(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電池パック及び電池パックの充電方法を例示するものであって、本発明は電池パック及び電池パックの充電方法を以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る電池パックの例として、携帯電話の電池パックに適用した例を、
図1から
図6に基づいて説明する。これらの図において、
図1は電池パック90を収納する電池駆動機器100を無接点式の充電台110にセットする状態を示す斜視図、
図2は
図1の垂直断面図、
図3は電池パック90単体を充電台110にセットして充電する状態を示す垂直断面図、
図4は充電台110に電池駆動機器100を載置し、電池駆動機器100に内蔵された電池パック90の二次電池セル2を充電する電気回路のブロック図、
図5は受電台110に電池パック90単体を載置し、二次電池セル2を充電する電気回路のブロック図、
図6は電池駆動機器100に装着された電池パック90を、電池駆動機器100のDC接続端子117Aから直流電源を供給して、二次電池セル2を有線で充電するための電気回路のブロック図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、電池パック90は、電池駆動機器100に接続されて、この電池駆動機器100を駆動する電力を供給する一方で、充電台110に載置されて、充電台110に内蔵される送電コイル113から電力を受けて無接点充電を可能としている。
図4においては、右側の充電台110に、電池パック90をセットした電池駆動機器100を載置することで、図において中央に示す電池パック90を充電する。またこの電池パック90は、AC/DCアダプタ143を電池駆動機器100に接続することでも充電できる。すなわち、
図6において左側に図示する電池駆動機器100にAC/DCアダプタ143を接続し、ここから得られる電力によって中央の電池パック90を充電できる。このように電池パック90は、充電台110(
図4において右側)からの無接点充電と、電池駆動機器100(
図5において左側)からのアダプタ充電の両方に対応している。さらに電池パック90は、電池駆動機器100に接続された状態での無接点充電に加えて、
図3に示すように電池パック90を電池駆動機器100と接続しない単体のままでも充電可能としている。
(充電台110)
【0025】
図1から
図3に示す充電台110は、電池パック90の受電コイル1に電磁結合される送電コイル113と、この送電コイル113に高周波電力を供給する高周波電源制御回路114を備えている。この充電台110の駆動電力は、外部の商用電源等から受ける電力を変換して、または充電台110に内蔵する充電台用二次電池112を、商用電源等で充電して得られる。
図1の例では、外部からの電力は、充電台用AC/DC変換器(図示せず)のDC接続プラグ141や、USBケーブル142によって供給される。このため充電台110は、外部からの電力を受けるための直流入力端子117を外装ケース111に設けている。ここでは直流入力端子117として、DC接続プラグ141を接続するDC接続端子117Aと、USBケーブル142を接続するUSB端子117Bを備えている。この直流入力端子117からの直流電力は、充電台用二次電池112に充電され、また直接高周波電源制御回路114へ供給される。充電された充電台用二次電池112は、外部の電源から直流入力端子117への電力供給がない場合に、高周波電源制御回路114等に直流電力を供給することができる。これにより、充電台110を携行可能とし、直流入力端子117への電力供給が無くても、充電台用二次電池112の直流電力を供給することで高周波電源制御回路114により高周波電力を発生させることができる。
(電池駆動機器100)
【0026】
一方、電池駆動機器100は、電池パック90を接続して、この電池パック90から電力供給を受けて駆動される。電池パック90は、電池駆動機器100内に収納される。
図1の例では電池駆動機器100を携帯電話とする例を示しており、電池駆動機器100本体の裏蓋を外して、ケース内部に電池パック90を収納している。ただし、電池パックは必ずしも駆動機器本体101の内部に収納する必要は無く、駆動機器本体から剥き出しのまま装着する形態としてもよい。例えば電池駆動機器を電動工具やビデオカメラとする場合は、電池パックを駆動機器本体の一部に着脱式としている。また逆に、電池パックを着脱式とせず、電池駆動機器本内の内部に埋め込み式として交換不可能な形態とすることもできる。
【0027】
また電池駆動機器100には、交流電源に接続された機器用AC/DCアダプタ143からの入力端子として、DC接続端子117Aを有している。これにより、電池駆動機器100に接続されている電池パック90は、DC接続端子117Aより直流電源を供給することができ、電池パック90内の二次電池セル2を安定して充電することができる。
(充電中表示機能)
【0028】
図1に示される電池駆動機器100には、後述するように、二次電池セル2の無接点充電による充電中を表示する充電中表示機能として、無接点充電表示部157を有している。また充電中表示機能は、電池駆動機器100のみならず、充電台110側にも設けることができる。
図1の充電台110は、二次電池セル2の充電中を表示する表示部を備える。この充電台110での二次電池セル2の充電中を示す表示部は、充電表示LED119であり、点灯パターンにより、充電中であることを示すことができる。
【0029】
一方、二次電池セル2の電池残容量については、
図4の回路図に示すように電池駆動機器100内の充電電流検出抵抗156により検出した電圧を残容量演算部155(FG−IC)により積算して、別途表示させることもできる(
図1には図示せず)。あるいは、充電中表示機能と残容量表示機能とをを共通化して、充電表示LED119の点滅方法により、二次電池セル2の残容量を表示することもできる。充電表示LED119は、
図4に示すように直流電力制御回路121に接続している。充電表示LED119は、直流電力制御回路121で通電状態が制御されて、二次電池セル2の充電状況を点灯状態で表現される。
図1及び
図2に示す充電表示LED119は、外装ケース111に内蔵される回路基板に固定されて、定位置に配置している。外装ケース111は、充電表示LED119と対向する位置にLED表出孔120を開口しており、このLED表出孔120から充電表示LED119を外部に表出させている。直流電力制御回路121は、高周波電源制御回路114で検出される二次電池セル2の残容量に応じて、充電表示LED119の点滅状態を制御しており、充電表示LED119の点滅のパターンで二次電池セル2の残容量を表示している。
(電池パック90)
【0030】
図4に示す電池パック90は、充電可能な二次電池セル2と、充電台110に内蔵される送電コイル113と電磁結合可能な受電コイル1と、駆動機器本体101側にて二次電池セル2の温度を検出するための温度検出部94と、電源端子の一であるマイナス端子104に接続された経路切替スイッチ93と、経路切替スイッチ93のON/OFFを制御するためのパック制御部91と、電池駆動機器100と電気的に接続するためのパック側接続端子とを備える。パック側接続端子は、二次電池セル2の充放電を行うための、一対の電源端子102、104と、温度検出部94を接続した温度端子103と、状態通信端子106、FG端子105を含む(詳細は後述)。
【0031】
この電池パック90は、
図4の回路図に示すように電池駆動機器100に装着した状態で充電する他、
図3の断面図に示すように、電池駆動機器100に装着せず、単体のまま充電台110に載置して充電することもできる。いずれの場合も、電池パック90の受電コイル1が、充電台110の送信コイル113と電磁結合し、受けた磁束により誘導起電力を発生させることができる。
【0032】
また受電コイル1は、外形を円形状とする他、角型状とすることも好ましい。これにより、受電コイル1の巻き線長を長くできる分、インダクタンスを増加できる。また、角型状のコイルは円形状のコイルに比べてコイルの回転方向を規制できるため、位置決めを容易にできる。
【0033】
ここで、電池パック90が無接点式の充電台110から受領した電力でもって、二次電池セル2を充電する原理を、
図4に基づいて説明する。充電台110の送電コイル113と電磁結合される受電コイル1で発生される誘導起電力は、
図4に示すように無接点充電回路95により直流電源に変換され、二次電池セル2が充電される。この実施例では、図示しないが、二次電池セル2は、充電電圧、電流および電池温度等の監視パラメータを計測する監視回路を有している。この監視回路は、いずれかの監視パラメータが二次電池セル2に対して予め設定された閾値を超えた場合には、受電コイル1に変調信号を付加し、送電コイル113側へ伝達し、高周波電源制御回路114にて出力調整を行うことができる。たとえば、電池パック90の二次電池セル2が満充電に達した場合には、電池パック90側からの信号を受けて、充電台110の高周波電源制御回路114の出力を停止することができる。これにより、電池パック90の安全性を保つことができ、さらに充電台110の出力を停止することにより無駄な電力消費を抑制できる。
(二次電池セル2)
【0034】
この電池パック90に内蔵される二次電池セル2は、幅よりも薄い角型の直方体で、各面を一体成型した外装缶を形成し、金属ケースとすることができる。たとえば、金属ケースは、アルミニウム等とすることができ、外因性の衝撃から保護することができ、さらに放熱性にも優れた効果を得ることができる。
【0035】
この実施例での二次電池セル2は、体積エネルギー密度の大きいリチウムイオン二次電池又はリチウムポリマー電池を使用することで、全体を軽く、薄く、小さくして利便性を良く携帯駆動機器に利用できる特徴がある。ただこれに限るものではなく、二次電池セルは、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等の充電できる全ての二次電池とすることもできる。
(無接点充電)
【0036】
ここで、電池駆動機器100を充電台110に載置して、充電を行う様子を、
図4、
図5に基づいて説明する。この図においては、右側の充電台110に、左側の電池駆動機器100を載置して、内部に収納した電池パック90を充電する様子を示している。この電池パック90を無接点充電する充電台110は、高周波電源制御回路114からの高周波電力を送電コイル113へ通電し、磁束を発生させ、電池パック90内の受電コイル1に誘導起電力を発生させる。ここで、充電台110内の高周波電源制御回路114は、充電台用AC/DC変換器からのDC接続端子117AとUSB端子117Bとを有する直流入力端子117から、直流電力の供給を受けることができる。この直流電力は、充電台110の充電台用二次電池112への充電と共に、高周波電源制御回路114へ直流電力を供給し、直流電力を高周波電力に変換し送電コイル113へ供給することができる。また、直流入力端子117への直流電力が供給されない場合は、予め充電台110に内蔵された充電台用二次電池112を充電しておくことにより、この充電台用二次電池112から高周波電源制御回路114へ直流電力を供給することもできる。これにより、無接点電力送信を行う送信コイル113は、受電機器側にある受電コイル1と磁束により電磁結合ができ、受電コイル1に誘導起電力を供給することができる。
【0037】
さらに、高周波電源制御回路114への電力供給は、直流電力制御回路121により制御され、直流入力端子117および充電台用二次電池112の切り替えをスイッチSW1、SW2、SW3及びSW4のON/OFFにて行う。ここで充電台用二次電池112への充電は、直流入力端子117から直流電力が入力されたことを、直流電力制御回路121にて認識し、スイッチSW1またはSW2及びSW3がONになり通電される。ここで通電された直流電力は、内部充電回路118にて、充電台用二次電池112が満充電か否かを検出し、充電可能であれば充電を開始し、満充電時は電力供給しないようにする。これにより、充電台110は、持ち運びが可能で、交流電源やUSB電源の供給不能な場所でも、充電台用二次電池112により高周波電源制御回路114への電力供給が可能でき、電池パック90への無接点充電を実行することができる。
【0038】
高周波電源制御回路114は、送電コイル113と電磁結合される受電コイル1が認識できる範囲にあるか否かを判断し、受電範囲内であれば電力を供給し、受電範囲外であれば電力供給を停止する。これにより、充電台110は、無駄な送電エネルギーを供給することなく、必要時のみ送電することで省エネ効果を得ることができる。
【0039】
さらに、直流電力制御回路121には、高周波電源制御回路114の高周波の電圧変化、電流、位相変化及び/又は変調周波数の検出により、二次電池セル2の残容量、充電電圧情報、満充電情報、異常出力停止信号等を受信し、残容量を点滅のパターンで表示できる充電表示LED119を接続している。これにより、充電台110は、満充電情報に基づき、高周波電力の供給を停止することができ、必要時のみの動作として、省エネ効果を得ることができる。
(電池パック90の詳細)
【0040】
次に、電池パック90の詳細について、
図4〜
図6に基づいて説明する。
図4に示す例では、電池駆動機器100は、電池パック90と、この電池パック90から電力供給を受ける駆動機器本体101とで構成される。そのため電池パック90は、パック側接続端子として、一対の電源端子102、104を構成するプラス端子102とマイナス端子104を有し、更に温度端子103と、状態通信端子106、FG端子105の計5端子を有している。これにより、電池パック90は、これらの4端子により駆動機器本体101が接続されている場合、駆動機器本体101の電池駆動機器100の制御情報や電池パック90の二次電池セル2の電池情報等を相互通信することができる。
(無接点充電回路95)
【0041】
送電コイル113からの磁束により、電池パック90内の受信コイル1で発生した誘導起電力の高周波電力は、無接点充電回路95を経由し、直流電力に変換され、経路切替スイッチ93を経由し、二次電池セル2を充電することができる。無接点充電回路95は、同期整流回路等が利用できる。同期整流回路は、高周波電力をまず整流回路にて整流し、平滑コンデンサにより直流成分のみを直流電力として二次電池セル2への充電電力としている(図示せず)。
【0042】
この実施例の電池パック90は、充電台110に搭載されたとき、オープンで、無接点充電電力の供給によりパック制御回路91が起動すると、クローズする充電スイッチ98と、パック制御回路91が起動していないので初期状態のデフォルトでオープン状態となる経路切替スイッチ93を有している。この充電スイッチ98及び経路切替スイッチ93は、共にパック制御部91によりオープン/クローズを制御される。これら充電スイッチ98及び経路切替スイッチ93は、電流通過制御可能なFET、トランジスタ等の半導体素子とすることで、回路の小型化を図ることができる。好ましくは、電流通過時に電力損失が少ないFETの半導体素子を選択することで、受電された電力の変換損失を減少させることができる。
(充電スイッチ98)
【0043】
充電スイッチ98は、無接点充電回路95の電力出力を制御し、二次電池セル2への充電電力を供給の有無や充電電流量を制御する。
(経路切替スイッチ93)
【0044】
さらに、経路切替スイッチ93は、電池駆動機器100との接続の有無によりオープン/クローズを制御している。経路切替スイッチ93は、
図4に示すように、経路切替制御ラインSWLを介してパック制御部91の経路切替端子82と接続されている。
(充電経路)
【0045】
パック制御部91は、後述する機器接続判定部によって、電池パック90が単体か、電池駆動機器100に接続された状態かの判定結果に基づいて、充電経路を切り替える。すなわち、経路切替端子82のHIGH/LOWを切り替えることで、経路切替制御ラインSWLを介して経路切替スイッチ93のON/OFFを切り替える。具体的には、電池パック90が電池駆動機器100に接続されている状態でAC/DCアダプタが接続されていない状態(無接点充電される状態)であれば、詳細には後述するように、経路切替制御ラインSWLが、中間電圧状態となる。これにより、パック制御部91によって、経路切替スイッチ93がOFFされてオープンとなるため、二次電池セル2の充電経路は、無接点充電の場合、無接点充電回路95から充電スイッチ98、二次電池セル2を経て、保護回路92、マイナス端子104、機器側マイナス端子104’を通って、電池駆動機器100側の充電電流検出抵抗156を通電する。さらに機器側FG端子105’、FG端子105を経て電池パック90側の無接点充電回路95に戻る。これにより、充電電流検出抵抗156を流れる充電電流を残容量演算部155で積算して、二次電池セル2の残量量を算出できる。この結果、本来的に無接点充電の場合は電池パック90内で完結するはずの充電経路を、敢えて部分的に電池駆動機器100側に延伸させることで、電池駆動機器100側で二次電池セル2の残容量を把握し、充電中であることや満充電状態に達したことを表示してユーザに告知することが可能となる。
【0046】
また、電池パック90が電池駆動機器100に接続されている状態でAC/DCアダプタが接続される状態であれば、詳細には後述するように、経路切替制御ラインSWLが、低電圧状態となる。これにより、パック制御部91が低電圧を検出して、パック制御部91が、電池パック90の無接点充電を禁止するよう、充電台110に停止信号を送信すると共に、充電スイッチ98をOFFする。このとき、経路切替スイッチ93がOFFされてオープンしたままである。
【0047】
また、電池パック90が単体で無接点充電される場合であれば、詳細には後述するように、経路切替制御ラインSWLが、高電圧状態となる。これにより、パック制御部91によって、経路切替スイッチ93がONされてクローズとなる。
【0048】
なお、AC/DCアダプタ接続時においても、詳細には後述するように、同様にパック制御部91は経路切替端子82をLOWとし、経路切替スイッチ93をOFFする。このため二次電池セル2の充電経路は、給電先がAC/DCアダプタ143又はアダプタ充電制御部153(充電回路)となることを除いて、無接点充電の場合と同様となる。
(機器接続判定部)
【0049】
一方で、詳細には後述するように、状態通信ラインSTLの電圧を、低電圧、中間電圧、高電圧と変化させる構造である機器接続判定部によって、電池パック90が単体であると判定された場合は、パック制御部91は経路切替端子82をHIGHとし、経路切替制御ラインSWLを介して経路切替スイッチ93をONに切り替える。この結果、マイナス端子104とFG端子105がショートされるので、二次電池セル2の充電経路が寸断されることなく、保護回路92から経路切替スイッチ93を経て、無接点充電回路95に戻る。これにより、充電経路が確立されて、電池パック90単体の無接点充電も可能となる。また、温度検出部94の下側が接地されることより、温度測定が可能となる。
【0050】
図4における電池パック90は、無接点充電回路95の電力出力を制御するパック制御部91により、充電開始時に充電スイッチ98をクローズするよう指示する。この指示の基となる情報としては、例えばパック制御部91に内蔵されるサーミスタ(図示せず)で検出される温度が所定範囲内であるとき、電池駆動機器100から電池パック90へのAC/DCアダプタ143の直流電力供給のないとき(詳細は後述)等に、充電スイッチ98をクローズして、充電を開始する。この情報をパック制御部91へ転送し、充電スイッチ98を制御している。これにより、電池パック90への充電に伴う温度上昇等より二次電池セル2を保護することができる。
(パック制御部91)
【0051】
パック制御部91は、温度端子103と接続されている。パック制御部91が、充電台110と無接点充電を開始する際に経路切替スイッチ93をOFFに切り替えることで、温度端子103を介して電池駆動機器100と通信可能とする。これにより、温度端子103を、無接点充電時には電池駆動機器100との通信を行う通信端子として利用でき、温度端子103と通信端子とを同一の端子で兼用することが可能となり、電池パックのコスト上昇を抑制し、また部品点数の増加によるスペース的な制約を回避することができる。
【0052】
さらに
図4に示すパック制御部91は、外部との信号をやりとりするための入出力として、プルアップ端子83と、状態入力端子84と、経路切替端子82と、無接点充電異常端子85とを備える。またプルアップ端子83は、第一分圧抵抗86と第二分圧抵抗87を介して接地されている。また状態入力端子84は、第一分圧抵抗86と第二分圧抵抗87との接続ノードに接続されている。また状態入力端子84は、駆動機器本体101の抵抗R1にも接続されている。ここで、パック制御部91は、充電スイッチ98をOFFとした状態で、充電台110より、無接点充電の充電電力を得て、起動し、その後、スイッチ98を動作させる。
(プルアップ端子83)
【0053】
プルアップ端子83は、パック制御部91に含まれるトランジスタと接続された出力端子である。プルアップ端子83は、電池パック90が充電台110に載置されたかどうかを検出して、状態通信端子106を介して電池駆動機器100側に通知する。具体的には、無接点充電台110に電池パック90が載置された際に、電力が供給されることにより、供給された電力でもってパック制御部91が動作するよう、プルアップ部81がONとなる。
(状態入力端子84)
【0054】
状態入力端子84は、状態通信端子106と接続される入力端子であり、低電圧、中間電圧、高電圧と変化させる構造である機器接続判定部による状態通信ラインSTLの電圧を、パック制御部91に入力する。また、この状態入力端子84の電圧レベルを用いて、電池パック90が電池駆動機器100に接続されているか、AC/DCアダプタ143で充電されているか、電池パック単体かの・BR>@器接続状態の判定を行う。すなわち、機器接続判定部としても機能する(詳細は後述)。
(経路切替端子82)
【0055】
経路切替端子82は、経路切替スイッチ93と接続されており、電池パック単体での充電を行うために経路切替スイッチ93のON/OFFを切り替える。すなわち、電池パック単体接続時に、無接点充電を行う際にはONに、経路切替スイッチ93を切り替えて電池セルを充電する。また電池パック90が電池駆動機器100と接続されたときに無接点充電を行う際には、経路切替スイッチ93をOFFとして、電池駆動機器100側の残容量演算部155を通るように充電経路が切り替えられる。また、過放電状態の電池パックが電池駆動機器100に装着された場合にも、通常の電流積算では正確な残容量の演算ができないため、経路切替スイッチ93をONすることで電池駆動機器100への経路を切り離して、電池パック単体での充電を行う。
(無接点充電異常端子85)
【0056】
さらに、無接点充電異常端子85は、充電等において例えば過充電圧、過電流等何らかの異常が検出された場合に、異常信号を出力するための端子である。
図5の回路例では、無接点充電異常端子85は、温度検出部94と平行に、温度端子103とマイナス端子104の間に接続された異常スイッチと接続されている。ここでは異常スイッチはバイポーラトランジスタであり、そのベース端子が無接点充電異常端子85と接続されている。この回路例において、無接点充電の異常が検出された場合に、無接点充電異常端子85を通電して異常スイッチをONとし、温度端子103をLOWとする。これを受けて電池駆動機器100側の機器制御部150は、温度端子103がLOWレベルとなった場合に、無接点充電の異常が発生したと判断することができる。
(機器接続判定部)
【0057】
電池パック90が、電池駆動機器100と接続されているか、又は電池パック90単体のいずれであるかは、機器接続判定部によって判定される。機器接続判定部は、電池パックの接続状態、すなわち電池パックが単体か、又は電池駆動機器100に接続されている状態かを判定する。
図6等の例では、機器接続判定部は、パック制御部91の状態入力端子84により実現されている。上述の通り状態入力端子84は、第一分圧抵抗86と第二分圧抵抗87と、接続ノードに接続され、駆動機器本体101における抵抗R1にも接続されている。また第一分圧抵抗86はプルアップ端子83と接続されている。この例では、機器接続判定部は、パック制御部91のプルアップ部81をONにした状態で、すなわちプルアップ端子83をONとした状態で、状態入力端子84の電圧値に基づいて判定する。このため抵抗R1、第一分圧抵抗86と第二分圧抵抗87(抵抗R1、第一分圧抵抗86に対して大きな抵抗値、数十倍から数百倍程度)の抵抗値は、二次電池セル2の電池電圧に応じて設定される。例えば、電池駆動機器100の装着時状態入力端子84の電圧値が、概略、第二分圧抵抗87が大きいことより抵抗R1、第一分圧抵抗86の分圧比となり、セル電圧の所定比率(例えば1/2)以下の中間電圧であるとき、電池駆動機器100に装着されていると判定する。また電池パック単体であるときは、第一分圧抵抗86と第二分圧抵抗87の分圧比となり、第二分圧抵抗87が大きいことより、二次電池セル電圧に近くなるので、上述の所定比率よりも高い、すなわち高電圧のときは、電池パック単体であると判定する。この機器接続判定は、無接点充電の開始時に行う。電池パック単体で充電される場合、充電電流は、無接点電流検出抵抗99にて検出され、充電台110により、最大電流、最大電圧を規制した定電流、定電圧にて充電され、パック制御部91が所定電圧以上のとき、所定電流値以下が検出すると、満充電と判定し、パック制御部91が検出して、電池パック90の無接点充電を禁止するよう、充電スイッチ98をOFFすると共に、充電台110に停止信号を送信する。
【0058】
このようなパック制御部91での、機器接続判定の結果に基づいて、上述のように、経路切替スイッチ93を動作させ、充電経路を切り替える。その他、機器接続判定の結果に基づいて、パック制御部91は、無接点充電の充電電流値を、適切な値に切り替えることができる。例えば電池パックが単体の場合は、放熱性が電池駆動機器装着時よりも優れていると判断して、充電電流を電池駆動機器装着時よりも高く調整する。
【0059】
一方で、状態通信ラインSTLは、中間電圧の電池パック90が電池駆動機器100に装着されている状態においては、状態通信スイッチ160がONとなり、隣接するFET169がONとなり、レベルシフト部151を経て、無接点充電表示部157が点灯する。
【0060】
状態入力端子84は、状態通信端子106と接続される入力端子であり、低電圧、中間電圧、高電圧と変化させる構造である機器接続判定部による状態通信ラインSTLの電圧を、パック制御部91に入力する。
(アダプタ充電)
【0061】
さらに、電池駆動機器100にAC/DCアダプタ143を接続して充電を行う様子を、
図6に基づいて説明する。この図においては、左側の電池駆動機器100にAC/DCアダプタ143を接続して、内部に収納した電池パック90を充電する様子を示している。
図6の電池パック90は、駆動機器本体101のDC接続端子117Aへ、商用電源と接続されたAC/DCアダプタ143のDC接続プラグ141を接続し、直流電力を駆動機器本体101へ供給している。この直流電力が供給された駆動機器本体101は、DC接続端子117Aへの直流電力を、アダプタ充電制御部153で受ける。
(アダプタ判定部159)
【0062】
アダプタ判定部159は、AC/DCアダプタ143と接続されて、供給ラインのダイオードより高電圧側(図示せず)から電圧を測定して、所定電圧よりも大きいならば、接続されていると判定する。またアダプタ判定部159は、アダプタ判定出力端子161を備えている。
(アダプタ判定出力端子161)
【0063】
アダプタ判定出力端子161は出力端子であり、機器制御部150のアダプタ判定入力端子162に接続されている。アダプタ判定回路159は、AC/DCアダプタ143が電池駆動機器100に接続されているときはHIGH信号を、未接続のときはLOW信号を、それぞれ出力する。このアダプタ判定出力端子161から出力されるアダプタ判定信号に基づいて、機器制御部150は、電池パック90側に対して無接点充電の許可/禁止を指示する。この例では、アダプタ接続判定信号がHIGH信号のとき、AC/DCアダプタ143が接続されており、アダプタ充電を優先する結果、無接点充電を禁止し、又は既に実行中の無接点充電を中止するために、プルダウンスイッチ168を利用して、状態通信ラインSTLをLOW(低電圧)とする(詳細は後述)。これを受けて電池パック90側のパック制御部91は、状態通信ラインSTLがLOWとなったことを状態入力端子84で受信すると、二次電池セル2の無接点充電を禁止する。
【0064】
また機器制御部150は、アダプタ判定入力端子162に加え、残容量演算部155に接続される残容量入力端子163及び割込入力端子164と、プルダウン抵抗167及びプルダウンスイッチ168と接続される無接点充電禁止出力端子165とを備える。
【0065】
無接点充電禁止出力端子165は、出力端子であり、プルダウン抵抗167及びプルダウンスイッチ168と接続される。プルダウンスイッチ168は、
図4の例ではFETである。無接点充電禁止出力端子165は、駆動機器本体101が電池パック90に接続され、充電台110より無接点充電される場合においては、残容量入力端子163からの入力結果に基づいて無接点充電を禁止するための無接点充電禁止信号を出力する。
【0066】
一方で、AC/DCアダプタ143の接続を検出すると、無接点充電禁止出力端子165はHIGH信号を出力し、プルダウンスイッチ168をONにする。この信号は機器側FG端子105’から出力され、また機器側状態通信端子106’から出力されて、R1の抵抗分が、接地状態となることより、状態入力端子84が低電圧となり、これを、パック制御部91が検出して、電池パック90の無接点充電を禁止するよう、充電スイッチ98をOFFすると共に、充電台110に停止信号を送信する。一方で、満充電が検出されていない状態ではLOW信号を出力し、無接点充電を禁止せず、許可状態とする。状態入力端子84が低電圧となることより、状態通信スイッチ160がOFFとなり、無接点充電表示部157は、消灯することになる。
【0067】
なお、
図7に示すように、アダプタ判定回路159からの出力信号を、直接、プルダウンスイッチ168のゲートに直接入力することもできる。この機能は、マイコンを備える機器制御部150の動作不良の際等に、有用となる。
(アダプタ判定部)
【0068】
パック制御部91は、AC/DCアダプタ143の接続を検出すると、充電方式を無接点充電からアダプタ充電に切り替える。上述の通り、アダプタ接続を検出すると、パック制御部91は、充電スイッチ98をオープンにし、無接点充電を中止する。
【0069】
さらに、アダプタ充電を行うために、経路切替スイッチ93をクローズして、温度端子103を介して二次電池セル温度を電池駆動機器100側に伝達する。これにより、温度端子103を、AC/DCアダプタ充電時には二次電池セル温度を送出する温度端子103として使用することが可能となる。
【0070】
一方パック制御部91は、AC/DCアダプタ143による充電と、無接点充電とが競合した場合に、上述のように、AC/DCアダプタ143接続により、プルダウンスイッチ168をONになり、状態入力端子84が低電圧となり、これを、パック制御部91が検出して、電池パック90の無接点充電を禁止するよう、充電スイッチ98をOFFすると共に、充電台110に停止信号を送信する。このようにまず無接点充電をOFFとするための信号を電池パック90から充電台110側に送出し、電力の送出を停止する。次に、AC/DCアダプタ143による充電を開始する。これにより、アダプタ充電と無接点充電が同時に行われようとした場合には、無接点充電を中止してアダプタ充電を優先させることで、充電電流、電力が大きなアダプタ充電により充電時間を短縮できると共に、より安定した充電を図ることができる。アダプタ充電により、満充電が検出されると、アダプタ充電制御部153にて、充電を停止する。
【0071】
図4は、電池パック90を駆動機器本体101(電池駆動機器100)に接続された状態で無接点充電をする場合を示し、
図5は、電池パック90単体を無接点充電する場合を示し、
図6は、電池パック90を駆動機器本体101(電池駆動機器100)に接続された状態でアダプタ充電する場合を示し、
図7は、電池パック90を駆動機器本体101(電池駆動機器100)に接続された状態で、充電台110に搭載された場合、無接点充電より、アダプタ充電が優先する場合を示している。
【0072】
図4においては、充電台110より無接点充電電力が供給されると、パック制御部91が起動して、状態通信ラインSTLの状態入力端子84の電圧は、上述のように、第一分圧抵抗86と抵抗R1の分圧により、中間電圧と検出され、機器接続判定部として、パック制御部91の状態入力端子84の中間電圧により電池パック90を駆動機器本体101(電池駆動機器100)に接続された状態で無接点充電をする場合と判定する。その後、経路切替スイッチ93がオープンとなり、充電スイッチ98がクローズされ、充電が開始される。そして、充電電流が充電電流検出抵抗156にて検出され、充電台110により、最大電流、最大電圧を規制した定電流、定電圧にて二次電池セル2が充電され、所定電圧以上のとき、所定電流値以下が検出すると、機器制御部150が満充電と判定し、無接点充電禁止出力端子165はHIGH信号を出力し、プルダウンスイッチ168をONにし、状態入力端子84が低電圧となり、これを、パック制御部91が検出して、電池パック90の無接点充電を禁止するよう、充電台110に停止信号を送信すると共に、充電スイッチ98をOFFする。
【0073】
図5においては、充電台110より無接点充電電力が供給されると、パック制御部91が起動して、状態通信ラインSTLの状態入力端子84の電圧は、上述のように、第一分圧抵抗86と第二分圧抵抗87との分圧により、高電圧と検出され、機器接続判定部として、パック制御部91の状態入力端子84の高電圧により電池パック90を単体で無接点充電をする場合と判定する。その後、経路切替スイッチ93がクローズとなり、充電スイッチ98がクローズされ、充電が開始される。そして、充電電流が無接点電流検出抵抗99にて検出され、充電台110により、最大電流、最大電圧を規制した定電流、定電圧にて二次電池セル2が充電され、所定電圧以上のとき、所定電流値以下が検出すると、パック制御部91が、満充電と判定し、電池パック90の無接点充電を禁止するよう、充電台110に停止信号を送信すると共に、充電スイッチ98をOFFする。
【0074】
図6においては、AC/DCアダプタ143が接続されると、アダプタ判定回路159が検出し、機器制御部150が無接点充電禁止出力端子165はHIGH信号を出力し、プルダウンスイッチ168をONにし、状態通信スイッチ160がOFFとなることより、無接点充電表示部157は消灯することになる。ここで、無接点充電がされていないことより、パック制御部91が起動していないので、経路切替端子82がLOW状態であるので、経路切替スイッチ93がオープンとなり、充電電流が充電電流検出抵抗156にて検出され、アダプタ充電制御部153により、最大電流、最大電圧を規制した定電流、定電圧にて二次電池セル2が充電され、所定電圧以上のとき、所定電流値以下が検出すると、機器制御部150が満充電と判定し、アダプタ充電制御部153にて、充電を停止する。
【0075】
図7においては、電池パック90を駆動機器本体101(電池駆動機器100)に接続された状態で無接点充電をしているとき、アダプタ充電を行うと以下のように、充電が進む。まず、充電台110より無接点充電電力が供給されると、パック制御部91が起動して、状態通信ラインSTLの状態入力端子84の電圧は、上述のように、第一分圧抵抗86と抵抗R1の分圧により、中間電圧と検出され、機器接続判定部として、パック制御部91の状態入力端子84の中間電圧により電池パック90を駆動機器本体101(電池駆動機器100)に接続された状態で無接点充電をする場合と判定する。その後、経路切替スイッチ93がオープンとなり、充電スイッチ98がクローズされ、充電が開始される。このような充電中に、AC/DCアダプタ143が接続されると、アダプタ判定回路159が検出し、機器制御部150が無接点充電禁止出力端子165はHIGH信号を出力し、プルダウンスイッチ168をONにし、状態通信スイッチ160がOFFとなることより、無接点充電表示部157は消灯し、状態通信ラインSTLの状態入力端子84の電圧は、低電圧となることより、パック制御部91が低電圧を検出して、パック制御部91が、電池パック90の無接点充電を禁止するよう、充電台110に停止信号を送信すると共に、充電スイッチ98をOFFする。よって、アダプタ充電が優先されて、経路切替スイッチ93がオープンとなり、充電電流が充電電流検出抵抗156にて検出され、アダプタ充電制御部153により、最大電流、最大電圧を規制した定電流、定電圧にて二次電池セル2が充電され、所定電圧以上のとき、所定電流値以下が検出すると、機器制御部150がと判定し、アダプタ充電制御部153にて、充電を停止する。
(アダプタ充電と無接点充電の競合)
【0076】
また、
図7に示すように、AC/DCアダプタ143による充電中に、電池パック90
を装着した電池駆動機器100を、AC/DCアダプタ143を接続したままの状態で充電台110に置かれることも考えられる。この場合には、いずれかの充電を中止する必要がある。そこで、無接点充電を停止すると共に、アダプタ充電を実行するように、適切な制御を行う。このような複数の充電が競合する場合の考えられる組み合わせとしては、
(1)AC/DCアダプタ143で充電中に無接点充電台110に置かれた場合(一旦、パック制御回路91が起動するが、状態通信ラインSTLが低電圧であることより、電池パック90の無接点充電を禁止するよう、充電台110に停止信号を送信する。)、
(2)無接点充電中にAC/DCアダプタ143を接続した場合(上述の
図7の説明のとおり、アダプタ充電が優先される。)、
(3)無接点充電とAC/DCアダプタ143充電とを同時に行う場合(上記の(1)(2)のいずれかの状態になり、アダプタ充電が優先される。)、
が考えられる。いずれの場合においても、無接点充電を中止して、AC/DCアダプタ143充電のみを行うように制御する。
【0077】
このような充電方式の選定手順を、
図8のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、無接点充電が既に実行されている状態から、アダプタ充電に移行する場合を説明する。まずステップS1で無接点充電による充電が行われているものとする。ここでは、AC/DCアダプタ143による充電は停止されている。この状態でステップS3において、AC/DCアダプタ143の接続を電池駆動機器100が検出する。ここでは、機器制御部150がAC/DCアダプタ143の接続を検出して、パック制御部91に対して、充電停止信号を送信するよう通信を行う。これを受けて、ステップS3で、電池パック90は無接点充電による充電を停止する。そしてステップS4で、AC/DCアダプタ143による充電を開始する。
(温度検出部94)
【0078】
温度検出部94は、
図4などでは説明の都合上二次電池セル2と離れて図示されているが、実際には二次電池セル2の近傍に配置されている。例えば二次電池セル2の表面に接触させて、二次電池セル2の温度を検出できるようにする。このような温度検出部94には、PTCサーミスタやNTCサーミスタなどが好適に利用できる。
(保護回路92)
【0079】
さらに二次電池セル2を過充電電圧、過電流、過放電電圧から保護するための保護回路92を設けることもできる。
図4の例では、保護回路92を二次電池セル2と直列に接続しており、所定の閾値以上の充電電流が流れた場合に、電流を遮断して二次電池セル2を保護する。また、過充電電流に限らず、二次電池セル2の電圧異常や温度異常、あるいは過放電の際にも、これを検出してオープンし、電流を遮断することもできる。
(電池駆動機器100の詳細)
【0080】
次に電池駆動機器100の詳細を、
図4〜
図6に基づいて説明する。これらの図に示す電池駆動機器100は、AC/DCアダプタ143と接続されて、このAC/DCアダプタ143から電力を受けて、電池パック90を充電する電力に変換するためのアダプタ判定回路159と、アダプタ判定回路159の動作を制御する機器制御部150と、機器制御部150と電気的に接続され、電池パック90のパック側接続端子と接続するための機器側接続端子と、アダプタ充電制御部153と、システム電源部154と、残容量演算部155と、レベルシフト部151と、無接点充電表示部157とを備える。
(機器側接続端子)
【0081】
また電池駆動機器100は、電池パック90の接続端子と接続するための機器側接続端子を備えている。機器側接続端子は、機器側温度端子103’と、一対の機器側電源端子である機器側プラス端子102’、機器側マイナス端子104’と、機器側状態通信端子106’と、機器側FG端子105’を含む。
(機器側状態通信端子106’)
【0082】
機器側状態通信端子106’には、状態通信スイッチ160が接続されている。また機器側状態通知端子は、パワーダウンしている機器制御部150を起動させるために利用することもできる。
(レベルシフト部151)
【0083】
レベルシフト部151は、無接点充電中に各信号のHIGHレベルの電位が異なっているため、この信号をレベルシフトさせるために用いられる。レベルシフト部151には、レベルシフト用レギュレータが好適に利用できる。またレベルシフト部151も、パワーダウンした機器制御部150を起動させるために利用することもできる。
(無接点充電表示部157)
【0084】
無接点充電表示部157は、無接点充電が行われている期間中に点灯されて、無接点充電の実行中であることをユーザに告知する。なお機器制御部150がパワーダウンしている場合でも、ユーザに対して充電表示を行うために使用することもできる。
(残容量入力端子163)
【0085】
残容量入力端子163は、入力端子であり、残容量演算部155に接続される。残量量演算回路は、積算された充放電電流値に基づいて、電池セルの残容量を演算し、さらに満充電を検出する。このような残容量信号を、残容量入力端子163から入力して、必要な処理を行う。
(割込入力端子164)
【0086】
さらに機器制御部150の割込入力端子164と残容量演算部155とは、割り込み信号線166で接続されている。充電と放電が切り替えられた場合や、残容量が更新された場合に、残容量演算部155から機器制御部150に割り込みパルスが出力されて、状態の変化を機器制御部150に伝える。例えば、電池パック単体で充電されたため、残容量演算部155で演算された残容量と一致しない場合や、新たな電池パックが装着された場合等に、割り込みパルスが出力されて、これまで残容量を破棄し、新たな残容量を設定する。新たな残容量は、電池セルの電圧等から算出される。
(再充電機能)
【0087】
また上記の電池パックは、一定時間経過後に再充電を行う機能を備えている。すなわち、電池パック単体又は電池パックを接続した電池駆動機器を、充電台に載置したまま放置した状態でも、一定時間経過後に再充電が必要かどうかを検出し、電池パックの残容量が低下している場合は、再充電を行う。これにより、例えばスマートフォンのような、ユーザが使用しない状態でも電力を消費する電池駆動機器であっても、いざ使用する段になって残容量が少ないという事態を避けることができる。
【0088】
特に無接点充電方式においては、充電台の送電コイルと電池パックの受電コイルが電磁結合して送電する際に通信を行うため、充電しない期間においては、電池パックと充電台との間で通信を行うことができない。このため、一旦無接点充電により満充電等になり、充電が終了して、以降の通信を行うことができない。
(再充電時間間隔可変機能)
【0089】
一方で、上記の電池パックは、再充電を行う間隔を一定とせず、電池パック等の状態に応じて変更可能としている。すなわち、再充電を頻繁に行うと二次電池セルに対する過充電の原因となり、負荷がかかり電池パックの寿命に影響を及ぼすことが考えられる。しかしながら、電池パックの充電の終了は、満充電検出による正常終了に限らず、例えば二次電池セルの温度が許容温度範囲外となって充電を停止する等、異常終了の場合もある。この場合、電池パックが満充電に至らない状態で充電が終了しているため、ユーザが使用する段になって十分な残容量が得られていないこととなる。このため、このような異常終了した電池パックについては、速やかに充電を再開して、満充電の状態に近付けるように充電を進めることが好ましい。
【0090】
このような問題に対して、上記実施例に係る電池パックでは、再充電を行う再度送電する時間間隔を状況に応じて変更する機能を備えている。このような電池パックの構成を、
図9のブロック図に示す。この図に示す電池パックは、二次電池セル2と、受電コイル1と、無接点充電回路95と、パック制御部91と、セル温度検出部54と、送信間隔指定部52と、残容量検出部51と、許可信号送信部53とを備えている。残容量検出部51は、二次電池セル2の残容量を検出する。
(許可信号送信部53)
【0091】
許可信号送信部53は、電池パックの充電の終了したとき、再充電許可信号を発行し、受電コイル1から送電コイル113に対して送信する。再充電許可信号は、電池パックに対して再度送電する時間間隔を、前記二次電池セル2の充電が終了した理由に応じて変更する情報を含む。再送電する時間間隔は、後述するように送電間隔指定部52より、送信、伝達される。
【0092】
セル温度検出部54は、二次電池セル2の温度を検出する。このセル温度検出部54は、上述の通りPTCサーミスタやNTCサーミスタなどが好適に利用できる。
(送電間隔指定部52)
【0093】
送電間隔指定部52は、充電台110に対して、充電台110側から電池パック側に対して、所定の再度送電する時間間隔を、指定する。ここでは送電間隔指定部52は、一旦充電台110からの送電を受けて二次電池セル2の充電が終了した場合、該充電が終了した理由に応じて、所定の再度送電する時間間隔を変更する。
【0094】
また送信間隔指定部52は、二次電池セル2の充電を終了した理由が、二次電池セル2の満充電を検出したことが理由の場合は、充電台110が再充電を行う所定の再度送電する時間間隔を長く設定し、二次電池セル2の異常を検出したことが理由の場合は、充電台110が再充電を行う所定の再度送電する時間間隔を短く設定する。これにより、満充電の場合には、再充電間隔を長くして二次電池セルへの負担を低減し、一方異常充電の場合には短時間で再充電を試みることにより、二次電池セルをできるだけ満充電に近付けるように維持できる。
【0095】
図9の例では、パック制御部91を構成するマイコンが、残容量検出部51と、送電間隔指定部52と、許可信号送信部53の機能を実現している。なお、これらの部材を別部材で構成することも可能であることはいうまでもない。逆に、他の複数の部材を一部の部材に統合することも可能である。
【0096】
また充電台110から電池パックへの送電が停止されている間は、パック制御部91への電力供給を遮断することが好ましい。これにより、無接点充電をしていない非充電期間の電力消費量を低減できる。特に無接点充電方式においては、充電終了後には充電台と電池パックとの間で通信が行えない。かといって、残容量の変化をモニタするために充電台と電池パックを共に起動させた状態とすると、無駄な電力消費となってしまう。そこで、充電終了後には基本的に電力をOFFして無駄な電力消費を抑制すると共に、再送電までの間の電池パック側をOFFさせることで、満充電後の電力ロスを最小限に抑制できる。また、再充電間隔を、温度範囲外は短く、満充電後は長く設定することで、二次電池セルへの負荷、特に満充電状態での過充電を抑制することができ、それぞれに適した再充電を行える。
(異常終了)
【0097】
ここで二次電池セルの異常は、例えば二次電池セルの温度が所定の許容温度範囲を超えたことを検出した場合とできる。これにより、二次電池セルの温度が許容温度範囲外となったときに、充電を一旦終了すると共に、所定の範囲を経過後に再充電を試みることで、温度が許容温度範囲内に戻っておれば充電を継続できるようになる。このときの送信時間間隔を、満充電による終了よりも短く設定することで、充電に要するトータルの時間を短くできる。
【0098】
また、異常終了は電池セル温度に限られず、例えばAC/DCアダプタ充電の検出時などを含めることもできる。上述のように、AC/DCアダプタ充電時においては、状態通信ラインSTLが低電圧であることを検出して、パック制御回路91は、無接点充電を、停止、終了する。このとき、許可信号送信部53は、電池パックの充電の終了したとき、再度送電する時間間隔の情報を含む再充電許可信号を送信して、無接点充電を、停止、終了する。これにより、所定の再度送電する時間間隔にて、再度送電を行うことにより、充電台上で、AC/DCアダプタが抜かれたときは、無接点充電を再開することができる。この所定の再度送電する時間間隔は、温度が所定の許容温度範囲を超えたことを検出した場合より、短く設定することができる。また、これらの事象毎に、異なる送信時間間隔を設定することもできる。
【0099】
なお、充電台110から電池パックへの送電が停止されている間は、パック制御部91への電力供給を遮断することが好ましい。これにより、充電をしていない間の電力消費量を低減できる利点が得られる。
(電池パックを無接点充電により再充電する手順)
【0100】
以下、無接点充電によって電池パックを再充電する手順を、
図10のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、開始時点で無接点充電が行われていないものとし、スタート時には、電池パックを単体で、もしくは電池駆動機器に接続した状態で、充電台110に置いて無接点充電の送電を開始するための処理を行う。
【0101】
まずステップS1において、無接点充電のための初期化を行う。ここでは、充電台110からの再充電判定信号を受けて、無接点充電を開始するか否かの処理を開始する。具体的には、充電モードの判定と充電移行の判定を行う。なお、ここでは充電モードの判定を行った後、充電移行の判定を行っているが、順序を逆にしてもよい。
(充電モードの判定)
【0102】
具体的には、ステップS2において、充電モードの判定として、AC/DCアダプタが接続されているか否かの判定を行う。この例では、電池パックを電池駆動機器と接続する状態通知ラインの端子電圧が0.5V以下かどうかを判定する。以下の場合は、AC/DCアダプタが接続されているとして、ステップS3に進み、無接点充電を停止すると共に、待機状態となる。ここでは、送信間隔指定部52が、第一待機時間(例えば5秒)に設定する。そして第一待機時間経過後に、ステップS1に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。
【0103】
状態通知ラインの端子電圧が0.5Vを超える場合は、AC/DCアダプタが接続されていないとして、ステップS4に進む。なお、電池パックが電池駆動機器と接続されておらず、電池パック単体の場合でも、状態通知ラインの端子電圧が0.5Vを超えるように予め設定されている。
(二次電池セルの温度判定)
【0104】
ステップS4では、二次電池セルの温度が正常範囲内かどうかを判定する。この例では、二次電池セルの温度が0℃以上40℃未満であれば正常と判定し、ステップS6に進む。一方、0℃未満または40℃以上の場合はステップS5に進んで温度待機状態となる。ここでは、送信間隔指定部52が、第二待機時間(例えば5分)に設定する。そして第二待機時間経過後に、ステップS1に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。
(予備充電)
【0105】
ステップS6〜S7においては、予備充電を行う。ここでは、ステップS6において電池セル電圧が所定の予備充電電圧(例えば3.0V)以上かどうかを判定し、NOの場合はステップS7に、YESの場合はステップS10に、それぞれ進む。
【0106】
ステップS7では、予備充電を開始し、さらにステップS8では第一充電異常判定を行う。具体的には、所定の第一タイムアウト時間に達したかどうかを判定する。第一タイムアウト時間は、予備充電を継続しても電池セル電圧が上昇しない場合に、異常と判定するための基準値であり、例えば30分に設定される。第一タイムアウト時間に達していない場合は、ステップS2に戻って処理を繰り返す。すなわち、上述したAC/DCアダプタ接続の有無と、二次電池セルの温度判定を行う。なお、二次電池セルの温度判定においては、許容温度範囲を変更することもできる。ここでは0℃〜45℃として、無接点充電開始により上限温度を高くしている。
【0107】
一方で第一タイムアウト時間に達した場合は、ステップS9に進んで、充電異常と判定する。充電異常の場合は、電池パックは充電台110に対し、異常終了信号を送信する。充電台110は、異常終了信号を受けると、無接点充電を異常終了する。
(定電流充電)
【0108】
一方、ステップS10では、定電流充電を開始する。ここでは、所定の温度プロファイルに従った充電電流にて二次電池セルを充電する。具体的には、電池セル温度が0〜30℃の場合は充電電流を400mA超に設定し、40℃〜45℃の場合は400mA未満に、無接点充電回路95が設定する。そしてステップS11において、第二充電異常かどうかの判定を行う。具体的には第二タイムアウト(例えば720分以上経過)であって、かつ電池セル電圧が3.90V以下のとき、充電異常としてステップS9に移行する。第二充電異常でない場合は、ステップS12に進み、定電流充電の終了条件に達したかどうかを判定する。この例では、電池セル電圧が4.19V以上に達したかどうかを判定し、達した場合はステップS13に進み、未だの場合はステップS11に戻る。
(定電圧充電)
【0109】
ステップS13では、定電圧充電に切り替える。ここでは、充電電圧を4.20Vに設定する。次いでステップS14において、第三充電異常かどうかの判定を行う。ここでは、第二充電異常と同じく、第三タイムアウト(例えば720分以上経過)であって、かつ電池セル電圧が3.90V以下のとき、充電異常としてステップS9に移行する。第三充電異常でない場合は、ステップS15に進み、満充電かどうかを判定する。この例では、電池セル電圧が4.18V以上で、かつ充電電流が50mA以下の場合、または電池セル電圧が4.18V以上で、かつ充電電流が80mA以下の状態が10分以上経過した場合、あるいは第4タイムアウト(例えば720分異常経過)したとき、ステップS15で満充電と判定する。ここでは、電池パックから充電台110に対し、正常終了信号を送信する。充電台110は、正常終了信号を受け取ると、送電を止め、無接点充電を終了する。
(正常終了信号)
【0110】
さらに、電池パックは正常終了信号に加えて、充電台110が再送電する時間間隔も、充電台110に送信する。この再送電する時間間隔は、送信間隔指定部52が指定する。ここでは、送信間隔指定部52は正常終了時の送信時間間隔として、比較的長い時間、例えば1時間を指定する。
【0111】
これを受けて充電台110では、正常終了信号を受け取った後、所定の時間間隔後に、電池パックに対して再送電する。そして電池パックは、再送電を受けると、
図9に示すように、残容量検出部51で、現在の二次電池セル2の残容量を検出し、これが所定値以上の場合(満充電の場合)は、再充電を許可しない。
【0112】
一方、電池パックの残容量が所定値以下に低下していた場合は、再充電許可信号を充電台110側に送信する。再充電許可信号は、許可信号送信部53により生成される。
(異常終了信号)
【0113】
また上記のステップS9で異常終了の場合も、同様に電池パックは異常終了信号に加えて、送信時間間隔を充電台110に送信する。送信時間間隔は、異常終了の理由に応じて、送信時間間隔を設定する。例えば、温度異常の場合は5分、AC/DCアダプタ充電の場合は5秒とするなど、正常終了時よりも短い時間を設定する。
【0114】
これを受けて充電台110では、異常終了信号を受け取った後、指定された時間間隔後に、電池パックに対して再送電する。そして電池パックは、同様に再送電を受けて、異常終了時には短時間で充電を再開できるので、異常時に充電を停止して安全性を確保しつつも、電池パックの満充電までに要する時間を短くできる。