(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
リンク情報を含む道路ネットワーク情報と、前記リンク情報に対応するプローブ情報と、を取得する情報取得手段と、前記リンク情報に基づいて前記リンクコストを計算するリンクコスト計算手段と、前記計算されたリンクコストに基づいて案内経路を探索する経路探索手段と、前記道路ネットワーク情報においてリンクコストの計算に必要な情報が不足している未保証リンクのリンクパラメータを前記プローブ情報に基づいて前記リンク情報に追加するリンクパラメータ追加手段と、を備えるとともに、
前記プローブ情報は、走行速度、走行時間、幅員、及び走行回数の少なくとも1つを示すプローブパラメータを含んでおり、
前記リンクパラメータ追加手段は、ユーザが使用するユーザ車両から得られたプローブ情報に基づいて、前記リンクパラメータを追加する、
ことを特徴とする情報処理システム。
前記リンクパラメータが、不明である又は不足しているか否かに基づいて、前記道路ネットワーク情報に含まれるリンクが、前記未保証リンクであるか否かを判定する道路判定手段をさらに備える、請求項1乃至3の何れかに記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。
【0012】
第1実施形態の情報処理システム1の構成について説明する。
図1は、第1実施形態の情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、情報処理システム1は、サーバ10と、端末装置30と、ネットワーク50と、を備える。サーバ10及び端末装置30は、ネットワーク50を介して互いに通信可能である。サーバ10の数は、1台であっても良いし、複数台であっても良い。端末装置30の数は、1台であっても良いし、複数台であっても良い。ネットワーク50は、有線ネットワークであっても良いし、無線ネットワークであっても良い。サーバ10と端末装置30との間の通信は、ネットワーク50以外の媒体(例えば、USB(Universal Serial Bus)等のデータバスケーブル、又はSD(Secuere Digital)カード等のリムーバルメディア)を介して行われても良い。
【0014】
サーバ10は、サーバ制御部12と、サーバ記憶部14と、サーバ通信部16と、を備える。
【0015】
サーバ制御部12は、サーバ通信制御部120と、サーバ情報取得部121と、サーバ出力制御部122と、経路探索部124と、道路判定部126と、リンクパラメータ追加部128と、リンクコスト計算部130と、を備える。サーバ制御部12の各部については、後述する。
【0016】
サーバ記憶部14には、サーバ制御部12が取り扱うデータが記憶される。例えば、サーバ記憶部14には、リンク情報を含む道路ネットワーク情報と、プローブ情報と、サーバ制御部12が実行可能なアプリケーションと、が記憶される。
【0017】
リンク情報とは、リンクに関する情報である。
【0018】
図2は、第1実施形態のリンク情報のデータ構造の一例を示す図である。
【0019】
図2に示すように、リンク情報は、リンクID(IDentification)と、道路フラグと、リンクパラメータと、ノード情報と、を含む。
【0020】
リンクIDは、道路ネットワーク情報内のリンクを特定する情報である。
【0021】
道路フラグは、種別コードと、道路種別とを含む。道路フラグは、リンクIDに対応する道路が、保証道路(例えば、国道又は県道)であるか、又は、未保証道路であるかを示す、フラグである。
【0022】
リンクパラメータは、リンクコストの計算に用いられる情報である。リンクパラメータは、速度[km/h]と、距離[m]と、幅員[m]と、を含む。速度[km/h]は、リンクを走行するときの速度を示す情報である。距離[m]は、リンクの全長を示す情報である。幅員[m]は、道路幅を示す情報である。
【0023】
例えば、リンクID「L1」は、60[km/h]で走行可能であり、全長30[m]であり、且つ、幅員13[m]の保証道路(国道)に対応し、リンクID「L2」は、60[km/h]で走行可能であり、全長30[m]であり、且つ、幅員12[m]の保証道路(国道)に対応し、リンクID「L3」は、速度40[km/h]で走行可能であり、全長15[m]であり、且つ、幅員11[m]の保証道路(県道)に対応する。一方、リンクID「L4」〜「L6」は、リンクパラメータが不明な又は不足している未保証道路に対応する。
【0024】
ノード情報は、リンクを画定する2点(始点及び終点)のノードを特定する情報である。ノード情報は、始点のノードのノードIDと、終点のノードのノードIDと、を含む。例えば、リンクID「L1」は、ノードN1からノードN2までのリンクである。
【0025】
換言すると、保証道路とは、リンクコストの計算に必要な情報が充足している(即ち、正確なリンクコストが計算可能な)道路である。一方、未保証道路とは、リンクコストの計算に必要な情報が不足している(即ち、正確なリンクコストが計算不可能な)道路である。例えば、リンクコストの計算に必要な情報が、入力されていないものや、未保証(適正な値が入力されているかどうか分からない)であることなどである。
【0026】
道路ネットワーク情報とは、交通車両用の道路ネットワークを示す情報である。道路ネットワーク情報は、例えばリンクIDにより、リンク情報に対応付けられる。
【0027】
図3は、第1実施形態の道路ネットワークの概念図である。
【0028】
図3に示すように、道路ネットワークは、複数のノードN1〜N5と、各ノード間を接続するリンクL1〜L6と、を含む。リンクL1〜L6は、それぞれ、
図2のリンク情報のリンクID「L1」〜「L4」に対応する。リンクL1〜L3は、保証道路に対応する保証リンクである。リンクL4〜L6は、未保証道路に対応する未保証リンクである。
【0029】
プローブ情報とは、道路を実際に走行したプローブ車両から得られるプローブデータ(1つのプローブデータ又は集計されたプローブデータ(以下「集計プローブデータ」という)を示す情報であって、リンク情報に対応する情報である。
【0030】
プローブデータは、緯度、経度、プローブ車両ID、及び時刻を含む。プローブ車両IDとは、プローブ情報を取得した車両を特定する情報である。1つのプローブデータは、緯度及び経度により特定される1つの地点で得られる情報を示す。
【0031】
プローブデータは、さらに、位置測位の際にマッチング処理されたリンクのリンクID、道路種別、各種センサの備えられた車両から得られるデータ(例えば、方位及び車速パルス)を含んでも良い。
【0032】
図4は、第1実施形態の集計プローブデータのデータ構造を示す図である。集計プローブデータとは、蓄積された複数のプローブデータに対して、リンクID毎に、集計処理を行うことにより得られるデータである。例えば、集計処理とは、複数の車両から得られた複数のプローブデータからノイズを除去する処理と、統計処理(例えば、平均化など)と、を含む処理である。
【0033】
図4に示すように、集計プローブデータは、リンクIDと、プローブパラメータとを含んでいる。リンクIDは、
図2と同様である。プローブ情報は、リンクIDにより、リンク情報に対応付けられる。
【0034】
プローブパラメータとは、各プローブ車両から得られたプローブ情報を集計することにより得られる走行情報である。プローブパラメータは、走行速度[km/h]、走行時間[sec]、幅員[m]、及び走行回数[回]と、を含んでいる。
【0035】
例えば、リンクID「L4」は、2回の走行において、平均速度が60[km/h]であり、平均走行時間が10[sec]であり、且つ、幅員が「11」[m]であることを示しており、リンクID「L5」は、5回の走行において、平均速度が40[km/h]であり、平均走行時間が8[sec]であり、且つ、幅員が「12」[m]であることを示しており、リンクID「L6」は、10回の走行において、平均速度が40[km/h]であり、平均走行時間が15[sec]であり、且つ、幅員が「13」[m]であることを示している。
【0036】
サーバ通信部16は、サーバ10とネットワーク50との間の通信インタフェースである。
【0037】
端末装置30は、端末制御部32と、端末記憶部34と、端末通信部36と、操作部38と、測位部40と、表示部42と、を備える。例えば、端末装置30は、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はカーナビゲーション装置である。
【0038】
端末制御部32は、端末通信制御部320と、端末情報取得部321と、端末出力制御部322と、リクエスト発行部324と、経路案内部326と、を備える。端末制御部32の各部については、後述する。
【0039】
端末記憶部34には、端末制御部32が取り扱うデータが記憶される。例えば、端末記憶部34には、ユーザ情報と、端末制御部32が実行可能なアプリケーションと、が記憶される。
【0040】
端末通信部36は、端末装置30とネットワーク50との間の通信インタフェースである。
【0041】
操作部38は、ユーザから、ユーザ指示を受け付ける。例えば、操作部38は、タッチパネルである。この場合には、ユーザは、タッチパネルを用いて所定の操作(例えば、タッチ又はスワイプ)を行うことにより、端末装置30にユーザ指示を与える。操作部38は、ユーザが行った操作に応じて、ユーザ指示を受け付ける。
【0042】
測位部40は、測位情報を取得する。測位情報は、端末装置30の測位位置を示す測位位置情報と、端末装置30の測位方位を示す測位方位情報と、を含む。例えば、測位部40は、GPS(Global Positioning System)レシーバである。
【0043】
表示部42は、様々な情報を表示する。例えば、表示部42は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。なお、操作部38及び表示部42は、一体のモジュール(例えば、タッチパネル型ディスプレイ)であっても良い。
【0044】
なお、サーバ記憶部14及び端末記憶部34は、それぞれ、サーバ10及び端末装置30の外部に設けられ、ネットワーク50を介して、サーバ10及び端末装置30と接続されても良い。
【0045】
第1実施形態の情報処理について説明する。
図5は、第1実施形態の情報処理のシーケンス図である。
図5の情報処理は、端末制御部32が情報処理アプリケーションを起動したときに開始される。情報処理アプリケーションとは、コンピュータに情報処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0046】
<S1−30> 端末装置30が、探索リクエストを発行する。
【0047】
例えば、端末情報取得部321が、操作部38を介して、ユーザから、探索条件を取得する。探索条件は、少なくとも、出発地及び目的地を含む。
【0048】
なお、端末情報取得部321は、ユーザから取得するのではなく、測位部40によって取得された測位情報に対応する位置を、出発地として取得しても良い。また、端末情報取得部321は、経由地、出発指定時刻、及び到着指定時刻の少なくとも1つを、さらに取得しても良い。
【0049】
次いで、リクエスト発行部324が、探索条件を含む探索リクエストを発行する。
【0050】
S1−30が終了すると、
図5に示すように、端末通信制御部320が、端末通信部36及びネットワーク50を介して、探索リクエストをサーバ10に送信する。
【0051】
<S1−10> 端末装置30から探索リクエストが送信されると、サーバ10が、リンクデータ処理を実行する。
【0052】
第1実施形態のリンクデータ処理について説明する。
図6は、第1実施形態のリンクデータ処理のフローチャートである。
【0053】
<S1−100> サーバ情報取得部121が、探索条件に基づいて、サーバ記憶部14から、道路ネットワーク情報を取得する。
【0054】
<S1−102> 道路判定部126が、S1−100において取得した道路ネットワーク情報内のリンクに付与された道路フラグ及びリンクパラメータの少なくとも1つに基づいて、リンクID毎に、当該リンクが、未保証道路に対応するか否かを判定する。保証道路に対応するリンク情報(一例として、
図2のリンクID「L1」〜「L3」に対応するリンク情報)については(S1−102:N)、S1−104〜S1−106が省略される。一方、未保証道路に対応するリンク情報(一例として、
図2のリンクID「L4」〜「L6」に対応するリンク情報)については(S1−102:Y)、S1−104が実行される。
【0055】
<S1−104> サーバ情報取得部121が、サーバ記憶部14から、未保証道路のプローブ情報(一例として、
図3のリンクID「L3」〜「L5」に対応するレコード)を取得する。
【0056】
<S1−106> リンクパラメータ追加部128が、S1−104において取得したプローブ情報に基づいて、リンク情報に、未保証道路のリンクパラメータを追加する。
【0057】
図7は、第1実施形態の
図6のS1−106の説明図である。
【0058】
例えば、リンクパラメータ追加部128は、
図2のリンクID「L4」の速度[km/h]に、
図3のリンクID「L4」の走行速度の値「60」を追加し、且つ、
図2のリンクID「L4」の距離[m]に、
図3のリンクID「L4」の走行速度の値「60[km/h]」と走行時間の値「10[sec]」との積166(≒60÷3600×10)を追加し、
図2のリンクID「L4」の幅員に、
図3のリンクID「L4」の幅員の値「11」[m]を追加する。
【0059】
また、リンクパラメータ追加部128は、
図2のリンクID「L5」の速度[km/h]に、
図3のリンクID「L5」の走行速度の値「60」を追加し、且つ、
図2のリンクID「L5」の距離[m]に、
図3のリンクID「L5」の走行速度の値「60[km/h]」と走行時間の値「8[sec]」との積133(≒60÷3600×8)を追加し、
図2のリンクID「L5」の幅員に、
図3のリンクID「L5」の幅員の値「12」[m]を追加する。
【0060】
また、リンクパラメータ追加部128は、
図2のリンクID「L6」の速度[km/h]に、
図3のリンクID「L6」の走行速度の値「40」を追加し、且つ、
図2のリンクID「L6」の距離[m]に、
図3のリンクID「L6」の走行速度の値「40[km/h]」と走行時間の値「15[sec]」との積166(≒40÷3600×15)を追加し、
図2のリンクID「L6」の幅員に、
図3のリンクID「L6」の幅員の値「13」[m]を追加する。
【0061】
これにより、
図6のリンク情報(即ち、未保証道路のリンクパラメータが追加された情報)が得られる。
【0062】
<S1−110> リンクコスト計算部130が、リンクコストを計算する。
【0063】
例えば、リンクコスト計算部130は、保証道路について、S1−100で得られたリンク情報に基づいて、リンクコストを計算し、且つ、未保証道路について、S1−106で得られたリンク情報(即ち、リンクパラメータが追加されたリンク情報)に基づいて、リンクコストを計算する。
【0064】
<S1−12> S1−110が終了すると、
図5に示すように、経路探索部124が、経路探索を実行する。
【0065】
例えば、経路探索部124が、S1−110で得られたリンクコスト(即ち、保証道路のリンクコスト及び未保証道路のリンクコスト)に基づいて、案内経路を構成すべきリンクを選択する。これにより、探索条件に対応する少なくとも1つの案内経路が得られる。
【0066】
次いで、サーバ通信制御部120が、サーバ通信部16及びネットワーク50を介して、案内経路を示す案内経路情報を端末装置30に送信する。
【0067】
<S1−32> サーバ10から案内経路情報が送信されると、端末装置30が、案内経路を出力する。
【0068】
例えば、端末出力制御部322は、案内経路情報に対応する案内経路画像を生成する。
【0069】
次いで、表示部42は、案内経路画像を表示する。また、経路案内部326は、表示部42に表示された案内経路画像と、測位部40により取得された測位情報と、に基づいて、経路案内(画像案内及び音声案内)を行う。
【0070】
S1−32が終了すると、
図5に示すように、第1実施形態の情報処理が終了する。
【0071】
図8は、従来技術で得られる案内経路及び第1実施形態で得られる案内経路の比較図である。
図8(A)は、従来技術で得られる案内経路を示している。
図8(B)は、第1実施形態で得られる案内経路を示している。
【0072】
図8(A)に示すように、従来技術では、道路ネットワーク情報に含まれるリンクのうち、保証リンクL1〜L3のみを用いて、案内経路が形成される。
【0073】
一方、
図8(B)に示すように、第1実施形態では、道路ネットワーク情報に含まれるリンクのうち、保証リンクL1〜L3だけでなく、未保証リンクL4〜L6も用いて、案内経路が形成される。これにより、従来技術で得られる案内経路と比べて、利用可能なリンクが多いので、探索条件により合致した経路(即ち、より最適な経路)が得られる。
【0074】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、未保証リンクの中から、案内経路に使用すべき未保証リンクを抽出する例である。なお、第1実施形態と同様の説明は、省略する。
【0075】
第2実施形態のリンクデータ処理について説明する。
図9は、第2実施形態のリンクデータ処理のフローチャートである。
【0076】
<S2−100〜S2−104> 第1実施形態(
図6のS1−100〜S1−104)と同様である。
【0077】
<S2−105> 道路判定部126が、S2−104において取得したプローブ情報に基づいて、対象未保証リンクか否かを判定する。対象未保証リンクについては(S2−104:Y)、S2−106が実行される。一方、非対象未保証リンクについては(S2−104:N)、S2−126が実行される。
【0078】
S2−105の第1例では、道路判定部126は、プローブ情報内の走行回数が所定回数以上のリンクIDを、対象未保証リンクと判定する。例えば、所定回数が「3」である場合には、道路判定部126は、
図3の未保証リンクL4〜L6のうち、
図4の集計プローブデータにおいて、走行回数が3回以上のリンクID「L5」及び「L6」に対応する未保証リンクL5及びL6を、対象未保証リンクと判定し、走行回数が3回未満の未保証リンクL4を、非対象未保証リンクと判定する。
【0079】
S2−105の第2例では、
図5のS1−30において、探索条件が、ユーザが利用する車両(以下「ユーザ車両」という)を特定するユーザ車両IDを含む場合に、道路判定部126は、ユーザ車両IDに基づいて、プローブ情報から、ユーザ車両から得られたプローブデータを抽出し、抽出されたプローブデータ(即ち、ユーザ車両から得られたプローブデータ)に基づいて、対象未保証リンクか否かを判定する。
【0080】
<S2−126> リンクコスト計算部130が、プローブ情報に基づいて、リンク情報に、リンクコストが高くなるようなリンクパラメータ(以下「非対象リンクパラメータ」という)(例えば、保証リンクのリンクパラメータに対して、十分に大きな値)を追加する。
【0081】
<S2−106> 第1実施形態(
図6のS1−106)と同様である。
【0082】
<S2−110> リンクコスト計算部130が、リンクコストを計算する。
【0083】
例えば、リンクコスト計算部130は、保証道路について、S2−100で得られたリンク情報に基づいて、リンクコストを計算し、且つ、未保証道路について、S2−106及びS2−126で得られたリンク情報に基づいて、リンクコストを計算する。
【0084】
図10は、第1実施形態及び第2実施形態で得られる案内経路の比較図である。
図10(A)は、第1実施形態で得られる案内経路を示している。
図10(B)は、第2実施形態(S2−105の第1例)で得られる案内経路を示している。
図10(C)は、第2実施形態(S2−105の第2例)で得られる案内経路を示している。
【0085】
図10(A)は、
図8(A)と同様である。
【0086】
一方、
図10(B)に示すように、第2実施形態(S2−105の第1例)では、道路ネットワーク情報に含まれるリンクのうち、保証リンクL1〜L3と、対象未保証リンクL5及びL6とを用いて、案内経路が形成される。
【0087】
他方、
図10(C)に示すように、第2実施形態(S2−105の第2例)では、道路ネットワーク情報に含まれるリンクのうち、保証リンクL1〜L3と、対象未保証リンクL5とを用いて、案内経路が形成される。
【0088】
第2実施形態では、未保証リンクのうち、探索条件に比較的合致しない(例えば、走行回数が少ない又はユーザ車両とは異なる車両から得られている)未保証リンクが、非対象未保証リンクとして取り扱われる。この非対象未保証リンクは、案内経路を形成するリンクから除外される。これにより、第1実施形態で得られる案内経路と比べて、探索条件により合致した案内経路(即ち、信頼性の高い案内経路)が得られる。例えば、S2−105の第1例では、利用頻度の高いリンクを含む案内経路が得られる。また、S2−105の第2例では、ユーザ車両の走行実績があるリンクを含む案内経路が得られる。
【0089】
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、経路探索(
図5のS1−12)の前に、リンクデータ処理(
図5のS1−10)を行なう例について説明したが、本発明の範囲はこれに限られるものではない。例えば、リンクデータ処理は、経路探索とは独立に、経路探索の前処理として、道路ネットワーク情報に対して行なっても良いし、経路探索の際にリンクコストを算出すべき対象リンクに対して、都度行なっていっても良い。
【0090】
また、リンクコスト計算部130は、リンクコストを計算するステップ(
図6のS1−110及び
図9のS2−110)において、プローブ情報を考慮しても良い。
【0091】
例えば、リンクコスト計算部130は、保証道路について、S1−100で得られたリンク情報に基づいて、リンクコストを計算し、未保証道路のうち、プローブ情報内の走行回数が所定回数未満の未保証道路について、S1−106で得られたリンク情報(即ち、リンクパラメータが追加されたリンク情報)に基づいて、リンクコストを計算し、且つ、プローブ情報内の走行回数が所定回数以上の未保証道路について、S1−106で得られたリンク情報内のリンクパラメータに当該走行回数に応じた係数を乗じることにより(即ち、プローブ情報を用いて)、リンクコストを計算しても良い。
【0092】
本実施形態に係る情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成しても良いし、ソフトウェアで構成しても良い。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させても良い。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。
【0093】
また、本実施形態に係る情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布しても良い。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布しても良い。
【0094】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化される。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明が形成可能である。例えば、上述した実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。