特許第5963887号(P5963887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5963887ラテラルフローアッセイによる液状試料の電気化学的分析のための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963887
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】ラテラルフローアッセイによる液状試料の電気化学的分析のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20160721BHJP
   G01N 30/95 20060101ALI20160721BHJP
   G01N 27/327 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G01N33/543 521
   G01N30/95 E
   G01N27/327 357
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-555989(P2014-555989)
(86)(22)【出願日】2013年1月21日
(65)【公表番号】特表2015-510120(P2015-510120A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2013051026
(87)【国際公開番号】WO2013117413
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2014年11月18日
(31)【優先権主張番号】102012201843.3
(32)【優先日】2012年2月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】グムブレヒト、ヴァルター
(72)【発明者】
【氏名】パウリカ、ペーター
【審査官】 草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−090331(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/102279(WO,A1)
【文献】 特開昭63−148159(JP,A)
【文献】 特開2009−210417(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0006451(US,A1)
【文献】 国際公開第98/03860(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48−33/98
G01N 27/327
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラテラルフローアッセイが、第1の担体(2)の前面に配置された薄膜(4)を有し、前記第1の担体(2)が電気的に絶縁して形成され、導電性の電極(3)が前記第1の担体(2)上に配置されるラテラルフローアッセイによる液体試料(5)の電気的検出装置(1)であって、前記電極(3)が前記第1の担体(2)の前面で前記担体(2)と前記薄膜(4)との間で前記薄膜(4)に直接接触して配置され、前記担体(2)が、それぞれ、前記電極(3)範囲にその厚さを前面から裏面まで貫通する開口を有し、この開口を介して前記電極(3)が前記担体(2)の前面から裏面に導電接触されていることを特徴とする液体試料の電気的検出装置。
【請求項2】
前記薄膜(4)が閉鎖層として形成され、この層を介して電極(3、9)が互いに接続されることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記薄膜(4)が、ラテラルフロー紙を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記電極(3、9)が金属電極であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記電極(3、9)が、担体(2、8)の前面で電気的に接触させられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記担体(2、8)が複数の絶縁層を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記薄膜(4)が、サンドイッチ状に、前記第1の担体(2)の導電性電極(3)と直接接触している前記第1の担体(2)の前面と、少なくとも1つの前記電極(9)と直接接触している前記第2の担体(8)の裏面との間に、配置されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項8】
各前記電極(3)が、前記第1の担体(2)の前面上で、それぞれ少なくとも1つの前記電極(9)と、前記第2の担体(8)の裏面で、電気的に接続されることを特徴とする請求項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記電極(3)が、前記第1の担体(2)の前面で、列(7)の形で直列に又はアレイの形で、配置されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)による液体試料の電気的検出方法であって、前記液体試料(5)が薄膜上に載置され、薄膜を介して前記電極(3、9)に向かって移動されることを特徴とし、薄膜(4)が前記電極(3、9)を互いに接続することを特徴とする液体試料の電気的検出方法。
【請求項11】
装置(1)がラテラルフロー法により液体試料(5)における物質の空間的又は時間的分離を行ない、前記電極(3、9)により、電流、電圧又は電荷の変化を測定することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記薄膜(4)が前記電極(3、9)と直接接触し、それぞれ接触面が各前記電極(3、9)を前記薄膜(4)により完全に液体試料(5)で、濡らすことを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記液体試料(5)が生化学的試料であることを特徴とする請求項1012のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラテラルフローアッセイにより液状試料を電気的に検出するための装置及び方法に関し、ここで、ラテラルフローアッセイは、第1の担体の前面に配置された薄膜を有する。第1の担体は、電気的に絶縁されて形成され、導電性の電極がこの第1の担体に配置される。
【背景技術】
【0002】
ラテラルフローアッセイは、体外診断法(IVD)において広く使用されている。ラテラルフローアッセイは、操作が簡単で費用効率が非常に良い。ラテラルフローアッセイの欠点は、感度に劣り、多重性に乏しく、結果の定量性が悪いことにある。
【0003】
良好な定量性は、光学的、磁気的及び電気的方法で達成され得るが、これまで、多重性、即ち空間的に離れた複数の測定点での同時又は並列的な測定、は、非常に乏しかった。
【0004】
特許文献1により、良好な多重性を得るために、電気的に絶縁された担体の切欠き上に金電極がアレイとして配置され、この切欠きが、ポリマー/マイクロファイバ マトリックス材料から成っていて互いに空間的に離れている複数の薄膜で、満たされている装置が、知られている。これらの薄膜は、イオン選択性であり、例えば免疫測定法における免疫センサには適していない。
【0005】
免疫測定法で捕獲抗体を使用する場合には、これらの抗体を、金電極上又はセンサ上に直接固定化しなければならない。特許文献1に記載されている絶縁層及び金電極から成る担体の積層装置に類似した装置では、金電極が絶縁層の切欠き上にアレイの形で配置されており、この装置では金電極上に周囲の絶縁層を通して小さな空洞が生じる。液体を、装置上に、直接に又は薄膜としてのラテラルフロー紙を介して、適用すると、気泡が空洞部分に生じ、これは、測定の際に、空気の封入による各電極の故障の原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,896,778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、極めて良好な感受性及び定量性と共に良好な多重性を可能にする液体試料の電気的検出のための装置及び方法を、提供することにある。この場合、良好な多重性とは、例えば3重性から10重性(3センサから10センサ)の範囲での多重性を、意味する。本発明の課題は、特に、障害となる電極への空気封入のない、信頼性のある測定を可能にする装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題は、ラテラルフローアッセイによる液体試料の電気的検出装置に関しては、ラテラルフローアッセイが、第1の担体(2)の前面に配置された薄膜(4)を有し、前記第1の担体(2)が電気的に絶縁して形成され、導電性の電極(3)が前記第1の担体(2)上に配置されるラテラルフローアッセイによる液体試料(5)の電気的検出装置(1)であって、前記電極(3)が前記第1の担体(2)の前面で前記担体(2)と前記薄膜(4)との間で前記薄膜(4)に直接接触して配置されることを特徴とする液体試料の電気的検出装置により、上記の装置による液体試料の電気的検出方法に関しては、前記液体試料(5)が薄膜上に載置され、特に毛管力により、薄膜を介して前記電極(3、9)に向かって移動されることを特徴とし、薄膜(4)、特に正確には1つの薄膜(4)、が前記電極(3、9)、特にすべての前記電極(3、9)を互いに接続することを特徴とする液体試料の電気的検出方法により解決される。
【0009】
ラテラルフローアッセイによる液体試料の電気的検出のための本発明による装置及びこの装置による液体試料の電気的検出のための方法の有利な実施態様は、それぞれ割り当てられた従属請求項から明らかである。この場合、主請求項の特徴は従属請求項の特徴と、また、従属請求項の特徴はそれらの特徴同士を互いに、組み合わせることができる。
【0010】
ラテラルフローアッセイによる液体試料の電気的検出のための本発明による装置は、第1の担体の前面に配置された薄膜を有する。第1の担体は、電気的に絶縁されて形成され、第1の担体上には導電性の電極が形成される。第1の担体の前面にある電極は、担体と薄膜との間に、薄膜に直接接触して、配置される。
【0011】
第1の担体の前面、即ち薄膜も配置されている側、に電極を配置することにより、電極は、薄膜と直接接触できる。例えば上述の従来技術に存在したような中空空間又は空洞の形成は、これにより回避される。接触面は、薄膜が電極上に平坦に配置された場合に、最大化され、分析すべき液体試料が薄膜上に適用されると、電極は、液体試料と直接接触する。測定を妨げ又は完全に妨害するおそれのある気泡又は空気封入物は、電極と薄膜との直接接触により、従って、また、電極と液体試料との直接接触により、防止される。これにより、(複数のセンサによる同時)多重測定の場合を始めとして、試料の良好な感受性と定量性とともに、試料の信頼性のある測定が可能になる。
【0012】
薄膜は閉鎖層として形成され、この閉鎖層を介して電極、特に全ての電極、が互いに接続される。これにより、横方向の液体搬送(ラテラルフロー)が完全に薄膜上において、特にすべての電極上において、可能になる。
【0013】
薄膜は、特にニトロセルロースからなる、ラテラルフロー紙を含んでいてもよく、また、ラテラルフロー紙であってもよい。ラテラルフロー紙は、高多孔質であり、液体試料を良好に吸着し、これを良好に電極に搬送し、検査すべき試料液体で電極を良好に濡らす働きをする。このようにして液体試料を完全に吸着した薄膜を介した電極間の良好な電気接触が可能となる。ニトロセルロースは、費用効率がよく、薄膜として使用されて上述の特性を有する。
【0014】
電極は、金属電極であってよく、特に金から成っていてよい。金属製電極は、一般に比較的安定であり、特に金電極は、時間的に安定した測定信号を発生することができ化学的に本質的に不活性であるので、電気化学的に良好に使用可能である。
【0015】
電極は、担体の前面で、特に薄膜が配置されていない縁部範囲で、電気的に接触接続される。これは、裏面が、例えばカプセル化により、電気接触できないような場合に、特に有利である。
【0016】
しかし、担体は、また、それぞれ、電極の範囲に、前面から裏面にその厚さを貫通する開口を有することができ、この開口を介して、電極は、担体の前面から裏面に向かって導電接触される。これにより、例えば担体の前面での試料液体との接触の際に、電極の接点間の電気短絡が妨げられる。
【0017】
担体は、複数の絶縁層、特にポリマー層及び/又は互いに積層により接続される層、を有することができる。ポリマーから成る積層担体は、例えば経費的に安く製造できる導電板である。
【0018】
薄膜は、サンドイッチ状に、一方は、第1の担体の導電性電極(作動電極)と直接接触している第1の担体の前面と、他方は、少なくとも1つの電極(対向電極)、特に詳しくは第2の担体の裏面上の電極、直接接触している第2の担体の裏面と、の間に配置される。このような配置は、コンパクトな構成を可能にし、作動電極と対向電極との間に電圧を形成するために、薄膜を介した電極間の短い距離を可能にする。
【0019】
第1の担体の前面の各電極は、それぞれ、第2の担体の裏面上の少なくとも1つの電極と、特に、電流及び/又は電圧及び/又は容量を測定するための電気測定機器又は測定装置を介して、電気的に接続される。電極は、第1の担体の前面に、一列に直列に又はアレイ状に配置することができる。これにより、電気化学的測定が可能となり、薄膜内の液体試料が空間的に解像された電気化学的測定が、クロマトグラフにおける光学的測定と同様に、実施可能となる。
【0020】
本発明による液体試料の電気的検出方法は、上述の装置を用いて行なわれる。液状試料は、薄膜上に載置され、特に毛管作用により、薄膜を介して電極に移動する。薄膜は、電極同士を、特に薄膜が液体で満たされているときには電気化学的に、接続する。特に詳しくは、1つの薄膜が特に全ての電極を互いに接続する。これにより、導電性液体の場合、1つの薄膜を介して電極間の良好な導電性が保証される。
【0021】
装置は、ラテラルフロー法により、クロマトグラフと同様に、液体試料内の物質を空間的及び/又は時間的に分離し、種々の箇所で種々の捕獲分子により固定化する。空間的及び/又は時間的分離は、電極により、電流及び/又は電圧及び/又は電荷の変化の形で、電気化学的に測定される。
【0022】
上述の構成では、薄膜は、電極との直接接触が可能である。各電極と薄膜との接触面は、それぞれ、完全に液体試料で濡らされ、特に電極上に空気の封入物がない。これにより、例えば電極の直ぐ上にある気泡により妨げられ又は少なくとも阻止されるであろう電極を用いた良好な電気化学的測定が保証される。
【0023】
液体試料は、生化学的試料、特に体液、であってよい。例えば尿、血液又はそれらの溶液が検査される。
【0024】
上述の装置による液体試料の電気的検出方法と結びつけられた利点は、上述のラテラルフローアッセイによる液体試料の電気的検出装置に関連して説明した利点と、同様である。
【0025】
本発明の有利な実施形態を、従属請求項の特徴による有利な発展形態とともに、以下に図面を用いて詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、従来技術による、積層電極3とその上に配置されたイオン選択性薄膜4とを有する、液状試料5の電気的検出装置1の概略切断図である。
図2図2は、本発明によるラテラルフローアッセイ用の積層電極3が、担体2の前面で担体2と薄膜4との間に配置された、液状試料5の電気的検出装置1の概略切断図である。
図3図3は、複数の電極3が直列に配置され装置1の裏面に電気接点6がない、図2と同様の、装置1の概略切断図である。
図4図4は、条片状のラテラルフロー紙4を、その側面範囲を電気接点6用に開放した状態で、電極3上に載置した、図3に示した装置1の概略俯瞰図である。
図5図5は、対向電極9を有する第2の電極担体8が薄膜4上に配置され、測定電極10が第1の担体2の作動電極3及び第2の担体8の対向電極9にそれぞれ接続されている、図3と同様の装置1の概略切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示した従来技術による液体試料5の電気的検出装置1は、電極アレイの積層電極3を有する。装置1は、概略切断図で示されている。電極3は、例えば積層ポリマー層から、導電板と同様に、形成された第1の担体2の下に配置されており、電極3は、例えば金層として担体2に積層されている。電極は、しかし、例えば貼着してもよく又は電気分解によって適用してもよい。
【0028】
担体2には、電極3の上側に、担体2を貫通する切欠きが取り付けられる。この切欠きは、例えば穿孔又はフライスにより、例えば円形に、形成することができる。切欠きには、電極3に接して、薄膜4がイオン選択層として配置され、この層は、切欠き中の電極3の開放面を完全に覆っている。
【0029】
電極3は、裏面から、即ち、電極3の薄膜4と対向し薄膜4により覆われていない側から、電気接点6に電気的に接触している。薄膜4及び担体2の電極3が配置されておらず担体2の電極を有する側と対向する側の上に、液体試料5が案内され、薄膜4を介して電極3と電気化学的に接触する。これは、イオンが、薄膜4を介して、液体試料5から電極3に移動することを意味する。
【0030】
対向電極−簡略化のため図示していないが−は、液体試料5と電気的に接触する。対向電極と作動電極として作用する電極3との間で、測定装置10(図示していない)により、電極3における電流、電圧及び/又は電荷の変化が測定される。測定は、液体試料5に関係して行なわれ、試料5の分析に役立つ。測定は、試料の流れ及び/又は時間に関係して行なわれ、試料5の組成又は化学的/生化学的成分を解明する。試料5としては、例えば血液、尿又はほかの体液が用いられる。しかし、また、ほかの液体から気体まで検査することができる。
【0031】
図1に示した装置1は、センサアレイとして又はセンサの別の配列、例えば直列、にして、使用できる。電極3はセンサを示す。信頼性のある測定のためには、電気接点6が載置されている電極3を有する第1の担体2の側に、液体5が達しないことが重要である。
【0032】
上記の構成の欠点は、イオン選択性薄膜4である。薄膜4は、例えば免疫センサには適していない。複雑な構成は、製作に費用が掛り、操作が難しい。
【0033】
図2は、本発明による液体試料5の電気的検出装置1の概略切断図である。第1の積層担体2の上には、電極3が、従来技術の装置で説明した装置1と同様に、配置される。薄膜4は、電極3の前面に配置され、これは、本発明によれば、電極3が担体2と接触している側に対向する面である。薄膜4は、例えばラテラルフロー紙であり、電極上に平坦に載置されている。
【0034】
図2に示した実施例では、電極3は、電極3の裏面で電気接点6に電気接触している。積層担体2には、電極3の範囲内で、その裏面に切欠きがあり、これを通して電気接点6が電極3まで突出している。以下に記載するように、電極3は前面からも接触を行なうこともできる。
【0035】
図3及び図4は、本発明装置1の別の実施例を示し、ここでは、電極3の電気接触6は、前面の側方から行なわれる。図3は、図2に示したのと同様な装置1の概略断面図であるが、図2に示した電極3は、ここでは複数個が直列に配置されている。電極3は、アレイとして、例えばマトリックス状に、第1の担体2上に配置される。
【0036】
図4は、電極3が列7に配置された装置1の平面図である。例えばラテラルフロー紙から成る薄膜4は、条片状に電極3の上に配置されているので、電極3の側方範囲は、電気接触用に開放されている。側方範囲には、電気接点6が、それぞれ各電極3に設置されるが、簡略化のため、図面には示していない。
【0037】
図5には、図3及び図4に示した本発明装置1を有する電気測定用の構成が概略切断図で示されている。電極3の上には、第2の担体8が電極9とともに配置されており、薄膜4は電極9に平坦に直接接触している。電極9は、対向電極として機能する。薄膜4の下には、作動電極として用いられる一連の電極3が、薄膜4と直接接触して、配置されている。電極3は図2ないし図4に示したように担体2上に配置されている。従って、薄膜4は、第1の担体2上の電極3と第2の担体8に平面状に設置された電極9との間に、サンドイッチ状に存在する。
【0038】
図5に概略的に示したように、測定のため、電極9は、それぞれ、電気測定機器又は測定装置10を介して各電極3と接続される。この場合、電極3、9は、図2に示すように、担体2、8の開口を介して側方から担体2、8と電気接触させられるか、又は、図4に示すように、薄膜4と直接接触している電極3、9の側方から、しかし、薄膜4が配置されていない電極3、の範囲で、電気接触させられる。
【0039】
液体試料5、例えば血液又は尿、が、薄膜4、例えば条片状又は別の形のニトロセルロース製のラテラルフロー紙、に適用されると、例えば薄膜4の多孔質構造により、試料5が薄膜4内へ、そして薄膜4を通って、移動する。薄膜4は、これにより試料5で「充填」される。試料5の導電性により、薄膜4に直接接触する電極3、9は、電気的又は電気化学的に互いに接続され、閉鎖電流回路が、作動電極としての電極3と対向電極としての電極9との間の測定装置10を介して、それぞれ、形成される。電極アレイ又は直列に配置された電極3では、電気化学測定により、空間的及び時間的に解像して、液体試料の組成が検査される。例えば位置に関連して個々の電極3で、即ち電極3の箇所で、電流、電圧及び/又は容量測定による電気化学的測定がその箇所にある試料5の情報を提供する。
【0040】
クロマトグラフ検査と同様に試料の組成が分析されるか、捕獲分子が各電極3に、例えば種々の捕獲分子が種々の電極3上に、固定化され、試料5内の個々の物質の検出を可能にする。捕獲分子は、電極3上の範囲でも空間的に分布して固定化される。これにより、本発明装置1は免疫測定法に使用できる。
【0041】
電極3、9は、図示のように、特に図5に示すように、作動電極3及び対向電極9を有する測定構造において使用される。簡略化のため図示していない少なくとも1つの参照電極REも、付加的に使用することができる。金属層、特に金又は白金から成る金属層、を電極として使用でき、或いは、銀/塩化銀層又は電極を例えば参照電極として使用できる。電気化学分野で一般的なほかの測定構造も可能である。
【0042】
上述の実施例は、組み合わせて使用することができる。実施例は、また、従来技術から公知の実施例と組み合わせることも可能である。例えば薄膜4として、例えばニトロセルロース製のラテラルフロー紙のほかに、例えばポリフッ化ビニリデン、静電気処理されたナイロン又はポリエーテルスルフォンなども使用できる。電極3、9は、平面状に担体2,8に設置するか、空間的に構造化するか、直列にするか、若しくはn個の行及びm個の列からなるn×mマトリックスのアレイの形で適用してもよく、又は異なる高さプロフィールで設けることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 電気的検出装置
2 担体
3 電極
4 薄膜
5 液体試料
6 電気接触
7 電極列
8 担体
9 電極
10 測定装置
図1
図2
図3
図4
図5