特許第5963851号(P5963851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5963851一体型ラインを備えた燃料インレットバルブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963851
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】一体型ラインを備えた燃料インレットバルブ
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/04 20060101AFI20160721BHJP
   B60K 15/035 20060101ALI20160721BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   B60K15/04 C
   B60K15/035 C
   F02M37/00 301E
   F02M37/00 321A
   F02M37/00 311A
【請求項の数】23
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-512109(P2014-512109)
(86)(22)【出願日】2012年5月24日
(65)【公表番号】特表2014-519440(P2014-519440A)
(43)【公表日】2014年8月14日
(86)【国際出願番号】US2012039398
(87)【国際公開番号】WO2012162532
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年4月27日
(31)【優先権主張番号】13/114,140
(32)【優先日】2011年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ウォルコフスキー、ポール、ディー
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−005940(JP,A)
【文献】 米国特許第06234195(US,B1)
【文献】 実開昭57−142885(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/00−15/10
F02M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクに取付可能に構成されるフランジと、
前記フランジに形成される第1開口部及び第2開口部と、
前記フランジと一体化されて前記第1開口部と流体連通し、また、フラッパを有するインラインチェックバルブである、燃料バルブと、
前記フランジと一体化されて前記第1開口部と流体連通する注入管ニップルと、
前記フランジと一体化されて前記第2開口部と流体連通する少なくとも1つのニップルと、を含み、
前記燃料バルブ及び前記注入管ニップルは、前記第1開口部を経由する燃料通路を形成し、
少なくとも1つの前記ニップルは、前記第2開口部を経由して延びる第2通路を形成し、
少なくとも1つの前記ニップルは、前記注入管ニップルと交差する、ことを特徴とする燃料タンク用の燃料インレットバルブ。
【請求項2】
なくとも1つの前記ニップルは、パージラインと燃料ポンプと燃料ラインのうちの少なくとも1つに接続可能であることを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項3】
なくとも1つの前記ニップルは、燃料ラインニップルを含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項4】
さらに、少なくとも1つの前記ニップルに少なくとも1つのバーブが配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項5】
さらに、少なくとも1つの前記ニップルに少なくとも1つの迅速に連結可能な継手が配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項6】
少なくとも1つの前記ニップルは、前記注入管ニップルに対して角度をなして前記フランジから延びていることを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ニップルは、前記フランジに対して角度をなして前記注入管ニップルと交差することを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記ニップルは、前記燃料バルブと前記注入管ニップルとの間の前記燃料通路内の一部に配置された湾曲した経路を形成することを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項9】
さらに、第3開口部と、
前記フランジと一体化されて前記第3開口部と流体連通する燃料ラインニップルと、を含み、
前記フランジと一体化されて前記第2開口部と流体連通する少なくとも1つの前記ニップルは、パージラインに接続可能な第1及び第2パージニップルを含んでおり、
前記第1パージニップルは前記燃料タンク内部に配置され、かつ、前記第2パージニップルは前記燃料タンクの外部に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項10】
前記第1,第2及び第3開口部の各々は中心を有し、かつ、前記第1,第2及び第3開口部の中心は、1つの直線に沿って配置されることを特徴とする請求項9に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項11】
前記第1,第2及び第3開口部の各々は中心を有し、かつ、前記第1,第2及び第3開口部の中心は、1つの三角形に配置されることを特徴とする請求項9に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項12】
なくとも1つの前記ニップルは、パージラインに接続可能な第1及び第2パージニップルを含み、前記第1パージニップルは前記燃料タンク内部に配置され、かつ、前記第2パージニップルは前記燃料タンクの外部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項13】
前記第1パージニップルと前記第2パージニップルとは、前記注入管ニップルの基部において接合して、曲がり管を形成することを特徴とする請求項12に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項14】
前記曲がり管は、前記燃料バルブと前記注入管ニップルとの間の前記燃料通路内の一部に配置されることを特徴とする請求項13に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項15】
燃料タンクに取付可能に構成されるフランジと、
前記フランジに形成される1つの開口部と、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通し、また、フラッパを有するインラインチェックバルブである、燃料バルブと、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通する注入管ニップルと、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通し、前記開口部を経由する第2通路を形成する少なくとも1つのパージニップルと、を含み、
前記燃料バルブ及び前記注入管ニップルは、前記開口部を経由する燃料通路を形成し、かつ、
なくとも1つの前記パージニップルは、前記注入管ニップルに対して鋭角をなして前記フランジから延びており、
少なくとも1つの前記パージニップルは、前記注入管ニップルと交差する、ことを特徴とする燃料タンク用の燃料インレットバルブ。
【請求項16】
少なくとも1つの前記パージニップルは、前記フランジに対して角度をなして前記注入管ニップルと交差することを特徴とする請求項15に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項17】
少なくとも1つの前記パージニップルは、前記燃料バルブと前記注入管ニップルとの間の前記燃料通路内の一部に配置された湾曲した経路を形成することを特徴とする請求項15に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項18】
少なくとも1つの前記パージニップルは、第1及び第2パージニップルを含み、
前記第1パージニップルと前記第2パージニップルとは、前記注入管ニップルの基部において接合して、曲がり管を形成することを特徴とする請求項15に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項19】
前記曲がり管は、前記燃料バルブと前記注入管ニップルとの間の前記燃料通路内の一部に延びていることを特徴とする請求項13に記載の燃料インレットバルブ。
【請求項20】
燃料タンクに取付可能に構成されるフランジと、
前記フランジに形成される第1開口部及び第2開口部と、
前記フランジと一体化されて前記第1開口部と流体連通する燃料バルブと、
前記フランジと一体化されて前記第1開口部と流体連通する注入管ニップルと、
前記フランジと一体化されて前記第2開口部と流体連通する少なくとも1つのニップルと、を含み、
前記燃料バルブ及び前記注入管ニップルは、前記第1開口部を経由する燃料通路を形成し、
少なくとも1つの前記ニップルは、パージラインに接続可能な第1及び第2パージニップルを含み、
前記第1パージニップルは前記燃料タンク内部に配置され、かつ、前記第2パージニップルは前記燃料タンクの外部に配置され、
前記第1パージニップルと前記第2パージニップルとは、前記注入管ニップルの基部において接合して、曲がり管を形成し、
前記曲がり管は、前記燃料バルブと前記注入管ニップルとの間の前記燃料通路内の一部に延びている、ことを特徴とする燃料タンク用の燃料インレットバルブ。
【請求項21】
燃料タンクに取付可能に構成されるフランジと、
前記フランジに形成される1つの開口部と、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通する燃料バルブと、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通する注入管ニップルと、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通し、前記開口部を経由する第2通路を形成する少なくとも1つのパージニップルと、を含み、
前記燃料バルブ及び前記注入管ニップルは、前記開口部を経由する燃料通路を形成し、
少なくとも1つの前記パージニップルは、前記注入管ニップルの基部から鋭角をなして延びており、
少なくとも1つの前記パージニップルは、第1及び第2パージニップルを含み、
前記第1パージニップルと前記第2パージニップルとは、前記注入管ニップルの基部において接合して、曲がり管を形成し、
前記曲がり管は、前記燃料バルブと前記注入管ニップルとの間の前記燃料通路内の一部に延びている、ことを特徴とする燃料タンク用の燃料インレットバルブ。
【請求項22】
燃料タンクに取付可能に構成されるフランジと、
前記フランジに形成される第1開口部及び第2開口部と、
前記フランジと一体化されて前記第1開口部と流体連通し、また、フラッパを有するインラインチェックバルブである、燃料バルブと、
前記フランジと一体化されて前記第1開口部と流体連通する注入管ニップルと、
前記フランジと一体化されて前記第2開口部と流体連通する少なくとも1つのニップルと、を含み、
前記燃料バルブ及び前記注入管ニップルは、前記第1開口部を経由する燃料通路を形成し、
少なくとも1つの前記ニップルは、前記第2開口部を経由して延びる第2通路を形成し、
少なくとも1つの前記ニップルは、前記燃料バルブと前記注入管ニップルとの間の前記燃料通路内の一部に配置された湾曲した経路を形成する、ことを特徴とする燃料タンク用の燃料インレットバルブ。
【請求項23】
燃料タンクに取付可能に構成されるフランジと、
前記フランジに形成される1つの開口部と、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通し、また、フラッパを有するインラインチェックバルブである、燃料バルブと、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通する注入管ニップルと、
前記フランジと一体化されて前記開口部と流体連通し、前記開口部を経由する第2通路を形成する少なくとも1つのパージニップルと、を含み、
前記燃料バルブ及び前記注入管ニップルは、前記開口部を経由する燃料通路を形成し、かつ、
少なくとも1つの前記パージニップルは、前記注入管ニップルに対して鋭角をなして前記フランジから延びており、
少なくとも1つの前記パージニップルは、前記燃料バルブと前記注入管ニップルとの間の前記燃料通路内の一部に配置された湾曲した経路を形成する、ことを特徴とする燃料タンク用の燃料インレットバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクの開口を覆う燃料インレットバルブに関するものであり、より具体的には、燃料エミッションシステム内の部品に関連付けられた複数の開口部を含んだ燃料インレットバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の燃料エミッションシステムは、例えば、燃料タンク内部に配置されて、燃料タンクを経由する開口部を通して燃料タンクの外部に通気するバルブなどの複数の部品を含む。燃料タンクは、さらに、例えば、燃料ライン,パージニップル,ポート,及び他のシステム構成要素に連通された追加の開口部を含む。
【0003】
エミッション量を最小限にするために、システムは、液体燃料と燃料蒸気の両方において低いレベルの漏洩度を有するべきである。開口部を提供するために燃料タンクに形成される各開口すなわち各“貫通穴”は、さらに、透過通路を作り出し、かつ、燃料タンクの漏洩度は、透過通路の数が増えるにつれて増加する。それ故に、パーシャルゼロエミッション車(PZEV)及び超低エッミション車(ULEV)に代表される特に厳格な排気規制をとりわけ考慮して、燃料タンクの貫通穴(開口)の数を減らすのが望ましい。一方で、燃料タンクを燃料エミッションシステムの他の部品に関連付けるために必要とされる開口部すべてを提供するのに十分な数の燃料タンクの貫通穴が、さらに必要とされている。
【0004】
燃料システムにおいて多数の部品に対応するために、燃料タンクの漏洩度を増加させることなく、複数の開口部を提供することが可能な構造に対する要望がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明における1つの実施形態に従った燃料タンク用の燃料インレットバルブは、前記燃料タンクに取付可能なフランジ、前記フランジに形成される第1開口部及び第2開口部、前記第1開口部に関連付けられた燃料バルブ、前記第1開口部に関連付けられた注入管ニップル、及び、前記第2開口部に関連付けられた少なくとも1つのニップル、を含み、前記燃料バルブ及び前記注入管ニップルは、前記第1開口部を経由する燃料通路を形成し、かつ、前記少なくとも1つのニップルは、パージラインと燃料ポンプと燃料ラインのうちの少なくとも1つに接続可能である。
【0006】
本発明におけるもう1つの実施形態に従った燃料タンク用の燃料インレットバルブは、前記燃料タンクに取付可能なフランジ、前記フランジに形成される1つの開口部、及び、少なくとも1つのパージニップル、を含み、前記燃料バルブ及び注入管ニップルは、双方とも、前記開口部に関連付けられ、前記開口部を経由する燃料通路を形成し、かつ、前記少なくとも1つのパージニップルは、前記注入管ニップルの基部から、角度をなして延びている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1A及び図1Bは、其々、本発明の1つの実施形態に従った燃料インレットバルブの平面図及び側面図である。
図2図2A及び図2Bは、其々、本発明のもう1つの実施形態に従った燃料インレットバルブの平面図及び側面図である。
図3図3A及び図3Bは、其々、本発明のさらにもう1つの実施形態に従った燃料インレットバルブの平面図及び側面図である。
図4図4A及び図4Bは、其々、本発明のさらなる1つの実施形態に従った燃料インレットバルブの平面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A及び図1Bは、本発明の1つの実施形態に従った燃料インレットバルブ10を示している。このインレットバルブ10は、燃料タンク(図示せず)の開口すなわち貫通穴を覆う。この開口は、インレットバルブ10によって閉鎖される透過通路を形成し、このインレットバルブ10により、開口を通る液体燃料及び燃料蒸気の通路を封鎖する。インレットバルブ10は、燃料ライン,バルブ,及びパージニップルに限られない、燃料エミッションシステムにおける部品の接続ポイントとして機能する。以下に記載される例においては、インレットバルブ10は、インラインチェックバルブ(ICV)(燃料バルブ),パージニップル,及び燃料ラインについて記載されるが、当業者は、インレットバルブ10が、本発明の技術範囲から逸脱することなしに燃料エミッションシステムの他の如何なる部品にも接続することができることを理解するであろう。
【0009】
図1A及び図1Bのインレットバルブ10は、例えば、溶接,化学結合,機械的連結,または接着などの任意の公知手段によって燃料タンクに取り付けられるフランジ16を有する。インレットバルブ10は、燃料タンクに永続的に取り付けられる(例えば溶接によって)か、または、燃料タンクに取り外し可能に取り付けられるように(例えば機械的連結によって)構成されている。任意の溶接脚部18を、フランジ16上に形成して、インレットバルブ10と燃料タンクの間の連結を補助するようにしてもよい。フランジ16を製造するために用いられる特定の材料は、インレットバルブ10が取り付けられる燃料タンクの種類によって決まる。例えば、フランジ16はプラスチックで作ることができ、プラスチックの燃料タンクに取り付けられる。あるいは、フランジ16は金属から鋳造することができ、金属の燃料タンクに容易に取り付けられる。
【0010】
フランジ16は、例えば、円形または楕円形などの任意の適切な形状を有することができ、以下でより詳細に記載されるように、フランジ16の形状は、インレットバルブ10の他の部品の構成によって決まる。
【0011】
図1A及び図1Bに示されている実施形態において、フランジ16は2つの開口部を有し、開口部の1つは1つ以上のパージニップル20a,20a’に関連付けられ、もう1つはインラインチェックバルブ(ICV)20bに関連付けられている。インレットバルブ10は、2つのパージニップル20a,20a’を含むことができ、双方は一列に並べられ、1つのパージニップル20a’は燃料タンク内部に配置され、もう1つのパージニップル20aは燃料タンクの外部に配置される。パージニップル20a,20a’は、1つ以上のバーブ22を有することができ、パージラインとの確実な接続を提供する(図示せず)。
【0012】
インラインチェックバルブ(ICV)20bは、注入管ニップル20cを有するか、または、注入管ニップル20cに連結され、注入管(図示せず)との接続を可能にする。この実施形態において、インラインチェックバルブ(ICV)20bは、さらに、燃料タンクの外部に配置される燃料ラインニップル20cに接続されており、これにより、燃料通路を形成する。注入管ニップル20cは、さらに、バーブ22に関連付けられており、さらに確実な接続を提供する。インラインチェックバルブ(ICV)20b自体は、チェックバルブとして機能することができる任意の構成を有することができる。図1〜4に示されているインラインチェックバルブ(ICV)20bは、燃料タンク内部に配置されるフラッパー24を含むが、インラインチェックバルブ(ICV)20bは、本発明の技術範囲から逸脱することなしに他の閉鎖機構を有することができる。
【0013】
パージニップル20a,20a’及びインラインチェックバルブ(ICV)20bは、双方とも同一のフランジ16に配置されているため、フランジ16は、3つの部品(すなわち、パージニップル20a,20a’,インラインチェックバルブ(ICV)20b,及び注入管ニップル20c)に関連付けられた2つの開口部を提供し、その上、燃料タンクの開口/貫通穴を1つのみに限定することを可能にする。その結果、インレットバルブ10は、燃料タンクの漏洩度を増加させるであろう開口の数を増やすことなく、燃料タンクを経由する複数の開口部を提供する。
【0014】
図2A及び図2Bは、本発明のインレットバルブ10のもう1つの実施形態を示している。この実施形態において、フランジ16は、燃料タンク内部の燃料ポンプ(図示せず)及び燃料タンクの外部の燃料供給ライン(図示せず)への接続を提供する2つの燃料ラインニップル20d,20d’に相当する追加の開口部を有する。迅速に連結可能な継手26が、少なくとも1つの燃料ラインニップル20d,20d’に含まれてもよい。この実施形態においては、パージニップル20a,20a’,インラインチェックバルブ(ICV)20b,注入管ニップル20c,及び燃料ラインニップル20d,20d’は、これらの部品に相当する開口部の中心が、其々、直線Aに沿って一列に並ぶように配置されている。この配列を提供するために、フランジ16は、図2A及び図2Bに示されているような楕円形の形状を有しているが、他の開口部の幾何学的配置及びフランジの形状も、本発明の技術範囲から逸脱することなしに用いることができる。例えば、図3A及び図3Bに示されているように、パージニップル20a,20a’,インラインチェックバルブ(ICV)20b,注入管ニップル20c,及び燃料ラインニップル20d,20d’は三角形状の幾何学的パターンで配置され、かつ、フランジ16は円形形状を有しており、さらにコンパクトな設置面を作り出す。
【0015】
図4A及び図4Bは、本発明のインレットバルブ10のさらなる1つの実施形態を示している。この実施形態において、インラインチェックバルブ(ICV)20bが大型なので、インラインチェックバルブ(ICV)20bの横断面も十分大きく、燃料補給中に燃料が十分に流れることを可能にする。この実施形態において、インラインチェックバルブ(ICV)20bは、さらに、燃料タンクの外部に配置される燃料ラインニップル20cに接続されており、これにより、他の実施形態と同様の単一の燃料通路を形成する。また、この実施形態において、パージニップル20a,20a’は、曲げられて、注入管ニップル20cの基部から延びている。この角度は、ホースまたは他の部品をパージニップル20a,20a’に容易に接続するのに十分な空間が得られるように選択することができる。本発明における1つの実施形態において、パージニップル20a,20a’は、およそ45°の角度で燃料ラインニップル20cの基部から延びる。
【0016】
ここで留意すべきは、図4A及び図4Bの実施形態では燃料ラインニップル20d,20d’を示していないが、この燃料ラインニップル20d,20d’が本発明の技術範囲から逸脱することなしにこの実施形態において含まれることである。さらに、この実施形態におけるフランジ16は、インラインチェックバルブ(ICV)20b,燃料ラインニップル20c,及びパージニップル20a,20a’によって共用される1つのみの開口部を有すればよい。あるいは、フランジ16は、インラインチェックバルブ(ICV)20b,燃料ラインニップル20c,及びパージニップル20a,20a’を設けるために、他の実施形態のような1つ以上の開口を有してもよい。
【0017】
パージニップル20a,20a’は、曲がり管28を共に形成することができ、湾曲したパージ通路を作り出す。図4A及び図4Bに示されるように、曲がり管28の一部は、インラインチェックバルブ(ICV)20b及び注入管ニップル20cによって形成される燃料通路にまで及ぶことが可能である。インラインチェックバルブ(ICV)20bと燃料ラインニップル20cとの両方を、同一の燃料通路に配置し、かつ、注入管ニップル20cの基部からパージニップル20a,20a’を曲げることにより、フランジ16は、他の実施形態におけるフランジ16よりもさらに小さくすることができる。さらに、この実施形態は、最小数の燃料タンク貫通穴を用いて複数の開口部を提供し、これにより、インレットバルブ10、延いては燃料エミッションシステム全体の漏洩度を最小化する。
【0018】
本発明を実施するための最良の形態を詳細にこれまで説明してきたが、本発明に関連する技術に熟知した者であれば、添付した請求の範囲内で本発明を実施するための様々な代案デザインおよび実施の形態を認識するであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B