【文献】
Renesas Mobile Europe Ltd, Teliasonera,"Inter-RAT UMTS to LTE Reselection",3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #59 R4-112967,2011年 5月16日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_59/Docs/R4-112967.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の無線通信規格に従って無線通信するように構成された第1の基地局にキャンプしているときに動作するユーザ機器(UE)システムであって,前記ユーザ機器システムは、
第2の無線通信規格に従って無線通信するように構成された第2の基地局を探知するための探索手順を開始する手段と、
前記第2の基地局の信号強度の第1の測定値は閾値よりも強いと判定することに応じて、前記第2の基地局のための再選択タイマを始動する手段と、
データ転送の実行の要求を受信することに応じて、少なくとも前記再選択タイマの残りの時間の値を保存し、及び前記第1の基地局を利用して前記第1の無線通信規格に従って前記データ転送を実行する手段と、
前記データ転送を完了した後に非アクティブプロトコル状態へ遷移することに応じて、前記第2の基地局の前記信号強度の追加の測定を実行し、前記第2の基地局は、少なくとも前記追加の測定及び前記保存された残りの時間の値に基づく再選択基準を満たすかどうかを判定する手段と、
前記第2の基地局は前記再選択基準を満たすと判定することに応じて、前記第2の無線通信規格に従う前記第2の基地局を用いてデータ転送を可能にするために前記第2の基地局を再選択する手段と、
を備える、ユーザ機器システム。
データ転送の実行の要求を前記受信することは、UMTSにおけるデータのための無線ベアラ(RB)設定の要求を受信することを含む、請求項9に記載のユーザ機器システム。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器は、UMTS及びLTEなどの無線通信規格に従って無線ネットワークと通信する。UMTSは、GSM(登録商標)規格に基づくネットワークのための第3世代モバイルセルラーシステムである。(UMTSはユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System)の略語である。)LTE(ロングタームエボリューション(Long Term Evolution))は、モバイル機器及びデータ端末のための高速データの無線通信のための規格である。UMTS及び/又はLTEに関する更なる情報については、以下の規格を参照されたい。
【0003】
3GPP TS 36.133−Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Requirements for support of radio resource management。
【0004】
3GPP TS 36.331−Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Radio Resource Control(RRC);Protocol specification.
3GPP TS 25.304−User Equipment(UE)procedures in idle mode and procedures for cell reselection in connected mode.
【0005】
現在、ほとんどのネットワークは、高級なデータサービスのためのホットスポットをエミュレートするためにはLTE用い、任意の回線交換(CS)ベースのサービスのためにはユーザ機器(UE)をUMTSへリダイレクトする。(用語「ユーザ機器」及び「モバイル機器」は本明細書において同義語として用いられる。)UMTSネットワークではパケット交換(PS)データサービスがサポートされているものの、UMTSネットワークは、直交符号の数の制約等のために、複数のユーザのためのより高いデータレートを処理することができない。それゆえ、最適なデータ接続性を確実にするために、UEは好ましくは、より高いデータレートを必要とするあらゆるアプリケーションのためにLTEへ移動する(又は移動される)。
【0006】
UMTS上にキャンプ(camp)している間には、UEは通例、データ活動が存在しない場合には、ネットワークによってページングチャネル(paging channel、PCH)又は下りアクセスチャネル(forward accesschannel、FACH)へ移動され、転送するべきデータが存在する場合には、データチャネル(data channel、DCH)へ移動される。UMTS上にキャンプしている間のアクセス状態遷移は、アクセス状態の変更が信号で伝えられるたびに、無線ベアラを再構成すること、及びしたがって、Node B及びUEのためのより高い制御プレーンデータオーバヘッドを再構成することを伴う。(UMTSにおける基地局は「Node B」と呼ばれ、LTEにおいては、それはe−NodeBと呼ばれる。)UMTSからLTEへ移動すれば、UEは接続不連続受信(Connected Discontinuous Reception、CDRX)を利用して電力を節約することができるとともに、データが利用可能である時には常に多数のPDSCHチャネル上で高速データ転送を実行することができるため、下りリンク及び上りリンクの両方のために有用である。(PDSCHは物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel)の略語である。)
【0007】
FACH、PCH及びアイドル時のRAT間LTE再選択は、UMTSにおけるUEがLTEを再選択することを可能にする。(3GPP TS 25.304参照。RATは無線アクセス技術(Radio Access Technology)の略語である。)LTEセルの高優先度セル再選択はいずれも、T_measureUTRA、T_higher_priority_searchのようなタイマ、及び構成された層の数、等によって統御されることになる。3GPP TS 36.133に記述されているように、UEは、少なくともT_higher_priority_search=(60*Nlayers)秒毎により優先度の高い全ての層を探索することになっている。ここで、Nlayersは、構成されたより優先度の高いE−UTRA、UTRA FDD、UTRA TDDキャリア周波数の総数である。UEは、少なくともT_measureUTRA秒毎に優先度の高いセルを測定することを必要とされてもよい。
【0008】
ほとんどの場合、これらのパラメータは、UEは、アクセス状態遷移がない状態でLTEへ切り替わるのに約9〜12秒を要するように構成される。また、T_high priority search、UEの探索測定、及びT−reselectionタイマは、アクセス状態遷移が起きるたびにリセットされる。これは、アクセス状態遷移の合間にLTEを再び再選択する際の余計な遅延を意味する。(例えば、
図1におけるブロック15及び16の間の境界においてDCHからPCHへのアクセス状態遷移が起きる。)したがって、アプリケーションから5〜10秒以内に繰り返し生成される周期的又は間欠的バックグラウンドデータが存在する場合には、上述の条件のためにUEはUMTSを再選択することができなくなる場合があり、その結果、データ転送の終了になおいっそうの遅延が生じることになる。
【0009】
図1は、UEがUMTS内で立ち往生している様子の一例を示す。UMTS基地局、すなわち、基地局Aの受信信号コード電力(received signal code power、RSCP)は−100dBmにおいて比較的一定であると仮定される。(PSCはプライマリスクランブリングコード(primary scrambling code)を指す。)LTE基地局、すなわち、LTE基地局Bの参照信号受信電力RSRPは、−110dBmから開始し、その後、−90dBmへ増大する。(増大は、ユーザ機器が良好なLTEカバレッジの領域内に入るシナリオを反映する。増大は瞬間的なステップであるように示されているが、より典型的には、遷移は滑らかであってもよい。)
図1では、文字A及びBは技術的な意味を持たず、単に2つの基地局を区別するためだけに用いられている。
【0010】
最初に、UEは、10に示されるように、UMTS−PCH状態にある。次に、UEはLTE探知探索11を開始する。LTE探知探索は、ネットワークがUEを、優先度の高いLTEセルを測定するように構成したために開始されてもよい。LTE探知探索は、例えば、3GPP TS 36.133規格に記載されているように、LTE基地局Bの存在を探知する。
【0011】
LTE基地局Bの存在を探知することに応じて、UEは基地局Bの電力レベルの測定12を行う。測定12は、LTE基地局Bの電力の第1の測定を表すので、「LTE Meas 1」と標識される。UEは、LTE基地局Bは、信頼できるデータ通信をサポートするために十分に強いかどうかを判定するために、測定12を電力閾値と比較する。図示の例については、測定12は十分に強くないと仮定される。一定量の時間が経過した後に(例えば、ある数のDRXサイクルの後に)、UEはLTE基地局Bの電力レベルの第2の測定、すなわち、測定13を行う。第1の測定12以降の時間内にLTE基地局の電力レベルは(図示の例では−110dBmから−90dBmへ)増大したため、第2の測定13は電力閾値テストに合格することになり、LTE基地局BのためのT_reselectionタイマ14を始動させることができる。UMTS規格は、LTE基地局を再選択する前に一定の最小量の時間が経過することを必要とする。T_reselectionタイマは、その最小時間条件を実施するために用いられる。(T_reselectionタイマは、UEが異なる基地局の間を行ったり来たりするために生じるネットワーク上の余計な負荷並びにUE上の電力を阻止するために設定される。このタイマがなければ、UEは最後にはいつも再選択/探索状態になり、サービスのために実際にネットワークに登録することにならなくなり得るであろう。そのため、UEは待機し、それが再選択しようとしている他の基地局が現在の基地局よりも一定期間強いことを確認し、その後に、他の基地局へ移動することになる。)T_reselectionタイマが始動した後に少量のデータが(例えば、UE上で走っているアプリケーションから)到来した場合には、UEはT reselectionタイマを棄却し、(ブロック15に指示される通りの)データチャネルDCHへ移動し、データの転送を完了し、UMTS−PCH状態16へ遷移して戻ることになる。そのため、T−reselectionタイマの値及びLTE測定は棄却されることになり、UEはLTE基地局Bを再選択しない。
【0012】
UMTS規格はまた、LTE基地局の2つの連続する測定が、そのLTE基地局の再選択を可能にする前に、十分に強いことを必要とする。
【0013】
UMTS−PCH状態16から、UEはLTE探知探索17を開始する。(LTE探知探索17はLTE探知探索11と同様である。)以前に取得されたLTE測定12及び13並びにT_reselectionタイマ値は棄却されたので、LTE探知探索17は無知の状態から動作する。LTE基地局Bの電力レベルは高いままであるため(すなわち、−90dBmのままである)、LTE探知探索17はLTE基地局Bの存在を探知することになる。次に、UEはLTE基地局Bの電力レベルの測定18を生成することになる。測定18は、(以前の測定は忘却されたため)それは第1の測定と解釈されるので、「LTE Meas 1」と標識される。一定量の時間待機した後に、UEはLTE基地局Bの第2の測定19を取得し、LTE基地局BのためのT_reselectionタイマ20を始動する。再び、T−reselectionタイマ20の始動後に少量のデータが到来し、UEは、ブロック21に示されるように、データを転送するためにDCH状態へ移動する。UEがDCHへの移動を開始すると、T_reselectionタイマは直ちに棄却される。UEはデータの転送を完了し、(22に指示される通りの)UMTS−PCH状態へ再び戻り、LTE基地局Bを再選択しそこなう。そのため、伝送されるデータのパターンがバースト的である場合には、再選択条件が満たされるのに長い時間がかかってしまう場合がある。
【0014】
したがって、UEがUMTSセルからLTEセルをより効率的な仕方で再選択することを可能にするシステム及び方法の必要性が存在する。より一般的には、UEが、第1の通信規格を用いる基地局から、第1の通信規格よりも高いデータレートにおけるパケット交換データ転送を必要とする第2の通信規格を用いる第2の基地局を再選択することを可能にするシステム及び方法の必要性が存在する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
略語
本仮特許出願においては、以下の略語が用いられている。
【0023】
3GPP:第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project)
CDMA:符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)
CDRX:接続不連続受信(Connected Discontinuous Reception)
CS:回線交換(Circuit Switched)
DCH:データチャネル(Data Channel)
EDGE:GSMエボリューションのためのエンハンストデータレート(Enhanced Data rates for GSM Evolution)
GNSS:全地球的航法衛星システム(Global Navigation Satellite System)
GPS:全地球測位システム(Global Positioning System)
GSM:移動通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications)
HSPA:高速パケットアクセス(High Speed Packet Access)
LTE:ロングタームエボリューション(Long Term Evolution)
PCH:ページングチャネル(Paging Channel)
PCI:物理セルインジケータ(Physical Cell Indicator)
PS:パケット交換(Packet Switched)
PSC:プライマリスクランブリングコード(Primary Scrambling Code)
RAT:無線アクセス技術(Radio Access Technology)
RSCP:受信信号コード電力(Received Signal Code Power)
RSRP:参照信号受信電力(Reference Signal ReceivedPower)
UE:ユーザ機器(User Equipment)
UMTS:ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System)
WiMAX:ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access)
WLL:無線ローカルループ(Wireless Local Loop)
専門用語
以下は、本出願において用いられている用語の用語集である。
【0024】
メモリ媒体−メモリ媒体とは、情報の記憶と検索のために構成される永続的媒体である。メモリ媒体の例としては以下のものが挙げられる:(さまざまな種類のスタティックRAM及びさまざまな種類のダイナミックRAM、並びにさまざまな種類のPROM、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリを含む)RAM及びROMなどのさまざまな種類の半導体ベースのメモリ、磁気ディスク、テープ、ストリップ及びフィルムなどのさまざまな種類の磁気媒体、CD−ROM、DVD−ROM及びホログラフィック媒体などのさまざまな種類の光学的媒体、電荷及び/若しくは多種多様の他の物理量のうちのいずれかの記憶に基づく種々の媒体、種々のリソグラフィ技術を用いて製作される媒体、等。用語「メモリ媒体」は、その意味の範囲内に、所与のメモリ媒体は、異なる場所、例えば、システム内の異なるチップ上、又はネットワーク内の異なるコンピュータ上に存在する2つ以上のメモリ媒体の組み合わせであり得る可能性を含む。メモリ媒体は通例、コンピュータ可読であり、例えば、コンピュータによって読み取られる能力を有する。
【0025】
コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されてもよく、プログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに、本方法を、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれか、又は、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組合せ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組合せを実行させる。
【0026】
キャリア媒体−上述したようなメモリ媒体、並びにバス、ネットワーク等の物理的伝送媒体、及び/又は電気的信号、電磁気的信号、又はデジタル信号等の信号を伝達するその他の物理的伝送媒体。
【0027】
プログラム可能ハードウェア要素−プログラム可能インターコネクトを介して接続される複数のプログラム可能機能ブロックを含む種々のハードウェアデバイスを含む。例としては、FPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(Programmable Logic Device、プログラム可能論理デバイス)、FPOA(Field Programmable Object Array、フィールドプログラマブルオブジェクトアレイ)、及びCPLD(Complex PLD、複合PLD)が挙げられる。プログラム可能機能ブロックは、細かい粒度のもの(組み合わせ論理又はルックアップテーブル)から粗い粒度のもの(算術論理演算装置又はプロセッサコア)にまで及んでもよい。プログラム可能なハードウェア要素は「再構成可能論理」と呼ぶこともできる。
【0028】
コンピュータシステム−パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク装置、インターネット装置、無線携帯情報端末(PDA)、パーソナル通信デバイス、スマートフォン、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、ユーザ機器デバイス、又はその他のデバイス、あるいはデバイスの組み合わせを含む、さまざまな種類のコンピューティング又は処理システムのうちのいずれか。一般的に、用語「コンピュータシステム」は、メモリ媒体内に記憶された命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有するあらゆるデバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように広義に定義することができる。
【0029】
ユーザ機器(UE)(又は「UEデバイス」)−移動式又は携帯式であり、無線通信を実行するさまざまな種類のコンピュータシステムデバイスのうちのいずれか。UEデバイスの例としては、携帯電話又はスマートフォン(例えば、iPhone(商標)、Android(商標)ベースの電話)、ポータブルゲーム機器(例えば、Nintendo DS(商標)、PlayStation Portable(商標)、Gameboy Advance(商標)、iPhone(商標))、ラップトップ、PDA、ポータブルインターネット機器、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、又は他のハンドヘルドデバイスが挙げられる。一般に、用語「UE」又は「UEデバイス」は、ユーザによって容易に持ち運ばれ、無線通信が可能な、あらゆる電子的、コンピューティング及び/又は遠隔通信デバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように幅広く定義され得る。
【0030】
自動的に−アクション又は動作を直接指定又は実行するユーザ入力を用いることなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)又はデバイス(例えば、電気回路、プログラム可能なハードウェア要素、ASIC等)によって実行されるアクション又は動作に言及する。それゆえ、用語「自動的に」は、動作を直接実行するためにユーザが入力を提供する、ユーザによって手作業で実行又は指定される操作とは対照的である。自動手順は、ユーザによって提供される入力によって開始されてもよいが、「自動的に」実行される後続のアクションはユーザによって指定されない、すなわち、実行するべきそれぞれのアクションをユーザが指定する「手作業」では実行されない。例えば、ユーザが、それぞれのフィールドを選択し、(例えば、情報を打ち込むこと、チェックボックスやラジオ選択を選択すること等によって)情報を指定する入力を提供することによって電子フォームに記入することは、たとえ、コンピュータシステムがユーザアクションに応じてフォームを更新しなければならないとはいえ、手作業でフォームに記入することである。コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム上で実行するソフトウェア)がフォームのフィールドを分析し、フィールドへの答えを指定するユーザ入力を全く用いずにフォームに書き込む場合、フォームはコンピュータシステムによって自動的に記入され得る。上述のように、ユーザはフォームの自動記入を呼び出してもよいが、フォームの実際の記入には関わらない(例えば、ユーザはフィールドへの答えを手作業で指定せず、代わりにそれらは自動的に埋められる)。
【0031】
図2:通信システム
図2は、本明細書に記載されている方法のうちのいずれかを実行するために用いられてもよい無線通信システムの一例を示す。図示されるように、無線通信システムはネットワーク100−1〜100−N及び基地局102−1〜102−Nを含む。ただし、Nは1よりも大きい。基地局102−1〜102−Nはそれぞれ、ネットワーク100−1〜100−Nのうちの対応するものに結合する。更に、基地局はそれぞれ、1つ以上の無線通信規格、例えば、GSM、GPRS、UMTS、LTE、WLL、WAN、WiFi、WiMAX、CDMA2000、Bluetooth(登録商標)、GNSS、GPS等などの規格に従ってモバイル機器と無線通信するように構成される。例えば、基地局102−1はUMTS規格に従って通信するように構成されてもよく、基地局102−2はLTE規格に従って通信するように構成されてもよい。
【0032】
基地局102−1〜102−Nは、1つ以上のセルラ方式通信規格によって連続的な(又はほぼ連続的な)重複するサービスをUE106に提供するように空間的に分布してもよい。それぞれの基地局は、それがモバイル機器と無線通信する、関連付けられた空間領域、すなわち、セルを有する。
【0033】
モバイル機器106は、ユーザ機器(UE)106とも呼ばれ、2つ以上の通信規格、例えば、GSM、UMTS、LTE、WLL、WAN、WiFi、WiMAX、CDMA2000、Bluetooth、GNSS、GPS等などの通信規格を用いて無線通信するように構成される。例えば、モバイル機器106は、UMTS規格及びLTE規格の両方を用いて無線通信するように構成されてもよい。UE106はその時々において基地局のうちの異なるものと通信してもよい。例えば、UE106は最初に基地局102−1と通信してもよく、次に、基地局102−2により近づいた後には、基地局102−2との通信を開始してもよい。UE106は、どの基地局と通信するべきかに関するインテリジェントな決定を行うために、異なる基地局の信号強度を常時測定してもよい。更に、UE106は通信目的によって異なる基地局を利用してもよい。例えば、回線交換データこのような音声データ又はビデオデータを通信するためには、UEは、このようなデータを処理するように構成された第1の基地局、例えば、UMTS基地局と通信してもよい。しかし、パケット交換データが利用可能になると、UEは基地局のうちの別のもの、例えば、LTE基地局を利用してもよい。LTE基地局は、UMTS基地局よりも高いレートでパケット交換データを処理することができる。
【0034】
基地局102−1〜102−Nはそれぞれ、モバイル機器と無線通信するためのハードウェアを含む。例えば、それぞれの基地局は、無線送受信機(若しくは無線送受信機のセット)並びに1つ以上のアンテナを含んでもよい。加えて、基地局は、モバイル機器がネットワーク100−1〜100−Nと通信することを可能にする。ネットワークはPSTN及び/又はインターネットに結合してもよい。そのため、基地局及びネットワークは、モバイル機器が電話で会話を行うこと及び/又はインターネットにアクセスすることを可能にする。ネットワーク100−1〜100−Nは必ずしも別個のネットワークではない。例えば、それらは1つ以上の無線通信プロバイダ又はネットワークオペレータによって管制されてもよい。
【0035】
いくつかの実装形態では、UE106は、回線交換通信及びパケット交換通信を処理する第1のセルラ方式通信規格(UMTSなど)に従う基地局と通信するように構成され、かつより高いデータレートでパケット交換データを処理する第2のセルラ方式通信規格(LTEなど)に従う他の基地局と通信するように構成されてもよい。
【0036】
図3は、基地局102(例えば、上述の基地局102−1〜102−Nのうちの1つ)と通信するユーザ機器106の一例を示す。UE106は、携帯電話、セルフォン、ハンドヘルドデバイス、タブレットコンピュータ、携帯情報端末、メディアプレーヤ、又は実質上あらゆる種類の無線装置などの、無線ネットワーク接続性を有するデバイスであってよい。
【0037】
UE106は、メモリ内に記憶されたプログラム命令を実行するように構成されたプロセッサを含んでもよい。UEは、このような記憶された命令を実行することによって、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかを実行することができる。いくつかの実装形態では、UEは、本明細書に記載されている方法の実施形態のうちのいずれか、又は本明細書に記載されている方法の実施形態のうちのいずれか任意の部分を実行するように構成されたFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のプログラム可能ハードウェア要素を含んでもよい。いくつかの実装形態では、UEは、本明細書に記載されている方法の実施形態のうちのいずれか、又は本明細書に記載されている方法の実施形態のうちのいずれかの任意の部分を実行するように構成された専用のデジタル回路機構(ASICなど)を含んでもよい。
【0038】
UE106は、1つ以上の無線通信規格を用いて通信するための1つ以上のアンテナを含んでもよい。いくつかの実施形態では、UE106は、複数の無線通信規格間の受信及び/又は送信チェーンの1つ以上のパーツを共有し得る。例えば、UE106は、単一の共有無線機を用いてUMTS又はLTEのどちらかを用いて通信するように構成されてもよいであろう。共有無線機は、無線通信を実行するために、単一のアンテナを含んでもよく、又は(例えば、MIMO動作を可能にする)複数のアンテナを含んでもよい。他の実施形態では、UE106は、無線通信規格であって、その規格を用いてUE106が通信するように構成された、無線通信規格毎に別個の伝送及び/又は受信チェーン(例えば、別々のアンテナ及び他の無線コンポーネントを含む)を含んでもよい。更に他の実施形態では、UE106は、複数の無線通信規格の間で共有される1つ以上の無線機、及び単一の無線通信規格によってもっぱら用いられる1つ以上の無線機を含んでもよい。例えば、1組の実施形態において、UE106はLTE又はUMTSのいずれかを用いて通信するための共有無線機、並びにWi−Fi及びBluetoothのそれぞれを用いて通信するための別々の無線機を含み得る。多種多様の他の構成も同様に可能である。
【0039】
図4−ユーザ機器106のブロック図の例
図4は、1つの可能な実装形態に係るUE106のブロック図を示す。図示されるように、UE106は、種々の目的のための部分を含む、システムオンチップ(SOC)300を含んでもよい。例えば、図示されるように、SOC300は、UE106のためのプログラム命令を実行するプロセッサ(単数又は複数)302と、図形処理を実行し、ディスプレイ340に表示信号を提供する表示回路機構304とを含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)302はメモリ管理ユニット(memory management unit、MMU)340に結合されてもよい。MMU340は、プロセッサ(単数又は複数)302からアドレスを受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ306、リードオンリーメモリ(ROM)350、NANDフラッシュメモリ310)内の位置に変換し、並びに/又は表示回路304、無線機330、コネクタI/F320、及び/若しくはディスプレイ340等の、その他の回路又はデバイスに変換するように構成されてもよい。MMU340は、メモリ保護及びページテーブル変換又はセットアップを実行するように構成することができる。いくつかの実装形態では、MMU340はプロセッサ(単数又は複数)302の一部として含まれてもよい。
【0040】
図示の実施形態では、ROM350は、起動又は初期化時にプロセッサ(複数可)302によって実行され得るブートローダを含んでもよい。更に、SOC300はUE106のさまざまな他の回路に結合されてもよい。例えば、UE106は、(例えば、NANDフラッシュ310を含む)さまざまな種類のメモリ、(例えば、外部コンピュータシステムに結合するための)コネクタインタフェース320、ディスプレイ340、及び(例えば、UMTS、LTE、CDMA2000、Bluetooth、WiFi、GNSS、GPS等などの通信規格による通信のための)無線通信回路機構を含んでもよい。
【0041】
UEデバイス106は、基地局及び/又は他のデバイスとの無線通信を実行するために、少なくとも1つのアンテナ、及びいくつかの実装形態では、複数のアンテナを含んでもよい。例えば、UEデバイス106は、アンテナ335を使用して無線通信を実行することができる。上述の通り、いくつかの実施形態では、UEは複数の無線通信規格を用いて無線通信するように構成されてもよい。
【0042】
本明細書に記載されているように、UE106は、本明細書にさまざまに記載されているように1つのセルから別のものを再選択するための方法を実行するためのハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを含んでもよい。
図5及び付随の説明はこのような方法の1つに関する。
【0043】
UEデバイス106のプロセッサ302は、例えば、メモリ媒体(例えば、不揮発性コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載される方法の一部又は全部を実行するように構成され得る。他の実施形態では、プロセッサ302は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のプログラム可能なハードウェア要素として、又はASIC(特定用途向け集積回路)として構成され得る。
【0044】
図5−セル再選択を効率的に実行するための方法
ユーザ機器(例えば、ユーザ機器106)を動作させるための方法500は、
図5に示されるように実行されてもよい。(更に、方法500は、上述の特徴、要素及び実施形態の任意のサブセットを含んでもよい。)方法500は、1つのセルから別のものを効率的に再選択するために用いることができる。特に、方法500は、第1の無線通信規格に従う無線通信のために構成された第1のセルから、第2の無線通信規格に従う無線通信のために構成された第2のセルを再選択するために用いることができる。第2の無線通信規格は、第1の無線通信規格よりも高いデータレートにおける(UEと基地局との間の)パケット交換データの転送を必要とすることができるため、このような第2のセルが利用可能である時には、それへ切り替わることが有利となる場合がある。第2のセルは、第2の無線通信規格に従う通信のために構成されているため、それはそのより高いデータレートにおけるパケット交換データの転送をサポートすることになる。
【0045】
505に指示されているように、第1の無線通信規格に従って無線通信するように構成された第1の基地局上にキャンプしている間に、ユーザ機器(例えば、ユーザ機器のプロセッサ)は、以下に説明されているように、動作510〜530を含む一連の動作を実行してもよい。第1の無線通信規格はUMTS規格であってもよい。しかし、他の実装形態では、第1の無線通信規格は何らかの他の規格、例えば、GSM又はCDMAであってもよい。
【0046】
510では、ユーザ機器(UE)は、第2の無線通信規格に従って無線通信するように構成された第2の基地局を探知するための探索手順を開始してもよい。探索手順は、例えば、周波数のうちの1つにおいて相当な信号エネルギー、すなわち、基地局伝送によるエネルギーを探知するために、UEの無線周波数受信機の局部発振器信号を周波数帯域(単数又は複数)内の連続する周波数に同調させることによって、第2の無線通信規格に関連付けられた周波数帯域(単数又は複数)をステッピング又はスキャンすることを含んでもよい。第2の基地局によって伝送された信号を取得することに応じて、UEは、第2の基地局の物理セルアイデンティティを特定するために、信号を復調する。いくつかの実施形態では、復調は、例えば、DSPチップ内及び/又はプログラム可能なハードウェア要素内の、専用の信号処理回路機構によって実行されてもよい。
【0047】
ユーザ機器は第2の基地局の信号強度の測定を行うように構成されてもよい。測定は、第2の基地局から受信された信号のデジタル化されたサンプルに基づいてもよい。測定は、例えば、受信信号強度及び/又は参照信号受信電力の測定であってもよい。受信信号データからこのような測定値を計算するための機構は無線通信の技術分野において周知である。
【0048】
515では、ユーザ機器は、第2の基地局の信号強度の現在の測定値は閾値よりも強いと判定することに応じて、第2の基地局のための再選択タイマ(例えば、上述した通りのT_reselectionタイマ)を始動してもよい。閾値はネットワークによって1つ以上のシステム情報メッセージを通じて信号で伝えられてもよい。
【0049】
520に指示されるように、データ転送を実行せよとの要求を受信すること(又はデータ転送を指示する信号を受信すること)に応じて、ユーザ機器は、再選択タイマの残りの時間の値を少なくとも含む情報を保存し、第1の基地局を利用して第1の無線通信規格に従ってデータ転送を実行してもよい。情報はユーザ機器のメモリ内に保存されてもよい。要求は、UEにデータのための無線ベアラを割り当てる基地局からの無線ベアラ(RB)設定の要求又は再構成要求であってもよい(又はそれを含んでもよい)。
【0050】
いくつかの実施形態では、保存される情報はまた信号強度の現在の測定(例えば、ステップ515の判定において用いられた測定)、及び/又は現在の測定に先立つ1つ以上前の信号強度の1つ以上の測定を含んでもよい。
【0051】
525に指示されるように、データ転送を完了した後に非アクティブプロトコル状態へ遷移することに応じて、ユーザ機器は第2の基地局の信号強度の追加の測定を実行し、第2の基地局は1つ以上の再選択基準を満たすかどうかを判定してもよい。1つ以上の再選択基準は、追加の測定、及び再選択タイマの保存された残りの時間の値に少なくとも基づいてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の再選択基準は、保存された測定、追加の測定、及び再選択タイマの保存された残りの時間の値に基づいてもよい。
【0052】
非アクティブプロトコル状態とは、現在転送する必要があるデータは存在しないことを指示する状態である。例えば、非アクティブプロトコル状態は、ユーザ機器の通信コントローラがページングチャネル(例えば、UMTSページングチャネル)上に留まっている状態であってもよい。
【0053】
530に指示されるように、第2の基地局は1つ以上の再選択基準を満たすと判定することに応じて、ユーザ機器は、第2の無線通信規格に従う第2の基地局を利用するデータ転送を可能にするために、第2の基地局を再選択してもよい。第2の基地局を再選択するアクションは、無線周波数受信機を第1の基地局から第2の基地局へ再同調させ、登録されたサービスの再開を実行することを含んでもよい。(UEは、第2の通信規格上のセルを再選択し、次に、そのセルに関するシステム情報を読み取り、その後に、それが第1の通信規格上で登録した全てのPSサービス及びCSサービスのための更新要求をネットワークに送信してもよい。)
データが、(例えば、ユーザ機器上で実行するソフトウェアアプリケーションから)転送のために利用可能になると、ユーザ機器はデータを、第2の無線通信規格を用いる第2の基地局へ転送してもよい。
【0054】
いくつかの実装形態では、第2の無線通信規格はLTE又は任意の優先度の高い無線アクセス技術である。
【0055】
いくつかの実施形態では、第2の無線通信規格は、現在のネットワークよりも高い優先度を有するように構成されたフェムトセル(例えば、UMTSフェムトセル又はLTEフェムトセル又はCDMA−EVDOフェムトセル)に対応してもよい。
【0056】
第2の基地局は1つ以上の再選択基準を満たせない場合があることもあり得る。(第2の基地局が基準のうちのちのいずれかを満たせない場合には、第2の基地局の再選択は無効にされてもよい。)第2の基地局は1つ以上の再選択基準を満たさないと判定することに応じて、ユーザ機器は、第2の無線通信規格に従って無線通信するように構成された別の基地局を探知するための探索手順を開始してもよい(例えば、動作510へ戻る)。
【0057】
いくつかの実施形態では、1つ以上の再選択基準は、追加の測定(又は少なくとも追加の測定)は電力閾値、例えば、再選択タイマの始動を決定するために動作515において用いられる閾値と同じか又はそれに近い閾値、よりも大きいという基準を含んでもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、1つ以上の再選択基準は、追加の測定と1つ以上の保存された測定(すなわち、動作520の保存された情報内に含まれている測定)は電力閾値よりも大きいという基準を含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つ以上の再選択基準は、追加の測定と1つ以上の保存された測定(すなわち、動作520の保存された情報内に含まれている測定)の平均は電力閾値よりも大きいという基準を含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、1つ以上の再選択基準は、Srxlev(3GPP規格36.133及び25.304で定義)はThreshx_high(3GPP規格36.133で定義)よりも大きいという基準を含んでもよい。値Threshx_highはネットワークによって構成される。Srvlevは再選択のためのセルの適切性の程度の尺度である。
【0061】
いくつかの実施形態では、1つ以上の再選択基準は、上述のデータ転送の測定された所要時間は、保存された残りの時間の値以上になるという基準を含んでもよい。(この所要時間の測定及びその他の計時機能を容易にするために、UEは専用のクロック及び計時回路機構を含んでもよい。データ転送の所要時間は、例えば、データ転送の前及び後のクロックの値を保存し、その後、2つの値の差を計算することによって求められてもよい。)測定されたデータ転送所要時間はしばしば、保存された残りの時間の値よりも大きくなる。
【0062】
測定されたデータ転送所要時間が、保存された残りの時間の値よりも小さい場合には、UEは第2の基地局の再選択を中止してもよい。1つの代替実施形態では、測定されたデータ転送所要時間が、保存された残りの時間の値よりも小さい場合には、UEは、保存された残りの時間の値から、測定されたデータ転送所要時間を減じて結果値を得て、その結果値を用いて再選択タイマを再始動してもよい。その後、UEは、第2の基地局を再選択する前に再選択タイマが切れるまで待機してもよい。
【0063】
UMTSからLTEの再選択のための機構
いくつかの実装形態では、ユーザ機器(UE)は以下のようにUMTSからLTEを再選択してもよい。これらの実装形態のうちのいずれも上述の特徴、要素及び実施形態の任意のサブセットを含んでもよい。
【0064】
(1)UEはPCH内にあり、再選択基準を満足する強いLTEセルを発見し、T_reselectionがバックグラウンドで走っている。再選択基準は、例えば、3GPP規格25.304及び36.133において指定された再選択基準を含んでもよい。
【0065】
(2)UEが、データを送信するか又はUMTSにおけるデータのための無線ベアラ(RB)設定を受信する必要がある時、UEは、(a)LTEセルに関して行われた以前の測定結果(若しくは結果群)、並びに(b)T reselectionタイマの現在の値を保存してもよい。
【0066】
更に、UEは必要なパケット交換手順及び/又はデータ手順をUMTS上で実行する。例えば、パケット交換手順は、ルーティングエリア更新メッセージを送信すること及び/又はデータ転送のためのサービス要求を送信することを含んでもよいであろう。
【0067】
(3)その後、UEが(Wセル上の)PCHへ帰ると、UEは、以前に測定したLTEセルに関する測定を行い、再選択基準を評価し、LTEセルが再選択基準を満足する場合には、直ちにLTEセルのセル再選択を実行する。(用語「Wセル」は、基地局によって管制される3つ以上のセクタのうちの1つに対応するプライマリスクランブリングコードを意味し、「UMTSセル」の同義語として用いられる。)
(4)UEが、以前に測定されたLTEセルは再選択基準に不合格であると判定した場合には、このとき、UEはLTE探知探索をトリガする。いくつかの実施形態では、LTE探知探索は、3GPP規格36.133に準拠したLTE探知探索であってもよい。
【0068】
図6:UMTSからLTEのセル再選択の図表例
図6は、UMTSからLTEのセル再選択のための上述の方法の図表例を示す。UEは、最初に、UMTSセル上にキャンプしていると仮定される。UMTSセルは「セルA」又は「UMTSセルA」と呼ばれる。
【0069】
610では、UEはUMTS−PCH状態にある。
【0070】
611では、UEは、例えば、上述したように、LTE探知探索を実行する。LTE探知探索の結果、LTEセルが探知される。LTEセルは、それをUMTSセルAと区別するために、「セルB」又は「LTEセルB」と呼ばれる。
【0071】
612では、UEはLTEセルBの信号強度(例えば、RSRP)の第1の測定を行う。LTEセルBのRSRPは、LTEセルBの再選択を検討するには小さすぎる、すなわち、所定の閾値よりも小さいと想定する。
【0072】
時間の経過後、例えば、ある数のDRXサイクルの後に、UEはLTEセルBの信号強度の第2の測定613を行う。第2の測定は、再選択を検討するために十分大きい(すなわち、所定の閾値よりも大きい)と判定することに応じて、UEはLTEセルBのためのT_reselectionタイマ614を始動する。
【0073】
615では、伝送する必要があるデータが(例えば、UE上で実行するソフトウェアアプリケーションから)到来し、そのため、T_reselectionタイマの現在の値がメモリ内に保存され、UEは、UMTS規格に従ってデータを伝送するために、DCHチャネルへ移動する。UEがデータの伝送を完了すると、UEはUMTS−PCH状態616へ戻る。(データ転送の前にタイマ値が保存され、転送が完了した後に現在の時間が再チェックされるため、T_reselectionタイマは、データ転送の最中に間接的な意味で走り続けていると解釈されてもよい。差が計算され、必要とされるT_reselection時間に加算されてもよい。)
UMTS−PCH状態に入ることに応じて、UEは、LTEセルBのPCIに関するLTE再取得探索617を開始してもよい。(PCIは物理セルインジケータの略語である。)再取得探索は、再選択基準が満たされるまでLTEセルBのPCIに関する1つ以上の測定(測定617Mなど)を行うこと、及び例えば、UMTSが必要とするタイマのうちのいずれも走らせずに、LTEセルBを直ちに再選択することを含む。618に再選択ステップが示される。
【0074】
本明細書に記載されている種々の実施形態のうちのいずれも、種々の形態のうちのいずれかで実現されてもよく、例えば、コンピュータにより実行される方法として、コンピュータ可読メモリ媒体として、コンピュータシステムとして、又はシステムとして実現されてもよい。システムは、ASICなどの1つ以上の特別設計されたハードウェアデバイスによって、FPGAなどの1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素によって、記憶されたプログラム命令を実行する1つ以上のプロセッサによって、又は上述のものの任意の組み合わせによって実現されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、永続的コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されてもよく、プログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに、本方法を、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれか、又は、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組合せ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組合せを実行させる。
【0076】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム700は、例えば、
図7に示されるように、プロセッサ(又はプロセッサのセット)710及びメモリ715を含むように構成されてもよい。メモリはプログラム命令を記憶する。プロセッサは、メモリからプログラム命令を読み込んで実行するように構成される。プログラム命令は、本明細書に記載されている種々の方法の実施形態のうちのいずれか(又は本明細書に記載されている方法の実施形態の任意の組み合わせ、又は本明細書に記載されている方法の実施形態のうちのうちのいずれかの任意のサブセット、又はこのようなサブセットの任意の組み合わせ)を実施するために実行可能である。コンピュータシステムは、種々の形態のうちのいずれかで実現され得る。例えば、コンピュータシステムは、パーソナルコンピュータ(その種々の具体例のうちのいずれか)、ワークステーション、カード上のコンピュータ、ボックス中の特定用途向けコンピュータ、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、タブレットコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末、メディアプレーヤ、ウェアラブルコンピュータなどであり得る。
【0077】
コンピュータシステム700はまたアンテナサブシステム722を含んでもよい。アンテナサブシステム722は、例えば、以上にさまざまに説明されているように、無線通信信号を伝送及び受信するように構成される、1つ以上のアンテナを含む。コンピュータシステム700はまた、ディスプレイ(例えば、タッチ感知ディスプレイ)を含むユーザインタフェース715を含んでもよい。ユーザインタフェース715はまた、1つ以上のボタン、1つ以上のマイクロフォン、1つ以上のスピーカ、1つ以上の加速度計等などの1つ以上のインタフェース機器を含んでもよい。
【0078】
上述の実施形態はかなり詳細に説明されているが、上述の開示が完全に理解されれば、当業者には数多くの変形及び変更が明らかになるであろう。添付の請求項はこのような変形及び変更を全て包含するように解釈されることが意図されている。