(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スクレーパが、平板形状であって、平板表面と平行な回転中心線を中心にして回転することによって環状溝内に進入するように配置されている、請求項1に記載の定量供給装置。
スクレーパによって環状溝から掻き出された粉粒体の回転テーブルの中央側への飛散を防止するカバー部材をさらに有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の定量供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る定量供給装置の構成の一部を概略的に示している。
図2は、
図1のA−A断面図であり、
図3は
図1のB−B断面図である。
【0019】
定量供給装置10は、
図1に示すように、粉粒体を収容する円筒状容器12と、粉粒体が充満される環状凹部(環状溝)を備える回転テーブル14と、環状溝内の粉粒体を掻き出すスクレーパ16と、スクレーパ16が掻き出した粉粒体を回収するシュート18とを有する。なお、図において、粉粒体はドットハッチングによって描かれている。
【0020】
円筒状容器12は、円筒状の容器であって、その内部に粉粒体を収容する。
【0021】
回転テーブル14は、円盤状のテーブルであって、円筒状容器12の中心線C1と平行な回転中心線C2を中心として回転する回転シャフト20に連結されている。回転テーブル14の回転中心線C2は、例えば鉛直方向に延びている。回転シャフト20は、例えばモータ(図示せず)によってギヤ(図示せず)を介して一定の回転速度で回転駆動される。回転シャフト20が回転することにより、回転テーブル14が回転する。
【0022】
回転テーブル14はまた、その上面14aに、回転中心線C2を中心として周回するように形成された環状溝14bを備える。環状溝14bは、
図2に示すように、半円形状断面を備える凹部として形成されている。環状溝14bはまた、
図1に示すように、回転テーブル14の上面14aの周縁14cに沿って、具体的には、周縁14cと環状溝14bとに挟まれた外周側上面部分14a’が可能な限り最小面積になるように、回転テーブル14に形成されている。これは、スクレーパ16によって環状溝14bから掻き出された粉粒体の一部が、外周側上面部分14’上に残りにくくするためである。
【0023】
回転テーブル14の環状溝14bはさらに、その表面が、環状溝14b内に充満された粉粒体のすべりを抑制する表面粗さに仕上げ処理されている。説明すると、
図3に示すように、定量供給装置10は、回転テーブル14の回転によって環状溝14b内に充満された粉粒体がスクレーパ16に当たる(作用する)ように構成されている。そのため、スクレーパ16の反作用により、環状溝14b内に充満された粉粒体が一体となって回転テーブル14の回転方向R1の逆方向に環状溝14bに対して相対移動する、すなわち環状溝14b内をすべる可能性がある。
【0024】
この対処として、回転テーブル14の回転方向R1の逆方向に粉粒体が環状溝14bに対して相対移動しないように、環状溝14b内の表面が仕上げられている。例えば、環状溝14bの表面は、サンドブラスト、ショットブラストなどによって仕上げられている。これにより、環状溝14b内に充満された粉粒体は、環状溝14b内を一体となってすべることなく、回転テーブル14によって安定してスクレーパ16に向かって搬送される。
【0025】
このような環状溝14bの一部分が円筒状容器12の内部に位置しつつ、環状溝14bの残りの部分が円筒状容器12の外部に位置するように回転テーブル14は、円筒状容器12に回転可能に取り付けられている。本実施の形態の場合、
図1や
図2に示すように、円筒状容器12の底面12aの一部を、回転テーブル14の上面14aの一部が構成するように、回転テーブル14が円筒状容器12に取り付けられている。
【0026】
このような回転テーブル14が回転することにより、円筒状容器12内の粉粒体は、回転テーブル14の環状溝14b内に充満され、円筒状容器12の外部のスクレーパ16に向かって搬送される。
【0027】
回転テーブル14の環状溝14b内に粉粒体を確実に充満するために、定量供給装置10は、アジテータ22とローラ24とを有する。
【0028】
アジテータ22は、円筒状容器12の底面12a上に設けられている。このアジテータ22は、複数の羽根22aを備える。複数の羽根22aは、回転シャフト22bに取り付けられている。回転シャフト22bは、円筒状容器12の中心線C1を中心として回転し、例えば、回転テーブル14の回転シャフト20を回転駆動するモータ(図示せず)により、ギヤ(図示せず)を介して回転テーブル14に対して所定の減速比で回転駆動される。複数の羽根22aは、円筒状容器12の底面12a上に配置されており、回転シャフト22bの回転によって中心線C1を中心として周回しつつ円筒状容器12の底面12a上を移動する。
【0029】
このようなアジテータ22は、円筒状容器12内の粉粒体を攪拌することができる。また、密に集まると塊状になりやすい粉粒体が容器12内に収容されている場合、アジテータ22は、塊状の粉粒体をばらばらに分離させる役割もする。説明すると、円筒状容器12の底面12a近くの粉粒体は、その上方に位置する粉粒体の自重を受けて塊状になりやすい。そこで、粉粒体が塊状態で回転テーブル14の環状溝14b内に充満されないように、アジテータ22の羽根22aが円筒状容器12の底面12a近くの塊状の粉粒体をばらばらに分離している。
【0030】
ローラ24は、円筒形状の回転体であって、自由回転可能に、また、その外周面24aが回転テーブル14の環状溝14bに対向するように、円筒状容器12に支持されている。具体的には、
図1に示すように、円筒状容器12の内部から外部に向かう環状溝14bが下方を通過する容器12の側壁12bの部分に、回転テーブル14の環状溝14bに対向するように形成された窪み部12cがあって、その窪み部12c内にローラ24は収容されている。
【0031】
ローラ24はまた、その外周面24aと回転テーブル14の環状溝14bとの間の対向領域において、ローラ24の回転方向と環状溝14bの移動方向とが同一方向になるように配置されている。さらにローラ24は、粉粒体が付着しにくい材料、例えばプラスチック材料から作製されている、または粉粒体が付着しにくい表面粗さでその外周面24aが表面仕上げされている。このローラ24により、粉粒体はすりきりされて環状溝14b内に充満される。
【0032】
このようなローラ24を使用する理由について
図4を参照しながら説明する。
【0033】
図4(a)は、回転テーブル14の回転にともなって流動する粉粒体の流れを示している。また、
図4(a)は、ローラ24ではなく、円筒状容器12の側壁12bの内側表面によって粉粒体をすりきりする場合を示している。
【0034】
図4(a)に示すように、回転テーブル14の回転にともなって粉粒体は流動し、その粉粒体は、回転テーブル14の環状溝14bが下方を通過する円筒状容器12の側壁12bの部分に集まる。すなわち、粉粒体は、外部に連通する円筒状容器12の出口近傍に集中する。
【0035】
このとき、滑りにくい粉粒体の場合、円筒状容器12の出口近傍の粉流体において、連続的な密度の高い領域が形成される場合がある。連続的な密度の高い粉粒体の領域が形成されると、
図4(b)に示すように、環状溝14b内に粉粒体が存在しない未充満部分Eが発生することがある。このような未充満部分Eが偶発的に且つ断続的に発生すると、スクレーパ16に向かって搬送される粉粒体の量が不安定になる。その結果、スクレーパ16の粉粒体の掻き出し量が安定せず、定量供給装置10は粉粒体の定量供給が困難になる。
【0036】
図4(b)に示すような回転テーブル14の環状溝14b内に粉粒体の未充満部分Eが形成される現象は、円筒状容器12の側壁12bの内側表面のように、回転テーブル14の上面14aに対して約90度の角度で立設している平面によって粉粒体をすりきりする場合に起こりやすい。したがって、本実施の形態では、円筒状容器12の側壁12bの内側表面ではなく、曲面であるローラ24の外周面24aによって粉粒体をすりきりしている。
【0037】
また、ローラ24は、その外周面24aの幅方向の両端の少なくとも一方が、回転テーブル14の上面14a(具体的には、外周側上面部分14a’または中央側上面部分14a’’の少なくとも一方)に接触するように配置されている。これにより、回転テーブル14の上面14aまで、粉粒体が環状溝14b内に充満される。また、ローラ24の回転速度が回転テーブル14の回転速度(環状溝14bでの周速度)と同一にされる。その結果、環状溝14b内に充満された粉粒体が一体となって環状溝14b内をすべることが抑制される。
【0038】
説明すると、ローラ24と環状溝14bとの対向領域においては、環状溝14b内に充満された粉粒体がローラ24と環状溝14bとに挟持された状態である。したがって、ローラ24の回転速度が回転テーブル14の環状溝14bの移動速度に比べて遅い場合、環状溝14b内の粉粒体に、環状溝14bの深部側が高速な速度勾配が生じることがある。この速度勾配が大きくなりすぎると、環状溝14bの深部側の粉粒体に対して浅部側の粉粒体が回転テーブル14の回転方向R1の逆方向にすべる可能性がある。または、環状溝14b内の粉粒体が一体となって環状溝14bに対してすべる可能性がある。
【0039】
なお、ローラ24の外周面24aと回転テーブル14の上面14aとの接触を維持するために、ローラ24は、
図3に示すように、スプリング26などの付勢手段によって回転テーブル14に向かって付勢されるのが好ましい。
【0040】
また、粉粒体が一体となって回転テーブル14の環状溝14bに対してすべるおそれがない場合(例えば、上述したように環状溝14bの表面を十分にブラスト処理した場合)、ローラ24は、環状溝14b内に収容可能な大きさ、すなわち外周面24aの幅が環状溝14b内の幅に比べて狭くてもよい。ただし、この場合、スプリング26などの付勢手段により、ローラ24を環状溝14b内の底に向かって付勢しない(付勢手段を使用すると、環状溝14b内の粉粒体を押し固めることになる)。
【0041】
図2に示すように、スクレーパ16は、球形状であって、円筒状容器12の外部に位置する回転テーブル14の環状溝14bの部分内にスクレーパ16の一部分が位置する状態で回転するように構成されている。具体的には、球形状のスクレーパ16の中心が回転テーブル14の環状溝14bの外部または回転テーブル14の上面14aと同一高さに位置するように配置されている。
【0042】
また、スクレーパ16は、回転テーブル14の環状溝14bの表面との間に微小な隙間が生じるように配置されている。理由は、スクレーパ16が環状溝14bと接触していると、回転テーブル14とスクレーパ16それぞれの安定した回転速度での回転を妨げるおそれがあるとともに、スクレーパ16または環状溝14bの少なくとも一方が磨耗するおそれがあるからである。なお、このようなおそれがない場合、例えば、スクレーパ16と回転テーブル14の間に発生する摩擦が極めて小さい場合、スクレーパ16が回転可能に、環状溝14bの表面とスクレーパ16とが接触してもよい。
【0043】
さらに、スクレーパ16は、回転するために、回転中心線C3を中心として回転する回転ロッド16aの先端に取り付けられている。回転ロッド16aは、例えばモータ(図示せず)によって回転駆動される。
【0044】
回転中心線C3を中心として回転するスクレーパ16の回転方向R2は、
図2に示すように回転テーブル14の環状溝14b内の粉粒体を、回転テーブル14の外側、すなわち、回転テーブル14の外側に配置されたシュート18に向かって掻き出せる方向に設定されている。
【0045】
具体的には、
図1に示すように回転テーブル14の回転中心線C2方向に見た場合において、スクレーパ16の粉粒体の掻き出し方向Sを、回転テーブル14の接線方向成分Stと径方向成分Srとに分けたときに、掻き出し方向Sの接線方向成分Stが、回転テーブル14の回転方向R1と同一方向またはゼロになるようにするのが好ましい。説明すると、接線方向成分Stが回転テーブル14の回転方向R1と逆方向である場合、スクレーパ16の上流側部分に沿って且つ回転テーブル14の上面14aを越えて(すなわち環状溝14bからあふれて)粉粒体が堆積する。また、この回転テーブル14の上面14aを越えた粉粒体の堆積量は時間によって変化する。この堆積量が時間によって変化すると、スクレーパ16の単位時間あたりのシュート18への粉粒体の掻き出し量が不安定になる。一方、掻き出し方向の接線方向成分Stが回転テーブル14の回転方向R1と同一方向またはゼロである場合、このような不具合が生じにくい。
【0046】
そのために、スクレーパ16(回転ロッド16a)の回転中心線C3は、
図1に示すように、回転テーブル14の回転中心線C1方向に見た場合において、回転テーブル14の接線方向に対して回転テーブル14の内側に角度αだけ傾斜している。これにより、環状溝14b内からスムーズに粉粒体がシュート18に向かって掻き出される。なお、角度αは、ゼロに近いほど好ましく、特にゼロが好ましい(この場合、掻き出し方向の接線方向成分Stがゼロになり、回転テーブル14の径方向に粉流体が掻き出される)。角度αがゼロに近いほど、環状溝14b内から掻き出されてシュート18内に向かって移動する粉粒体の移動距離が短くなり、簡単に粉粒体をシュート18に掻き出すことができる。
【0047】
また、スクレーパ16の回転中心線C3は、
図3に示すように回転テーブル14の径方向外側から中心側に向かって見た場合において、回転テーブル14の回転方向R1の下流側に、回転テーブル14の上面14a(環状溝14b)に対して角度βだけ傾斜している。そして、
図2に示すように、スクレーパ16は、環状溝14bとの対向領域において、スクレーパ16の表面が回転テーブル14の中心側から外側に向かって移動するように回転している。
【0048】
なお、スクレーパ16の回転中心線C3の傾斜角度βは小さい方が好ましい。傾斜角度βが小さい場合、周速度が速いスクレーパ16の表面部分(すなわち回転中心線C3から離れた表面部分)で回転テーブル14の粉粒体を環状溝14bの底から確実に掻き出すことができる。なお、角度βは、ゼロに近いほど好ましく、特にゼロが好ましい。角度βがゼロに近いほど、周速が高速なスクレーパ16の部分で環状溝14b内の粉流体を外部に掻き出すことができる。
【0049】
また、スクレーパ16の回転中心線C3の傾斜角度βは、回転ロッド16aに粉粒体が接触しない限り、90度以上の角度、すなわち回転テーブル14の回転方向R1の上流側に回転中心線C3が傾斜していてもよい。ただし、この場合、スクレーパ16の回転方向は、回転中心線C3が下流側に傾斜されている場合と異なり、逆である。
【0050】
さらに、スクレーパ16の粉粒体の掻き出し性を向上させるために、スクレーパ16の表面に複数の凹部または複数の凸部が形成されてもよい。また、凹部として溝やディンプルが形成されてもよい。ただし、凹部内にまたは凸部間に、粉粒体が詰まらないようにする必要がある。例えば、スクレーパ16の表面に溝が形成される場合、溝内部の粉粒体がスクレーパ16の回転によっては溝外部に確実に出るように、溝は開放端を有するのが好ましい。
【0051】
このようなスクレーパ16によれば、回転テーブル14の環状溝14b内の粉粒体は、スクレーパ16の回転によって回転テーブル14の環状溝14b内からシュート18に向かって掻き出される。そのため、粉粒体はスクレーパ16に留まることができない。すなわち、スクレーパ16に粉粒体が密に集まることがなく、スクレーパ16で粉粒体が塊状になることが抑制される。その結果、スクレーパ16の単位時間あたりの粉粒体の掻き出し量が安定し、定量供給装置10は、安定した供給速度で粉粒体を供給することができる。
【0052】
図1や
図3に示すように、スクレーパ16が粉粒体を掻き出す際に回転テーブル14の外周側上面部分14a’や中央側上面部分14a’’上にこぼれた粉粒体を、再び円筒状容器12内に戻すように、定量供給装置10は構成されている。
【0053】
説明すると、スクレーパ16は、回転テーブル14の環状溝14bに充満された粉粒体全てを、シュート18に向かって掻き出すわけではない。スクレーパ16に向かって搬送された粉粒体のごく一部が、スクレーパ16が粉粒体を掻き出す際に回転テーブル14の外周側上面部分14a’や中央側上面部分14a’’上にこぼれる、または環状溝14b内に掻き残される。
【0054】
なお、回転テーブル14の外周側上面部分14a’や中央側上面部分14a’’上にこぼれる粉粒体の量と、環状溝14b内に掻き残される粉粒体の量はほぼ安定しているため、スクレーパ16のシュート18への単位時間あたりの粉粒体の掻き出し量の安定性、すなわち定量供給装置10の粉粒体の定量供給の安定性は確保されている。
【0055】
スクレーパ16によって環状溝14b内に掻き残された粉粒体は、回転テーブル14の回転により、そのまま円筒状容器12内に戻される。
【0056】
これに対して、スクレーパ16が粉粒体を掻き出す際に回転テーブル14の外周側上面部分14a’や中央側上面部分14a’’上にこぼれた粉粒体は、
図1や
図3に示すように、円筒状容器12のトンネル部12dを通過して円筒状容器12内に戻される。
【0057】
トンネル部12dは、具円筒状容器12の外部からその内部に向かう回転テーブル14の環状溝14bが下方を通過する、円筒状容器12の側壁12bの部分に形成されている。
【0058】
トンネル部12dはまた、
図1や
図3に示すように、円筒状容器12の外側表面に形成された外側開口12eと、内側表面に形成された内側開口12fとを備え、回転テーブル14の上面14aに沿って、且つ環状溝14bに沿って延びている。さらに、トンネル部12dは、
図1に示すように、回転テーブル14の外周側上面部分14a’上や中央側上面部分14a’’の環状溝14b近傍にこぼれた粉粒体が通過できる、所定の天井高さ(回転テーブル14の上面14aからの高さ)と幅とを備えている。
【0059】
なお、
図1や
図2に示すように、回転テーブル14の中央側上面部分14a’’上に大量の粉粒体が載らないように、回転テーブル14の中央側上面部分14a’’を覆って環状溝14b内に粉粒体を落とすガイド部材26が設けられている。
【0060】
また、円筒状容器12のトンネル部12dは、
図3に示すように、円筒状容器12の内側表面における断面積、すなわち内側開口12fの開口面積が、外側表面における断面積、すなわち外側開口12eの開口面積に比べて小さくなるように形成されるのが好ましい。これにより、円筒状容器12に収容されている粉粒体がトンネル部12dを介して外部に流出することが抑制される。別の観点から言えば、スクレーパ16が掻き残して環状溝14b内に凹凸状に堆積する粉粒体(特に凸状に堆積する粉粒体)が、トンネル部12dの大きい外側開口12eに引っ掛かることなく、円筒状容器12内に戻ることができる。
【0061】
トンネル部12dを介する粉粒体の外部流出をさらに抑制するためには、トンネル部12dは、長い方が好ましい。そのために、トンネル12d部を、スクレーパ16eの近傍まで延長してもよい。
【0062】
このようなトンネル部12dを使用する理由について説明する。
【0063】
トンネル部12dが存在しない場合、スクレーパ16が粉粒体を掻き出す際に回転テーブル14の外周側上面部分14a’上や中央側上面部分14a’’上にこぼれた粉粒体は、円筒状容器12の外側表面に止められ、円筒状容器12の内部に戻ることができない。そのため、円筒回転テーブル14の外周側上面部分14a’と円筒状容器12の外側表面との間と、中央側上面部分14a’’と円筒状容器12の外側表面との間とに粉粒体は堆積する。
【0064】
回転テーブル14の外周側上面部分14a’と円筒状容器12の外側表面との間と、中央側上面部分14a’’と円筒状容器12の外側表面との間とに堆積する粉粒体は、回転テーブル14が一回転する度に、その堆積量が増加する。堆積量がある程度増加すると、粉粒体の一部が環状溝14b内や回転テーブル14の外側にあふれる。堆積する粉粒体の一部が、回転テーブル14の回転方向R1に関してスクレーパ16の上流側に位置する環状溝14bの部分にあふれる場合、スクレーパ16に搬送される粉粒体量が不安定になる。また、回転テーブル14の外側にあふれた場合、シュート18に入る可能性がある。いずれにしても、定量供給装置10の粉粒体供給の安定性が損なわれる。
【0065】
この対処として、トンネル部12dを円筒状容器12に設けることにより、円筒回転テーブル14の外周側上面部分14a’と円筒状容器12の外側表面との間と、中央側上面部分14a’’と円筒状容器12の外側表面との間とに、粉粒体が堆積しないようにしている。
【0066】
以上のような定量供給装置10によれば、円筒状容器12内に収容されている粉粒体は、回転中の回転テーブル14の環状溝14b内に充満される。
【0067】
円筒状容器12の内部において環状溝14b内に充満された粉粒体は、回転テーブル14の回転により、円筒状容器12の外部に位置するスクレーパ16に向かって搬送される。
【0068】
円筒状容器12の外部に搬送された粉粒体は、回転中のスクレーパ16により、シュート18に向かって掻き出される。シュート18に掻き出された粉粒体は、所望の場所に搬送される。
【0069】
一方、スクレーパ16が掻き残した環状溝14b内の粉粒体は、回転テーブル14の回転により、円筒状容器12の内部に戻される。一方、スクレーパ16が掻き出す際に回転テーブル14の外周側上面部分14a’上や中央側上面部分14a’’上にこぼれた粉粒体は、トンネル部12dを通過して円筒状容器12の内部に戻される。
【0070】
本実施の形態1によれば、回転テーブル14の環状溝14b内の粉粒体は、スクレーパ16の回転によって環状溝14b内から掻き出される。そのため、粉粒体はスクレーパ16に留まることができず、すなわちスクレーパ16に粉粒体が密に集まることがなく、スクレーパ16で粉粒体が塊状になることが抑制される。その結果、スクレーパ16の単位時間あたりの粉粒体の掻き出し量が安定し、定量供給装置10は、安定した供給速度で粉粒体を供給することができる。
【0071】
(実施の形態2)
本実施の形態2は、回転テーブルの環状溝から粉粒体を掻き出すスクレーパ以外の構成要素は、上述の実施の形態1と同一である。したがって、実施の形態1と異なるスクレーパを中心に説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付している。
【0072】
図5は、本実施の形態2に係る定量供給装置110の構成の一部を概略的に示す図である。
図6は、
図5のD−D線断面図である。
【0073】
図5および
図6に示すように、本実施の形態2のスクレーパ116は、実施の形態1の球形状のスクレーパ16と異なり、平板形状であって、具体的には円板形状である。スクレーパ116の回転中心線C3は、平板表面(粉粒体を掻き出すための表面)と平行である。また、回転中心線C3は、回転テーブル14の上面14aと平行な水平方向に且つ回転テーブル14の接線方向に延びている。
【0074】
また、スクレーパ116は、回転中心線C3を中心とする回転によって断続的に回転テーブル14の環状溝14b内に進入するように配置されている。すなわち、
図6に示すように、スクレーパ116の回転中において、回転テーブル14の環状溝14b内にスクレーパ116の一部が存在しないタイミングがある。
【0075】
このような円板形状のスクレーパ116によれば、スクレーパ116によって環状溝14bから掻き出される粉粒体の量(単位時間あたりの掻き出し量)が安定する。特に、静止状態で流動性が低く、密に集まると塊状になりやすい粉粒体の場合に、単位時間あたりの掻き出し量が安定する。
【0076】
具体的に、
図7を用いて説明する。
図7は、実施例の円板形状のスクレーパ116と、比較例の長方形板状のスクレーパ116’とを示している。比較例の長方形板状のスクレーパ116’も、実施例のスクレーパ116と同様に、水平方向に且つ回転テーブル14の接線方向に延在する回転中心線C3を中心とする回転によって断続的に回転テーブル14の環状溝14b内に進入するように配置されている。
【0077】
スクレーパ116(116’)は、多くの粉粒体を回転テーブル14の環状溝14bから掻き出すために、回転テーブル14の回転速度に比べて高速に回転する。したがって、瞬間的にみれば、スクレーパ116(116’)は、回転テーブル14の環状溝14b内の粉粒体を削り取るように掻き出す。すなわち、瞬間的に、環状溝14b内の粉粒体の回転テーブル14の回転方向R1の下流側に、スクレーパ116(116’)の形状に対応する面Pが形成される。
【0078】
実施例の円板形状のスクレーパ116の場合、スクレーパ116に掻き取られて形成される環状溝14b内の粉粒体の面Pは傾斜面になる。具体的には、
図7に示すように回転テーブル14の径方向に見た場合に環状溝14bの上部から下部に向かうにしたがい回転テーブル14の回転方向R1の上流側から下流側に向かって傾斜する傾斜面、具体的には湾曲面、さらに具体的には部分球面になる。
【0079】
言い換えると、回転テーブル14の環状溝14b内において円板形状のスクレーパ116の粉粒体側の輪郭部分が描く回転軌跡が傾斜面(湾曲面(部分球面))状であって、その傾斜面(湾曲面(部分球面))状の回転軌跡に対応する形状の面Pがスクレーパ116によって環状溝14b内の粉粒体に形成される。
【0080】
一方、比較例の長方形板状のスクレーパ116’の場合、スクレーパ116’に掻き取られて形成される粉粒体の面P’は鉛直面になる。具体的には、
図7に示すように回転テーブル14の径方向に見た場合に環状溝14bの上部から下部に向かって鉛直方向に延びる平面である。
【0081】
図8は、回転テーブル14の径方向に見た場合における、スクレーパ116(116’)が半回転する度に環状溝14bから順次掻き出される粉粒体G1〜Gn(G1’〜Gn’)(nは2以上の整数)を示している。例えば、粉粒体G1(G1’)が掻き出された後に、次の粉流体G2(G2’)がスクレーパ116(116’)によって掻き出される。なお、
図8に示す実施例の円板状のスクレーパ116と比較例の長方形板状のスクレーパ116’の回転速度は同じである。また、実施例と比較例とにおいて、回転テーブル14の回転速度は同じである。
【0082】
例えば、小麦粉などの粉粒体、すなわち静止状態で流動性が低く、密に集まると塊状になりやすい粉粒体の場合、スクレーパ116(116’)が高速回転しているため、スクレーパ116(116’)によって実施例の傾斜面(湾曲面)Pや比較例の鉛直面P’が一度形成されると、それらの面P(P’)は次にスクレーパ116(116’)によって粉粒体が掻き出されるまで崩れずに維持されると考えることができる。
【0083】
例えば、粉粒体G1(G1’)がスクレーパ116(116’)によって掻き出されることにより形成される面P(P’)は、次の粉流体G2(G2’)が掻き出されるまで維持される。これにより、スクレーパ116(116’)が半回転する度に、所定量の粉流体G1〜Gn(G1’〜Gn’)が環状溝14bから順次掻き出され、新たな面P(P’)がその都度形成される。
【0084】
しかしながら、比較例のように、スクレーパ116’によって形成される環状溝14b内の粉粒体の面P’が鉛直面である場合、次にスクレーパ116’によって粉粒体が掻き出される前に、その面P’が崩れることがある。それにより、回転テーブル14の回転方向R1の下流側であって、スクレーパ116’が通過する環状溝14b内の領域に、多くの粉流体が崩れ落ちることがある。
【0085】
このとき、次にスクレーパ116’が掻き取る分の粉粒体の一部が崩れ落ちる場合には問題はないが、粉粒体の塊状になりやすい性質のために、次の次にスクレーパ116’が掻き取る分の粉流体の一部が崩れ落ちることがある。例えば、スクレーパ116’が粉流体G1’を掻き取ることによって形成された面P’(鉛直面)が崩れ、次にスクレーパ116’が掻き取る粉粒体G2’の一部と、次の次にスクレーパ116’が掻き取る粉粒体G3’の一部が、回転テーブル14の回転方向Rの下流側に崩れ落ちることがある。このようなことが起こると、当然ながら、スクレーパ116’によって環状溝14bから掻き出される粉粒体の単位あたりの掻き出し量は不安定になる。
【0086】
その対処として、
図8に示すように、鉛直面に比べて崩れにくい傾斜面が環状溝14b内の粉粒体の面Pとして形成されるように、実施例のスクレーパ116は環状溝14b内の粉粒体を掻き出している。具体的には、スクレーパ116は円板形状を備え、水平方向に且つ回転テーブル14の接線方向に延びる回転中心線C3を中心として回転する。このようなスクレーパ116が半回転する度に、所定量の粉粒体G1〜Gnが安定して環状溝14bから順次掻き出される。その結果、単位時間あたりの粉粒体の掻き出し量が安定する。
【0087】
なお、比較例の長方形板状のスクレーパ116’そのものを完全には否定しない。
図9は、異なる姿勢で配置された比較例のスクレーパ116’を示している。
図9に示すように、回転中心線C3を傾斜させて長方形板状のスクレーパ116’の角部116b’が断続的に環状溝14b内に進入するように回転すれば、スクレーパ116’によって形成される環状溝14b内の粉粒体の面Pは崩れにくい傾斜面になる。
【0088】
したがって、本発明のスクレーパは、広義には、そのスクレーパに掻き取られて形成される粉粒体の面が回転テーブル14の径方向に見た場合に環状溝14bの延在方向(回転テーブル14の回転方向R1)に対して傾斜している傾斜面になるような形状を備えるとともに、その傾斜面が実現できるように配置されている。すなわち、回転テーブル14の環状溝14b内において、スクレーパの粉流体側の輪郭部分が描く回転軌跡が、回転テーブル14の径方向に見た場合に傾斜している傾斜面になるように、スクレーパが構成され且つ配置されている。
【0089】
なお、本実施の形態2の平板形状のスクレーパ116は、回転中心線C3から放射方向に延び、半回転毎に環状溝14bから粉流体を掻き出す平板形状の二枚の掻き出し羽根を備えているとみなすことができる。しかし、本発明は、二枚の掻き出し羽根を備えるスクレーパに限定しない。
【0090】
例えば、回転中心線C3方向に見た
図10(a)に示すように、回転中心線C3から放射方向に延びる平板形状の三枚の掻き出し羽根216aを120度の角度間隔で備えるスクレーパ216でもよい。また、例えば、
図10(b)に示すように、回転中心線C3方向に見た場合に湾曲している湾曲板形状の三枚の掻き出し羽根316aを備えるスクレーパ316でもよい。これに関連して言えば、実施の形態1の球形状のスクレーパ16は、無数の掻き出し羽根を備えるスクレーパとみなすことができる。
【0091】
また、本実施の形態2の円板形状のスクレーパ116は、環状溝14b内の粉粒体をすくって外部に掻き出す。そのため、スクレーパ116によって環状溝14bから掻き出された粉粒体の一部が、シュート18に向かわず、回転テーブル14の中央側に飛散する可能性がある。したがって、
図5や
図6に示すように、スクレーパ116によって環状溝14bから掻き出された粉粒体の回転テーブル14の中央側への飛散を防止するカバー部材130を設けるのが好ましい。
【0092】
カバー部材130は、
図6に示すように、回転するスクレーパ116に沿うように延在し、回転中心線Cを中心とする円筒形状のガイド面130aを有する。このガイド面130aは、具体的には、スクレーパ116の上方から回転テーブル14の中央側を通って回転テーブル14まで延在している。このカバー部材130のガイド面130aにより、スクレーパ116によって環状溝14bから掻き出されてスクレーパ14の上方や回転テーブル14の中央側に向かって飛散した粉粒体が再び環状溝14b内に戻される。
【0093】
なお、このカバー部材130を実施の形態1の定量供給装置10にも設けてもよい。
【0094】
本実施の形態2によれば、本実施の形態1と同様に、スクレーパ116の単位時間あたりの粉粒体の掻き出し量が安定し、安定した供給速度で粉粒体を供給することができる。
【0095】
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
【0096】
例えば、上述の実施の形態の場合、回転テーブルの環状溝に充満された粉粒体を掻き出すスクレーパは1つであるが、本発明はこれに限らない。環状溝から粉粒体を掻き出すスクレーパは複数あってもよい。
【0097】
また、例えば、
図11に示すように、スクレーパ16が粉粒体を環状溝14bから掻き出す際に回転テーブル14の外周側上面部分14a’上にこぼれた粉粒体をシュート18に移動させる、スクレーパ30を定量供給装置に設けてもよい。スクレーパ30は、外周側上面部分14a’上の粉粒体をシュート18に向かって案内できるように設けられている。
【0098】
なお、このようなスクレーパ30に代って、回転テーブル14の外周側上面部分14a’上や中央側上面部分14a’’上にこぼれた粉粒体を、環状溝14b内に落とすスクレーパを設けてもよい。
【0099】
さらに、回転テーブルの環状溝は、上述の実施の形態のように、半円形状断面の環状溝14bに限らない。広義には、回転テーブルの環状溝内にスクレーパの一部分が位置した状態で該回転テーブルが回転可能であれば、環状溝の断面形状はどのような形状であってもよい。
【0100】
例えば、
図12に示すように、V字形状断面を備える環状溝114bと、円すい形状のスクレーパ416であってもよい。この場合、スクレーパ416が回転するためには、スクレーパ416の回転中心線C3が回転テーブル114の回転中心線C2と平行になるようにスクレーパ416を配置する必要がある。
【0101】
この他にも、直角四角形状断面を備える環状溝と円柱形のスクレーパ、U字形状断面の環状溝と半球形状または球形状のスクレーパなどの組み合わせも可能である。また、半円形状断面を備える環状溝と球形状のスクレーパのように、環状溝の断面形状とスクレーパの形状は幾何学的に係合する形状でなくてもよく、例えば、半円形状断面を備える環状溝と、角柱形状のスクレーパであってもよい。なお、スクレーパの粉粒体の掻き出し性を考慮すると、環状溝の深さは浅い(回転テーブルの上面から底までの距離は短い)ほうが好ましい。
【0102】
加えて、回転テーブルの回転速度とスクレーパの回転速度とが対応して制御されるように、定量供給装置を構成してもよい。
【0103】
スクレーパによって環状溝から掻き出される単位時間あたりの粉粒体の掻き出し量、すなわち定量供給装置の粉粒体の供給速度(単位時間あたりの粉粒体の供給量)は、回転テーブルの回転速度と、スクレーパの回転速度とに依存する。したがって、粉粒体の供給速度、回転テーブルの回転速度、およびスクレーパの回転速度の対応関係を予め論理的にまたは実験的に求めれば、粉粒体の供給速度を、回転テーブルの回転速度とスクレーパの回転速度とを制御することによって調整可能である。すなわち、さらに安定した供給速度で粉粒体が供給可能になる。
【0104】
例えば、定量供給装置は、粉粒体の供給速度を調節するための操作パネルなどの入力装置と、入力装置に入力された粉粒体の供給速度に基づいて回転テーブルの回転速度とスクレーパの回転速度とを制御する制御装置とを備えてもよい。入力装置を介して作業者が所望する粉粒体の供給速度が入力されると、制御装置は、その入力された粉粒体の供給速度を実現するように、回転テーブルの回転速度とスクレーパの回転速度とを制御する。これにより、作業者が所望する、且つ安定した供給速度で粉粒体を供給することができる。
【0105】
また、例えば、定量供給装置は、環状溝から回転テーブルの外側に掻き出された粉粒体を定期的に計量する計量装置を備え、その計量装置による計量結果が安定するように、回転テーブルの回転速度とスクレーパの回転速度とを制御装置によって制御するようにしてもよい。これにより、さらに安定した供給速度で粉粒体を供給することができる。
【0106】
さらに例えば、回転テーブルの回転速度またはスクレーパの回転速度のいずれか一方を、例えばエンコーダでモニタリングし、そのモニタリングする一方の回転速度の変動に対応して、粉粒体の供給速度が一定になるように他方の回転速度を制御してもよい。これにより、さらに安定した供給速度で粉粒体を供給することができる。