特許第5963986号(P5963986)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5963986泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤および泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5963986
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤および泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20160721BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20160721BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20160721BHJP
   A63C 19/06 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   C09D201/00
   C09D7/12
   C09D5/00 Z
   A63C19/06 Z
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-36529(P2016-36529)
(22)【出願日】2016年2月29日
【審査請求日】2016年2月29日
(31)【優先権主張番号】特願2015-199859(P2015-199859)
(32)【優先日】2015年10月8日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503324047
【氏名又は名称】株式会社クイックレスポンス
(74)【代理人】
【識別番号】100136560
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】小山 達也
(72)【発明者】
【氏名】金丸 竹治
【審査官】 牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0148741(US,A1)
【文献】 特開平01−178597(JP,A)
【文献】 特開平08−003585(JP,A)
【文献】 特表2003−528968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00〜201/10
A63C 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アシルアミノ酸塩と、(B)アルキルポリグルコシドとを含有し、
前記(A)アシルアミノ酸塩0.001〜10質量%と、前記(B)アルキルポリグルコシド0.001〜10質量%とを含有することを特徴とする泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤。
【請求項2】
前記(A)アシルアミノ酸塩が、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸グルタミン酸アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸トレオニンカリウム、ヤシ油脂肪酸トレオニントリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸トレオニンアンモニウム、ヤシ油脂肪酸トレオニンナトリウム、ラウロイルトレオニンナトリウム、ラウロイルトレオニントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸グリシンカリウム、ヤシ油脂肪酸グリシンナトリウム、パーム核油脂肪酸グリシンアンモニウム、ラウロイルグリシンナトリウム、ラウロイルグリシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸セリンカリウム、ヤシ油脂肪酸セリントリエタノールアミン、ラウロイルセリンナトリウム、ラウロイルセリントリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸セリンアンモニウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸トリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸アスパラギン酸アンモニウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムおよびラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミンよりなる群から選ばれる一種以上である請求項1記載の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤。
【請求項3】
前記(B)アルキルポリグルコシドが、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシドおよびココイルグルコシドよりなる群から選ばれる一種以上である請求項1または2記載の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項記載の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤と、噴射剤を有し、前記噴射剤で前記泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤を噴射することを特徴とする泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤および泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤に関し、特に、芝への安全性が高く、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができる泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤および泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オリンピックやワールドカップサッカー等の世界的なスポーツイベントが注目を集め、その影響もあって、各地に天然芝や人工芝を使った競技場が増えてきている。かかる競技場では、サッカー、ラグビーや野球等の種々のスポーツが行われているが、スポーツの種類によってルールが異なるため、ルールにあわせてラインが引かれていた。特に、従来は、石灰を用いてラインが引かれていた。しかしながら、石灰は、的確なラインの消去方法がなく、さらに強アルカリのため人体への影響や芝への影響の問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1には、着色顔料と、樹脂バインダーと、溶媒とからなり、顔料容積率(PVC)が80〜90%で、着色顔料が1次粒子として均質に分散していて、樹脂バインダーは、そのガラス転移温度(Tg)が10〜50℃で、組成物中における着色顔料の濃度が50〜60重量%の液状組成物である芝舗装面用ライン・マーキング材が開示され、特許文献2には、ケン化度が90モル%以上のポリビニルアルコール(A)、平均粒子径が0.5〜10μmである脂肪酸処理重質炭酸カルシウム(B)、顔料(C)及び水からなり(B)/(A)の重量比が1〜9の範囲であり、(B)+(C)/(A)+(B)+(C)の容積率が40〜90容積%の範囲である易洗浄性芝用マーキング剤が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、水溶性アクリル樹脂を固着剤として用いる芝用着色剤組成物が開示され、特許文献4には、発泡促進剤としてエトキシル化ひまし油10〜30重量%、発泡調整剤としてココアミドプロピルベタイン0.1〜0.5重量%、及び少なくとも一種の噴射剤を含む発泡組成物をスポーツのコート又はフィールドのある位置上にスプレーする工程を含むスポーツにおける規定距離の一時的境界設定方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4011982号公報
【特許文献2】特許第5191858号公報
【特許文献3】特開平09−272818号公報
【特許文献4】特許第5128746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術は、簡単にラインの消去はできるものの、芝への影響を解決できるものではなかった。また、特許文献2記載の技術は、少しの雨ではラインが消えることなく鮮明性を保持でき、該ラインの消去が水洗浄のみで簡単にできるものの、天然芝への安全性は十分なものではなかった。
【0007】
さらに、特許文献3記載の技術は、芝に対する固着性、耐水性には効果があったが、天然芝への安全性は十分なものではなかった。また、特許文献4記載の技術は、簡易にラインを形成してマーキングできるものの、天然芝への安全性は十分なものではなかった。
【0008】
そこで本発明の目的は、前記の従来技術の問題を解決し、芝への安全性が高く、競技場の芝に簡易にラインを引くことができる泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤および泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の界面活性剤を組合せることによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤は、(A)アシルアミノ酸塩と、(B)アルキルポリグルコシドとを含有し、前記(A)アシルアミノ酸塩0.001〜10質量%と、前記(B)アルキルポリグルコシド0.001〜10質量%とを含有することを特徴とするものである。
【0012】
さらに、本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤は、前記(A)アシルアミノ酸塩が、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸グルタミン酸アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸トレオニンカリウム、ヤシ油脂肪酸トレオニントリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸トレオニンアンモニウム、ヤシ油脂肪酸トレオニンナトリウム、ラウロイルトレオニンナトリウム、ラウロイルトレオニントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸グリシンカリウム、ヤシ油脂肪酸グリシンナトリウム、パーム核油脂肪酸グリシンアンモニウム、ラウロイルグリシンナトリウム、ラウロイルグリシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸セリンカリウム、ヤシ油脂肪酸セリントリエタノールアミン、ラウロイルセリンナトリウム、ラウロイルセリントリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸セリンアンモニウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸トリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸アスパラギン酸アンモニウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムおよびラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミンよりなる群から選ばれる一種以上であることが好ましく、前記(B)アルキルポリグルコシドが、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシドおよびココイルグルコシドよりなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
【0013】
本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤は、前記泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤と、噴射剤を有し、前記噴射剤で、前記泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤を噴射することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、芝への安全性が高く、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができる泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤および泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】「芝を用いた薬害試験」の処理直後の芝状態を示す図である。
図2】「芝を用いた薬害試験」の2日後の芝状態を示す図である。
図3】「芝を用いた薬害試験」の6日後の芝状態を示す図である。
図4】「芝を用いた薬害試験」の9日後の芝状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤および泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤ついて具体的に説明する。
本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤は、(A)アシルアミノ酸塩と、(B)アルキルポリグルコシドとを含有し、前記(A)アシルアミノ酸塩0.001〜10質量%と、前記(B)アルキルポリグルコシド0.001〜10質量%とを含有することを特徴とするものである。これにより、芝への安全性が高く、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができるフィールド用マーキング剤を提供することができる。また、特に、顔料等を有することなく泡でラインを引くことができるため、ラインを引いた後に短時間でラインが消失し、さらに安全性もより高くなっている。ここで、「短時間」とは、泡の消失によりラインが消失するまでの時間で、例えば、サッカーのフリーキックの際のライン作製では、5〜10分間くらいの消失時間である。なお、本発明において、「フィールド用」とは、主として、スポーツ等の行われるフィールド用、スポーツフィールド用、競技場用などを示しているが、これらに限定されるものではない。また、芝に対して安全性が高いことから人体などへの安全性も高く、芝以外のフィールドなどにも使用できるものである。
【0017】
さらにまた、本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤は、前記(A)アシルアミノ酸塩0.001〜10質量%と、前記(B)アルキルポリグルコシド0.001〜10質量%とを含有することが好ましく、前記(A)アシルアミノ酸塩0.01〜3質量%と、前記(B)アルキルポリグルコシド0.01〜3質量%とを含有することがより好ましく、前記(A)アシルアミノ酸塩0.03〜1質量%と、前記(B)アルキルポリグルコシド0.03〜1質量%とを含有することが、さらにより好ましい。前記(A)アシルアミノ酸塩と前記(B)アルキルポリグルコシドとを含有していても芝への安全性はかなり高いが、上記範囲とすることで、より安全性を高め、さらに競技場の芝にマーキングしたラインの消失速度を早くすることができる。
【0018】
また、本発明において、前記(A)アシルアミノ酸塩としては、本発明の効果が得られれば限定されないが、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸グルタミン酸アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸トレオニンカリウム、ヤシ油脂肪酸トレオニントリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸トレオニンアンモニウム、ヤシ油脂肪酸トレオニンナトリウム、ラウロイルトレオニンナトリウム、ラウロイルトレオニントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸グリシンカリウム、ヤシ油脂肪酸グリシンナトリウム、パーム核油脂肪酸グリシンアンモニウム、ラウロイルグリシンナトリウム、ラウロイルグリシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸セリンカリウム、ヤシ油脂肪酸セリントリエタノールアミン、ラウロイルセリンナトリウム、ラウロイルセリントリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸セリンアンモニウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸トリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸アスパラギン酸アンモニウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムおよびラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミンよりなる群から選ばれる一種以上であることが好ましく、特に、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸グリシンカリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウムであることが好ましい。これにより、人体への安全性をより高めることができる。
【0019】
かかる(A)アシルアミノ酸塩としては、例えば、日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL アラニネート LN−30(商品名)、NIKKOL サルコシネート CN−30(商品名)、NIKKOL サルコシネート LH(商品名)、NIKKOL サルコシネート LN(商品名)、NIKKOL サルコシネート LN−30(商品名)、NIKKOL サルコシネート MN(商品名)、NIKKOL サルコシネート OH(商品名)、NIKKOL サルコシネート PN(商品名)、味の素株式会社製のアミライトGCK−12K(商品名)、アミライトGCS−12K(商品名)、アミライトET−CS−12(商品名)等のアミライトシリーズ、アミソフトLS−11(商品名)、アミソフトLT−12(商品名)、アミソフトCK−11(商品名)等のアミソフトシリーズ等を挙げることができる。
【0020】
また、本発明において、前記(B)アルキルポリグルコシド(アルキルグルコシド)としては、本発明の効果が得られれば限定されないが、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシドおよびココイルグルコシドよりなる群から選ばれる一種以上であることが好ましく、特に、ラウリルグルコシドであることが好ましい。これにより、人体への安全性をより高めることができる。
【0021】
かかる(B)アルキルポリグルコシドとしては、例えば、花王株式会社製のマイドール10(商品名)、マイドール12(商品名)、BASF社製のプランタケア2000UP(商品名)、プランタケア1200UP(商品名)、プランタケア818UP(商品名)、プランタケア800UP(商品名)等のプランタケアシリーズ等を挙げることができる。
【0022】
本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤は、前記泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤と、噴射剤を有し、前記噴射剤で、前記泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤を噴射することを特徴とするものである。これにより、芝への安全性が高く、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができる泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤を提供することができる。また、前記噴射剤により前記泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤をより発泡させてラインを引くため、ラインを引いた後により効果的に短時間でラインを消失することができる。
【0023】
本発明において、前記噴射剤としては、本発明の効果が得られれば限定されないが、例えば、炭酸ジアルキル、LPG(液化石油ガス)、炭酸ガス等を挙げることができるが、環境等を考慮して、LPGであることが好ましい。
【0024】
また、本発明において、エアゾール中の噴射剤と前記泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤の割合は、前記泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤を噴射できれば限定されないが、泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤中、5.0〜30.0質量%であることが好ましく、10.0〜20.0質量%であることがより好ましい。かかる範囲とすることで、本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤の芝への噴射を効率よく行うことができ、より容易にマーキングすることができる。
【0025】
さらに、本発明の泡でラインを引く芝のフィールド用マーキング剤および泡でラインを引く芝のフィールド用マーキングエアゾール剤は、特に、芝に適用されるものであり、芝の種類は限定されないが、競技場でよく使用される芝であることが好ましく、野芝、高麗芝、姫高麗芝等の日本芝、バーミューダグラス類、ティフトン類、ウィーブングラブグラス、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、レイグラス類等の西洋芝を挙げることができ、中でもバーミューダグラス類が特に好ましい。
【0026】
また、本発明において、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を添加することもできる。質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、フィールド用マーキング剤等に通常配合される成分、例えば、油性成分、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、各種ビタミン剤、キレート剤、着色剤、紫外線吸収剤、薬効成分、無機塩類等を配合することができる。ただし、顔料等は添加することは可能であるが、使用後もラインが消えにくく、芝への安全性も損ねるため、添加することは好ましくない。
【0027】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、処方中の配合量は「質量%」を示す。
【実施例】
【0028】
(実施例1、比較例1および2)
下記表1記載の処方に従ってフィールド用マーキング剤を作製し、該フィールド用マーキング剤87.9質量%に対し、LPGを12.1質量%加えて、実施例1のフィールド用マーキングエアゾール剤を作製した。得られたフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、下記「芝を用いた薬害試験」を実施した。また、比較例1として、無噴射、比較例2として、市販品のフィールド用マーキングエアゾール剤(雑貨で、成分表記は、水、界面活性剤、尿素、LPガスである)を使用した。なお、以下、表中において、「NIKKOL サルコシネート CN−30(商品名)」は日光ケミカルズ株式会社製でヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウムの30%液であり、「マイドール12(商品名)」は花王株式会社製でラウリルグルコシドの40%液である。
【0029】
【表1】
【0030】
(芝を用いた薬害試験)
試験機関:公益財団法人日本植物調節剤研究協会
試験場所:埼玉スタジアム2002 第3グラウンド
試験期間:平成27年8月19日〜平成27年9月9日
芝品種:改良バーミューダグラス
栽植様式:張り芝
造成植付年:2002年10月
試験規模:1区 m(1.5m×2m)、2反復
芝への噴射量:実施例1の噴射量は2秒/m、実施例1の3倍噴射量は6秒/m、比較例2の噴射量は1秒/m
使用量の算出:試験前と試験後の質量を測定し、その差をもって試験とし、0.01g以下を四捨五入し、0.1g単位で求める
評価:外観の変化の程度を「公益財団法人 日本植物調節剤研究協会 芝 本成績・概要カード記入要項の薬害程度の項」を準用して、下記基準で評価した。
「無」:薬害がない状態
「微」:僅かに薬害が認められるが、生育への影響はなく、実用的に全く問題とならない状態
「小」:やや強い薬害の症状が見られるが回復し実用上許容できる状態
【0031】
「芝を用いた薬害試験」の結果を下記表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
図1は、「芝を用いた薬害試験」の処理直後の芝状態を示す図、図2は、「芝を用いた薬害試験」の2日後の芝状態を示す図、図3は、「芝を用いた薬害試験」の6日後の芝状態を示す図、図4は、「芝を用いた薬害試験」の9日後の芝状態を示す図である。図1〜4中、1が実施例1の標準量、2が実施例1の3倍量、3が比較例2の参考品の標準量、付番の無い部分が比較例1の無噴射である。図1〜4および表2の結果から、実施例1のフィールド用マーキングエアゾール剤は、1日後〜4日後までが「微」で、6日後以降は薬害が見られず、また3倍量噴射した場合でも、9日後には薬害が見られず、芝への安全性が極めて高いものであった。一方、比較例2は、9日後には薬害が見られないが、2日後〜6日後では、芝への薬害が少し見られ、実施例1のフィールド用マーキングエアゾール剤と比較して、安全性は低いものであった。また、実施例1のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができ、ラインを引いた後に約8分の短時間でラインが消失した。
【0034】
(実施例2および3)
下記表3記載の処方に従ってフィールド用マーキング剤を作製し、該フィールド用マーキング剤87.9質量%に対し、LPGを12.1質量%加えて、実施例2および3のフィールド用マーキングエアゾール剤を作製した。
【0035】
【表3】
【0036】
得られた実施例2および実施例3のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、芝に使用したところ、実施例1のフィールド用マーキングエアゾール剤と同様に、芝への安全性が極めて高いものであった。また、実施例2および実施例3のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができ、ラインを引いた後に短時間でラインが消失した。
【0037】
(実施例4、比較例3および4)
下記表4記載の処方に従ってフィールド用マーキング剤を作製し、該フィールド用マーキング剤87.9質量%に対し、LPGを12.1質量%加えて、実施例4のフィールド用マーキングエアゾール剤を作製した。得られたフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、下記「生育障害に関する栽培試験」を実施した。また、比較例3として、無噴射、比較例4として、比較例2と同じ市販品のフィールド用マーキングエアゾール剤(雑貨で、成分表記は、水、界面活性剤、尿素、LPガスである)を使用した。
【0038】
【表4】
【0039】
(生育障害に関する栽培試験)
試験機関として、公益財団法人日本肥糧検定協会で、「生育障害に関する栽培試験」を行った。また、「生育障害に関する栽培試験」は、昭和59年4月18日付59農蚕第1943号農林水産省農蚕園芸局長通知「植物に対する害に関する栽培試験の方法」に準じて行った。
供試作物として「こまつな」を使用し、供試土壌は下記表5の土壌を使用した。「こまつな」への噴射量は、実施例4および比較例4は、3g噴射し、比較例3は無噴射とした。
【0040】
【表5】
【0041】
「生育障害に関する栽培試験」の結果を下記表6に示す。
【0042】
【表6】
【0043】
表6の結果から、実施例4のフィールド用マーキングエアゾール剤は、子葉および本葉に僅かな変色が認められたが、軽微であり植物の生育量(草丈ならびに生体重)は比較例3の無噴射と同じであった。一方、比較例4のフィールド用マーキングエアゾール剤は、子葉および本葉のほとんどに黄褐色の変色が認められ、葉が一部枯死した。また、生育量(草丈ならびに生体重)は比較例3の無噴射と比較して小さくなった。従って、実施例4のフィールド用マーキングエアゾール剤は、植物への安全性がきわめて高かった。また、実施例4のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができ、ラインを引いた後に短時間でラインが消失した。
【0044】
(実施例5)
下記表7記載の処方に従ってフィールド用マーキング剤を作製し、該フィールド用マーキング剤87.9質量%に対し、LPGを12.1質量%加えて、実施例5のフィールド用マーキングエアゾール剤を作製した。
【0045】
【表7】
【0046】
(実施例6)
下記表8記載の処方に従ってフィールド用マーキング剤を作製し、該フィールド用マーキング剤81.0質量%に対し、LPGを19.0質量%加えて、実施例6のフィールド用マーキングエアゾール剤を作製した。
【0047】
【表8】
【0048】
得られた実施例5および実施例6のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、「こまつな」に使用したところ、実施例4のフィールド用マーキングエアゾール剤と同様に、「こまつな」への安全性が極めて高いものであった。また、実施例5および実施例6のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができ、ラインを引いた後に短時間でラインが消失した。
【0049】
(実施例7)
下記表9記載の処方に従ってフィールド用マーキング剤を作製し、該フィールド用マーキング剤81.0質量%に対し、LPGを19.0質量%加えて、実施例7のフィールド用マーキングエアゾール剤を作製した。なお、表9中において、「NIKKOL アラニネート LN−30(商品名)」は日光ケミカルズ株式会社製でラウロイルメチル−β−アラニンナトリウムの30%液である。
【0050】
【表9】
【0051】
得られた実施例7のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、「こまつな」に使用したところ、「こまつな」への安全性が極めて高いものであった。また、実施例7のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができ、ラインを引いた後に短時間でラインが消失した。
【0052】
(実施例8)
下記表10記載の処方に従ってフィールド用マーキング剤を作製し、該フィールド用マーキング剤81.0質量%に対し、LPGを19.0質量%加えて、実施例8のフィールド用マーキングエアゾール剤を作製した。なお、表10中において、「ソイポン M−30(商品名)」は川研ファインケミカル株式会社製でミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウムの30%液である。
【0053】
【表10】
【0054】
得られた実施例8のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、「こまつな」に使用したところ、「こまつな」への安全性が極めて高いものであった。また、実施例8のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができ、ラインを引いた後に短時間でラインが消失した。
【0055】
(実施例9)
下記表11記載の処方に従ってフィールド用マーキング剤を作製し、該フィールド用マーキング剤81.0質量%に対し、LPGを19.0質量%加えて、実施例9のフィールド用マーキングエアゾール剤を作製した。なお、表11中において、「アミライト GCK−12K(商品名)」は味の素株式会社製でヤシ油脂肪酸グリシンカリウムの30%液である。
【0056】
【表11】
【0057】
得られた実施例9のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、「こまつな」に使用したところ、「こまつな」への安全性が極めて高いものであった。また、実施例9のフィールド用マーキングエアゾール剤を使用して、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができ、ラインを引いた後に短時間でラインが消失した。
【要約】
【課題】芝への安全性が高く、競技場の芝に簡易にラインを引いてマーキングすることができるフィールド用マーキング剤およびフィールド用マーキングエアゾール剤を提供する。
【解決手段】(A)アシルアミノ酸塩と、(B)アルキルポリグルコシドとを含有するフィールド用マーキング剤である。また、フィールド用マーキング剤と、噴射剤を有し、噴射剤でフィールド用マーキング剤を噴射するフィールド用マーキングエアゾール剤である。(A)アシルアミノ酸塩0.001〜10質量%と、(B)アルキルポリグルコシド0.001〜10質量%とを含有することが好ましい。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4