(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように上下に配置されたユニットの間に排紙エリアを設置し、この排紙エリアに下段側の画像形成装置から搬出されたシートを後処理して収納する後処理装置を内蔵する画像形成システムは広く知られている(特許文献1など)。
【0006】
このようなシステム構成では、限られた排紙スペース内に、後処理機構を内蔵することが要求され、集密度が高くなり、スペース内温度が上昇する問題が知られている。この温度は、搬出される画像が高温で定着されシート自体が高温で搬出される。このシート温度に、処理トレイにシートを搬送する搬送機構のモータの発熱と後処理機構の駆動モータの発熱がくわわるため、スペース内は相当に高温となる。
【0007】
そこでスペース内の雰囲気温度が高い状態で高温のシートを搬送すると、シート相互か擦れて汚損する問題と、ステープル綴じなどの後処理機構部の故障を招くことがある。画像汚損は、高温で不完全な定着状態のシート画像が擦れることによって発生し、仕上がり画質に大きな影響を及ぼす。また、後処理機構部のモータは高熱状態が連続するとその作動精度が狂い、装置の誤作動を招く恐れがある。
【0008】
これと共に、画像形成されたシートも冷却されることなく長時間、高温度に曝されるとカールして反り返りなど仕上げ品位を著しく低下させる問題がある。そこで特許文献1の装置は排紙エリア内に冷却ファンを設けているが、この冷却ファンを複数配置することは装置の大型化と、騒音、高消費電力などの問題を引き起こす。
【0009】
本発明者は搬入口から排紙口にシートを搬送する排紙経路を、上下高低差を有する湾曲形上に構成し、この経路で後処理機構部を囲った上で、傾斜湾曲部に通気口設けて排紙エリアの基端部から先端部側に冷却風を送風する。これによってシートは通気口を通過するときにその表面側が冷却され、この通気口を通過した後に処理トレイに搬入されるときには裏面側が通気口を通過した冷却風で冷却され、この冷却風は同時に後処理機構部(モータなど)を冷却することが可能であるとの着想に至った。
【0010】
本発明は、搬入口からシートを処理トレイに搬出して後処理する際に、このシートの両面を冷却することが可能であり、同時に後処理機構部の駆動モータを冷却することによって安定した仕上げ処理と耐久性に富んだシート後処理装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため
、本発明は、
画像形成装置から搬送されてくるシートを搬入する搬入口と、前記搬入口に搬入されてきたシートを排紙する排紙口と、を結ぶ排紙経路と、前記搬入口側の排紙方向基端部を閉鎖
し、
前記排紙口側の先端部側を開放した排紙エリア内に、基端部側の搬入口と先端部側の排紙口とを高低差を有する段差を形成して配置し、搬入口から排紙口にシートを案内する排紙経路の1部に傾斜湾曲部を設け、この傾斜湾曲部に送風開口を設けると共に、エリア基端部に冷却ファンを配置し、経路を通過するシートの片面を送風開口からの冷却風で冷却すると共に、シートが送風開口を通過した後には反対側面と、処理機構部の駆動モータを送風開口から流入した冷却風で冷却することを特徴としている。
【0012】
更にその構成を詳述すると、排紙方向基端部を閉鎖、先端部を開放した排紙エリアと、エリア基端部15aに配置されたシートを搬入する搬入口34と、エリア先端部15bに配置された排紙口30と、搬入口から排紙口にシートを案内する排紙経路31と、排紙口と段差を形成して下段側に配置された処理トレイ32と、エリア先端部の排紙方向下流側に配置されたスタックトレイ33と処理トレイのエリア基端部側に配置された後処理手段39とを備える。
【0013】
搬入口と排紙口は所定の高低差を有する段差Daを形成する位置に配置され、排紙経路は搬入口から排紙口にシートを案内する間隙dxを形成し、少なくともその一部に傾斜湾曲部31wを有する湾曲ガイド35で構成され、後処理手段39は湾曲ガイドで囲われた空間内に配置され、排紙エリアにはエリア基端部15aからエリア先端部15bに送風する冷却ファン52が配置される。
【0014】
この冷却ファンは、排紙経路31を隔てて後処理手段39の反対側のエリア基端部15aに配置されていると共に湾曲ガイド35にはエリア基端部からエリア先端部に通気する送風開口27を設ける。
【発明の効果】
【0015】
本発明は高低差を有する搬入口から排紙口にシートを案内する搬送経路の1部に傾斜湾曲部を設け、エリア基端部に配置した冷却ファンから、傾斜湾曲部に形成した送風開口を通じて経路を通過するシートを冷却し、シートが送風開口を通過した後にはシートの反対側面と後処理機構部を同時に送風開口からの冷却風で冷却するようにしたものであるから以下の効果を奏する。
【0016】
搬入口と排紙口とを高低差を有する位置に配置し、この間の搬送経路に傾斜湾曲部を設けた経路構成であって、エリア基端部に冷却ファンが、エリアを縦断する経路の傾斜湾曲部に送風開口が設けられ、この傾斜湾曲部に送風開口が設けてあるから、搬入口からシートは傾斜湾曲部を通過する間に、その一面が冷却風に曝されて冷却され、傾斜湾曲部を通過した後は処理トレイに至る間に送風開口を通過した冷却風に反対側表面を曝されて冷却されることとなる。これと同時に処理トレイの後処理機構部も送風開口を通過した冷却風で冷却されることとなる。従って、搬入口から処理トレイに至るシートは、その両面を冷却ファンからの送風で冷却されることとなる。
【0017】
これと同時に本発明は、閉鎖されたエリア基端部に冷却ファンを配置し、エリアを縦断する排紙経路に送風開口を設けてあるから、閉鎖されたエリア基端部から開放されたエリア先端部に向けて送風されるから、基端部に熱が篭もって温度上昇することがない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図示の好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。
図1は本発明に係わるシート排紙装置を備えた画像形成システムを示し、シート上に画像形成する画像形成ユニットAと、原稿画像を読み取る画像読取ユニットBと、画像形成ユニットから送られた画像形成シートに仕上げ処理を施して。下流側のスタックトレイに収納する後処理ユニットC(シート収納装置;以下同様)で構成されている。
【0020】
画像形成ユニットAと画像読取ユニットBは一体の装置フレームに組み込まれ、画像形成ユニットAの上方に画像読取ユニットBが配置されている。そして下方に位置する画像形成ユニットAと上方に位置する画像読取ユニットBの間に排紙エリア15が設けられ、この排紙エリアに後処理ユニットCが内蔵されている。以下、画像形成ユニットA、後処理ユニットCの順に説明する。
【0021】
[画像形成ユニット]
画像形成ユニットAは、
図1に示すようにケーシング4と、このケーシング内に内蔵された給紙部1と、画像形成部2と、排紙部3と、データ処理部(不図示)で構成されている。ケーシング4は適宜形状の外筐体で形成され、内部に補強フレームが一体成形されたモノコック構造に構成されている。従って以下装置フレームとは、このケーシングを云う。
【0022】
給紙部1は複数の給紙カセット5と給紙経路7で構成されている。上記ケーシング4には複数の給紙カセット5a、5b、5cが着脱可能に装着され、各カセットには異なるサイズのシートが収納されている。各カセットには、収納したシートを繰出す給紙ローラ6と、このローラで繰り出したシートを1枚ずつ分離する分離部材(コーナ爪、ローラなど)が内蔵されている。給紙経路7は複数の給紙カセット5から繰出されたシートを画像形成部2の上流側に設定されたレジスト位置に待機させる。このレジスト位置にはローラ対8(レジストローラ)が設けられ、シート先端を姿勢修正して待機させる。レジストローラの機構については広く知られているのでその説明を省く。
【0023】
上述の給紙部1は、画像形成制御部(制御CPU)から指定されたサイズのシートを給紙カセット5から、給紙経路7に繰り出し、この経路に設定されたレジスト位置に待機させる。
【0024】
画像形成部2は、給紙部1から送られたシートに画像を形成する。画像形成機構は種々知られ、本発明はそのいずれも採用可能である。図示のものは静電方式の画像形成機構を示している。Y(イエロ)M(マゼンタ)C(シアン)又はB(ブラック)など色成分毎に静電ドラム9(abcd)を配置し、各ドラムの周囲に現像器11と発光ヘッド10(レーザ発光器など)を配置する。そして色成分毎にドラム上にヘッドで潜画像を形成し、現像器でトナーインクを付着した後に転写ベルト12の上に画像合成する。そして転写ベルトの画像をチャジャー13でシートに転写する。
【0025】
シート上に転写された画像(トナー像)は定着部14で画像定着され排紙経路17に送られる。定着部14は、加熱ローラ対でシート上のトナー画像を高温で溶融するのと同時に加圧する。この加熱ローラ対でトナー画像は溶融してシートに融着する。
【0026】
排紙部3は、排紙経路17で構成され、この経路はシートを定着部14からケーシング4に形成された排紙口16に案内する。排紙経路17には搬送ローラが所定間隔で配置されている。また、図示18はデュープレックス経路であり、片面に画像形成したシートを排紙経路17から排紙口16に搬送し、表紙反転して再び画像形成部2に移送する。そしてシートの反対面に画像形成して排紙口16に送る。これによってシートの両面に画像形成する。
【0027】
また排紙部3には、排紙口16に連なる排紙エリア15が形成され、排紙口16から送られたシートをトレイ(不図示)に収納する。本発明はこの排紙エリア15に装備された後処理装置C(後処理ユニット)に関する。
【0028】
[画像読取ユニット]
上述の画像形成ユニットAの上方には画像読取ユニットBが配置されている。画像読取ユニットBはプラテン22と、このプラテンに沿って往復動する読取キャリッジ23で構成されている。プラテン22は透明ガラスで形成され、静止画像を読取キャリッジ23の移動で走査する静止画像読取面と、所定速度で走行する原稿画像を読み取る走行画像読取面で構成されている。
【0029】
読取キャリッジ23は光源ランプと、原稿からの反射光を変更する反射ミラーと、光電変換素子(不図示)で構成されている。光電変換素子はプラテン上の原稿幅方向(主走査方向)に配列されたラインセンサで構成され、これと直交する副走査方向に読取キャリッジ23が往復移動することによって線順位で原稿画像を読取ようになっている。また、プラテン22の走行画像読取面の上方には原稿を所定速度で走行させる原稿自動給送装置24が搭載されている。この原稿自動給送装置24は給紙トレイ上にセットした原稿シートを1枚ずつプラテンに給送し、画像を読み取った後に排紙トレイに収納するフィーダ機構で構成されている。
【0030】
[後処理ユニット]
図2に後処理ユニットCの全体構成を示す。後処理ユニットCは画像形成ユニットAから送られたシートに後処理を施し、スタックトレイ33に収納する。画像形成ユニットAに設けられた排紙エリア15(
図1参照)に後処理ユニットCがオプション装置として内蔵されている。図示の後処理ユニットCは画像形成ユニットAから送られたシートを部揃え集積して綴じ処理した後にスタックトレイ33に収納するように構成されている。
【0031】
このため後処理ユニットCは、排紙口30を有する排紙経路31と排紙口の下流側に配置された処理トレイ32と、その下流側に配置されたスタックトレイ33で構成されている。排紙経路31は搬入口34と排紙口30との間に高低差を有する段差Daが設けられ排紙エリア15を略縦断する図示上下方向に配置されている。処理トレイ32とスタックトレイ33はシート先端部をスタックトレイ33が後端部を処理トレイ32が支持するブリッジ支持構造に構成され、排紙口30から送られたシートは処理トレイ32とスタックトレイ33に支持された最上シートの上に積み重ねられるように構成されている。
【0032】
[排紙経路]
図2に示すように排紙経路31は本体排紙口16と連なる搬入口34を備え、この搬入口34から排紙口30に向けてシートを案内する経路ガイド35と、この経路に配置された搬送ローラ36を備えている。経路ガイド35は上部ガイド部材35aと下部ガイド部材35bでシートを搬送する経路を構成している。このガイド部材35a、35bには後述する送風開口27a、27b、27cが配置してある。図示Se1は搬入センサであり、Se2は排紙センサである。いずれのセンサもシートの先端と後端を検出する例えばホトセンサ、機械的スイッチセンサなどで構成されている。この排紙経路31には
図3に示すようにバック搬送経路44が分岐して配置され、排紙経路31から送られたシートを処理トレイ32に向けて移送する。
【0033】
上記バック搬送経路44について
図3に従って説明する。排紙経路31を構成する経路ガイド35には分岐部35y(排紙経路の分岐部)が設けられ、この分岐部35yからバック搬送経路44がシートを処理トレイ32の上方に案内するように配置されている。
【0034】
分岐部35yには経路切換手段45が設けられ、シート後端が分岐部35yを通過した後に
図3の状態にシート後端を処理トレイ32側に案内する。図示の経路切換手段45は後述するシート押え手段48と共通の作動手段M3(モータ、電磁ソレノイドその他のアクチュエータ)で経路方向を切り換えるように構成されている。
【0035】
また、
図3に示すようにバック搬送経路44は仕切ガイド部材46で処理トレイ上に積載されているシートと区分けるガイド構造を備えている。これは分岐部35yからシートを処理トレイ上に搬入する際に、既に積載されている積載済シートと搬入シートが互いに擦れ合うのを避けるためである。従って仕切ガイド部材46は図示のように樹脂プレートで構成するほか、樹脂フィルム(例えばマイラーシート)を垂下させて構成しても良い。そして排紙口30には、シート搬入手段40(後述の搬入ローラ対40a,40b)が設けられ、排紙経路31から送られたシートを排紙方向に送った後に反対方向にバック搬送するスイッチバック経路で構成されている。
【0036】
[シート搬入手段]
上述の排紙経路31の排紙口30にはシートをバック搬送経路44から処理トレイ32に向けて搬送するシート搬入手段40が設けてある。図示の実施形態では、シート搬入手段40は互いに圧接する一対のローラ対(第1ローラ40a、第2ローラ40b)で構成されている。このシート搬入手段40は互いに圧接するローラ、ベルトのなどの搬送回転体(部材)で構成され、排紙経路31から送られるシートの上面と係合する第1ローラ40aは第2ローラ40bに対し圧接・離間する昇降ローラで構成されている。
【0037】
図3に示すように装置フレーム(不図示)に基端部を軸支持されたアーム部材41の先端部に第1ローラ40aが回転可能に軸支持されている。そしてアーム部材41の基端部には昇降モータM2が連結され、その昇降モータの回転で第1ローラ40aは実線で示す作動位置と破線で示す待機位置との間で昇降制御する。これと共にアーム部材41の基端部には、駆動モータが連結されその回転を、ベルトなどの伝動部材(不図示)で第1ローラ40aに伝達するようになっている。この駆動モータは正逆転可能なステッピングモータなどで構成する。
【0038】
また、第2ローラ40bは従動ローラ(アイドルローラ)で構成され、第1ローラ40aで駆動するシートの搬送力に従って従動回転する。特に図示の第2ローラ40bにはシートを排紙経路31から処理トレイ32に搬送した後にそのシートの側方に退避してシートを処理トレイ上に落下させることによって収納している。このため第2ローラ40bは仕切ガイド板46と一体にシートの搬送直交方向にスライド移動可能に構成されている。
【0039】
排紙経路31には経路切換手段45を介してバック搬送経路44が連結され、排紙経路31から送られたシートを、搬送方向を反転して処理トレイ上の処理位置に向けて案内する。このため第2ローラ40bには一体に仕切ガイド板46が設けられ、この仕切ガイド板46のガイド面に沿ってシートを案内する。そしてこの第2ローラ40bと仕切ガイド板46とは排紙経路31から送られたシートを、その搬送方向を反転させて処理トレイ32に送り後端規制手段47に突き当て停止する。このとき第2ローラ40bと後端規制手段47との間の間隔をシートの搬送方向長さより短く設定している。これは装置を小型・コンパクトに構成するためである。
【0040】
このような構成では、第2ローラ40bと仕切ガイド板46はシートを処理トレイ32に搬送した後に、このシートから退避する必要がある。図示の装置は、排紙口30から処理トレイ32に向かうシートの下面側と係合する第2ローラ40bをシート側方にスライド移動させてシートから退避するように構成している。そしてシートを排紙経路31から処理トレイ32の後端規制部材47に送る間は、第2ローラ40bはシート下面と係合し、シート後端が後端規制部材47に突き当った後には、第2ローラ40bは仕切ガイド板46と共にシート側方に移動してシートから退避する。
【0041】
[処理トレイの構成]
処理トレイ32は、
図2に示すように排紙口30から段差Dbを形成して下方に配置され、排紙口30から送られたシートを後述するスタックトレイ33と協働して載置支持する。この処理トレイ32は合成樹脂のモールド成形などで構成され、紙載面32xを備えている。この処理トレイ32には、シート後端を規制する後端規制手段47と、後述する後処理手段(ステープラ装置)39とシート押え手段48と積載シート整合手段38が備えられている。構成については後述する。
【0042】
[後端規制手段]
後端規制手段47は
図2、
図3に示すように排紙経路31から搬送方向を反転して送られたシートの後端を突き当て規制するストッパ部材(シート端規制部材)で構成されている。このストッパ部材は処理トレイ32に設定された処理位置にシートを整合するように構成され、図示のものはトレイ後端部に取付けられた折り曲げ片(板)で構成されている。
【0043】
[シート搬出手段]
処理トレイ32には、前述したようにシート搬入手段40が配置されている。このシート搬入手段40と共にシート(束)を下流側のスタックトレイ33に搬出するシート搬出手段68が設けられている。このシート搬出手段68は、後述する後処理手段39で処理されたシート(束)を下流側のスタックトレイ33に搬出する搬送機構で構成される。図示の装置はシート搬出手段68とシート搬入手段40を処理トレイ32の開口部32yに配置した第1第2第3ローラ40a,40b,68で構成している。以下、その構成について説明する。
【0044】
図4に示すように排紙口30には、第1ローラ40aと、第2ローラ40bと、第3ローラ68が、この順に上方から下方に配置されている。中央に位置する第2ローラ40bは静止した状態に、第1ローラ40aと、第3ローラ68は第2ローラ40bに対して圧接及び離間した位置に移動可能に配置されている。そして第1ローラ40aと第2ローラ40bのニップ間で排紙経路31から送られたシートを処理トレイ32に移送し、第2ローラ40bと第3ローラ68との間で処理トレイ32からシートをスタックトレイ33に移送する。
【0045】
<第1ローラ>
第1ローラ40aはシート上面と係合し、排紙経路31を送られるシートの上方に位置し、第1ローラ40aは第2ローラ40bに対して圧接離間するように上下動可能なローラで構成されている。この第1ローラ40aは、シートの移動軌跡から上方に退避した待機位置と、第2ローラ40bと圧接する作動位置との間で昇降可能に構成されている。これは排紙経路31から送られるシートの進入を妨げないように上方に退避した位置で待機し、シート先端が第2ローラ40bを通過した後に第1ローラ40aをニップ作動位置に下降させるためである。
【0046】
その昇降機構を
図3に従って説明する。装置フレームに揺動可能にアーム部材41が設けられ、このアーム先端に第1ローラ40aが軸支持されている。そしてアーム部材41の基端部には昇降モータ(シフトモータ)M2が連結され、その正逆転で第1ローラ40aを第2ローラ40bと圧接する作動位置(
図4実線位置)と、これから離間した待機位置(
図4破線位置)との間で昇降する。この昇降機構の一例を説明すると、昇降モータM2の回転軸(不図示)とアーム部材41の支軸42をバネクラッチで連結する。そして昇降モータM2が一方向に回転するとアーム部材の支軸42はバネクラッチが弛緩してアーム部材41を待機位置から作動位置に移動する。また昇降モータM2の逆回転でバネクラッチが緊縮してアーム部材41を作動位置から待機位置に移動し、その後は図示しないストッパに突き当たって位置保持される。
【0047】
また、アーム部材の支軸42にはプーリ(不図示)が設けられ、このプーリには、駆動モータ(不図示)が連結されていると共に、その回転は伝動ベルトなどで第1ローラ40aに伝達するようになっている。従って、昇降モータM2の正逆転で第1ローラ40aは待機位置と作動位置との間で昇降し、駆動モータの正逆転で排紙方向と、反排紙方向にシートを搬送するように回転する。尚、アーム部材41はモータで上下揺動させるについて説明したが、作動ソレノイドなどのアクチュエータで揺動させても良い。
【0048】
このような構成において、第1ローラ40aが待機位置のときには排紙口30に搬出されたシートはローラに拘束されることなくフリーな状態となり、作動位置のときにはローラに保持された状態でその回転方向に搬送されることとなる。
【0049】
<第2ローラ>
上記第2ローラ40bは、第1ローラ40aと係合する位置に配置され、第1ローラ40aの回転に従動するアイドルコロで構成されている。これと同時に第2ローラ40bは後述する第3ローラ68と係合する位置に配置されている。つまり第2ローラ40bは排紙経路31から送られたシートをバック搬送経路44から処理トレイ32に搬入する最適位置に配置されている。これと同時に、この第2ローラ40bは処理トレイ32からスタックトレイ33にシートを搬出する高さ位置に設定されている。尚、第2ローラ40bは後述するようにシートの移動軌跡(経路)から退避するように搬送直交方向(=シートの側方)にスライド移動可能に構成されている。
【0050】
上記第2ローラ40bは第1ローラ40aの周面と係合するコロと、これを回転可能に軸支持する軸ピン43で構成され、この軸ピン43は後述する整合部材(積載シート整合手段38)に植設されている。尚、図示の第2ローラ40bはデルリンなどの樹脂ローラで軽量に構成されている。これに対し、第1ローラ40a及び第3ローラ68はゴムなどの高摩擦係数の素材で構成されている。
【0051】
このように第1ローラ40aの摩擦係数>第2ローラ40bの摩擦係数に設定され、同様に第3ローラ68の摩擦係数>第2ローラ40bの摩擦係数に設定されている。このように第2ローラ40bの摩擦係数を他のローラより小さくしたのは、排紙経路31から排紙口30に送られるシートは、第2ローラ40bの周面を摺りながら移動することとなり、その摩擦負荷を軽減するためである。
【0052】
<第3ローラ>
この第3ローラ68は、第2ローラ40bと圧接する搬出位置(
図4破線位置)とこのローラ40bから離間した搬入位置(
図4実線位置)との間で移動可能に構成されている。搬出位置は処理トレイの紙載面32xから高さ位置(段差Db)に設定されている。この段差Dbは、処理トレイ上に積載する最大束厚さより大きく、且つ搬出するシート束の摩擦抵抗が軽減される高さ位置に設定する。この摩擦抵抗は、シート束を第2ローラ40bと第3ローラ68でニップして搬出する搬送力より十分小さくなるように実験で設定する。
【0053】
また、第3ローラ68の搬入位置は、処理トレイの紙載面32xに沿ってシートが整然と積載されるように高さ位置に設定する。例えば紙載面32xから処理トレイ内部に内蔵された位置か、紙載面32xと同一面となる位置か、紙載面32xから若干上方に突出した位置のいずれかに設定される。
【0054】
図示の第3ローラ68は、処理トレイ32の出口端にトレイ内部に内蔵された状態で配置され、このローラは装置フレームに揺動可能に軸支持した昇降アーム69の先端に取付けられている。そして第3ローラ68に回転を付与する駆動モータ(不図示)が連結され、昇降アーム69には上昇位置と下降位置との間で昇降するアクチュエータ(不図示)が連結されている。
【0055】
このアクチュエータ(不図示)によって昇降アーム69が下降位置のときには第3ローラ68は搬入位置に位置し、処理トレイ内部に内蔵されている。また昇降アーム69が上昇位置のときには第3ローラ68は、第2ローラ40bと圧接する搬出位置に位置する。つまり第3ローラ68は処理トレイ32の内部に内蔵された状態でその上方にシートが積載され、積載されたシートを搬出するときにはシートを上方に押し上げて第2ローラ40bとの間にニップする。そして第3ローラ68を排紙方向に回転することによってシート束を処理トレイ32からスタックトレイ33に移送するように構成されている。
【0056】
[スタックトレイ]
処理トレイ32の下流側にはスタックトレイ33が配置され、排紙口30から送られたシートを、その後端を処理トレイ32が先端部をスタックトレイ33がブリッジ支持するように両トレイがほぼ同一の高さ位置に配置されている。
【0057】
[後処理手段]
後処理手段39は、処理トレイ32に配置される。図示の後処理手段39は処理トレイ32に部揃え集積したシート束を綴じ合わせるステープラユニットで構成されている。ステープラユニットは、種々の構造が知られているのでその説明を省くが、直線上のブランク針をコの字上に折り曲げてシート束に刺入し、その先端をアンビル部材で折曲げて綴じ処理する機構として知られている。
【0058】
[シート押え手段]
処理トレイ32にはバック搬送経路44から送られたシートの先端(排紙方向後端部)を押圧するシート押え手段48が配置されている。このシート押え手段48は排紙経路31から処理トレイ上にバック搬送されたシートの先端部を処理トレイ上方から加圧(押圧)することによってシートの姿勢を保持する。この姿勢保持は、先端部を後端規制手段47に突当規制されたシートの後端部を仕切ガイド板46から落下させる際のシート姿勢の乱れを防止する。
【0059】
[積載シート整合手段]
更に上記処理トレイ32には、積載されたシートの幅方向を基準点位置に一致させる積載シート整合手段38が設けられている。この基準点位置はセンター基準点又はサイド基準点として予め設定されている。図示の積載シート整合手段38は処理トレイ上に配置された左右一対の整合部材(整合板)51a,51bと、この整合部材をシート幅方向に位置移動する整合モータ(シフトモータ)M4で構成されている。この積載シート整合手段38の詳細な構成については後述する。
【0060】
[単シート整合機構]
排紙経路31には搬入口34から送られたシートを排紙口30に送るときにシートの幅方向姿勢を基準点ライン(図示のものはセンターライン)に整合する単シート整合手段52が配置されている。これは排紙経路31を搬入口34から排紙口30にシートを搬送する過程でこのシートの幅方向(搬送直交方向)の位置を予め設定された基準点ラインに一致させるためである。
【0061】
[後処理機構部の異なる実施形態]
次に
図2の実施形態とは異なる後処理ユニットの構成について
図5に従って説明する。前述の後処理ユニットCは、処理トレイ32にシートを搬入する搬入機構(前記第1第2第3ローラ機構)備えているが、
図5に示す異なる形態について説明する。
【0062】
図5に示す装置は、排紙エリア15および排紙経路31の構成は前述のものと同一であり同一符号を付して説明を省略する。排紙経路31の排紙口30には、段差Dbを形成して処理トレイ32が配置してある。そして排紙口30には一対の排紙ローラ50a、50bが配置してあり、その一方のローラは圧接離間可能にローラ昇降機構が設けてある。
【0063】
処理トレイ32の上方には掻込みローラ51が設けてあり、この掻込みローラはシートの積載量に応じて上下昇降するように構成されている。このような構成で排紙経路31から排紙口30に搬出されたシートは排紙ローラ対で搬送方向を反転され、処理トレイ上の最上紙に沿ってスイッチバック搬送される。
【0064】
この処理トレイ32の後端部にはストッパ手段47が配置してあり、シートを所定のステップル綴じ位置に停止セットする。処理トレイ32にはステープラ装置39が配置してあり、排紙口30から処理トレイ32に集積されたシート束を綴じ処理した後に下流側のスタックトレイ33に配置するように構成されている。スタックトレイ33は前述のものと同様に積載量に応じて昇降する。
【0065】
[後処理機構部]
上述のような後処理装置において本発明は次の構成を採用したことを特徴としている。画像形成ユニットA又は後処理ユニットCの排紙部に閉鎖した基端部15aと、開放した先端部15bを有する排紙エリア15を設ける。図示の排紙エリア15は
図8に斜視構成を示すように下方に画像形成ユニットAが、上方に画像読取ユニットBが配置され、両ユニットの間に排紙エリア15が形成されている。
【0066】
この排紙エリア15は2方向、つまり装置フロント側15Fと装置左サイド15Lが開放され、装置右サイド15Rと装置リア側15Eは閉鎖されている。右サイド側には画像形成ユニットの排紙経路17が配置され、リア側には画像読取ユニットBを支える支持壁(不図示)が配置されている。このように2方向が開放され、他の2方向が閉鎖されている。これは装置左右サイドの一方は画像形成ユニットAからシートを搬出する経路を内蔵する必要性があり、装置フロント側とリア側の一方は、上方に画像読取ユニットBを支える支柱を配置するためである。
【0067】
このように装置の基端部側を閉鎖した空間では、高温で搬出されるシートの熱が閉鎖された基端部に籠もることとなり、排紙エリア15の全体が高温となる。この排紙エリア15が高温となると排紙口30から搬出されたシートはカールして歪曲変形する。これと共に処理トレイ32に高温のシートが多数集積されるとトレイ周辺が高温となり、処理トレイ32に配置されている後処理手段、例えばステープルユニットの駆動モータ、或いは整合機構の駆動モータが高温に曝され、誤作動を引き起こす。従って排紙エリア15の雰囲気温度と、シート温度を平温に近く冷却する必要がある。
【0068】
このため排紙エリア15には、
図2及び
図5に示すようにエリア基端部15aに冷却ファン52が設けてある。この冷却ファン52はエリア基端部15aからエリア先端部15bに空気の流れを形成する位置に配置してある。尚、本実施例では冷却ファン52を排紙エリア15に配置しているが、画像形成ユニットAの装置フレームに配置することも可能である。また、排紙エリア15には排紙経路31が搬入口34からシートを排紙口30に案内するように配置してあるが、本発明の排紙経路は搬入口34と排紙口30の間に段差Daを形成するように高低差が設けてある。そしてこの段差Daは、排紙口30と処理トレイ32との間の段差Dbより大きく(Da>Db)に形成してある。
【0069】
このように搬入口34から排紙口30に至る経路段差Daは、排紙口30から処理トレイ32に至る経路段差Dbより大きく設定されているからエリア基端部15aとエリア先端部15bとは排紙経路31で遮られることとなり、この経路構成と同時にこの経路を構成する経路ガイド35に送風開口27(27a〜27c)が形成してある。このように排紙エリア15に高低差を有する傾斜方向に配置された排紙経路31は、
図2に示すように処理トレイ32と、その周囲に配置されている後処理手段39(ステープラユニット)を囲うように配置されている。そしてこの経路に基端部15aから先端15bに空気の流れを形成する以下の送風開口27が配置されている。
【0070】
図2及び
図5に示すように排紙経路31には傾斜湾曲部31wが形成され、この傾斜湾曲部31wにエリア基端部15aからエリア先端部15bに空気流を形成する送風開口27が形成してある。つまり、排紙経路31は
図6に示すように排紙方向に第1ガイドGa1、第2ガイドGa2次いで第3ガイドGa3の順に配置され、シート搬送間隙dxを形成して互いに対向するガイド部材で傾斜湾曲部31wが形成されている。
【0071】
排紙経路31を構成するガイド部材には傾斜湾曲部31wが形成され、ガイドには
図6(a)に示すように複数の送風開口27(27a,27b,27c)が設けてある。
図6(b)は、傾斜湾曲部31wの断面構成を示し、シートを搬送する間隙dxを介して一対のガイド部材が対向配置され、平面構成は(a)のように複数の送風開口27が配列してある。図示の送風開口27はシートの搬送方向に徐々に狭小となる三角形状の開口で構成してある。これは送風開口を移動するシートに紙詰まりを起こさせないためである。
【0072】
上述の送風開口の作用について
図7を参照して説明する。同図は搬入口34から処理トレイ32に移送されるシートの冷却状態を示し、(a)は傾斜湾曲部31wを通過する際にシート片面が冷却される状態を、(b)は経路排紙口30から処理トレイ32に移送される際に反対面が冷却される状態を示す。
【0073】
搬入口34と排紙口30との間には高低差を有する段差が形成され、排紙経路で連なっている。この排紙経路は排紙エリア15を縦断する方向に配置され中央部に傾斜湾曲部が位置している。そして排紙エリア15には基端部15aから先端部15bに向けて送風する冷却ファン52がエリア基端部に配置され、傾斜湾曲部31wを形成する湾曲ガイドには送風開口27(27a〜27c)が設けられている。
【0074】
そこで搬入口34から送られたシートは、傾斜湾曲部31wを通過する過程で冷却ファンから送られた冷却風をその片面に受けながら排紙口に向かう、この状態を
図7(a)に示す。次に排紙口30に送られたシートは、排紙口30から段差Dbを有する処理トレイ32に向かってバック搬送経路44をスイッチバック搬送される。このときシート反対面は、傾斜湾曲部31wの送風開口27を通過した冷却風に曝され冷却される。
【0075】
このようにシートが搬入口34から処理トレイ32に送られる過程でその両面が冷却される。これと共に、送風開口27を過ぎった送風は、処理トレイ32に集積されているシート(束)と、トレイに配置されている後処理機構部の駆動モータ(ステープルモータ、整合モータなど)を冷却する。