(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筐体の内面のうち、前記文字表示ユニットに対向する領域の周囲に、前記光源からの光が透過するのを防止するための塗装が施されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療用機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薬液注入が正常に行われているかどうか確認するため、または、何らかの異常が発生した場合にオペレータにその異常を知らせるため、上記従来技術のように注入ヘッドに何らかの表示部が設けられていることは有用である。
【0006】
一方、注入ヘッドの筐体部分にそのような表示部を設けるためには、一般に、筐体の一部に開口部を形成するとともにその開口部の内側に表示ユニットを配置し、その開口部を覆うように例えば透明のウィンドウ部材が嵌め込まれる構造が採られることが多い。
【0007】
しかしながらそのような構造では、薬液が注入ヘッド上に漏出した場合に、ウィンドウ部材と筐体との隙間から薬液が浸入するするおそれがある。浸入しないとしても、ウィンドウ部材と筐体との接合部分(凹凸部)に付着した薬液をきれいに拭き取るのには手間がかかる。特に、造影剤は乾くと糊状に固着するので、生理食塩水等に比べて拭き取るのが困難である。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、造影剤や生理食塩水などの薬液が筐体内に浸入するおそれが無く、しかも装置の清掃を行い易い医療用機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の医療用機器は、
筐体と、
その筐体の一部に設けられ、シリンジを保持するシリンジ保持部と、
該シリンジ保持部に保持されたシリンジのピストン部材を移動させるピストン駆動機構と、
前記筐体の他の一部に設けられた、所定の情報を表示する表示部と、
を備える医療用機器であって、
前記表示部は、
前記筐体の内側に配置された光源と、
前記筐体の内面と前記光源との間に配置され、その表面に所定の文字が表される文字表示ユニットと、を有し、
前記光源が点灯している状態では、前記光源からの光が前記筐体を透過することによって当該文字を前記筐体の外から視認することができ、
前記光源が点灯していない状態では、文字を前記筐体の外から視認することができないように構成されている。
【0010】
本発明は、また、次のようなものであってもよい。
【0011】
前記光源は、基板上に配置された複数のLEDであり、
文字表示ユニットは、
各LEDからの光を筐体側へと導く複数の導光片と、
前記複数の導光片の間の隙間を遮光する遮光部材と、
を有している、医療用機器。
【0012】
前記LEDが、7セグメント表示に対応した位置に配置され、
各LED上に前記導光片が1つずつ配置されている、医療用機器。
【0013】
前記複数の導光片の高さに差が設けられていることにより、湾曲した文字表示面が構成されている、医療用機器。
【0014】
湾曲した前記文字表示面に合わせて、前記遮光部材も湾曲している、医療用機器。
【0015】
前記筐体の内面のうち、前記文字表示ユニットに対向する領域の周囲に、前記光源からの光が透過するのを防止するための塗装が施されている、医療用機器。
【0016】
前記表示部が前記筐体の上面に設けられている、医療用機器。
このように筐体上面に表示部が設けられている場合、当該表示部にシリンジ内の薬液が付着する可能性が高く、薬液の浸入等の問題が生じやすいので、本発明を適用することが特に有用である。
【0017】
前記シリンジ内の薬液が造影剤である、医療用機器。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、造影剤や生理食塩水などの薬液が筐体内に浸入するおそれが無く、しかも装置の清掃を行い易い医療用機器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を説明する。
図1は、本発明の注入ヘッドの一例であり、
図1(a)において左側が注入ヘッド前側であり、右側が注入ヘッドの後側である。
この注入ヘッド100は、2本のシリンジ200A、200B(以下、単にシリンジ200ともいう)を装着可能なアンギオ用の二筒式ヘッドである。注入ヘッド100は、前後方向にやや長く形成された筐体111(一例として樹脂製)を備えている。筐体111上面の前側には、各シリンジ200を保持するシリンジ保持部121が設けられている。
【0021】
シリンジ保持部121は、この例では、シリンジの破損を防止するための略円筒状の保護ケース205が取り付けられた状態でシリンジ200を保持する。シリンジ保持部121の形状は、保護ケース205の外周面の下側ほぼ半分を保持できるよう、半円筒状の凹部である。各シリンジ保持部121には、開閉自在に構成されたクランパー122、122が設けられており、これらのクランパー122で保護ケース205の基端部を保持することにより、保護ケース205が固定される。なお、それぞれのクランパー122は、ヘッドの側面側に位置する端部が軸支されており、この端部を支点として開閉するように構成されている。
【0022】
なお、シリンジ200自体は従来公知のものを利用でき、一例として、略円筒状のシリンダ部材と、それにスライド可能に挿入されたピストン部材とを有している。ピストン部材としては、棹部材の先端にプランジャが取り付けられたもの(ロッドタイプ)であってもよいし、実質的にプランジャのみのもの(ロッドレスタイプ)であってもよい。
【0023】
図示は省略するが、注入ヘッド100はこのピストン部材を前後に移動させるためのピストン駆動機構を内蔵している。ピストン駆動機構は、この種の注入ヘッド100で従来使用されているものを利用可能であり、一例として、駆動源であるモータと、そのモータからの動力を伝達する機構と、その機構によって伝達された力を受けて進退移動するプレッサー部材とを有している。
【0024】
「注入ヘッド」としては、そのピストン駆動機構や表示部の動作を制御する制御手段が内蔵されるものであってもよい。または、別体のコントローラユニットに内蔵された制御手段によってピストン駆動機構等の動作が制御されるものであってもよい。
【0025】
特に限定されるものではないが、
図1の例では、水平方向に延びる軸181によって筐体111の側面が保持されている。注入ヘッド100はこの軸181周りに回転可能であり、これにより、注入ヘッド100の前側(シリンジ側)を、上方に向けたり下方に向けたりすることができる。なお、この軸181は、例えば可動式のスタンド(不図示)の上端部分に設けられたものであってもよい。あるいは、軸181は、天吊り式の保持機構の一部に設けられたものであってもよいし、所定のベッド等に固定されて使用されるベッドサイドアームの一部に設けられたものであってもよい。
【0026】
筐体111の後端部分には、各シリンジ200A、200Bに対応して、マニュアルノブ113A、113Bが設けられている。このマニュアルノブ113A、113Bを手動で回すことにより、各ピストン駆動機構のプレッサー部材を任意の位置に移動させることができる。
【0027】
筐体111の上面のうち、後側ほぼ半分を占める領域111Rには、所定の情報が表示される表示部50A、50B(以下、単に表示部50ともいう)や、この注入ヘッド100に所定の動作を行わせるための幾つかのボタン114が配置されている。表示部50Aはシリンジ200Aに対応し、表示部50Bはシリンジ200Bに対応する。
【0028】
図1(b)に示すように、この注入ヘッド110の筐体上面のうちシリンジ200A側は、上方に膨らむようにカーブした湾曲面111Aとなっている。一方、シリンジ200B側は、フラットな水平面111Bとなっている。
【0029】
次に、表示部50A、50Bの詳細な構造について、
図2〜
図4も参照して説明する。なお、両表示部の構造は基本的に同じであるので、以下、表示部50Aの構造を例として説明する。
【0030】
図2に示すように、この表示部50は、基板28上に実装された複数のLED26(光源)と、そのLED26と筐体111との間に配置された文字表示ユニット20とを有している。「文字表示ユニット20」とは、その上面に文字表示面31aが構成され、この文字表示面31aに所定の情報が表示されるものをいう。この例では、文字表示面31aは凸状の湾曲面であり、この湾曲面のカーブは、筐体111の内面のカーブに対応している。
【0031】
文字表示面31aに表示される文字は、特に限定されるものではないが、この例では7セグメント表示の3桁の数字と、「ml」の文字とが表示される。これにより例えば「150ml」というような文字が表示可能となる。これは、シリンジ200内の薬液の残量が150mlであることを意味する。
【0032】
このような表示を実現するため、文字表示ユニット20は、基板上の各LED26からの光を筐体111側へと導く導光部材アセンブリ21と、その導光部材アセンブリ21の上方に配置される遮光カバー31とを有している。
【0033】
図3に示すように、導光部材アセンブリ21は、3桁の7セグメントの数字を表示するように配置された複数の導光片22aを有している。その複数の導光片22aの両側には、上面に「ml」の文字が凸状に形成された導光片22bと、2つの三角形の導光片22cとが設けられている。各導光片22a〜22cはLED26の光軸上に配置されている。1つの三角形22cは前方を向き、他方の三角形22cは後方を向いている。導光片22a〜22cはいずれも光を透過する樹脂製の部品であり、下面から入射した光を上方へと導いて、上面から出射する。
【0034】
各導光片22a〜22cの下には、光源としてLED26が1つずつ(一例)配置されている。例えば、7セグメントの表示部分には、7つのLED26が配置されている。
各導光片22a〜22bは別々の部品であってもよいし、複数の導光片の一部または全部を集合させて1つの部品としてもよい。
【0035】
なお、基板28の実装面(
図2の上面)の色は特に限定されるものではないが、一例として黒色等とすることによりLED26からの光の反射を抑える構成としてもよい。このような構成によれば、基板上での光の反射が抑えられるので、筐体の意図しない部位からの光の漏出や、光の反射によって文字表示が不明瞭となる等の問題を防止することができる。
【0036】
各導光片22a〜22cの高さを異ならせることで、筐体111内面のカーブに沿った湾曲したの文字表示面31aを構成することができる。
【0037】
図3に示すように、遮光カバー31は、導光片22a〜22c全体を上から覆うように被せられるカバーである。このカバー31は、上面31a(文字表示面)と、その上面31aの周縁から下方に向かって延び出した周壁とを有している。上面31aには、各導光片22a〜22cの輪郭形状に対応した開口部31bが形成されている。導光片22a〜22cを通じて筐体側へと導かれた光は、この開口部31bを通って筐体内面に向けて照射される。
【0038】
遮光カバー31の上面31aは透光性を有しておらず、導光片の間の隙間を埋める遮光部材としての役割を果たす。このような上面31aが設けられていることにより、各導光片からの光が混ざることが防止され、その結果、文字を明瞭に表示させることが可能となる。
【0039】
なお、後述するように、この上面31aが対向する筐体111の部分は薄肉部になっている。よって、この上面31aが例えば黒色などの濃い色であると、筐体111の薄肉部を通じてこの上面31aが外部から見えるおそれがある。そこで、上面31aの色は白色などの明るい色とすることが望ましい。遮光性能を確保するために、遮光カバー31の材質自体は黒色などの濃い色としつつ、外観面に塗装(例えば白色)を施すようにしてもよい。
【0040】
図4の断面図に示すように、組立状態では、遮光カバー31の上面31a(文字表示面)は筐体111の裏面に近接する。表示部50A、50Bでは、筐体111は薄肉部(一例として厚みt=0.8〜1.0mm)である。筐体111の材質は例えばPC(ポリカーボネート)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)であってもよく、樹脂色は、透光性のある白色または透明であってもよい。
【0041】
樹脂色が透明の場合、筐体表面(表示部50を含む)に白色系(一例)の塗装が施される。樹脂色が白色の場合、表示部50を薄肉部としつつ、筐体表面は無塗装またはクリア塗装のみとしてもよい。この他にも、筐体の表面にフィルムをインサートし、その部分に表示させる構成としてもよい。
【0042】
筐体内面のうち、表示部50の周辺部117(
図4参照)に遮光のためのグレーや黒の塗装をしてもよい。これにより、LED26の光が表示部50以外の部分を通じて筐体外から視認されることが防止される。
また、文字表示面31aでの光の拡散を抑えて文字をより明瞭に見ることができるように、文字表示面31aと筐体111の内面との間に拡散防止フィルム(不図示)を介在させるようにしてもよい。この拡散防止フィルムとしては市販のものを用いることができる。
【0043】
図5は、導光部材アセンブリ21等を下側から見た斜視図である。
この図に示すように、導光部材アセンブリ21と基板28との間には遮光シート29が配置されている。この遮光シート29には、各導光片22a〜22c(
図3参照)の輪郭形状に対応した複数の開口部が形成されている。このような遮光シート29が設けられていることにより、あるLEDから出射した光がそれに隣接する他のLEDに対応する導光片に入射することが防止され、その結果、文字を明瞭に表示することが可能となる。
【0044】
図5に示すように、筐体111の内面には導光部材アセンブリ21等を囲む枠状のリブ55が形成されている。このようなリブ55が形成されていることにより、当該領域からの光の漏れを防止することができる。
【0045】
上記のように構成された本実施形態の注入ヘッド100の表示部50は、LED26を点灯させることにより、所定の文字が筐体111の表面に現れ、当該文字を筐体111の外から視認できる状態となる。例えば「150ml」という表示する場合、7セグメント表示部分に対応した所定のLED26と、「ml」の表示に対応したLED26とを点灯させる。各LED26からの光は、それぞれ、対応する導光片22a、22bに向けて出射され、各導光片を通って文字表示面31a側(筐体側)へと導かれる。
【0046】
これにより、文字表示面31a上で「150ml」の文字が光ることとなり、その光は、
図4に示すように筐体111の薄肉部を透過して外部から視認される。
【0047】
LED26が点灯していない状態では、そのような文字を外部から視認できない状態となる。注入ヘッド100の意匠性の観点から、LED26が点灯していない状態では内部の文字表示ユニット20等が外部から視認できないよう構成されていることが好ましい。
【0048】
以上説明したような本実施形態の注入ヘッド100の表示部50A、50Bによれば、光源からの光が筐体111を透過することによって外部から視認される構成であり、そのため筐体111に開口部を形成する必要がない。この種の注入ヘッドにおいては、薬液注入後の残圧等によって、例えばシリンジ200を注入ヘッド100から取り外す際やシリンジ200に接続されていたチューブ(不図示)を取り外す際などに造影剤等が漏れ出ることがある。このような場合に仮に造影剤等が注入ヘッド100の表示部50に付着したとしても、本実施形態の構成によれば、それらの薬液が筐体内に浸入することはない。
【0049】
また、このような表示部50の構成によれば、筐体111の表面をフラットに(すなわち、凹凸なく)形成することができるので、筐体に付着した造影剤を容易に拭き取ることも可能である。また、生理食塩水や抗がん剤等が付着した場合であっても、それらを容易に拭き取ることができる。
【0050】
造影剤は乾燥すると糊状に固まるため、その拭き取りは生理食塩水の場合に比べて困難である。そのため、表示部50を上記のような構成とすることは、造影剤を注入する装置である注入ヘッド100に特に有用である。
【0051】
また、本実施形態の文字表示ユニット20は、基板上の複数のLED26と、そこからの光を導く複数の導光片22a〜22cとを用いて構成されたものであり、このような構成によれば、各導光片22a〜22cの高さを適宜変更することで曲面状の文字表示面31aを構成できるので、本実施形態のように曲面状の筐体部分(表示部50A)に良好に対応することができる。
【0052】
仮に、市販されている文字表示面(上面)がフラットな7セグメント表示ユニットを利用して曲面状の表示部50Aに文字を表示しようとした場合、文字間で光がにじみ、筐体表面に明瞭に文字を表示することは困難である。
【0053】
以上、本発明の一形態について具体的に説明したが、本発明は上記に限定されるものではなく種々変更可能である。
例えば、文字表示面31aに表示する文字は7セグメント表示の他にも、例えば複数の導光片(LED)の組み合わせで表示されるアルファベット文字であってもよい。本実施形態の構成によれば、LEDや導光片の配置を変えるだけで所望の文字を表示することができる。
【0054】
文字表示ユニット20は、導光部材アセンブリ21に遮光カバー31を被せて構成されるものの他にも、例えば、遮光カバー31に相当する部分と導光部材アセンブリ21に相当する部分とが二色成形(一例)で形成される一部品としてもよい。
【0055】
LEDの色は特に限定されるものではないが、表示部50Aと表示部50Bとで色を異ならせることで、それぞれが異なる薬液を表示していることが分かり易くなる。
【0056】
上記では、注入ヘッドを例に説明したが、このような表示部は薬液(特に造影剤)が付着する可能性のある他の医療用機器(例えば、空のシリンジ内に薬液を吸引する薬液吸引器や、薬液ポンプなど)に適用することもできる。
【0057】
筐体111の材質の樹脂色や、表示部50となる筐体薄肉部の厚み等については、使用する光源(LED)の輝度などに応じて、適宜選択および調整すればよい。
【0058】
〔第2の実施形態〕
上記実施形態では、複数の導光片22a〜22cを用いた例について説明したが、本発明はこれに限らず下記のようなものであってもよい。
図6は、LEDの上に配置される光路形成部材の側面図(半分は縦断面図)を示している。この光路形成部材222は、各LED26(
図3参照)を覆うような大きさに形成されたやや平たい部材であり、その上面は湾曲した文字表示面231aとなっている。この部材222は一例として樹脂製であり、その材料は光透過性を有していない(もしくは非常に低い)例えば黒色の材料である。
【0059】
光路形成部材222には、上記した各導光片22a〜22cに対応するような形状の導光孔が形成されている(
図6では7セグメント表示に対応する導光孔222aの1つのみが描かれている)。導光孔222aは、部材の厚み方向(LEDの光軸方向)に形成されている。
【0060】
このように構成された光路形成部材222の場合、LEDからの光は、導光孔222aの内部の空気中を通って筐体側へと照射され、筐体の薄肉部を通じて外部から視認される。上記実施形態のように導光片を用いた場合(LEDの明るさにもよるが)、LEDからの光が筐体側に過剰に導かれ、筐体外部から見たときに文字がにじむ可能性がある。そのような場合には、
図6のような部材222を利用することで筐体外部から見たときの文字のにじみを抑えることができ、明瞭な文字表示を実現することができる。
【0061】
なお、上記実施形態同様、筐体外部からこの光路形成部材222を視認できないようにするために、部材上面に白色(一例)の塗装223が施されていることが好ましい。
【0062】
〔第3の実施形態〕
上記の他にも、
図7のような構成を採用してもよい。なお、
図7は各部品の材質等について説明するための図面であり、実際の部品の形状を示したものではない。実際には、光路形成部材222′の上面および筐体111の一部は曲面状に形成されている。
この例では、光路形成部材222′の材質は白色の樹脂材料であり、好ましくは材料内に光反射材(一例として金属粒子など)が含有されている。
【0063】
図7に示す筐体111の材質は例えば光透過性を備えた有色(例えばグレー)の樹脂材料であり、その表面には、光透過性を備えた塗装膜111a(例えば白色)が形成されている。なお、図示の都合上、塗装膜111aと筐体111表面との間に隙間が生じているが、実際には、塗装膜111aは筐体表面に形成されている。
【0064】
このような構成によれば、光路形成部材222′の導光孔222a′の内面が白色(樹脂の生地色)となり、したがって
図6のような黒色の場合と比べて、孔内での光の拡散がより顕著となる。その結果、導光孔222a′の上部開口部の全体がより明るくかつ均一に光ることとなる。
【0065】
導光部222a′からの光は筐体111側へと出射され、筐体111および塗装膜111aを透過して、外部から視認される。
ここで、仮に筐体111が透明の場合、筐体111を透過した光が塗装膜111a裏面で反射して再び筐体樹脂材料中へと進行し、そのような現象の結果、外部から見える文字の輪郭がぼやけるおそれがある。これに対して本実施形態では、筐体111が有色であり、光吸収性を備えた材質であるので、塗装膜裏面で反射した光は樹脂内において吸収され、その結果、透明の場合と比較して文字のぼやけが防止される。そのため、より明瞭に文字を表示することが可能となる。
【0066】
なお、
図7の構成の他の例として、例えば、塗装膜111aに代えて光透光性のある蒸着膜が筐体表面に形成されてもよい。この場合、白色の塗装膜111aの場合と比較して上記したような筐体樹脂材料中への反射は生じにくいので、筐体111の樹脂色は透明としてもよい。
また、
図7の構成の他の例として、塗装膜111aに代えて光透光性のあるフィルムが筐体表面に設けられていてもよい。
【0067】
以上、本発明について幾つかの例を挙げて説明してきたが、本発明においては当然ながら、各例に記載された要素が適宜組み合わされてもよい。