特許第5964214号(P5964214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5964214充放電制御回路、車両用電源装置及び故障判定方法
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  • 特許5964214-充放電制御回路、車両用電源装置及び故障判定方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964214
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】充放電制御回路、車両用電源装置及び故障判定方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/14 20060101AFI20160721BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20160721BHJP
   F02N 11/08 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H02J7/14 W
   H02J7/00 Q
   F02N11/08 L
   F02N11/08 X
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-251023(P2012-251023)
(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公開番号】特開2014-100017(P2014-100017A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100153914
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 勝己
(72)【発明者】
【氏名】多田 信裕
(72)【発明者】
【氏名】山田 亮太郎
【審査官】 馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−148126(JP,A)
【文献】 特開2006−29142(JP,A)
【文献】 特開2006−180682(JP,A)
【文献】 特開2004−304939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/14 − 7/32
H02J 7/00 − 7/12
H02J 7/34 − 7/36
F02N 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャパシタとスタータが接続される第1端子と、充放電可能なバッテリと発電部が接続される第2端子とを有し、前記キャパシタ及び前記バッテリの充放電を制御する充放電制御回路であって、
前記スタータは、前記第1端子を介して前記キャパシタから供給された電力を用いてエンジンを始動し、
前記発電部は、前記エンジンの回転により発電して、発電された電力に応じた電力を前記第2端子に出力し、
前記第1端子のキャパシタ電圧を昇圧又は降圧して前記第2端子に出力する放電状態と、前記第2端子のバッテリ電圧を昇圧又は降圧して前記第1端子に出力する充電状態と、を切り替え可能な電源回路と、
前記第1端子におけるキャパシタ充電電流と、前記キャパシタ電圧と、前記バッテリ電圧とを検出する検出部と、
充電モードになった時、前記電源回路を前記充電状態に切り替えて、前記キャパシタの充電を開始して前記キャパシタ電圧が目標電圧に近づくように前記電源回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
(A)前記目標電圧から、前記充電モードになる直前の前記キャパシタ電圧を減算した判定電圧が、第1の規定電圧以上であり、
(B)前記キャパシタの充電開始から規定時間経過し、
(C)前記キャパシタ充電電流が規定電流以下であり、且つ、
(D)前記バッテリ電圧が第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタのオープン故障が生じていると判定し、
前記第1の規定電圧は、前記キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、前記充電モードになる直前に前記キャパシタが十分に充電されている場合に、前記判定電圧が前記第1の規定電圧未満になるように設定されており、
前記規定時間、前記規定電流および前記第2の規定電圧は、前記キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、前記バッテリ電圧が前記第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタの充電開始から前記規定時間後に前記キャパシタ充電電流が前記規定電流を超えるように設定されていることを特徴とする充放電制御回路。
【請求項2】
前記制御部は、前記キャパシタの充電開始から前記規定時間後に前記キャパシタ充電電流が前記規定電流を超えた場合に、前記キャパシタのオープン故障が生じていると判定しないことを特徴とする請求項1に記載の充放電制御回路。
【請求項3】
キャパシタと、
充放電可能なバッテリと、
前記キャパシタが接続された第1端子と、前記バッテリが接続された第2端子とを有し、前記キャパシタ及び前記バッテリの充放電を制御する充放電制御回路と、
前記第1端子を介して前記キャパシタから供給された電力を用いてエンジンを始動するスタータと、
前記エンジンの回転により発電して、発電された電力に応じた電力を前記第2端子に出力する発電部と、を備え、
前記充放電制御回路は、
前記第1端子のキャパシタ電圧を昇圧又は降圧して前記第2端子に出力する放電状態と、前記第2端子のバッテリ電圧を昇圧又は降圧して前記第1端子に出力する充電状態と、を切り替え可能な電源回路と、
前記第1端子におけるキャパシタ充電電流、前記キャパシタ電圧及び前記バッテリ電圧を検出する検出部と、
充電モードになった時、前記電源回路を前記充電状態に切り替えて、前記キャパシタの充電を開始して前記キャパシタ電圧が目標電圧に近づくように前記電源回路を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
(A)前記目標電圧から、前記充電モードになる直前の前記キャパシタ電圧を減算した判定電圧が、第1の規定電圧以上であり、
(B)前記キャパシタの充電開始から規定時間経過し、
(C)前記キャパシタ充電電流が規定電流以下であり、且つ、
(D)前記バッテリ電圧が第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタのオープン故障が生じていると判定し、
前記第1の規定電圧は、前記キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、前記充電モードになる直前に前記キャパシタが十分に充電されている場合に、前記判定電圧が前記第1の規定電圧未満になるように設定されており、
前記規定時間、前記規定電流および前記第2の規定電圧は、前記キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、前記バッテリ電圧が前記第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタの充電開始から前記規定時間後に前記キャパシタ充電電流が前記規定電流を超えるように設定されていることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項4】
キャパシタとスタータが接続される第1端子と、充放電可能なバッテリと発電部が接続される第2端子とを有し、前記キャパシタ及び前記バッテリの充放電を制御する充放電制御回路であって、前記スタータは、前記第1端子を介して前記キャパシタから供給された電力を用いてエンジンを始動し、前記発電部は、前記エンジンの回転により発電して、発電された電力に応じた電力を前記第2端子に出力し、前記第1端子のキャパシタ電圧を昇圧又は降圧して前記第2端子に出力する放電状態と、前記第2端子のバッテリ電圧を昇圧又は降圧して前記第1端子に出力する充電状態と、を切り替え可能な電源回路と、前記第1端子におけるキャパシタ充電電流と、前記キャパシタ電圧と、前記バッテリ電圧とを検出する検出部と、充電モードになった時、前記電源回路を前記充電状態に切り替えて、前記キャパシタの充電を開始して前記キャパシタ電圧が目標電圧に近づくように前記電源回路を制御する制御部と、を備える充放電制御回路における故障判定方法において、
(A)前記目標電圧から、前記充電モードになる直前の前記キャパシタ電圧を減算した判定電圧が、第1の規定電圧以上であり、
(B)前記キャパシタの充電開始から規定時間経過し、
(C)前記キャパシタ充電電流が規定電流以下であり、且つ、
(D)前記バッテリ電圧が第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタのオープン故障が生じていると判定し、
前記第1の規定電圧は、前記キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、前記充電モードになる直前に前記キャパシタが十分に充電されている場合に、前記判定電圧が前記第1の規定電圧未満になるように設定されており、
前記規定時間、前記規定電流および前記第2の規定電圧は、前記キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、前記バッテリ電圧が前記第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタの充電開始から前記規定時間後に前記キャパシタ充電電流が前記規定電流を超えるように設定されていることを特徴とする故障判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ及びバッテリの充放電を制御する充放電制御回路、車両用電源装置及び故障判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両において、交差点等で走行を停止した時にエンジンのアイドル運転を停止させるアイドルストップ機能を搭載したものがある。
【0003】
このようなアイドルストップ機能を実現するシステムの一例として、エネルギー回収形のアイドルストップシステムがある。このシステムは、電気二重層キャパシタなどのキャパシタと、バッテリと、キャパシタ及びバッテリの充放電を制御する充放電制御回路とを備えた車両用電源装置を備える。
【0004】
このシステムでは、車両の走行中やブレーキが踏まれた時などに発電機で発生する電力などを用いてキャパシタを充電する。そして、アイドルストップ中に、運転者がアクセルを踏んだ場合などの所定の再始動条件が成立した場合、バッテリの電力ではなくキャパシタの電力を用いてスタータを動作させ、これによりエンジンを再始動させる。このようなシステムでは、エンジンの再始動時にバッテリの電圧が低下することがないため、バッテリと電装品負荷との間に昇圧回路を設ける必要がない。
【0005】
このアイドルストップシステムに類似した装置として、特許文献1に記載のものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−190735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記アイドルストップシステムにおいて、キャパシタと充放電制御回路との接続が電気的に開放されるオープン故障が起こる可能性がある。キャパシタがオープン故障した状態でアイドルストップを行ってしまうと、その後再始動条件が成立してもキャパシタからスタータに電力を供給できないため、エンジンを再始動できない。そのため、キャパシタのオープン故障の有無を判定して、オープン故障している場合に、例えばアイドルストップが行われないように制御する必要がある。オープン故障時には、キャパシタを充電する充電電流がゼロに近づく。
【0008】
しかしながら、単に充電電流がゼロに近い場合にオープン故障が生じていると判定するだけでは、キャパシタの接続が正常でキャパシタが十分に充電された場合にも故障判定されてしまう。即ち、キャパシタのオープン故障の有無を正確に判定できないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、キャパシタのオープン故障の有無を正確に判定できる充放電制御回路、車両用電源装置及び故障判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る充放電制御回路は、
キャパシタとスタータが接続される第1端子と、充放電可能なバッテリと発電部が接続される第2端子とを有し、前記キャパシタ及び前記バッテリの充放電を制御する充放電制御回路であって、
前記スタータは、前記第1端子から供給された電力を用いてエンジンを始動し、
前記発電部は、前記エンジンの回転により発電して、発電された電力に応じた電力を前記第2端子に出力し、
前記第1端子のキャパシタ電圧を昇圧又は降圧して前記第2端子に出力する放電状態と、前記第2端子のバッテリ電圧を昇圧又は降圧して前記第1端子に出力する充電状態と、を切り替え可能な電源回路と、
前記第1端子におけるキャパシタ充電電流と、前記キャパシタ電圧と、前記バッテリ電圧とを検出する検出部と、
充電モードになった時、前記電源回路を前記充電状態に切り替えて、前記キャパシタの充電を開始して前記キャパシタ電圧が目標電圧に近づくように前記電源回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
(A)前記目標電圧から、前記充電モードになる直前の前記キャパシタ電圧を減算した判定電圧が、第1の規定電圧以上であり、
(B)前記キャパシタの充電開始から規定時間経過し、
(C)前記キャパシタ充電電流が規定電流以下であり、且つ、
(D)前記バッテリ電圧が第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタのオープン故障が生じていると判定する
ことを特徴とする。
【0011】
また、前記充放電制御回路において、
前記キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、前記バッテリ電圧が前記第2の規定電圧以上である場合には、前記キャパシタの充電開始から前記規定時間後に前記キャパシタ充電電流が前記規定電流を超えるよう、前記規定時間、前記規定電流および前記第2の規定電圧は設定されていてもよい。
【0012】
また、前記充放電制御回路において、
前記制御部は、前記キャパシタの充電開始から前記規定時間後に前記キャパシタ充電電流が前記規定電流を超えた場合に、前記キャパシタのオープン故障が生じていると判定しなくてもよい。
【0013】
また、前記充放電制御回路において、
前記キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、前記充電モードになる直前に前記キャパシタが十分に充電されている場合には、前記判定電圧が前記第1の規定電圧未満になるよう、前記第1の規定電圧は設定されていてもよい。
【0014】
本発明の一態様に係る車両用電源装置は、
キャパシタと、
充放電可能なバッテリと、
前記キャパシタが接続された第1端子と、前記バッテリが接続された第2端子とを有し、前記キャパシタ及び前記バッテリの充放電を制御する充放電制御回路と、
前記第1端子から供給された電力を用いてエンジンを始動するスタータと、
前記エンジンの回転により発電して、発電された電力に応じた電力を前記第2端子に出力する発電部と、を備え、
前記充放電制御回路は、
前記第1端子のキャパシタ電圧を昇圧又は降圧して前記第2端子に出力する放電状態と、前記第2端子のバッテリ電圧を昇圧又は降圧して前記第1端子に出力する充電状態と、を切り替え可能な電源回路と、
前記キャパシタ電圧及び前記バッテリ電圧を検出する検出部と、
充電モードになった時、前記電源回路を前記充電状態に切り替えて、前記キャパシタの充電を開始して前記キャパシタ電圧が目標電圧に近づくように前記電源回路を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
(A)前記目標電圧から、前記充電モードになる直前の前記キャパシタ電圧を減算した判定電圧が、第1の規定電圧以上であり、
(B)前記キャパシタの充電開始から規定時間経過し、
(C)前記キャパシタ充電電流が規定電流以下であり、且つ、
(D)前記バッテリ電圧が第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタのオープン故障が生じていると判定する
ことを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係る故障判定方法は、
キャパシタとスタータが接続される第1端子と、充放電可能なバッテリと発電部が接続される第2端子とを有し、前記キャパシタ及び前記バッテリの充放電を制御する充放電制御回路であって、前記スタータは、前記第1端子から供給された電力を用いてエンジンを始動し、前記発電部は、前記エンジンの回転により発電して、発電された電力に応じた電力を前記第2端子に出力し、前記第1端子のキャパシタ電圧を昇圧又は降圧して前記第2端子に出力する放電状態と、前記第2端子のバッテリ電圧を昇圧又は降圧して前記第1端子に出力する充電状態と、を切り替え可能な電源回路と、前記第1端子におけるキャパシタ充電電流と、前記キャパシタ電圧と、前記バッテリ電圧とを検出する検出部と、充電モードになった時、前記電源回路を前記充電状態に切り替えて、前記キャパシタの充電を開始して前記キャパシタ電圧が目標電圧に近づくように前記電源回路を制御する制御部と、を備える充放電制御回路における故障判定方法において、
(A)前記目標電圧から、前記充電モードになる直前の前記キャパシタ電圧を減算した判定電圧が、第1の規定電圧以上であり、
(B)前記キャパシタの充電開始から規定時間経過し、
(C)前記キャパシタ充電電流が規定電流以下であり、且つ、
(D)前記バッテリ電圧が第2の規定電圧以上である場合に、前記キャパシタのオープン故障が生じていると判定する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、(A)目標電圧から、充電モードになる直前のキャパシタ電圧を減算した判定電圧が、第1の規定電圧以上であり、(B)キャパシタの充電開始から規定時間経過し、(C)キャパシタ充電電流が規定電流以下であり、且つ、(D)バッテリ電圧が第2の規定電圧以上である場合に、キャパシタがオープン故障していると判定するようにしている。
【0017】
よって、キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、充電モードになる直前にキャパシタが十分に充電されている場合には判定電圧が第1の規定電圧未満になるよう設定しておくことで、充電モードになった時点でキャパシタが既に十分に充電されている場合に、条件(A)を満たさないため、オープン故障を誤判定しないようにできる。
【0018】
また、キャパシタがオープン故障しておらず、且つ、バッテリ電圧が第2の規定電圧以上である場合には、キャパシタの充電開始から規定時間後にキャパシタ充電電流が規定電流を超えるよう設定しておくことで、充電モードになった後でキャパシタが満充電になった場合に、条件(B),(C)を満たさないため、オープン故障を誤判定しないようにできる。
【0019】
さらに、バッテリ電圧が第2の規定電圧未満でありキャパシタを十分に充電できない場合に、条件(D)を満たさないため、オープン故障を誤判定しないようにできる。
【0020】
従って、キャパシタのオープン故障の有無を正確に判定できる。その上、既存の回路に特別な回路を追加することなく、制御部による演算によってオープン故障の有無を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用電源装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。この実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用電源装置100の構成を示すブロック図である。この車両用電源装置100は、自動車等の車両に搭載されるエネルギー回収形のアイドルストップシステムに用いられる。
【0024】
図1に示すように、車両用電源装置100は、充放電制御回路10と、キャパシタCと、充放電可能なバッテリBと、スタータ20と、発電部(ACG)30と、を備える。
【0025】
充放電制御回路10は、キャパシタCとスタータ20の一端が接続される第1端子T1と、バッテリBと発電部30と電装品負荷300の一端が接続される第2端子T2とを有し、キャパシタC及びバッテリBの充放電を制御する。
【0026】
キャパシタCは、例えば、電気二重層キャパシタであり、エンジン200を始動可能な容量を有している。キャパシタCは、バッテリBと比較して、充電と放電の反応が早く、また大電流での充放電が行える。
バッテリBは、例えば、鉛バッテリなどの二次電池である。
【0027】
スタータ20は、電動モータを含み、充放電制御回路10の第1端子T1から供給された電力を用いてエンジン200を始動する。アイドルストップ中に、運転者がアクセルを踏んだ場合などの所定の再始動条件が成立した場合、スタータ20は、キャパシタCの電力を用いてエンジン200を再始動させる。
【0028】
発電部30は、車両の走行中やブレーキが踏まれた時などにエンジン200の回転により発電して、発電された交流電力に応じた直流電力を充放電制御回路10の第2端子T2に出力する。具体的には、発電部30は、発電された交流電力を直流電力に変換してから出力する。
【0029】
電装品負荷300は、例えば、車両に設けられたオーディオ装置やナビゲーション装置などの各種負荷である。
【0030】
キャパシタC、スタータ20、バッテリB、発電部30及び電装品負荷300のそれぞれの他端は、接地されている。
【0031】
充放電制御回路10について、より詳細に説明する。充放電制御回路10は、双方向昇降圧電源(電源回路)11と、検出部12と、制御部13と、を有する。
【0032】
双方向昇降圧電源11は、第1端子T1のキャパシタ電圧Vcを昇圧又は降圧して第2端子T2に出力する放電状態と、第2端子T2のバッテリ電圧Vbを昇圧又は降圧して第1端子T1に出力する充電状態と、を切り替え可能である。
【0033】
検出部12は、第1端子T1におけるキャパシタ充電電流Icと、第1端子T1のキャパシタ電圧Vcと、第2端子T2のバッテリ電圧Vbとを検出する。
【0034】
制御部13は、CPUなどのデジタル回路で構成され、外部からの信号に基づいて双方向昇降圧電源11を制御する。制御部13は、充電モードになった時、即ち、外部から充電指示が入力された場合又は外部からの信号に基づいて充電すべきと自ら判断した場合に、双方向昇降圧電源11を充電状態に切り替えて、キャパシタCの充電を開始してキャパシタ電圧Vcが目標電圧Viに近づくように双方向昇降圧電源11を制御する。目標電圧Viは、外部から制御部13に直接入力されてもよく、外部からの信号に基づいて制御部13が設定してもよい。
【0035】
なお、制御部13は外部からの各種信号に応じてキャパシタC及びバッテリBの充放電に関する他の制御も行うが、本実施形態におけるキャパシタCのオープン故障の有無の判定とは直接的に関連しないため、説明は省略する。
【0036】
制御部13は、加えて、キャパシタCのオープン故障の有無を判定する。キャパシタCのオープン故障が生じている場合、キャパシタCと第1端子T1との間、及び/又は、キャパシタCと接地との間が、電気的に開放されている。
【0037】
具体的には、制御部13は、
(A)目標電圧Viから、充電モードになる直前のキャパシタ電圧Vcを減算した判定電圧が、第1の規定電圧以上であり、
(B)キャパシタCの充電開始から規定時間経過し、
(C)キャパシタ充電電流Icが規定電流以下であり、且つ、
(D)バッテリ電圧Vbが第2の規定電圧以上である場合、即ち4つの条件(A)〜(D)が満たされた場合に、キャパシタCのオープン故障が生じていると判定する。
【0038】
これら規定時間、規定電流、第1の規定電圧および第2の規定電圧は、以下に説明するようにして予め設定され、制御部13内の記憶部(図示せず)に予め記憶されている。
【0039】
キャパシタCがオープン故障しておらず、且つ、充電モードになる直前にキャパシタCが十分に充電されている場合には、判定電圧(=Vi−Vc)が第1の規定電圧未満になるよう、第1の規定電圧は設定されている。これにより、充電モードになった時点でキャパシタCが既に十分に充電されている場合に、キャパシタ充電電流Icが小さいことにより条件(B),(C)を満たしても、条件(A)を満たさないため、オープン故障を誤判定しないようにできる。
【0040】
一方、キャパシタCがオープン故障していれば、キャパシタCから第1端子T1に電圧が供給されないため、充電モードになる直前のキャパシタ電圧Vc(即ち、検出部12が検出する第1端子T1の電圧)は、ほぼ0Vになっている。そのため、判定電圧(=Vi−Vc)は目標電圧Viとほぼ等しくなり、条件(A)を満たすことになる。従って、他の条件(B)〜(D)も満たせば、前述のように、キャパシタCのオープン故障が生じていると正しく判定できる。
【0041】
また、キャパシタCがオープン故障しておらず、且つ、バッテリ電圧Vbが第2の規定電圧以上である場合には、キャパシタCの充電開始から規定時間後にキャパシタ充電電流Icが規定電流を超えるよう、規定時間、規定電流および第2の規定電圧は設定されている。これにより、この場合、充電モードになる直前にキャパシタCが十分に充電されておらず条件(A)を満たしていても、条件(B),(C)を満たさないため、オープン故障を誤判定しないようにできる。
【0042】
つまり、制御部13は、キャパシタの充電開始から規定時間後にキャパシタ充電電流Icが規定電流を超えた場合に、キャパシタCのオープン故障が生じていると判定しない。
【0043】
さらに、バッテリ電圧Vbが第2の規定電圧未満でありキャパシタCを十分に充電できない場合に、条件(D)を満たさないため、オープン故障を誤判定しないようにできる。つまり、条件(A)を満たしていると共に、キャパシタCがオープン故障しておらず、単にバッテリ電圧Vbが第2の規定電圧未満であるために条件(B),(C)も満たしてしまっている場合であっても、オープン故障を誤判定しない。
【0044】
このように、本実施形態によれば、キャパシタCのオープン故障の有無を正確に判定できる。
その上、既存の回路に特別な回路を追加することなく、制御部13による演算によってオープン故障の有無を判定できる。例えば、制御部13の制御プログラムを変更するだけで本実施形態の故障判定を実現できる。
【0045】
よって、車両に設けられた図示しないECU(エンジンコントロールユニット)は、この判定結果を用いて、キャパシタCがオープン故障している場合には、例えばアイドルストップが行われないように車両の各部を制御することができる。これにより、アイドルストップ後にエンジン200を再始動できないという状態を回避することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 充放電制御回路
11 双方向昇降圧電源(電源回路)
12 検出部
13 制御部
C キャパシタ
B バッテリ
20 スタータ
30 発電部
100 車両用電源装置
図1