(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、第1アンロード弁(2)の連通位置(2a)は、アクチュエータに給排する油の圧力コントロールをするためにその開度が制限されることがある。連通位置(2a)の開度が制限されていると、方向切換弁が操作されていないときに油をタンク(54)に逃がす場合において十分な開度が得られず、圧力損失が生じる。このように、特許文献1に記載された油圧回路には、圧力損失を低減し得る余地が残されていた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、圧力損失を従来よりも低減することができる建設機械の油圧回路を提供することである。
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、吐出流量を制御するレギュレータ付きのスプリットポンプの一方の吐出口に接続された第1アンロード通路と、前記第1アンロード通路に接続された第1系統の第1方向切換弁と、前記スプリットポンプの他方の吐出口に接続された第2アンロード通路と、前記第2アンロード通路に接続された第2系統の第2方向切換弁と、前記第1アンロード通路および前記第2アンロード通路に連通されたタンクと、前記第1方向切換弁と前記タンクとの間の前記第1アンロード通路に設けられた第1絞りと、前記第2方向切換弁と前記タンクとの間の前記第2アンロード通路に設けられた第2絞りと、前記第1絞りの上流側の油圧である第1ネガコン圧および前記第2絞りの上流側の油圧である第2ネガコン圧のうちの低い方の油圧を第3ネガコン圧として出力する低圧選択弁と、前記第1ネガコン圧が前記第2ネガコン圧よりも高いときに当該第1ネガコン圧と当該第2ネガコン圧との圧力差に応じた量の油を前記第1方向切換弁の上流側の前記第1アンロード通路から前記タンクに逃がす連通位置、および前記第1方向切換弁の上流側の前記第1アンロード通路と前記タンクとの間を遮断する遮断位置を有する第1アンロード弁と、を備える建設機械の油圧回路において、少なくとも前記第1方向切換弁が操作されていないときに、当該第1方向切換弁の上流側の前記第1アンロード通路から前記タンクに油を逃がすアンロード位置を前記第1アンロード弁にさらに設けたことを特徴とする、建設機械の油圧回路を提供する。
【0007】
この構成によると、第1ネガコン圧と第2ネガコン圧との圧力差に応じた量の油をタンクに逃がす連通位置とは別に、方向切換弁が操作されていないときに油をタンクに逃がすアンロード位置を第1アンロード弁に設けたことで、アンロード位置の通路開口を大きくすることができ、第1アンロード弁を流れる余剰油による圧力損失を従来よりも低減することができる。その結果、圧力損失を従来よりも低減することができる建設機械の油圧回路とすることができる。
【0008】
また本発明において、前記第1アンロード弁と前記タンクとの間に、遮断位置と連通位置とを有する第1アンロードフロコン弁が配置されており、前記第1アンロード弁がアンロード位置のときに、前記第1アンロードフロコン弁を連通位置に保持することが好ましい。
【0009】
この構成によると、第1アンロードフロコン弁を流れる余剰油による圧力損失も従来よりも低減することができる。
【0010】
さらに本発明において、前記第1アンロードフロコン弁の一方の圧力室および他方の圧力室は、前記第1アンロード弁の上流側の前記第1アンロード通路に当該第1アンロード弁を介して接続されており、前記第1アンロード弁は、アンロード位置のとき、当該第1アンロード弁の上流側の前記第1アンロード通路と前記第1アンロードフロコン弁の一方の圧力室との間を遮断するとともに、当該第1アンロード弁の上流側の前記第1アンロード通路と前記第1アンロードフロコン弁の他方の圧力室との間を連通させることにより、前記第1アンロード弁がアンロード位置のときに、前記第1アンロードフロコン弁が連通位置に保持されることが好ましい。
【0011】
この構成によると、第1アンロード弁に連動して第1アンロードフロコン弁は連通位置となる。すなわち、第1アンロード弁がアンロード位置のときに第1アンロードフロコン弁を連通位置に保持するための新たな弁などを追加することなく、第1アンロードフロコン弁を流れる余剰油による圧力損失を従来よりも低減することができる。
【0012】
さらに本発明において、前記第1アンロード弁は、中立の位置に遮断位置が配置され、遮断位置の一方に連通位置が配置され、遮断位置の他方にアンロード位置が配置されており、連通位置側の圧力室には前記第1ネガコン圧が入力され、アンロード位置側の圧力室には前記低圧選択弁の出力および非操作信号生成弁の油圧信号のうちの高い方の油圧が入力されており、連通位置側の圧力室とアンロード位置側の圧力室とが同圧のときに当該第1アンロード弁を遮断位置に保持する中立ばねを有することが好ましい。
【0013】
この構成によると、第1アンロード弁の両端部にそれぞれ1つずつ圧力室を設けるだけでよいので、従来のようなアンロード弁の両端部に計3つの圧力室を設ける構成(例えば国際公開WO2009/123047(
図9)に記載の第1アンロード弁(2))よりも簡素な構成とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、油圧ショベルの油圧回路としての実施形態を以下に示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る油圧回路1を示す回路図であり、
図2は、
図1のA部拡大図である。なお、本実施形態に係る油圧回路1は、油圧ショベル以外の建設機械にも適用することができる。
【0016】
図1に示すように、この油圧回路1が適用される油圧ショベルは、圧油の吐出流量を制御するレギュレータ52付きのスプリットポンプ51、ポンプ53、パイロットポンプ54、タンク55、バケット用油圧シリンダ56、ブーム用油圧シリンダ57、アーム用油圧シリンダ58、ドーザ用油圧シリンダ60、走行用油圧モータ(不図示)などを備えている。そして、これら油圧シリンダ(56〜58、60)・走行用油圧モータなどのアクチュエータ、ポンプ(51、53、54)、およびレギュレータ52に対して油圧回路1が組まれている。
【0017】
スプリットポンプ51は、可変容量型の1シリンダ2ポート吐出のポンプであり、2つの吐出口51a、51bから同一流量の圧油を吐出する。また、スプリットポンプ51は、エンジン(不図示)により駆動される。
【0018】
(油圧回路の構成)
(アンロード通路)
図1、2に示すように、油圧回路1は、スプリットポンプ51の一方の吐出口51aに接続された第1アンロード通路12と、スプリットポンプ51の他方の吐出口51bに接続された第2アンロード通路13とを備えている。第1アンロード通路12および第2アンロード通路13は、下流側で合流してタンク55に連通している。第1アンロード通路12は第1系統のアンロード通路であり、第2アンロード通路13は第2系統のアンロード通路である。また、油圧回路1は、ポンプ53に接続された第3系統の第3アンロード通路29も備えている。この第3アンロード通路29もタンク55に連通している。
【0019】
(方向切換弁)
油圧回路1は、第1アンロード通路12に直列接続された第1系統の3つの第1方向切換弁4x〜4zと、第2アンロード通路13に直列接続された第2系統の3つの第2方向切換弁5x〜5zとを備えている。第1方向切換弁4x〜4zおよび第2方向切換弁5x〜5zは、すべて、センターバイパス型であってかつ油圧パイロット型の方向切換弁である。なお、油圧回路1は、第3アンロード通路29に直列接続された第3系統の3つの第3方向切換弁6x〜6zも備えている。
【0020】
ここで、例えば、第1方向切換弁4x・第2方向切換弁5xは、走行用油圧モータ(不図示)への圧油の供給を制御する弁である。第1方向切換弁4yは、ブームを動作させるブーム用油圧シリンダ57への圧油の供給を制御する弁であり、第1方向切換弁4zは、バケットを動作させるバケット用油圧シリンダ56への圧油の供給を制御する弁である。また、第2方向切換弁5zは、アームを動作させるアーム用油圧シリンダ58への圧油の供給を制御する弁であり、第3方向切換弁6yは、ドーザ用油圧シリンダ60への圧油の供給を制御する弁である。
【0021】
ここで、第1方向切換弁4x〜4zのうち、最下流側の第1方向切換弁4zとタンク55との間の第1アンロード通路12には、第1系統の第1絞り10が設けられている。同様に、第2方向切換弁5x〜5zのうち、最下流側の第2方向切換弁5zとタンク55との間の第2アンロード通路13には、第2系統の第2絞り11が設けられている。
【0022】
また、第1〜第3系統のすべての方向切換弁4x〜4z・5x〜5z・6x〜6zに対して、それぞれサブバルブ17x〜17z・18x〜18z・28x〜28zが一体的に設けられている。サブバルブ17x〜17z・18x〜18z・28x〜28zはすべてセンターバイパス型のバルブである。また、第1パイロット通路26と第2パイロット通路27とに下流側で分岐するパイロット通路20がパイロットポンプ54に接続されている。第1〜第3系統のすべてのサブバルブ17x〜17z・18x〜18z・28x〜28zは、このうちの第1パイロット通路26に直列接続されている。第1系統のサブバルブ17xおよび第2系統のサブバルブ18xは、第2パイロット通路27にも直列接続されている。サブバルブ17x〜17z・18x〜18z・28x〜28zは、対応する方向切換弁4x〜4z・5x〜5z・6x〜6zが中立位置のとき(操作されていないとき)に連通位置(第1パイロット通路26連通位置)となり、方向切換弁4x〜4z・5x〜5z・6x〜6zが切換位置のとき(操作されているとき)に遮断位置(第1パイロット通路26遮断位置)となるように形成されている。
【0023】
なお、サブバルブ28zの上流側の第1パイロット通路26には第1パイロットライン絞り16が設けられ、サブバルブ18xの上流側の第2パイロット通路27には第2パイロットライン絞り30が設けられている。第1パイロット通路26、第2パイロット通路27は、いずれもサブバルブが連通位置のときタンク55に連通する。
【0024】
(低圧選択弁)
また、油圧回路1は、第1絞り10の上流側の油圧である第1ネガコン圧および第2絞り11の上流側の油圧である第2ネガコン圧のうちの低い方の油圧を第3ネガコン圧として出力する低圧選択弁9を備えている。ここで、低圧選択弁8の一方の圧力室91には、第1方向切換弁4zと第1絞り10との間の第1アンロード通路12の油圧である上記第1ネガコン圧が入力され、低圧選択弁9の他方の圧力室92には、第2方向切換弁5zと第2絞り11との間の第2アンロード通路13の油圧である上記第2ネガコン圧が入力されている。
【0025】
また、低圧選択弁9とレギュレータ52とを接続するレギュレータ用パイロット通路15が設けられている。このレギュレータ用パイロット通路15により、低圧選択弁9から出力される第3ネガコン圧がレギュレータ52に入力される。
【0026】
(アンロード弁)
また、油圧回路1は、遮断位置2a、連通位置2b、およびアンロード位置2cを備える第1アンロード弁2を備えている。この第1アンロード弁2は、スプリットポンプ51の吐出口51aと第1方向切換弁4xとの間の第1アンロード通路12に配置されている。
【0027】
第1アンロード弁2の遮断位置2aは、最上流側の第1方向切換弁4xよりも上流側の第1アンロード通路12とタンク55との間を遮断する位置である。また、第1アンロード弁2の連通位置2bは、第1ネガコン圧が第2ネガコン圧よりも高いときに、当該第1ネガコン圧と当該第2ネガコン圧との圧力差に応じた量の油を、最上流側の第1方向切換弁4xよりも上流側の第1アンロード通路12からタンク55に逃がす位置である。また、第1アンロード弁2のアンロード位置2cは、少なくとも第1方向切換弁4x〜4zのすべてが操作されていないときに、最上流側の第1方向切換弁4xよりも上流側の第1アンロード通路12からタンク55に油を逃がす位置である。なお、遮断位置2a、連通位置2b、およびアンロード位置2cのいずれの位置においても、第1アンロード弁2の上流側の第1アンロード通路12と第1アンロード弁2の下流側の第1アンロード通路12とは連通するようにされている。
【0028】
ここで、第1アンロード弁2は、中立の位置に遮断位置2aが配置され、遮断位置2aを挟むようにその両側に連通位置2bおよびアンロード位置2cが配置されている。連通位置2b側の圧力室22には第1ネガコン圧が入力され、アンロード位置2c側の圧力室21には低圧選択弁9の出力および後述の非操作信号生成弁19の油圧信号のうちの高い方の油圧が入力されている。具体的には、レギュレータ用パイロット通路15から分岐する通路36と、非操作信号生成弁19からの通路37とが合流させられた後、圧力室21に接続させられることで、低圧選択弁9の出力および後述の非操作信号生成弁19の油圧信号のうちの高い方の油圧が圧力室21に入力される。また、連通位置2b側の圧力室22とアンロード位置2c側の圧力室21とが同圧のときに当該第1アンロード弁2を遮断位置2aに保持する中立ばね24,23(付勢手段)が、それぞれ圧力室22,21に配置されている。
【0029】
また、第1アンロード弁2が連通位置2bのときに、当該第1アンロード弁2の上流側の第1アンロード通路12とタンク55とを連通させる第1アンロード弁2内の通路には絞り25が設けられている。第1アンロード弁2がアンロード位置2cのときの第1アンロード弁2内のタンク55へつながる通路開口は、連通位置2bのときの第1アンロード弁2内のタンク55へつながる通路開口よりも大きい。
【0030】
同様に、油圧回路1は、遮断位置3a、連通位置3b、およびアンロード位置3cを備える第2アンロード弁3を備えている。この第2アンロード弁3は、スプリットポンプ51の吐出口51bと第2方向切換弁5xとの間の第2アンロード通路13に配置されている。前記した第1アンロード弁2の構成と、第2アンロード弁3の構成とは、相互に系統が異なることを除いて同じである。
【0031】
(アンロードフロコン弁)
また、油圧回路1は、第1アンロード弁2とタンク55との間の当該第1アンロード弁2の下流側通路38に設けられた第1アンロードフロコン弁31を備えている。第1アンロードフロコン弁31は、遮断位置31aと連通位置31bとを備えている。
【0032】
第1アンロードフロコン弁31の一方の圧力室33および他方の圧力室34は、第1アンロード弁2の上流側の第1アンロード通路12に当該第1アンロード弁2を介して接続されている。また、第1アンロードフロコン弁31の他方の圧力室34には、ばね35(付勢手段)が配置されている。ここで、第1アンロード弁2がアンロード位置2cのとき、当該第1アンロード弁2の上流側の第1アンロード通路12と第1アンロードフロコン弁31の一方の圧力室33との間が遮断されるとともに、当該第1アンロード弁2の上流側の第1アンロード通路12と第1アンロードフロコン弁31の他方の圧力室34との間が連通するように回路構成されている。これにより、第1アンロード弁2がアンロード位置2cのとき、第1アンロードフロコン弁31は連通位置31bに保持される。
【0033】
同様に、油圧回路1は、第2アンロード弁3とタンク55との間の当該第2アンロード弁3の下流側通路39に設けられた第2アンロードフロコン弁32を備えている。第2アンロードフロコン弁32は、遮断位置32aと連通位置32bとを備えている。前記した第1アンロードフロコン弁31の構成と、第2アンロードフロコン弁32の構成とは、相互に系統が異なることを除いて同じである。
【0034】
なお、アンロードフロコン弁31,32は、アクチュエータの負荷圧力に関係なく、方向切換弁の操作量に見合った余剰流量の油をタンク55に逃がして、アクチュエータの操作性悪化をより抑制するための弁である。
【0035】
(非操作信号生成弁)
また、油圧回路1は、非操作信号生成弁19を備えている。非操作信号生成弁19の一方の圧力室41には、第3系統のサブバルブ28xの下流側であって且つ第2系統のサブバルブ18xの上流側の第1パイロット通路26から分岐する通路40が接続されている。また、この圧力室11には、ばね42(付勢手段)が配置されている。また、非操作信号生成弁19の他方の圧力室43には、第1パイロットライン絞り16および第2パイロットライン絞り30の上流側のパイロット通路20の圧が入力されている。
【0036】
この非操作信号生成弁19は、第1系統および第2系統のすべてのサブバルブ17x〜17z・18x〜18zが連通位置(第1パイロット通路26連通位置)のときに、第1アンロード弁2のアンロード位置2c側の圧力室21および第2アンロード弁3のアンロード位置3c側の圧力室にパイロット通路20の圧を導入し、サブバルブ17x〜17z・18x〜18zのうちの少なくとも1つのサブバルブが遮断位置(第1パイロット通路26遮断位置)のときにアンロード弁2,3の圧力室へのパイロット通路20圧導入を遮断するように形成されている。
【0037】
(油圧ショベルの作動)
ここでは、まず、スプリットポンプ51およびアンロード弁2,3の特性について説明する。
図3(a)は、スプリットポンプ51の吐出流量特性を示すグラフである。
図3(b)は、アンロード弁2,3が連通位置2b,3bに切り換わっていく際のタンク55へつながる(絞り25が設けられた)弁内通路の開口特性を示すグラフである。また、
図3(c)は、アンロード弁2,3がアンロード位置2c,3cに切り換わっていく際のタンク55へつながる弁内通路の開口特性を示すグラフである。
【0038】
図3(a)にスプリットポンプ51の吐出流量特性を示すように、スプリットポンプ51の吐出流量は、レギュレータ52により調整され、ネガコン圧力(第3ネガコン圧)が0〜Pfのとき最大流量Qmaxとなり、ネガコン圧力がPf〜Psのときネガコン圧力の増加に比例して下がり、ネガコン圧力がPs以上のとき最小流量Qminとなる。なお、Pf<Psである。また、Pfは、スプリットポンプ51の吐出流量が最大(Qmax)となるときの最大のネガコン圧であり、Psは、スプリットポンプ51の吐出流量が最小(Qmin)となるときの最小のネガコン圧である。また、スプリットポンプ51の吐出流量とは、2つの吐出口51a、51bのうちの一方から吐出される吐出流量のことをいうこととする。
【0039】
図3(b)にアンロード弁2,3が連通位置2b,3bに切り換わっていく際の弁開口特性を実線で示すように、アンロード弁2,3のタンク55へつながる(絞り25が設けられた)弁内通路の開口面積は、ネガコン差圧(第1ネガコン圧と第2ネガコン圧との差の絶対値)が0のとき0(遮断位置2a,3a)となり、ネガコン差圧が0〜(Ps−Pf)のときネガコン差圧の増加に比例して大きくなり(アンロード弁ストローク中間位置)、ネガコン差圧がPs−Pf以上のとき最大開口面積(アンロード弁ストローク最大位置)となる。なお、アンロード弁2,3の開口面積が大きくなるほど、アンロード弁2,3を流れる油量は増加する。
【0040】
なお、
図3(b)に示した例では、連通位置2b,3bに切り換わっていく際のアンロード弁2,3の開口特性を線形としているが、アンロード弁2,3の製作上の都合やオペレータの好みにより、アンロード弁2,3の開口特性を非線形としてもよい。例えば、
図3(b)に一点鎖線で示したように、開口特性を凹形状とすることで、複合操作時の供給流量が増し、追加複合操作時のみ圧力を高めることができ、その結果、操作の力強さが増す。また、
図3(b)に二点鎖線で示したように、開口特性を凸形状とすることで操作のソフト感が増す。
【0041】
一方、
図3(c)にアンロード弁2,3がアンロード位置2c,3cに切り換わっていく際の弁開口特性を実線で示すように、アンロード弁2,3がアンロード位置2c,3cのときのアンロード弁2,3内のタンク55へつながる弁内通路の最大開口面積は、アンロード弁2,3が連通位置2b,3bのときのタンク55へつながる弁内通路の最大開口面積(
図3(b)参照)よりも大きい。また、アンロード位置2c,3cに切り換わっていく際の線形の開口特性の傾きは、連通位置2b,3bに切り換わっていく際の線形の開口特性の傾きよりも大きい。なお、アンロード位置2c,3cに切り換わっていく際の開口特性を非線形としてもよい。
【0042】
次に、油圧ショベルの作動(油圧回路1の作動)について
図1、2を参照しつつ説明する。まず、第1〜第3系統のすべての方向切換弁4x〜4z・5x〜5z・6x〜6zが操作されていない状態を仮定する。このとき、すべてのサブバルブ17x〜17z・18x〜18z・28x〜28zは連通位置となっており、第1パイロット通路26はタンク55に連通している。そのため、第1パイロット通路26から分岐する通路40の圧は低い。一方、非操作信号生成弁19の圧力室43にはパイロット通路20の圧(パイロットポンプ54からの圧油)が入力されている。そのため、非操作信号生成弁19は位置19bの状態となる。その結果、通路37はパイロットポンプ54に接続される。
【0043】
ここで、パイロットポンプ54の吐出圧は、スプリットポンプ51の吐出圧よりも高い。すなわち、パイロットポンプ54の吐出圧は、第1ネガコン圧および第2ネガコン圧よりも高い。よって、第1アンロード弁2の圧力室21には通路37を介してパイロットポンプ54からの高圧の圧油が入力され、第1アンロード弁2は遮断位置2aからアンロード位置2cへ切り換わる(第2アンロード弁3についても同様)。なお、一般的に、ネガコン圧は3MPaより低い圧に設定され、パイロットポンプ54の圧は3MPa以上に設定される。
【0044】
第1アンロード弁2がアンロード位置2cに切り換わると、第1アンロード弁2の上流側の第1アンロード通路12と第1アンロードフロコン弁31の圧力室33との間が遮断されるとともに、第1アンロード弁2の上流側の第1アンロード通路12と第1アンロードフロコン弁31の圧力室34との間が連通する。これにより、第1アンロードフロコン弁31は連通位置31bに保持される(第2アンロードフロコン弁32についても同様)。
【0045】
これらの結果、第1アンロード弁2の上流側(第1方向切換弁4xの上流側)の第1アンロード通路12から第1アンロードフロコン弁31を経由してタンク55へ油が逃げる(第2アンロード弁3についても同様)。なお、このとき、パイロットポンプ54からの高圧の圧油は、通路37、通路36、およびレギュレータ用パイロット通路15を介してレギュレータ52に入力されるので、スプリットポンプ51の吐出流量は最小流量(Qmin)となっている(
図3(a)参照)。なお、これらにより、第1ネガコン圧および第2ネガコン圧は相互に同じ低い圧力となっている。
【0046】
この状態から例えば、第2方向切換弁5zを操作してアーム用油圧シリンダ58を動作させたとすると、第2方向切換弁5zに連動してサブバルブ18zが遮断位置になる。サブバルブ18zが遮断位置になると、第1パイロットライン絞り16前後の(上下流の)圧がほぼ等しくなり、通路40の圧が高くなる。これにより、非操作信号生成弁19は位置19bから位置19aに切り換わる。非操作信号生成弁19が位置19aに切り換わると、パイロットポンプ54の吐出圧は通路37に作用しなくなる。一方、前記したように、第1ネガコン圧および第2ネガコン圧は相互に同じ低い圧力となっている。パイロットポンプ54の吐出圧が通路37に作用しなくなると、第1アンロード弁2の圧力室21(第2アンロード弁3についても同様)およびレギュレータ52には、低圧選択弁9からの第3ネガコン圧が入力される。当該第3ネガコン圧は、相互に同じ圧力である第1ネガコン圧・第2ネガコン圧に等しい。また、第1アンロード弁2の圧力室22には第1ネガコン圧が入力されている(第2アンロード弁3についても同様)。これにより、アンロード弁2,3はアンロード位置2c,3cから遮断位置2a,3aに戻るとともに、スプリットポンプ51の吐出流量が増加し、第1ネガコン圧および第2ネガコン圧は上昇していく。
【0047】
一方、第2方向切換弁5zを操作すると第2アンロード通路13からアーム用油圧シリンダ58へ圧油が供給されるので、第2ネガコン圧は第1ネガコン圧よりも低くなる。第2ネガコン圧が低くなると、低圧選択弁9により、当該第2ネガコン圧が選択されて第3ネガコン圧として出力され、レギュレータ用パイロット通路15を介してレギュレータ52に入力される。これにより、スプリットポンプ51の吐出口51aおよび吐出口51bからの吐出流量は、いずれも第2系統の必要流量まで増加する。
【0048】
また、第1アンロード弁2の圧力室21には、低圧選択弁9から第2ネガコン圧が入力される。第1アンロード弁2の反対側の圧力室22には、第2ネガコン圧よりも高い第1ネガコン圧が入力されているので、第1アンロード弁2は、ネガコン差圧に応じたストローク量だけ、遮断位置2aから連通位置2bへ切り換わり(移動し)、ネガコン差圧に応じたアンロード弁開口面積となって、第1系統の余剰の油(ネガコン差圧に応じた量の油)はタンク55に逃げる。
【0049】
(効果)
以上、説明したように、油圧回路1によると、第1ネガコン圧と第2ネガコン圧との圧力差に応じた量の油をタンクに逃がす連通位置2bとは別に、方向切換弁が操作されていないときに油をタンクに逃がすアンロード位置2cを第1アンロード弁2に設けたことで、アンロード位置2cのタンク55へ連通する通路開口を、連通位置2bのタンク55へ連通する通路開口よりも大きくすることができ、方向切換弁が操作されていないときの第1アンロード弁2を流れる余剰油による圧力損失を従来よりも低減することができる。その結果、油圧回路1を流れる油の圧力損失を従来よりも低減することができ、建設機械のエンジンの燃料消費をより低く抑えることができる。なお、アンロード位置2cの機能を有する弁を別途設ける必要がないというのも有効な効果である。
【0050】
また、油圧回路1によると、第1アンロード弁2がアンロード位置2cのときに、第1アンロードフロコン弁31が連通位置31bに保持されるので、第1アンロードフロコン弁31を流れる余剰油による圧力損失も従来よりも低減することができる。なお、第1アンロードフロコン弁31の圧力室33へのアンロード位置2cにおける油圧導入通路遮断に替えて、アンロード位置2cのときに第1アンロードフロコン弁31の圧力室33をタンク55に接続するように回路構成してもよい。
【0051】
また、油圧回路1によると、第1アンロード弁2に連動して第1アンロードフロコン弁31は連通位置31bとなる。すなわち、第1アンロード弁2がアンロード位置2cのときに第1アンロードフロコン弁31を連通位置31bに保持するための新たな弁などを追加することなく、第1アンロードフロコン弁31を流れる余剰油による圧力損失を従来よりも低減することができる。
【0052】
さらには、油圧回路1を構成する第1アンロード弁2は、その両端部にそれぞれ1つずつ圧力室21,22を設けているだけである。これに対して、例えば国際公開WO2009/123047(
図9)に記載の第1アンロード弁(2)は、その両端部に計3つの圧力室を設けている。すなわち、本実施形態では、第1アンロード弁2の構成を簡素化できる。
【0053】
なお、上記した効果は、第1系統の第1アンロード弁2に関連するものであるが、第2系統の第2アンロード弁3に関しても同様である。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
【0055】
例えば、前記の実施形態では、第1系統および第2系統のすべての方向切換弁が操作されていないときに、第1アンロード弁2をアンロード位置2cに切り換える回路構成としているが、第2系統の方向切換弁(第2方向切換弁5x〜5z)の操作の有無に関係なく、第1系統のすべての方向切換弁(第1方向切換弁4x〜4z)が操作されていないときに第1アンロード弁2をアンロード位置2cに切り換える回路構成としてもよい(第2系統のアンロード弁(第2アンロード弁3)についても同様)。
【0056】
また、前記の実施形態では、アンロード弁2,3とタンク55との間にアンロードフロコン弁31,32を配置しているが、アンロードフロコン弁31,32は必ずしも必要な弁ではない。すなわち、アンロードフロコン弁31,32を配置しなくてもよい。