【文献】
FRAGRANCE JOURNAL,フレグランスジャーナル社,2006年 6月15日,第34巻,第6号,p.34-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下記成分(a)〜(e)を含有し、成分(a)の含有量が化粧料総量に対して1〜6質量%であり、成分(e)の含有量が化粧料総量に対して15〜40質量%であり、成分(a)と成分(b)との質量比が(a):(b)=1:1〜1:3であり、成分(c)の含有量が粉体総量に対して40〜70質量%であり、成分(d)の含有量が粉体総量に対して20〜50質量%であることを特徴とするスティック状乳化化粧料。
(a)紫外線吸収剤
(b)IOB値が0.2〜0.45である油性成分 1〜18質量%
(c)紫外線散乱剤 1〜8質量%
(d)ポリメチルシルセスキオキサン 2〜10質量%
(e)揮発性シリコーン油
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【0010】
本発明で用いられる(a)紫外線吸収剤は、UVA領域に紫外線吸収能を有するもの及びUVB領域に紫外線吸収能を有するもののいずれでもよい。UVA領域に紫外線吸収能を有するものとしては、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等が挙げられる。UVB領域に紫外線吸収能を有するものとしては、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、サリチル酸オクチル等が挙げられるが、乳化安定性、使用感等の点からパラメトキシケイ皮酸オクチルを用いることが好ましい。市販品としては、パラソル1789(4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン;ロッシュ社製)、ソフトシェードDH(ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル;味の素社製)、チノソーブS(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;BASF社製)、ユビナールAplus(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;BASF社製)、ユビナールMC−80(パラメトキシケイ皮酸オクチル;BASF社製)、ユビヌルN539(2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;BASF社製)、エスカロール507(パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル;ISP社製)、エスカロール587(サリチル酸エチルヘキシル;ISP社製)等が挙げられる。
【0011】
本発明で用いられる成分(a)の含有量は、化粧料総量に対して1〜6質量%であり、好ましくは2〜5質量%である。この範囲で含有することにより、十分な紫外線防御効果が得られ、且つ乳化安定性、使用感等に優れた効果が得られる。
【0012】
本発明で用いられる(b)油性成分は、上記(a)成分を除くものであって、IOB値が0.2〜0.45のものであり、常温(25℃)で液状の高級アルコール及びエステル油が好適に用いられる。IOB値が0.2〜0.45の高級アルコールとしては、オクチルドデカノール(0.26)、イソステアリルアルコール(0.29)等が挙げられ、IOB値が0.2〜0.45のエステル油としては、イソノナン酸イソノニル(0.2)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル(0.30)、ジカプリル酸プロピレングリコール(0.32)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(0.35)、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグルコール(0.32)、乳酸オクチルドデシル(0.36)、オレイン酸プロピレングリコール(0.39)、イソステアリン酸プロピレングリコール(0.40)、セバシン酸ジエチル(0.43)、セバシン酸ジイソプロピル(0.40)等が挙げられる。
【0013】
尚、本発明においてIOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、IOB値=無機性値/有機性値として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、甲田善生著、「有機概念図−基礎と応用−」p11〜17、三共出版1984年発行参照)。
【0014】
本発明で用いられる成分(b)の含有量は、化粧料総量に対して1〜18質量%が好ましく、より好ましくは2〜15質量%であり、さらに好ましくは2〜10質量%である。この範囲で含有することにより、乳化安定性、使用感、長期保存安定性等に優れた効果が得られる。
【0015】
本発明で用いられる成分(a)と成分(b)との含有量比率は1:1〜1:3であり、好ましくは1:1〜1:2である。この範囲で含有することにより、乳化安定性、使用感、長期保存安定性等に優れた効果が得られる。
【0016】
本発明で用いられる(c)紫外線散乱剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、紫外線防御効果及び透明感の点から平均粒子径が0.1μm以下である微粒子酸化チタン、平均粒子径が0.1μm以下である微粒子酸化亜鉛等が好適に用いられ、特に微粒子酸化チタンを用いることが好ましい。本発明において平均粒子径(質量平均粒子径)は、一次粒子径を走査型電子顕微鏡により撮影した画像のFeret定方向接線径とし、画像解析装置を用いて測定できる。また酸化チタン、酸化亜鉛の形状は、板状、針状、球状等のいずれでも良く、Al、Si、Zr、Ti、Znからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物及び/又は酸化物で被覆されたものや、更にシリコーン処理、シラン処理、金属石鹸処理、フッ素系処理、アミノ酸系処理、有機チタネート処理等の表面処理がなされていても良い。
市販品としては、TTO−51、TTO−55(いずれも石原産業社製)、MT−500SA、MT−600B(共にテイカ社製)、FINEX−25、FINEX−50、FINEX−75(いずれも堺化学社製)、MZ500シリーズ、MZ700シリーズ(いずれもテイカ社製)等が挙げられる。尚、平均粒子径の下限は特に限定されないが0.001μmであることが好ましい。
【0017】
本発明で用いられる成分(c)の含有量は、化粧料総量に対して1〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜8質量%であり、さらに好ましくは4〜6質量%である。この範囲で含有することにより、十分な紫外線防御効果が得られ、且つ乳化安定性、硬度、使用感等に優れた効果が得られる。
【0018】
本発明で用いられる(d)ポリメチルシルセスキオキサンは、メチルトリメトキシシロキサンをアルカリ水溶液中で乳化重合させた球状粉体であり、市販品としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製のトスパールシリーズ(トスパール145A等)が挙げられる。
【0019】
本発明で用いられる成分(d)の含有量は、化粧料総量に対して2〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜8質量%であり、さらに好ましくは2〜4質量%である。この範囲で含有することにより、硬度、使用感等に優れた効果が得られる。
【0020】
本発明で用いられる成分(c)の含有量は、粉体総量に対して40〜70質量%が好ましく、さらに成分(d)の含有量は、粉体総量に対して20〜50質量%であることが好ましい。この範囲で含有することで、十分な紫外線防御効果が得られ、且つ乳化安定性、硬度、使用感等に優れた効果が得られる。
【0021】
本発明で用いられる(e)揮発性シリコーン油は、室温(25℃)で揮発性を有するシリコーン油で、化粧料に一般に用いられるものであれば特に限定されず用いることができるが、例えば一般式(CH
3)
3SiO−[(CH
3)
2SiO]
n−Si(CH
3)
3(n=0〜5)で表される直鎖状ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の重合度3〜7の環状シリコーン、一般式[(CH
3)
3SiO]
3SiCH
3で表されるメチルトリメチコン、一般式[(CH
3)
3SiO]
4Siで表されるテトラキストリメチルシロキシシラン等が挙げられる。
【0022】
本発明で用いられる成分(e)の含有量は、化粧料総量に対して15〜40質量%であり、好ましくは20〜35質量%である。この範囲で含有することにより、乳化安定性、硬度、使用感、保湿性等に優れた効果が得られる。
【0023】
本発明のスティック状乳化化粧料には、前記成分以外に、水、界面活性剤、ワックスを配合することにより、油中水型乳化するのが好ましい。水の含有量は、化粧料総量に対して5〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜35質量%である。界面活性剤としては、HLB値7以下の非イオン性界面活性剤が好ましく、具体的にはポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が好ましい。界面活性剤の含有量は、化粧料全量に対して0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量%である。ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、オゾケライト、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素ワックスが好ましい。ワックスの含有量は、化粧料総量に対して5〜30質量%が好ましく、より好ましくは10〜20質量%である。
【0024】
本発明のスティック状乳化化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲で、前記の成分以外に、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等の体質又は白色顔料、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、魚鱗箔、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、酸化チタン被覆着色雲母、低次酸化チタン被覆雲母、雲母、酸化チタン被覆合成雲母、酸化チタン被覆板状シリカ、中空板状酸化チタン、酸化鉄被覆雲母、板状酸化鉄(MIO)、アルミニウムフレーク、ステンレスフレーク、酸化チタン被覆板状アルミナ、真珠殻、金箔、金蒸着樹脂フィルム、金属蒸着樹脂フィルム等のパール顔料、ラウロイルリシン等のアミノ酸系粉体、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤、(スチレン/ブタジエン)コポリマー、(スチレン/イソプレン)コポリマー、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/エチレン/スチレン)コポリマー等の増粘剤、ワセリン、オレイン酸フィトステリル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチル/ベヘニル)等のペースト油、水添ポリイソブテン、スクワラン、不揮発性ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の液状油性成分、赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号等の有機色素及びそのレーキ化物、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、アクリル酸アルキルコポリマー等の高分子、パラベン、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノキシエタノール、クロルフェネシン、1,2−アルカンジオール等の防腐剤、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール等の湿潤剤、香料、植物抽出物、抗酸化剤、pH調整剤等を配合することができる。
【0025】
本発明のスティック状乳化化粧料は、上記各成分を乳化することにより得られる半製品をスティック状に成型することにより得られる。乳化の方法としては特に限定されず、通常の方法によって行うことができる。
【0026】
また本発明のスティック状乳化化粧料は、高い紫外線防御効果と使用感を有するものであって、紫外線防御化粧料のほか、アイクリーム等の基礎化粧料、化粧下地、コンシーラー、ファンデーション等のベースメイク化粧料等として好適に使用することができる。
【0027】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の化粧料を開示する。
本発明は、下記<1>の化粧料である。
<1>下記成分(a)〜(e)を含有し、成分(a)の含有量が化粧料総量に対して1〜6質量%であり、成分(e)の含有量が化粧料総量に対して15〜40質量%であり、成分(a)と成分(b)との質量比が(a):(b)=1:1〜1:3であることを特徴とするスティック状乳化化粧料。
(a)紫外線吸収剤
(b)IOB値が0.2〜0.45である油性成分
(c)紫外線散乱剤
(d)ポリメチルシルセスキオキサン
(e)揮発性シリコーン油
【0028】
本発明はさらに以下の化粧料であることが好ましい。
<2>成分(a)が、パラメトキシケイ皮酸オクチルである<1>に記載のスティック状乳化化粧料。
<3>成分(a)の含有量が、化粧料総量に対して2〜5質量%である<1>又は<2>に記載のスティック状乳化化粧料。
<4>成分(b)のIOB値が0.2〜0.45のものであり、且つ常温(25℃)で液状の高級アルコール及び/又はエステル油である<1>〜<3>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<5>成分(b)が、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、イソノナン酸イソノニル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグルコール、乳酸オクチルドデシル、オレイン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、セバシン酸ジエチル、及びセバシン酸ジイソプロピルから選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<4>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<6>成分(b)の含有量が、化粧料総量に対して1〜18質量%であり、好ましくは2〜15質量%であり、より好ましくは2〜10質量%である<1>〜<5>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<7>成分(a)と成分(b)との含有量比率が1:1〜1:2である<1>〜<6>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<8>成分(c)が平均粒子径が0.1μm以下である微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛であり、好ましくは微粒子酸化チタンである<1>〜<7>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<9>成分(c)の含有量が、化粧料総量に対して1〜10質量%であり、好ましくは2〜8質量%であり、より好ましくは4〜6質量%である<1>〜<8>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<10>成分(d)の含有量が、化粧料総量に対して2〜10質量%であり、好ましくは2〜8質量%であり、より好ましくは2〜4質量%である<1>〜<9>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<11>成分(c)の含有量が、粉体総量に対して40〜70質量%であり、且つ成分(d)の含有量が、粉体総量に対して20〜50質量%である<1>〜<10>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<12>成分(e)が、一般式(CH
3)
3SiO−[(CH
3)
2SiO]
n−Si(CH
3)
3(n=0〜5)で表される直鎖状ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の重合度3〜7の環状シリコーン、一般式[(CH
3)
3SiO]
3SiCH
3で表されるメチルトリメチコン、及び一般式[(CH
3)
3SiO]
4Siで表されるテトラキストリメチルシロキシシランから選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<11>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
<13>成分(e)の含有量が、化粧料総量に対して20〜35質量%である<1>〜<12>のいずれかに記載のスティック状乳化化粧料。
【実施例】
【0029】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明する。尚、配合量はすべて質量%である。
【0030】
実施例1〜9及び比較例1〜8
表1に示す組成の目元用UVスティッククリームを製造し、得られた目元用UVスティ
ッククリームの折損強度、乳化安定性及び使用感を評価した。結果を表1に併せて示す。
なお、実施例4〜6は特許請求の範囲外の参考例である。
【0031】
(製造方法)
(1)油相成分1〜12を95℃にて均一に混合したのち、粉体17〜21を添加し、85℃にて10〜15分間均一に分散させる。
(2)水相成分13〜16を80℃にて均一に混合したのち、(1)に攪拌しながら投入し、乳化混合、脱泡させる。
(3)(2)を9φスティック状容器(ヒダン社製)に流し込み、冷却、成型し、目元用UVスティッククリームを得た。
【0032】
(評価方法)
(1)折損強度
成型品を30℃の恒温槽にて1日間静置後、レオメーター(SUN SCIENTIFIC社製、SUN RHEO METER COMPAC-100II)に45°角に設置し、折損強度を測定した。評価基準は下記
の通りである。
◎:80g以上
○:70g以上80g未満
△:60g以上70g未満
×:60g未満
【0033】
(2)乳化安定性
45℃の恒温槽内に1ヶ月間静置後、各試料の状態変化を観察し、下記基準にて評価した。
◎:変色、変臭、分離等の変質なし
○:僅かに変色、変臭、分離等の変質あるが化粧品として許容される範囲
△:変色、変臭、分離等の変質あり
×:著しい変色、変臭、分離等の変質あり
【0034】
(3)使用感
女性パネラー20名の顔面に各試料を塗布してもらい、「感触が滑らかである」と回答した人数に従って、使用特性を評価した。評価基準は下記の通りである。
◎:人数が 18人以上
○:人数が 15〜17人
△:人数が 7〜14人
×:人数が 6人以下
【0035】
【表1】
【0036】
表1より成分(a)の含有量が10質量%である比較例1、(a):(b)が1:1〜1:3の範囲外である比較例2及び3、成分(b)に替えてIOB値が0.2〜0.45の範囲外である油性成分を含有する比較例4及び5、並びに成分(d)に替えて(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーを含有する比較例6、成分(e)の含有量が15〜40質量%の範囲外である比較例7及び8は、折損強度、乳化安定性、使用感ともに悪かった。これに対し、本発明の各実施例は比較例と比べてより高い効果を示していることが判った。
【0037】
実施例10(美白スティッククリーム)
下記組成の常法により得られる美白スティッククリームは折損強度、乳化安定性及び使用感に優れるものである。
(油相)
パラフィン 12.0
ポリエチレンワックス 2.0
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(e) 25.0
イソステアリン酸ソルビタン 2.0
ワセリン 5.0
流動パラフィン 5.0
パラメトキシケイ皮酸オクチル(a) 2.0
オクチルドデカノール(IOB=0.26)(b) 1.0
トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル(b) 4.0
(IOB=0.3)
(水相)
ソルビトール 1.5
ジプロピレングリコール 4.0
マルチトール 1.5
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.05
メチルパラベン 0.15
精製水 to 100.0
(粉体)
酸化チタン(c)*1 5.0
ポリメチルシルセスキオキサン(d)*2 4.0
Nε−ラウロイル−L−リジン 1.0
【0038】
実施例11(アイスティッククリーム)
下記組成の常法により得られるアイスティッククリームは折損強度、乳化安定性及び使用感に優れるものである。
(油相)
パラフィン 10.0
ポリエチレンワックス 3.0
デカメチルシクロペンタシロキサン(e) 30.0
イソステアリン酸ソルビタン 2.0
ワセリン 5.0
流動パラフィン 5.0
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(a)2.0
ジカプリル酸プロピレングリコール(IOB=0.2)(b)4.0
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
(水相)
ソルビトール 1.5
ジプロピレングリコール 4.0
マルチトール 1.5
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.05
メチルパラベン 0.15
精製水 to 100.0
(粉体)
酸化チタン(c)*1 5.0
ポリメチルシルセスキオキサン(d)*2 4.0
Nε−ラウロイル−L−リジン 1.0