特許第5964164号(P5964164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964164
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】エアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/2346 20110101AFI20160721BHJP
【FI】
   B60R21/2346
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-159943(P2012-159943)
(22)【出願日】2012年7月18日
(65)【公開番号】特開2014-19306(P2014-19306A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】辻本 龍一郎
(72)【発明者】
【氏名】福岡 靖広
(72)【発明者】
【氏名】山路 直樹
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−190424(JP,A)
【文献】 特開2001−080440(JP,A)
【文献】 特開平11−348713(JP,A)
【文献】 特開2008−001196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16−33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを供給するインフレータと、ガスにより膨張するエアバッグと、エアバッグの内面に配置された補強布と、補強布をエアバッグに固定する固定縫製部と
定縫製部と補強布の縁部の間で補強布をエアバッグに連結し、補強布とエアバッグの間にガスがたまるポケット部を形成する連結縫製部と、を備えたエアバッグ装置であって、
補強布が、縁部から固定縫製部に向かって形成された複数の切欠き部を有し、
連結縫製部が、補強布の切欠き部の間の部分をエアバッグに連結して、補強布の切欠き部の位置にポケット部を形成するエアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
ポケット部が、エアバッグの内部空間に開放された開口部を有し、開口部から固定縫製部まで形成されたエアバッグ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたエアバッグ装置において、
複数の連結縫製部が、固定縫製部と補強布の縁部の間に、固定縫製部に沿う方向に離して形成されたエアバッグ装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたエアバッグ装置において、
複数のポケット部が、複数の連結縫製部により、固定縫製部に沿って形成されたエアバッグ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
ポケット部が、エアバッグ内のガスの流れ方向の上流側に向けて形成されたエアバッグ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
連結縫製部が、固定縫製部に交差する方向に形成されたエアバッグ装置。
【請求項7】
請求項6に記載されたエアバッグ装置において、
連結縫製部が、固定縫製部から補強布の縁部まで形成されたエアバッグ装置。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
連結縫製部が、固定縫製部から離れた位置で、補強布とエアバッグを連結するエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスにより膨張するエアバッグを備えたエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の緊急時等に、車両の乗員を保護するため、各種のエアバッグ装置が使用されている。エアバッグ装置では、一般に、インフレータが発生するガスによりエアバッグを膨張展開し、乗員をエアバッグにより受け止める。その際、エアバッグの膨張や乗員の受け止めに起因して、エアバッグの特定箇所に大きな力が加えられることがある。これに対し、従来、エアバッグの内面に配置した補強布により、エアバッグを補強したエアバッグ装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この従来のエアバッグ装置では、補強布をベントホールの周囲と基布の接合部に縫製により固定し、ベントホールと結合部を補強する。ところが、このように補強布をエアバッグに固定すると、エアバッグが膨張したときに、エアバッグの張力が、補強布をエアバッグに固定する固定縫製部に作用する。また、固定縫製部が、エアバッグ内を流れるガスの影響を受け易くなることがある。
【0004】
図8は、補強布100により補強した従来のエアバッグ101を示す断面図であり、エアバッグ101の一部と補強布100を模式的に示している。
補強布100は、図8Aに示すように、固定縫製部102での縫製により、エアバッグ101に重なる状態で、エアバッグ101に固定される。インフレータ(図示せず)が作動すると、図8Bに示すように、エアバッグ101が内部空間103に供給されるガスにより膨張し、乗員がエアバッグ101に受け止められる。その際、エアバッグ101内を流れるガス(図8Bの矢印F)により、補強布100がめくれて折り返される。
【0005】
補強布100がめくれると、ガスは、固定縫製部102に向かって絶えず供給されて、固定縫製部102に吹き付けるようにして流れる。これに伴い、ガスの熱が固定縫製部102(及び、その周辺部)に次第に蓄積されて、固定縫製部102の温度が上昇する。また、エアバッグ101内を流れるガスの力が固定縫製部102に直接作用する。
【0006】
このように、張力を受ける固定縫製部102にガスが影響する結果、エアバッグ101が膨張したときに、固定縫製部102、及び、固定縫製部102の周辺のエアバッグ101が損傷を受ける虞がある。例えば、固定縫製部102を縫製する縫い針による貫通孔が変形して大きくなると、ガスが縫い針による貫通孔からエアバッグ101外に漏れる虞も生じる。従って、補強布100を有するエアバッグ101に関しては、ガス漏れ等を防止する観点から、縫い針による貫通孔の拡大を含む損傷を防止することが求められる。ただし、エアバッグ装置の生産効率の低下、及び、コストの上昇を抑制するため、簡易に損傷を防止する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−1196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、縫製により補強布が固定されたエアバッグにおいて、補強布の固定縫製部、及び、固定縫製部の周辺のエアバッグが損傷するのを簡易に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ガスを供給するインフレータと、ガスにより膨張するエアバッグと、エアバッグの内面に配置された補強布と、補強布をエアバッグに固定する固定縫製部と、固定縫製部と補強布の縁部の間で補強布をエアバッグに連結し、補強布とエアバッグの間にガスがたまるポケット部を形成する連結縫製部と、を備えたエアバッグ装置であって、補強布が、縁部から固定縫製部に向かって形成された複数の切欠き部を有し、連結縫製部が、補強布の切欠き部の間の部分をエアバッグに連結して、補強布の切欠き部の位置にポケット部を形成するエアバッグ装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、縫製により補強布が固定されたエアバッグにおいて、補強布の固定縫製部、及び、固定縫製部の周辺のエアバッグが損傷するのを簡易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態のエアバッグ装置を示す斜視図である。
図2】車両の幅方向からみたエアバッグ装置の断面図である。
図3】膨張したエアバッグの形状を示す斜視図である。
図4】エアバッグに設けられた補強布を示す正面図である。
図5】エアバッグに形成されたポケット部の断面図である。
図6】他の実施形態のエアバッグを示す図である。
図7】他の実施形態のエアバッグを示す図である。
図8】補強布により補強した従来のエアバッグを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のエアバッグ装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のエアバッグ装置は、車両の乗員を保護する乗員保護装置であり、各種の車両に搭載される。乗員は、車両内で膨張展開するエアバッグにより、受け止められて保護される。以下、エアバッグ装置について、助手席用エアバッグ装置を例に採り説明する。
【0013】
図1は、本実施形態のエアバッグ装置1を示す斜視図であり、車両90内で膨張したエアバッグ10を示している。図2は、車両90の幅方向(図1の矢印W1方向)からみたエアバッグ装置1の断面図であり、インフレータ2を含む断面を示している。図3は、膨張したエアバッグ10の形状を示す斜視図であり、図1の矢印W2方向からみたエアバッグ10を模式的に示している。また、図3では、エアバッグ10内に位置する一部の部材も点線で示している。
【0014】
車両90は、図示のように、インストルメントパネル91の上面に設けられたエアバッグ装置1の収容部92(図2参照)を備えている。作動前のエアバッグ装置1は、収容部92内に収容されて、インストルメントパネル91に搭載される。収容部92内のエアバッグ装置1は、エアバッグカバー(図示せず)により覆われる。
【0015】
エアバッグ装置1は、袋状のエアバッグ10と、ガスを発生するインフレータ2を備えている。エアバッグ10は、折り畳まれた状態で収容部92に収容され、インフレータ2とともに収容部92に取り付けられる。インフレータ2のガス発生部が、エアバッグ10の挿入口11からエアバッグ10内に配置される。車両緊急時や衝撃検知時には、車両の指示装置(図示せず)から受信した作動指示信号に応じて、インフレータ2が作動する。
【0016】
インフレータ2は、エアバッグ10内でガスを発生して、エアバッグ10にガスを供給する。エアバッグ10は、インフレータ2から供給されるガスにより展開し、インストルメントパネル91とウインドシールド93の間で膨張する。また、エアバッグ10は、車室内に展開し、インストルメントパネル91の一部を覆うように、インストルメントパネル91と乗員の間に膨張展開する。乗員は、膨張したエアバッグ10により受け止められて保護される。その際、エアバッグ10内のガスが、エアバッグ10のベントホール12から側方に排出されることで、乗員の衝撃が緩和される。
【0017】
本実施形態のエアバッグ10は、縫製により接合された複数の基布からなり、第1〜第3基布21〜23を有する。第1基布21は、筒状に形成されており、第1基布21の両端の開口は、側方に向けて配置されている。第2基布22と第3基布23は、それぞれ第1基布21の側縁に接合され、第1基布21の両端に位置する開口を塞ぐ。エアバッグ10の周面は、筒状の第1基布21からなり、エアバッグ10の両側面は、第2基布22と第3基布23からなる。第1基布21の底面には、インフレータ2の挿入口11が形成され、挿入口11の周辺部が収容部92に取り付けられる。
【0018】
基布21〜23により、内部空間(気室)13がエアバッグ10に形成される。エアバッグ装置1の作動時には、ガスがエアバッグ10の内部空間13に充填されて、エアバッグ10が膨張する。また、エアバッグ装置1は、エアバッグ10内に配置された複数の補強布30、40を備えている。
【0019】
図4は、エアバッグ10に設けられた補強布30、40を示す正面図であり、エアバッグ10の一部と補強布30、40をエアバッグ10内からみて示している。また、図4では、第2基布22を補強する複数の補強布30、40を示すとともに、エアバッグ10内のガスの流れFを模式的に矢印で示している。
補強布30、40は、図示のように、エアバッグ10の所定部(補強が必要な部分)を補強して保護する基布であり、エアバッグ10の所定部に固定されている。また、補強布30、40は、エアバッグ10の内面14に配置されて、縫製によりエアバッグ10に固定される。
【0020】
本実施形態では、補強布30、40を、基布21、22の接合部24と、ベントホール12の周囲に固定して、接合部24とベントホール12を補強する。基布21、22は、接合部24で縫製により接合されており、接合部24は、第2基布22の縁部に形成されている。ベントホール12は、第2基布22に形成された円形状の孔である。接合部24用の第1補強布30(接合部補強布)は、接合部24の2箇所に取り付けられて、接合部24において、エアバッグ10(第2基布22)を補強する。ベントホール12用の第2補強布40(ベントホール補強布)は、ベントホール12に取り付けられて、ベントホール12の周囲において、エアバッグ10を補強する。
【0021】
第1補強布30は、帯状に形成され、接合部24及び第2基布22の縁部に沿ってエアバッグ10の内面14に配置される。接合部24を含むエアバッグ10の所定幅の部分が第1補強布30により覆われる。その状態で、第1補強布30とエアバッグ10(第2基布22)が固定縫製部31で縫製され、固定縫製部31での縫製により、第1補強布30がエアバッグ10の内面14に固定される。ここでは、基布21、22を接合する際に、第1補強布30を基布21、22の縁部に重ねて、第1補強布30と基布21、22を接合部24で同時に縫製する。従って、第1補強布30の固定縫製部31は、基布21、22の接合部24からなり、第1補強布30は、接合部24でエアバッグ10に固定される。
【0022】
固定縫製部31は、第1補強布30の一方の縁部32に形成され、一方の縁部32をエアバッグ10に固定する。第1補強布30の固定縫製部31から他方の縁部33までの部分は、エアバッグ10の内面14(第2基布22)に重ねて配置される。また、第1補強布30が、複数の連結縫製部34でエアバッグ10に連結され、複数の連結縫製部34により、複数のポケット部35が、第1補強布30に形成される。複数の連結縫製部34は、固定縫製部31と第1補強布30の縁部33の間に、固定縫製部31に沿う方向に離して形成されている。各連結縫製部34は、固定縫製部31に交差する方向に形成されるとともに、固定縫製部31から第1補強布30の縁部33まで形成されている。
【0023】
エアバッグ10の製造時に、第1補強布30とエアバッグ10(第2基布22)を縫製して、複数の連結縫製部34を順に形成する。これにより、例えば、複数の連結縫製部34が、固定縫製部31に直交して、かつ、固定縫製部31に沿う方向に所定の間隔をあけて形成される。複数の連結縫製部34での縫製により、固定縫製部31と第1補強布30の縁部33の間で、第1補強布30がエアバッグ10に連結され、複数のポケット部35が第1補強布30とエアバッグ10の間に形成される。ポケット部35は、連結された第1補強布30とエアバッグ10からなるポケット状の部分であり、複数の連結縫製部34により、固定縫製部31に沿って形成される。また、複数のポケット部35が、連結縫製部34の間、及び、連結縫製部34と第1補強布30の端部の間に形成される。
【0024】
図5は、エアバッグ10に形成されたポケット部35の断面図であり、1つのポケット部35を図4のX−X方向からみて示している。また、図5では、エアバッグ10の一部と第1補強布30を模式的に示している。
ポケット部35は、図示のように、エアバッグ10の内部空間13に開放された開口部35Aを有し、固定縫製部31で繋がる第1補強布30とエアバッグ10の内面14の間に形成されている。固定縫製部31は、ポケット部35の底部に位置し、ポケット部35は、開口部35Aから固定縫製部31まで形成されている。
【0025】
エアバッグ10が膨張して乗員を受け止めるときには(図5B参照)、インフレータ2から供給されたガスがエアバッグ10内を流れて、ガスの流れFが内部空間13に生じる。このガスが開口部35Aからポケット部35に入ると、ポケット部35がガスにより膨れる。その際、連結縫製部34(図4参照)により、第1補強布30がめくれるのが防止されて、ガスが第1補強布30とエアバッグ10の間のポケット部35に一時的にたまる。
【0026】
ガスがたまった状態(図5Bに示す状態)では、ポケット部35内でガスが淀み、ガスのポケット部35内への供給が阻害される。また、ガスがポケット部35を避けるように流れて、ガスが固定縫製部31に吹き付けるのが抑制される。これに伴い、ガスの熱の固定縫製部31(及び、その周辺部)への蓄積、及び、固定縫製部31の温度上昇が抑制される。エアバッグ10内を流れるガス、及び、そのガスの力が固定縫製部31に作用するのも抑制される。その結果、固定縫製部31、及び、固定縫製部31の周辺のエアバッグ10が保護されて、それらの損傷が防止される。
【0027】
ポケット部35は、エアバッグ10内のガスの流れ方向(図4の矢印F参照)の上流側に向けて形成されている。ガスの流れ方向は、各ポケット部35の位置におけるガスの流れる方向であり、ポケット部35の開口部35Aは、ガスの流れ方向の上流側に開放するように形成されている。複数のポケット部35が、固定縫製部31に沿って並べて形成され、固定縫製部31の全体が、第1補強布30の複数のポケット部35により保護される。
【0028】
第2補強布40は、円形状の貫通孔41と、複数の切欠き部42と、複数の凸部43を有する。エアバッグ10の製造時には、貫通孔41をベントホール12に合わせて、第2補強布40をエアバッグ10の内面14に重ねて配置する。貫通孔41はベントホール12に重なり、ベントホール12の周囲に位置するエアバッグ10の所定部が第2補強布40により覆われる。その状態で、第2補強布40とエアバッグ10(第2基布22)が固定縫製部44で縫製され、固定縫製部44での縫製により、第2補強布40がエアバッグ10の内面14に固定される。固定縫製部44は、ベントホール12を囲む環状をなし、ベントホール12と第2補強布40の縁部(外縁部)45の間に形成される。
【0029】
切欠き部42は、凹形状をなし、第2補強布40の縁部45から固定縫製部44に向かって形成されている。凸部43は、2つの切欠き部42の間の部分であり、縁部45に矩形状に形成されている。これら切欠き部42と凸部43は、縁部45に交互に形成されている。また、第1補強布30と同様に、複数の連結縫製部46で、第2補強布40がエアバッグ10に連結され、複数の連結縫製部46により、ガスがたまる複数のポケット部47が第2補強布40に形成される。連結縫製部46は、第1補強布30の連結縫製部34と同様に構成され、ポケット部47は、第1補強布30のポケット部35と同様に構成されている。
【0030】
即ち、連結縫製部46は、第2補強布40とエアバッグ10(第2基布22)を縫製することで形成される。連結縫製部46での縫製により、固定縫製部44と第2補強布40の縁部45の間で、第2補強布40がエアバッグ10に連結され、ポケット部47が第2補強布40とエアバッグ10の間にポケット状に形成される。また、複数の連結縫製部46が、固定縫製部44と縁部45の間に、固定縫製部44に沿う方向に離して形成され、複数の連結縫製部46により、複数のポケット部47が、固定縫製部44に沿って形成される。ポケット部47は、エアバッグ10の内部空間13に開放された開口部47Aを有し、開口部47Aから固定縫製部44まで形成されている。
【0031】
また、この第2補強布40では、連結縫製部46は、第2補強布40の縁部45と固定縫製部44の間の所定位置で、縁部45に沿って形成されている。ここでは、連結縫製部46は、第2補強布40の切欠き部42の間の部分(凸部43)に形成され、凸部43をエアバッグ10に連結する。これにより、ポケット部47が、第2補強布40の切欠き部42の位置に形成される。ポケット部47の開口部47Aは、切欠き部42に位置し、複数のポケット部47は、固定縫製部44に沿って間隔をあけて形成される。
【0032】
切欠き部42は、第2補強布40のガスが吹き付ける部分に形成されており、ポケット部47は、エアバッグ10内のガスの流れ方向の上流側に向けて形成される。また、連結縫製部46は、固定縫製部44から離れた位置で、第2補強布40とエアバッグ10を連結する。そのため、複数のポケット部47は、連結縫製部46と固定縫製部44の間の部分で繋がる。ガスは、連結縫製部46と固定縫製部44の間の部分でも、第2補強布40とエアバッグ10の間にたまる。
【0033】
エアバッグ10が膨張したときに、エアバッグ10内のガスは、第2補強布40の貫通孔41及びベントホール12を通ってエアバッグ10外に排出される。その際、連結縫製部46により、第2補強布40がめくれるのが防止され、ガスが第2補強布40とエアバッグ10の間のポケット部47にたまる。これに伴い、第1補強布30と同様に、第2補強布40でも、固定縫製部44、及び、固定縫製部44の周辺のエアバッグ10が保護されて、それらの損傷が防止される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態では、ポケット部35、47により、補強布30、40の固定縫製部31、44に対するガスの影響を低減することができる。また、エアバッグ10が膨張したときに、固定縫製部31、44、及び、固定縫製部31、44の周辺のエアバッグ10が破損するのを防止することができる。固定縫製部31、44を縫製する縫い針による貫通孔が変形して大きくなるのを抑制できるため、縫い針による貫通孔を通したガス漏れを防止することもできる。ポケット部35、47は、補強布30、40をエアバッグ10に縫製するだけで、補強布30、40の任意の位置に、かつ、種々の形状に形成できる。そのため、上記した破損の防止を簡易に実現でき、エアバッグ装置1の生産効率の低下、及び、コストの上昇を抑制することができる。
【0035】
なお、第1補強布30の連結縫製部34は、第1補強布30を横断するように第1補強布30に形成してもよく、第1補強布30の一部に形成してもよい。連結縫製部34を第1補強布30の一部に形成する場合には、連結縫製部34を、固定縫製部31に繋げて、固定縫製部31と縁部33の間の第1補強布30に形成してもよい。また、連結縫製部34を、固定縫製部31から離れた位置に形成してもよく、第1補強布30の縁部33に沿って形成してもよい。
【0036】
第2補強布40の連結縫製部46は、固定縫製部44と交差する方向に形成してもよい。この場合には、例えば、複数の連結縫製部46を第2補強布40に放射状に形成する。また、連結縫製部46を、固定縫製部44から第2補強布40の縁部45まで形成してもよく、連結縫製部46を、固定縫製部44と縁部45の間の第2補強布40の一部に形成してもよい。
【0037】
第1補強布30は、接合部24の1箇所又は複数箇所に配置してもよく、接合部24の全体に配置してもよい。第2補強布40は、ベントホール12以外のエアバッグ10の孔に設けてもよい。補強布30、40を、エアバッグ10の孔と接合部以外の部分に設けるようにしてもよい。
【0038】
次に、他の実施形態のエアバッグ10について説明する。
図6図7は、他の実施形態のエアバッグ10を示す図であり、エアバッグ10の一部と補強布30、40を、図4と同様に示している。
ここでは、第2補強布40は、図示のように、切欠き部42を有さず、矩形状に形成されている。連結縫製部46は、第2補強布40の4つの角部において、第2補強布40をエアバッグ10に連結する。ポケット部47は、連結縫製部46の間の位置に形成される。連結縫製部46の形成時には、複数の連結縫製部46(図6参照)を離して不連続に形成する。これに対し、複数の連結縫製部46(図7参照)を繋げて連続して形成してもよい。
【0039】
以上、本発明を適用した助手席用エアバッグ装置1について説明したが、本発明は、エアバッグ装置の種類によらず、補強布を備えたエアバッグ装置に適用できる。各エアバッグ装置において、補強布は、エアバッグ10の補強する部分、固定縫製部の形状等に対応して、種々の形状に形成される。また、連結縫製部とポケット部は、補強布の形状、固定縫製部の損傷し易い位置等に対応して、適宜形成される。
【符号の説明】
【0040】
1・・・エアバッグ装置、2・・・インフレータ、10・・・エアバッグ、11・・・挿入口、12・・・ベントホール、13・・・内部空間、14・・・内面、21・・・第1基布、22・・・第2基布、23・・・第3基布、24・・・結合部、30・・・第1補強布、31・・・固定縫製部、32・・・縁部、33・・・縁部、34・・・連結縫製部、35・・・ポケット部、35A・・・開口部、40・・・第2補強布、41・・・貫通孔、42・・・切欠き部、43・・・凸部、44・・・固定縫製部、45・・・縁部、46・・・連結縫製部、47・・・ポケット部、47A・・・開口部、90・・・車両、91・・・インストルメントパネル、92・・・収容部、93・・・ウインドシールド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8