特許第5963871号(P5963871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5963871高電圧放電を用いて材料を破片化及び/又は予備弱化する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963871
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】高電圧放電を用いて材料を破片化及び/又は予備弱化する方法
(51)【国際特許分類】
   B02C 19/00 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   B02C19/00 Z
【請求項の数】51
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-534902(P2014-534902)
(86)(22)【出願日】2011年10月10日
(65)【公表番号】特表2014-528355(P2014-528355A)
(43)【公表日】2014年10月27日
(86)【国際出願番号】CH2011000242
(87)【国際公開番号】WO2013053066
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2014年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】508294169
【氏名又は名称】ゼルフラーク アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】selFrag AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヘレナ アールクヴィスト ジャヌレ
(72)【発明者】
【氏名】ラインハート ミュラー−ズィーベアト
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ ファイトケンハウアー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ヴェー
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス モンティ ディ ソプラ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ホッペ
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ ズィンガー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ギーゼ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス レーバー
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−320268(JP,A)
【文献】 特公昭53−004668(JP,B2)
【文献】 特表2007−504937(JP,A)
【文献】 特許第3565170(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧放電を用いて材料(1)を破片化及び/又は予備弱化する方法であって
a)電極間隔をおいて互いに向かい合っている2つの電極(3,4)の間に形成された高電圧放電区間を備えた処理室(2)を準備するステップと、
b)破片化運転もしくは予備弱化運転が行われる場合に、前記両電極(3,4)の間の領域が、破片化もしくは予備弱化される材料(1)と処理液(5)とによって満たされるように、破片化もしくは予備弱化される材料(1)と処理液(5)とを、前記処理室(2)内に装入するステップと、
c)前記両電極(3,4)の間における高電圧放電の発生によって、前記処理室(2)内において前記材料(1)を破片化もしくは予備弱化するステップと、を備えており、
記材料(1)の破片化もしくは予備弱化中に、処理液(5)を前記処理室(2)から排出し、かつ処理液(5)を前記処理室(2)内に供給し、
給される処理液(5)は、排出された処理液(5)よりも低い導電率を有しており、
記処理室(2)内における処理液(5)の導電率、前記処理室(2)から排出された処理液(5)の導電率及び/又は前記2つの電極(3,4)の間における放電抵抗を求め、求められた値に関連して、前記処理室(2)内への処理液(5)の供給及び/又は、適切であれば、処理液(5)の状態を、変化させ、又は調整することを特徴とする、高電圧放電を用いて材料を破片化及び/又は予備弱化する方法。
【請求項2】
前記供給される処理液(5)の導電率は、0.2mS/cm〜5000mS/cmの範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
処理液(5)の排出と供給とを同時に行う、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
供給される処理液体積と排出される処理液体積とが、ほぼ同じである、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
処理液(5)の供給及び/又は排出を、連続的に又は断続的に行う、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
排出された処理液(5)を、調製ステップにもたらし、該調製ステップにおいて処理液(5)の導電率を低下させ、次いで処理液(5)を完全に又は部分的に再び処理室(2)内に供給する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
処理液(5)を、イオンの除去によって、導電率の低い処理液による希釈によって、細かい材料の除去によって、該処理液のpH値の変化によって、及び/又は金属イオン封鎖剤の添加によって調製する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
処理液循環路を形成するために、前記処理室(2)を、処理液(5)の導電率を低下させる処理液調製設備の流入部及び流出部に接続し、処理液(5)を前記処理液循環路において循環させ、前記処理室(2)の第1の箇所において処理液(5)を前記処理室(2)から取り出して、前記処理液調製設備に供給し、該処理液調製設備において処理液(5)の導電率を低下させ、次いで処理液(5)を、全体的に又は部分的に前記処理室(2)の第2の箇所において再び前記処理室(2)に供給する、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
処理液(5)が前記両電極(3,4)の間の反応ゾーン(R)内に所望のようにもたらされるように、処理液(5)の供給を行う、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
供給された処理液(5)が、前記両電極(3,4)の間の反応ゾーン(R)を、上から下に向かって、又は下から上に向かって、又は前記反応ゾーン(R)の中心から半径方向外側に向かって、貫流するように、処理液(5)の供給・排出を行う、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
処理液(5)の供給を、前記両電極のうちの1つの電極(3;4)を介して、又は両方の電極(3,4)を介して行う、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
処理液(5)の供給を、各電極(3)の端面側に配置された単数又は複数の供給開口(6,9,10,11)を介してう、請求項11記載の方法。
【請求項13】
1つ又は2つのロッド形状の電極(3)を使用し、処理液(5)の供給を、各電極(3)の周囲に配置された単数又は複数の供給開口(6,9,10,11)を介して行う、請求項11又は12項記載の方法。
【請求項14】
前記供給開口(6,9,10,11)への処理液(5)の供給を、各電極(3)における中心の供給孔(7)を介して行う、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
絶縁体(8)によって取り囲まれた1つ又は2つの電極(3)を使用し、処理液(5)の供給を、1つ又は2つの電極(3)の前記絶縁体(8)を介して行う、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
処理液(5)の供給を、各絶縁体(8)において端面側に配置された単数又は複数の供給開口(6,9,10,11)を介して行う、請求項15記載の方法。
【請求項17】
処理液(5)の供給を、各電極(3,4)又は該電極の絶縁体(8)を同心的に取り囲む供給ノズル(9)の配置形態を介して行う、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
処理液(5)の供給を、各電極(3)又は該電極の絶縁体(8)を同心的に取り囲むリング間隙(10)を介して行う、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
処理室(2)を準備し、該処理室(2)では、両方の電極(3,4)が重力方向で見て互いに上下に配置されていて、下側の電極(4)は前記処理室(2)の底部に形成されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
処理液(5)の供給を、前記処理室(2)の底部における単数又は複数の供給開口(11)を介して行う、請求項19記載の方法。
【請求項21】
処理液(5)の排出を、前記処理室(2)の底部における単数又は複数の排出開口(12)を介して行う、請求項19又は20記載の方法。
【請求項22】
処理室を準備し、該処理室では、両方の電極が重力方向で見て互いに並んで配置されていて、両方の電極は絶縁体を有していて、該両方の電極には、アース電位とは異なる電位が印加される、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記処理室(2)から処理液(5)を排出するため及び前記処理室(2)から破片化もしくは予備弱化された材料(1)を取り出すために、種々異なった開口(12;13)を使用する、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
破片化もしくは予備弱化された材料(1)を、前記処理室(2)の底部における1つの取出し開口(13)を介して、又は複数の取出し開口(13)を介して取り出す、請求項19から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
破片化もしくは予備弱化される材料(1)を、連続的に又はロット毎に前記処理室(2)に供給し、かつ破片化されたもしくは予備弱化された材料(1)を、連続的に又はロット毎に処理室(2)から排出する、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
高電圧放電を用いて材料(1)を破片化及び/又は予備弱化する、請求項1から25までのいずれか1項記載の方法であって
a)電極間隔をおいて互いに向かい合っている2つの電極(3,4)の間に形成された高電圧放電区間を備えた処理室(2)を準備するステップと、
b)破片化運転もしくは予備弱化運転が行われる場合に、前記両電極(3,4)の間の領域が、破片化もしくは予備弱化される材料(1)と処理液(5)とによって満たされるように、破片化もしくは予備弱化される材料(1)と処理液(5)とを、前記処理室(2)内に装入するステップと、
c)前記両電極(3,4)の間における高電圧放電の発生によって、前記処理室(2)内において前記材料(1)を破片化もしくは予備弱化するステップと、を備えており、
続的に又はロット毎に破片化もしくは予備弱化される材料(1)を、前記処理室(2)内に装入し、連続的に又はロット毎に材料を前記処理室(2)から排出し、
記処理室(2)から排出された材料(1)の少なくとも一部を、前記処理室(2)の外において別の処理ステップを通過させた後で、前記処理室(2)内に再び装入し、
記別の処理ステップは、前記処理室(2)に再び装入される材料の、第1の洗浄液による洗浄過程を含み、1の洗浄液は、前記処理室における処理液よりも低い導電率を有し、
浄のために使用される第1の洗浄液の導電率を求め、求められた値に関連して、洗浄のために使用される第1の洗浄液の供給及び/又は、適切であれば、第1の洗浄液の状態を、変化させ、又は調整することを特徴とする、高電圧放電を用いて材料を破片化及び/又は予備弱化する方法。
【請求項27】
第1の洗浄液による材料の洗浄の終了と、次いで行われる、前記処理室(2)内への材料の新たな装入、又は前記処理室(2)における材料への高電圧放電の印加との間の時間が、5分未満である、請求項26記載の方法。
【請求項28】
洗浄のために使用された第1の洗浄液は、前記処理室(2)内に装入された処理液(5)と、同じ種類である、請求項26又は27記載の方法。
【請求項29】
洗浄のために使用された第1の洗浄液を、循環路において循環させ、連続的に又は断続的に、イオンの除去によって、導電率の低い洗浄液による希釈によって、細かい材料の除去によって、該洗浄液のpH値の変化によって、及び/又は金属イオン封鎖剤の添加によって調製する、請求項26から28までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
前記処理室(2)から排出された材料を、ふるいによって、粗い材料と細かい材料とに分別し、粗い材料だけを再び前記処理室(2)内に装入する、請求項26から29までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
粗い材料と細かい材料とへの分別によって得られた粗い材料の量は、得られた細かい材料の量よりも多い、請求項30記載の方法。
【請求項32】
高電圧放電を用いて材料(1)を破片化及び/又は予備弱化する、請求項1から31までのいずれか1項記載の方法であって
a)電極間隔をおいて互いに向かい合っている2つの電極(3,4)の間に形成された高電圧放電区間を備えた処理室(2)を準備するステップと、
b)破片化運転もしくは予備弱化運転が行われる場合に、前記両電極(3,4)の間の領域が、破片化もしくは予備弱化される材料(1)と処理液(5)とによって満たされるように、破片化もしくは予備弱化される材料(1)と処理液(5)とを、前記処理室(2)内に装入するステップと、
c)前記両電極(3,4)の間における高電圧放電の発生によって、前記処理室(2)内において前記材料(1)を破片化もしくは予備弱化するステップと、を備えており、
理室(2)内に装入された材料(1)を、破片化もしくは予備弱化の前に、第2の洗浄液によって、破片化もしくは予備弱化時に前記処理室(2)内にある処理液(5)よりも導電率の低い第2の洗浄液によって洗浄し、
浄のために使用される第2の洗浄液の導電率を求め、求められた値に関連して、洗浄のために使用される第2の洗浄液の供給及び/又は、適切であれば、第2の洗浄液の状態を、変化させ、又は調整することを特徴とする、高電圧放電を用いて材料を破片化及び/又は予備弱化する方法。
【請求項33】
第2の洗浄液による洗浄を、前記処理室(2)の内部又は外部において行う、請求項32記載の方法。
【請求項34】
第2の洗浄液による洗浄を、前記処理室(2)の外部において行い、第2の洗浄液による材料の洗浄の終了と、前記処理室(2)内への材料の装入又は前記処理室(2)における材料への高電圧放電の印加との間の時間が、5分未満である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
洗浄のために使用される第2の洗浄液は、破片化もしくは予備弱化時に前記処理室(2)に存在する処理液(5)と、同じ種類である、請求項32から34までのいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
洗浄のために使用された第2の洗浄液を、循環路において循環させ、連続的に又は断続的に、イオンの除去によって、導電率の低い洗浄液による希釈によって、細かい材料の除去によって、該洗浄液のpH値の変化によって、及び/又は金属イオン封鎖剤の添加によって調製する、請求項32から35までのいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
処理液として水を使用する、請求項1から36までのいずれか1項記載の方法。
【請求項38】
破片化及び/又は予備弱化される材料(1)として、貴金属鉱石又は半貴金属鉱石を使用する、請求項1から37までのいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
前記方法から生じる破片化及び/又は予備弱化された材料を、機械式に粉砕する、請求項1から38までのいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
請求項1から39までのいずれか1項記載の方法を実施する、処理室(2)用の高電圧電極(3)であって、中心の導体(14)を備えた絶縁体(8)を有していて、該絶縁体(8)から軸方向において突出している前記導体(14)の作業端部に、電極先端(15)が配置されており、前記中心の導体(14)及び/又は前記絶縁体(8)は前記作業端部に、単数又は複数の供給開口(6,9,10,11)を有しており、該供給開口(6,9,10,11)は、単数又は複数の供給通路(7)に開口していて、該供給通路(7)を介して前記供給開口(6,9,10,11)に、前記作業端部とは離れた箇所から、処理液(5)が供給可能であり、
記絶縁体(8)は、別の部材(17)によって取り囲まれていて、該部材(17)は、それ自体が又は前記絶縁体(8)と一緒に、端面側のリング間隙(10)を形成しており、該リング間隙(10)には、前記作業端部から離れた箇所から、処理液(5)が供給可能であることを特徴とする、高電圧電極(3)。
【請求項41】
前記中心の導体(14)はその作業端部に、端面側に配置された単数又は複数の供給開口(6)を有している、請求項40記載の高電圧電極(3)。
【請求項42】
前記中心の導体(14)は、前記絶縁体(8)からの、該導体(14)の作業端部側の突出部の領域において、該導体(14)の外周部に、半径方向に張り出した環状の隆起部(16)を有しており、該隆起部(16)の端面が供給開口(6)を有している、請求項40又は41記載の高電圧電極(3)。
【請求項43】
前記中心の導体はその作業端部に、周囲に配置された単数又は複数の供給開口を有しており、該供給開口は、前記導体の周囲に均一に分配配置されている、請求項40から42までのいずれか1項記載の高電圧電極(3)。
【請求項44】
前記中心の導体(14)は、前記供給開口(6)に処理液(5)を供給するために、中心の供給通路(7)を有している、請求項40から43までのいずれか1項記載の高電圧電極(3)。
【請求項45】
前記絶縁体(8)はその作業端部側の端面に、単数又は複数の供給開口(6)を有している、請求項40から44までのいずれか1項記載の高電圧電極(3)。
【請求項46】
前記絶縁体(8)は、別の部材によって取り囲まれていて、該部材には、複数の供給ノズルが配置形成されており、該供給ノズルには、前記作業端部から離れた箇所から処理液(5)が供給可能である、請求項40から45までのいずれか1項記載の高電圧電極(3)。
【請求項47】
前記電極先端(15)は、球形キャップの形状又は回転放物面体の形状を有している、請求項40から46までのいずれか1項記載の高電圧電極(3)。
【請求項48】
前記中心の導体(14)は、金属から成っている、請求項40から47までのいずれか1項記載の高電圧電極(3)。
【請求項49】
請求項1から39までのいずれか1項記載の方法を実施する、請求項40から48までのいずれか1項記載の高電圧電極(3)を備えた処理室(2)。
【請求項50】
鎖された、請求項49記載の処理室(2)を形成する処理容器。
【請求項51】
高電圧放電を用いて材料(1)を破片化及び/又は予備弱化する設備であって、請求項50記載の処理容器と、該処理容器によって形成された処理室(2)内において高電圧放電を生ぜしめる高電圧インパルス発生器と、を有する、高電圧放電を用いて材料を破片化及び/又は予備弱化する設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部に記載された、高電圧放電を用いて材料を破片化及び/又は予備弱化する方法、この方法を実施する、処理室用の高電圧電極、前記方法を実施する、前記高電圧電極を備えた処理室、この処理室を形成する処理容器、並びに、この処理容器を備えた、高電圧放電を用いて材料を破片化及び/又は予備弱化する設備に関する。
【0002】
従来の技術
例えばコンクリート又は岩石から成る材料片を、パルス状の高電圧放電を用いて、破片化もしくは予備弱化すること、つまり亀裂を設けることによって、次いで行われる破砕プロセスにおいて材料片を、より簡単に破砕できるようにすることは、従来技術に基づいて公知である。
【0003】
そのために、破片化もしくは予備弱化される材料は、例えば水である処理液と一緒に、処理室内に装入され、この処理室内においては、2つの電極の間において高電圧放電が生ぜしめられる。この場合基本的には、2つの異なった作用機構が区別される。
【0004】
破片化もしくは予備弱化される材料に対するいわゆるエレクトロハイドロリック式の作用では、放電路はもっぱら処理液を通って延び、その結果、衝撃波が処理液内において引き起こされ、このような衝撃波は、破片化もしくは弱化される材料に対して作用する。しかしながらこの作用機構は、高電圧放電を発生させるために必要なエネルギの僅かな部分しか、材料を破片化もしくは予備弱化のために役立たない、という欠点を有している。相応に、エレクトロハイドロリック式の作用では、比較的低い破片化出力もしくは弱化出力を得るために、大きなエネルギ量が必要であり、このような大きなエネルギ量の準備もしくは提供は、さらに装置技術的な高いコストに結び付いている。また、エレクトロハイドロリック式の作用によって、比較的硬い材料を破片化又は弱化することは、事実上不可能である。
【0005】
いわゆるエレクトロダイナミック式の作用では、放電路は少なくとも部分的に、破片化もしくは弱化される材料を通って延びるので、材料自体において衝撃波が生ぜしめられる。この作用機構によっては、エレクトロハイドロリック式の作用に比べて、使用されるエネルギ量のうちの著しく大きな部分を、材料の破片化又は予備弱化のために使用することができ、かつ著しく硬い材料をも破片化もしくは予備弱化することができる。
【0006】
しかしながらまた、今日公知のエレクトロダイナミック式の方法では、硬質で脆性の材料を粉砕もしくは弱化するための能力及びエネルギ効率は、満足できるものであると見なすことができない。また、高電圧放電を用いて材料を破片化もしくは予備弱化する今日公知の方法では、例えばコンクリートのような幾つかの材料では、材料に対して最初に主としてエレクトロダイナミック式の作用を加えた後で、比較的迅速に、実質的にエレクトロハイドロリック式の作用への変更がなされる。その結果、破砕プロセスもしくは予備弱化プロセスの効率は、急速に低下し、又は高電圧放電は、最悪な場合もはや材料を破砕又は予備弱化しなくなる。この現象は、このような方法を今日、特定の材料に対して不経済に又はまったく使用不能にする。
【0007】
発明の開示
ゆえに本発明の課題は、従来技術の欠点を有していない又は少なくとも部分的に回避することができる、高電圧放電を用いて材料を破片化もしくは予備弱化する方法及び装置を提供することである。
【0008】
この課題は、独立請求項に記載の対象によって解決される。
【0009】
すなわち本発明の第1の観点は、高電圧放電を用いて材料、特に岩石材料又は鉱石を破片化及び/又は弱化する方法に関する。破片化(Fragmentierung)というのは、材料の粉砕を意味し、弱化(Schwaechung)(予備弱化(Vorschwaechung)とも呼ぶ)というのは、材料において内部に亀裂を生ぜしめることを意味し、このような亀裂によって、次いで行われる材料の特に機械的な粉砕が容易になる。本発明による方法によれば、破片化もしくは弱化される材料は、処理液と一緒に処理室に装入され、この処理室には、2つの電極が互いに間隔をおいて向かい合って位置していて、これにより両方の電極の間で高電圧放電区間を処理室内部において形成する。この場合、破片化もしくは弱化される材料及び処理液は、処理室内において、両方の電極の間における領域が破片化もしくは弱化される材料及び処理液によって満たされているように、配置されている。両方の電極の間において、高電圧放電が生ぜしめられ、これによって、処理室内に装入された材料を破片化及び/又は弱化することができる。この場合、本発明によれば材料の破片化もしくは弱化中に、処理液は処理室から排出され、かつ処理液が処理室内に供給される。この場合供給される処理液は、排出された処理液よりも低い導電率を有している。好適には、供給される処理液の導電率は、0.2mS/cm〜5000mS/cmの範囲である。
【0010】
このような処置によって、今日公知のエレクトロダイナミック式の方法において、硬質で脆性の材料を粉砕するための能力及びエネルギ効率を、大幅に改善することができ、問題のある材料の場合においても、エレクトロダイナミック式の作用からエレクトロハイドロリック式の作用への変更を回避すること又は少なくとも遅延させることができる、ということが判明している。またこの処置は、今や、従来はエレクトロダイナミック式の方法が適していなかった材料の粉砕もしくは弱化のためにも、エレクトロダイナミック式の方法の使用を可能にする。
【0011】
処理液の排出と供給とは同時に行われることが好ましい。それというのは、このようにすると、洗浄流を形成することができ、この洗浄流によって、処理室の特定の領域を所望のように捕らえることができる。
【0012】
同様に好ましいことであるが、供給される処理液体積と排出される処理液体積とが、ほぼ同じであると、これによって、処理室における処理液面の変動を阻止すること、又は少なくとも狭い範囲内に保つことができ、このことは特に、連続的な方法にとって望ましいことである。
【0013】
この場合、処理運転に応じて、処理液の供給・排出を、連続的に行うことも又は断続的に行うことも可能である。処理液の供給・排出が同時に連続的に行われると、連続的な洗浄流が、準静的な導電率状態で、洗浄流によって捕らえられた処理室ゾーンにおいて可能になる、という利点が得られる。処理液の同時的な供給・排出が断続的に行われると、僅かな交換量でも、短時間の強力な貫流によって、処理室の特定のゾーンを良好に洗浄することができる。
【0014】
同様にしかしながらまた、処理液の排出及び供給を、時間的にずらして実施することも可能であり、このようにすると、処理室内における処理液面は顕著に変化することになる。処理室の幾何学的な設計に応じて、このことは、良好な洗浄作用のために有利なことがある。同様に有利なことであるが、この場合供給される処理液体積と排出される処理液体積とがほぼ同じであると、処理液面は処理室内において2つの安定した液レベルの間で変化する。
【0015】
特殊な場合として、この場合においても、最初に事実上すべての処理液を処理室から排出し、次いで好ましくは同じ量の処理液を処理室内に供給することが可能であり、そのためには、2つの電極の間における高電圧放電の発生が中断されると好適である。
【0016】
同様にもちろん、処理液の供給又は排出を連続的に行い、かつ排出又は供給を断続的に行うような変化態様も可能であり、これによって同様に、処理室内における処理液面の変化が生ぜしめられ、この変化は、インターバル毎に供給される処理液量と排出される処理液量とが同じ場合には、同様に2つの安定した液レベルの間において生じる。処理室の幾何学形状及び所望の処理運転に応じて、このことは、既存の処理液と新たに供給される処理液との混合に対して好適な作用を有することができる。
【0017】
方法の好適な態様では、排出された処理液は調製プロセスにもたらされ、この調製プロセスにおいて処理液の導電率が低下させられる。次いで処理液は、完全に又は部分的に再び処理室に供給される。これによって、処理室から排出された処理液を完全に又は部分的に再び、破片化もしくは予備弱化のための処理液として処理室において使用することが可能になる。
【0018】
この場合処理液の調製は、好ましくは、イオンの除去によって、導電率の低い処理液による希釈によって、細かい材料の除去によって、処理液のpH値の変化によって、及び/又は金属イオン封鎖剤(Komplexbilder)の添加によって行われる。これらの個々の処置は、当業者にとっては周知であるので、従ってそれについてここで詳しく説明することは省く。
【0019】
さらに、上に述べた方法の2つの態様において好ましくは、処理液循環路を形成するために、処理室を、処理液の導電率を低下させる処理液調製設備の流入部及び流出部に接続し、処理液を処理液循環路において循環させる。この場合処理室の第1の箇所において処理液を処理室から取り出して、処理液調製設備に供給し、次いでこの処理液調製設備において処理液の導電率を、例えば上に述べた処置を用いて低下させ、次いで処理液を、全体的に又は部分的に処理室の第2の箇所において再び前記処理室に供給する。このような方法には、処理液の消費量を極めて僅かに保つことができ、かつ同時に、処分されねばならない廃棄物の量をも極めて僅かに保つことができる、という利点がある。
【0020】
本発明による方法において好ましくは、処理液が両方の電極の間の反応ゾーン内に所望のようにもたらされるように、処理液の供給を行う。反応ゾーンというのは、高電圧放電で典型的に行われる、処理室のゾーンを意味する。これによって、昇給された処理液が少量であっても、破片化もしくは弱化プロセスに対して十分な影響を与えることができる。しばしば、処理室の残りのゾーンにおける処理液品質は、処理のために重要ではない、もしくは副次的であり、その結果、処理室の残りのゾーンにおける処理液品質は、何ら効果をもたらさず、単に設備技術上のコストを増大させるだけになることがある。
【0021】
さらに別の好適な態様では、供給された処理液が、両電極の間の反応ゾーンを、特に上から下に向かって、又は下から上に向かって、又は反応ゾーンの中心から半径方向外側に向かって、貫流するように、処理液の供給・排出を行う。このような流れ形態には、古い処理液及びその内部に含まれた細かい粒子が反応ゾーンから洗い出され、反応ゾーン内にほぼ新たに供給された処理液だけが存在するという利点がある。
【0022】
本発明による方法の好適な態様では、処理室内への処理液の供給を、両電極のうちの1つの電極を介して、又は両方の電極を介して行う。これによって別体の供給装置を省くことができる。
【0023】
この態様において、処理液の供給を、各電極の端面側に配置された単数又は複数の供給開口を介して、特に中心の供給開口を介して及び/又は、電極中心の周りに同心的に配置された複数の供給開口を介して行うと、好適である。このような態様には、事実上強制的に処理室の反応ゾーンの領域における処理液の好適な供給が行われる、という利点がある。
【0024】
この場合好適には、1つ又は2つのロッド形状の電極を使用し、処理液の供給を、各電極の周囲に配置された単数又は複数の供給開口を介して、特に電極の周囲に均一に分配配置された複数の供給開口を介して行う。このようにすると、反応ゾーンへの処理液の極めて目的にかなった供給が可能となり、好適である。
【0025】
いずれにせよ、供給開口への処理液の供給を、各電極における中心の供給孔を介して行うと好適である。それというのは、このようにすると単純に形成された安価な電極を使用することができ、さらに1つの高電圧電極における中心の長手方向孔は、規定通りの運転における高電圧電極の導電率に対して極めて僅かな影響しか与えないからである。
【0026】
さらに別の好適な方法の態様では、絶縁体によって取り囲まれた1つ又は2つの電極を使用し、処理液の供給を、1つ又は2つの電極の絶縁体を介して行う。このようにすると、電極近傍における供給が、電流を通さない摩耗の少ない部材を介して可能であるという利点が得られ、その結果、消耗品と見なすことができる本来の高電圧電極の構造を簡単にすること、ひいては高電圧電極を安価に構成することができる。
【0027】
この場合別の好適な態様では、処理液の供給を、各絶縁体において端面側に配置された単数又は複数の供給開口を介して、特に好適には各絶縁体における、電極中心の周りに同心的に配置された複数の供給開口を介して行う。このようにすると、反応ゾーンへの均一な供給が可能となり、好適である。
【0028】
方法の別の好適な態様では、処理液の供給を、各電極又は該電極の絶縁体を同心的に取り囲む供給ノズルの配置形態又はリング間隙を介して、行う。
【0029】
方法のさらに別の好適な態様では、処理室を準備し、該処理室では、両方の電極が重力方向で見て互いに上下に配置されていて、下側の電極は処理室の底部に形成されている。このような処理室は、特に好適であるということが判明している。それというのは、相応な設計では、反応ゾーン内への破片化もしくは弱化される材料の重力による搬入、及びこの反応ゾーン及び処理室からの破片化もしくは予備弱化された材料の重力による排出が、可能になり、ひいては、この目的を達成するための別体の搬送手段を省くことができるからである。
【0030】
この場合好適には、処理液の供給及び/又は処理液の排出を、処理室の底部における単数又は複数の供給開口を介して行う。この態様には、洗浄流を底部の領域において生ぜしめることができ、この洗浄流によって底部領域に沈降した細かい粒子を処理室から搬出することができる、という利点がある。これによってまた、処理室内におけるすべての処理液を、重力を利用して処理室から搬出することができる。
【0031】
方法の別の好適な態様では、処理室を準備し、該処理室では、両方の電極が重力方向で見て互いに並んで配置されていて、特に、この場合好適には両方の電極は絶縁体を有していて、該両方の電極には、アース電位とは異なる電位が印加される。このようにすると、両方の電極の間においてほぼ水平な高電圧放電を生ぜしめることができ、これにより、重力によって促進されて鉛直方向で処理室を通過する材料流に、高電圧放電を印加することができ、次いで材料流を変向することなしに、反応ゾーンから導出することができるようになる。
【0032】
好適には、処理室から処理液を排出するため及び処理室から破片化もしくは弱化された材料を取り出すために、種々異なった開口を使用する。これによって、処理室の設計に関して大きな自由度が得られ、場合によっては洗浄流が処理室の特定の領域において生ぜしめられる。
【0033】
また、破片化もしくは予備弱化された材料を、処理室の底部における1つの取出し開口、特に中心の1つの取出し開口を介して、又は複数の取出し開口を介して取り出すと好適である。この態様には、追加的な搬送手段なしに、重力を利用して取出しを行うことができる、という利点がある。
【0034】
方法の別の好適な態様では、破片化もしくは弱化される材料を、連続的に又はロット毎に処理室に供給し、かつ破片化されたもしくは弱化された材料を、連続的に又はロット毎に処理室から排出する。例えば、破片化もしくは弱化される材料を、ロット毎に処理室に供給し、かつ破片化されたもしくは弱化された材料を、連続的に処理室から排出するような態様、又はそれとは逆の態様が可能である。もちろんまた、供給及び排出を連続的に実施(純然たる連続運転)することも又は両方をロット毎に実施(純然たるロット運転)することも可能である。設備の配置構成及び処理される材料に応じて、一方又は他方の変化態様が有利なことがある。
【0035】
方法のさらに別の好適な態様では、処理室内における処理液の導電率、処理室から排出された処理液の導電率及び/又は2つの電極の間における放電抵抗を、求め、求められた値に関連して、処理室内への処理液の供給及び/又は、適切であれば、処理液の状態を、変化させ、好ましくは調整する。このようにすると、安定した処理運転(Prozessfuehrung)を自動化することができる。
【0036】
本発明の第2の観点は、好ましくは本発明の第1の観点のように、高電圧放電を用いて材料、特に岩石材料又は鉱石を破片化及び/又は弱化する方法に関する。破片化というのは、材料の粉砕を意味し、弱化(予備弱化とも呼ぶ)というのは、材料において内部に亀裂を生ぜしめることを意味し、このような亀裂によって、次いで行われる材料の特に機械的な粉砕が容易になる。この方法によれば、破片化もしくは弱化される材料は、処理液と一緒に処理室に装入され、この処理室には、2つの電極が互いに間隔をおいて向かい合って位置していて、これにより両方の電極の間で高電圧放電区間を処理室内部において形成する。この場合、破片化もしくは弱化される材料及び処理液は、処理室内において、両方の電極の間における領域が破片化もしくは弱化される材料及び処理液によって満たされているように、配置されている。両方の電極の間において、高電圧放電が生ぜしめられ、これによって、処理室内に装入された材料を破片化及び/又は弱化することができる。この場合本発明によれば、連続的に又はロット毎に、破片化もしくは弱化される材料を、処理室内に装入し、連続的に又はロット毎に材料は処理室から排出し、この場合、処理室から排出された材料の少なくとも一部を、処理室の外部において別の処理ステップを通過した後で、再び処理室内に装入する。
【0037】
この処置によって、特に、別の処理ステップが、再び処理室に装入される材料の、第1の洗浄液による洗浄を含むような場合のために、好適であることが判明しており、この場合好ましくは、第1の洗浄液が、処理室における処理液よりも低い導電率を有していると、今日公知のエレクトロダイナミック式の方法においても、硬質でかつ脆性の材料を粉砕するための能力及びエネルギ効率を、改善することができ、問題のある材料においても、エレクトロダイナミック式の作用からエレクトロハイドロリック式の作用への変更を阻止すること又は少なくとも遅延させることができる。この処置はまた、従来は適していなかった材料の粉砕もしくは弱化のために、エレクトロダイナミック式の方法の使用をも可能にする。
【0038】
「洗浄(Spuelen)」というのは、本明細書では、最も広い意味において材料が第1の洗浄液と接触することを意味している。例えば、材料は、第1の洗浄液によって満たされている槽内に装入されるか、又は材料は、第1の洗浄液によって注ぎ洗いされる。
【0039】
別の処理ステップが、処理室に再び装入される材料の、第1の洗浄液による洗浄過程を含み、好ましくは第1の洗浄液が、処理室における処理液よりも低い導電率を有する、方法の好適な態様では、第1の洗浄液による材料の洗浄の終了と、次いで行われる、処理室内への材料の新たな装入、又は処理室における材料への高電圧放電の印加との間の時間が、5分未満、好ましくは3分未満である。
【0040】
特に、洗浄のために使用された第1の洗浄液が、処理室内に装入された処理液と、同じ種類、特に同一である、態様に対しては、これによって液体との接触においてイオンが液体内に移動(auslagern)する材料において、処理室における処理液のイオン受容(Ionenbefrachtung)を、大幅に減じることができ、その結果、より良好な破片化効率もしくは弱化効率を得ることができる。
【0041】
そのために方法の別の好適な態様では、洗浄のために使用された第1の洗浄液を、循環路において循環させ、連続的に又は断続的に、イオンの除去によって、導電率の低い洗浄液による希釈によって、細かい材料の除去によって、該洗浄液のpH値の変化によって、及び/又は金属イオン封鎖剤の添加によって調製する。
【0042】
方法の別の好適な態様では、処理室から排出された材料を、好ましくはふるいによって、粗い材料と細かい材料とに分別する。粗い材料は、処理室の外において別の処理ステップを通過した後で、再び処理室内に装入される。このようにすると、特に材料の破片化が行われる方法において、目標サイズに破片化された材料と循環させられる材料との搬出を一緒に行い、この搬出作業を簡単化することができる。別の処理ステップが実施される前に、粗い材料と細かい材料とに分別されると、好適である。これによって、処理室に再び供給される材料だけが、別の処理ステップを通過する、という利点が得られる。
【0043】
この場合別の好適な態様では、粗い材料と細かい材料とへの分別によって得られた粗い材料の量は、得られた細かい材料の量よりも多い、つまり循環させられる材料量は、目標サイズに粉砕された量よりも多い。特に、別の処理ステップが、処理室に装入された材料の、洗浄液による洗浄過程を含み、この洗浄液が、処理室内に装入された処理液と、同じ種類、好ましくは同一であり、かつ処理液との接触においてイオンが該処理液内に移動する材料が処理される場合に対しては、これによって処理室における処理液のイオン受容をさらに減じることができる。なぜならば、これによって、連続的な処理において処理室には、「洗われていない」新規材料よりも多くの「洗われた」再循環材料を供給することができるからである。
【0044】
別の処理ステップが、処理室に再び装入される材料の、第1の洗浄液による洗浄過程を含む、さらに別の好適な態様では、洗浄のために使用される第1の洗浄液の導電率を求め、求められた値に関連して、洗浄のために使用される第1の洗浄液の供給及び/又は、適切であれば、第1の洗浄液の状態を、変化させ、つまり好適には調整する。このようにすると、安定した処理運転を自動化することができる。
【0045】
本発明の第3の観点は、好ましくは本発明の第1又は第2の観点のように、高電圧放電を用いて材料、好ましくは岩石材料又は鉱石を破片化及び/又は弱化する方法に関する。破片化というのは、材料の粉砕を意味し、弱化(予備弱化とも呼ぶ)というのは、材料において内部に亀裂を生ぜしめることを意味し、このような亀裂によって、次いで行われる材料の特に機械的な粉砕が容易になる。この方法によれば、破片化もしくは弱化される材料は、処理液と一緒に処理室に装入され、この処理室には、2つの電極が互いに間隔をおいて向かい合って位置していて、これにより両方の電極の間で高電圧放電区間を処理室内部において形成する。この場合、破片化もしくは弱化される材料及び処理液は、処理室内において、両方の電極の間における領域が破片化もしくは弱化される材料及び処理液によって満たされているように、配置されている。両方の電極の間において、高電圧放電が生ぜしめられ、これによって、処理室内に装入された材料を破片化及び/又は弱化することができる。この場合本発明によれば、処理室内に装入された材料を、破片化もしくは予備弱化の前に、第2の洗浄液によって、好ましくは、破片化もしくは弱化時に処理室内にある処理液よりも導電率の低い第2の洗浄液によって洗浄する。
【0046】
この処置によって、特に、第2の洗浄液が、処理室内に装入された処理液と、同じ種類、特に同一であり、かつ液体との接触においてイオンがこの液体内に移動する材料が処理される場合に対しては、今日公知のエレクトロダイナミック式の方法においても、エネルギ効率を著しく改善することができ、かつ問題のある材料においても、エレクトロダイナミック式の作用からエレクトロハイドロリック式の作用への変更を阻止すること又は少なくとも遅延させることができる。
【0047】
好適な態様では、第2の洗浄液による洗浄を、処理室の内部において行い、別の好適な態様では、処理室の外部において行う。「洗浄(Spuelen)」というのは、本明細書では、最も広い意味において材料が第1の洗浄液と接触することを意味している。例えば、材料は、処理室への装入の前に、第2の洗浄液によって満たされている槽内に装入されるか、又は材料は、第2の洗浄液によって注ぎ洗いされる。
【0048】
また、処理される材料によって満たされた処理室を、高電圧放電の発生前に、一定の時間、第2の洗浄液によって満たし、次いでこの第2の洗浄液を、高電圧放電の発生前に処理液と交換するか、又は択一的に、処理室に装入された材料を処理室内への処理液の装入前でかつ処理室における高電圧放電の発生前に、第2の洗浄液によって洗浄する。もちろん、これらを組み合わせることも、複数回の装入、注入及び/又は洗浄を、例えば断続的に、材料に対する高電圧放電の印加の間に行うことも可能である。
【0049】
好適な態様では、第2の洗浄液による材料の洗浄の終了と、処理室内への材料の装入又は、さらに好ましくは処理室における材料への高電圧放電の印加との間の時間が、5分未満、特に3分未満である。特に、洗浄のために使用される第2の洗浄液が、処理室内に装入された処理液と、同じ種類、好ましくは同一である場合に対しては、液体との接触においてイオンがこの液体内に移動する材料では、これによって処理室における処理液のイオン受容を、さらに大幅に減じることができる。それというのは、材料表面におけるイオンの新たな集中をほぼ阻止することができるからであり、その結果、より良好な破片化効率もしくは弱化効率を得ることができる。
【0050】
方法の別の好適な態様では、洗浄のために使用される第2の洗浄液を、循環路において循環させ、連続的に又は断続的に、イオンの除去によって、導電率の低い洗浄液による希釈によって、細かい材料の除去によって、該洗浄液のpH値の変化によって、及び/又は金属イオン封鎖剤の添加によって調製する。このような調製のための個々の処置は、当業者にとって周知であるので、ここではさらなる詳しい説明は省く。このようにすると、第2の洗浄液の消費量を極めて僅かに保つことができ、かつ同時に、処分されねばならない廃棄物の量をも極めて僅かに保つことができる、という利点が得られる。
【0051】
方法のさらに別の好適な態様では、洗浄のために使用される第2の洗浄液の導電率を求め、求められた値に関連して、洗浄のために使用される第2の洗浄液の供給及び/又は、適切であれば、第2の洗浄液の状態を、変化させ、つまり好ましくは調整する。このようにすると、安定した処理運転を自動化することができる。
【0052】
本発明の第1の観点、第2の観点及び第3の観点による方法では、好ましくは、処理液として水を使用する。水は安価であり、実地において、このような方法のために極めて適宜であることが判明している。
【0053】
また、本発明の第1の観点、第2の観点及び第3の観点による方法では、好ましくは、破片化及び/又は弱化される材料として、貴金属鉱石又は半貴金属鉱石、さらに好適には、銅鉱石又は銅・金鉱石を使用する。このような材料では、本発明の利点は特に顕著になる。
【0054】
さらに、本発明の第1の観点、第2の観点及び第3の観点による方法では、好ましくは、本発明による方法から生じる破片化及び/又は弱化された材料を、好適には機械式に粉砕する。このことは特に、方法が、材料の破片化よりも材料の弱化のために働くような場合が当て嵌まる。
【0055】
本発明の第3の観点は、本発明の第1、第2又は第3の観点による方法のうちの1つを実施する、処理室用の高電圧電極に関する。この高電圧電極は、好ましくは金属製、特に銅製、銅合金製又は特殊鋼製の中心の導体を備えた絶縁体を有していて、該絶縁体から軸方向において突出している導体の作業端部に、電極先端が配置されており、この電極先端は好ましくは、球形キャップの形状又は回転放物面体の形状を有している。中心の導体及び/又は絶縁体は作業端部に、高電圧電極と共に形成される処理室内に処理液を供給する単数又は複数の供給開口を有しており、該供給開口は、高電圧電極における単数又は複数の供給通路に開口していて、該供給通路を介して供給開口に、作業端部とは離れた箇所、特に高電圧電極の非作業端部から、処理液、好ましくは水が供給可能である。このような高電圧電極には、このような高電圧電極の使用によって、処理液のための別体の供給装置を省くことができ、かつ好適に、事実上強制的に、処理室の反応ゾーンの領域において処理液の供給が行われる、という利点がある。
【0056】
高電圧電極の好適な態様では、中心の導体はその作業端部に、端面側に配置された単数又は複数の供給開口を、処理室内への処理液供給のために有しており、つまり好ましくは、1つの中心の供給開口及び/又は電極中心の周りに同心的に配置された複数の供給開口を有している。これによって、反応ゾーンへの処理液の極めて好適な供給が可能になる。
【0057】
同様に、高電圧電極の別の好適な態様では、中心の導体は、その作業端部に、その周囲に配置された単数又は複数の供給開口を有しており、これらの供給開口は好ましくはその周囲に均一に分配配置されている。これによって、処理液を幾分拡散させて反応ゾーンに供給することができる。
【0058】
高電圧電極を備える処理室の幾何学形状に応じて、一方又は他方の変化態様、又は両者の組合せが有利である。
【0059】
別の好適な態様では、中心の導体は、絶縁体からの、該導体の作業端部側の突出部の領域において、該導体の外周部に、半径方向に張り出した環状の隆起部を有しており、この隆起部は、電界除去部材として働く。この場合、この隆起部の端面が複数の供給開口を有していると、さらに好適である。
【0060】
また好ましくは、中心の導体は、供給開口に処理液を供給するために、中心の供給通路を有しており、このように構成されていると、高電圧電極の安価で単純な構造形式が可能になる、という利点が得られる。別の利点としては、高電圧電極における中心の長手方向孔が、規定通りの運転において高電圧電極の導電率に対して極めて僅かな影響しか及ぼさない、ということがある。
【0061】
さらに択一的又は補足的に好適な態様では、高電圧電極の絶縁体はその作業端部側の端面に、単数又は複数の供給開口を、つまり好ましくは、電極中心の周りに同心的に配置された複数の供給開口を有しており、絶縁体は、別の部材によって取り囲まれていて、該部材は、それ自体が又は絶縁体と一緒に、端面側のリング間隙を形成しており、かつ/又は絶縁体は、別の部材によって取り囲まれていて、該部材には、供給ノズルが配置形成されている。この場合これらの供給開口、間隙及び/又はノズルには、作業端部から離れた箇所から、好ましくは高電圧電極の非作業端部から、処理液、好ましくは水が供給可能である。これによって、同様に、反応ゾーンへの処理液の好適な供給が可能になる。
【0062】
本発明の第5の観点は、本発明の第1、第2又は第3の観点による方法を実施する、本発明の第4の観点による高電圧電極を備えた処理室に関する。
【0063】
本発明の第6の観点は、本発明の第5の観点による、好ましくは閉鎖された処理室を形成する処理容器に関する。
【0064】
本発明の第7の観点は、高電圧放電を用いて材料、好ましくは岩石材料又は鉱石を破片化及び/又は弱化する設備に関する。この設備は、本発明の第6の観点による処理容器と、該処理容器によって形成された処理室内において高電圧放電を生ぜしめることを目的として、本発明の第4の観点による高電圧電極に、高電圧インパルスを印加する、高電圧インパルス発生器と、を有している。
【0065】
本発明のその他の構成、利点及び使用態様は、従属請求項及び以下の図面を用いた説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本発明による方法の実施中における、本発明による第1の処理容器の一部を示す鉛直断面図である。
図2】本発明による第1の高電圧電極の一部を示す鉛直断面図である。
図3】本発明による第2の高電圧電極の一部を示す鉛直断面図である。
図4】本発明による第3の高電圧電極の一部を示す鉛直断面図である。
図5】本発明による第4の高電圧電極の一部を示す鉛直断面図である。
図6】本発明による第5の高電圧電極の一部を示す鉛直断面図である。
図7】本発明による第2の処理容器の一部を示す鉛直断面図である。
図8】本発明による第3の処理容器の一部を示す鉛直断面図である。
図9】本発明による第4の処理容器の一部を示す鉛直断面図である。
図10】本発明による第5の処理容器の一部を示す鉛直断面図である。
図11】2つの反応ゾーンを備えた本発明による処理室を示す鉛直断面図である。
【0067】
発明の実施の形態
図1には、本発明による方法の実施中における、本発明による第1の処理容器の下側部分が、鉛直断面図で示されている。
【0068】
図1から分かるように、処理容器は、本発明による閉鎖された処理室2を形成しており、この処理室2の底部には電極4が配置されていて、この電極4はアース電位にある。処理室2は、ほぼ半分まで(液面S参照)処理液5によって満たされており、この処理液5は図示の実施形態では水である。処理室2のホッパ形状の底部は、破片化される材料1(図示の実施の形態では岩石片)から成るばら荷によって覆われている。上からは、本発明によるロッド形状の高電圧電極3が処理室2内に進入している。
【0069】
高電圧電極3の前側部分を詳しく示す断面図である図2との関連において分かるように、図1及び図2において見える高電圧電極3の部分は、中心の導体14を備えた絶縁体8によって形成され、この絶縁体8から軸方向で突出している、導体14の作業端部には、ロッド形状の電極先端15が配置されている。中心の導体14もしくは該導体14の作業側端部を形成する電極先端15は、絶縁体8の、作業端部側の端面に直に隣接した領域において、その外周部に、半径方向に張り出した環状の隆起部16を有しており、この隆起部16は、電界除去部材(Feldentlastung)として働く。電極先端15及び隆起部16は、一緒に、特殊鋼から成る一体の交換部材として形成されていて、伸長スリーブ20の端部に形成された雌ねじ山19で、中心の導体14において延びている引張りアンカ22の雄ねじ山21に螺合しており、これによって隆起部16の、絶縁体8に向けられた端面は、押圧力の予荷重を受けて、中心の導体14の両作業端部側の端面に接触している。
【0070】
高電圧電極3はその電極先端15が、処理室2の底部に位置する、岩石片1から成るばら荷内に進入していて、高電圧電極3の電極先端15の端面と底部電極4の端面との間には空間(反応ゾーン)が残されており、この空間は岩石片1及び処理液5によって満たされている。
【0071】
隆起部16は、絶縁体8とは反対側の端面に、電極中心の周りに同心的に均一な角度で分配配置された複数の、処理液5用の供給開口6を有しており、これらの供給開口6には、引張りアンカ22の中心においてかつ伸長スリーブ20を貫いて延びる中心の供給通路7を介して、高電圧電極3の非作業端部から連続的に、処理液5が供給される(矢印参照)。これによって連続的に新鮮な処理液5が、反応ゾーンRに、つまり高電圧インパルスを高電圧電極3に印加することによって底部電極4と高電圧電極3との間において高電圧放電が生ぜしめられる反応ゾーンRに、供給され、これによって古い処理液5及び微粒子が反応ゾーンRから押し退けられる。同時に、同じ量の処理液が、反応ゾーンRの上に位置する半径方向の排出開口12を介して処理室2から排出され(矢印参照)、処理液調製設備(図示せず)に供給され、この処理液調製設備において、粒子荷物(Partikelfracht)が除去され、処理液5の導電率が低下させられる。このように調製された処理液5は、高電圧電極3における供給開口6を介して、処理室2内に戻される。このようにして、反応ゾーンRを調製された処理液5によって連続的に洗浄する(spuelen)処理液循環路が形成されている。
【0072】
図3には、本発明による第2の高電圧電極3の作業側の端部が鉛直断面図で示されており、この高電圧電極3は、図2に示した高電圧電極3に対して次の点だけが異なっている。すなわち図3の高電圧電極3では、処理液5のための供給開口6が隆起部16の端面に配置されているのではなく、ロッド形状の電極先端15の周囲に配置されている。
【0073】
図4には、本発明による第3の高電圧電極3の作業側の端部が鉛直断面図で示されており、この高電圧電極3は、図2に示した高電圧電極3に対して次の点で異なっている。すなわち図4の高電圧電極3では、処理液5のために複数の供給開口6が隆起部16の端面に配置されているのではなく、中心に位置するただ1つの供給開口6が、ロッド形状の電極先端15の端面に配置されている。
【0074】
図5には、本発明による第4の高電圧電極3の作業側の端部が鉛直断面図で示されており、この高電圧電極3は、図2図3及び図4に示した高電圧電極3に対して基本的に単に次の点だけが異なっている。すなわち図5に示した高電圧電極3では、供給開口6は、中心の導体14もしくは電極先端15によって形成されているのではなく、絶縁体8に形成されており、この絶縁体8の作業側の端面においては複数の供給通路7が、供給開口6を形成して進出している。中心の導体14は、図示の形態では、中実の金属ロッドとして形成されており、かつ絶縁体8からの出口の作業端部側の領域において外周部に、環状の半径方向の隆起部16を形成しており、この隆起部16はこの実施形態においても電界除去部材として働く。電極先端15は、ここでも交換部材として形成されているが、この実施形態では伸長ボルト(Dehnschaftbolzen)23として形成されており、この伸長ボルト23は、端部側の雄ねじ山21で、中心の導体14における雌ねじ山19にねじ込まれていて、電極先端15を形成する端部に螺合されたナット24を用いて、押圧予荷重を加えられて、中心の導体14の端面に接触している。
【0075】
図6には、本発明による第5の高電圧電極3の作業側の端部が鉛直断面図で示されており、この高電圧電極3は、図5に示した高電圧電極3とは次の点で異なっている。すなわち図6に示した実施形態では、高電圧電極3の絶縁体8は、スリーブ形状の部材17によって取り囲まれており、この部材17は、高電圧電極3の作業端部側の端面の一部を覆っていて、絶縁体8と一緒に端面側のリング間隙10を形成しており、このリング間隙10には、高電圧電極3の非作業端部から供給通路7を介して処理液を供給することができる。
【0076】
この実施形態では電極先端15は、袋ナット25によって形成され、この袋ナット25は、該袋ナット25にねじ込まれていてねじ山付盲孔に配置された伸長ボルト23を用いて、中心の導体14の端面に固定されており、かつ押圧予荷重を加えられて中心の導体14の該端面に接触している。図面から分かるように、図5に示した高電圧電極とのさらなる相違としては次のことがある。すなわち図6の実施形態では、中心の導体14は、絶縁体8からの出口の領域において隆起部を形成していない。
【0077】
図7には、本発明による第2の処理容器の下側部分が、鉛直断面図で示されている。ここに示した処理容器は、図1に示した処理容器と単に次の点だけが異なっている。すなわち図7の実施形態では、処理液を供給するために、供給開口を備えた高電圧電極が設けられているのではなく、複数の供給ノズル9が配置されており、これらの供給ノズル9は、反応ゾーンRの上において均一に分配されて、処理容器の画定壁に配置されており、規定通りの運転においてそれぞれ、底部電極4に向けられた処理液噴流を生ぜしめる(矢印参照)。処理液の排出は、規定通りの運転において、図1に示した処理容器におけるように、反応ゾーンRの上における半径方向の排出開口12を介して行われる(矢印参照)。
【0078】
図8には、本発明による第3の処理容器の下側部分が、鉛直断面図で示されている。ここに示した処理容器では、規定通りの運転において、供給開口(図示せず)を介して上から処理液の供給が行われる。底部電極4は、スクリーン底部26によって保持されており、このスクリーン底部26を介して規定通りの運転において、処理液は本来の処理容器底部27に導かれ、中心の排出開口12を介して排出される。高電圧電極3は、図7に示した処理容器の高電圧電極3とほぼ同じである。
【0079】
図9には、本発明による第4の処理容器が、鉛直断面図で示されている。図面から分かるように、この実施形態では処理容器は、上方に向かって開放した本発明による処理室2を形成しており、この処理室2のホッパ形状に形成された底部には、底部電極4が配置されており、この底部電極4は、目標サイズに粉砕された材料のための中心の排出孔13を有している。上から、ロッド形状の高電圧電極3が処理室2内に進入しており、この高電圧電極3は、中心の導体14を備えた絶縁体8から成っており、導体14の、絶縁体8から軸方向で突出している作業端部には、ロッド形状の電極先端15が配置されている。中心の導体14もしくは該導体14の、作業側端部を形成する電極先端15は、絶縁体8の作業端部側の端面に直に隣接する領域において、その外周部に、半径方向に張り出した環状の隆起部16を有しており、この隆起部16は、電界除去部材として働く。底部電極4の近傍の箇所において、処理容器の底部は、処理液を供給するためのノズル11を有しており、このノズル11を用いて、規定通りの運転において、反応ゾーンに向けられた処理液流が生ぜしめられる(矢印参照)。処理容器の底部は、ノズル11とは反対側のポジションに、処理液のための排出開口12を有している(矢印参照)。
【0080】
図10には、本発明による第5の処理容器が、鉛直断面図で示されている。図10に示した処理容器は、図9に示した処理容器に対して単に次のことによって異なっている。すなわち図10に示した処理容器では、処理液を供給するために底部ノズルが設けられているのではなく、供給開口6を備えた高電圧電極3が設けられている(矢印参照)。この高電圧電極3は、供給開口6の配置形態に関しては、図1及び図2に示した高電圧電極と同じである。
【0081】
図11には、鉱石片を弱化する本発明による設備の別個の2つの反応ゾーンRを備えた本発明による処理室2が、概略的に鉛直断面図で示されている。処理室2内には振動ふるいデッキ28が配置されており、この振動ふるいデッキ28は、アースされている2つの電極面4を有している。各電極面4の上にはそれぞれ、鉛直方向に間隔をおいて、ロッド形状の高電圧電極3が配置されており、この高電圧電極3は、図7及び図8に示された高電圧電極と構造上同じである。処理室2は、その半分の高さまで処理液5によって満たされている(液面S参照)。
【0082】
規定通りの運転時に、弱化すべき鉱石片は、高電圧電極3とその下に配置された各電極面4との間において高電圧放電が生ぜしめられる間に、振動ふるいデッキ28の振動運動によって右から左に向かって高電圧電極3の下を通過して搬送される。この際にそれぞれ、高電圧放電が行われる領域(反応ゾーンR)には、洗浄ノズル(Spuelduese)18を介して、処理液5が供給される(矢印参照)。同時に処理室2の底部においては、排出開口12を介して、同量の処理液5が排出され(矢印参照)、処理液調製設備(図示せず)に供給され、この処理液調製設備において処理液5は、調製されて、その導電率を低下させられる。このように調製された処理液5は、洗浄ノズル18を介して処理室2内に戻される。このようにして、ここにおいても、反応ゾーンRが調製された処理液5によって連続的に洗浄される処理液循環路が形成される。
【0083】
本明細書には、本発明の好適な実施形態が記載されているが、付言しておくと、本発明は、図示及び記載の実施形態に制限されるものではなく、本発明の枠内において他の形態においても実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11