(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964041
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】コンテナの扉ロック装置
(51)【国際特許分類】
E05B 83/10 20140101AFI20160721BHJP
E05C 7/02 20060101ALI20160721BHJP
E05C 9/08 20060101ALI20160721BHJP
B60J 5/10 20060101ALI20160721BHJP
E05B 63/14 20060101ALN20160721BHJP
【FI】
E05B83/10
E05C7/02 D
E05C9/08
B60J5/10 A
B60J5/10 H
!E05B63/14 C
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-267916(P2011-267916)
(22)【出願日】2011年12月7日
(65)【公開番号】特開2013-119735(P2013-119735A)
(43)【公開日】2013年6月17日
【審査請求日】2014年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】712004783
【氏名又は名称】株式会社総合車両製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】岡 成豊
(72)【発明者】
【氏名】岡田 明
【審査官】
佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭51−115200(JP,A)
【文献】
特開2006−97251(JP,A)
【文献】
実開平7−16873(JP,U)
【文献】
実開昭55−55557(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/00− 21/02
E05B 1/00− 85/28
B60J 5/00− 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観音扉が設けられたコンテナの扉ロック装置であって、
前記観音扉を構成する一対の扉の少なくとも一方に、回転自在に取り付けられたロックロッドと、該ロックロッドの端部に設けられ、該ロックロッドの回転位相に応じてコンテナ本体側に設けられた留め環に対し係合するカムと、該カムが前記留め環に係合するための回転位相に前記ロックロッドを保持するロックハンドルと、前記一対の扉を正規の閉扉状態に保持する閉扉保持具とを含み、
該閉扉保持具は、前記一対の扉の一方の端辺から他方の扉まで延びる留め板と、前記他方の扉に設けられたブラケットと、該ブラケットに対し着脱自在、かつ、該ブラケットに対する装着状態において、前記留め板を扉の外側方向から抑え付ける留めピンとを含み、
前記ロックロッドに、前記カムが前記留め環に対して非係合の状態で、前記ロックロッドの回転位相が、前記カムと前記留め環とが係合するための位置に保持されたとき、前記ブラケットに対する前記留めピンの装着を前記留め板が阻止する位置となるように、前記留め板を備える扉の開扉角度を矯正する矯正手段を設けたことを特徴とするコンテナの扉ロック装置。
【請求項2】
前記矯正手段は、前記カム及び前記留め環が互いに非係合の状態で、前記ロックロッドの回転位相が、前記ロックハンドルによって前記カムと前記留め環とが係合するための位置に保持されたとき、前記カムが前記留め環の外壁に当接して、前記ブラケットに対する前記閉扉保持具の留めピンの装着を前記留め板が阻止する位置へと矯正する形状に、前記カム及び前記留め環が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のコンテナの扉ロック装置。
【請求項3】
前記ロックロッドの回転位相が、前記カムと前記留め環とが係合するための位置に保持されたとき、前記カムの、前記留め環の外壁と対向する位置に、前記カム及び前記留め環の係合を許容する高さの、突起が設けられていることを特徴とする請求項2記載のコンテナ扉のロック装置。
【請求項4】
前記閉扉保持具のブラケットは、前記留め板を挟んで対向する位置に突出する一対の突起部と、該一対の突起部に形成された、前記留めピンを挿通する穴とを含み、かつ、少なくとも一方の突起部の穴に、前記留めピンの挿通方向へと延びるスリーブを有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のコンテナ扉のロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの扉ロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンテナの扉として、いわゆる観音開きのドア12、14が広く用いられている(
図1参照)。又、扉のロック装置として、扉に対し回転自在に取り付けられ、かつ、軸回りの回転位相を変化させることで、扉のロック、アンロックを行うロックロッドを備えたものが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
従来の扉ロック装置100は、
図7に示されるように、観音扉12を構成する一対の扉12A、12B(
図1参照)の一方又は双方に、上下方向に延びて回転自在に取り付けられたロックロッド16と、ロックロッド16の上下端部に設けられ、ロックロッド16の回転位相に応じてコンテナ本体側に設けられた留め環20に対し係合するカム18とを備えている。又、カム18が留め環20に係合するための回転位相にロックロッド16を保持するロックハンドル21を備えている。カム18と留め環20とは、扉12Aを不完全に閉じた状態で一部が接触し、ロックハンドル21を操作してロックロッド16を回転させる。すると、留め環20に対してカム18が完全に係合する状態へと引き込まれ、扉12Aを完全に閉じる(正規の閉扉状態とする)ことが可能となっている。なお、ロックハンドル21は、扉12Aに設けられた留め金であるハンドルキャッチ(
図1の符号23参照)に固定することで、ロックロッド16の回転位相を、留め環20に対してカム18が完全に係合する位置にて、固定することができるようになっている。
【0003】
又、扉ロック装置100は、
図8、
図9に示されるように、一対の扉12A(12B)を正規の閉扉状態に保持する閉扉保持具22を備えている。この閉扉保持具22は、一対の扉の一方12Aの中央寄りの端辺12Aaから他方の扉12Bまで延びる留め板24と、他方の扉12Bに設けられたブラケット26とを備えている。又、ブラケット26に対し着脱自在な留めピン28を備え、この留めピン28は、チェーン30によって留め板24に連結されている。ブラケット26は、留め板24を挟んで対向する位置に突出する一対の突起部26a、26bを備え、一対の突起部26a、26bに、留めピン28を挿通する穴26c、26dが形成されている。そして、ブラケット26に対する留めピン28の装着状態において、留めピン28により留め板24を扉12Aの外側方向から抑え付けることが可能となっている。又、
図8(a)、
図9(b)に示されるように、留め板24の先端部24aは、開扉方向へと起こされており、留め板24の先端部24aが、ブラケット26に装着された留めピン28に当接することで、扉12A、12Bの不用意な開放を、より確実に防いでいる。
なお、上記の例では、扉のロック、アンロック操作は手動で行われるが、扉ロック装置の操作を電気的に行う手法も発案されている(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−97251号公報
【特許文献2】特開平07−113364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の扉ロック装置100は、ロックロッド16のカム18と留め環20とが完全に係合していない状態でも、閉扉保持具22が機能してしまい、扉の開閉操作を行う作業者が、扉ロック装置100が正規のロック状態にあるとの誤認をしてしまうケースが報告されている。
具体的には、ロックロッド16のカム18と留め環20とが完全係合していない状態では、一対の扉12A、12Bが完全に閉扉状態とはならず、
図9(a)に示されるように、一対の扉12A、12Bは、若干開いた状態となる。このとき、
図9(b)に示されるように、一対の扉の一方12Aの端辺12Aaから他方の扉12Bまで延びる留め板24は、他方の扉12Bに設けられたブラケット26の、留めピン28を挿通する穴26c、26dに対して、扉の開放方向に外れた状態となる。
【0006】
しかしながら、一対の扉12A、12Bの、開扉角度の如何によっては、
図10(a)に示されるように、留めピン28がブラケット26の上方の突起部26aの穴26cに斜めに挿入されて、留め板24とブラケット26との間の空間をすり抜けてしまうことがある。又、
図10(b)に示されるように、留めピン28がブラケット26の下方の突起部26bの穴26dを外れ、斜めに傾斜した状態でブラケット26に対して装着されてしまう場合もある。更には、
図10(c)に示されるように、留めピン28が留め板24とブラケット26との間の空間をすり抜けて、ブラケット26の上下の突起部26a、26bの穴26c、26dに挿通された状態で、傾斜することなくブラケット26に対して装着されてしまう場合もある。
【0007】
しかも、カム18が留め環20に係合しているか否かと無関係に、ロックハンドル21を操作して、ロックロッド16を回転させることが可能であり、ロックハンドル21がロック位置へと回転されることで、一見、扉ロック装置100が正規のロック状態にあると誤認されてしまうこととなる。このような場合でも、閉扉保持具22によって、一対の扉12A、12Bが不用意に開放してしまうことは回避される。しかしながら、閉扉保持具22に無理な力が加わることで、閉扉保持具22の破損に至る虞もあることから、従来より、扉ロック装置100のロック作業が確実に行われていることの確認作業を、厳重に行って対応している。
【0008】
一方、扉ロック装置の操作を電気的に行うものでは、扉ロック装置によるロック状態が不完全であることをセンサにより検知することも可能であるが、他方、装置の複雑化を招き、電源の確保も必要となる等の問題が生じることとなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、扉ロック装置の構成の複雑化を招くことなく、扉ロック装置による扉のロックを、より確実に行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。又、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0010】
(1)観音扉が設けられたコンテナの扉ロック装置であって、前記観音扉を構成する一対の扉の少なくとも一方に、回転自在に取り付けられたロックロッドと、該ロックロッドの端部に設けられ、該ロックロッドの回転位相に応じてコンテナ本体側に設けられた留め環に対し係合するカムと、該カムが前記留め環に係合するための回転位相に前記ロックロッドを保持するロックハンドルと、前記一対の扉を正規の閉扉状態に保持する閉扉保持具とを含み、
該閉扉保持具は、前記一対の扉の一方の端辺から他方の扉まで延びる留め板と、前記他方の扉に設けられたブラケットと、該ブラケットに対し着脱自在、かつ、該ブラケットに対する装着状態において、前記留め板を扉の外側方向から抑え付ける留めピンとを含み、
前記ロックロッドに、前記カムが前記留め環に対して非係合の状態で、前記ロックロッドの回転位相が、前記カムと前記留め環とが係合するための位置に保持されたとき、前記ブラケットに対する前記留めピンの装着を前記留め板が阻止する位置となるように、前記留め板を備える扉の開扉角度を矯正する矯正手段を設けたコンテナの扉ロック装置(請求項1)。
【0011】
本項に記載のコンテナの扉ロック装置は、観音扉を構成する一対の扉の少なくとも一方に、回転自在に取り付けられたロックロッドを、ロックハンドルを操作して回転させ、ロックロッドの端部に設けられたカムを、ロックロッドの回転位相に応じてコンテナ本体側に設けられた留め環に対し係合させることで、扉を閉扉状態にロックするものである。
又、一対の扉を正規の閉扉状態に保持する閉扉保持具を含み、この閉扉保持具を構成する、一対の扉の一方の端辺から他方の扉まで延びる留め板を、他方の扉に設けられたブラケットに対し装着した留めピンによって、扉の外側方向から抑え付けることで、閉扉状態にロックされた一対の扉を、閉扉状態に保持するものである。
【0012】
しかも、本項のコンテナの扉ロック装置は、留め板を備える扉の開扉角度を矯正する矯正手段を備えている。この矯正手段は、ロックロッドのカムが、留め環に対して非係合の状態で、ロックロッドの回転位相が、カムと留め環とが係合するための位置に保持されたとき、ロックロッドの回転位相に応じて、ブラケットに対する留めピンの装着を留め板が阻止する位置となるように、留め板を備える扉の開扉角度を矯正するものである。そして、閉扉保持具の留めピンをブラケットに装着することが不可能となることで、扉ロック装置が正規のロック状態にないことを、作業者に認識させるものである。
【0013】
(2)上記(1)項において、前記矯正手段は、前記カム及び前記留め環が互いに非係合の状態で、前記ロックロッドの回転位相が、前記ロックハンドルにより前記カムと前記留め環とが係合するための位置に保持されたとき、前記カムが前記留め環の外壁に当接して、前記ブラケットに対する前記閉扉保持具の留めピンの装着を前記留め板が阻止する位置へと矯正する形状に、前記カム及び前記留め環が形成されてなるコンテナの扉ロック装置(請求項2)。
【0014】
本項に記載のコンテナの扉ロック装置は、矯正手段が、カム及び留め環によって形成されるものである。すなわち、カム及び留め環が互いに非係合の状態で、ロックロッドの回転位相が、ロックハンドルによってカムと留め環とが係合するための位置に保持されたとき、カムが留め環の外壁に当接して、ブラケットに対する閉扉保持具の留めピンの装着を留め板が阻止する位置へと、留め板を備える扉の開扉角度を矯正する形状に、カム及び留め環が形成されている。そして、閉扉保持具の留めピンをブラケットに装着することが不可能となることで、扉ロック装置が正規のロック状態にないことを、作業者に認識させるものである。
【0015】
(3)上記(2)項において、前記ロックロッドの回転位相が、前記ロックハンドルにより前記カムと前記留め環とが係合するための位置に保持されたとき、前記カムの、前記留め環の外壁と対向する位置に、前記カム及び前記留め環の係合を許容する高さの、突起が設けられているコンテナ扉のロック装置(請求項3)。
【0016】
本項に記載のコンテナの扉ロック装置は、ロックロッドの回転位相が、カムと留め環とが係合するための位置に保持されたとき、カムの、留め環の外壁と対向する位置に設けられた突起が、留め環の外壁に当接して、ブラケットに対する閉扉保持具の留めピンの装着を留め板が阻止する位置へと、留め板を備える扉の開扉角度を矯正するものである。なお、カムの、留め環の外壁と対向する位置に設けられた突起は、カム及び留め環の係合を許容する高さに設けられていることから、カムと留め環との正規の係合状態が阻害されるものでもない。
【0017】
(4)上記(1)から(3)項において、前記閉扉保持具のブラケットは、前記留め板を挟んで対向する位置に突出する一対の突起部と、該一対の突起部に形成された、前記留めピンを挿通する穴とを含み、かつ、少なくとも一方の突起部の穴に、前記留めピンの挿通方向へと延びるスリーブを有しているコンテナ扉のロック装置(請求項4)。
【0018】
本項に記載のコンテナの扉ロック装置は、閉扉保持具のブラケットが、留め板を挟んで対向する位置に突出する一対の突起部と、一対の突起部に形成された、留めピンを挿通する穴とを含んでおり、一対の突起部の穴に留めピンが挿通されることで、留めピンにより留め板を扉の外側方向から抑え付けるものである。
しかも、少なくとも一方の突起部の穴に設けられた、留めピンの挿通方向へと延びるスリーブに留めピンが挿通されることで、留めピンはスリーブの内壁面にその挿通姿勢が矯正され、双方の突起部の穴へと挿通されることとなる。そして、ブラケットに対する閉扉保持具の留めピンの装着を留め板が阻止する状態にあるとき、留めピンが留め板をすり抜けることなく、留め板に当接する。よって、留めピンをブラケットに装着することが不可能となることで、扉ロック装置が正規のロック状態にないことを、作業者に認識させるものとなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明はこのように構成したので、扉ロック装置の構成の複雑化を招くことなく、扉ロック装置による扉のロックを、より確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係る扉ロック装置を備えるコンテナを示すものであり、(a)は平面図、(b)は観音扉を具備する側面図、(c)は観音扉を具備する妻面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るコンテナの扉ロック装置の、ロックロッドの単体図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。
【
図3】
図2に示されるロックロッドの下端部に設けられたカムの単体図であり、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るコンテナの扉ロック装置の、閉扉保持具を示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るコンテナの扉ロック装置の、留め板を備える扉の開扉角度を矯正する矯正手段の機能を説明するものであり、(a)はカムが留め環に対して非係合の状態で、ロックロッドの回転位相が、カムと留め環とが係合するための位置に保持された様子を示す平面図、(b)〜(d)は扉及び閉扉保持具を示す部分段面図であり、ブラケットに対する留めピンの装着を留め板が阻止する位置が、カムに設けられた突起の高さに応じて異なることを示すものである。
【
図6】本発明の実施の形態に係るコンテナの扉ロック装置の、閉扉保持具を示すものであり、(a)は閉扉保持具が正しく機能している状態を示す正面図、(b)は、ブラケットに対する留めピンの装着が留め板により阻止された状態を示す正面図である。
【
図7】従来のコンテナの扉ロック装置の、扉と、ロックロッドと、ロックロッド上下端部に設けられたカムと、コンテナ本体側に設けられた留め環と、ロックハンドルとを示す横断面図である。
【
図8】従来のコンテナの扉ロック装置の、閉扉保持具を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図9】従来のコンテナにおいて、一対の扉が完全に閉扉せず、若干開いた状態となっている状態を示すものであり、(a)はコンテナ側面と共に示した扉の横断面図、(b)は要部拡大図である。
【
図10】(a)〜(c)は、従来の扉ロック装置において、ロックロッドのカムと留め環とが完全に係合していない状態でも、閉扉保持具が機能してしまう態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。なお、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図1には、本発明の実施の形態に係るコンテナ10が示されている。このコンテナ10は、側面の一面と妻面の一面とに、各々、観音扉12、14が設けられている。そして、観音扉12、14の各々に、扉ロック装置32が設けられている。以下の説明では、便宜上、観音扉12の扉ロック装置32を中心に説明するが、コンテナ妻面の観音扉14にも、同様の扉ロック装置が設けられているものである。
【0022】
扉ロック装置32は、観音扉12を構成する一対の扉12A、12Bに、回転自在に取り付けられたロックロッド16と、ロックロッド16の端部に設けられたカム18と、カム18が、コンテナ本体側に設けられた留め環20と、ロックロッド16を回転操作するためのロックハンドル21と、一対の扉12A、12Bを正規の閉扉状態に保持する閉扉保持具22とを含むものである。なお、ロックハンドル21は、扉12Aに設けられたハンドルキャッチ23に固定されることで、カム18が留め環20に係合するための回転位相に、ロックロッド16を保持するようになっている。
本実施の形態では、
図2に示されるように、ロックロッド16は中空円筒状をなしており、その両端部に
図3に示される、ロックロッド16とは別体のカム18を固定するようになっている。なお、
図2に符号16aで示される部分は、ロックハンドル21を軸着するための取付座である。又、
図3に符号18bで示される部分は、中空管からなるロックロッド16に挿入することで、カム18をロックロッド16に固定するための嵌合部である。
【0023】
閉扉保持具22は、
図4に示されるように、扉12Aの端辺12Aaから他方の扉12Bまで延びる留め板24と、他方の扉12Bに設けられたブラケット26と、ブラケット26に対し着脱自在、かつ、ブラケット26に対する装着状態において、留め板24を扉の外側方向から抑え付ける留めピン28とを含んでいる。
更に、本発明の実施の形態では、
図5(a)に示されるように、ロックロッド16に、カム18が留め環20に対して非係合の状態で、ロックロッド16の回転位相が、カム18と留め環20とが係合するための位置に保持されたとき、
図5(b)〜(d)に示されるように、ブラケット26に対する留めピン28の装着を留め板24が阻止する位置となるように、留め板24を備える扉12Aの開扉角度を矯正する、矯正手段を備えている。
【0024】
この矯正手段は、本発明の実施の形態では、カム18に設けられた突起18a(
図3参照)と、留め環20とで構成されるものである。突起18aは、
図5に示されるように、ロックロッド16の回転位相が、カム18と留め環とが係合するための位置に保持されたとき、カム18の、留め環20の外壁20aと対向する位置に、カム18及び留め環の係合を許容する高さで設けられている。なお、図示の例では、カム18に対して別体の突起18aを固定する態様となっているが、突起18aを、予めカム18の一体の連続形状として形成することとしても良く、カム18自体の肉厚を増大させて、突起18aの機能を担持させることとしても良い。一方、留め環20は
図5(a)、
図7に示されるように、断面コ字状の金具であり、コ字状の両端部がコンテナ本体側に固定されることで、コンテナの側辺と平行な方向に延びる内筒部20bが形成されるものである。
又、カム18の突起18aの突出量を適切に調整することにより、
図5(b)〜(d)に示されるように、留め板24はブラケット26の突起部26aに形成された穴26cに架かる位置へと、扉12Aの開扉角度を調整するものである。
【0025】
又、本実施の形態では、観音扉12を構成する一対の扉12A、12Bのうち、一方の扉12Aの中央寄りの端辺12Aaに、シール部材13(
図5(b)〜(d)参照)が固定され、このシール部材13がもう一方の扉12Bを外側から覆うように構成されている。そして、閉扉手順は、扉12Bを閉じた後に扉12Aを閉じる手順となる。従って、一方の扉12Aが正規の閉扉状態となれば、もう一方の扉12Bは必然的に正規の閉扉状態になっていることが一目瞭然となる。このため、突起18aを有するカム18は、少なくとも、一方の扉12Aの中央寄りの端辺12Aaに近いロックロッド16の、下端部又は上端部のカム18に設けられることで、本発明所定の効果を得ることが可能である。特に、ロックロッド16の、下端部のカム18に突起18aを設けることとすれば、コンテナ10を車両に搭載した状態でも、扉の開閉操作を行う作業者による、目視確認の容易な位置に、カム18及び留め環20が位置することとなる。よって、カム18及び留め環20が正しく係合しているか否かの確認作業が容易となり、扉ロック装置32が正規のロック状態にあるか否かを、作業者により確実に認識させるものとなる。
なお、図示は省略するが、突起18aを有するカム18を、一方の扉12Aの側端寄りのロックロッド16に設けることとすれば、突起18a及び留め環20の接触点と、扉12Aを軸支するヒンジとの距離が近づくことから、上述のごとき扉12Aの開扉角度の矯正効果は、より顕著なものとなる。又、妻面の観音扉14においても上記と同様である(
図1の符号32参照)。
【0026】
更に、
図4に示されるように、閉扉保持具22のブラケット26は、留め板24を挟んで対向する位置に突出する一対の突起部26a、26bと、一対の突起部26a、26bに形成された、留めピンを挿通する穴26c、26dとを含むものである。しかも、本発明の実施の形態では、上方の突起部26aの穴26cに、留めピン28の挿通方向(上下方向)へと延びるスリーブ34を有している。
そして、扉12A、12Bを閉じて、カム18及び留め環20を係合させることで、
図4に示されるように、一方の扉12Aに設けられた留め板14が、もう一方の扉12Bに固定されたブラケット26の一対の突起部26a、26bの間に位置することとなる。この状態で、
図4(c)に示されるように、ブラケット26の上方から、上側の突起部26aのスリーブ34が設けられた穴26cに、留めピン28を挿通する。スリーブ34に挿通された留めピン28は、スリーブ34の内壁に案内されて、下側の突起部26bの穴26dへと挿通されることとなる。そして、留め板24が、扉の外側方向から留めピン28によって抑え付けられる。
【0027】
さて、上記構成を有する本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
すなわち、本発明の実施の形態に係るコンテナの扉ロック装置32は、留め板24を備える扉12Aの開扉角度を矯正する矯正手段を備えるものである。この矯正手段は、
図5a)に示されるように、ロックロッド16のカム18が、留め環20に対して非係合の状態で、ロックロッド16の回転位相が、カム18と留め環20とが係合するための位置に保持されたとき、ロックロッド16の回転位相に応じて、ブラケット26に対する留めピン28の装着を、留め板24が阻止する位置となるように、留め板24を備える扉12Aの開扉角度を矯正するものである。そして、閉扉保持具22の留めピン28をブラケット26に装着することが不可能となることで、扉ロック装置32が正規のロック状態にないことを、作業者に認識させることが可能となる。
【0028】
又、本発明の実施の形態に係るコンテナの扉ロック装置32は、矯正手段が、カム18及び留め環20によって形成されるものである。すなわち、カム18及び留め環20が互いに非係合の状態で、ロックロッド16の回転位相が、カム18と留め環20とが係合するための位置に保持されたとき、カム18が留め環20の外壁20aに当接して、ブラケット26に対する閉扉保持具22の留めピン28の装着を留め板24が阻止する位置へと、留め板24を備える扉12Aの開扉角度を矯正する形状に、カム18及び留め環20が形成されている。そして、閉扉保持具22の留めピン28をブラケット26に装着することが不可能となることで、扉ロック装置32が正規のロック状態にないことを、作業者に認識させることが可能となる。
【0029】
又、本発明の実施の形態に係るコンテナの扉ロック装置32は、ロックロッド16の回転位相が、カム18と留め環20とが係合するための位置に保持されたとき、カム18の、留め環20の外壁20aと対向する位置に設けられた突起18aが、留め環20の外壁20aに当接して、ブラケット26に対する閉扉保持具22の留めピン28の装着を留め板24が阻止する位置へと、留め板24を備える扉12Aの開扉角度を矯正することが可能となる。なお、カム18の突起18aは、カム18及び留め環20の係合を許容する高さに設けられていることから、カム18と留め環20との正規の係合状態が、阻害されるものでもない。
【0030】
そして、本発明の実施の形態に係るコンテナの扉ロック装置32は、閉扉保持具22のブラケット26が、留め板24を挟んで対向する位置に突出する一対の突起部26a、26bと、一対の突起部26a、26bに形成された、留めピン28を挿通する穴26c、26dとを含んでおり、一対の突起部26a、26bの穴26c、26dに留めピン28が挿通されることで、留めピン28により留め板24を扉12Aの外側方向から抑え付けるものである。
しかも、一方の突起部26aの穴26cに設けられた、留めピン28の挿通方向へと延びるスリーブ34に留めピン28が挿通されることで、留めピン28はスリーブ34の内壁面にその挿通姿勢が矯正され、双方の突起部26a、26bの穴26c、26dへと挿通されることとなる。そして、ブラケット26に対する閉扉保持具22の留めピン28の装着を留め板24が阻止する状態にあるとき、留めピン28が留め板24をすり抜けることなく、留め板24に当接する。よって、
図6(b)に示されるように、留めピン28をブラケットに装着することが不可能となることで、扉ロック装置32が正規のロック状態にないことを、作業者に認識させることが可能となる。
【符号の説明】
【0031】
10:コンテナ、 12、14:観音扉、 12A、12B、14A、14B:扉、16:ロックロッド、18:カム、18a:突起、20:留め環、21:ロックハンドル、 22:閉扉保持具、24:留め板、26:ブラケット、 26a、26b:突起部、 26c、26d:穴、28:留めピン、32:扉ロック装置、34:スリーブ