特許第5963863号(P5963863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963863
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20160721BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H05K13/02 A
   H05K13/08 P
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-524574(P2014-524574)
(86)(22)【出願日】2012年7月13日
(86)【国際出願番号】JP2012067980
(87)【国際公開番号】WO2014010083
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2015年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】川合 英俊
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平1−135438(JP,A)
【文献】 特開平3−153098(JP,A)
【文献】 特開平5−75293(JP,A)
【文献】 特開2008−103418(JP,A)
【文献】 特開2004−47571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装ヘッドを備えた複数の実装機モジュールを、回路基板の搬送方向に沿って配置した部品実装システムにおいて、
多数の部品を収容した複数の部品供給要素を保管する部品保管庫と、
該部品保管庫と前記複数の実装機モジュールとの間で走行可能で、前記部品供給要素を支持して該部品供給要素を、前記複数の実装機モジュールに補給し、かつ前記複数の実装機モジュールより回収する補給装置と、
該補給装置を前記部品保管庫と前記複数の実装機モジュールとの間で搬送する搬送手段と、
前記複数の実装機モジュールと前記補給装置との間で信号を非接触で伝送する非接触伝送装置と、
前記実装機モジュールと前記補給装置との間で補給される前記部品供給要素のIDを読取って照合する照合部と、
を備えたことを特徴とする部品実装システム。
【請求項2】
請求項1において、前記補給装置は、複数の前記部品供給要素を支持する部品実装システム。
【請求項3】
請求項1において、前記補給装置は、部品種の異なる部品を収容した各種の前記部品供給要素を支持する部品実装システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記搬送手段は、前記複数の実装機モジュールの前面側に設けられたガイドレールおよび該ガイドレールに平行な第1噛合体と、前記補給装置側に設けられ、前記ガイドレールに係合するフォロアローラ、前記第1噛合体に噛合う第2噛合体および該第2噛合体を回転する走行用モータによって構成した部品実装システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記非接触伝送部は、前記複数の実装機モジュールより前記補給装置に非接触で給電を行う部品実装システム。
【請求項6】
請求項1において、前記補給装置は、複数の前記実装機モジュールに沿って敷設されたガイドラインに誘導されて床面上を走行可能な無人搬送台車と、該無人搬送台車上に搭載され前記部品供給要素を補給および回収可能に支持した補給ユニットによって構成した部品実装システム。
【請求項7】
請求項6において、前記無人搬送台車と前記補給ユニットの間に、前記無人搬送台車に対して前記補給ユニットを前記無人搬送台車の走行方向に移動する移動手段を設けた部品実装システム。
【請求項8】
請求項6または請求項7において、前記複数の実装機モジュールの前面に、前記無人搬送台車を走行方向に位置決めする位置決め手段を設けた部品実装システム。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のいずれか1項において、前記複数の実装機モジュールの前面に、ガイドレールをそれぞれ設け、これらガイドレールに係合するフォロアローラを前記無人搬送台車に支持した部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の実装機モジュールに対して部品の補給を自動的に行えるようにした部品実装システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の実装機モジュールを備えた部品実装システムにおいては、多数の部品を収容したテープフィーダあるいは部品トレイを保管する部品保管庫が、実装機モジュールより離れた位置に設けられ、この部品保管庫に設けられた保管棚に多数のテープフィーダ等が保管されるようになっている。
【0003】
そして、ある実装機モジュールで部品の補給が必要になると、作業者によって部品保管庫から、必要な部品を収容したテープフィーダ等が選ばれ、当該テープフィーダ等はオペレータによって部品の補給が必要な実装機モジュールまで運ばれ、実装機モジュールの部品供給装置に装着される。このようにして、ある実装機モジュールで部品切れが生じても、部品の供給を新たに装着したテープフィーダ等に切替えることにより、部品の供給が継続され、実装作業が中断されることがないようにしている。この種の部品実装システムが特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−43886公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の部品実装システムにおいては、部品補給等の作業はオペレータによって対応する必要があるため、生産ラインに一人ないし数人のオペレータを常時配置しないことには、生産ラインを止めずに生産を継続することができず、省人化、自動化ができない問題があった。
【0006】
本発明は、上述した従来の問題を解消するためになされたもので、部品保管庫と複数の実装機モジュールとの間で走行可能な補給装置によって、部品の補給を自動的に行えるようにした部品実装システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、実装ヘッドを備えた複数の実装機モジュールを、回路基板の搬送方向に沿って配置した部品実装システムにおいて、 多数の部品を収容した複数の部品供給要素を保管する部品保管庫と、該部品保管庫と前記複数の実装機モジュールとの間で走行可能で、前記部品供給要素を支持して該部品供給要素を、前記複数の実装機モジュールに補給し、かつ前記複数の実装機モジュールより回収する補給装置と、該補給装置を前記部品保管庫と前記複数の実装機モジュールとの間で搬送する搬送手段と、前記複数の実装機モジュールと前記補給装置との間で信号を非接触で伝送する非接触伝送装置と、前記実装機モジュールと前記補給装置との間で補給される前記部品供給要素のIDを読取って照合する照合部とを備えたことである。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記補給装置は、複数の前記部品供給要素を支持することである。
【0009】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1において、前記補給装置は、部品種の異なる部品を収容した各種の前記部品供給要素を支持することである。
【0010】
請求項4に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記搬送手段は、前記複数の実装機モジュールの前面側に設けられたガイドレールおよび該ガイドレールに平行な第1噛合体と、前記補給装置側に設けられ、前記ガイドレールに係合するフォロアローラ、前記第1噛合体に噛合う第2噛合体および該第2噛合体を回転する走行用モータによって構成したことである。
【0011】
請求項5に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記非接触伝送部は、前記複数の実装機モジュールより前記補給装置に非接触で給電を行うことである。
【0012】
請求項6に係る発明の特徴は、請求項1において、前記補給装置は、複数の前記実装機モジュールに沿って敷設されたガイドラインに誘導されて床面上を走行可能な無人搬送台車と、該無人搬送台車上に搭載され前記部品供給要素を補給および回収可能に支持した補給ユニットによって構成したことである。
【0013】
請求項7に係る発明の特徴は、請求項6において、前記無人搬送台車と前記補給ユニットの間に、前記無人搬送台車に対して前記補給ユニットを前記無人搬送台車の走行方向に移動する移動手段を設けたことである。
【0014】
請求項8に係る発明の特徴は、請求項6または請求項7において、前記複数の実装機モジュールの前面に、前記無人搬送台車を走行方向に位置決めする位置決め手段を設けたことである。
【0015】
請求項9に係る発明の特徴は、請求項6ないし請求項8のいずれか1項において、前記複数の実装機モジュールの前面に、ガイドレールをそれぞれ設け、これらガイドレールに係合するフォロアローラを前記無人搬送台車に支持したことである。
【発明の効果】
【0016】
上記した構成によれば、部品保管庫と複数の実装機モジュールとの間で搬送可能な補給装置によって、部品供給要素を、複数の実装機モジュールに補給し、かつ複数の実装機モジュールより回収することができるので、必要な部品を自動的かつ効率的に補給することができ、省人化および自動化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る部品実装システムの全体を示す概略平面図である。
図2】実装機モジュールを示す概略平面図である。
図3】補給装置と実装機モジュールとの関係を示す図である。
図4】補給装置を構成するフィーダ補給ユニットの一例を示す実装機モジュールの斜視図である。
図5】補給装置を構成するトレイ補給ユニットの一例を示す実装機モジュールの斜視図である。
図6】フィーダ補給ユニットの送り機構を示す図である。
図7】テープフィーダあるいはトレイのバーコードを読み取るバーコードリーダを示す図である。
図8】実装機モジュールを制御する制御装置のブロック図である。
図9】本発明の第2の実施の形態に係る補給装置を示す斜視図である。
図10】移動台を移動する移動装置を示す図である。
図11】無人搬送台車を位置決めする位置決め手段を示す図である。
図12】本発明の第3の実施の形態に係る部品実装システムの全体を示す概略平面図である。
図13】本発明の第4の実施の形態に係る補給装置と実装機モジュールとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る部品実装システム10を示すもので、当該部品実装システム10は、回路基板Bにはんだを印刷する印刷機モジュール11と、回路基板Bに電子部品(以下、単に部品と称す)を実装する複数の実装機モジュール12からなる作業モジュール13と、部品種の異なる多数の部品を保管する部品保管庫14と、これら作業モジュール13と部品保管庫14との間で部品を補給し、かつ部品を回収する複数の補給装置15を備えている。
【0019】
作業モジュール13を構成する印刷機モジュール11と複数の実装機モジュール12は、回路基板Bの搬送方向(X軸方向)に沿って配設されている。作業モジュール13は、X軸方向と直交するY軸方向に所定量離間されて互いに対向して2列並設されている。2列の作業モジュール13(以下、第1作業モジュール13A、第2作業モジュール13Bと称す)に沿って、各々複数の補給装置15が走行可能に設けられている。
【0020】
部品保管庫14は、第1および第2作業モジュール13A、13Bに対して、X軸方向に離間した位置に配設されている。部品保管庫14には、部品種の異なる部品を収容する複数のテープフィーダ34(図7(A)参照)や、部品種の異なる部品を収容する複数の部品トレイ37(図7(B)参照)が、図略の保管棚に整列して保管されており、オペレータによって必要な部品を収容したテープフィーダ34や部品トレイ37が補給装置15に補給されるようになっている。
【0021】
複数の実装機モジュール12は、図2に示すように、部品実装装置21と、部品供給装置22と、基板保持装置23と、基板搬送装置24を備えている。
【0022】
基板搬送装置24は、回路基板BをX軸方向に搬送する2列のベルトコンベヤ25A、25Bを有し、これらベルトコンベア25A、25Bに沿って回路基板Bを搬送し、基板保持装置23上に搬入するとともに、基板保持装置23から搬出するものである。基板保持装置23は、基板搬送装置24によって搬入された回路基板Bを下方から支持する基板支持装置と、回路基板Bを位置決めクランプするクランプ装置とを備えている。
【0023】
部品実装装置21は、基板保持装置23の上方位置にY軸方向に移動可能に支持されたY軸スライド27と、Y軸スライド27上にX軸方向に移動可能に支持されたX軸スライド28と、X軸スライド28上に取付けられた実装ヘッド30とを備えている。実装ヘッド30には、図示してないが、部品を吸着保持する吸着ノズルが設けられている。Y軸スライド27およびX軸スライド28は、エンコーダ付サーボモータを駆動源とするX軸方向移動装置およびY軸方向移動装置によってそれぞれ移動され、実装ヘッド30をXY平面内の任意の位置へ移動できるようにしている。
【0024】
X軸スライド28上には、CCDカメラからなる基板撮像装置31が設けられており、基板撮像装置31は、基板保持装置23上に位置決めされた回路基板Bに設けられた基板位置基準マークおよび基板IDマークを撮像し、基板位置基準情報および基板ID情報を取得するようになっている。そして、基板撮像装置31によって取得された基板位置基準情報に基づいて、実装ヘッド30を回路基板Bに対してXY方向に位置補正するとともに、基板撮像装置31によって取得された基板ID情報に基づいて、部品の実装作業を制御するようになっている。
【0025】
32は、CCDカメラからなる部品撮像装置で、部品撮像装置32は、実装ヘッド30の吸着ノズルに吸着された部品を、部品供給装置22から回路基板B上に移動する途中で撮像する。そして、吸着ノズルに吸着された部品の吸着状態や、吸着ノズルの中心に対する部品の芯ずれ等を検出し、芯ずれ等に基づいて実装ヘッド30のXY方向の移動量等を補正し、部品が回路基板B上の定められた座標位置に定められた姿勢で実装できるようにしている。
【0026】
部品供給装置22は、一例として、フィーダ型部品供給装置22Aと、トレイ型部品供給装置22Bからなっており、フィーダ型部品供給装置22Aは、フィーダ支持台33に着脱可能に装着された部品供給要素としての複数のテープフィーダ34を備え、これら複数のテープフィーダ34はX軸方向に並設されている。テープフィーダ34には、多数の部品を間隔を有して収容したテープが巻回され、テープをテープフィーダ34に内蔵された図略のモータにより駆動されるスプロケットによって間歇的に送り出すことにより、部品を所定の部品供給位置に順次供給できるようになっている。
【0027】
なお、テープフィーダ34は、フィーダ支持台33に設けられたスロットに着脱可能に装着されるようになっており、テープフィーダ34がフィーダ支持台33に装着されると、図略のコネクタが接続されて、フィーダ支持台33からテープフィーダ34に電源が供給されるとともに、テープフィーダ34の制御部とフィーダ支持台33の制御部との間で必要な制御信号(部品要求信号、部品供給完了信号等)やテープフィーダ34のID等の管理情報が送信されるようになっている。
【0028】
一方、トレイ型部品供給装置22Bは、図略のストッカを昇降可能に収納したハウジング35を備えている。ストッカには、多数の部品を収容保持した部品供給要素としての複数の部品トレイ37を上下方向に並設した複数のトレイ収容棚が設けられ、これらトレイ収納棚に収容された部品トレイ37は、ストッカよりY軸方向に引き出されて部品供給位置に位置決めされるようになっている。
【0029】
上記したフィーダ型部品供給装置22Aおよびトレイ型部品供給装置22Bは、ともに周知のものであり、フィーダ型部品供給装置22Aとして、例えば、本件と同じ出願人の出願に係る特開2012−104635号公報に記載された技術を利用でき、また、トレイ型部品供給装置22Bとして、例えば、本件と同じ出願人の出願に係る特開2009−147197号公報に記載された技術を利用できる。
【0030】
補給装置15は、図3および図4に示すように、各作業モジュール13A、13Bに沿って走行可能な走行台16と、走行台16上に搭載された補給ユニット17とを有している。補給装置15の走行台16を各作業モジュール13A、13Bに沿って走行させるために、第1および第2作業モジュール13Aを構成する印刷機モジュール11および複数の実装機モジュール12のそれぞれの前面には、断面コ字形をなす上部および下部ガイドレール40a、40bが、回路基板Bの搬送方向(X軸方向)に沿って取付けられている。
【0031】
これにより、印刷機モジュール11および複数の実装機モジュール12が回路基板Bの搬送方向に沿って一定間隔に配置されると、隣合う印刷機モジュール11および実装機モジュール12に取付けられた各上部ガイドレール40aおよび各下部ガイドレール40bが僅かな隙間を有して互いに接続され、回路基板Bの搬送方向に連続した直線状の第1ガイドレール機構41A、41B(図1参照)が構成される。
【0032】
第1ガイドレール機構41A、41Bの各一端と部品保管庫14との間にも、上記した第1ガイドレール機構41A、41Bに連続する第2ガイドレール機構42A、42Bが床面に設置されている。
【0033】
また、第1ガイドレール機構41A、41Bと平行に第1噛合体としてのラック43が印刷機モジュール11および各実装機モジュール12の前面に取付けられている。ラック43は第2ガイドレール機構42A、42Bと平行に部品保管庫14内まで延在されている。
【0034】
補給装置15の各走行台16には、図3に示すように、上部ガイドレール40aの側面に転動可能に係合する上部フォロアローラ45aと、下部ガイドレール40bの底面に転動可能に係合する下部フォロアローラ45bとが、それぞれ回転可能に支持されている。これら上部および下部フォロアローラ45a、45bは、走行方向に間隔を有して複数設けられ、下部ガイドレール40bに係合する下部フォロアローラ45bによって専ら補給装置15の重量が支承され、上部ガイドレール40aに係合する上部フォロアローラ45aによって専ら走行台16のY方向の位置および姿勢が規制されている。
【0035】
また、各走行台16には、ラック43に噛合う第2噛合体としてのピニオン47がそれぞれ回転可能に支持されており、ピニオン47を回転駆動するモータ48が走行台16に固定されている。モータ48には、後述する非接触伝送装置65によって作業モジュール13A、13B側から電力が供給され、回転制御される。この場合、第1噛合体43をラックに代えてチェーンとし、第2噛合体47をピニオン47に代えてスプロケットホイールとしてもよい。
【0036】
これにより、ラック43に噛合うピニオン47がモータ48によって回転されると、走行台16が第1および第2ガイドレール機構41A、41B、42A、42Bに案内されて、部品保管庫14と各作業モジュール13との間で搬送されるようになっている。すなわち、モータ48は、走行台16を走行させるための走行用モータとして機能する。上記したガイドレール機構41A、41B、42A、42B、走行用モータ48、ラック43およびピニオン47等によって、補給装置15を搬送する搬送手段49を構成している。
【0037】
補給装置15の走行台16上に搭載される補給ユニット17は、図4および図5に示すように、テープフィーダ34を保持するフィーダ補給ユニット51と、部品トレイ37を保持するトレイ補給ユニット52の2種類からなっており、複数の走行台16には、フィーダ補給ユニット51およびトレイ補給ユニット52のいずれか一方が搭載される。
【0038】
フィーダ補給ユニット51は、複数のテープフィーダ34を収容可能で、これらテープフィーダ34を実装機モジュール12のフィーダ支持台33に補給するフィーダ補給部51Aと、複数のテープフィーダ34を収容可能で、実装機モジュール12のフィーダ支持台33よりテープフィーダ34を回収するフィーダ回収部51Bが、走行台16の走行方向に並設されている。
【0039】
フィーダ補給部51Aは、複数のテープフィーダ34をX軸方向に並設して保持し、これらテープフィーダ34をY軸方向に移動可能に保持している。フィーダ補給部51Aには、図6に示すように、各テープフィーダ34の下面に接触する送りローラ53を含むフィーダ送り機構が設けられ、送りローラ53を回転駆動することにより、テープフィーダ34をフィーダ補給部51AよりY軸方向に送り出して、実装機モジュール12のフィーダ型部品供給装置22Aの空きスロットに装着できるようにしている。
【0040】
同様に、フィーダ回収部51Bにも、上記と同様なフィーダ送り機構が設けられ、このフィーダ送り機構により実装機モジュール12のフィーダ型部品供給装置22Aより回収すべきテープフィーダ34を引き出してフィーダ回収部51Bに回収できるようにしている。
【0041】
この場合、図示してないが、フィーダ型部品供給装置22Aのフィーダ支持台33には、テープフィーダ34をロック、アンロックするロック機構が設けられ、このロック機構のロック動作によって、テープフィーダ34をフィーダ支持台33に引き込んでロックするとともに、コネクタ接続するようになっている。逆に、ロック機構のアンロック動作によって、テープフィーダ34をフィーダ支持台33よりアンロックして押し出し、テープフィーダ34とフィーダ支持台33とのコネクタ接続を解除するようになっている。
【0042】
フィーダ補給部51Aには、図7(A)に示すように、フィーダ補給部51Aに収容されたテープフィーダ34に付与されたバーコード55を読み取るバーコードリーダ56が備えられ、部品保管庫14において必要とする部品を収納したテープフィーダ34が間違いなく補給されたか否かを照合できるようにしている。この場合、バーコード55に代えて、テープフィーダ34に2DコードもしくはRFIDを設け、この2DコードもしくはRFIDをフィーダ補給部51Aに設けたカメラあるいはRFIDリーダによって認識するようにしてもよい。
【0043】
一方、トレイ補給ユニット52は、複数の部品トレイ37を収容可能で、これら部品トレイ37を実装機モジュール12のハウジング35内のストッカに補給するトレイ補給部52Aと、複数の部品トレイ37を収容可能で、実装機モジュール12のハウジング35内のストッカより部品トレイ37を回収するトレイ回収部52Bが、走行台16の走行方向に並設されている。
【0044】
トレイ補給部52Aに収容された部品トレイ37は、図示してないトレイ送り機構によりY軸方向に送り出されて実装機モジュール12のトレイ型部品供給装置22Bのストッカの所定の収納棚に補給されるようになっている。同様に、トレイ回収部52Bには、図略のトレイ送り機構によって、実装機モジュール12のトレイ型部品供給装置22Bのストッカより、空になった部品トレイ37をY軸方向に引き出して回収するようになっている。
【0045】
この際、複数の部品トレイ37を収容するトレイ補給部52Aを昇降可能とするか、あるいはトレイ型部品供給装置22Bのストッカの昇降運動を利用することによって、トレイ補給部52Aの各段に収容された複数の部品トレイ37をストッカの所定の収納棚に補給することができる。
【0046】
トレイ補給部52Aには、図7(B)に示すように、トレイ補給部52Aに収容された部品トレイ37に付与されたバーコード57を読み取るバーコードリーダ58が備えられ、部品保管庫14において必要とする部品を収納した部品トレイ37が間違いなく補給されたか否かが照合できるようにしている。
【0047】
各作業モジュール13A、13Bと補給装置15との間で、給電および通信を非接触で行えるように、図3に示すように、印刷機モジュール11および複数の実装機モジュール12側に、X軸方向に延在した帯状の非接触伝送用ユニット63が、補給装置15側に、非接触伝送用ユニット63に対峙する非接触伝送用ヘッド64がそれぞれ取付けられている。これら非接触伝送用ユニット63および非接触伝送用ヘッド64によって非接触伝送装置65が構成され、非接触伝送装置65によって、作業モジュール13A、13B側から補給装置15側に電力を供給したり、作業モジュール13A、13B側と補給装置15側との間で必要な通信を行えるようにしている。
【0048】
上記した第1の実施の形態においては、各補給装置15がそれぞれ複数の部品供給要素34、37を収容できるようになっているので、1台の補給装置15によって複数の実装機モジュール12に対して部品を補給することが可能である。また、第1および第2作業モジュール13A、13B毎にそれぞれ複数の補給装置15が備えられているので、複数の補給装置15によって複数の実装機モジュール12に同時に部品を補給することが可能である。
【0049】
ただし、複数の補給装置15を部品保管庫14より出庫させる場合には、補給装置15の互いの干渉を防止するために、複数の補給装置15を部品保管庫14より同時に出庫させ、そして、複数の実装機モジュール12における部品補給作業が完了すると、複数の補給装置15を部品保管庫14に同時に帰還させるように制御することが好ましい。
【0050】
図8は、各実装機モジュール12を制御する制御装置70を示すもので、制御装置70は、CPU71,ROM72,RAM73およびそれらに接続された入出力インターフェース74を備えている。入出力インターフェース74には、部品実装装置21、部品供給装置22、基板保持装置23および基板搬送装置24を駆動する駆動回路75、基板撮像装置31および部品撮像装置32によって撮像された画像データを画像処理する画像処理装置76、バーコードリーダ56、58にて読み取られた情報を照合する照合部77等が接続されている。
【0051】
制御装置70のROM72には、テープフィーダ34や部品トレイ37に収容された部品のシリアルID毎に、部品の型番,寸法,収容された部品個数等のデータが保存されている。これにより、バーコードリーダ56、58によって部品のシリアルIDが取得されると、部品の型番等を認識できるようになっている。
【0052】
制御装置70には、作業モジュール13A、13Bおよび部品保管庫14を統合制御する管理コンピュータ80が接続されている。管理コンピュータ80は、第1および第2作業モジュール13A、13Bを統合制御する制御部81を備え、この制御部81に、補給装置15を搬送制御する搬送制御部82および補給装置15を補給制御する補給制御部83が接続されている。
【0053】
次に上記した第1の実施の形態における部品補給動作について説明する。印刷機モジュール11および実装機モジュール12には、基板搬送装置24によって回路基板Bが順次搬送され、印刷機モジュール11においては、搬送された回路基板Bにはんだが印刷され、各実装機モジュール12においては、搬送された回路基板Bに部品実装装置21により予め定められたプログラムに従って部品が実装される。
【0054】
各実装機モジュール12において、テープフィーダ34あるいは部品トレイ37より部品が取り出される毎に部品の残数が管理され、あるテープフィーダ34あるいはある部品トレイ37において部品切れが近づくと、実装機モジュール12の制御装置70より管理コンピュータ80に対し、部品の補給要求が指令される。
【0055】
かかる部品の補給要求指令に基づいて、部品保管庫14内のオペレータに対し、部品保管庫14に待機している補給装置15のフィーダ補給ユニット51あるいはトレイ補給ユニット52に、部品補給が必要な部品種を収容したテープフィーダ34あるいは部品トレイ37を補給すべき指令が発せられる。
【0056】
例えば、ある実装機モジュール12において、部品種Aの部品を収容したテープフィーダ34が部品切れとなる場合には、フィーダ補給ユニット51のフィーダ補給部51Aに、部品種Aの部品を収容したテープフィーダ34がセットされる。
【0057】
この際、フィーダ補給部51Aに所定のテープフィーダ34がセットされると、バーコードリーダ56によってテープフィーダ34のバーコード55が読み取られ、テープフィーダ34のシリアルIDが部品保管庫14に接続された管理コンピュータ80に送信される。管理コンピュータ80には、シリアルID毎に部品に関するデータが保存されているので、フィーダ補給部51Aにセットされたテープフィーダ34が、実装機モジュール12の制御装置70より指令された補給部品と同じ種類のものであるか否かが照合部77によって照合される。仮に、フィーダ補給部51Aにセットされた補給部品が間違ったものである場合には、部品保管庫14内のオペレータに対し照合エラーが報知される。
【0058】
補給すべき部品種Aの部品を収容したテープフィーダ34がフィーダ補給ユニット51にセットされると、補給装置15の走行台16に設けられた走行用モータ48が駆動される。走行用モータ48の駆動により、ラック43に噛合うピニオン47が回転駆動され、これにより、走行台16は第2ガイドレール機構42Aおよび第1ガイドレール41Aに案内支持されて、部品保管庫14より、部品補給が必要な実装機モジュール12に向けて出庫される。
【0059】
この際、非接触伝送装置65を介して補給装置15と実装機モジュール12との間で非接触で情報が伝送され、補給装置15が部品補給の必要な実装機モジュール12に走行制御される。
【0060】
補給装置15が所定の実装機モジュール12まで走行されると、走行用モータ48が停止され、補給装置15が実装機モジュール12に対して定められた位置に位置決めされる。その状態で、フィーダ補給ユニット51のフィーダ補給部51Aのフィーダ送り機構の送りローラ53が正転駆動され、補給部品を収容したテープフィーダ34がフィーダ補給部51Aよりフィーダ型部品供給装置22Aのフィーダ支持台33の空のスロットに向けて送り出される。
【0061】
テープフィーダ34が空のスロットの所定位置まで送り出されると、図略のロック装置によってテープフィーダ34がフィーダ支持台33に装着されるとともに、テープフィーダ34とフィーダ支持台33とがコネクタ接続される。
【0062】
補給部品を収容したテープフィーダ34がフィーダ支持台33に装着されると、続いて、走行用モータ48が所定量回転され、走行台16がX軸方向に所定量移動される。これにより、フィーダ補給ユニット51のフィーダ回収部51Bが、部品切れとなったテープフィーダ34に対応する位置に位置決めされる。その状態で、テープフィーダ34が、図略のロック装置のアンロックにより、フィーダ支持台33よりアンロックされ、次いで、フィーダ補給ユニット51のフィーダ送り機構の送りローラ(53)が逆転されてテープフィーダ34がフィーダ支持台33のスロットよりフィーダ補給ユニット51のフィーダ回収部51Bに回収される。
【0063】
この場合、まず、部品切れを生じたテープフィーダ34を、フィーダ補給ユニット51のフィーダ回収部51Bに回収し、しかる後、その空いたスロットに、補給すべきテープフィーダ34を補給するようにしてもよい。
【0064】
このように、部品切れとなった部品種Aの部品を、部品保管庫14より実装機モジュール12に自動的に補給することにより、部品供給位置を、新たに装着されたテープフィーダ34の供給位置に切替えるだけで、実装作業を中断することなく、生産を継続して行うことが可能となり、省人化および自動化が可能となる。
【0065】
テープフィーダ34の補給および回収を終了した補給装置15は、部品保管庫14に帰還され、部品保管庫14において、フィーダ補給ユニット51のフィーダ回収部51Bより空のテープフィーダ34が取外される。
【0066】
この場合、複数の実装機モジュール12において、部品の補給が必要になった場合には、フィーダ補給ユニット51のフィーダ補給部51Aに、複数の実装機モジュール12で必要な部品種の部品を収容した複数のテープフィーダ34を搭載し、補給装置15を複数の実装機モジュール12で順次停止させながら、上記したように、テープフィーダ34の補給および回収を行うことも可能である。
【0067】
なお、実装機モジュール12に、部品トレイ37を補給する場合も、上記したテープフィーダ34の補給動作と同様に行われる。すなわち、実装機モジュール12の制御装置70より管理コンピュータ80に対し、ある部品トレイ37に収容された部品種Bの部品の補給が指令されると、部品保管庫14に待機中の補給装置15上のトレイ補給ユニット52のトレイ補給部52Aに、部品種Bの部品を収容した部品トレイ37がセットされ、部品補給の必要な実装機モジュール12まで搬送される。
【0068】
図9は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態と異なる点は、補給装置15を無人搬送台車116からなる搬送手段によって、部品保管庫14と各作業モジュール13との各間で搬送できるようにしたことである。なお、第1の実施の形態で述べたと同一の構成部品については同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0069】
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態で述べた各作業モジュール13A、13Bの前面側の床面上をX軸方向に沿って走行可能に複数の無人搬送台車116が設けられ、複数の無人搬送台車116は、床面に埋設したガイドライン90の磁気誘導作用によって、部品保管庫14と作業モジュール13との各間で搬送可能である。なお、ガイドライン90は床面に埋設する他、作業モジュール13A、13Bの前面に設けてもよい。
【0070】
複数の無人搬送台車116上には、図9に示すフィーダ補給ユニット51、あるいは図示省略したトレイ補給ユニット52(図5参照)をX軸方向に移動可能に載置する移動台91が、図略のガイド機構によってX軸方向にそれぞれ移動可能に案内支持されている。移動台91は、図10に示すように、モータ92によって駆動されるボールねじ93と、これに螺合する送りナット94からなる移動装置95によってX軸方向に移動できるようになっている。
【0071】
また、実装機モジュール12に対して無人搬送台車116を正確に位置決め停止することが難しいため、実装機モジュール12の前面には、図11に示すように、位置決め手段を構成する一対の位置決めピン97がX軸方向に離間した位置に進退可能に設けられ、無人搬送台車116が実装機モジュール12に対応する位置に図略のセンサ等の検出信号に基づいて停止されると、一対の位置決めピン97が前進されて無人搬送台車116の停止位置を補正する。これによって、無人搬送台車116を実装機モジュール12に対して正確な位置に位置決めできるようにしている。
【0072】
この場合、無人搬送台車116に、実装機モジュール12の前面に当接可能なガイドローラ98を設けてもよく、ガイドローラ98を常に実装機モジュール12の前面に当接させながら無人搬送台車116を走行させることにより、実装機モジュール12と無人搬送台車116との隙間を一定に保持させることが可能となる。
【0073】
無人搬送台車116には、図示してないが、走行駆動源としてのモータが搭載されており、このモータに非接触伝送装置65によって作業モジュール13A、13B側から電力が供給され、無人搬送台車116が搬送制御される。この場合、無人搬送台車116にモータ電源としてのバッテリを内蔵させ、このバッテリによって無人搬送台車116を搬送制御するとともに、各実装機モジュール12において部品が補給されている間に、非接触伝送装置65によって非接触給電された電力をバッテリに蓄電するようにしてもよい。
【0074】
かかる第2の実施の形態においては、補給装置15を無人搬送台車116によって、部品補給が必要な実装機モジュール12に対応する位置まで搬送し、図略のセンサ等を用いて位置決め停止する。しかる後、実装機モジュール12の前面に設けた一対の位置決めピン97を前進させて、無人搬送台車116の停止位置をX軸方向に微調整し、無人搬送台車116を実装機モジュール12に対して定められた位置に正確な位置決めする。
【0075】
この際、無人搬送台車116上に図9に示すような複数のテープフィーダ34を収容したフィーダ補給ユニット51が搭載されている場合には、移動台91を移動装置95によってX軸方向に移動して、フィーダ補給部51Aに収容された所定のテープフィーダ(補給すべきテープフィーダ)34を、実装機モジュール12のフィーダ型部品供給装置22Aの空のスロットに一致する位置に位置決めし、図略のフィーダ送り機構によりテープフィーダ34を空のスロットに装着する。次いで、移動台91を移動装置95によってX軸方向に移動して、フィーダ回収部51Bの空の収容部を、フィーダ型部品供給装置22Aより回収すべき所定のテープフィーダ(部品切れのテープフィーダ)34に一致する位置に位置決めし、図略のフィーダ送り機構によりテープフィーダ34を引き出してフィーダ回収部51Bに回収する。
【0076】
なお、図示省略したが、別の無人搬送台車116には、図5に示したと同様なトレイ補給ユニット52が上記した移動台91上に支持され、このトレイ補給ユニット52によって、部品トレイ37が実装機モジュール12のトレイ型部品供給装置22Bとの間で補給および回収される。
【0077】
図12は、本発明の第3の実施の形態を示すもので、補給装置15の無人搬送台車116を磁気誘導する第1作業モジュール13A側のガイドライン90Aと、第2作業モジュール13B側のガイドライン90Bの各端部を互いに接続して、無端状のガイドライン90Cを構成したものである。かかる第3の実施の形態においては、部品保管庫14から出庫した補給装置15を、第1作業モジュール13Aおよび第2作業モジュール13Bを経由して部品保管庫14に帰還させることが可能となる。なお、第1の実施の形態で述べたと同一の構成部品については同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0078】
従って、第3の実施の形態によれば、補給装置15が複数存在する場合であっても、部品保管庫14より出庫した補給装置15と、部品保管庫14に帰還する補給装置15が干渉しあう恐れがないので、第1の実施の形態で述べたように、複数の補給装置15を部品保管庫14から同時に出庫させる必要がなく、部品補給の要求に応じて補給装置15を順次出庫させることが可能となる。しかも、1つの補給装置15に、第1および第2作業モジュール13A、13Bの各実装機モジュール12で補給すべき部品を収容した複数の部品供給要素34、37搭載して、第1および第2作業モジュール13A、13Bの各実装機モジュール12に順次部品を補給することも可能となり、部品補給の効率を高めることができる。
【0079】
なお、部品保管庫14から出庫した補給装置15を、第1作業モジュール13Aおよび第2作業モジュール13Bを経由して部品保管庫14に帰還させる方式は、無人搬送台車116に限らず、第1の実施の形態で述べた走行台16を走行させるものにも適用可能である。この場合には、2列の第1ガイドレール機構54A、54Bの端部を円弧状のガイドレール機構によって互いに連結するとともに、この円弧状のガイドレール機構部分に、ピニオン47に噛合う円弧状のギヤ部をラック43に連接するように設けることによって可能となる。
【0080】
図13は、第4の実施の形態を示すもので、無人搬送台車116を用いながら、無人搬送台車116を、第1の実施の形態で述べた上部および下部ガイドレール40a、40bによってガイドするようにしたものであり、その他の点については第1の実施の形態で述べたものと同じである。これによれば、各実装機モジュール12に位置決めされる無人搬送台車116のY軸方向の位置精度を高めることができる。
【0081】
上記した実施の形態によれば、多数の部品を収容した複数の部品供給要素34、37を保管する部品保管庫14と、部品保管庫14と複数の実装機モジュール12との間で走行可能で、部品供給要素34、37を支持して部品供給要素34,37を、複数の実装機モジュール12に補給し、かつ複数の実装機モジュール12より回収する補給装置15と、補給装置15を部品保管庫14と複数の実装機モジュール12との間で搬送する搬送手段49と、複数の実装機モジュール12と補給装置15との間で信号を非接触で伝送する非接触伝送装置65と、実装機モジュール12と補給装置15との間で補給される部品供給要素34,37のIDを読取って照合する照合部77とを備えている。
【0082】
上記した構成により、実装機モジュール12の部品供給装置22において部品切れを生じても、部品切れを起こした部品供給要素34、37を支持して部品保管庫14から実装機モジュール12まで走行する補給装置15により、必要な部品を自動で効率的に補給することができ、省人化および自動化が可能となる。
【0083】
これによって、オペレータは部品保管庫14内で補給装置15に必要な部品供給要素34、37を補給するだけでよく、また、部品保管庫14における補給装置15への部品供給要素34、37の補給を自動化することで、オペレータなしで部品補給が可能となる。
【0084】
上記した実施の形態によれば、補給装置15は、複数の部品供給要素34、37を支持できるので、複数の部品供給要素34、37を支持した補給装置15により、実装機モジュール12において複数の部品供給要素34、37を補給することが可能である。
【0085】
上記した実施の形態によれば、補給装置15は、部品種の異なる部品を収容した各種の部品供給要素34、37を支持できるので、部品種の異なる部品を収容した各種の部品供給要素34、37を支持した補給装置15により、複数の実装機モジュール12において部品種の異なる部品を収容した各種の部品供給要素34、37を補給することが可能である。
【0086】
上記した実施の形態によれば、搬送手段49は、複数の実装機モジュールの前面側に設けられたガイドレール40a、40bおよびガイドレール40a、40bに平行なラック(チェーン)43と、補給装置15側に設けられ、ガイドレール40a、40bに係合するフォロアローラ45a、45b、ラック43に噛合うピニオン(スプロケットホイール)47およびピニオン47を回転する走行用モータ48によって構成されている。
【0087】
これにより、走行用モータ48の回転によって、ピニオン47およびラック43を介して補給装置15を搬送することができ、しかも、走行用モータ48の回転停止精度によって補給装置15を実装機モジュール12に対して正確な位置に位置決めすることができる。
【0088】
上記した実施の形態によれば、非接触伝送装置65は、複数の実装機モジュール12より補給装置15に非接触で給電を行うことができるので、実装機モジュール12側より補給装置15側のモータ等に適宜電力を供給することが可能となる。
【0089】
上記した実施の形態によれば、補給装置15は、複数の実装機モジュール12に沿って敷設されたガイドライン90に誘導されて床面上を走行可能な無人搬送台車116と、無人搬送台車116上に搭載され部品供給要素34,37を補給および回収可能に支持した補給ユニット17によって構成したので、実装機モジュール12を大幅に改造することなく、無人搬送台車およびガイドライン90を配設することによって、部品補給の自動化が可能な部品実装システムを容易に構築することができる。
【0090】
上記した実施の形態によれば、無人搬送台車116と補給ユニット17の間に、無人搬送台車116に対して補給ユニット17を無人搬送台車116の走行方向に移動する移動台91を設けたので、実装機モジュール12に対して補給ユニット17のX軸方向位置を変更する場合でも、移動台91の移動によって容易に対応することができる。
【0091】
上記した実施の形態によれば、複数の実装機モジュール12の前面に、無人搬送台車116を走行方向に位置決めする位置決め手段(位置決めピン97)を設けたので、実装機モジュール12に対応する位置に停止された無人搬送台車116の停止位置を、位置決め手段によって補正することができる。これにより、実装機モジュール12に対して正確に位置決め停止することが難しい無人搬送台車116においても、実装機モジュール12に対して正確な位置に位置決めすることが容易に可能となる。
【0092】
上記した実施の形態によれば、複数の実装機モジュール12の前面に、ガイドレール40a、40bをそれぞれ設け、これらガイドレール40a、40bに係合するフォロアローラ45a、45bを無人搬送台車116に支持したので、床面上を走行する無人搬送台車116がガイドレール40a、40bにガイドされ、実装機モジュール12に位置決めされる無人搬送台車116の走行方向と直交する方向の位置精度を高めることができる。
【0093】
上記した実施の形態においては、補給ユニット17に複数の部品供給要素(テープフィーダ34あるいは部品トレイ37)を保持できるようにしたが、補給ユニット17に単一の部品供給要素を保持してもよい。
【0094】
また、上記した実施の形態においては、2列の作業モジュール13A、13BをX軸方向に間隔を有して配置した例について述べたが、作業モジュールは3列以上あるいは単列とすることもできる。
【0095】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明に係る部品実装システムは、部品保管庫と複数の実装機モジュールとの間で走行可能な補給装置によって部品を補給するものに用いるのに適している。
【符号の説明】
【0097】
10…部品実装システム、12…実装機モジュール、13…作業モジュール、14…部品保管庫、15…補給装置、16…走行台、17…補給ユニット、34…テープフィーダ、37…トレイ、41A、41B…ガイドレール機構、43…第1噛合体、47…第2噛合体、48…走行用モータ、49…搬送手段、51…フィーダ補給ユニット、52…トレイ補給ユニット、65…非接触伝送装置、70…制御装置、77…照合部、80…管理コンピュータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13