(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963951
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】指紋センサパッケージ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20160721BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20160721BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
G06T1/00 400G
H01L23/28 Z
H01L23/12 501P
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-512575(P2015-512575)
(86)(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公表番号】特表2015-519663(P2015-519663A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】KR2013004174
(87)【国際公開番号】WO2013172604
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2014年11月14日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0051486
(32)【優先日】2012年5月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514092478
【氏名又は名称】クルーシャルテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CRUCIALTEC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ドンナム
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨンムン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キドン
【審査官】
新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−346271(JP,A)
【文献】
特開2004−304054(JP,A)
【文献】
特開2010−130025(JP,A)
【文献】
特開2008−008674(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0215116(US,A1)
【文献】
特開2003−232604(JP,A)
【文献】
特開2005−347398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00−7/60
H01L 23/12
H01L 23/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋データ感知のためのセンシング部を備えた指紋センサと、
前記指紋センサの周囲に離隔配置され、ビアホールが備えられたビア−フレームと、
前記指紋センサの上面に外部接続のために備えられたボンディングパッドとビア−フレームのビアホールを電気的に連結させる連結電極、及び前記連結電極とは絶縁され、前記指紋センサ駆動信号を発生させる駆動電極をなすようになる導電性パターンと、
前記指紋センサとビア−フレームとが一体をなすように形成されるモールドボディーと、
前記指紋センサの上面を覆うように形成される保護層と、
を含んで構成されることを特徴とする、指紋センサパッケージ。
【請求項2】
前記ビアホールにおいて、
指紋センサのボンディングパッドと連結電極により電気的に連結される接続部の反対側はモールドボディーの外側にソルダーランドが露出するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の指紋センサパッケージ。
【請求項3】
前記保護層は、
導電性パターンを除外した上面全領域に形成される第1保護層と、
前記第1保護層及び導電性パターンを含んだ上面全領域に形成される第2保護層と、
前記第2保護層上面の全領域に形成され、ブラック、ホワイト、またはカラーを有するコーティング層と、
を含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の指紋センサパッケージ。
【請求項4】
前記ビア−フレーム上の指紋センサのボンディングパッドと電気的に連結されるビアホール外側領域に、
指紋センサとビア−フレームとの一体化のためのモールド樹脂と前記ビア−フレームの上面に形成される導電性パターンとの熱膨張係数の差に従う指紋センサパッケージの撓み(Warpage)現象を防止するための複数個の補正ホール(Compensation Hole)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の指紋センサパッケージ。
【請求項5】
前記駆動電極の特定領域が露出するように、
前記特定領域の上部に位置したコーティング層及び第2保護層の該当領域がオープン(open)されることを特徴とする、請求項3に記載の指紋センサパッケージ。
【請求項6】
導電可能なビアホールを備え、面上に中空部が備えられたビア−フレームを準備するステップと、
前記ビア−フレームの中空部にダイを位置させた状態でモールド樹脂を用いてダイとビア−フレームとが一体化するようにするダイモールディングを遂行するステップと、
前記モールディングされたダイを含んだ構造体のボンディングパッド形成面側の全領域に第1保護層を形成するステップと、
前記第1保護層の所定領域に対して選択的除去を遂行するステップと、
前記第1保護層の上にダイのボンディングパッドとビアホールとを連結する連結電極及び指紋センサ駆動信号を作る駆動電極をなすようになる導電性パターンを形成するステップと、
前記導電性パターンが形成された構造体の上面全領域に対して第2保護層を形成するステップと、
前記第2保護層の上にブラック、ホワイト、またはカラーコーティング層を形成するステップと、
を含んで構成されることを特徴とする、指紋センサパッケージ製造方法。
【請求項7】
導電可能なビアホールを備え、面上に中空部が備えられたビア−フレームを準備するステップと、
前記ビア−フレームの中空部をカバーするようにダイアタッチ及びダイモールディングのためのモールディングテープを付着するステップと、
前記モールディングテープの中央部にダイのボンディングパッドがモールディングテープに当接するように付着するステップと、
前記ダイをモールド樹脂(EMC:Epoxy Molding Compound)を用いてビア−フレームと一体をなすようにモールディングするステップと、
前記モールディングテープを除去するステップと、
前記モールディングされたダイを含んだ構造体のモールディングテープが除去された上面に第1保護層を形成し、かつビアホール上部領域及びボンディングパッド領域には第1保護層が形成されないようにするステップと、
前記第1保護層の上にダイのボンディングパッドとビアホールとを連結する連結電極及び指紋センサ駆動信号を作る駆動電極をなすようになる導電性パターンを形成するステップと、
前記導電性パターンが形成された構造体の上面全領域に対して第2保護層を形成するステップと、
前記第2保護層の上にブラック、ホワイト、またはカラーを有するコーティング層を形成するステップと、
を含んで構成されることを特徴とする、指紋センサパッケージ製造方法。
【請求項8】
レーザードリリングを通じてメインボードに実装するためのソルダーランドを露出させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の指紋センサパッケージ製造方法。
【請求項9】
前記ビア−フレーム上の指紋センサのボンディングパッドと電気的に連結されるビアホールの外側領域に、
前記ダイとビア−フレームとの一体化のためのモールド樹脂と前記ビア−フレーム上面に形成される導電性パターンとの熱膨張係数の差に従うパッケージの撓み(Warpage)現象を防止するための複数個の補正ホール(Compensation Hole)を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の指紋センサパッケージ製造方法。
【請求項10】
前記駆動電極の特定領域が露出するように、
前記駆動電極の特定領域の上部に位置したコーティング層及び第2保護層の該当領域をオープン(open)させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の指紋センサパッケージ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は指紋センサパッケージに関し、より詳しくは、指紋認識に使われる指紋センサのパッケージ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、指紋認識技術はユーザ登録及び認証手続きを経るようにして保安事故を予防することに主に使用する技術であって、個々人及び組織のネットワーキング防御、コンテンツとデータの保護、コンピュータやモバイル装置などの安全なアクセス(access)制御などに適用される。
【0003】
最近、モバイル技術が発達するにつれて、指紋のイメージデータを用いてマウスポインタの操作を行うポインティング装置としても指紋認識技術が適用されるなど、その活用程度がより広まっている。
【0004】
このような指紋認識技術のためには指紋センサが使われるが、上記指紋センサは人間の指の指紋のパターンを認識するための装置であって、指紋センサは感知原理によって、光学式センサ、電気式、超音波方式センサ、及び熱感知式センサに区分され、各タイプの指紋センサは各々の駆動原理により指から指紋イメージデータを得るようになる。
【0005】
一方、このような指紋センサは、一般的な半導体チップと同様に、EMCなどの樹脂材により封入されて、指紋センサパッケージとして電子機器のメインボードに組み立てられる。
【0006】
このような指紋センサパッケージは、指紋センサのセンシング部トップ(top)面と指紋との間の間隔が最小化されなければ正確な指紋のイメージデータを得ることができない。
【0007】
また、指紋データに対する獲得感度が高いほど既存に比べて指紋センサのセンシング部に対する保護コーティングをより厚くすることができ、これを通じて指紋センサパッケージの機械的強度の向上及び静電放電(electrostatic discharge)などに対する耐性を向上させることができる。
【0008】
そして、延いては、指紋センサの指紋データ獲得感度を高めるようになれば、単位面積当たり同一ピクセルの数の場合には、既存の指紋センサに比べてより向上したイメージデータを得ることができ、既存の指紋センサと同一な品質のイメージデータを得ようとする場合であれば、ピクセル数を減らすことができるので、既存に比べて指紋センサパッケージのサイズを小さくすることができる。
【0009】
したがって、指紋センサの獲得感度を向上させることができる新たな構造の指紋センサパッケージの開発が要求される実状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記した諸問題を解決するためのものであって、指紋センサのセンシング部トップ(top)面と指紋との間の間隔を最小化して正確な指紋イメージデータを得て、これを通じて既存の指紋センサパッケージに比べて機械的強度及び静電放電に対する耐性(Tolerance)を向上させることができる新たな構造の指紋センサパッケージ及びその製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した目的を達成するために、本発明は指紋データ感知のためのピクセルがアレイ型に配置されたセンシング部を備えた指紋センサと、上記指紋センサの周囲に離隔配置され、ビアホールが備えられたビア−フレームと、上記指紋センサの上面に外部接続のために備えられたボンディングパッドとビア−フレームのビアホールとを電気的に連結させる連結電極及び上記指紋センサ駆動信号を発生させる駆動電極をなすようになる導電性パターンと、上記指紋センサとビア−フレームとが一体をなすように形成されるモールドボディーと、上記指紋センサの上面を覆うように形成される保護層とを含んで構成されることを特徴とする、指紋センサパッケージが提供される。
【0012】
一方、上記した目的を達成するための本発明の他の形態によれば、導電可能なビアホールを備え、面上に中空部が備えられたビア−フレームを準備するステップと、上記ビア−フレームの中空部にダイを位置させた状態でモールド樹脂を用いてダイとビア−フレームとが一体化するようにするダイモールディングを遂行するステップと、上記モールディングされたダイを含んだ構造体のボンディングパッド形成面側の全領域に第1保護層を形成するステップと、上記第1保護層の所定領域に対して選択的除去を遂行するステップと、上記第1保護層の上にダイのボンディングパッドとビアホールとを連結する連結電極及び指紋センサ駆動信号を作る駆動電極をなすようになる導電性パターン形成するステップと、上記導電性パターンが形成された構造体の上面全領域に対して第2保護層を形成するステップと、上記第2保護層の上にブラック、ホワイト、またはカラーコーティング層を形成するステップとを含んで構成されることを特徴とする、指紋センサパッケージ製造方法が提供される。
【0013】
一方、上記した目的を達成するための本発明の指紋センサパッケージ製造方法の他の形態は、導電可能なビアホールを備え、面上に中空部が備えられたビア−フレームを準備するステップと、上記ビア−フレームの中空部をカバーするようにダイアタッチ及びダイモールディングのためのモールディングテープを付着するステップと、上記モールディングテープの中央部にダイのボンディングパッドがモールディングテープに当接するように付着するステップと、上記ダイをモールド樹脂(EMC:Epoxy Molding Compound)を用いてビア−フレームと一体をなすようにモールディングするステップと、上記モールディングテープを除去するステップと、上記モールディングされたダイを含んだ構造体のモールディングテープが除去された上面に第1保護層を形成し、かつビアホール上部領域及びボンディングパッド領域には第1保護層が形成されないようにするステップと、上記第1保護層の上にダイのボンディングパッドとビアホールとを連結する連結電極及び指紋センサ駆動信号を作る駆動電極を形成するステップと、上記導電性パターンが形成された構造体の上面全領域に対して第2保護層を形成するステップと、上記第2保護層の上にブラック、ホワイト、またはカラーコーティング層を形成するステップとを含んで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の指紋センサパッケージ及びその製造方法に従う効果は、次の通りである。
【0015】
まず、本発明によれば、指紋センサパッケージの超薄型化が可能である。即ち、本発明はワイヤーループに従うモールディング高さを解消して指紋センサパッケージの超薄型化の具現に非常に効果的である。
【0016】
次に、本発明によれば、指紋センサのセンシング部トップ(top)面と指紋との間の間隔を最小化することによって、一層鮮明で、かつ正確な指紋イメージデータを得ることができるようになり、これによってコーティング厚さを十分に確保して既存の指紋センサパッケージに比べて機械的強度及び静電放電に対する耐性を向上させることができるようになる。
【0017】
一方、本発明の指紋センサはワイヤーループに従うモールディング高さ解消を通じて指紋センサのセンシング部の周囲のモールディング樹脂との高さの差を除去することによって、指紋認識のための指の移動がより容易になされるようになる効果がある。
【0018】
また、本発明は超薄型の指紋センサパッケージを具現するに当たって、個別パッケージングでないウエハレベルパッケージ製造方式と同様に製作が可能である。
【0019】
即ち、複数のパッケージ製造が可能であるように広い面積を有するビア−フレームの各中空部に予め準備した指紋センサを配置して、個別的にモールディング、導電性パターン形成、保護層形成など、パッケージング工程を進行した後、個別パッケージに分離するシンギュレーション工程を遂行して指紋センサ製造における生産性向上を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る指紋センサパッケージの構成を示す断面図である。
【
図4a】本発明に係る指紋センサパッケージの製造工程を示すものである。
図4aの(a)から(e)において、(a)は、ビア−フレーム(Via-Frame)が準備された状態を示す図である。(b)は、ビア−フレームにダイアタッチ及びダイモールディングのためのモールディングテープが付着された状態を示す図である。(c)は、モールディングテープにダイが付着された状態を示す図である。(d)は、ダイをモールド樹脂(EMC)でモールディングした状態を示す図である。(e)は、モールディング後、モールディングされた全体を覆してモールディングテープを除去した後の状態を示す図である。
【
図4b】本発明に係る指紋センサパッケージの製造工程を示すものである。
図4bの(f)から(j)において、(f)は、ダイを含んだ上面に第1保護層を形成した状態を示す図である。(g)は、導電性パターン形成後の状態を示す図である。(h)は、第2保護層を形成した後の状態を示す図である。(i)は、第2保護層の上にブラックコーティングを遂行した後の状態を示す図である。(j)は、レーザードリリングを通じてメインボードに実装するためのソルダーランド(Solder Land)を露出させた状態を示す図である。
【
図5】本発明に係る指紋センサパッケージの他の実施形態に係る構成を示すものであって、
図2に対応する横断面図である。
【
図6】本発明の指紋センサパッケージの更に他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の指紋センサパッケージ及び製造方法の種々の実施形態に対して添付した
図1乃至
図7を参照して詳細に説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1は本発明に係る指紋センサパッケージの構成を示す断面図であり、
図2は
図1のA−A’線に沿う横断面図であり、
図3は
図1の平面図及び底面図である。
【0023】
これらの図面を参照すると、本実施形態に係る指紋センサパッケージは、指紋データ感知のためのピクセルがアレイ型に配置されたセンシング部100を備えた指紋センサ1と、上記指紋センサ1の周囲に離隔配置され、ビアホール200が備えられたビア−フレーム2と、上記指紋センサ1の上面に外部接続のために備えられたボンディングパッド110とビア−フレーム2のビアホール200とを電気的に連結させる連結電極300、及び上記指紋センサ駆動信号を発生させる駆動電極310をなすようになる導電性パターン3と、上記指紋センサ1とビア−フレーム2とが一体をなすように形成されるモールドボディー4と、上記指紋センサ1の上面を覆うように形成される保護層5を含んで構成される。
【0024】
ここで、駆動電極310は駆動信号を指のような媒質に放射する。上記駆動信号はRFを含む電気的信号であって、指紋の山と谷の電気的特性差を発生させる。例えば、指紋の山と谷の高さ差による静電容量の差を発生させる。
【0025】
この際、上記導電性パターン3を構成する連結電極300と駆動電極310とは互いに絶縁されることは勿論である。
【0026】
そして、上記ビア−フレーム2のビアホール200において、上記指紋センサ1のボンディングパッド110と連結電極300により電気的に連結される部分(即ち、指紋センサ1の上面の接続部)の反対側は、モールドボディー4の外側にソルダーランド200aが露出するように構成される。即ち、ビアホール200の下部側はメインボード(図示せず)に実装が容易であるように上記モールドボディー4に覆われず、その外側に露出する。
【0027】
そして、上記保護層5は、導電性パターン3を除外した上面全領域に形成される絶縁層である第1保護層500と、上記第1保護層500及び導電性パターン3を含んだ上面全領域に形成される絶縁層である第2保護層510と、上記第2保護層510の上面全領域に形成されるブラックコーティング層520とを含んで構成される。
【0028】
上記第2保護層510の上にコーティングされるブラックコーティング層520を例示したが、ホワイトコーティング層やその他の指紋センサパッケージが適用される製品の設計仕様に合うカラー色相からなるコーティング層でありうる。これは、後述する他の実施形態でも同様である。
【0029】
一方、
図2の導電性パターン未形成領域(A)は、ビアホール200とボンディングパッド110とを連結する連結電極300を除外した部分が絶縁領域という意味である。
【0030】
指紋センサ1は、前述した電気的特性差を通じてイメージまたはそのテンプレットを生成する。生成された指紋イメージまたはテンプレットは、指紋の識別、認証だけでなく、指の動きを追跡することもする。
【0031】
本明細書では、指紋の識別、認証、ナビゲーティングのための動きの追跡を全て遂行する装置を通称して“指紋センサ”という。
【0032】
このように構成される本発明の指紋センサパッケージの製造工程に対して
図4a及び
図4bに図示された(a)から(j)を参照して説明すると、次の通りである。
【0033】
まず、ビア−フレーム2を準備する。上記ビア−フレーム2は導電可能なビアホール200が形成された一種の基板であって、面上に中空部210が備えられる(
図4aの(a)参照)。
【0034】
次に、上記ビア−フレーム2の中空部210をカバーするように上記ビア−フレーム2にモールディングテープ7を付着する(
図4aの(b)参照)。上記モールディングテープ7は、ダイアタッチ及びダイモールディングのためのものである。
【0035】
次に、上記モールディングテープ7の中央部にダイ(即ち、指紋センサ1)を付着する(
図4aの(c)参照)。この際、上記ダイ1はボンディングパッド110がモールディングテープ7に当接するように付着される。
【0036】
そして、ダイ付着が完了した後には、上記モールディングテープ7に付着されたダイ1をモールド樹脂(EMC:Epoxy Molding Compound)を用いてビア−フレーム2と一体をなすようにモールディングする(
図4aの(d)参照)。この際、上記モールディングテープ7は下方に位置して底面をなすことが好ましい。
【0037】
そして、ダイモールディングが完了した後には、モールディングテープ7を除去し、これと共にモールディングされたダイを覆してボンディングパッド110が上に向かうようにする(
図4aの(e)参照)。ここで、モールディングされたダイを覆してボンディングパッド110が上に向かうようにした状態で、モールディングテープ7が除去されることもできることは勿論である。
【0038】
次に、上記モールディングされたダイを含んだ構造体の上面に対して第1保護層500を形成する(
図4bの(f)参照)。上記第1保護層500は、ポリマーまたはポリマイドのような材質からなる。
【0039】
この際、今後進行される導電性パターン形成工程を考慮して、マスキングを通じてビアホール上部領域及びボンディングパッド領域には保護層が形成されないようにする。
【0040】
そして、上記第1保護層500に対する選択的除去が遂行された後には、上記第1保護層500の上に導電性パターン3を形成するようになる(
図4bの(g)参照)。
【0041】
この際、上記導電性パターン3は、ダイ1のボンディングパッド110とビアホール200とを連結する連結電極300及び指紋センサ駆動信号を作る駆動電極310を含み、上記導電性パターン3は、上記第1保護層500の上に金属薄膜を被せた後、選択的エッチングなどによりパターニングされることによって、連結電極300及び駆動電極310をなすようになる。
【0042】
そして、上記導電性パターン3の形成後には、パッケージ上面全領域に対して第2保護層510を形成するようになる(
図4bの(h)参照)。上記第2保護層510は第1保護層と同様に、ポリマーまたはポリマイドなどの材質からなる。
【0043】
次に、上記第2保護層510の上にブラックコーティング層520を形成する工程を遂行する(
図4bの(i)参照)。本実施形態では、ブラックコーティングが遂行されることを例として挙げたが、ホワイトコーティングやその他の製品に合う色相でコーティングされることができ、上記ブラックやホワイトコーティング、あるいはその他のカラーコーティング層は指紋センサパッケージの製品識別力を提供すると共に、指紋センサパッケージの機械的強度及び耐久性を補強する役割を同時に遂行するようになる。
【0044】
一方、ブラックコーティングまで完了した後には、レーザードリリングを通じてメインボードに実装するためのソルダーランド200aをモールド樹脂から露出させる(
図4bの(j)参照)。
【0045】
以上の工程を通じて完成された指紋センサパッケージは、モバイル機器及びコンピュータを含んだ電気電子製品のメインボードに実装されて自分の機能を遂行するようになる。
【0046】
(実施形態2)
図5は本発明に係る指紋センサパッケージの他の実施形態に係る構成を示すものであって、
図2に対応する横断面図である。
【0047】
本実施形態に係る指紋センサパッケージは、基本的な構成は前述した(実施形態1)と同一であり、単に上記ビア−フレーム2上のビアホール200の外側領域において構造的な差がある。
【0048】
即ち、本実施形態に係る指紋センサパッケージは、上記ビア−フレーム2のビアホール200の外側領域に、ダイ1とビア−フレーム2との一体化のためのモールド樹脂と、上記ビア−フレーム2の上面に形成される導電性パターン3との熱膨張係数の差に従う指紋センサパッケージの撓み(Warpage)現象を防止するための複数個の補正ホール6(Compensation Hole)が形成される。
【0049】
即ち、
図5の補正ホール形成領域(B)には補正ホール6が、例えば、マトリックスタイプで形成される。
【0050】
このように構成された本実施形態の指紋センサパッケージの製造工程やはり基本的に前述した(実施形態1)と同一であり、単にその製造工程中にビアホール200の外側領域に補正ホール6を形成する工程が追加される点のみで差がある。
【0051】
付け加えて、上記補正ホール6の形成工程は、
図4bの(g)に図示された導電性パターン形成ステップが完了した以後に遂行されることができ、上記補正ホール6により指紋センサパッケージの作動時、モールド樹脂と上記ビア−フレーム2の上面に形成される導電性パターン3との接触面積を最小化して熱膨張係数の差に従う指紋センサパッケージの撓み(Warpage)現象を効果的に低減させることができるようになる。
【0052】
(実施形態3)
図6は本発明の更に他の実施形態に係る指紋センサパッケージの構成を示す断面図であり、
図7は
図6の平面図及び底面図である。
【0053】
本実施形態に係る指紋センサパッケージは、基本的な構成は前述した(実施形態1)と同一であり、単に駆動電極310の一部分が露出して、上面視する時、四角リング形態のような幾何学的パターンをなすか、または特定文字あるいは商標の形状をなすようになることに特徴がある。
【0054】
即ち、本実施形態に係る指紋センサパッケージは、駆動電極310の特定領域が露出するように上記特定領域の上部に位置したブラックコーティング層520及び第2保護層510の該当領域(corresponding area)がオープン(open)され、オープンされた部分310aによりパッケージを上面視する時、露出した駆動電極310の特定領域は
図6に例示したような四角リング形態をなすか、または、その他の多様な幾何学的パターンをなすようになる。
【0055】
また、上記ブラックコーティング層520及び第2保護層510のオープンにより露出する駆動電極310の特定領域は、製造社名や特定商標や特定文様をなすこともできる。
【0056】
一方、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範疇を逸脱しない限り、多様な形態に変更及び修正できることは勿論である。
【0057】
したがって、上記した実施形態は制限的なものでなく、例示的なものであり、これによって本発明は前述した説明に限定されず、添付した請求項の範疇及びその同等範囲内で変更できることは当業者には当然な事項である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、指紋センサのセンシング部トップ(top)面と指紋との間の間隔を最小化して正確な指紋イメージデータを得て、これを通じて既存の指紋センサパッケージに比べて機械的強度及び静電放電に対する耐性を向上させることができるので、指紋認識を通じての認証及び指紋認識を用いたポインティング機能が要求されるモバイルあるいはコンピュータをはじめとする各種機器に効果的に適用可能であるので、産業上利用可能性が非常に高い発明である。