物(その塩類を含む)は、その水和物の形でも得ることができるか、またはそれらの結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。本発明の化合物は固有にまたは設計により、医薬上許容し得る溶媒(水を含む)と溶媒和物を形成し得る;それ故、本発明は溶媒和されたおよび溶媒和されていない両方の形態を含むことを意図する。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物(医薬上許容し得るその塩類を含む)と1個以上の溶媒分子の分子複合体を意味する。かかる溶媒分子は、医薬分野で一般的に使用され、受け手に無毒であることが知られた、例えば、水、エタノールなどである。用語「水和物」は、溶媒分子が水であるときの複合体をいう。
【0079】
本発明の化合物は、その塩類、水和物および溶媒和物を含み、固有にまたは設計により多形を形成し得る。
【実施例】
【0080】
本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、概説したような下記反応順により製造できる。一実施形態において、一般的に購入し得る好適に置換されたフェニルプロピオニトリルを、例えば好適なエステルR1COOC1-6アルキルと反応させて、中間体(1)を形成させて、これを例えば加熱下でヒドラジンと反応させて、アミノピラゾール中間体(2)を形成させ、これを好適に置換されたジケトンと反応させて、中間体(3)を形成させることにより、中間体3を形成する。
【化15】
【0081】
中間体(3)を、多くの基質と便宜的に反応させて、本発明の化合物、例えば、中心のトリアゾロ-、オキサジアゾロ-、イミダゾメチレン-、ビニル-、またはアリル-リンカー(x=1として)などを担持する化合物(これは、一般式(III)に関する本発明の化合物を提供する)を形成させてもよい。
【0082】
一般式(III)の化合物を、触媒の存在または非存在下で、例えば水素と便宜的に反応させて、以下に示した一般式(V)の化合物を提供してもよい:
【化16】
【0083】
また、中間体(3)を、その他の反応体と反応させて、ヒドラジン中間体(15)(下記スキームを参照されたい)を提供し、これを、例えばアクリレートと好適に反応させて反応させて、イミダゾール中間体(16)を形成させ、次いで好適な活性化ラジカルRと反応させて、一般式(IV)の化合物を得る。
【化17】
【0084】
ピラゾロピリミジン部分を合成するための別の経路を、下記スキームに示す。特別な変換を、反応スキーム6に示し、特定の例示と共に一般的な工程を説明する。活性化されたニトリル(24)を、所望により置換されたベンズアルデヒドとシアノケトン(23)との縮合反応により得た。中間体(24)の水素化により、得られるケトニトリル(25)を、好適なジケトンと反応させて、閉環した中間体(27)を提供し、これを便宜的にヒドラジド誘導体(29)に変換し得る。中間体(27)および(29)を、さらに様々な本発明の化合物を得るために反応させてもよい、即ち実験の章で示す。
【化18】
【0085】
中間体(29)は、一般式IIの発明の化合物を製造するために、特に有用である。例えば、中間体(29)を、式RCOOH(式中、Rは、上記定義を表す)の好適なカルボン酸と、例えばカップリング条件下に、例えばHOBT/ EDCと反応させて、共役ヒドラゾン(以下に図示したとおり)を提供し、次いでこれを、例えば塩化トシルと、例えば、有機塩基の存在において、閉環化合物、即ち一般式IIのオキサジアゾール化合物とする。
【化19】
【0086】
実験の章
略語:
【表1】
【0087】
H-NMRスペクトルを、Varian GeminI 500 MHz NMR分光計で記録した。有意なピークを順にまとめた:多重度(s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;br、広幅)およびプロトンの数。エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量スペクトルを、Hewlett Packard 5989A 質量分光計上で記録した。質量スペクトル分析法の結果を、電荷質量比として報告した。分取HPLC精製を、溶出系としてアセトニトリル/水またはMeOH/水を用いて、XTerraTM RP18 19x150mM カラムにより行った。これらの実施例にて使用される全ての試薬、出発物質および中間体は、販売供給元から入手できるか、または当業者には既知の方法により容易に製造される。
【0088】
ピラゾロピリミジン構成要素の合成
反応スキーム1:
【0089】
3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(3)の合成
【化20】

(1)工程A:2-(4-ブロモ-ベンジル)-3-オキソ-ペンタンニトリル(1)
トルエン(81 ml、139 mmol)中のカリウム tert.ペンチレートの1.7 M 溶液を、室温でTHF(200 ml)中の3-(4-ブロモ-フェニル)-プロピオニトリル(9.70 g、46.2 mmol)の溶液に滴加し、続いてプロピオン酸エチル(18.9 ml、185 mmol)を添加した。攪拌を20分間継続させた。該反応混合物を、1N 塩酸を注意深く添加して急冷させ、酢酸エチルで抽出した。該有機層を、水および塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン3:7)により精製して、黄色油として1を得た。
MS(ESI):283 [M+NH4]、264 [M−H]-1H-NMR(DMSO-d6、500 MHz、121℃)δ(ppm):7.48(d、2H)、7.21(d、2H)、3.23(br s、2H)、2.84(br、1H)、2.61(br、2H)、1.08(t、3H).
【0090】
(2)工程B:4-(4-ブロモ-ベンジル)-5-エチル-2H-ピラゾール-3-イルアミン(2)
エタノールおよび酢酸の1:1混合物(35 ml)中の2-(4-ブロモ-ベンジル)-3-オキソ-ペンタンニトリル(1、10.4 g、39.1 mmol)およびヒドラジン水和物(1.9 ml、39.1 mmol)の混合物を、ミクロウェーブ反応器中にて140℃で15分間加熱した。冷却後に、反応混合物を、酢酸エチルで希釈して、飽和重炭酸ナトリウム、続いて塩水により数回洗浄した。該有機層を、NaSO上で乾燥させて、蒸発させ、2およびそのN-アセトアミドの混合物を得た。後者を2に変換するために、該粗生成物を、1N 水酸化ナトリウムにとり、N-アセトアミドがLC-MS(10-20分間)により検出できなくなるまで、マイクロウェーブ反応器中で160℃に加熱した。反応混合物を、酢酸エチルで抽出して、該有機層を、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させて、蒸発させて、白色粉末として2を得て、これをさらなる精製なしに次の工程で使用した。
MS(ESI):280[M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.41(d、2H)、7.11(d、2H)、3.56(s、2H)、2.34(q、2H)、1.90(s、2H)、0.99(t、3H).
【0091】
(3)工程C:3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(3)
ジオキサンおよびトリフルオロ酢酸1:1の混合物(120 ml)を、4-(4-ブロモ-ベンジル)-5-エチル-2H-ピラゾール-3-イルアミン(2)(7.9 g、28.2 mmol)の溶液に、室温でアセチルアセトン(2.9 ml、28.2 mmol)を添加して、反応混合物を、終夜攪拌した。該混合物を、飽和重炭酸ナトリウムを用いて中和して、酢酸エチルで抽出し、NaSO上で乾燥させて、乾燥状態まで蒸発させて、オフホワイト固体として3を得て、これをさらなる精製なしに次の工程で使用した。
MS(ESI):344[M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.41(d、2H)、7.12(d、2H)、6.75(s、1H)、3.99(s、2H)、2,67(q、2H)、2,64(s、3H)、2.50(s、3H)、1.12(t、3H).
【0092】
反応スキーム2:
【化21】

(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロペナール(7)の合成
【化22】

(1)工程A:(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリル酸メチルエステル(4)
3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(3)(525 mg、1.47 mmol)を、アクリル酸メチル(264 ul、2.93 mmol)、ジシクロヘキシル-メチルアミン(622 ul ml、2.93 mmol)、およびPd(PtBu(15 mg、0.03 mmol)の添加後、ジオキサン(15 ml)に溶解した。該混合物を、5分間130℃でマイクロ波オーブン内にて加熱した。次いで、該混合物を、減圧下でエバポレートした。該残渣を、酢酸エチルで希釈して、飽和NaHCOおよびNaCl溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。蒸発により、黄色固体を得た。該粗生成物を、ジエチルエーテルからの再結晶により精製して、無色固体を得た。
MS(ESI):350[M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.62(s、1H)、7.59(d、2H)、7.23(d、2H)、6.76(s、1H)、6.53(d、1H)、4.1(s、2H)、3.7(s、3H)、3.3(s、6H)、2.65(q、2H),1.15(t、3H).
【0093】
(2)工程B:(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロパ-2-エン-1-オール(6)
(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリル酸メチルエステル(4)(780 mg、2.3 mmol)を、ジクロロメタン(23 ml)に溶解して、-78℃に冷却した。
ジクロロメタン(5.8 ml、7 mmol)中のDIBAHの1.2M溶液を滴加した。該混合物を、3h(TLCコントロール)、-78℃で攪拌した。次いで、該混合物を、水を用いて急冷して、蒸発させた。該残渣を、酢酸エチルで希釈して、水およびNaCl溶液で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(酢酸エチル/ヘキサン(1:1)、シリカゲル)、無色油を得た。
MS(ESI):322 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.27(d、2H)、7.11(d、2H)、6.73(s、1H)、6.45(d、1H)、6.25(dt、1H)、4.8(t、1H)、4.08(m、2H)、4.0(s、2H)、2.65(q、2H)、2.6(s、3H)、2.45(s、3H)、1.1(t、3H).
【0094】
(3)工程C:(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロペナール(7)
(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロパ-2-エン-1-オール(6)(650 mg、2.02 mmol)を、アセトニトリル(20 ml)に溶解した。MnO(1.76 g、20.2 mmol)を添加して、黒色の懸濁液を、2.5時間室温で加熱した。反応混合物を、セライト上で濾過し、アセトニトリルで洗浄した。該濾液を、蒸発させて、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、EtOAc/cHex(0-40%)肌色の粉末を得た。
MS(ESI):320 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):9.67(d、1H)、7.46(d、1H)、7.44(d、2H)、7.31(d、2H)、6.67(dd、1H)、6.49(s、1H)、4.20(s、2H)、2.74(q、2H),2.72(s、3H)、2.57(s、3H)、1.21(t、3H).
【0095】
(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリル酸(5)の合成
(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリル酸メチルエステル(4)(2.94 g、8.4 mmol)を、THF(25 ml)に溶解して、1M LiOH(25ml)を添加した。反応混合物を、終夜室温で攪拌した。次いで、0.5M HClを、pH3.5に達するまで添加した。該混合物を、EtOAcで抽出して、該有機層を、塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させた。蒸留後、該生成物を、EtOAcからの再結晶により精製して、白色固体を得た。
MS(ESI):336 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):12.3(s、1H)、7.55(d、2H)、7.52(d、1H)、7.25(d、2H)、6.78(s、1H)、6.45(d、1H)、4.08(s、2H)、2.68(q、2H)、2.5(s、3H)、2.48(s、3H)、1.12(t、3H).
【0096】
反応スキーム3:
【化23】
【0097】
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノール(8)の合成
水酸化カリウム(1.96g、34.9 mmol)を、アルゴン通気したジオキサンおよび水の1:1 混合物(30 ml)に溶解した。3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(3)(4g、11.62 mmol)、Pd(dba)(426 mg、0.465 mmol)、およびテトラメチルキサントホス(894 mg、1.859 mmol)の添加後、該混合物を、アルゴンで通気して、1時間100℃で攪拌した。次いで、該混合物を、1N HClで処理し、酢酸エチルで抽出した。この合わせた有機層を、塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、蒸発させて、クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/n-ヘプタン)により精製して、黄色固体を得た。
MS(ESI):282 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):9.15(s、1H)、7.03(d、2H)、6.78(s、1H)、6.68(d、2H)、3.97(s、2H)、2.7(q、2H)、4.20(s、2H)、2.74(q、2H)、2.65(s、3H)、2.55(s、3H)、1.2(t、3H).
【0098】
[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-酢酸メチルエステル(9)の合成
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノール(8)(1g、3.55 mmol)を、THF (30 ml)に溶解して、NaH(無機油中60%、0.171 g、4.27 mmol)の添加後に、該混合物を20分間室温で攪拌した。次いで、メチル 2-ブロモアセテート(0.382 ml、3.91 mmol)を添加して、該混合物を、16時間室温で攪拌した。該混合物を、HOを用いて反応停止させた。該混合物を濃縮した。該残渣を、酢酸エチルで希釈して、水およびNaCl溶液で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該粗生成物を、さらなる精製なしに次の工程で使用した。
MS(ESI):354 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):7.09(d、2H)、6.8(d、2H)、6.75(s、1H)、4.7(s、2H)、3.97(s、2H)、3.68(s、3H)、2.68(q、2H)、2.62(s、3H)、2.50(s、3H)、1.15(t、3H).
【0099】
2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エタノール(10)の合成
[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-酢酸メチルエステル(9)(1.2 g、3.40 mmol)を、THF(36 ml)に溶解した。LiAlH(1.867 ml、3.73 mmol)を、ゆっくりと反応混合物に添加して、攪拌を3時間室温で継続した。該混合物を、水により急冷し、CHClを用いて二回洗浄した。該水層を、1N HClを用いてpH3に酸性化し、CHClで3回抽出した。該合わせた有機層を、水およびNaCl溶液で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該生成物を、クロマトグラフィーにより精製した(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)。
MS(ESI):326 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):7.16(d、2H)、6.79(d、2H)、6.45(s、1H)、4.1(s、2H)、4.03(m、2H)、3.92(m、2H)、2.75(q、2H)、2.70(s、3H)、2.55(s、3H)、2.43(t、1H)、1.22(t、3H).
【0100】
メタンスルホン酸 2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチルエステル(11)の合成
2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エタノール(10)(200 mg、0.62 mmol)、メタン塩化スルホニル(0.05ml、0.62 mmol)、およびEtN(0.09 ml、0.62 mmol)の混合物を、室温で2時間攪拌した。次いで、該反応を、CHClおよび水の添加により急冷した。該有機層を、次いで水およびNaCl溶液で抽出して、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該粗生成物を、精製なしに次の工程で使用した。
MS(ESI):404 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):7.17(d、2H)、6.78(d、2H)、4.55(m、2H)、4.20(m、2H)、4.11(s、2H)、3.07(s、3H)、2.73(m、2H)、2. 17(s、3H)、1.20(t、3H).
【0101】
反応スキーム4:
【化24】
【0102】
1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(19)の合成
(1)工程A:ベンズヒドリリデン-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アミン(12)
ジフェニルメタンイミン(7.53 g、39.5 mmol)、BINAP(447 mg、0.718 mmol)、およびナトリウム tert-ブトキシド(6.9 g、71.8 mmol)を、トルエン(100 ml)に溶解した。反応混合物を、105℃に加熱して、5分間攪拌した。次いで、3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(3)(13 g、35.9 mmol)および酢酸パラジウム(II)(81 mg、0.36 mmol)を添加して、反応混合物を、12時間110℃で攪拌した。該有機層を、EtOAcを用いて2回抽出して、水および塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮した。該沈殿物を、シクロヘキサンに懸濁し、濾過して、肌色の固体を得た。
MS(ESI):445 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):7.75(d、2H)、7.4-7.5(m、3H)、7.27(m、2H)、7.12(d、2H)、7.00(d、2H)、6.65(m、2H)、6.46(s、1H)、4.06(s、2H)、2.71(s、3H)、2.58(q、2H)、2.56(s、3H)、1.09(t、3H).
【0103】
(2)工程B:4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニルアミン(13)
ベンズヒドリリデン-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アミン(12)(3.97 g、8.93 mmol)を、水(40 ml)、EtOH(10 ml)、および濃HCl(10 ml)の混合物に溶解して、1h室温で攪拌した。反応混合物を、NaCOを用いてpH 11に塩基性化した。該有機層を、EtOAcで抽出して、水および塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濃縮し、橙色の油を得た。該粗製生成物を、クロマトグラフィーにより精製して(シクロヘキサン中の2-50% EtOAc)、黄色固体を得た。
MS(ESI):281 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):6.82(d、2H)、6.73(s、1H)、6.43(d、2H)、4.78(br s、2H)、3.85(s、2H)、2.65(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、1.12(t、3H).
【0104】
(3)工程C:4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゼンジアゾニウム塩(14)
三フッ化ホウ素エーテル(2.4ml、19.1 mmol)を、THF(30 ml)に溶解して、-50℃に冷却した。4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニルアミン(13)(1.79 g、6.38 mmol)を、ゆっくりと添加して、反応混合物を、10分間-50℃で攪拌した。次いで、イソペンチル亜硝酸塩(1.5g、128 mmol)を添加して、反応混合物を、終夜攪拌した。反応混合物を、濃縮して、さらなる精製せずに次の工程で使用した。
【0105】
(4)工程D:[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ヒドラジン(15)
該粗製 4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゼンジアゾニウム塩(14)(1.8g、6.16mmol)を、濃HCl(40 ml)に溶解した。塩化スズ(II)(1.75 g、9.24 mmol)の添加後に、反応混合物を、室温で30分間攪拌した。反応混合物を、濃縮して、次の工程でさらなる精製せずに使用した。
MS(ESI):296 [M+H].
【0106】
(5)工程E:5-アミノ-1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 エチルエステル(16)
[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ヒドラジン(15)(1.8 g、6.1 mmol)を、水/AcOH(1:3)(40 ml)に溶解して、(E)-エチル 2-シアノ-3-エトキシアクリレート(1.24 g、7.3 mmol)、および酢酸ナトリウム(1.1 g、13.4 mmol)の添加後に、反応混合物を3時間100℃で攪拌した。炭酸ナトリウムを、添加した(pH 11)。該有機層を、2回EtOAcで抽出して、水および塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させて、濃縮した。該粗生成物を、クロマトグラフィー(シクロヘキサン中50-90% EtOAc)により精製した。
MS(ESI):419 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):7.77(s、1H)、7.39(m、4H)、6.50(s、1H)、7.36(d、2H)、6.50(s、1H)、5.75(br、2H)、4.34(q、2H)、4.21(s、2H)、2.76(q、2H)、2.73(s、3H)、2.57(s、3H)、1.37(t、3H)、1.24(t、3H).
【0107】
(6)工程F:1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 エチルエステル(17)
5-アミノ-1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 エチルエステル(16)(923 mg、1.76 mmol)を、THF(15 ml)に溶解して、イソアミル亜硝酸塩(620 mg、5.29 mmol)の添加の後に、反応混合物を12時間70℃で攪拌した。反応混合物を、減圧下で蒸発させて、クロマトグラフィー(シクロヘキサン中10-50% EtOAc、30分間)により精製し、黄色固体を得た。
MS(ESI):404 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):8.36(s、1H)、8.08(s、1H)、7.58(d、2H)、7.36(d、2H)、6.50(s、1H)、4.35(q、2H)、4.21(s、2H)、2.76(q、2H)、2.74(s、3H)、2.58(s、3H)、1.39(t、3H)、1.23(t、3H).
【0108】
(7)工程G:{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル}-メタノール(18)
1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 エチルエステル(17)(618 mg、1.53 mmol)を、ジクロロメタン(10 ml)に溶解して、-70℃で冷却した。THF(3.1 ml、3.1 mmol)中のDIBAHの1M 溶液を添加して、反応混合物を、2時間-70℃で攪拌した。該混合物を、水により急冷し、ジクロロメタンで希釈した。該混合物を濾過して、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、水および塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させて、濃縮して、黄色泡沫物を得た。該生成物を、さらなる精製なしに次の工程で使用した。
MS(ESI):362 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):7.8(s、1H)、7.6(s、1H)、7.44(d、2H)、7.23(d、2H)、6.37(s、1H)、4.57(s、2H)、4.09(s、2H)、2.77(q、2H)、2.7(s、3H)、2.50(s、3H)、1.13(t、3H).
【0109】
(8)工程H:1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(19)
{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル}-メタノール(18)(500 mg、1.38 mmol)を、ジクロロメタン(10 ml)に溶解して、二酸化マンガン(1.2g、13.8 mmol)の添加後、反応混合物を、3時間室温で攪拌した。該混合物を、セライトを通して濾過し、減圧下でエバポレートした。該生成物を、さらなる精製なしに次の工程で使用した。
MS(ESI):360 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):9.97(s、1H)、8.39(s、1H)、8.15(s、1H)、7.58(d、2H)、7.38(d、2H)、6.51(s、1H)、4.22(s、2H)、2.77(q、2H)、2.74(s、3H)、2.58(s、3H)、1.24(t、3H).
【0110】
反応スキーム5:
【化25】
【0111】
1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-カルバルデヒド(22)の合成
(1)工程A:3-(4-アジド-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(20)
エタノール(45 ml)/水(15.00 ml)中の3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(3)(10 g、29.0 mmol)、ナトリウムアジド(3.78 g、58.1 mmol)、ヨウ化銅(I)(0.553 g、2.90 mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.469 ml、4.36 mmol)およびアスコルビン酸ナトリウム(0.288 g、1.452 mmol)を含有するバイアルを、1時間100℃でマイクロウェーブ照射に供した。該反応を、EtOAcで希釈し、飽和NaCO水溶液、水および塩水で洗浄した。該有機層を、無水NaSO上で乾燥させて、濾過し、HV下で濃縮した。該粗製生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、EtOAc /ヘプタン 5%〜40%)、淡黄色固体を得た。
MS(ESI):306[M] H-NMR(MeOD、360 MHz)δ(ppm):7.23(d、2H)、6.96(d、2H)、6.75(s、1H)、4.15(s、2H)、2.75(q、2H)、2.73(s、3H)、2.58(s、3H)、1.19(t、9H).
【0112】
(2)工程B:3-[4-(4-ジエトキシメチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル)-ベンジル]-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(21)
アセトニトリル(33 ml)中の3-(4-アジド-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(20)(2 g、6.53 mmol)、プロピオンアルデヒド ジエチルアセタール(1.294 g、9.79 mmol)およびヨウ化銅(I)(1.492 g、7.83 mmol)の溶液を、室温で24時間攪拌した。該反応を、EtOAcで希釈し、飽和NaCO水溶液、水および塩水で洗浄した。該有機層を、無水NaSOで乾燥させて、濾過し、HV下で濃縮した。該粗製生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、EtOAc/DCM 0%〜50%)、淡黄色油を得た。
MS(ESI):435 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、360 MHz)δ(ppm):8.69(s、1H)、7.81(d、2H)、7.39(d、2H)、6.79(s、1H)、5.74(s、1H)、4.14(s、2H)、3.61(q、4H)、2.72(q、2H)、2.66(s、3H)、2.51(s、3H)、1.17(t、9H).
【0113】
(3)工程C:1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-カルバルデヒド(22)
ジオキサン(30 ml)中の3-[4-(4-ジエトキシメチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル)-ベンジル]-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(21)(2.19 g、5.04 mmol)および4N HCl(50 ml、200 mmol)の溶液を、室温で2時間攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液を用いて急冷して、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、濾過して、HV下で濃縮した。該生成物を、白色固体として得た。
MS(ESI):361 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、360 MHz)δ(ppm):10.11(s、1H)、9.50(s、1H)、7.86(d、2H)、7.44(d、2H)、6.80(s、1H)、4.16(s、2H)、2.73(q、2H)、2.66(s、3H)、2.5(s、3H)、1.18(t、3H).
【0114】
反応スキーム6:
【化26】
【0115】
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-安息香酸 ヒドラジド(29)の合成
(1)工程A:3-オキソペンタンニトリル(23)
付加攪拌器、熱電対およびコンデンサーを備えた4つ首フラスコ(1000 ml)に、カリウム t-ブトキシド(36.5 g、323.1 mmol)およびTHF(200 ml)を投入した。プロピオン酸エチル(30 g、293.7 mmol)およびアセトニトリル(14.4 g、352.5 mmol)の混合物を、得られる溶液に、バッチ温度を約 20℃に維持しながら45分間かけて添加した。該バッチを、さらに1時間20℃で攪拌して、0℃に冷却して、バッチ温度を約0℃に維持しながら、その後pH〜7まで1N HCl(400 ml)を添加した。この有機物を、酢酸エチルで抽出して(300 ml)、15% NaCl(200 ml)で洗浄した。該有機層を、MgSO上で乾燥させた。濾過して、真空濃縮し、幾らかの残留溶媒と共に生成物の残渣を得た。この油状粗生成物23を、さらなる精製なしに次の工程において直接使用した。
H NMR(500 MHz、CDCl)δ(ppm):3.42(s、2H)、2.60(m、2H)、1.05(t、3H).
【0116】
(2)工程B:4-(2-シアノ-3-オキソペンタ-1-エニル)ベンゾニトリル(24)
付加攪拌器、熱電対およびコンデンサーを備えた4つ首フラスコ(1000 ml)に、3-オキソペンタンニトリル(23)(21.8 g、135 mmol、60%)、4-ホルミルベンゾニトリル(17.7 g、135 mmol)、L-プロリン(3.65 g、27 mmol、0.2eq)、およびEtOH(200 ml)を入れた。該混合物を、22℃で16時間攪拌して、おおよそ120 mlの容量まで濃縮した。MTBE(100 ml)を添加して、該混合物を、22℃で約30分間攪拌した。該沈殿物を、真空濾過により回収した。該固体を、MTBE(50 ml)で洗浄した。それを、真空オーブン内にて50℃で乾燥させて、該生成物24をオフホワイトの固体として得た。H NMR(500 MHz、CDCl)δ(ppm):8.20(s、1H)、8.10(d、2H)、7.81(d、2H)、3.00(m、2H)、1.28(t、3H).
【0117】
(3)工程C:4-(2-シアノ-3-オキソペンチル)ベンゾニトリル(25)
水素化反応器に、4-(2-シアノ-3-オキソペンタ-1-エニル)ベンゾニトリル(24)(20 g、95.1 mmol)、Pd/C(2 g、10%、ウェット)、MeOH(100 ml)、およびMeCN(100 ml)を入れた。該混合物を、水素吸収が停止するまで50 psi 水素下にて25℃で2時間攪拌した。該混合物を、セライトパッドを通して濾過し、触媒を除去した。それを、減圧下で濃縮して、生成物25(20 g、99%)を油として得た。該生成物を、さらなる精製なしに次の工程の反応に直接使用した。
H NMR(500 MHz、CDCl)δ(ppm):7.70(d、2H)、7.41(d、2H)、3.69(t、1H)、3.25(m、2H)、2.71(m、2H)、1.13(t、3H).
【0118】
(4)工程D:4-((5-アミノ-3-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)ベンゾニトリル(26)
付加攪拌器、熱電対およびコンデンサーを備えた4つ首フラスコ(500 ml)に、4-(2-シアノ-3-オキソペンチル)ベンゾニトリル(25)(5 g、23.6 mmol)、およびEtOH(50 ml)を入れた。該溶液を攪拌して、ヒドラジン(1.65 g、33 mmol、64%,1.4 eq)を添加した。該バッチを、65℃で3時間攪拌した。該溶媒を、真空により濾過し、該残渣を、MTBE(50 ml)と共に室温で30分間スラリー化した。該沈殿物を、真空濾過により回収して、該固体を、MTBEで洗浄して、白色固体として生成物26を得た。
H NMR(500 MHz、CDCl)δ(ppm):7.62(d、2H)、7.30(d、2H)、6.42-6.80(s、br、3H)、3.79(s、2H)、2.56(m、2H)、1.20(t、3H).
【0119】
(5)工程E: 4-((2-エチル-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)メチル)安息香酸(27)
付加攪拌器、熱電対およびコンデンサーを備えた4つ首フラスコ(500 ml)に、4-((5-アミノ-3-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)ベンゾニトリル(26)(12.8 g、56.5 mmol)、ペンタン-2,4-ジオン(6.8 g、67.9 mmol、1.2等量)、HOAc(20 ml)および濃縮したHCl(40 ml)を投入した。該混合物を、110℃で43時間攪拌した。それを、室温まで冷却し、水(300 ml)を添加した。徐々に、該溶液は懸濁液となった。それを、室温で1時間攪拌した。該沈殿物を、真空濾過により回収して、該固体を水で洗浄した。該固体を、真空オーブンにて50℃で5時間乾燥させた。
H NMR(500 MHz、DMSO-d6)δ(ppm):12.61-12.89(s、br、1H)、7.83(d、2H)、7.30(d、2H)、6.81(s、1H)、4.11(d、2H)、2.67(m、2H)、2.63(s、3H)、2.48(s、3H)、1.12(t、3H).
【0120】
(6)工程F:4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-安息香酸メチルエステル(28)
4-((2-エチル-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)メチル)安息香酸(27)(1.6g、5.17 mmol)を、メタノール(10 ml)に溶解して、次いでTMSCl(1.983 ml、15.52 mmol)を添加して、反応混合物を、16時間室温で攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して、黄色固体を得た。該化合物を、さらなる精製なしに次の工程において使用する。
MS(ESI):324 [M−H]H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ(ppm):7.85(d、2H)、7.33(d、2H)、6.77(s、1H)、3.82(s、3H)、2.68(q、2H)、1.12(t、3H).
【0121】
(7)工程G:4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-安息香酸 ヒドラジド(29)
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)安息香酸メチルエステル(28)(2.13 g、6.59 mmol)を、メタノール(40 ml)に溶解して、ヒドラジン水和物(9.1 ml、198 mmol)の添加後に、該混合物を、80℃で3時間攪拌した。反応混合物を濾過して、白色固体を得た。これを、さらなる精製なしに次の工程で使用した。
MS(ESI):324 [M−H]H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ(ppm):7.65(d、2H)、7.35(d、2H)、6.5(s、1H)、4.2(s、2H)、4.1(br、1H)、3.82(s、3H)、2.75(q、2H)、1.2(t、3H).
【0122】
ピペリジン、アゼチジンおよびピペラジン構成要素の合成
反応スキーム7:
【化27】

4-ビニル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(30)
4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.5 g、12.5 mmol)を、ジエチルエーテル(25 ml)に溶解して、0℃に冷却した。THF(16.3 ml、16.31 mmol)中の1M 臭化ビニルマグネシウム溶液を、0℃で滴加した。90分間0℃で攪拌した後、反応混合物を、NHCl溶液を用いて急冷して、酢酸エチルで抽出した。該有機層を、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該粗生成物を、さらにフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル 4:1)。
MS(ESI):226 [M−H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):5.95(dd、1H)、5.30(d、1H)、5.12(d、1H)、3.84(m、2H)、3.25(m、2H)、1.7(m、2H)、1.55(m、3H)、1.48(s、9H).
【0123】
4-アリル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(31)
この化合物を、臭化アリルマグネシウムを用いて、30と同様にして合成した。
MS(ESI):240 [M−H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):5.87(m、1H)、5.22(d、1H)、5.15(d、1H),3.82(dt、2H)、3.2(m、2H)、2.25(d、2H)、1.5-1.6(m、5H)、1.48(s、9H).
【0124】
反応スキーム8:
【化28】
【0125】
3-アリル-3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成(32)
3-オキソ-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.37g、8 mmol)を、EtO(10 ml)に溶解して、EtO(10.4 ml、10.4 mmol)中の臭化アリルマグネシウムの1M 溶液を、0℃で滴加した。攪拌を、室温で終夜継続する。反応混合物を、HOを用いて急冷させて、EtOAcで2回抽出して、該有機層を、塩水で洗浄して、合わせて、NaSO上で乾燥させて、濾去し、減圧下で濃縮して、オレンジ色の油を得た。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、EtOAc/シクロヘキサン 15-25%)、黄色油として該生成物を得る。
MS(ESI):212 [M−H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):5.7(m、1H)、5.13(s、1H)、5.1(d、1H)、3.72(m、4H)、2.38(d、2H)、2.0(br、1H)、1.3(s、9H).
【0126】
反応スキーム9:
【化29】

(S)-4-アリル-4-ヒドロキシ-2-メチル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(35)の合成
(1)工程A:(S)-2-メチル-1-((S)-1-フェニル-エチル)-ピペリジン-4-オン(33)
火炎乾燥させた丸底フラスコ内で、(E)-ブタ-2-エノイン酸 メトキシ-メチル-アミド(Einhorn et al., Synth. Commun. 20(8),1105-1112(1990))(8.0 g、61.9 mmol)を、THF(150 ml)に溶解した。EtO(68.1ml、68.1 mmol)中の臭化ビニルマグネシウムの1M 溶液を、0℃で添加して、次いで該混合物を、1時間室温で攪拌した。(S)-(-)-α-メチルベンジルアミン(15.8 ml、124 mmol)を、室温で添加し、その後水(15 ml)を添加した。該反応を、室温で1時間攪拌した。THFを、蒸発させて、水(150 ml)を添加した。次いで、該混合物を、CHClを用いて3回抽出した。該有機層を、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、20% EtOAc/シクロヘキサン)、第一分画物(X線により確認した)として(S,S)生成物を得た。
MS(ESI):218 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):7.2-7.6.7(m、5H)、4.03(m、1H)、3.4(m、1H)、2.6-2.8(m、2H)、2.2-2.4(m、2H)、1.3-1.6(m、2H)、1.3(d、3H)、1.15(d、3H).
【0127】
(2)工程B:(S)-2-メチル-4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(34)
2首丸底フラスコ中で(S)-2-メチル-1-((S)-1-フェニル-エチル)-ピペリジン-4-オン(33)(0.8 g、3.68 mmol)を、THF(18 ml)に溶解した。BOcO(964 mg、4.42 mmol)を、アルゴン下で添加した。Pd(OH)(130 mg、0.184 mmol)を添加して、反応混合物を、終夜室温で水素化した。該混合物を、セライト上で濾過して、THFを用いて濯ぎ、蒸発させた。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、EtOAc/シクロヘキサン、10-20%)、白色固体として生成物を得た。
MS(ESI):214 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):4.71(m、1H)、4.24(ddd、1H)、3.32(ddd、1H)、2.68(dd、1H)、2.48(ddd、1H)、2.35(m、1H)、2.26(m、1H)、1.50(s、9H)、1.19(d、3H).
【0128】
(3)工程C:(S)-4-アリル-4-ヒドロキシ-2-メチル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (35)
アルゴン通気した乾燥2首丸底フラスコ中で、(S)-2-メチル-4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(34)(0.6 g、2.81 mmol)(25 ml)を、エーテル(10 ml)に溶解した。EtO(3.66 ml、3.66 mmol)中の臭化アリルマグネシウムの1M 溶液を、0℃で滴加した。反応混合物を、0℃で2時間攪拌した。該混合物を、NHCl溶液を用いて急冷させて、エーテルで抽出した。該有機層を、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、20-30% EtOAc/シクロヘキサン)、白色固体として生成物を得た。
MS(ESI):256 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):5.85(m、1H)、5.05(d、1H)、5.0(d、1H)、4.18(m、1H)、3.7(dd、1H)、3.1(dd、1H)、2.1(d、2H)、1.35(s、9H)、1.3-1.5(m、5H)、1.2(d、3H).
【0129】
反応スキーム10:
【化30】
【0130】
4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン(38)の合成
(1)工程A:1-ベンジル-ピペリジン-4-カルボン酸 メチルアミド(36)
DMF(10 ml)中の1-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸(1 g、4.56 mmol)、メチルアミン(THF中の2N 溶液の9.12 ml、18.2 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1.75 g、9.1 mmol)、および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.7 g、4.56 mmol)の混合物を、室温で3時間攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液に注いで、酢酸エチルで抽出した。該有機層を、NaHCO溶液および塩水で洗浄し、乾燥させて(NaSO)、蒸発させた。真空乾燥により、無色固体を得て、さらなる精製なしに次の工程で使用した。
MS(ESI):233 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.65(br d、1H)、7.21-7.32(m、5H)、3.42(s、2H)、2.79(m、2H)、2.54(d、3H)、2.03(m、1H)、1.88(m、2H)、1.50-1.61(m、4H).
【0131】
(2)工程B:1-ベンジル-4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン(37)
ジクロロメタン(10 ml)中の1-ベンジル-ピペリジン-4-カルボン酸メチルアミド(36)(853 mg、3.67 mmol)溶液を、氷浴中で冷却して、五塩化リン(841 mg、4 mmol)を滴加した。該混合物を、室温で5時間攪拌して、-5℃に冷却し、トリメチルシリルアジド(387 ul、3.67 mmol)を、滴加した。反応混合物を3時間室温で攪拌して、次いで飽和NaHCO水溶液の添加により急冷した。該有機層を、水および塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、蒸発させて、無色固体を得た。
MS(ESI):258 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.31-7.38(m、5H)、4.01(s、3H)、3.33(br s、2H)、3.07(br. m、5H)、1.75-2.0(br. m、4H).
【0132】
(3)工程C:4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン(38)
Pd(OH)(Cに対して20 %、30 mg)を、エタノール(15 ml)中の1-ベンジル-4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン(37)(150 mg、0.58 mmol)溶液に添加して、該混合物を、4〜5バールのHにて50℃で16時間水素化した。該触媒を濾去し、該溶媒を、蒸発させて、無色固体として38を得た。
MS(ESI):168 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):4.02(s、3H)、3.17(m、1H)、3.09( m、2H)、2.70(m、2H)、1.86(m、2H)、1.68(m、2H).
【0133】
反応スキーム11:
【化31】
【0134】
4-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(41)の合成
(1)工程A:4-エトキシカルボニルメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(39)
酢酸エチル(1.95 ml、20 mmol)を、-78℃で、THF(20 ml、20 mmol)中のLIHMDSの1M 溶液に滴加した。10分間-78℃で攪拌の後、THF(8 ml)中の4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(3.98g、20 mmol)を、-78℃で滴加し、乾燥氷/アセトン浴をとり外して、温度をゆっくりと0℃まで到達させた。この温度で、反応混合物を、HO(25 ml)の添加により急冷させて、該混合物を、EtOで二回抽出して、該有機層を、塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させ、真空で濃縮し、該生成物を黄色油として得た。
MS(ESI):286 [M−H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):4.17(q、2H)、3.81(dt、2H)、3.19(dt、2H)、2.44(s、2H)、1.66(d、2H)、1.40(dd、2H)、1.45(s、9H)、1.27(t、3H).
(2)工程B:4-カルボキシメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(40)
NaOH(13.5 ml、27 mmol)の2M 水溶液を、4-エトキシカルボニルメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(39)(5.17g、18 mmol)の溶液に室温で添加した。室温で1時間攪拌の後、メタノールを、蒸発させて、得られる残渣を、水で処理し、EtOで二回抽出し、水層を、2M HCl(15ml)水溶液で酸性化し、EtOAcで二回抽出し、該合わせた有機層を、NaSO上で乾燥させて、濃縮して、生成物を白色固体として得た。
MS(ESI):258 [M−H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):3.84(d、2H)、3.22(t、2H)、2.54(s、2H)、1.73(d、2H)、1.56(td、2H)、1.44(s、9H).
【0135】
(3)工程C:4-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(41)
THF(15.8 ml、15.8 mmol)中の1M ボラン溶液を、徐々に、2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)酢酸(40)(1.02 g、3.94 mmol)の溶液に0℃で添加した。0℃で1時間、該混合物の攪拌後、室温で16時間、該反応を、NHCl溶液の添加により急冷し、酢酸エチルで抽出した。該有機層を、次いで水および塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、EtOAc/n-ペンタン)、生成物を無色油として得た。
MS(ESI):246 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):3.96(t、2H)、3.78(m、2H)、3.23(m、2H)、1.76(t、2H)1.70(d、2H)、1.49(m、2H)、1.47(s、9H).
【0136】
4-ヒドロキシ-4-プロパ-2-イニル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(43)の合成
(1)工程A:4-ヒドロキシ-4-(3-トリメチルシラニル-プロパ-2-イニル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(42)
3-ブロモプロペニル-1-トリメチルシラン(1.15 g、6.02 mmol)を、ジエチルエーテル(25ml)に溶解して、0℃に冷却した。削り屑状マグネシウム(0.195 g、8.03 mmol)、および臭化亜鉛(0.100 g、0.44 mmol)を添加し、2時間0℃で攪拌を継続した。Tert-ブチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(0.80 g、4.02 mmol)を添加して、攪拌を、室温で48時間継続した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈して、水を用いて急冷させた。該有機層を、分離し、塩水で洗浄し、乾燥させて、濃縮した。該粗製材料を、シリカゲルにてフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を黄色油として得た。
H-NMR(CDCl3、500 MHz)δ(ppm):3.69(d、2H)、3.00 3.03-2.96(m、2H)、2.23(s、1H、OH)、1.66-1.62(m、1H)、1.50 -1.42(m、5)、1.29(s、9H)、0.00(s、9H).
【0137】
(2)工程B:4-ヒドロキシ-4-プロパ-2-イニル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(43)
4-ヒドロキシ-4-(3-トリメチルシラニル-プロパ-2-イニル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(42)(0.49 g、1.59 mmol)を、MeOH(10 ml)に室温で溶解した。炭酸カリウム(0.66 g、4.78 mmol)を添加して、攪拌を2時間室温で継続させた。次いで、反応混合物を、酢酸エチルおよび水で希釈し、該有機層を、分離して、水で洗浄し、濃縮して、該表題化合物を黄色油として得て、さらなる精製なしに次の工程に使用した。
H-NMR(CDCl、500 MHz)δ(ppm):5.14(s、1H、OH)、3.69.3.63(m、1H)、3.08-3.02(m、3H)、2.22(s、1H)、1.53-1.42(m、4H)、1.30(s、9H).
【0138】
合成例
反応スキーム12:
【化32】

Rは、例えば4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル-1-カルボン酸 tert.ブチルエステルを表すか、または上記ラジカルRとして本明細書に規定されたとおりの他のラジカルを表し、xは0または1である。
【0139】
実施例1
4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-ピペリジン-4-オール
【化33】

(1)工程A:4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
4-ビニル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(30)(363 mg、1.6 mmol)を、ジオキサン(12 ml)に溶解し、3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(3)(500mg、1.45 mmol)を、添加して、その後ジイソプロピルエチルアミン(0.5 ml、2.9 mmol)を添加した。該混合物をアルゴンにより通気した後に、Pd(t-BuP)(14.8mg、0.03 mmol)を添加して、該混合物を、マイクロ波オーブン内にて10分間130℃で攪拌した。次いで、該混合物を、冷却して、飽和NaHCO溶液を用いて処理して、酢酸エチルで抽出した。該有機層を、水および塩水で洗浄して、NaSO上で乾燥させた。該粗生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1)により精製した。
MS(ESI):491 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.28(d、2H)、7.12(d、2H)、6.75(s、1H)、6.50(d、1H)、6.29(d、1H)、4.75(s、1H)、4.01(s、2H)、3.68(m、2H)、3.11(br s、2H)、2.65(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、1.67(m、2H)、1.51(m、4H)、1.39(s、9H)、1.19(m、2H)、1.11(t、3H).
【0140】
(2)工程B:4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-ピペリジン-4-オール(R’=H)
4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(190 mg、0.387 mmol、実施例1、工程A)を、1-プロパノール(1ml)に溶解し、1M NaCO水溶液(3.887 ml、3.87 mmol)の添加の後に、該混合物を、マイクロ波オーブン内にて30分間170℃で攪拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、塩水を用いて洗浄した、NaSO上で乾燥させて、および減圧下でエバポレートした。該粗生成物を、分取HPLCにより精製した(アセトニトリル/水)。
LC/MS:1.81分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):391 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.28(d、2H)、7.13(d、2H)、6.76(s、1H)、6.46(d、1H)、6.29(d、1H)、4.50(br s、1H)、4.02(s、2H)、2.82(m、2H)、2.66(q、2H)、2.6-2.7(m、2H)、2.64(s、3H)、2.49(s、3H)、1.54(m、2H)、1.44(m、2H)、1.12(t、3H).
【0141】
実施例2
3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-アゼチジン-3-オール
【化34】

(1)工程A:3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
この化合物を、3-アリル-3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(32)を用いて、実施例1の工程Aと同様に合成した。
MS(ESI):477 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.22(d、2H)、7.10(d、2H)、6.72(s、1H)、6.40(d、1H)、6.19(dt、1H)、5.67(s、1H)、4.01(m、2H)、3.99(s、2H)、3.71(m、2H)、3.62(m、2H)、2.65(q、2H)、2.61(s、3H)、2.46(s、3H)、1.33(s、9H)、1.11(t、3H).
【0142】
(2)工程B:3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-アゼチジン-3-オール(R’=H)
3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (47.7mg、0.1 mmol)を、95% CFCOOH(1ml)に溶解して、30分間0℃で攪拌した。該溶媒を、室温で減圧下に蒸発させて、1M NaCO 溶液で処理し、CHClを用いて二回抽出した。該有機層を、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させて、減圧下でエバポレートして、黄色油を得た。該粗製物を、さらに分取TLC(CHCl/CHOH/NH濃=80:18:2)により精製した。
LC/MS:1.64 分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):377 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.25(d、2H)、7.11(d、2H)、6.75(s、1H)、6.40(d、1H)、6.24(dt、1H)、5.35(br s、1H)、4.00(s、2H)、3.41(d、2H)、3.26(d、2H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、1.12(t、3H).
【0143】
実施例3
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペリジン-4-オール
【化35】

(1)工程A:4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
この化合物を、4-アリル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(31)を用いて、実施例1の工程Aと同様に合成した。
MS(ESI):505 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.25(d、2H)、7.11(d、2H)、6.75(s、1H)、6.33(d、1H)、6.20-6.28(m、1H)、4.41(s、1H)、4.00(m、2H)、3.61(d、2H)、3.05(br s、2H)、2.66(q、2H)、2.63(s、3H)、2.48(s、3H)、2.26(d、2H)、1.39(m、4H)、1.37(s、9H)、1.12(t、3H).
【0144】
(2)工程B:4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペリジン-4-オール
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(工程A)(555 mg、1.1 mmol))を、ジオキサン(11 ml)中の4M HClに溶解して、1時間室温で攪拌した。次いで、反応混合物を、減圧下でエバポレートし、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シリカゲル、CHCl/CHOH/NH濃90:9:1)。
LC/MS:1.95分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):405 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.25(d、2H)、7.11(d、2H)、6.75(s、1H)、6.18-6.36(m、2H)、4.19(s、1H)、4.00(s、2H)、2.76(m、2H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.60(m、2H)、2.48(s、3H)、2.23(d、2H)、1.37(m、4H)、1.12(t、3H).
【0145】
実施例4
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-ピペリジン-4-オール ハイドロクロライド
【化36】

(1)工程A:4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
実施例3の工程B(316 mg、0.63 mmol)を、メタノール(12 ml)に溶解した。10% Pd-C(31.6 mg)の添加後に、該混合物を、室温で12時間水素化した。次いで、該反応混合物を、セライトを通して濾過して、減圧下でエバポレートした。該粗生成物を、クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン 20-40%)により精製した。
MS(ESI):507 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.06(m、4H)、6.74(s、1H)、4.14(s、1H)、3.98(s、2H)、3.55(m、2H)、3.44(m、2H)、3.02(br s、2H)、2.65(q、2H)、2.62(s、3H)、2.47(s、3H)、1.56(m、2H)、1.37(s、9H)、1.28-1.35(m、4H)、1.10(t、3H)、0.84(m、2H).
(2)工程B:4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-ピペリジン-4-オール
この化合物を、実施例3の工程Bと同様にして工程Aから合成した。
LC/MS:0.86分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中、8分間で、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸);
MS(ESI):407 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):8.60(br s、1H)、8.41(br s、1H)、7.08(d、2H)、7.05(d、2H)、6.75(s、1H)、5.75(s、1H)、3.99(s、2H)、3.38(m、2H)、3.03(br s、4H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、1.52-1.58(m、4H)、1.33-1.41(m、2H)、1.11(s、3H)、0.84(m、2H).
【0146】
実施例5
(2S,4S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-メチル-ピペリジン-4-オール
【化37】

この化合物を、(S)-4-アリル-4-ヒドロキシ-2-メチル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(35)を用いて実施例1の工程Aと同様に合成し、その後、実施例3の工程Bと同様にしてBoc-脱保護を行った。
LC/MS:1.98分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):419 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.24(d、2H)、7.11(d、2H)、6.75(s、1H)、6.21-6.36(m、2H)、4.32(s、1H)、4.00(s、2H)、2.78(m、1H)、2.66(q、2H)、2.63(s、3H)、2.57(m、1H)、2.48(s、3H)、2.34(m、2H)、1.55(m、2H)、1.28(ddd、1H)、1.17(m、1H)、1.13(t、3H)、0.98(dd、1H)、0.92(d、3H).
【0147】
反応スキーム13:
【化38】

実施例番号3から開始して、またスキーム13に従って、置換基R’’を、例えば、還元的アミン化方法(実施例6)またはアミンとカルボン酸との標準的カップリング反応(実施例7)を用いて、以下の実施例6および7に示したとおりに導入できる。
【0148】
実施例6
(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール
【化39】

4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペリジン-4-オール(実施例3)(100 mg、0.247 mmol)、(S)-2,3-ジヒドロキシプロパナール(22.3 mg、0.247 mmol)、NaBH(OAc)(81 mg、0.383 mmol)、およびDIPEA(0.050 ml、0.287 mmol)を、ジクロロエタン(1.5 ml)に溶解して、3時間70℃で攪拌した。次いで、該混合物を、EtOAcで希釈して、NaCl溶液で洗浄して、NaSO上で乾燥させた。蒸発により黄色油を得た。該粗生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH、EtOAc)により精製した。
LC/MS:1.75分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中で、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):479 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.26(d、2H)、7.12(d、2H)、6.76(s、1H)、6.33(d、1H)、6.28(m、1H)、4.55(br s、1H)、4.3(br、1H)、4.17(br、1H)、4.01(s、2H)、3.57(m、1H)、3.32(m、2H)、2.68(q、2H)、2.64(s、3H)、2.49(s、3H)、2.35(m、4H)、2.32(m、1H)、2.25(m、2H)、2.23(m、1H)、1.44(m、4H)、1.13(t、3H).
【0149】
実施例7
1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノン ハイドロクロライド
【化40】

(1)工程A:[2-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-メチル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペリジン-4-オール(実施例3)(150 mg、0.371 mmol)、2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)酢酸(70.2 mg、0.371 mmol)、EDC(107 mg、0.556 mmol)、HOBT(68.1 mg、0.445 mmol)、およびNEt(0.067 ml、0.482 mmol)を、DMF(8 ml)に溶解して、3時間60℃で攪拌した。次いで、該混合物を、EtOAcで希釈して、NaCl溶液で洗浄して、NaSO上で乾燥させた。蒸発により茶色油を得た。該粗生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/シクロヘキサン)により精製した。
MS(ESI):576 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.25(d、2H)、7.12(d、2H)、6.75(m、1H)、6.30(m、1H)、6.23(m、1H)、4.53(d、1H)、4.00(s、2H)、3.6-4.0(m、2H)、3.47(m、1H)、3.25(m、2H)、2.94(m、1H)、2.72(m、3H)、2.65(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、2.27(m、2H)、1.45(m、4H)、1.24(s、9H)、1.12(t、3H).
(2)工程B:1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノンジヒドロクロリド(R’=H)
この化合物を、実施例3の工程Bと同様にして工程Aから合成した。
LC/MS:1.83分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):476 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):8.74(br、2H)、7.27(d、2H)、7.13(d、2H)、6.77(m、1H)、6.33(d、1H)、6.27(m、1H)、3.95-4.1(m、5H)、4.02(s、2H)、3.3(m、1H)、3.03(m、1H)、2.68(q、2H)、2.64(s、3H)、2.54(m、3H)、2.49(s、3H)、2.31(d、2H)、1.51(m、2H)、1.35(m、1H)、1.13(t、3H)、1.05(m、1H).
【0150】
反応スキーム14:
【化41】

方法Aは、還元的アミン化方法に関し、方法Bは、例えばザラゴザ試薬を用いて、アミン誘導体を用いるアルコールのN-アルキル化に関する。
【0151】
実施例8
((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール ジヒドロヒロリド(方法A)
【化42】

(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロペナール(7)(100 mg、0.313 mmol)、(R)-tert-ブチル 2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(67.7 mg、0.313 mmol)、NaBH(OAc)(103 mg、0.485 mmol)、およびDIPEA(0.063 ml、0.363 mmol)を、ジクロロエタン(2ml)に溶解し、4時間室温で攪拌した。次いで、該混合物を、EtOAcで希釈して、NaCl溶液で洗浄して、NaSO上で乾燥させた。蒸発により黄色油を得た。
該粗生成物を、クロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、酢酸エチル/メタノール)、白色泡沫状物を得た。Boc保護を、実施例3の工程Bと同様にして実施した。
LC/MS:1.77分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):420 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):12.5(br、1H)、10.3(br、1H)、9.9(br、1H)、7.37(d、2H)、7.22(d、2H)、6.85(d、1H)、6.83(s、1H)、6.32(m、1H)、4.10(s、2H)、3.97(m、3H)、3.6-3.75(m、3H)、3.1-3.5(m、6H)、2.67(q、2H)、2.66(s、3H)、2.53(s、3H)、1.12(t、3H).
【0152】
実施例9
2-エチル-5,7-ジメチル-3-{4-[(E)-3-((S)-3-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(方法B)
【化43】

(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロパ-2-エン-1-オール(6)(100 mg、0.311 mmol)を、プロピオニトリル(2 ml)に溶解して、(S)-2-メチル-ピペラジン(31.2 mg、0.311 mmol)、DIPEA(0.272 ml、1.556 mmol)および(シアノメチル)-トリメチルホスホニウムヨウ化物(ザラゴザ試薬)(178 mg、0.778 mmol)の添加の後に、該混合物を、2時間95℃で攪拌した。次いで、該混合物を、減圧下でエバポレートした(HV)。該残渣を、酢酸エチルで希釈して、5% NaHCOおよびNaCl溶液で洗浄して、NaSO上で乾燥させた。蒸発により茶色の油を得た。該粗生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/その後メタノール)により精製して、肌色の油を得た。
LC/MS:1.69分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):404 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.28(d、2H)、7.10(d、2H)、6.74(d、1H)、6.43(d、1H)、6.18(dt、1H)、4.0(s、2H)、3.0(m、2H)、2.6-2.8(m、6H)、2.65(q、2H)、2.62(s、3H)、2.5(s、3H)、1.85(m、1H)、1.55(m、1H)、1.1(t、3H)、0.9(d、3H).
【0153】
実施例10
2-エチル-3-{4-[(E)-3-((S)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(方法A)
【化44】
【0154】
この化合物を、(R)-tert-ブチル 2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレートを用いて、実施例8と同様に合成した。
LC/MS:4.77分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水中(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)で、勾配2-98%アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):434 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.30(d、2H)、7.14(d、2H)、6.76(s、1H)、6.46(d、1H)、6.17(dt、1H)、4.02(s、2H)、3.29(m、3H)、3.24(s、3H)、3.08(m、2H)、3.00(m、1H)、2.93(m、1H)、2.79(m、1H)、2.76(m、2H)、2.68(q、2H)、2.64(s、3H)、2.49(s、3H)、2.05(m、1H)、1.81(m、1H)、1.13(t、3H).
【0155】
実施例11
2-アミノ-1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-エタノン ジヒドロクロリド(方法B)
【化45】

この化合物を、tert-ブチル 2-オキソ-2-(ピペラジン-1-イル)エチルカルバメートを用いて実施例9(方法B)と同様に合成して、その後実施例3の工程Bと同様にBoc-脱保護を行った。
LC/MS:1.29分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):447 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):11.6(br、1H)、8.20(br s、3H)、7.35(d、2H)、7.20(d、2H)、6.76(s、1H)、6.74(d、1H)、6.31(dt、1H)、4.40(m、1H)、4.03(s、2H)、3.93(m、1H)、3.87(m、4H)、3.52(m、1H)、3.45(m、2H)、3.19(m、1H)、3.05(m、1H)、2.91(m、1H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.47(s、3H)、1.11(t、3H).
【0156】
実施例12
2-エチル-5,7-ジメチル-3-(4-{(E)-3-[4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン-1-イル]-プロペニル}-ベンジル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン ハイドロクロライド(方法A)
【化46】

この化合物を、4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン(38)を用いて、実施例8と同様に合成した。
LC/MS:1.77分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):471 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.31(d、2H)、7.12(d、2H)、6.75(s、1H)、6.46(d、1H)、6.22(dt、1H)、4.00(2s、5H)、3.09(d、2H)、2.98(m,1H)、2.93(m、2H)、2.65(q、2H)、2.62(s、3H)、2.47(s、3H)、2.08(t、2H)、1.97(d、2H)、1.67-1.76(m、2H).
【0157】
実施例13
((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン トリハイドロクロライド(方法B)
【化47】

(1)工程A:(R)-2-ジメチルカルバモイル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、R’=Boc
【0158】
この化合物を、(R)-tert-ブチル 2-(ジメチルカルバモイル)ピペラジン-1-カルボキシレートを用いて、実施例8と同様に合成した。
MS(ESI):561 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.28(d、2H)、7.14(d、2H)、6.76(s、1H)、6.43(d、1H)、6.15(dt、1H)、4.76(br d、1H)、4.02(s、2H)、3.58(m、2H)、3.03(m、4H)、2.92(br s、3H)、2.81(br s、3H)、2.68(q、2H)、2.64(s、3H)、2.49(s、3H)、2.20(m、1H)、1.92(m、1H)、1.38(br s、9H)、1.13(t、3H).
【0159】
(2)工程B:(S)-2-ジメチルアミノメチル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
(R)-2-ジメチルカルバモイル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(工程A)(80 mg、0.143 mmol)を、CHCl(1 ml)に溶解して、-78℃で冷却した。DIBAH(1.577 ml、1.577 mmol)の添加の後に、該混合物を、3時間-78℃で攪拌した。次いで、該混合物を、水により急冷させて、セライト上で濾過した。次いで、酢酸エチルで抽出して、水およびNaCl溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させて、蒸発させた。該粗生成物を、クロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)により精製して、白色固体を得た。
MS(ESI):547 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.29(d、2H)、7.13(d、2H)、6.75(s、1H)、6.46(d、1H)、6.15(dt、1H)、4.01(s、2H)、3.70(d、1H)、3.06(dd、1H)、3.00(dd、1H)、2.89(m、1H)、2.76(m、1H)、2.6-2.7(m、4H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、2.21(br、6H)、1.91(m、2H)、1.39(s、9H)、1.12(t、3H).
【0160】
(3)工程C:((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン(R’=H)
この化合物を、実施例3の工程Bと同様にして工程Bから合成した。
LC/MS:1.38分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):447 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.39(d、2H)、7.21(d、2H)、6.85(m、1H)、6.79(s、1H)、6.31(m、1H)、4.06(s、2H)、3.5-4.0(m、12H)、2.88(s、6H)、2.67(q、2H)、2.64(s、3H)、2.51(s、3H)、1.13(t、3H).
【0161】
実施例14
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-((E)-3-ピペラジン-1-イル-プロペニル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(方法B)
【化48】

この化合物を、ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルを用いて実施例8と同様に合成し、続いて実施例3の工程Bと同様にしてBoc-脱保護を行った。
LC/MS:1.85分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):390 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):10.01(br、1H)、7.36(d、2H)、7.22(d、2H)、6.86(s、1H)、6.82(m、1H)、6.32(m、1H)、4.09(s、2H)、3.95(d、2H)、3.25-3.7(m、8H)、2.67(q、2H)、2.66(s、3H)、2.51(s、3H)、1.12(t、3H).
【0162】
反応スキーム15:
【化49】

スキーム15は、以下の実施例15および16に記述したとおり、カルボン酸誘導体とアミン基質(式中、R’’は、そのヒドロキシ基を含まない前記カルボン酸誘導体を示す)との「ペプチド」カップリング反応を記述する。
【0163】
実施例15
(S)-1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン
【化50】

この化合物を、(S)-3-ヒドロキシ-2-(メチルアミノ)プロパン酸を用いて、実施例7の工程Aと同様に実施例14から合成した。
LC/MS:1.50分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):491 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.31(d、2H)、7.13(d、2H)、6.75(s、1H)、6.46(d、1H)、6.21(dt、1H)、4.01(s、2H)、3.25-3.7(m、9H)、3.07(d、2H)、2.67(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、2.35(m、4H)、2.15(s、3H)、1.12(t、3H).
【0164】
実施例16
(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノンジヒドロクロリド
【化51】

この化合物を、(2S,3R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸を用いて、実施例7の工程Aと同様に実施例14から合成した。
LC/MS:1.49分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):503 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):11.8(br d、1H)、10.3(br d、1H)、8.57(br s、1H)、7.38(d、2H)、7.21(d、2H)、6.79(s、1H)、6.78(m、1H)、6.36(dt、1H)、4.68(m、2H)、4.45(m、1H)、4.24(m、1H)、4.06(s、2H)、3.92(m、2H)、3.66(m、1H)、3.47(m、1H)、3.33(m、1H)、3.22(m、3H)、3.00(m、2H)、2.67(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、2.06(m、1H)、1.92(m、1H)、1.13(t、3H).
【0165】
反応スキーム15(1):
【化52】

反応スキーム15(1)は、例えば、上記に示したような、そして以下の実施例17に例示したような好適に置換されたオキシラン誘導体を用いて、一般式(I)のラジカルRに含まれるN原子のアルキル化反応を記述する。R’’’は、例えばジアルキルシリル基として、適切な保護基を表す。
【0166】
実施例17
(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール ジヒドロクロリド
【化53】

(1)工程A:(R)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-2-オール(R’’’=TBDMS)
【0167】
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-((E)-3-ピペラジン-1-イル-プロペニル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(実施例14)(150 mg、0.32 mmol)、および(R)-tert-ブチルジメチル(オキシラン-2-イルメトキシ)シラン(0.1 ml、0.32 mmol)、およびKCO(90 mg、0.65 mmol)を、エタノール(0.9 ml)に溶解し、マイクロウェーブ中6分間120℃で攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮した。該残渣を、クロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/EtOAc(0-40%))により精製して、黄色油を得た。
MS(ESI):578 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.29(d、2H)、7.12(d、2H)、6.75(s、1H)、6.44(m、1H)、6.18(m、1H)、4.32(br、1H)、4.02(s、2H)、3.59(m、1H)、3.49(m、2H)、3.02(m、2H)、2.67(q、2H)、2.63(s、3H)、2.49-2.5(m、8H)、2.48(s、3H)、2.35(m、1H)、2.20(m、1H)、1.13(t、3H)、0.85(s、9H)、0.03(s、6H).
【0168】
(2)工程B:(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール ジヒドロクロリド(R’’’=H)
(R)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-2-オール(工程A、R’’’=TBDMS)(175 mg、0.3 mmol)を、THF(2 ml)に溶解した。HO(3.6 ml、1.8 mmol)中の0.5M HClを添加して、反応混合物を1時間室温で攪拌した。反応混合物を、蒸発させて、高真空にて乾燥させて、黄色固体を得た。
LC/MS:0.73分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間にて水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸);
MS(ESI):464 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):12.3(br、1H)、11.3(br、1H)、7.37(d、2H)、7.22(d、2H)、6.87(m、1H)、6.79(s、1H)、6.32(m、1H)、4.07(s、2H)、4.02(m、1H)、3.93(m、2H)、3.4-3.6(m、10H)、3.42(m、1H)、3.3(m、1H)、2.68(q、2H)、2.65(s、3H)、2.51(s、3H)、1.13(t、3H).
【0169】
反応スキーム16:
【化54】

反応スキーム16は、カルボン酸基質と、好適なアミン、例えば、ピペリジン誘導体またはピペラジン誘導体との「ペプチド」カップリング反応を述べる。従って、N-Pipは、ピペリジンまたはピペラジン部分を表し得る(ここで、1つのH原子が除去され、この部分は任意の置換を含む)。
【0170】
実施例18
(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロペノン ハイドロクロライド
【化55】

工程A:4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリロイル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
EDC(0.575g、3 mmol)を、CHCl(20 ml)中の(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリル酸(5)(671 mg、2 mmol)、Boc-ピペラジン(0.41 g、2.2 mmol)、HOBT(324 mg、2.4 mmol)、およびEtN(0.36ml、2.6 mmol)の溶液に添加して、該反応混合物を、室温で16時間攪拌した。該混合物を、飽和NaHCO溶液を用いて急冷させて、2回CHClで抽出した。該有機層を、HOで洗浄し、NaSO上で乾燥させて、濾去し、減圧下で濃縮した。該粗生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/シクロヘキサン 50-100%)により精製して、黄色固体を得た。
MS(ESI):504 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.59(d、2H)、7.44(d、1H)、7.23(d、2H)、7.17(d、1H)、6.78(s、1H)、4.03(s、2H)、3.68(br s、2H)、3.56(br s、2H)、3.37(br s、4H)、2.67(q、2H)、2.62(s、3H)、2.49(s、3H)、1.42(s、9H)、1.12(t、3H).
【0171】
工程B:(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロペノン(R’=H)
この化合物を、実施例3の工程Bと同様にして工程Aから合成した。
LC/MS:1.51分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):404 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):9.38(br s、2H)、7.59(d、2H)、7.46(d、1H)、7.24(d、2H)、7.18(d、1H)、6.78(s、1H)、4.07(s、2H)、3.91(br s、2H)、3.78(br s、2H、3.10(br s、4H)、2.68(q、2H)、2.64(s、3H)、2.49(s、3H)、1.13(t、3H).
【0172】
実施例19
3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロパン-1-オン ハイドロクロライド
【化56】
【0173】
工程A:4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピオニル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリロイル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(実施例18の工程A)(0.353g、0.7 mmol)を、CHOHに溶解した。Pd(OH)(35.3mg、0.7 mmol)を、アルゴン下で添加し、該混合物を、1時間室温で水素化した。次いで、反応混合物を、セライト上で濾過し、減圧下でエバポレートした。該粗生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl/CHOH/NHO 95:4.5:0.5)により精製して、黄色油を得た。
MS(ESI):506 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):7.08(s、4H)、6.74(s、1H)、3.98(s、2H)、3.39(m、2H)、3.34(m、2H)、3.22(br s、4H)、2.73(t、2H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.55(t、2H)、2.47(s、3H)、1.39(s、9H)、1.13(t、3H).
【0174】
工程B:3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロパン-1-オン(R’=H)
この化合物を、実施例3の工程Bと同様にして工程Aから合成した。
LC/MS:1.51分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):406 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):9.07(br s、2H)、7.09(s、4H)、6.75(s、1H)、3.99(s、2H)、3.63(br s、4H)、3.02(br s、4H)、2.73(t、2H)、2.67(q、2H)、2.62(s、3H)、2.60(t、2H)、2.48(s、3H)、1.14(t、3H).
【0175】
反応スキーム17:
【化57】

反応スキーム17は、カルボン酸基質(27)と、好適なアミン、例えば、所望により基R’により置換されていてもよいアミノメチルピペリジン誘導体とを用いるアミドカップリング反応を記述する。
【0176】
実施例20
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-N-ピペリジン-4-イルメチル-ベンズアミド
【化58】

この化合物を、4-((2-エチル-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)メチル)安息香酸(27)および1-Boc-4-(アミノメチル)ピペリジンから、実施例18と同様に工程Aから合成し、その後実施例3の工程Bと同様にしてBOC脱保護を行った。
LC/MS:1.63分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):406 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):8.97(br s、1H)、8.69(br s、1H)、8.50(t、1H)、7.74(d、2H)、7.26(d、2H)、6.79(s、1H)、4.10(s、2H)、3.22(m、2H)、3.15(dd、2H)、2.73-2.88(m、2H)、2.67(q、2H)、2.65(s、3H)、2.51(s、3H)、1.70-1.89(m、3H)、1.37(m、2H)、1.13(t、3H).
【0177】
反応スキーム18:
【化59】

反応スキーム18は、フェノール基質8と、好適に置換されたヒドロキシメチレン誘導体とのアルキル化を記述しており、ここでR(iv)は、4-ピペリジニル-またはシクロヘキシル-ラジカルを表し、これらの各々は、以下の実施例に示したように所望により置換されていてもよい。
【0178】
実施例21
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(ピペリジン-4-イルメトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン ハイドロクロライド(R’=H)
【化60】

4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノール(8)(0.12 g、0.4 mmol)、N-Boc-4-ピペリジンメタノール(0.11 g、0.49mmol)を、ジクロロメタン(3 ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(0.13 g、0.49 mmol)およびDIAD(0.12 g、0.49 mmol)を添加した。反応混合物を、室温で12時間攪拌した。次いで、それを酢酸エチルで希釈し、該有機層を、5%のNaHCO水溶液で洗浄した。該有機層を、再度塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。それを、次いで減圧下で濃縮して、該粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、該表題化合物を、白色固体として得た。Boc脱保護を、実施例3の工程Bと同様にして実施した。
LC/MS:1.95分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):378 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):8.87(br、1H)、8.55(br、1H)、7.08(d、2H)、6.80(d、2H)、6.75(s、1H)、3.96(s、2H)、3.78(d、2H)、3.25(m、2H)、2.85(m、2H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、2.0(m、1H)、1.86(m、2H)、1.45(m、2H)、1.12(t、3H).
【0179】
実施例22
{4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-ピペリジン-1-イル}-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン
【化61】
【0180】
この化合物を、Boc-cis-3-ヒドロキシ-L-プロリンを用いて実施例21と同様に合成し、その後実施例3の工程Bと同様にしてBoc脱保護を行った。
LC/MS:2.07分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):492[M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):8.5(bs、1H、NH)、7.09(d、2H)、6.81(d、2H)、6.7(s、1H)、4.65-4.59(m、3H)、4.50(dd、1H)、3.98(s、2H)、3.79(d、2H)、3.36-3.33(m、1H)、3.21-3.17(m、1H)、3.14(dd、1H)、2.67(q、2H)、2.64(s、3H)、2.34-2.30(m、1H)、2.08.2.02(m、1H)、1.95-1.91(m、1H)、1.83-1.79(m、3H)、1.13(t、3H).
【0181】
実施例23
4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシルアミン
【化62】
【0182】
この化合物を、tert-ブチル(1S,4S)-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルカルバメートを用いる実施例21と同様に合成して、その後実施例3の工程Bと同様にしてBoc脱保護を行った。
LC/MS:0.85分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間で水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中の、勾配5-100%アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸);
MS(ESI):394.4 [M+H]H-NMR(MeOH-d4、500 MHz)δ(ppm):1.20(t、3H)1.63-1.89(m、8H)1.98-2.10(m、1H)2.68- 2.79(m、5H)2.90(s、3H)3.91(d、2H)4.16(s、2H)6.86(m、2H)7.03(s、1H)7.10(m、2H).
【0183】
実施例24
(2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-カルボン酸 {4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシル}-アミド
【化63】

この化合物を、(2S,3R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸を用いて実施例7と同様に合成して、その後実施例3の工程Bと同様にしてBoc脱保護を行った。
LC/MS:0.88分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間で水(+0.1%トリフルオロ酢酸)、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸);
MS(ESI):507 [M+H]H-NMR(MeOD、500 MHz)δ(ppm):6.89-7.03(m、3H)、6.73(d、2H)、4.63(d、1H)、4.12(d、1H)、4.05(s、2H)、3.92(br s、1H)、3.74(d、2H)、3.56(s、1H)、3.37-3.50(m、1H)、)3.32(d、1H)、2.80(s、3H)、2.60-2.68(m、5H)、2.06-2.19(m、1H)、2.01(d、1H)、2.01(d, 1H)、1.82(d、J=4.80 Hz、1H)、1.54-1.70(m、5H)、1.46(dd、2H)、1.08(t、3H).
【0184】
実施例25
4-{2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチル}-ピペリジン-4-オール
【化64】

この化合物を、4-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(41)を用いて実施例21と同様に合成し、その後実施例3の工程Bと同様にしてBoc脱保護を行った。
LC/MS:1.83分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):409 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):8.61(br s、1H)、8.39(br s、1H)7.08(d、2H)、6.79(d、2H)、6.75(s、1H)、4.04(t、2H)、3.96(s、2H)、3.07(m、4H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、1.84(t、3H)、1.60-1.77(m、4H)、1.13(t、3H).
【0185】
反応スキーム19:
【化65】

N-Pipは、ピペラジンまたはピペリジン部分を表す。
【0186】
実施例26
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(2-ピペラジン-1-イル-エトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(方法A)
【化66】
【0187】
(1)工程A:4-{2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
乾燥DMF(4 ml)中、2-(4-((2-エチル-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)メチル)フェノキシ)エチル メタンスルホネート(11)(90 mg、0.223 mmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(41.5 mg、0.223 mmol)、およびKCO(92 mg、0.669 mmol)の混合物を、80℃で3時間加熱した。室温に冷却の後、酢酸エチルを添加して、該混合物を、水で抽出して、NaCl溶液で洗浄した。乾燥(NaSO)および溶媒の蒸発後に、該残渣を、逆相クロマトグラフィー(HO-CHCN勾配)により、表題生成物を得た。
MS(ESI):494 [M+H]H-NMR(CDCl、400 MHz)δ(ppm):7.15(d、2H)、6.77(d、2H)、6.45(s、1H)、4.14(m、2H)、4.08(s、2H)、3.52(m、4H)、2.87(m、2H)、2.73(q、2H)、2.70(s、3H)、2.55(s、3H)、1.58(m、4H)、1.46(s、9H)、1.20(t、3H).
【0188】
(2)工程B:2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(2-ピペラジン-1-イル-エトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(R’=H)
この化合物を、実施例3の工程Bと同様にして工程Aから合成した。
LC/MS:1.75分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):394 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ(ppm):11.76(br s、1H)、9.52(br s、2H)、7.13(d、2H)、6.88(d、2H)、6.75(s、1H)、4.33(t、2H)、3.98(s、2H)、3.57(m、10H)、2.66(q、2H)、2.62(s、3H)、2.48(s、3H)、1.13(t、3H).
【0189】
実施例27
2-エチル-3-{4-[2-((R)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-エトキシ]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(方法B)
【化67】

この化合物を、2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エタノール(反応スキーム3における上記中間体(10))および(R)-tert-ブチル 2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレートを用いる実施例9(ザラゴザ試薬を用いるアルキル化反応である)に類似した工程Aから合成し、その後実施例3の工程Bに類似したBoc脱保護を行った。
LC/MS:1.63分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):438 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):10.0-10.3(br、1H)、7.13(d、2H)、6.90(d、2H)、6.78(s、1H)、4.37(m、2H)、4.01(s、2H)、3.95(m、1H)、3.80(m、2H)、3.66(m、2H)、3.59(m、4H)、3.50(m、2H)、3.33(s、3H)、2.68(q、2H)、2.64(s、3H)、2.51(s、3H)、1.14(t、3H).
【0190】
反応スキーム20:
【化68】

反応スキーム20は、反応スキーム14(方法A)と同様の還元的アミン化方法を述べる。
N-Azは、OH、NHなどにより所望により置換されたアゼチジン部分を表す;およびN-AzはN-Pipであってもよい、すなわちアミノ、ヒドロキシメチルなどにより所望により置換されたピペリジンまたはピペラジン部分を表し得る。
【0191】
実施例28
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-アゼチジン-3-オール
【化69】

この化合物を、1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(19)およびアゼチジン-3-オールを用いる実施例9の工程Aと同様の工程Aから合成した。
LC/MS:0.78分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間にて、水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸);
MS(ESI):417 [M+H]H-NMR(CDCL、400 MHz)δ(ppm):7.79(s、1H)、7.60(s、1H)、7.53(d、2H)、7.30(d、2H)、6.49(s、1H)、4.46(q、1H)、4.18(s、2H)、3.66(dd、2H)、3.58(s、2H)、2.92-2.99(m、2H)、2.71-2.79(m、6H)、2.57(s、3H)、1.22(t、3H).
【0192】
実施例29
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-アゼチジン-3-イルアミン
【化70】

この化合物を、1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(19)およびtert-ブチル アゼチジン-3-イルカルバメートを用いて、実施例9の工程Aに類似した工程Aから合成し、その後実施例3の工程Bに類似したBoc脱保護を行った。
LC/MS:0.78分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中、8分間で勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸);
MS(ESI):416 [M+H]H-NMR(MeOD、500 MHz)δ(ppm):8.46-8.51(m、1H)、7.86-7.92(m、1H)、7.63 -7.71(m、2H)、7.36(d、2H)、6.90(s、1H)、4.57(br s、1H)、4.44-4.53(m、3H)、4.31-4.44(m、1H)、4.25(s、2H)、2.73-2.85(m、5H)、2.66(s、3H)、1.21(t、3H).
【0193】
実施例30
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-イルアミン
【化71】

この化合物を、1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(19)およびピペリジン-4-イル-カルバミン酸 tert-ブチルエステルを用いる実施例9の工程Aと同様の工程Aから合成して、その後実施例3の工程Bと同様にしてBoc脱保護を行った。
LC/MS:0.59分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間で、水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸));
MS(ESI):444 [M+H]H-NMR(400 MHz、MeOD)δ(ppm):8.52(s、1H)、7.90(s、1H)、7.71(m、2H)、7.36(m、2H)、7.03(s、1H)、4.37(s、2H)、4.29(s、2H)、3.63-3.74(m、2H)、3.50(d、1H)、3.17(t、2H)、2.89(s、3H)、2.71-2.82(m、5H)、2.30(d、2H)、2.06(t、2H)、1.22(t、3H).
【0194】
実施例31
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(4-ピペラジン-1-イルメチル-ピラゾール-1-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン
【化72】

この化合物を、1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(19)およびtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレートを用いて実施例9の工程Aに類似した工程Aから合成して、その後実施例3の工程Bに類似したBoc脱保護を行った。
LC/MS:0.73分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間で、水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸));
MS(ESI):430 [M+H]H-NMR(CDCl、500 MHz)δ(ppm):7.85(br s.、1H)、7.62(s、1H)、7.53(m、2H)、7.32(m、2H)、6.49(s、1H)、4.19(s、2H)、3.60(br s.,2H)、3.27(br s、4H)、2.86(br s、3H)、2.70-2.78(m、5H)、2.57(s、3H)、1.22(t、3H).
【0195】
実施例32
((R)-4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール
【化73】

この化合物を、1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(19)および(R)-tert-ブチル 2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレートを用いて、実施例8の工程Aに類似した工程Aから合成した。
LC/MS:1.60分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中の、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸));
MS(ESI):460[M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):8.26(s、1H)、7.68(d、2H)、7.58(s、1H)、7.27(d、2H)、6.75(s、1H)、5.76(s、2H)、4.51(br、1H)、4.07(s、2H)、3.38(m、2H)、3.25(m、2H)、3.24(m、1H)、2.74(m、1H)、2.71(m、1H)、2.69(q、2H)、2.64(s、3H)、2.51(m、1H)、2.49(s、3H)、1.91(m、1H)、1.59(m、1H)、1.14(t、3H).
【0196】
反応スキーム21:
【化74】

反応スキーム21は、トリアゾロ-メチレンリンカー「A」を担持する本発明の化合物の合成を記述する。該アジド中間体(20)は、反応スキーム5に記述される。反応スキーム5はまた、中間体20の中間体22への変換を記述する。上記中間体(20)を、トリアゾロ-メチレンリンカー「A」および異なる「R」基、例えば1-ピペリジニル-または4-ピペリジニル基と共に本発明の化合物を合成するために使用してもよい。
N-Pipは、例えば、実施例33に示したとおりのピペリジンまたはピペラジン部分を表し得る。
【0197】
実施例33
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(4-ピペラジン-1-イルメチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(方法A)
【化75】

MeOH/AcOH(98:2)(6 ml)中の、アルデヒド22(100 mg、0.28 mmol)およびピペラジン(47.8 mg、0.56 mmol)の溶液を、室温で30分間攪拌した。NaCNBH(26.2 mg、0.416 mmol)を添加して、反応混合物を、室温で1時間攪拌した。該反応を、EtOAcで希釈して、NaHCO水溶液および塩水で洗浄した。該有機層を、無水NaSO上で乾燥させて、濾過して、HV下で濃縮した。該粗生成物を、分取HPLCにより精製して(水/アセトニトリル(0.1% TFA))、白色固体を得た。
LC/MS:0.70分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間で、水(+0.1%トリフルオロ酢酸中の、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸));
MS(ESI)431 [M+H]H-NMR (360 MHz、MeOD)δ(ppm):8.47(s、1H)、7.74(d、2H)、7.44(d、2H)、6.78(s、1H)、4.26(s、2H)、3.89(s、2H)、3.24-3.31(m、4H)、2.76-2.88(m、6H)、2.75(s、3H)、2.59(s、3H)、1.22(t、3H).
【0198】
実施例34
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール(方法B)(R’=H)
【化76】

(1)工程A:4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(R’=Boc)
3-(4-アジド-ベンジル)-2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(20)(0.25 g、0.81 mmol)および 4-ヒドロキシ-4-プロパ-2-イニル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(43)(0.29g、1.22 mmol)を、アセトニトリル(2ml)に溶解した。ヨウ化銅(I)(0.186 g、0.97 mmol)を添加した。反応混合物を、2時間50℃で攪拌した。それを、室温まで冷却させて、濃縮した。該残渣を、ジクロロメタンに溶解して、塩水を用いて洗浄した。該有機層を、分離して、乾燥させて濃縮した。この残留粗製物質を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、該表題化合物を黄色泡沫物として得た。
MS(ESI):546 [M+H]H-NMR(CDCl、500 MHz)δ(ppm):1.21-1.25(m、3H)1.47(s、9 H)1.61(d、J=12.13 Hz、4H)2.58(s、3H)2.71-2.80(m、5H)2.94(s、2H)3.23(t、J=9.22 Hz、3H)3.83(d、J=10.11 Hz、2H)4.23(s、2H)6.51(s、1H)7.40(m、J=8.34Hz、2H)7.60(m、J=8.34 Hz、2H)7.77(s、1H).
【0199】
(2)工程B:4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール(R’=H)
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(工程A)を、実施例3の工程Bに記述されたBoc脱保護のための条件に供した。
LC/MS:0.70分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間で、水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中の、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸);
MS(ESI):446 [M+H]H-NMR(CDCl、500 MHz)δ(ppm):7.79(s、1H)、7.60(m、2H)、7.40(m、2H)、6.51(s、1H)、4.22(s、2H)、3.00-3.08(m、2H)、2.96(s、2H)、2.89(d、2H)、2.71-2.79(m、5H)、2.58(s、3H)、1.63(br s、4H)、1.24(t、3H).
【0200】
反応スキーム22:
【化77】

反応スキーム22は、中心のオキサジアゾールリンカー「A」を担持する本発明の化合物を製造できる2つの別の経路(方法Aおよび方法B)を記述する。双方の方法において、該オキサジアゾールリンカーは、ヒドラゾン誘導体を、適切な脱水素反応を用いて、例えば、塩基の存在下にて塩化トシルを用いて獲得し、所望のオキサジアゾールを得ることができる。
【0201】
実施例35
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(5-ピペリジン-4-イル-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(方法A)
【化78】

(1)工程A:4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
付加攪拌器および熱電対を備えた4つ首フラスコ(500 ml)に、窒素通気下にて、酸27(10.0 g、32.3 mmol、1.0 eq)、DMF(120 ml)および2,4,6-トリメチルピリジン(11.75 g、96.9 mmol)を入れた。30分間23℃で反応混合物を攪拌後した後に、4-ヒドラジノカルボニル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(9.4g、38.7 mmol、1.2等量)、EDC(12.3 g、64.3 mmol)、HOBT(1.48 g、9.6 mmol)を添加した。該反応混合物を、23℃で12時間攪拌した。反応の完了後、それを23℃でi-PrOAc/ヘプタン(100 mL、1:1)、続いて水(250 ml)で希釈した。該懸濁液を、1時間23℃で攪拌した。該固体を、濾過により回収して、水(50 ml)で洗浄した。該湿性生成物を、40℃で12時間乾燥させて、白色固体を得た。
MS(ESI):446 [M+H]H NMR(500 MHz、CDCl)δ(ppm):7.89(d、2H)、7.36(d、2H)、4.20(s、2H)、4.06-4.15(m、2H)、3.07-3.17(m、2H)、2.97(d、2H)、2.68-2.77(m、5H)、2.55(s、3H)、2.09(dd、2H)、1.81-1.92(m、2H)、1.47(s、9H)、1.39-1.44(m、1H)、1.20(t、3H).
【0202】
(2)工程B:2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(5-ピペリジン-4-イル-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン
付加攪拌器、熱電対および追加漏斗を備えた4つ首フラスコ(500 ml)を、4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(工程A)(10.0 g、18.7 mmol)、TsCl(3.92 g、20.5 mmol)、およびCHCl(150 ml)を入れた。トリエチルアミン(2.83 g 28.0 mol)を、室温以下のバッチ温度に維持しながら、10分間かけて添加し、該混合物を、12時間23℃で攪拌した。次いで、TFA(10.6 g、93.6 mmol)を添加して、攪拌をさらに6時間室温で継続した。反応完了後に、溶媒を、最終容量が〜30 mLに達するまで、減圧下でエバポレートした。酢酸エチル(100 ml)を添加して、該混合物を、減圧下でエバポレートした。この方法を1回以上繰り返して、確実に全てのCHClを除去する。酢酸エチル(150 ml)を添加して、0℃に冷却した。6N NaOH(100 ml)溶液を、バッチ温度を0℃に維持しながら、30分間かけて該反応物に添加した。次いで、該混合物を、0℃で30分間攪拌した。該有機層を、分離して、6N NaOHに続いて水により洗浄した。該有機層を、最終容量〜50 mlまで、減圧下でエバポレートし、へプタンから結晶化した。該固体を、濾過により回収し、酢酸エチル/ヘプタン(20 ml、1:3)で濯いだ。湿性の生成物を、40℃で12時間乾燥させて、白色固体を得た。
LC/MS:1.54分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):446 [M+H]H NMR(500 MHz、CDCl)δ(ppm):7.89(d、2H)、7.36(d、2H)、6.48(s、1H)、4.20(s、2H)、3.16-3.22(m、2H)、3.05-3.14(m、1H)、2.68-2.80(m、7 H)、2.55(s、3H)、2.04-2.13(m、2H)、1.80-1.91(m、2H)、1.20(t、3H).
【0203】
実施例36
4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-シクロヘキシルアミン(方法B)
【化79】

(1)工程A:(4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-シクロヘキシル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル)
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-安息香酸ヒドラジド(29)(200 mg、0.618 mmol)、トランス-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸 (226 mg、0.928 mmol)、EDC(119 mg、0.618 mmol)、HOBT(95 mg、0.618 mmol)、およびEt3N(0.086 ml、0.618 mmol)を、DMF(2 ml)に溶解して、16時間室温で攪拌した。次いで、該混合物を、EtOAcで希釈して、NaCl溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。蒸発により、褐色油を得た。該粗生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/EtOAc)により精製して、白色固体を得た。
MS(ESI):549 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):10.15(s、1H)、9.71(s、1H)、7.73(d、2H)、7.26(d、2H)、6.77(s、1H)、6.70(br、1H)、4.10(s、2H)、3.17(m、1H)、2.67(q、2H)、2.63(s、3H)、2.48(s、3H)、2.14(m、1H)、1.7-1.85(m、4H)、1.3-1.4(m、2H)、1.37(s、9H)、1.17(m、2H)、1.12(t、3H).
【0204】
(2)工程B:4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール(R’=Boc)
(4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-シクロヘキシル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル)(工程A)(110 mg、0.200 mmol)および塩化トシル(57.3 mg、0.301 mmol)を、CHCl(2 ml)およびDMF(0.2 ml)に溶解した。次いで、EtN(0.111 ml、0.802 mmol)を添加して、反応混合物を、4時間室温で攪拌した。該反応混合物を、NaHCOを用いて急冷し、二回CHClにより抽出した。該有機層を、HOで洗浄して、合わせて、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。該残渣を、クロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/EtOAc)により精製した。
MS(ESI):531[M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):7.86(d、2H)、7.40(d、2H)、6.82(br、1H)、6.79(s、1H)、4.14(s、2H)、3.30(m、1H)、2.88(m、1H)、2.70(q、2H)、2.65(s、3H)、2.50(s、3H)、2.12(m、2H)、1.89(m、2H)、1.59(m、2H)、1.40(s、9H)、1.30(m、2H)、1.13(t、3H).
【0205】
(3)工程C:4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-シクロヘキシルアミン ハイドロクロライド(R’=H)
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール(工程B)(61 mg、0.115 mmol)を、ジオキサン(1 ml)に溶解した。次いで、ジオキサン(0.287 ml、1.150 mmol)中の4M HClを添加して、該混合物を、2時間、室温で攪拌した。反応混合物を濃縮した。該残渣を、ジエチルエーテルで磨砕し、黄色固体を濾去した。該化合物を、さらなる精製なしに使用した。
LC/MS:1.72分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):431 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):8.10(br、3H)、7.85(d、2H)、7.39(d、2H)、6.79(s、1H)、4.14(s、2H)、3.07(m、1H)、2.97(m、1H)、2.68(q、2H)、2.64(s、3H)、2.48(s、3H)、2.18(m、2H)、2.06(m、2H)、1.63(m、2H)、1.51(m、2H)、1.12(t、3H).
【0206】
実施例37
1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノン
【化80】

この化合物を、2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)酢酸を用いて実施例8の工程Aに類似した実施例36から合成して、その後実施例3の工程Bに類似してBoc脱保護を行った。
LC/MS:1.55分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.8um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):488 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、600 MHz)δ(ppm):7.85(d、2H)、7.38(d、2H)、6.75(s、1H)、4.26(m、1H)、4.12(s、2H)、3.77(m、1H)、3.60(m、2H)、3.34(m、1H)、3.21(m、1H)、2.94(m、1H)、2.67(q、2H)、2.62(s、3H)、2.47(s、3H)、2.38(s、3H)、2.07(m、2H)、1.76(m、1H)、1.62(m、1H)、1.11(t、3H).
【0207】
実施例38
(S)-1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン ハイドロクロライド
【化81】

【0208】
この化合物を、(S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)-3-ヒドロキシプロパン酸を用いて、実施例8の工程Aと類似した実施例36から合成し、その後実施例3の工程Bと同様にしてBoc脱保護を行った。
LC/MS:0.74分間(4.6x50 mM、Sunfire C18、5um、45℃、2ml/分、8分間で、水(+0.1%トリフルオロ酢酸)中の、勾配5-100% アセトニトリル(+0.1% トリフルオロ酢酸);
MS(ESI):518 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):9.13(br、1H)、8.74(br、1H)、7.86(m、2H)、7.40(d、2H)、6.79(s、1H)、4.6(br、1H)、4.49(m、1H)、4.32(m、1H)、4.15(s、2H)、3.93(m、1H)、3.79(m、1H)、3.70(m、1H)、3.40(m、1H)、3.33(m、2H)、3.03(m、2H)、2.68(q、2H)、2.64(s、3H)、2.50(s、3H)、2.12(m、2H)、1.80(m、1H)、1.71(m、1H)、1.12(t、3H).
【0209】
実施例39(結合アッセイのための標識化合物)
[H]-2-エチル-3-{4-[3-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン
【化82】

【0210】
(1)工程A:2-エチル-3-{4-[(E)-3-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン ジヒドロクロリド
この化合物を、1-イソプロピルピペラジンを用いて実施例10と同様に合成した。
MS(ESI):432 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):12.1(br、1H)、11.8(br、1H)、7.37(d、2H)、7.21(d、2H)、6.84(d、1H)、6.77(s、1H)、6.29(m、1H)、4.05(s、2H)、3.93(m、2H)、3.4-3.8(m、9H)、2.66(q、2H)、2.63(s、3H)、2.49(s、3H)、1.28(d、6H)、1.12(t、3H).
【0211】
(2)工程B:2-エチル-3-{4-[(E)-3-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン
2-エチル-3-{4-[(E)-3-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(工程A)(70 mg、0.13 mmol)を、メタノール(2 ml)に溶解し、Pd-C(14 mg)の添加後に、該混合物を、2時間、室温でトリチウムを用いて水素化した。次いで、該混合物を、セライト上で濾過し、減圧下でエバポレートした。該粗生成物を、分取HPLCにより精製した(メタノール/水)。該表題化合物を、上記式に示したような4つの異なる位置で(部分的に)トリチウム化した。
LC/MS:1.26分間(2.1x50 mM、HSS T3 1.7 um、50℃、1.2 ml/分、水(+0.05% 蟻酸+3.75 mM NHOAc)中、勾配2-98% アセトニトリル(+0.04% 蟻酸);
MS(ESI):434 [M+H]H-NMR(DMSO-d6、500 MHz)δ(ppm):11.0-11.8(br、2H)、7.12(m、4H)、6.76(s、1H)、4.01(s、2H)、3.35-3.8(m、9H)、3.10(m、2H)、2.66(q、2H)、2.63(s、3H)、2.58(m、2H)、2.48(s、3H)、1.96(m、2H)、1.28(d、6H)、1.13(t、3H).
【0212】
実施例40(比較例)
2-エチル-3-{4-[(E)-3-(4-イソプロピル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン
【化83】

この化合物は、WO2009/144201の実施例番号46に記述したように製造する。
【0213】
遊離形態または医薬上許容される塩形態の本発明の化合物は、例えば、下記に記述した様々な試験に示しとおりのGPR4アンタゴニストのような、価値のある薬理学的特性を示す。
【0214】
a)ヒトGPR4結合アッセイ
ヒトGPR4レセプターを発現するマウスの前駆B細胞系300.19細胞から調製した膜に結合する[H](実施例39)を測定するアッセイ
膜の調製:均質な膜を、N末端c−mycタグを有するヒトGPR4を安定に発現するマウス前駆B細胞系300.19クローンから調製した。該細胞を、成長培地中、約1x10細胞/mLの密度で、T175 フラスコ内で成長させた。該細胞を、遠心分離(3000 rpm、30分間、4℃)により回収して、該ペレットを、氷冷緩衝液A(20 mM HEPES pH7.8、10 mM EDTA、100 mM NaCl、1 tab/40 mL プロテアーゼ阻害剤完全体)に懸濁させた。該細胞懸濁を、スピード8にて、2点を各々30秒間毎あけて、ポリトロンホモジナイザー(PT10/35)を用いて氷上でホモジネートした。該均質物を、18000rpm、50分間、4℃で遠心分離し、該膜タンパク質ペレットを、ポリトロン(2 x 20 秒)を用いて冷緩衝液Aに懸濁した。該タンパク質濃度を、Bio RADタンパク質アッセイおよび標準物としてヒトIgGを用いて決定した。膜タンパク質懸濁液の容量を、終濃度約2 mg タンパク質/mLに調整した。該懸濁液を、再度氷上で25000rpm、20秒でホモジネート(ポリトロン)して、分割し、−80℃で貯蔵した。
放射性リガンド結合アッセイ:化合物の連続希釈物(10 mM DMSO中で保存)は、化合物をDMSOに希釈し、その後アッセイ緩衝液(10 mM HEPES、pH8.0、100 mM NaCl、5 mM MgCl、1 mM CaCl、0.5% 脂肪酸-遊離BSA、0.05% Tween-20)中で1:50希釈して製造された。放射性リガンド[H](実施例39)(比活性1500 GBq/mmol)を、使用する直前に、アッセイ緩衝液に直接希釈して、20nM 溶液を得る。所望の量の膜(20 μg/ウェル)を、アッセイ緩衝液で希釈した。予め希釈した化合物(50 μL)および[H](実施例39)(50 μL)を、96ウェルプレートの底においた。膜懸濁液(100 μL)を、添加して、該プレートを60分間攪拌した。該反応を、細胞収集器を用いて、96-ウェルGF/Cフィルタープレートのフィルター上(0.25% PEIに1時間浸漬した)に移して停止させた。該フィルタープレートを、氷冷洗浄緩衝液により5回洗浄して、乾燥させて、下部で密封した。次いで、Microscint 40(20 μL)を、各ウェルに添加して、プレートの上部を密封した。最終的に、該プレートを、TopCount NXT instrument(Packard instruments)内で、2分間/ウェル計測した。該データは、GraphPAD PrismTM ソフトウェアを用いて分析される。
【0215】
親の(移入されていない)マウスの前駆B細胞系300.19から単離した負のコントロールの膜を使用した。5nM 放射性リガンドおよび[H](実施例39)の存在下では、バックグランドのシグナルを単に観察するのみである。この実験は、放射性リガンド実施例39とヒトGPR4レセプターとの親和性を確認するものである。
【0216】
上記試験方法に基づいて、本発明の化合物は、以下のIC50値を示す:
【表2】
【0217】
同様の手法において、追加のヒト血清アルブミン(4% HSA)との結合アッセイが確立されている。このアッセイにおいて、該本発明の化合物は、以下のIC50値を示した:
【表3】
【0218】
b)ヒトGPR4活性に対する細胞を基にしたアッセイ
ヒトGPR4を安定に発現するHeLa細胞を、ヒトGPR4コード配列を含有する構築体を用いて該細胞をトランスフェクトすることにより確立した。該細胞を、10% 胎児ウシ血清(FCS)、100 u/ml ペニシリン、100 μg/ml ストレプトマイシンおよび400 μg/ml G418および10 mM Hepes pH 8.0を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)/ハムの組織培養培地 F12(ハムF12)中で成長させた。cAMPのpH誘発性の形成を、CisBio Inc.により提供されるような均一時間分解蛍光測定法(HTRF)技術を用いて決定した。該細胞を、384ウェルプレートに播種して、アッセイを行う前に5%CO24時間37℃で培養した。培地を、除去して、10 μl緩衝液A(Hepes緩衝食塩水(HBS)、10mM Hepes、pH8、2 mM 3-イソブチル1-メチルキサンチン(IBMX))を添加した。化合物の試験のために、2x濃縮した化合物を含む緩衝液Aを使用した。細胞を、15分間室温でインキュベートした。緩衝液B(HBS、30 mM Hepes、特定pH)(10 μl)を添加して、刺激に対する好適な最終pHとし(下記を参照されたい)、インキュベーションを、15分間室温で継続させた。最終的に、cAMP-XL665(10 μl)および抗cAMP-クリプテート(10μl)を分配し、プレートを、室温で60分間インキュベーションした後に、Pherastar reader上で読み取った。データを、665nm/620nm比から計算し、%活性を、GPR4活性化の最小値および最大値に従って正規化した。HBS:130mM NaCl、0.9mM NaHPO、5.4mM KCl、0.8mM MgSO、CaCl 1.8 mM、25mM ブドウ糖、10-30 mM Hepes。
【0219】
HBS緩衝液の調整:
【表4】
【0220】
化合物を、DMSO中で10 mMから2 mMまで、新たなストック溶液により希釈して、DMSO中の連続希釈物として使用した。2x濃縮した化合物の溶液を、20、6.33、2、0.63、0.2、0.063、0.02、0.0063 uM(μモル)の最終濃度となるよう調整した。
【0221】
上記試験方法に基づいて、本発明の化合物は、以下のIC50値を示した:
【表5】
【0222】
同様の手法にて、マウス(m)およびラット(r)GPR4レセプターについてのアッセイは確立されている。GPR4アンタゴニストの種特異性により、本発明の化合物は、マウスのGPR4アッセイにおいては0.07から1.92 μMの間にIC50を有し、ラットGPR4アッセイにおいては0.18から2.64 μM(マイクロモル)を有する:
【表6】
【0223】
【表7】
【0224】
c)ヒトH3結合アッセイ
シンチレーション近接結合アッセイ(SPA)を、384-ウェルポリスチレンプレート中ウェルあたり50 μLの最終容量にて実施した。該ウェルの成分を下記のとおり添加した:
−1.5% DMSO/蒸留水中、10 μL試験化合物
全ての結合を、1.5% DMSOを含む水(10 μL)を添加して決定し、非特異的結合を、Clobenpropit(10 μL終濃度)(10 μL)の添加により決定した。
【0225】
−アッセイ緩衝液(50mM トリス-HCl、5mM EDTA、1mM EDTA、pH7.4)中の、7.5 nM[H]-R-α-メチルヒスタミン(20 μL)。放射性リガンドの終濃度は3 nMであった。
−終濃度が10 μg/ウェルの膜および200 μg/ウェルのビーズとなるように、20 μLのビーズ(PVT-WGA タイプA)およびアッセイ緩衝液中の膜混合懸濁液。一例として、1471 μLの膜(濃度:5.1 mg/mL)および1500 μLのビーズ懸濁液(濃度:100 mg/mL)を、アッセイ緩衝液の最終容量15 mLまで希釈した。
【0226】
該プレートを、密封して、室温で振盪し、その後少なくとも1時間、室温に置いた。該プレートを、ウェル毎に1分間計測し、Perkin Elmer TopCount 読み取り器を用いて計測した。
【0227】
【表8】
【0228】
d)マウスのVEGF誘導性の血管新生におけるGPR4活性
GPR4の機能活性を、血管新生成長因子の移植モデルにて決定した。パーフルオロ-アルコキシ-テフロンで作った多孔質組織小区分(chamber)を、8 μg/mlの組換えヒトVEGFを含む、あるいは含まない0.8%寒天および20 U/mlヘパリンで充たした。該溶液を、フィリング方法の前に39℃で維持した。マウスを、3% イソフルラン吸入により麻酔した。皮下移植のために、尾部根元に小さな皮膚の切開部を作り、移植トロカールの挿入を行った。該小区分を、動物の背中の小さな切開口から無菌条件下にて移植した。該皮膚の切開口を、創傷クリップにより閉じた。該化合物を、小区分移植の日に開始して、1日につき2回(bid)、30 mg/kgにて経口投与(po)した。移植4日後に、動物を、COを用いて屠殺した。小区分を、摘出して、各移植片周辺で形成した血管新生した繊維状組織を、注意深く取り出して、これを秤量し、△組織重量%[((化合物/VEGF)−(化合物なし/VEGFなし))/((化合物なし/VEGF)-化合物なし/VEGFなし))x100]として表した。体重を、マウスの一般的状態を追跡するために使用した。
【0229】
【表9】
【0230】
e)ラット抗原-誘導性の関節炎モデルにおけるGPR4活性
雌のルイスラットを、21日目および14日目(1 mg/ml mBSAを含有する0.1 ml)に、完全なフロイントアジュバントと均質化したメチル化ウシ血清アルブミン(mBSA)1:1を用いて、背中への皮内注射により感作させた。0日目に、右膝に、5% ブドウ糖溶液中の10mg/ml mBSA(抗原を膝に注射した)(50ml)を投与し、一方左膝には5% ブドウ糖溶液単独(ビヒクルを膝に注射した)(50ml)を投与した。その後、左および右膝の直径を、関節内注射の直後および2、4および7日目にカリプスにより測定した。本発明の化合物を、経口的強制飼養により1日に2回投与した;5ml/kgにてビヒクル(生理食塩水)および0.3mg/kgにてデキサメタゾンを、コントロールとして投与した。右膝の膨張を、左膝の膨張の比として計算し、R/L膝の膨張比を、時間に対してプロットして、コントロールおよび処置群について、曲線下面積(AUC)のグラフを求めた。個々の処置群AUCの%阻害を、コントロール群のAUC(0%阻害)に対して計算した。
【0231】
【表10】
【0232】
f)確立されたラット痛覚過敏症モデル
後足両足の本来の離脱閾値を、アナルゲシメーター(analgesymeter)を用いて各足の背部表面に設置して漸増圧迫刺激により決定した。次いで、遅延炎症性疼痛を、コントロールとして対側の足と共に、一本の後足の足裏への完全なフロイントアジュバント(CFA)(25 μl)の足底内注射により誘導した。3日後に、本発明の化合物(3、10、および30 mg/kg)、またはコントロールとしてのジクロフェナク(30 mg/kg)またはビヒクルを、メチルセルロース5%中の懸濁液として強制飼養により投与した。1時間後に、足の離脱閾値を、同側の足(CFA注射)および対側の足(注射しない)の双方にて再度測定した;測定を、投薬3時間および6時間後に繰り返した。痛覚過敏症の反転を、下記の式を用いて計算した:反転(%)=100x(投薬後の同側の閾値−投薬前の同側の閾値)(本来の同側の閾値−投薬前の同側の閾値)。
【0233】
【表11】
【0234】
本発明の化合物は、GPR4調節(例えば、阻害)に影響を及ぼす処置に特に有用である、例えばプロトン恒常性が不均衡であるもの、即ち後記からなる群から選択される医薬症状を処置する際に有用であり得る:
骨粗しょう症(年少者の、更年期の、更年期後の、外傷後の、加齢を原因とする、またはコルチコステロイド治療または不活性の)、歯肉炎、歯周炎、パジェット病、悪性腫瘍の高カルシウム血、腫瘍誘導性高カルシウム血、代謝性骨疾患、癌、固形腫瘍、心臓脈管障害、動脈硬化、心筋梗塞、手足病、末梢動脈閉塞性疾患、眼疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、ブドウ膜炎、関節炎、リウマチ性関節炎、変形性関節症、創傷治癒、皮膚疾患、炎症性および閉塞性気道疾患、喘息、内因性および外因性喘息、軽度の喘息、中程度の喘息、重度の喘息、気管支炎喘息、運動誘導性喘息、職業喘息および細菌感染後に誘導された喘息、急性肺損傷、急性/成人性呼吸不全症候群、慢性閉塞性肺気道または肺疾患、慢性気管支、これらに関連のある呼吸困難、肺気腫、他の薬剤治療の結果おこる気道の過活動増悪、気管支炎、急性アルキン酸性、カタル性、クラープス(croupus)、慢性またはフタノイド性(phthinoid)気管支炎、塵肺、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、クリコーシス(chlicosis)、脱毛(ptilosis)、鉄沈着症、珪肺症、タバコ中毒症、綿肺症、好酸球増多症、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎、好酸球性肉芽腫および薬物反応に関連した気道に影響する好酸球性関連障害、生物感染、例えば、ニューモシスティス・カリニ、クルーズ・トリパノソーマ、トリパノソーマ・ブルーセイ、クリチディア・ファシキュラータ、寄生疾患、例えば、住血吸虫症およびマラリア、サルコイドーシスおよびその他の肉芽腫性炎症、腫瘍浸潤および転移、異染性白質ジストロフィー、筋ジストロフィー、筋萎縮、自己免疫疾患、呼吸疾患、免疫介在性疾患、移植拒絶反応、炎症性疼痛、内臓性疼痛、急性のおよび慢性疼痛、腫瘍疼痛、神経障害性疼痛、腎臓疾患、腎臓尿細管性アシドーシスおよびその他の酸-塩基および代謝の障害、クローン疾患、炎症性腸疾患、過敏性反応。
【0235】
GPR4感受性疾患または障害とは、通常、下記から選択される疾患または障害をいう:
骨粗しょう症(年少者の、更年期の、更年期後の、外傷後の、加齢を原因とするまたはコルチコステロイド治療または不活性)、歯肉炎、歯周炎、パジェット病、悪性腫瘍の高カルシウム血、腫瘍誘導性高カルシウム血、代謝性骨疾患、癌、固形腫瘍、心臓脈管障害、動脈硬化、心筋梗塞、手足病、末梢動脈閉塞性疾患、眼疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、ブドウ膜炎、関節炎、リウマチ性関節炎、変形性関節症、創傷治癒、皮膚疾患、炎症性のおよび閉塞性 気道疾患、喘息、内因性および外因性喘息、軽度の喘息、中程度の喘息、重度の喘息、気管支炎喘息、運動誘導性喘息、職業喘息および細菌感染後に誘導された喘息、急性肺損傷、急性/成人呼吸不全症候群、慢性閉塞性肺気道または肺疾患、慢性気管支炎、これらに関連する呼吸困難、肺気腫、他の薬剤治療の結果おこる気道の過活動増悪、気管支炎、急性アラキン酸性、カタル性、クラープス、慢性またはフタノイド性気管支炎、塵肺、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、クリコーシス、脱毛、鉄沈着症、珪肺症、タバコ中毒症、綿肺症、好酸球増多症、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎、好酸球性肉芽腫および薬物反応に関連した気道に影響する好酸球性関連障害、生物感染、例えば、ニューモシスティス・カリニ、クルーズ・トリパノソーマ、トリパノソーマ・ブルーセイ、クリチディア・ファシキュラータ、寄生疾患 例えば、住血吸虫症およびマラリア、サルコイドーシスおよび他の肉芽腫性炎症、腫瘍浸潤および転移、異染性白質ジストロフィー、筋ジストロフィー、筋萎縮(amythrophy)、自己免疫疾患、呼吸疾患、免疫介在性疾患、移植拒絶反応、炎症性疼痛、内臓性疼痛、急性および慢性疼痛、腫瘍疼痛、神経障害性疼痛、腎臓疾患、腎臓尿細管性アシドーシスおよびその他の酸-塩基および代謝の障害、クローン疾患、炎症性腸疾患、過敏性反応。
【0236】
本発明の化合物は、医薬として使用するための、特にGPR4レセプターにより、特にGPR4の阻害により媒介される、疾患または障害の処置において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0237】
本明細書で使用されるとおり、GPR4レセプターの用語「媒介」または「調節」は、本発明の化合物により、特にGPR4レセプターの阻害に向けられる。
【0238】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるGPR4レセプター活性を調節する方法、特にGPR4レセプターにより媒介される対象における障害または疾患を処置する方法を提供するものであり、この方法は治療上有効量の本発明の化合物を患者に投与することを含む。
【0239】
別の実施形態において、本発明は、方法または前段落の用途を提供する、ここでGPR4レセプターにより媒介されるか、またはGPR4レセプターの活性により特徴付けられる対象における障害または疾患の処置を提供する。
【0240】
別の実施形態において、本発明は、医薬上許容可能な担体と共に本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0241】
別の実施形態において、本発明は、1以上の他の好適な活性剤と共に本発明の化合物を含む組合せを提供する。これらに限定されないが、下記分類の剤から選択され得る:抗IL-1剤、例えば:アナキンラ(Anakinra);抗サイトカインおよ抗サイトカインレセプター剤、例えば抗IL-6R Ab、抗IL-15Ab、抗IL-17 Ab、抗IL-12 Ab;B細胞およびT細胞調節剤、例えば抗CD20 Ab;CTL4-Ig、疾患改変抗リュウマチ剤(DMARD)、例えばメトトレキサート、レフルナミド、スルファサラジン;非ステロイド様抗炎症剤(非選択的および選択的COX2阻害剤双方を含む)、およびサリチル酸誘導体、アセトアミノフェンを含むが、これらに限定しない抗鎮痛消炎剤および鎮痛剤;天然および合成オピオイド類;免疫細胞の遊走を調節する剤、例えばケモカイインレセプターアンタゴニスト;細胞接着因子の調節剤、例えばLFA-1、VLA-4の阻害剤;抗腫瘍剤、例えばVEGF阻害剤、またはPDGFR阻害剤;および細胞毒性、および抗有糸分裂剤。
【0242】
本発明の別の実施形態は、a)第一薬剤(本発明の化合物、またはその塩、特にその医薬上許容される塩)、およびb)少なくとも1つの共剤、例えば免役抑制剤、免役調節薬、抗炎症性剤、化学療法剤または抗感染剤、を含む組合せ、例えば医薬組成物またはキットを記述する。
【0243】
発明の概要:
実施形態1は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化84】

(I)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH=CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-C(O)-CH=CH-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-CH-CH-、-C(O)-NH-CH-、-CH-NH-C(O)-、-O-CH-、-CH-O-、-O-CH-CH-、-CH-CH-O-、
【化85】


【化86】


【化87】


【化88】


および
【化89】

(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルを表し、これらの各々は、所望により1〜4回置換されていてもよい;および
R4は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノまたはトリフルオロメチルである]。
【0244】
実施形態2は、式(I’)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化90】

(I’)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH=CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-C(O)-CH=CH-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-CH-CH-、-C(O)-NH-CH-、-CH-NH-C(O)-、-O-CH-、-CH-O-、-O-CH-CH-、-CH-CH-O-、
【化91】
(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、C-Cアルコキシカルボニルまたはトリ-C-Cアルキルシリルオキシにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノまたはトリフルオロメチルである]。
【0245】
実施形態3は、式(I’’)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化92】

(I’’)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Aは、後記からなる群から選択される二価の結合基である:
-CH=CH-、-CH=CH-CH-、-CH-CH-CH-、-CH=CH-C(O)-、-CH-CH-C(O)-、-C(O)-NH-CH-、-O-CH-、-O-CH-CH-、
【化93】

【化94】

、および
【化95】
(ここで、*は、連結(または、結合位置)を表す);
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、C-Cアルコキシカルボニルまたはトリ-C-Cアルキルシリルオキシにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0246】
実施形態4は、実施形態1の規定に従う化合物に関し、これは式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化96】

(II)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキル、特にエチルである;
R2およびR3は、互いに独立して、HまたはC-Cアルキル、特にHまたはメチルである;
Rは、5〜10個の環原子を有するヘテロシクリルを表し[ここで、1〜4個の環原子はヘテロ原子である(従って、残余の環原子は炭素である)]、これらは所望により、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキルイミノ、C-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-アルコキシ、C-C-チオアルキル、C-C-アルケニルオキシ、C-C-アルキニルオキシ、ハロゲン、C-C-アルキルカルボニル、カルボキシ、C-C-アルコキシカルボニル、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルアミノカルボニル、ジ-C-C-アルキルアミノカルボニル、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル(C-C-アルキル)アミノ、ヒドロキシピロリジニル-カルボニル、例えば、3-ヒドロキシピロリジン-2-イル-カルボニル、C-C-アルキル-1H-テトラゾリル、例えば、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C-C-アルキルアミノスルホニルにより1〜4回置換されていてもよく、ここで前記炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ残基)の各々は、アミノ、C-C-アルキルアミノ、ジ-C-C-アルキルアミノ、C-C-アルキルカルボニルアミノ、C-C-アルキルカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC-C-アルコキシ基から各々出現時に独立して選択される1以上の残基によりさらに置換されていてもよい;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0247】
実施形態5は、実施形態1に規定した化合物に関し、これは式(III)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化97】

(III)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0248】
実施形態6は、実施形態1に規定した化合物に関し、これらは式(IV)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化98】

(IV)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0249】
実施形態7は、実施形態1に規定した化合物に関し、これらは、式(V)の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
【化99】

(V)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は、所望により後記により1〜4回置換されていてもよい:オキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、またはC-Cアルコキシカルボニルにより所望により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、HまたはC-Cアルキルである。]。
【0250】
実施形態8は、実施形態1、2、3、4、5または6のいずれか一つの化合物、またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、C-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、ピペリジンまたはピペラジンを表し、これらは後記により1回以上置換されていてもよいC-Cアルキルにより1〜2回置換されていてもよい:ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、または所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ;および
R4は、Hである]。
【0251】
実施形態9は、実施形態1、2、3、4、5、6または7いずれか一つに記載の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
[式中、
R1は、エチルである;
R2およびR3は、互いに独立してメチルである;
Rは、4-ピペリジニルまたは1-ピペラジニルを表し、これらは、ヒドロキシ、オキソ(=O)、またはモノC-Cアルキル-アミノにより所望により1〜3回置換されていてもよいC-Cアルキルによって、所望により1〜2回置換されていてもよい、但しC-CアルキルがN原子と結合する場合には、該置換基C-Cアルキルが非置換であることはない;および
R4は、Hである。]。
【0252】
実施形態10は、前記実施形態のいずれかひとつに記載の化合物、またはその医薬上許容される塩に関し、ここで、該化合物は、後記から選択される:
4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-ピペリジン-4-オール、
4-{(E)-2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-ビニル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-アゼチジン-3-オール、
3-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペリジン-4-オール、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-ピペリジン-4-オール、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
(2S,4S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-メチル-ピペリジン-4-オール、
1-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-オン、
(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール、
1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノン、
[2-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-メチル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル、
((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール、
(S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-{4-[(E)-3-((S)-3-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
2-エチル-3-{4-[(E)-3-((S)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
2-アミノ-1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-エタノン、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-(4-{(E)-3-[4-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-ピペリジン-1-イル]-プロペニル}-ベンジル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
((S)-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-2-イルメチル)-ジメチル-アミン、
(R)-2-ジメチルカルバモイル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
(S)-2-ジメチルアミノメチル-4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-((E)-3-ピペラジン-1-イル-プロペニル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
(S)-1-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン、
(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン、
(R)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-1,2-ジオール、
(R)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-3-(4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アリル}-ピペラジン-1-イル)-プロパン-2-オール、
(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロペノン、
4-{(E)-3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-アクリロイル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1-ピペラジン-1-イル-プロパン-1-オン、
4-{3-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-プロピオニル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-N-ピペリジン-4-イルメチル-ベンズアミド、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(ピペリジン-4-イルメトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
{4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-ピペリジン-1-イル}-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-イル)-メタノン、
4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシルアミン、
(2S,3R)-3-ヒドロキシ-ピロリジン-2-カルボン酸 {4-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシメチル]-シクロヘキシル}-アミド、
4-{2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチル}-ピペリジン-4-オール、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(2-ピペラジン-1-イル-エトキシ)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{2-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェノキシ]-エチル}-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-3-{4-[2-((R)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-エトキシ]-ベンジル}-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-アゼチジン-3-オール、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-アゼチジン-3-イルアミン、
1-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-イルアミン、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(4-ピペラジン-1-イルメチル-ピラゾール-1-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
((R)-4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-ピラゾール-4-イルメチル}-ピペラジン-2-イル)-メタノール、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(4-ピペラジン-1-イルメチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-エチル-5,7-ジメチル-3-[4-(5-ピペリジン-4-イル-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル)-ベンジル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、
4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-シクロヘキシルアミン、
4-{N'-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-ベンゾイル]-ヒドラジノカルボニル}-シクロヘキシル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル、
4-{1-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル}-ピペリジン-4-オール、
1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-2-メチルアミノ-エタノン、および
(S)-1-(4-{5-[4-(2-エチル-5,7-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルメチル)-フェニル]-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル}-ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルアミノ-プロパン-1-オン。
【0253】
実施形態11は、医薬物として使用するための、特にGPR4感受性疾患または障害の処置において使用するための、前記実施形態のいずれか一つの化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0254】
実施形態12は、前記実施態様のいずれかの有効量の化合物またはその医薬上許容される塩を投与すること、それにより下記から選択される疾患または症状を処置することを含む、GPR4調節に感受性のある患者を処置するための方法に関する:骨粗しょう症(年少者の、更年期の、更年期後の、外傷後の、加齢を原因とするまたはコルチコステロイド治療または不活性)、歯肉炎、歯周炎、パジェット病、悪性腫瘍の高カルシウム血、腫瘍誘導性高カルシウム血、代謝性骨疾患、癌、固形腫瘍、心臓脈管障害、動脈硬化、心筋梗塞、手足病、末梢動脈閉塞性疾患、眼疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、ブドウ膜炎、関節炎、リウマチ性関節炎、変形性関節症創傷治癒、皮膚疾患、炎症性および閉塞性気道疾患、喘息、内因性および外因性喘息、軽度の喘息、中程度の喘息、重症な喘息、気管支炎喘息、運動誘導性喘息、職業喘息および細菌感染後に誘導された喘息、急性肺損傷、急性/急性呼吸不全症候群、慢性閉塞性肺気道または肺疾患、慢性気管支、関連のある呼吸困難、肺気腫、他の薬剤治療の結果おこる気道の過活動増悪、気管支、急性アラキン酸の、カタル性、クラープス、慢性またはフタノイド性気管支炎、塵肺、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、クリコーシス、脱毛、鉄沈着症、珪肺症、タバコ中毒症、綿肺症、好酸球増多症、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎、好酸球性肉芽腫および薬物反応に関連した気道に影響する好酸球性関連障害、生物感染、例えば、ニューモシスティス・カリニ、クルーズ・トリパノソーマ、トリパノソーマ・ブルーセイ、クリチディア・ファシキュラータ、寄生疾患 例えば、住血吸虫症およびマラリア、腫瘍浸潤および転移、異染性白質ジストロフィー、筋ジストロフィー、筋萎縮、自己免疫疾患、呼吸疾患、免疫介在性疾患、移植拒絶反応、炎症性疼痛、内臓性疼痛、慢性疼痛、腫瘍疼痛、腎臓尿細管性アシドーシス、クローン疾患、および炎症性腸疾患。
【0255】
実施形態13は、医薬上許容し得る担体と共に、前記実施態様のいずれかの化合物を含む医薬組成物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0256】
実施形態14は、
a)前記実施態様のいずれかに記載の化合物、またはその塩、特にその医薬上許容される塩、および
b)少なくとも1つの共剤、例えば免役抑制剤、免役調節薬、抗炎症剤、化学療法剤または抗感染剤、
を含む、組合せ、例えば医薬組成物またはキットに関する。
【0257】
実施形態15は、下記の工程を含む実施形態3、4、5、または6に規定したとおりの式(II)、(III)、(IV)、または(V)の化合物の合成方法に関する:
(a)R4により置換されていてもよい4-ブロモ-フェニル プロピオニトリルを、例えば塩基(例えば、ナトリウム t-ブチレート、カリウム t-ペンチレートなど)および溶媒(例えば、THF)の存在下にて、エステルR1COOC1-6アルキルと反応させて、中間体(1)を形成させ、これを、例えば加熱下で、ヒドラジンと反応させて、アミノピラゾール中間体(2)を形成させ、これを以下のスキームに示したとおりに、好適に置換されたジケトンと反応させて、中間体(3)を形成させる;
ここで、中間体(3)を、式CH=CH-(CH-Rの化合物と、所望により触媒(例えば、Pd(t-BuP))の存在下で好適に反応させて、本発明の化合物(例えば、一般式(III)の化合物、例えば中心のトリアゾロ−、オキサジアゾロ−、イミダゾメチレン−、ビニル−、またはアリル−リンカー(x=1として)を担持する化合物)を形成させてもよい;ここで、xは0または1であり、他の可変部は実施形態3、4、5および6に規定されたとおりである;
【化100】

または
(b)一般式(III)の化合物を、例えば触媒の存在または非存在下において、例えば水素と反応させて、一般式(V)の化合物(式中、可変部は、上記段落において提供される)を得る;
【化101】
または、
(c)中間体(3)を、例えば4つの工程にて反応させてもよい;
(i)塩基、例えばナトリウム t-ブトキシドの存在下にて、ジフェニルメタンイミンと反応させる、(ii)その後濃HClと反応させて、第一級アミンを提供する、(iii)これを、例えばイソペンチル亜硝酸塩と反応させて、ジアゾニウム塩を得る、(iv)これを、例えば強酸、例えばHCl中で、塩化スズ(II)と反応させて、ヒドラジン中間体(15)を得る(以下のスキームを参照されたい)、この中間体(15)を、例えばアクリレート、例えば(E)-エチル 2-シアノ-3-エトキシアクリレートと反応させて、イミダゾール中間体(16)を形成させ、これをその後、例えば、イソアミル亜硝酸塩と反応させて、中間体(17)を形成させて、これを、例えば、DIBAHおよび二酸化マンガンと反応させて、反応スキーム4に示したとおりアルデヒド中間体(19)を得て、このアルデヒド(19)を、例えば、還元的アミン化条件下で(例えば、反応スキーム20に従って)、遊離アミノ基、例えば、ピペリジン-、ピペラジン-、ピロリジン-、またはアゼチジン-誘導体と反応させて、一般式(IV)の化合物を得る;
【化102】

または、
(d)シアノケトン(23)を、標準的な縮合反応条件下で(例えば、メタノール中の水酸化ナトリウム)、所望により置換されたシアノベンズアルデヒドと反応させて、ニトリル(24)を得て、これを水素化反応により、ケトニトリル(25)を得て、これを適切なジケトンR2-CO-CH-CO-R3と反応させて、閉環中間体(27)を得て、これを便宜的にヒドラジド誘導体(29)に変換してもよい;
【化103】

その後すぐ、中間体(29)を、式RCOOH(式中、Rは、請求項1の規定を表す)のカルボン酸と、例えばペプチドカップリング条件下にて、例えばHOBT/EDCと、反応させて、共役ヒドラゾンを得て、次いでこれを、例えば塩化トシルと、例えば有機塩基の存在下にて反応させて、閉環化合物、即ち、一般式IIの本発明のオキサジアゾール化合物とする。
【化104】
【0258】
実施形態16は、式(II)の化合物の合成方法に関する:
【化105】

(II)
[式中、
R1は、HまたはC-Cアルキルである;
R2およびR3は、互いに独立してHまたはC-Cアルキルである;
Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを表し、これらの各々は後記により1〜4回置換されていてもよい:所望によりオキソ(=O);ヒドロキシ;ヒドロキシ、オキソ(=O)、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいアミノ、所望によりC-Cアルコキシカルボニルにより置換されていてもよいモノC-Cアルキル-アミノ、ジ-C-Cアルキル-アミノ、C-Cアルコキシ、C-Cアルコキシカルボニルまたはトリ-C-Cアルキルシリルオキシにより1回以上置換されていてもよいC-Cアルキル;所望によりC-Cアルキルにより置換されていてもよいテトラゾール;ヒドロキシピロリジン-カルボニル基;ヒドロキシピロリジン-アミノカルボニル基またはヒドロキシピロリジン-カルボニルアミノ基;および
R4は、H、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノまたはトリフルオロメチルである。]または:
式(III)の化合物を合成するための方法に関する:
【化106】
(III)
(式中、この可変部は、上記に定義したとおりである)、または:
式(IV)の化合物の合成方法に関する:
【化107】

(IV)
(式中、この可変部は、上記に定義したとおりである):または
式(V)の化合物
【化108】

(V)
(式中、この可変部は、上記に定義したとおりである)の合成方法に関し、
これは以下の工程を含むものである:
(a)所望によりR4により置換されていてもよい4-ブロモ-フェニルプロピオニトリルを、塩基(例えば、ナトリウム t-ブチルレート、カリウム t-ペンチレートなど)および溶媒(例えば、THF)の存在下にて、エステルR1COOC1-6アルキルと反応させて、中間体(1)を形成させ、これを、例えば加熱の下にて、ヒドラジンと反応させて、アミノピラゾール中間体(2)を形成させ、これを以下のスキームに示したとおり、好適に置換されたジケトンと反応させて、中間体(3)を形成させる;
この中間体(3)を、便宜的に、式CH=CH-(CH-Rの化合物と、所望により触媒、例えばPd(t-BuP)の存在下にて反応させて、例えば、中心のトリアゾロ-、オキサジアゾロ-、イミダゾメチレン-、ビニル-、またはアリル-リンカー(x=1として)を担持する一般式(III)の化合物を形成させる;ここで、xは0または1であり、他の他の可変部は請求項3、4、5または6に規定したとおりである;
【化109】

(b)一般式(III)の化合物を、例えば水素と、例えば触媒の存在下または非存在下にて反応させて、一般式(V)の化合物(式中、可変部は、上記段落に示される)を得る;または
【化110】

(c)中間体(3)を、例えば4つの工程にて反応してもよい;
(i)塩基、例えば、ナトリウム t-ブトキシドの存在下にて、ジフェニルメタンイミンと共に反応させる、(ii)その後濃HClと反応させて、第一級アミンを得る、(iii)これを、例えば、イソペンチル亜硝酸塩と反応させて、ジアゾニウム塩を得る、(iv)これを、例えば強酸、例えばHCl中で、塩化スズ(II)と反応させて、ヒドラジン中間体(15)を得て(以下のスキームを参照されたい)、この中間体(15)を、例えばアクリレート、例えば(E)-エチル 2-シアノ-3-エトキシアクリレートと反応させて、イミダゾール中間体(16)を形成させ、次いでこれを、例えばイソアミル亜硝酸塩と反応させて、中間体(17)を形成して、これを、例えばDIBAHおよび二酸化マンガンと反応させて、反応スキーム4に示したようなアルデヒド中間体(19)を得て、このアルデヒド(19)を、例えば還元的アミン化条件下にて(例えば、反応スキーム20に従う)、遊離アミノ基(例えば、ピペリジン-、ピペラジン-、ピロリジン-、またはアゼチジン-誘導体)と反応させて、一般式(IV)の化合物を得る;
【化111】

または
(d)シアノケトン(23)を、所望により置換されたシアノベンズアルデヒドと、標準的縮合反応条件下にて(例えば、メタノール中の水酸化ナトリウム)反応させて、ニトリル(24)を得て、これを水素化反応によりケトニトリル(25)を得て、これを好適なジケトンR2-CO-CH-CO-R3と反応させて、閉環中間体(27)を得て、これを好適にヒドラジド誘導体(29)に変換し得る;
【化112】

その後、中間体(29)を、例えばペプチドカップリング条件下に、式RCOOH(式中、Rは、請求項1の規定を表す)のカルボン酸、例えばHOBT/EDCと反応させて、共役したヒドラゾンを提供し、次いでこれを、例えば塩化トシル、例えば有機塩の存在下にて、閉環化合物、即ち一般式IIの本発明のオキサジアゾール化合物とした。
【化113】