特許第5963875号(P5963875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5963875改良された同一平面プロセス流体圧力センサモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963875
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】改良された同一平面プロセス流体圧力センサモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/06 20060101AFI20160721BHJP
   G01L 19/14 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G01L19/06 A
   G01L19/14
【請求項の数】13
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-539929(P2014-539929)
(86)(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公表番号】特表2014-532875(P2014-532875A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】US2012043237
(87)【国際公開番号】WO2013066424
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2014年5月28日
(31)【優先権主張番号】13/285,775
(32)【優先日】2011年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(74)【代理人】
【識別番号】100078662
【弁理士】
【氏名又は名称】津国 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100116528
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 俊男
(74)【代理人】
【識別番号】100146031
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122736
【弁理士】
【氏名又は名称】小國 泰弘
(74)【代理人】
【識別番号】100122747
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 洋子
(74)【代理人】
【識別番号】100132540
【弁理士】
【氏名又は名称】生川 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】ヘツキ,ロバート・シー
(72)【発明者】
【氏名】ブローデン,デヴィッド・エイ
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−524084(JP,A)
【文献】 特表2008−504524(JP,A)
【文献】 特表2010−521692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00−23/32
G01L27/00−27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一平面プロセス流体圧力センサモジュールであって、モジュールが:
各々がアイソレータダイアフラムを有する一対のプロセス流体圧力入口を有する同一平面ベースと;
同一平面ベースとハウジング本体との間の接合部分において同一平面ベースに結合されたハウジング本体と;
一対のプロセス流体圧力入口に動作可能に結合され、同一平面ベースに隣接してハウジング本体内に配置される差圧センサとを含み、
ハウジング本体が通る開口を有する補強プレートをさらに含み、補強プレートがそれ自身と同一平面ベースとの間にハウジング本体をクランプするように構成されている、
同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項2】
同一平面ベースが第一の金属から形成され、ハウジング本体が第一の金属とは異なる材料から形成される請求項1記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項3】
第一の金属がステンレス鋼である請求項2記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項4】
ハウジング本体が第一の金属とは異なる金属から形成される請求項2記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項5】
異なる金属がアルミニウムである請求項記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項6】
同一平面ベースが差圧センサを受けるように構成された凹部を包む請求項2記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項7】
ハウジング本体がパイプ材料から形成される請求項2記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項8】
開口よりも大きい直径を有するリップをハウジング本体が含む請求項1記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項9】
その中にO−リングを保持するためのO−リング面をハウジング本体が含む、請求項1記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項10】
ハウジング本体とは別個の電子機器ハウジング内に配置された回路基板に差圧センサが直接結合される請求項2記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項11】
ハウジング本体内部に配置された温度センサをさらに含む請求項2記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項12】
同一平面プロセス流体圧力センサモジュールであって、モジュールが:
各々がアイソレータダイアフラムを有する一対のプロセス流体圧力入口を有する鋼同一平面ベースと;
鋼同一平面ベースとハウジング本体との間の接合部分において同一平面ベースに結合され、ねじ山付き部分を有する円筒ハウジング本体と;
一対のプロセス流体圧力入口に動作可能に結合され、同一平面ベースに近接してハウジング本体内に配置される差圧センサと、
ハウジング本体が通る開口を有する補強プレートと、を含み、補強プレートがそれ自身と同一平面ベースとの間にハウジング本体をクランプするように構成されている、同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【請求項13】
円筒ハウジング本体が鋼同一平面ベースとは異なる材料から形成される請求項12記載の同一平面プロセス流体圧力センサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
プロセストランスミッタは、一般的に、プロセス変数に応答するトランスデューサまたはセンサを含む。一般的に、物質の化学的もしくは物理的状態、またはエネルギーの変換をプロセス変数と呼ぶ。プロセス変数の例は、圧力、温度、流量、導電率、pHおよび他の特性を含む。圧力は、流量、液面、さらには温度を測定するために使用することができるという点で、基本プロセス変数であると考えられている。
【0002】
圧力トランスミッタは、さまざまな工業プロセス流体、例えば、化学、パルプ、石油、ガス、薬剤、食品および他の流体式処理プラントのスラリー、液体、蒸気および気体の圧力を測定および監視するための工業プロセスにおいて広く使用されている。差圧トランスミッタは、一般的に、二つの入力間の圧力の差異に応答する(トランスミッタ内の)差圧センサに動作可能に結合される、一対のプロセス圧力流体入力を含む。差圧トランスミッタは、通常、一対のアイソレータダイアフラムに動作可能に結合された差圧センサを含む。アイソレータダイアフラムは、プロセス流体入口に置かれ、検出している過酷なプロセス流体から差圧センサを隔絶させる。圧力は、アイソレータダイアフラムから差圧センサまで延伸する通路内で運ばれる実質的に非圧縮性の充填流体を通じて、プロセス流体から差圧センサに伝送される。
【0003】
プロセス流体圧力トランスミッタは、一般的に、計器マニホールドまたはフランジを介してプロセスに結合される。一つのタイプの配置は、一対の実質的に同一平面にあるポート内にプロセス流体圧力入口を呈する計器マニホールドを提供する。そのようなマニホールドの一つの例は、ミネソタ州チャナッセンのRosemount Inc.から入手可能なModel 305 Coplanar(商標)の商品番号の下で販売されている。同一平面設計は、フランジレス弁一体化を可能にし、一般的に、コンパクトな軽量アセンブリを提供する。その上、同一平面設計は、インプロセス校正を容易にし、従来の非同一平面マニホールド−トランスミッタアセンブリよりも、実質的に少ない潜在的漏洩点を提供する。
【0004】
プロセス流体圧力トランスミッタは、一般的にフィールド機器と考えられ、フィールドに据え付けることが可能である。「フィールド」は、一般的に、プロセス設備における外部領域であり、過酷な気候、振動、湿度の変化、電磁もしくは無線周波数干渉、または他の環境的困難にさらされることがある。したがって、プロセス流体圧力トランスミッタの堅固な物理的パッケージは、「フィールド」において一度に長期間(例えば、数年)作動する能力をトランスミッタに提供する。
【0005】
概要
同一平面プロセス流体圧力センサモジュールが提供される。モジュールは、同一平面ベースおよびハウジング本体を含む。同一平面ベースは、各々がアイソレータダイアフラムを有する、一対のプロセス流体圧力入口を有する。ハウジング本体は、同一平面ベースとハウジング本体との間の接合部分において同一平面ベースに結合される。差圧センサは、一対のプロセス流体圧力入口に動作可能に結合され、同一平面ベースに近接してハウジング本体内に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的な先行技術の圧力トランスミッタの正面図を図示する。
図2】モジュールハウジングの傾斜断面図を図示する。
図3】先行技術の同一平面圧力センサモジュールおよび先行技術に従うフランジの斜視図である。
図4】本発明の実施形態に従う改良された同一平面圧力センサモジュールの分解斜視図を図示する。
図5】本発明のもう一つの実施形態に従う同一平面圧力センサモジュールの横断面図である。
【0007】
図示する実施形態の詳細な説明
図1は、例示的な先行技術の圧力トランスミッタ100の正面図を図示する。圧力トランスミッタ100は、電子回路を囲む電子機器ハウジング101と、アイソレータダイアフラム、圧力センサおよび関連するセンサ回路を収容する圧力センサモジュールハウジング102とを含む。圧力センサモジュールハウジング102は、ボルト105によって圧力フランジ104にボルト留めされる。ボルト105は、フランジアダプタ継ぎ手118も通る。フランジアダプタ継ぎ手118は、ねじ切りプロセスパイプ(図示せず)に接続可能なねじ切り入口を有する。圧力フランジ104は、圧力測定のために一つ以上のプロセス流体圧力をトランスミッタ100に提供する。圧力トランスミッタ100は、圧力トランスミッタ100に通電し、プロセス制御システムに使用される双方向通信を提供するプロセスループ103に接続される。
【0008】
圧力センサモジュールハウジング102は、圧力センサモジュールハウジング102に直接溶接されるアイソレータダイアフラム110(図2に示す)を含む。ハウジング102は、アイソレータダイアフラム110の周囲に標準パターンでねじ切りされたボルト穴112も含む。
【0009】
図2は、圧力センサモジュールハウジング102の傾斜断面図を図示する。差圧センサ140は、圧力センサモジュールハウジング102の内側に位置し、管142、144によってアイソレータダイアフラム110と接続する。アイソレータダイアフラム110は、圧力センサモジュールハウジング102に直接溶接される。回路基板146は、差圧センサ140からの電気信号の処理に関連する回路を提供する。フラットケーブルリール148は、回路基板146から電子機器ハウジング(例えば、図1に示すハウジング101)内の回路までの電気接続を提供するフラットケーブルを収容する。
【0010】
同一平面圧力センサモジュールは、最終的なプロセス流体圧力トランスミッタの全コストの大きな要因である。それほど大きなコストがかかる理由の一つは、そのように堅固な部品を提供するために、同一平面圧力センサモジュールが複雑なステンレス鋼のインベストメント鋳造および機械加工部品から作られるということにある。
【0011】
本発明の実施形態に従うと、同一平面圧力センサモジュールの各部分の設計制約は、個別に考えられ、具体的な要求に応じて調整される。本発明の実施形態に従う同一平面圧力センサモジュールのアセンブリ全体は先行技術の設計よりも複雑になることができ、そのような実施形態は、異なる用途に応じた柔軟性や、特定の構成要素にかかるコストを減少させる能力を与え、一方で他の構成要素により大きい構造的完全性を潜在的に追加する。
【0012】
図3は、先行技術の同一平面圧力センサモジュールおよび先行技術に従う圧力フランジの斜視図である。図3に図示するように、圧力センサモジュール102は、単一体インベストメント鋳造ステンレス鋼機械加工部品である。対照的に、図4は、本発明の一つの実施形態に従う改良された同一平面圧力センサモジュールの分解斜視図を図示する。この実施形態では、モジュール192は複数の構成要素を含む。具体的には、モジュール192は、同一平面ベース194およびハウジング196を含む。ハウジング196は、好ましくはねじ切りされている。同一平面ベース194およびねじ切りハウジング196はモジュール製造中に共に組まれ、完成したアセンブリは、先行技術の同一平面圧力センサモジュール102と視覚的に類似する。同一平面ベース194とハウジング本体196とは接合部分において接触する。本明細書で使用されるように、接合部分とは、二つの異なる構成要素が接触するところの点、線、面または位置を意味することが意図される。同一平面ベース194は、インベストメント鋳造から作られることができるものの、プレート金属材料から、鍛造、さらには切断されることもできる。ねじ切りハウジング本体196は、パイプ金属材料から、鋳造され、鍛造され、圧伸成形され、ねじ切り盤で作られ、または組み立てられることができる。一つの実施形態に従って、同一平面ベース194とねじ切りハウジング本体196とは、異なる材料から作られることができる。この差異は、異なる等級のステンレス鋼により明白に示されることができ、例として、同一平面ベース194を316ステンレス鋼から作ることができ、一方でねじ切りハウジング196を304ステンレス鋼または炭素鋼から作ることができる。両方の構成要素が同じ基本材料、例えば、ステンレス鋼から作られる実施形態では、二つの構成要素は、方法、例えば、TIG溶接を使用して、共に溶接されることができる。しかし、本発明の実施形態は、同一平面ベースに使用されるものとは異なる金属、例えば、アルミニウムからねじ切りハウジング本体196を作ることも含む。そのような実施形態では、ステンレス鋼の同一平面ベース194とアルミニウムねじ切りハウジング本体196との間の直接の溶接は現実的ではない。代わりに、二つの構成要素は、好ましくは、焼嵌めおよびスエージングを使用して共に機械的に固定される。スエージングは、管および/またはパイプの直径を変化(減少または増大)させるために使用される周知のプロセスである。
【0013】
図2に図示されるように、差圧センサ140は、概して円筒形状のタイプであることができる。本発明の実施形態に従うと、同一平面ベース194は、圧力センサ140を先行技術のモジュールよりも低く置くことを可能にするボウルまたは皿状のくぼみ198を含むことができる。これにより、アセンブリ全体の全高も減少させ、さらに材料コストも減少させる。より小さい物理的大きさは、一般的に、より少ない材料コストという効果を提供する。同一平面圧力センサモジュールアセンブリ192の大きさをさらに減少させるために、通常、圧力センサモジュール内部に提供される回路基板146を完全に取り除き、これを上部電子機器ハウジング101内に設置することができる。これにより、ハウジング高さをさらに減少させることが可能になる。高さおよび幅のそのような減少により、材料コストをさらに減少させる、より薄い壁の利用を可能にする。いくつかの実施形態では、温度センサをねじ切りハウジング本体内に提供し、圧力に対する正確な温度補償の提供を補助することもできる。
【0014】
図5は、本発明のもう一つの実施形態に従う同一平面圧力センサモジュールの横断面図である。モジュール292は、三つの個別の構成要素から作られるという点においてモジュール192(図4に示す)とは異なる。具体的には、モジュール292は、同一平面ベース294、管状ハウジング296および補強材300から作られる。図5に図示する実施形態では、アセンブリの最も複雑な部分は同一平面ベース294である。好ましくは、この構成要素は、同一平面ベース194と比較したとき、比較的より薄いものとし、金属射出成形、または複雑な形状および構成要素の製造に適したいくつかの他の好適な技法を使用して形成される。そのより薄い作りに起因して、ベース294は、一般的に、それ自体ではプロセスフランジに対して強固な密封を形成するに十分には堅くない。代わりに、接合部分302で同一平面ベース294を押圧する、補強プレート300が提供される。補強プレート300は、好ましくは、先行技術の設計と厳密に同じ様式でアセンブリ292を同一平面マニホールドに据え付けることを可能にする複数のボルト穴を含む。しかし、具体的な製品用途が極端に高い圧力を要する場合、単により頑丈なまたはより厚い補強プレート300を提供することによって、そのような配慮を含むことができる。
【0015】
ねじ切りハウジング本体296は、好ましくは、管状ハウジング296が通る開口306よりも大きい直径を持つリップ304を含む。したがって、補強プレート300が適所に固定された時点で、ねじ切りハウジング本体296は、補強プレート300とベースプレート294との間に挟まれる。ねじ切りハウジング本体296は、好ましくは、ねじ切りハウジング本体296が補強プレート300とベースプレート294との間に挟まれたとき、ねじ切りハウジング本体296と同一平面ベース294とを密閉するエラストマーO−リングを収容するように構成されるO−リング凹部308を含む。
【0016】
本発明を好ましい実施形態を参照しながら記載したが、当業者は、本発明の本質および範囲を逸することなく、形態および詳細における変更を加えることができることを理解する。
図1
図2
図3
図4
図5