(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
数平均分子量が300〜1万であるウレタン基及び/又はウレア基を有する(メタ)アクリレート(A)、数平均分子量が200〜10万であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)、ジペンタエリスリトール(ペンタ及び/又はヘキサ)(メタ)アクリレート(C)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(D)、重合開始剤(E)及び活性光線により酸を発生する酸発生剤(F)を含有し、
(A)〜(F)の含有量が、(A)〜(F)の合計重量に対して下記のとおりであることを特徴とする感光性組成物。
(A):1.7〜39重量%
(B):20〜39重量%
(C):2.6〜48重量%
(D):28〜52重量%
(E):2.3〜4.3重量%
(F):0.02〜0.05重量%
前記ウレタン基及び/又はウレア基を有する(メタ)アクリレート(A)が、水酸基を有する(メタ)アクリレート及び/又はアミノ基を有する(メタ)アクリレートを含有する活性水素成分(a1)と有機ポリイソシアネート成分(a2)とが反応されて得られた化合物である請求項1記載の組成物。
前記有機ポリイソシアネート成分(a2)が、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートを含有する請求項2記載の組成物。
前記重合開始剤(E)が、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(E1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(E2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(E3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(E4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(E5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(E6)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(E7)からなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
前記活性光線により酸を発生する酸発生剤(F)が、スルホニウム塩誘導体(F1)及び/又はヨードニウム塩誘導体(F2)である請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
更にリン酸エステル(h1)と、3級アミン(h21)及び/又は環状アミジン化合物(h22)の4級化物とから構成されてなる金型離型性付与剤(H)を含有する請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の活性光線で硬化する感光性組成物は、数平均分子量が300〜1万であるウレタン基及び/又はウレア基を有する(メタ)アクリレート(A)、数平均分子量が200〜10万であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)、ジペンタエリスリトール(ペンタ及び/又はヘキサ)(メタ)アクリレート(C)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(D)、重合開始剤(E)及び活性光線により酸を発生する酸発生剤(F)を含有する。(A)、(B)、(C)及び(D)はそれぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
感光性組成物中にモノマーとして(A)、(B)、(C)及び(D)をすべて含有しないと、硬化物の耐熱性と密着性を共に良好にすることが困難である。
尚、上記及び以下において、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
本発明における活性光線とは、10〜830nmの波長を有する光線である。
【0010】
数平均分子量が300〜1万であるウレタン基及び/又はウレア基を有する(メタ)アクリレート(A)としては、水酸基を有する(メタ)アクリレート及び/又はアミノ基を有する(メタ)アクリレートを含有する活性水素成分(a1)と有機ポリイソシアネート成分(a2)とが反応されて得られる(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0011】
活性水素成分(a1)における水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素数5〜8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート]、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
アミノ基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素数5〜8のアミノアルキル(メタ)アクリレート[例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート]等が挙げられる。
【0013】
これらの内、硬化性の観点から好ましいのは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びアミノエチル(メタ)アクリレートである。
【0014】
活性水素成分(a1)中の水酸基を有する(メタ)アクリレート及び/又はアミノ基を有する(メタ)アクリレートの合計含有量は、(a1)の重量100重量%に対して好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。
【0015】
活性水素成分(a1)における、水酸基を有する(メタ)アクリレート及びアミノ基を有する(メタ)アクリレート以外の成分としては、ポリオール及び鎖伸長剤等が挙げられる。
【0016】
ポリオールとしては、水酸基当量(水酸基価から算出される水酸基1個当たりの平均分子量)150以上の高分子ポリオール及び水酸基当量150未満の低分子ポリオールが挙げられる。
【0017】
水酸基当量150以上の高分子ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0018】
ポリエーテルポリオールとしては、脂肪族ポリエーテルポリオール及び芳香族ポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0019】
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリオキシエチレンポリオール(ポリエチレングリコール等)、ポリオキシプロピレンポリオール(ポリプロピレングリコール等)、ポリオキシエチレン/プロピレンポリオール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
【0020】
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノール骨格を有するポリオール、例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等]及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、POと略記)付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物及びビスフェノールAのPO5モル付加物等]並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
【0021】
ポリエーテルポリオールは、脂肪族又は芳香族低分子量活性水素原子含有化合物に、付加触媒(アルカリ金属水酸化物及びルイス酸等の公知の触媒)の存在下にEO又はPOを開環付加反応させることで得られる。
【0022】
ポリエーテルポリオールの数平均分子量は通常300以上、好ましくは300〜10,000、更に好ましくは300〜6,000である。本発明におけるポリオールの数平均分子量(以下、Mnと略記)の測定は、後述する方法による。但し、低分子ポリオールのMnは化学式からの計算値である。
【0023】
ポリエステルポリオールとしては、縮合型ポリエステル、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール及びヒマシ油系ポリオールが挙げられる。
【0024】
縮合型ポリエステルは、低分子量(Mn300以下)多価アルコールと多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とのポリエステルである。
低分子量多価アルコールとしては、水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール及び水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価又はそれ以上のフェノールのアルキレンオキサイド低モル付加物が使用できる。
縮合型ポリエステルに使用できる低分子量多価アルコールの内好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールAのEO又はPO低モル付加物及びこれらの併用である。
【0025】
縮合型ポリエステルに使用できる多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フマル酸及びマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等)及び3価又はそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及び無水トリメリット酸等)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等)、これらの低分子量アルキル(炭素数1〜4)エステル(コハク酸ジメチル及びフタル酸ジメチル等)及びこれらの併用が挙げられる。
【0026】
縮合型ポリエステルとしては、例えばポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
【0027】
ポリラクトンポリオールは、上記低分子量多価アルコールへのラクトンの重付加物であり、ラクトンとしては、炭素数4〜12のラクトンが使用でき、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
【0028】
ポリカーボネートポリオールは、低分子量多価アルコールへのアルキレンカーボネートの重付加物であり、アルキレンカーボネートとしては炭素数2〜8のアルキレンカーボネートが使用でき、例えばエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、ニッポラン980R[Mn=2,000,日本ポリウレタン工業(株)製]、T5652[Mn=2,000、旭化成(株)製]及びT4672[Mn=2,000、旭化成(株)製]が挙げられる。
【0029】
ヒマシ油系ポリオールには、ヒマシ油及びポリオール又はアルキレンオキサイドで変性されたヒマシ油が含まれる。変性ヒマシ油はヒマシ油とポリオールとのエステル交換及び/又はアルキレンオキサイド付加により製造できる。ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油、トリメチロールプロパン変性ヒマシ油、ペンタエリスリトール変性ヒマシ油及びヒマシ油のEO(4〜30モル)付加物等が挙げられる。
【0030】
水酸基当量150未満の低分子ポリオールとしては、脂肪族2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオール等)及び脂肪族3価アルコール(トリメチロールプロパン及びグリセリン等)が挙げられる。
ポリオールは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
鎖伸長剤としては、水、炭素数2〜10のジアミン類(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン及びピペラジン)、ポリアルキレンポリアミン類(例えばジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン)、ヒドラジン又はその誘導体(例えばアジピン酸ジヒドラジド等の二塩基酸ジヒドラジド)並びに炭素数2〜10のアミノアルコール類(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール及びトリエタノールアミン等)等が挙げられる。
鎖伸長剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
有機ポリイソシアネート成分(a2)としては、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数6〜20(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート及び炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0033】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
【0034】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
【0035】
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
【0036】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0037】
ポリイソシアネートの内で表面硬度及び密着性の観点から好ましいのは、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートである。
有機ポリイソシアネート成分(a2)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
本発明に用いる、Mnが300〜1万であるウレタン基及び/又はウレア基を有する(メタ)アクリレート(A)は、通常の方法により製造することができ、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレート及び/又はアミノ基を有する(メタ)アクリレートを必須成分として含有する活性水素成分(a1)と有機ポリイソシアネート成分(a2)とを一括して反応させてもよいし、水酸基を有する(メタ)アクリレート及びアミノ基を有する(メタ)アクリレートを含有しない活性水素成分(a1)と有機ポリイソシアネート成分(a2)とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するプレポリマーと、水酸基を有する(メタ)アクリレート及び/又はアミノ基を有する(メタ)アクリレートとを反応させてもよい。
【0039】
有機ポリイソシアネート成分(a2)のイソシアネート基の当量に対する活性水素成分(a1)の活性水素の当量の比率(活性水素の当量/イソシアネート基の当量)は、0.1〜10が好ましく、0.9〜1.2が特に好ましい。また、反応温度は、30〜150℃が好ましく、50〜100℃が更に好ましい。尚、反応の終点は、例えば、赤外線吸収スペクトルにおけるイソシアネート基の吸収(2250cm
−1)の消失や、JIS K 7301−1995に記載の方法でイソシアネート基含有率を求めることで確認できる。
【0040】
ウレタン基及び/又はウレア基を有する(メタ)アクリレート(A)のMn(単品の場合は分子量)は、硬化物の耐熱性及び密着性の観点から、300〜1万であり、好ましくは350〜8000、更に好ましくは400〜5000、特に好ましくは400〜4000、最も好ましくは450〜2000である。
【0041】
本発明における数平均分子量(Mn)とは、下記条件にて測定されるものである。
装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
溶媒 :テトラヒドロフラン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :40℃
【0042】
本発明の感光性組成物中のMnが300〜1万であるウレタン基及び/又はウレア基を有する(メタ)アクリレート(A)の含有量は、硬化物の耐熱性及び密着性の観点から、感光性組成物の重量を基準として、好ましくは0.1〜90重量%、更に好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは0.8〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
【0043】
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)のMn(単品の場合は分子量)は、硬化物の耐熱性及び密着性の観点から、200〜10万であり、好ましくは200〜1万、更に好ましくは210〜5000、特に好ましくは300〜2000、最も好ましくは400〜1500である。
【0044】
本発明の感光性組成物中のMnが200〜10万であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)の含有量は、耐熱性及び密着性の観点から、感光性組成物の重量を基準として、好ましくは0.1〜90重量%、更に好ましくは1〜80重量%である。
【0045】
本発明におけるジペンタエリスリトール(ペンタ及び/又はヘキサ)(メタ)アクリレート(C)は、下記(C−i)〜(C−iii)の何れかである。
(C−i)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート
(C−ii)ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
(C−iii)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの混合物。
【0046】
本発明の感光性組成物中のジペンタエリスリトール(ペンタ及び/又はヘキサ)(メタ)アクリレート(C)の含有量は、耐熱性及び密着性の観点から、感光性組成物の重量を基準として、好ましくは0.1〜90重量%、更に好ましくは0.5〜50重量%、特に好ましくは1〜30重量%である。
【0047】
本発明の感光性組成物中のトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(D)の含有量は、耐熱性及び密着性の観点から、感光性組成物の重量を基準として、好ましくは0.1〜95重量%、更に好ましくは1〜92重量%、特に好ましくは10〜90重量%である。
【0048】
本発明の感光性組成物に用いる重合開始剤(E)としては、例えばアシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(E1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(E2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(E3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(E4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(E5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(E6)、チタノセン誘導体系重合開始剤(E7)、有機過酸化物系重合開始剤(E8)、アゾ化合物系重合開始剤(E9)及びその他のラジカル開始剤(E10)が挙げられる。(E)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(E1)としては、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[BASF社製(ルシリン TPO)]及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド[BASF社製(イルガキュア 819)]が挙げられる。
【0050】
α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(E2)としては、例えば2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[BASF社製(イルガキュア 907)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン[BASF社製(イルガキュア 369)]及び1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン[BASF社製(イルガキュア 379)]が挙げられる。
【0051】
ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(E3)としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[BASF社製(イルガキュア 651)]が挙げられる。
【0052】
α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(E4)としては、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[BASF社製(イルガキュア 184)]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[BASF社製(DAROCUR 1173)]、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[BASF社製(イルガキュア 2959)]及び2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[BASF社製(イルガキュア 127)]が挙げられる。
【0053】
ベンゾイン誘導体系重合開始剤(E5)としては、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが挙げられる。
【0054】
オキシムエステル誘導体系重合開始剤(E6)としては、例えば1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)][BASF社製(イルガキュア OXE 01)]及びエタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)[BASF社製(イルガキュア OXE 02)]が挙げられる。
【0055】
チタノセン誘導体系重合開始剤(E7)としては、例えばビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル]チタニウム[BASF社製(イルガキュア 784)]が挙げられる。
【0056】
有機過酸化物系重合開始剤(E8)としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5,−ジメチル−2,5,−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイドが挙げられる。
【0057】
アゾ化合物系重合開始剤(E9)としては、例えば1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)が挙げられる。
【0058】
その他の重合開始剤(E10)としては、例えば2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンが挙げられる。
【0059】
これらの内、光硬化性の観点から好ましいのは、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(E1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(E2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(E3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(E4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(E5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(E6)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(E7)であり、更に好ましいのはアシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(E1)である。
【0060】
本発明の感光性組成物中の重合開始剤(E)の含有量は、光硬化性の観点から、感光性組成物の重量を基準として、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
【0061】
本発明の感光性組成物は、更に活性光線により酸を発生する酸発生剤(F)を含有する。(F)を含有することにより硬化性が向上する。
活性光線により酸を発生する酸発生剤(F)としては、例えばスルホニウム塩誘導体(F1)及びヨードニウム塩誘導体(F2)が挙げられる。(F)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0062】
スルホニウム塩誘導体(F1)としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート[和光純薬工業(株)製「WPAG−281H」]、トリ−p−トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート[サンアプロ(株)製「CPI−100P」]及び[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスファート等が挙げられる。
【0063】
ヨードニウム塩誘導体(F2)としては、ヨードニウム(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}−ヘキサフルオロフォスフェート[BASF社製「IRGACURE 250」]、ヨードニウム[ビス(4−t−ブチルフェニル)]ヘキサフルオロフォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−t−ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]フォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−メトキシフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]フォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−メトキシフェニル)][テトラキス(パーフルフェニル)]ボレート及び下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。
【0065】
これらの内、光硬化性の観点から、ヨードニウム塩誘導体(F2)が好ましく、化学式(1)で表される化合物が更に好ましい。
【0066】
本発明の感光性組成物中の酸発生剤(F)の含有量は、光硬化性の観点から、感光性組成物の重量を基準として好ましくは0.001〜30重量%、更に好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%である。
【0067】
本発明の感光性組成物は、必要により、更にリチウム塩化合物(G)を含有することができる。(G)を含有することにより帯電防止性が向上する。
【0068】
リチウム塩化合物(G)としては、例えばLi(CF
3SO
2)
2N、Li(C
2F
5SO
2)
2N、Li(CF
3SO
2)
3C、LiCF
3SO
3、LiBF
4、LiClO
4、LiPF
6、LiAsF
6、LiSbF
6、LiB(C
6H
5)
4、C
4F
9SO
3Li等が挙げられる。(G)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの内、帯電防止性の観点から好ましいのは、Li(CF
3SO
2)
2Nである。
【0069】
本発明の感光性組成物中のリチウム塩化合物(G)の含有量は、帯電防止性、透明性の観点から、感光性組成物の重量を基準として、好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%である。
【0070】
本発明の感光性組成物は、必要により、更に金型離型性付与剤(H)を含有することができる。(H)を含有することにより、金型からの離型性が向上する。
本発明における金型離型性付与剤(H)は、4級化カチオンとアニオンから構成され、このカチオンは3級アミン(好ましくは炭素数3〜150)(h21)及び/又は環状アミジン化合物(好ましくは炭素数3〜50)(h22)の4級化されたものである。一方、アニオンはリン酸エステル(好ましくは炭素数1〜150)(h1)のアニオンである。
(H)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0071】
金型離型性付与剤(H)は、そのモル比率(h1)/[(h21)及び/又は(h22)]が、好ましくは0.75〜2.00であり、更に好ましくは1.00〜1.75である。モル比率(h1)/[(h21)及び/又は(h22)]が0.75以上であると樹脂に非相溶とならず、硬化物の透明性が損なわれない。また2.00以下であると高温環境時に硬化物が酸により分解する恐れがない。
【0072】
炭素数1〜150のリン酸エステル(h1)としては、1級もしくは2級のアルキル(炭素数1〜30、例えば2−エチルヘキシル、ドデシル及びオクタデシル)のリン酸エステル、または1級もしくは2級のアルコール(炭素数1〜20、例えばイソプロパノール及びオクタノール)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜4)1〜30モル付加物のリン酸エステル類が挙げられる。これらの内、離型性の観点から好ましいのは、1級もしくは2級のアルキル(炭素数1〜30)のリン酸エステルである。(h1)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0073】
リン酸エステル(h1)は、モノエステルとジエステルから構成され、そのモル比は、好ましくは0.8/1〜1.2/1であり、更に好ましくは0.9/1〜1.1/1である。モル比が0.8/1以上であると樹脂からブリードアウトしやすく、金型からの離型性が良好である。また1.2/1以下であると樹脂からのブリードアウトする量が多くなりすぎず、基材樹脂との密着性が良好である。
【0074】
炭素数3〜150の3級アミン(h21)としては、炭素数3〜50の3級脂肪族アミン(例えば、ヘキサデシルジメチルアミン及びオクタデシルジメチルアミン)、1級もしくは2級の脂肪族アミン(炭素数3〜30、例えばオクタデシルアミン及びジエチルアミン)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜4)1〜30モル付加物等の3級アミン類等が挙げられる。これらの内、離型性の観点から好ましいのは、炭素数4〜30の3級脂肪族アミンであり、更に好ましくは炭素数15〜20の3級脂肪族アミンである。(h21)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0075】
炭素数3〜50の環状アミジン化合物(h22)としては、例えばイミダゾール環を有する化合物(h221)、2−イミダゾリン環を有する化合物(h222)、テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(h223)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンが挙げられる。(h22)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0076】
イミダゾール環を有する化合物(h221)としては例えばイミダゾール同族体、オキシアルキル誘導体、ニトロおよびアミノ誘導体及びベンゾイミダゾール化合物が挙げられる。
【0077】
イミダゾール同族体としては、例えば1−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−フェニル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1,5−ジメチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール、1−エチル−3−メチルイミダゾール及び1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾールが挙げられる。
【0078】
オキシアルキル誘導体としては、例えば1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール、1−メチル−4−オキシメチルイミダゾール、1−(β−オキシエチル)−イミダゾール、1−メチル−2−エトキシメチルイミダゾール及び1−エトキシメチル−2−メチルイミダゾールが挙げられる。
【0079】
ニトロおよびアミノ誘導体としては、例えば1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール、1−メチル−4(5)−(2−アミノエチル)イミダゾール及び1−(β−アミノエチル)イミダゾールが挙げられる。
【0080】
ベンゾイミダゾール化合物としては、例えば1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール及び1−メチル−5(6)−ニトロベンゾイミダゾールが挙げられる。
【0081】
2−イミダゾリン環を有する化合物(h222)としては、例えば1−メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン、1−メチル−2−ベンジルイミダゾリン、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾリン、1−メチル−2−ヘプチルイミダゾリン、1−メチル−2−ウンデシルイミダゾリン、1−メチル−2−ヘプタデシルイミダゾリン、1−(β−オキシエチル)−2−メチルイミダゾリン、1−メチル−2−エトキシメチルイミダゾリン及び1−エトキシメチル−2−メチルイミダゾリンが挙げられる。
【0082】
テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(h223)の具体例としては、1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン及び1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジンが挙げられる。
【0083】
これらの内、帯電防止性の観点から好ましいのは、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンである。
【0084】
本発明の感光性組成物中の金型離型性付与剤(H)の含有量は、金型からの離型性、基材樹脂との密着性の観点から、感光性組成物の重量を基準として、好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0.05〜3重量%である。
【0085】
本発明の感光性組成物は、必要により、更に(A)〜(D)以外のラジカル重合性化合物(J)を含有することができ、例えば、炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(J1)、炭素数4〜35の(A)〜(D)以外の(メタ)アクリレート化合物(J2)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(J3)、炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(J4)及びその他のラジカル重合性化合物(J5)が挙げられる。(J)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0086】
炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(J1)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0087】
炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(J2)としては、例えば以下の単官能〜六官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。
尚、上記「単官能〜六官能の(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリロイル基の数が1〜6個の(メタ)アクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノビニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0088】
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0089】
三官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0090】
四官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びエトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0091】
五官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0092】
六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0093】
炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(J3)としては、例えば、ビニルチオフェン、ビニルフラン、ビニルピリジン、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン及び4−t−ブトキシスチレンが挙げられる。
【0094】
炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(J4)としては、例えば以下の単官能又は多官能ビニルエーテルが挙げられる。
尚、上記の単官能又は多官能ビニルエーテルとは、それぞれビニルエーテル基の数が単数又は複数のビニルエーテルを意味する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテルが挙げられる。
【0095】
多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル及びPO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルが挙げられる。
【0096】
その他のラジカル重合性化合物(J5)としては、例えば、アクリロニトリル、ビニルエステル化合物(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等)、アリルエステル化合物(酢酸アリル等)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン及び塩化ビニル等)及びオレフィン化合物(エチレン及びプロピレン等)が挙げられる。
【0097】
これらの内、硬化速度の観点から好ましいのは、炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(J1)、炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(J2)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(J3)及び炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(J4)であり、更に好ましいのは炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(J1)及び炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(J2)である。
【0098】
ラジカル重合性化合物(J)の含有量は、本発明の感光性組成物中に0〜60重量%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは0〜10重量%である。
なお、(J)の内、水酸基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有する1官能(メタ)アクリレートの含有量は5重量%以下であることが好ましい。含有量が5重量%以下の場合、硬化物の耐熱性及び密着性が更に向上する。
【0099】
本発明の感光性組成物は、必要により着色剤(顔料及び染料)、金属酸化物粉末及び/又は金属粉末を含有することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0100】
無機顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウムカドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、アルミナ、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト及びチタンブラックが挙げられる。
【0101】
有機顔料としては、例えば、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシニンブルー、ハロゲン化銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、イソシンドリノン系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ペリノン系及びペリレン系等の多環式又は複素環式化合物が挙げられる。
【0102】
染料の具体例として、イエロー染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類若しくは開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、ベンジリデン染料及びモノメチンオキソノール染料等のメチン染料、ナフトキノン染料及びアントラキノン染料等のキノン系染料等、キノフタロン染料、ニトロ、ニトロソ染料、アクリジン染料並びにアクリジノン染料が挙げられる。
【0103】
マゼンタ染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類若しくはヘテロ環(ピロール、イミダゾール、チオフェン及びチアゾール誘導体等)を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分としてピラゾロン類又はピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料及びオキソノール染料等のメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、ナフトキノン、アントラキノン及びアントラピリドン等のキノン系染料並びにジオキサジン染料等の縮合多環系染料を挙げられる。
【0104】
シアン染料としては、例えば、インドアニリン染料及びインドフェノール染料等のアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料及びメロシアニン染料等のポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジノン若しくはピロロトリアジノン誘導体を有するアリール又はヘテリルアゾ染料(C.I.ダイレクトブルー14等)並びにインジゴ・チオインジゴ染料を挙げられる。
【0105】
金属酸化物粉末としては、例えば、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、酸化ニオブ及びチタン酸ジルコン酸鉛が挙げられる。
【0106】
金属粉末としては、例えば、パラジウム、ニッケル、銅、銀及び金が挙げられる。
【0107】
着色剤、金属酸化物粉末及び/又は金属粉末の粒子径は、塗膜の鮮映性の観点から、体積平均粒子径として0.01μm〜2.0μmが好ましく、0.01μm〜1.0μmが更に好ましい。
【0108】
着色剤、金属酸化物粉末及び/又は金属粉末の合計含有量は特に限定されないが、本発明の感光性組成物中に0〜60重量%の範囲で添加されることが好ましい。
【0109】
本発明の感光性組成物は、顔料、金属酸化物粉末及び/又は金属粉末を用いる場合その分散性及び感光性組成物の保存安定性を向上させるために顔料分散剤を添加することが好ましい。
顔料分散剤としては、例えば、ビックケミー社製顔料分散剤(Anti−Terra−U、Disperbyk−101,103、106、110、161、162、164、166、167、168,170、174、182、184又は2020等)、味の素ファインテクノ社製顔料分散剤(アジスパーPB711、PB821、PB814、PN411及びPA111等)、ルーブリゾール社製顔料分散剤(ソルスパーズ5000、12000、32000、33000及び39000等)が挙げられる。これらの顔料分散剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。顔料分散剤の含有量は特に限定されるものではないが、本発明の感光性組成物中に0〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0110】
本発明の感光性組成物は、必要により溶剤、増感剤、密着性付与剤(シランカップリング剤等)、レベリング剤及び重合禁止剤等を含有することができる。
【0111】
溶剤としては、グリコールエーテル(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)及びエーテル(テトラヒドロフラン及び1,8−シネオール等)等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
溶剤の含有量は、感光性組成物の重量を基準として0〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜94重量%、特に好ましくは5〜90重量%である。
【0112】
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン等が挙げられる。増感剤の含有量は、感光性組成物の重量を基準として0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
【0113】
密着性付与剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム及びアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。密着性付与剤の含有量は、感光性組成物の重量を基準として0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
【0114】
レベリング剤としては、フッ素系のレベリング剤(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等)、シリコーン系のレベリング剤(アミノポリエーテル変性シリコーン、メトキシ変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーン等)が挙げられる。レベリング剤の含有量は、感光性組成物の重量を基準として、添加効果及び透明性の観点から好ましくは2重量%以下、更に好ましくは0.05〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
【0115】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン及びメチルエーテルハイドロキノン類等が挙げられる。重合禁止剤の含有量は、感光性組成物の重量を基準として0〜1重量%が好ましく、更に好ましくは0〜0.1重量%である。
【0116】
本発明の感光性組成物は、更に、使用目的に合わせて、無機微粒子、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を含有することができる。
【0117】
本発明の感光性組成物は、Mnが300〜1万であるウレタン基及び/又はウレア基を有する(メタ)アクリレート(A)、Mnが200〜10万であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)、ジペンタエリスリトール(ペンタ及び/又はヘキサ)(メタ)アクリレート(C)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(D)、重合開始剤(E)及び酸発生剤(F)、並びに必要によりリチウム塩化合物(G)、金型離型性付与剤(H)、他のラジカル重合性化合物(J)、及び溶剤その他の成分等とをディスパーサー等で混合攪拌することで得られる。混合攪拌温度は通常10℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃である。
【0118】
本発明の感光性組成物の基材への塗布方法としては、スピンコート、ロールコート及びスプレーコート等の公知のコーティング法並びに平版印刷、カルトン印刷、金属印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びグラビア印刷といった公知の印刷法を適用できる。また、微細液滴を連続して吐出するインクジェット方式の塗布も適用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
【0119】
本発明の感光性組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性及び外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
【0120】
本発明の感光性組成物を活性光線照射で硬化させる際のエネルギー源としては、一般的に使用されている高圧水銀灯の他、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びハイパワーメタルハライドランプ等(UV・EB硬化技術の最新動向、ラドテック研究会編、シーエムシー出版、138頁、2006)が使用できる。また、LED光源を使用した照射装置も好適に使用できる。活性光線の照射時及び/又は照射後に酸発生剤から発生した酸を拡散させる目的で、加熱を行ってもよい。加熱温度は、通常、30℃〜200℃であり、好ましくは35℃〜150℃、更に好ましくは40℃〜120℃である。
【実施例】
【0121】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
【0122】
製造例1
<ウレタン基を有するアクリレート(A−1)の合成>
撹拌機、気体導入管、滴下ロート、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、酢酸ブチル568部、ヘキサメチレンジイソシアネート(a2−1)168部、p−メトキシフェノール1.2部及びジブチル錫ジアセテート1.2部を仕込み、窒素と空気の混合気体(体積比4:1)を液相中にバブリングさせながら(反応終了まで継続)、70℃に昇温した後、温度を70±10℃に維持しながら「ライトアクリレートPE3A」[共栄社化学(株)製:ペンタエリスリトールジアクリレート(a1−1)とペンタエリスリトールトリアクリレート(a1−2)とペンタエリスリトールテトラアクリレート(J−1)の混合物(重量比は約5:60:35)]795部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反応させて、酢酸ブチルを減圧下に留去してウレタン基を有するアクリレート(A−1)とペンタエリスリトールテトラアクリレート(J−1)の混合物を得た。(A−1)のMnは1200であった。
【0123】
製造例2
<ウレタン基を有するアクリレート(A−2)の合成>
『「ライトアクリレートPE3A」795部』を「2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1−3)243.6部」に変更する以外は製造例1と同様にしてウレタン基を有するアクリレート(A−2)を得た。(A−2)のMnは450であった。
【0124】
製造例3
<ウレタン基を有するアクリレート(A−3)の合成>
「ヘキサメチレンジイソシアネート(a2−1)168部」を「4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(a2−2)262部」に、『「ライトアクリレートPE3A」 795部』を『「ネオマーDA−600」(三洋化成工業(株)製:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a1−4)とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(C−2)の重量比50/50の混合物)831部』に変更する以外は製造例1と同様にしてウレタン基を有するアクリレート(A−3)とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(C−2)の混合物を得た。(A−3)のMnは1500であった。
【0125】
製造例4
<ウレタン基を有するアクリレート(A−4)の合成>
『「ライトアクリレートPE3A」795部』を「2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1−3)243.6部」に、「ヘキサメチレンジイソシアネート(a2−1)168部」を「イソホロンジイソシアネート(a2−3)222部」に変更する以外は製造例1と同様にして目的とするウレタン基を有するアクリレート(A−4)を得た。(A−4)のMnは550であった。
【0126】
製造例5
<ウレア基を有するアクリレート(A−5)の合成>
『「ライトアクリレートPE3A」795部』を「2−アミノエチルアクリレート(a1−5)243.6部」に変更する以外は製造例1と同様にして目的とするウレア基を有するアクリレート(A−5)を得た。(A−5)のMnは500であった。
【0127】
製造例6
[酸発生剤(F−1){化学式(1)で表される化合物}の製造]
【0128】
【化2】
【0129】
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下ポンプを備えたフラスコに、トルエン6.5部、イソプロピルベンゼン8.1部、ヨウ化カリウム5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にカリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とする酸発生剤(F−1)(淡黄色固体)5.0部を得た。
【0130】
製造例7
[金型離型性付与剤(H−1)の製造]
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下ポンプを備えたフラスコに、リン酸エステル(h1)として2−エチルヘキシルリン酸エステル[大八化学工業(株)製「AP−8」]68.46部、3級アミン(h21)としてオクタデシルジメチルアミン66.38部を入れ、25℃で1時間攪拌し、金型離型性付与剤(H−1)を得た。
【0131】
製造例8
[金型離型性付与剤(H−2)の製造]
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下ポンプを備えたフラスコに、リン酸エステル(h1)としてドデシルリン酸エステル[SC有機化学(株)製「Phoslex A−180L」]48.7部、環状アミジン化合物(h22)として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン[DBU:サンアプロ(株)製]22.30部を入れ、25℃で1時間攪拌し、金型離型性付与剤(H−2)を得た。
【0132】
実施例1
(A)として、製造例1で合成したウレタン基を有するアクリレート(A−1)とペンタエリスリトールテトラアクリレート(J−1)の混合物1.3部、(B)として、Mnが510のポリエチレングリコールジアクリレート[共栄社化学(株)製「ライトアクリレート14EG−A」](B−1)17.0部、(C)として、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマーDA−600」;ペンタ/ヘキサ(重量比)=50/50](C−1)1.3部、(D)として、トリメチロールプロパントリアクリレート[東亞合成(株)製「アロニックスM−309」](D−1)23.0部、(E)として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド[BASF製「ルシリン TPO」](E1−1)1.9部、製造例6で合成した酸発生剤(F−1)0.02部、並びに溶剤としてメチルエチルケトン44.4部及びメチルイソブチルケトン11.1部を一括で配合し、ディスパーサーで均一に混合攪拌し、本発明の感光性組成物(Q−1)を得た。
【0133】
実施例2
「(A−1)」を「製造例2で合成したウレタン基を有するアクリレート(A−2)」に、「(B−1)」を「Mnが210のポリエチレングリコールジアクリレート[日油(株)製「ブレンマーADE−100」](B−2)」に、「(C−1)」を「ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[共栄社化学(株)製「ライトアクリレートDPE−6A」](C−2)」に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−2)を得た。
【0134】
実施例3
「(A−1)」を「製造例3で合成したウレタン基を有するアクリレート(A−3)とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(C−2)の混合物」に、「(B−1)」を「Mnが1150のポリエチレングリコールジメタクリレート[新中村化学(株)製「NKエステル23G」](B−3)」に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−3)を得た。
【0135】
実施例4
「(A−1)」を「製造例4で合成したウレタン基を有するアクリレート(A−4)」に、「(B−1)」を「Mnが540のポリエチレングリコールジメタクリレート[東亞合成(株)製「アロニックスM245」](B−4)」に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−4)を得た。
【0136】
実施例5
「(A−1)」を「製造例5で合成したウレア基を有するアクリレート(A−5)」に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−5)を得た。
【0137】
実施例6
「(A−1)」を1.3部から300部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−6)を得た。
【0138】
実施例7
「(B−1)」を17.0部から300部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−7)を得た。
【0139】
実施例8
「(C−1)」を1.3部から300部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−8)を得た。
【0140】
実施例9
「(D−1)」を23.0部から400部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−9)を得た。
【0141】
実施例10
「(A−1)」を1.3部から10部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−10)を得た。
【0142】
実施例11
「(A−1)」を1.3部から25部に、「(C−1)」を1.3部から4部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−11)を得た。
【0143】
実施例12
「(A−1)」を1.3部から40部に、「(C−1)」を1.3部から2部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−12)を得た。
【0144】
実施例13
「(A−1)」を1.3部から6部に、「(C−1)」を1.3部から100部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−13)を得た。
【0145】
実施例14
「(A−1)」を1.3部から2部に、「(C−1)」を1.3部から40部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−14)を得た。
【0146】
実施例15
(G)として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(G−1)[森田化学工業(株)製「LiTFSI」]2部を新たに追加する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−15)を得た。
【0147】
実施例16
製造例7で合成した金型離型性付与剤(H−1)0.13部を新たに追加する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−16)を得た。
【0148】
実施例17
製造例8で合成した金型離型性付与剤(H−2)2部を新たに追加する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性組成物(Q−17)を得た。
【0149】
比較例1
(A−1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして比較用の感光性組成物(Q’−1)を得た。
【0150】
比較例2
(B−1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして比較用の感光性組成物(Q’−2)を得た。
【0151】
比較例3
(C−1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして比較用の感光性組成物(Q’−3)を得た。
【0152】
比較例4
(D−1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして比較用の感光性組成物(Q’−4)を得た。
【0153】
比較例5
(F−1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして比較用の感光性組成物(Q’−5)を得た。
【0154】
[硬化後塗膜の性能評価]
実施例1〜17及び比較例1〜5で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製コスモシャインA4300]に、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布して、循風乾燥機で60℃×1分間溶剤を乾燥後、ベルトコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス株式会社「ECS−151U」)を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cm
2であった。尚、離型性評価用塗膜においては、幅25mm、長さ100mmのサイズにカットしたPETフィルムに感光性組成物を塗布後、チタン板を張り合わせ、PETフィルム側からUV露光を行なった。
硬化後の塗膜について以下の方法で性能評価を行った結果を表1に示す。
【0155】
[性能評価方法]
(1)耐熱性試験
上記硬化後塗膜を85℃の送風定温恒温器(DKN302:ヤマト科学(株)製)に入れ、100時間又は300時間温調した。温調後の樹脂フィルムを目視、及び形状測定顕微鏡(超深度形状測定顕微鏡VK−8550、キーエンス(株)製)を用いて50倍で観察し、以下の基準により評価した。
◎:温調前と変化が全く認められない
○:目視では変化がないが、顕微鏡にて温調前と色変化が認められる。
△:目視では変化がないが、顕微鏡にて温調前と形状変化が認められる。
×:目視で温調前と変化が認められる
(2)密着性
JIS K−5600−5−6に準拠し、碁盤目セロハンテープ剥離試験により密着性を評価した。
(3)透過率及びヘイズ(透明性)
JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いて透過率及びヘイズを測定した(基材のPETフィルムの値をブランクとして差し引く)。いずれも単位は%である。
(4)離型性
離型性評価用塗膜に対して、万能引張試験機にて剥離速度10m/分剥離角度180°で剥離したときの密着力を測定した。測定は温度23℃、湿度50%RHの環境下で行った。0.6N/25mm以下が好ましい値であり、更に好ましくは0.2N/25mm以下である。
(5)表面固有抵抗値(帯電防止性)
上記硬化後塗膜を23℃でデジタル超絶縁/微少電流計(DSM−8103/SME−8310:日置(株)製)を用いて表面固有抵抗値の測定を行い、以下の基準により評価した。
◎:表面固有抵抗値が1×10
13Ω以下
○:表面固有抵抗値が1×10
13Ωより大きく、1×10
14Ω以下
△:表面固有抵抗値が1×10
14Ωより大きく、1×10
15Ω以下
×:表面固有抵抗値が1×10
15Ωより大きい
【0156】
【表1】