【文献】
J. Mamiya, A. Yoshitake, M. Kondo, Y. Yu, T. Ikeda,Is chemical crosslinking necessary for the photoinduced bending of polymer films?,Journal of Matterials Chemistry,英国,Royal Society of Chemistry,2007年11月 1日,Vol. 18, No. 1,pp.63-65
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記背景において、本発明は、毒性及び環境負荷の低い溶媒に溶解することができる、共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー、それを含んでなる光配向膜用組成物、該組成物からなる膜に液晶配向能を生じさせた光配向膜、及び該光配向膜上に液晶性化合物を配向させた位相差膜を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、液晶膜の製膜プロセス、すなわち膜の加熱(焼成)工程において、複屈折率の減少を抑えることのできる(耐熱性が高い)共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー、それを含んでなる光配向膜用組成物、該組成物からなる膜に液晶配向能を生じさせた光配向膜、及び該光配向膜上に液晶性化合物を配向させた位相差膜を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、光配向膜を製造する際に照射する偏光の最適露光量の値が比較的大きく(光感受性が低く)及び/又は該最適露光量と限界露光量の差が大きく、露光量の調節が容易である共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー、それを含んでなる光配向膜用組成物、該組成物からなる膜に液晶配向能を生じさせた光配向膜、及び該光配向膜上に液晶性化合物を配向させた位相差膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、末端にカルボキシル基を有する側鎖と末端にアリールアクリル酸エステル(好ましくは、桂皮酸エステル)部分を有する側鎖とを併せもつ、新規な共重合性(メタ)アクリル酸ポリマーを用いれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、
【0012】
〔1〕一般式(I)
【化1】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基であり、R
2はアルキル基、又はアルキル基、アルコキシ基、シアノ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換されたフェニル基であり、環A及び環Bはそれぞれ独立して、
【0013】
【化2】
〔但し、X
1〜X
38の各々はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基である。〕
で示される基であり、Zは−CH=CHCOO−(トランス体)又は−N=N−で示される基であり、p及びqはそれぞれ独立して、1〜12のいずれかの整数であり、m及びnは、0.65≦m≦0.95、0.05≦n≦0.35、m+n=1の関係を満たす共重合体に占める各モノマーのモル分率である。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー、
【0014】
〔2〕一般式(I−A)
【化3】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基であり、R
2はアルキル基、又はアルキル基、アルコキシ基、シアノ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換されたフェニル基であり、X
1A〜X
4Aの各々はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、環Bは、
【0015】
【化4】
〔但し、X
1B〜X
4B及びX
31B〜X
38Bの各々はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基である。〕
で示される基であり、Zは−CH=CHCOO−(トランス体)又は−N=N−で示される基であり、p及びqはそれぞれ独立して、1〜12のいずれかの整数であり、m及びnは、0.65≦m≦0.95、0.05≦n≦0.35、m+n=1の関係を満たす共重合体に占める各モノマーのモル分率である。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー、
【0016】
〔3〕一般式(I−a)
【化5】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基であり、R
2はアルキル基、又はアルキル基、アルコキシ基、シアノ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換されたフェニル基であり、X
1A〜X
4Aの各々はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、環Bは、
【0017】
【化6】
〔但し、X
1B〜X
4B及びX
31B〜X
38Bの各々はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基である。〕
で示される基であり、p及びqはそれぞれ独立して、1〜12のいずれかの整数であり、m及びnは、0.65≦m≦0.95、0.05≦n≦0.35、m+n=1の関係を満たす共重合体に占める各モノマーのモル分率である。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー、
【0018】
〔4〕一般式(I−b)
【化7】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基であり、R
2はアルキル基、又はアルキル基、アルコキシ基、シアノ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換されたフェニル基であり、X
1A〜X
4A及びX
31B〜X
38Bの各々はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、p及びqはそれぞれ独立して、1〜12のいずれかの整数であり、m及びnは、0.65≦m≦0.95、0.05≦n≦0.35、m+n=1の関係を満たす共重合体に占める各モノマーのモル分率である。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー、
【0019】
〔5〕一般式(I−c)
【化8】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基であり、R
2はアルキル基、又はアルキル基、アルコキシ基、シアノ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換されたフェニル基であり、X
1A〜X
4A及びX
1B〜X
4Bの各々はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、Zは−CH=CHCOO−(トランス体)又は−N=N−で示される基であり、p及びqはそれぞれ独立して、1〜12のいずれかの整数であり、m及びnは、0.65≦m≦0.95、0.05≦n≦0.35、m+n=1の関係を満たす共重合体に占める各モノマーのモル分率である。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー、
【0020】
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の共重合性(メタ)アクリル酸ポリマーを含んでなる、光配向膜用組成物、
【0021】
〔7〕上記〔6〕の光配向膜用組成物からなる膜に、異方性を有する光を照射し、更にこれを加熱して液晶配向能を生じさせた、光配向膜、
【0022】
〔8〕上記〔7〕の光配向膜上に液晶性化合物を配向させた位相差膜、
に関する。
【発明の効果】
【0023】
上記本発明の共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー(I)は、毒性が低く環境負荷が低い溶媒であるメチルエチルケトン及び/又はシクロヘキサノン及び/又は1−メトキシ−2−プロパノールに可溶という優れた特長を有する。また、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンと1−メトキシ−2−プロパノールは、沸点がそれぞれ約80℃、約155℃、約120℃と低いため、その分、溶媒を留去するための乾燥工程が容易となるという利点を有する。
【0024】
あるいは、本発明のポリマーは、これを配向膜として使用して、更に液晶性化合物を配向させて位相差膜を作製すれば、該位相差膜の製膜プロセスにおける加熱工程での膜の複屈折率の減少を抑えることができる(すなわち、膜の耐熱性が高くなる)、並びに/又は、光配向膜を製造する際に照射する偏光の最適露光量の値が比較的大きくなる及び/若しくは該最適露光量と限界露光量の差が大きくなる(すなわち、露光量の調節が容易となる)という優れた特長を有する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のポリマー(1)において、好ましい具体例を以下に示す。
【0026】
一般式(I−A)
【化9】
〔式中記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー。
【0027】
一般式(I−B)
【化10】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基であり、R
2はアルキル基、又はアルキル基、アルコキシ基、シアノ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換されたフェニル基であり、環A及び環Bはそれぞれ独立して、
【化11】
〔但し、X
1〜X
38の各々はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基である。〕
で示される基であり、p及びqはそれぞれ独立して、1〜12のいずれかの整数であり、m及びnは、0.65≦m≦0.95、0.05≦n≦0.35、m+n=1の関係を満たす共重合体に占める各モノマーのモル分率である。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー。
【0028】
一般式(I−a)
【化12】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー。
【0029】
一般式(I−b)
【化13】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される繰り返し単位を有する共重合性(メタ)アクリル酸ポリマー。
【0030】
一般式(I−c)
【化14】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
【0031】
本発明の一般式(I)(一般式(I−A)及び(I−B)並びに一般式(I−a)〜(I−c)を含む。以下同様。)において、R
1としては、メチル基が好ましい。R
2としては、アルキル基、又はアルキル基、アルコキシ基、シアノ基及びハロゲン原子から選ばれる1の基で置換されたフェニル基が好ましく、このうちアルキル基、又はシアノ基で置換されたフェニル基が好ましく、更に、アルキル基が最も好ましい。R
2の他の好ましい例としては、アルキル基、又はアルコキシ基若しくはシアノ基で置換されたフェニル基が挙げられ、このうち、アルキル基、又はアルコキシ基で置換されたフェニル基が好ましい。R
2の他の好ましい例としては、アルコキシ基若しくはシアノ基で置換されたフェニル基が挙げられ、このうち、アルコキシ基で置換されたフェニル基が更に好ましい。R
2の他の好ましい例は、アルキル基である。X
1〜X
38としては、いずれも水素原子又はハロゲン原子が好ましい。p及びqとしては、いずれも、3〜9のいずれかの整数が好ましく、このうち5〜7のいずれかの整数が好ましく、6が最も好ましい。mについては、好ましくは約0.75≦m≦約0.85の範囲であり、最も好ましいのは約0.8である。対応するnの好ましい範囲は、m+n=1から自ずと定まる範囲である。すなわち、好ましくは約0.15≦n≦約0.25の範囲であり、最も好ましいのは約0.2である。
【0032】
本発明の一般式(I)において、X
1A〜X
4Aとしては、水素原子又はハロゲン原子が好ましく、特に、X
1A〜X
4Aのいずれか一つがハロゲン原子であって、その他が水素原子である場合が好ましく、更に全てが水素原子である場合が最も好ましい。また、X
31B〜X
38Bとしては、水素原子又はハロゲン原子が好ましく、全てが水素原子である場合が最も好ましい。
【0033】
R
2のアルキル基又はR
2のフェニル基の置換基のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、そのうち、好ましくは炭素数1〜6のものが、更に好ましくは炭素数1〜4のものが、最も好ましくはメチル基が挙げられる。R
2のフェニル基の置換基のアルコキシ基としては、炭素数1〜12のアルコキシ基が挙げられ、そのうち、好ましくは炭素数1〜6のものが、更に好ましくは炭素数1〜4のものが、最も好ましくはメトキシ基が挙げられる。R
2のフェニル基の置換基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、このうち、フッ素原子が好ましい。X
1〜X
38において、アルキル基としては、炭素数1〜4のものが挙げられ、そのうちメチル基が最も好ましく、アルコキシ基としては、炭素数1〜4のものが挙げられ、そのうちメトキシ基が最も好ましく、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、このうち、フッ素原子が好ましい。
【0034】
なお、本明細書において、X
1A〜X
38Aは、環A又は環B上の置換基であるX
1〜X
38について、それらが環A上の置換基である場合を表し、X
1B〜X
38Bは、それらが環B上の置換基である場合を表すものである。したがって、X
1〜X
38についての説明は、そのままX
1A〜X
38A及びX
1B〜X
38Bに対しても適用し得るものである。
【0035】
本発明のポリマー(I)は、一般式(II)
【化15】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される(メタ)アクリル酸モノマー(M1)の所定量と、一般式(III)
【化16】
〔式中、記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される(メタ)アクリル酸モノマー(M2)の所定量とを、無溶媒又は溶媒中混合して、重合させることにより、製造することができる。重合は光又は熱を用いて実施することができる。重合工程において、材料や溶媒等を仕込む方法は特に限定されず、重合前に反応容器へ予め全材料を投入した後に重合を開始してもよいし、M1とM2を混合したのち、かかる混合物や溶媒等の一部について重合開始した後に、残りを滴下又は分割投入などの方法により段階的に追加してもよい。
【0036】
また、M1及びM2の重合に際して、必須ではないが、他のモノマーを、含有させてもよく、そのようなモノマーは、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物である限り、それ以外の点では特に限定されず、液晶性を有するものでなくてもよい。
【0037】
そのようなモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、N、N−ジメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルモノマー、スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸、エチルビニルエーテル、N−ビニルイミダゾール、ビニルアセテート、ビニルピリジン、2−ビニルナフタレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、N−ビニルカルバゾール、ビニルアミン、ビニルフェノール、N−ビニル−2−ピロリドンなどのビニル系モノマー、4−アリル−1,2−ジメトキシベンゼン、4−アリルフェノール、4−メトキシアリルベンゼンなどのアリル系モノマー、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類が挙げられる。
【0038】
溶液中で重合する場合には、汎用の有機溶媒を特に限定なく用いることができる。溶媒の具体例としては、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジグリム等のエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。これら溶媒は、いずれかを単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。
【0039】
上記の重合に際しては、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤は、一般的に使用されているものでよく、具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジエチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(V−601)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチルアゾビスメチルプロビオネート等のアゾ系重合開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、過酸化ラウロイル等の過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系重合開始剤などが挙げられる。これらの重合開始剤は、いずれかを単独で用いてもよく、また2種以上を併用することもできる。
【0040】
上記重合の際の温度は、モノマーであるM1及びM2の種類、重合溶媒種、開始剤種などにより異なるが、好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜120℃の範囲である。
【0041】
このようにして得られた本発明のポリマー(1)は、光重合開始剤、界面活性剤、溶媒等の他、光及び熱により重合を起こさせる重合性組成物に通常含まれる成分を適宜添加し、光配向膜用組成物とすることができる。これら任意成分の含有量は特に限定されないが、通常、ポリマー(I)の総重量に対し、光重合開始剤は約1〜約10重量%、界面活性剤は約0.1〜約5重量%、溶媒は約70〜約99重量%含まれていることが好ましい。
【0042】
光重合開始剤としては、少量の光照射により均一な膜を形成させるために一般に知られている汎用の光重合剤をいずれも用いることができる。具体例としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル系光重合開始剤、イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、イルガキュア369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等のα−アミノケトン系光重合開始剤、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等;更には、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、チオキサンソン等の光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤は、いずれかを単独で用いてもよいし、2種以上を併せて用いてもよい。
【0043】
界面活性剤としては、均一な膜を形成させるために一般に用いられている界面活性剤をいずれも用いることができる。具体例としては、例えば、ラウリル硫酸ソーダ、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルホスフェート、ナトリウムオレイルスクシネート、ミリスチン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ナトリウムラウロイルサルコシネート等のアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコールモノラウレート、ステアリン酸ソルビタン、ミリスチン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート等のノニオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムクロリド等のカオチン性界面活性剤;ラウリルベタイン、アルキルスルホベタイン、コカミドプロピルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム等の両性界面活性剤;更には、BYK−361、BYK−306、BYK−307(ビックケミージャパン社製)、フロラードFC430(住友スリーエム社製)、メガファックF171、R08(大日本インキ化学工業社製)等の界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、いずれかを単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0044】
溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジブチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、プロパノール、シクロヘキサン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどが挙げられるが、このうち、毒性や環境負荷の観点及び/又は樹脂基材(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)など)に対する耐溶解性の観点から、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンが好ましい。これらはいずれかを単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。特に、本発明のポリマー(I)は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールにも溶解するという優れた特長を有する。
【0045】
このようにして得られる本発明の光配向膜用組成物を、基材に塗布し、溶媒を留去して膜とした後、該膜に異方性を有する光を照射し、更にこれを加熱して液晶配向能を生じさせることにより、光配向膜とすることができる。
【0046】
光配向膜用組成物の塗布方法としては、当該分野において一般的に知られているいずれの方法でもよく、例えば、スピンコート法、バーコート法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、スプレーコーター法などがある。組成物の塗布後、乾燥して溶剤を留去することにより、組成物の層を形成させる。乾燥工程はこの分野で通常用いられているいずれの方法でもよく、樹脂層が一定の形態で固定化し、膜を形成するまで行う。
【0047】
使用できる基材としては、例えば、アルカリガラス、無アルカリガラスなどのガラス基材、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ三フッ化塩化エチレンなどの樹脂基材、鉄、アルミニウム、銅などの金属基材などが挙げられ、ガラス基材がより好ましい。
【0048】
異方性を有する光としては、直線偏光の他、例えば、部分偏光などが挙げられる。ここで、直線偏光とは、電場(又は磁場)の振動方向を含む面が一つに特定される光であり、部分偏光とは、電場(又は磁場)の振動の強度が特定方向において他の方向より強いものをいう。直線偏光は、光源からの光に、偏光フィルタや偏光プリズムを用いることで得るこができる。部分偏光は、部分偏光フィルタを使用して得ることができる。本発明においては、異方性を有する光であれば、いずれも用いることができるが、効率よく光配向を行うためには、直線偏光を用いることが好ましい。照射する光は、赤外線、可視光線、紫外線(近紫外線、遠紫外線など)、X線、荷電粒子線(例えば、電子電など)など、照射により化学反応を生じさせることができる照射線であれば、特に限定されないが、通常、照射線は200nm〜500nmの波長を有する場合が多く、光架橋を有効に発生させる点から、350nmから450nmの近紫外線が好ましい。光源としては例えば、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。このような光源から得た紫外光や可視光は干渉フィルタや色フィルタなどを用いて、照射する波長範囲を制限してもよい。照射エネルギー(最適露光量)は、ポリマー(I)の種類に応じて異なるが、通常は、約5mJ/cm
2〜50mJ/cm
2である。
【0049】
また、偏光を照射する際に、フォトマスクを使用すれば、光配向膜に、2以上の異なった方向にパターン状に、液晶配向能を生じさせることができる。具体的には、本発明の光配向膜用組成物を塗布、乾燥した後に、その上にフォトマスクを被せて異方性を有する光を照射し、露光部分にのみ液晶配向能を与え、必要に応じて、方向を変えてこれを複数回繰り返すことにより、複数方向にパターン状に液晶配向能を生じさせることができる。
【0050】
前記光照射の後に、加熱を施すと、加熱重合が進行し、光、熱等に対してより高い耐久性の光配向膜が得られるので好ましい。加熱温度は、重合が進行するのに十分であれば特に制限されないが、一般的には、80〜250℃程度であり、100〜200℃程度が好ましく、120〜170℃程度であることがさらに好ましい。加熱重合を行う場合は、組成物中に一般に用いられる重合開始剤を添加してもよいし、添加しなくてもよい。上記により形成される光配向膜の膜厚は、約10〜約500nmであることが好ましく、より好ましくは、約100〜約500nm、更に好ましくは約100〜約200nmの範囲である。
【0051】
上記で得られる光配向膜上に、液晶性化合物を塗布して加温し、UV光を照射し、さらに加熱焼成を行うことで、位相差膜を形成させる。
【0052】
液晶性化合物としては、分子中に重合性基を有する多官能液晶性(メタ)アクリレート、液晶性エポキシ化合物、液晶性オキセタン化合物が挙げられる。このうち、多官能液晶性(メタ)アクリレートが好ましい。
【0053】
多官能液晶性(メタ)アクリレートとしては、例えば、下式(IV)〜(VI)で示される化合物等が挙げられる。
【化17】
〔式中、nは1〜18の整数、Rは水素原子又はメチル基である。〕
【化18】
〔式中、nは1〜18の整数、Rは水素原子又はメチル基、Zは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。〕
【化19】
〔式中、nは1〜18の整数、Rは水素原子又はメチル基、Zは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。〕
【0054】
液晶性エポキシ化合物としては、例えば、下式(VII)で示される化合物等があげられる。
【化20】
(式中、nは、1〜20の整数を表し、mは、2〜15の整数を表す。)
【0055】
液晶性オキセタン化合物としては、例えば、下式(VIII)で示される化合物等が挙げられる。
【化21】
〔式中、nは1〜18の整数、Zは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。〕
【0056】
液晶性化合物を塗布した後、加温する際の温度としては、通常、50〜100℃程度であり、60〜90℃程度が好ましく、65〜85℃程度であることが更に好ましい。
【0057】
UV光の照射は、上記の光配向膜への照射と同様に実施することができる。加熱焼成も常法により実施することができ、その温度は、通常、150〜300℃程度であり、200〜250℃程度が好ましく、210〜230℃程度であることがさらに好ましい。加熱焼成時間は、0.5〜3時間程度であり、0.6〜2時間程度が好ましく、0.6〜1.5時間程度が最も好ましい。
【0058】
このようにして得られる本発明の位相差膜について、その膜厚は用途などに応じて異なるが、一般には、0.1〜20.0μmの範囲が好ましく、1.0〜5.0μmの範囲が更に好ましい。
【0059】
本明細書の一般式(I)は、原料モノマーであるM1とM2がm:nのモル比で含まれていることを模式的に表したものであり、M1とM2が必ずしも交互に結合してコポリマーを構成しているわけではない。したがって、一般式(1)は、M1とM2をm:nのモル比で重合させたコポリマー、例えば、交互型、ランダム型、グラフト型などのいずれをも含むものである。また、一般式(I)において、モノマー同士を繋ぐ破線は、通常は単結合手であるが、M1とM2の重合に際して、他のモノマーも含有させる場合には、そのようなモノマーが該波線部分に取り込まれて、存在し得る。
【0060】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例に限定されるものではない。
【0061】
1.共重合性(メタ)アクリル酸ポリマーの合成
[実施例1]
【化22】
ポリ[1−[6−[4−[4−[(E)−2−メトキシカルボニルビニル]フェノキシカルボニル]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン−CO−1−[6−[4−カルボキシフェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](M1:M2=90:10)(重合体1)
4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸4−[(E)−2−メトキシカルボニルビニル]フェニルエステル5g(11ミリモル)、4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸29.6g(96ミリモル)及び2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリル0.35g(2.1ミリモル)をシクロヘキサノン196gに溶解した。この溶液に窒素を1時間通気した。次いで、80℃に加熱した。10時間後反応液を冷却し、激しく攪拌しつつ、ノルマルヘキサン346gに室温で滴下した。分離した重合体を濾取し、減圧下、50℃での乾燥により、重合体1を26g得た。
【0062】
<重量平均分子量(MW)の測定>
上記で得られたポリマーの重量平均分子量(MW)を、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。得られた重量平均分子量(MW)は30700であった。
【0063】
<酸価の測定>
測定方法は以下の通りである。すなわち、100mL三角フラスコにTHF約60mLを採り、フェノールフタレインを指示薬として、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で中和した。ポリマー約1.5gを精秤し、上記溶液に均一に溶解、攪拌し、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定を行い、微赤色が約30秒間消えない点を滴定終点とした。
【0064】
次式に従い、酸価を算出した。
酸価=(0.1×f×A×56.1/B)/(C/100)
A:滴定量(mL)
f:水酸化ナトリウム水溶液の力価
B:ポリマー組成物量(g)(ポリマーを含む、滴定終了後の溶液の量)
C:ポリマー濃度(%)(ポリマー量/ポリマー組成物量×100)
上記で得られたポリマーの酸価は、156mgKOH/gであった。
【0065】
<相転移温度の測定>
上記で得られたポリマーの相転移温度を、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定したところ、160〜180℃であった。
【0066】
[実施例2]
【化23】
ポリ[1−[6−[4−[4−[(E)−2−メトキシカルボニルビニル]フェノキシカルボニル]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン−CO−1−[6−[4−カルボキシフェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](M1:M2=80:20)(重合体2)
4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸4−[(E)−2−メトキシカルボニルビニル]フェニルエステルの使用量を8g(17ミリモル)、4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸の使用量を21g(69ミリモル)、2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリルの使用量を0.28g(1.7ミリモル)、シクロヘキサノンの使用量を116gとする以外は、実施例1と同様に処理して、重合体2を24g得た。
【0067】
得られたポリマーは、重量平均分子量(MW)31700、酸価130mgKOH/g、相転移温度148〜173℃を有していた。
【0068】
[実施例3]
【化24】
ポリ[1−[6−[4−[4−[(E)−2−メトキシカルボニルビニル]フェノキシカルボニル]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン−CO−1−[6−[4−カルボキシフェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](M1:M2=70:30)(重合体3)
4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸4−[(E)−2−メトキシカルボニルビニル]フェニルエステルの使用量を10g(21ミリモル)、4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸の使用量を15.3g(50ミリモル)、2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリルの使用量を0.23g(1.4ミリモル)、シクロヘキサノンの使用量を101.2g及びノルマルヘキサンの使用量を253gとする以外は、実施例1と同様に処理して、重合体3を24g得た。
【0069】
得られたポリマーは、重量平均分子量(MW)33300、酸価は110mgKOH/g相転移温度155〜166℃を有していた。
【0070】
[実施例4]
【化25】
ポリ[1−[6−[4−[4−[(E)−2−メトキシカルボニルビニル]フェノキシカルボニル]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン−CO−1−[6−[3−フルオロ−4−カルボキシフェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](M1:M2=81:19)(重合体4)
4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸4−[(E)−2−メトキシカルボニルビニル]フェニルエステル2g(4ミリモル)、2−フルオロ−4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸5.6g(17ミリモル)、2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリル0.11g(0.6ミリモル)、シクロヘキサノン116g及びノルマルヘキサン76gを用いて、実施例1と同様に処理して、重合体4を5g得た。
【0071】
得られたポリマーは、重量平均分子量(MW)48200、酸価は132mgKOH/g、相転移温度85〜120℃を有していた。
【0072】
[実施例5]
【化26】
ポリ[1−[6−[4−[(E)−2−[4−シアノ−フェノキシ]カルボニルビニル]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン−CO−1−[6−[4−カルボキシフェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](M1:M2=80:20)(重合体5)
4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]−(E)−桂皮酸4−シアノフェニルエステル10g(23ミリモル)、4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸28g(92ミリモル)を用いて、2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリルの使用量を0.38g(2.3ミリモル)、シクロヘキサノンの使用量を153gとする以外は、実施例1と同様に処理して、重合体5を22g得た。
【0073】
得られたポリマーは、重量平均分子量(MW)24800、酸価135mgKOH/g、相転移温度160〜180℃を有していた。
【0074】
[比較例1]
ポリ[1−[6−[4−[(E)−2−ヒドロキシカルボニルビニル]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](重合体6)
4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]−(E)−桂皮酸20g(23ミリモル)を用いて、2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリルの使用量を0.2g(1.2ミリモル)、シクロヘキサノンの使用量を80gとする以外は、実施例1と同様に処理して、重合体6を17g得た。
【0075】
得られたポリマーは、重量平均分子量(MW)35000、酸価169mgKOH/g、相転移温度162〜197℃を有していた。
【0076】
[比較例2]
ポリ[1−[6−[4−[(E)−2−ヒドロキシカルボニルビニル]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン−CO−1−[6−[4−カルボキシフェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](重合体7)
4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]−(E)−桂皮酸10g(30ミリモル)、4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸37g(120ミリモル)を用いて、2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリルの使用量を0.5g(3.0ミリモル)、シクロヘキサノンの使用量を187gとする以外は、実施例1と同様に処理して、重合体7を40g得た。
【0077】
得られたポリマーは、重量平均分子量(MW)31000、酸価178mgKOH/g相転移温度155〜182℃を有していた。
【0078】
[実施例6]
【化27】
ポリ[1−[6−[4−[(E)−2−[4−メトキシフェノキシ]カルボニルビニル]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン−CO−1−[6−[4−カルボキシフェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](M1:M2=80:20)(重合体8)
4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]−(E)−桂皮酸4−メトキシフェニルエステル10.0g(23ミリモル)、4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸27.9g(91ミリモル)を用いて、2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリルの使用量を0.5g(3ミリモル)、シクロヘキサノンの使用量を152gとする以外は、実施例1と同様に処理して、重合体8を25g得た。
【0079】
得られたポリマーは、重量平均分子量(MW)46000、酸価135mgKOH/g、相転移温度70〜146℃を有していた。
【0080】
[実施例7]
【化28】
ポリ[1−[6−[4−[4−メトキシフェニルアゾ]フェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン−CO−1−[6−[4−カルボキシフェノキシ]ヘキシルオキシカルボニル]−1−メチルエチレン](M1:M2=80:20)(重合体9)
1−(4−メトキシフェニルアゾ)−4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]ベンゼン10.0g(25ミリモル)、4−[6−(2−メチルアクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸30.9g(100ミリモル)を用いて、2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリルの使用量を0.4g(3ミリモル)、シクロヘキサノンの使用量を123gとする以外は、実施例1と同様に処理して、重合体9を33g得た。
【0081】
得られたポリマーは、重量平均分子量(MW)48000、酸価138mgKOH/g、相転移温度72〜148℃を有していた。
【0082】
2.光配向膜用組成物の調製
重合体1〜9を、それぞれシクロヘキサノンに5重量%の濃度で溶解させ、光配向膜用組成物1〜9とした。
【0083】
3.光配向膜の製造
光配向膜用組成物1をガラス基板上にスピンコーターを用いて、約100nmの厚みになるように塗布した。その後、80℃で乾燥させ、続いて直線偏光UV光線を40mJ/cm
2照射した。次いで、150℃で10分間加熱処理を行い、配向を誘起し光配向膜1を作製した。
【0084】
光配向膜用組成物2を用いて、直線偏光UV光線の照射量を30mJ/cm
2、その後の加熱処理温度を140℃とする以外は光配向膜1の製造と同様に処理して、光配向膜2を作製した。
【0085】
光配向膜用組成物3を用いて、直線偏光UV光線の照射量を20mJ/cm
2、その後の加熱処理温度を140℃とする以外は光配向膜1の製造と同様に処理して、光配向膜3を作製した。
【0086】
光配向膜用組成物4を用いて、直線偏光UV光線の照射量を30mJ/cm
2、その後の加熱処理温度を110℃とする以外は光配向膜1の製造と同様に処理して、光配向膜4を作製した。
【0087】
光配向膜用組成物5を用いて、直線偏光UV光線の照射量を5mJ/cm
2、その後の加熱処理温度を140℃とする以外は光配向膜1の製造と同様に処理して、光配向膜5を作製した。
【0088】
光配向膜用組成物6をガラス基板上にスピンコーターを用いて、約100nmの厚みになるように塗布した。その後、120℃で乾燥させ、続いて直線偏光UV光線を5mJ/cm
2照射した。次いで、160℃で10分間加熱処理を行い、配向を誘起し光配向膜6を作製した。
【0089】
光配向膜用組成物7を用いて、直線偏光UV光線の照射量を15mJ/cm
2、その後の加熱処理温度を150℃とする以外は光配向膜6の製造と同様に処理して、光配向膜7を作製した。
【0090】
光配向膜用組成物8を用いて、直線偏光UV光線の照射量を20mJ/cm
2、その後の加熱処理温度を130℃とする以外は光配向膜1の製造と同様に処理して、光配向膜8を作製した。
【0091】
光配向膜用組成物9を用いて、直線偏光UV光線の照射量を10mJ/cm
2、その後の加熱処理温度を130℃とする以外は光配向膜1の製造と同様に処理して、光配向膜9を作製した。
【0092】
4.位相差膜の製造
下記式(VI−a)で示される二官能液晶性アクリレート
【化29】
19重量%、光重合開始剤(イルガキュア907 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80重量%で位相差膜用組成物を調製した。
【0093】
調製した位相差膜用組成物を、光配向膜上1に、スピンコーターを用いて、約2μmの厚みになるように塗布した。その後、70℃で配向させ、続いて無偏光UV光線を100mJ/cm
2照射した。次いで、230℃で1時間、加熱焼成を行い、位相差膜1を作製した。
【0094】
同様にして、光配向膜2〜9の上に、それぞれ位相差膜2〜9を作製した。
【0095】
5.性能評価
<ポリマーの溶解性>
重合体1〜7の1、5、10、20%における各種溶剤に対する溶解性を目視にて評価し、完全に溶解したものを○、溶け残りがあるものを△、不溶なものが×として記録した。結果を表1に示す(○、△、×の意味するところは、以後の表において同じ)。
【0097】
重合体8及び9の1、5、10、20%における、各種溶剤に対する溶解性を目視にて評価した。結果を表2に示す。
【0099】
重合体1〜9の1、5、10、20%における、1−メトキシ−2−プロパノールに対する溶解性を目視にて評価した。結果を表3に示す。
【0101】
<ポリマーの光感受性(偏光露光量)>
重合体1〜7を用いて作製した光配向膜の最適偏光露光量と限界偏光露光量について、作製した光配向膜上に位相差膜を作製し、その配向性から評価を行った。最も配向性の高い偏光露光量を最適偏光露光量とし、配向性が低下し始める露光量を限界偏光露光量とし、結果を表4に示す。
【0103】
重合体8及び9を用いて作製した光配向膜の最適偏光露光量と限界偏光露光量について、作製した光配向膜上に位相差膜を作製し、その配向性から評価した。結果を表5に示す。
【0105】
<複屈折率の保持率>
重合体1〜7を用いて作製した光配向膜上への位相差膜の作製に際し、その焼成工程の前後における複屈折率の保持率を評価した。複屈折率の測定は、偏光解析装置OPTIPRO(シンテック株式会社製)を用いて行った(以後の実験において同じ)。結果を表6に示す。
【0107】
重合体8及び9用いて作製した光配向膜上への位相差膜の作製に際し、その焼成工程の前後における複屈折率の保持率を評価した。結果を表7に示す。